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律「あたし、部長だし!」
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 18:33:18 ID:NwAxDJow
律「もっと話広げてくれてもよくない?」
梓「それが後輩に対する態度なんですかね」
律「そうだが?反論がないならあたしの勝ちだが??」
梓(うっざ)
梓「ありますよ」
律「なんだい?」
梓「命令口調、その上から目線、ムギ先輩なら許されるかもしれませんが、律先輩は所詮庶民です。諦めて優しい先輩でいてください」
律「ぬぉー!?地味に傷ついたよあずにゃん…」
梓「律先輩までやめてください!」
律「ちぇー。いけずぅ」
梓「それが後輩に対する態度なんですかね」
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 18:37:18 ID:NwAxDJow
律「違うわ!唯の真似だし!」
梓「そうだったんですね。すみません」
律「何であたしだけこうも迫害されにゃならんのだー!?」
梓「にゃ…」
梓「もう一回にゃって言ってみてください」
律「え?さっき言った?」
梓「言いましたよ」
律「しょーがないにゃあ…にゃ」
梓「素っ気ないからやり直し!」
律「それが先輩に対する態度?」
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:06:26 ID:NwAxDJow
律「…」
梓「…」
律「練習、するか」
梓「そうですね」
〜♪
梓「律先輩!また走りすぎです!」
律「え!?そんなに!?」
梓「はい。せっかくメトロノームがあるんですから、それに合わせてちゃんと練習してください」
律「合わせてるんだけどなぁ」
梓「いいから」
律「言い訳して、言い訳?」
梓「…」
律「…って、言いたかったんじゃないの?」
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:08:02 ID:NwAxDJow
梓「あと、いいわけ?が言い訳?になってましたよ。しっかりしてください!」
律「何であたし!?」
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:12:16 ID:NwAxDJow
律「梓」
梓「にゃんですか」
梓「失礼、噛みまみた…」
律「おー、真っ赤」
梓「律先輩も澪先輩に殴られれば私とおそろいですね」
律「それ遠回しにあたしのこと嫌いって言ってるよね?」
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:16:51 ID:NwAxDJow
梓「別に嫌いではないですよ」
律「ふーん、そっか〜」
梓「何ニヤニヤしてるんですか」
律「好きの反対は〜?」
梓「無関心です」
律「梓はあたしのことが〜?」
梓「好きでも嫌いでもないです」
律「無関心か…」
梓「第一、そんな手にはひっかかりませんよ」
律「むー!」
梓「小学生ですか」
律「梓の体型もなかなかだけどな」
梓「人の体型についてとやかくいうのはセクハラですよ!」
律「え、そこ?」
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:21:10 ID:NwAxDJow
梓「ていうか、身長以外は律先輩もそうですよね」
律「な、なにをーっ!!」
律「あたしだってくびれぐらいは…!」
梓「じゃあ見せてください」
律「うっ…」
梓「くーびーれ、くーびーれっ」
律(遂に頭も小学生になっちまったか)
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:23:30 ID:NwAxDJow
律「まあいいか、ほい」
梓「わー…」
律「あ!触ったな!?」
梓「わっ!?すみません、つい…」
律「何がつい…だよ。あたしは今からお前の将来が心配になってきたよ…」
梓「そこまでのことはしてませんよ!?」
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:29:28 ID:NwAxDJow
律「そうか?」
律「もしこれが澪だったらどうするよ?」
梓「そもそも澪先輩には緊張して『くびれ見せてください!』なんて頼めませんよ」
律(良いんだか悪いんだか…)
律「もしも、の話だぞ」
梓「あ〜…、確かに殴られそうです」
律「だろ?」
梓「はい」
律「あたしはかわいい後輩を守りたいから、今から警告しておいたんだぜ?」
梓「…律先輩が言うと、信憑性0です」
律「中野ォ!!!」
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:31:56 ID:NwAxDJow
律「…で、くびれ、どう?」
梓「意外とありますね。綺麗なラインで羨ましいです」
律「へっへーん!」
梓「ドヤ顔はノーセンキューです」
律「デジャヴ」
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:35:41 ID:NwAxDJow
律「梓もすっかり唯に懐いたよな〜」
梓「そうですか?」
律「だって、唯がいないと寂しそうな顔すんじゃん」
梓「そうなんですね」
律「それだけ?」
永遠にループする♪アップダウン♪アップダウン♪
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:36:56 ID:NwAxDJow
唯「もうっ!皆練習するよ!」
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:39:15 ID:NwAxDJow
律「そうだぞ!澪、だらけてないでさっさとやろーぜ!!」
澪「あ、ああ、そうだな…」
紬「皆、茶葉とお菓子をいつもありがとう…」
梓「いや、もうちょっとだらけさせてくださいよー」
澪(これは…!)
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:43:30 ID:NwAxDJow
澪「はっ!!!」
律「おはよ、澪」
澪「おはよ…何だ。夢かぁ」
律「どんな?」
澪「えーっと…、皆がそれぞれ正反対の性格になった夢、かな」
律「へえ。唯も前言ってたなそれ」
澪(予言者がいた!?)
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:49:35 ID:NwAxDJow
唯「へ?皆が正反対の性格になったら?」
澪「そう」
唯「どうしたの澪ちゃん…」
澪「?いや、唯がそういう話律としてたって聞いたって…さっき言ったよな?」
唯「あれえ?そうだったっけー?」
澪「忘れるなよ!」
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:54:10 ID:NwAxDJow
唯「少なくとも私は憂になるし、憂は私になる!」
澪「そうだな」
唯「で、澪ちゃんはりっちゃんになるし、りっちゃんは澪ちゃんになる」
澪「なるほど…え?」
唯「ムギちゃんは…かわいそうだから言うのやめよう。あ、沢庵がただの眉毛になる!」
澪(まずそれを言うのをやめろ)
唯「あと、あずにゃんはね〜、私っぽくなるかなぁ」
澪「確かにな」
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:00:01 ID:NwAxDJow
唯「でも何でそんな夢を?」
澪「私もわからない」
唯「はっ!もしや、パラレルワールドがこの世界に接近してる…!?」
澪「せ、接近!!?」
唯「そんなに怖がらなくてもいいのに〜」
澪「だって!私たちが飲み込まれるかもしれないんだぞ!!?」
唯「そんなことあるのかなぁ?」
澪「それは信じてないんだ…」
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:03:49 ID:NwAxDJow
律「へー。唯がそんなこと言ってたんだ」
澪「ああ」
律「実際にありそうだよね、パラレルワールド」
澪「…あるよ」
律「見たことあるの?」
澪「夢で」
律「あたしの期待を返せコノヤロー!」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:07:54 ID:NwAxDJow
律「澪がパラレルワールドの世界に行きたいって」
紬「うふふ♪澪ちゃんのそういうところ、結構かわいいわよね♪」
律「話す相手間違えたか?」
紬「間違えてないわ」
律「急に声のトーン下げるな!」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:11:55 ID:NwAxDJow
紬「じゃーん!実はパラレルワールドに行ける機械を作ってみたの〜♪」
律「もはやどこから突っ込めばいいのかわからない」
紬「明日は休日だから、唯ちゃん達も誘って行ってみましょう!」
律「…一応誘ってみるよ」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:17:12 ID:NwAxDJow
律「唯ー、ムギがパラレルワールドに行ける機械を作ったんだってさ!」
唯「おおー!流石ムギちゃん!」
律「凄いだろー?明日それで冒険してみよーぜー♪」
唯「うん!!!しよしよ!!」
キートン山田「それにしてもこの律、軽音部内で一番ノリノリである」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:22:39 ID:NwAxDJow
律「澪!朗報だ!パラレルワールドに行ける機械をムギが作ってくれたぞ〜!」
澪「ムギ、正気か?」
律「そこは信じてやれよ…。まあいい、明日行ってくるわ」
澪「軽音部全員で?」
律「うん」
澪「私は?」
律「含まれてるよ」
澪「良かった〜!」
律(めんどくせー…)
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:28:51 ID:NwAxDJow
律「梓も行く?」
梓「どこにですか?」
律「なーんか言うの疲れちゃった☆」
梓「じゃあ切りますね。さよなら」
律「ちょっちょっ!最後まで聞いてよ〜!!」
梓(絶対どうでもいい話だと思う)
梓「まあ、今暇なんでいいですよ」
律「ほんと!?実はパラレルワールドに行く機械をムギが作ってくれたんだ〜♪」
梓「切りますね」
律「本当だよ!!!ムギに聞けばわかる!!」
梓「はぁ…。で、いつ行くんですか?」
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:31:03 ID:NwAxDJow
律(梓も何だかんだ、こういうの信じるタイプなんだな〜)
律「明日!」
梓「決まるの早いですね」
律「そいじゃ!」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:34:36 ID:NwAxDJow
梓「…えへへ」
梓「向こうの世界の私に会うの、ちょっと楽しみ…♪」
キートン山田「ちょっとどころではないようだ」
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:37:36 ID:NwAxDJow
よくじつ!
律「さあさあ!始まるザマスよ」
紬「行くでガンス♪」
唯「ふんがー!」
澪「まともに始めなさいよ!」
梓(澪先輩もですよ…)
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:00:08 ID:NwAxDJow
紬「まずは…、ここをこうして……えいっ♪」
律「皆ー、最初はどこ行くー?」
唯「はいっ!私、胎児になったとこからがいいです!」
梓「はあ」
紬「いいわね〜♪私も自分がどういう形で成長したのか見てみたいわ♪」
律「よーし!決まりだな!」
澪「決めるの早くないか!?」
紬「あ、でもね、もう高校一年生のときに戻れるボタン押しちゃったからごめんなさいね?」
律「それを先に言えよ!」
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:07:47 ID:NwAxDJow
キートン山田「ここで『これからは何も突っ込まないでおこう』と決心した梓であった」
梓(まあこれはタイムトラベルなんですけどね)
唯「あ!あれが私だ!」
律「え!?あの使えないドジっ子!!?」
澪「本人の前で何を言ってる!!」
梓(本人がいないとこならいいのかよ…)
律「いでー…」
梓「自業自得ですよ。あ…」
紬「梓ちゃん、どうしたの?」
梓「いえ…、自分との闘いに負けただけです」
澪「そうか。それは大変だったな」
律「中二病同士かよ…」
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:19:46 ID:NwAxDJow
澪「あ、あれ、私…」
律「あー!澪だ!!」
梓「知らない人とぶつかって慌ててるの、かわいいですね」
澪「梓まで変態に…」
唯「ちょっと待って!この澪ちゃんのパンツ…!」
律「( ゚д゚)ハッ!」
紬「( ゚д゚)ハッ!」
梓「( ゚д゚)ハッ!」
澪以外「縞パンだ〜!!!!」
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない…!」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:21:30 ID:NwAxDJow
律「あ!あたしのカバンでギリセーフだ!」
梓「さっき見えてましたよね?」
律「そんな一瞬のこと…すぐ忘れるって」
澪「だったら私のファンクラブできてないだろー!!?」
梓「というわけでアウトです」
澪「お前ら私のパンツのことしか考えてないだろ!!!」
唯「あ、今清楚で可憐な澪ちゃんがパンツって言いました」
律「澪、アウト〜!」
澪「何のだよっ!?」
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:28:20 ID:NwAxDJow
梓「あの…、紬先輩が無言かと思ってたら、さっきから澪先輩のスカートの中を盗撮してる気が…」
紬「梓ちゃん!しーっ!」
澪「いやああああああああああ!!!!!!!!!」
律「もうバレてるぞ…って、何であたしが殴られるんだよ!?」
唯「今日のりっちゃん、何か大変そうだね」
律「そう思ってんならツッコミ手伝えよ!!」
梓「律先輩も相当ボケてましたけどね」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:47:34 ID:u4BlRBco
唯「あれは…!ムギちゃん!」
紬「唯ちゃん、友達見つけるの早いわね〜」
唯「とーぜんです!だって、ムギちゃんだけに、ギムだから!!」
唯以外「…」
律「…ダジャレにすらなってないぞ〜?あレ?ヤジだ!!」
律以外「…」
律「あ、あはは…滑った!あたし、滑り止めの大学、滑った〜!あ〜ははは〜!!」
澪「お前の滑った話を二重に聴かされる気持ちを考えてほしいなあ?」
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:57:15 ID:u4BlRBco
紬「気を取り直して、もう一回♪」
律「あー!ズルいぞー!」
紬「りっちゃんの番はもうナシにしたわ♪」
律「何で!?てかそんなことできんの!!?」
梓「あ…ムギ先輩。歩道に生えた雑草のような花を除けながら歩いてます!」
唯「ムギちゃんえらーい!」
紬「えへへ…ありがとう」
律「あたしなんて普段上しかみてないから、花結構踏んじゃってるかもなぁ」
梓「…まぁ、当たり前のことを誇大表現しただけですが」
律「中野ォ!!!」
梓「あれ?何で怒ってるんですか?クスッ」
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:03:03 ID:u4BlRBco
澪「あ、梓だ」
梓「!」
唯「セーラー服姿もかわいいなぁ、あずにゃん♪」
梓「あ、あんまりじろじろ見ないでください!!」
唯「え?過去のあずにゃんだよ?」
梓「知ってますけど…」
律『あ、あんまりじろじろ見ないでください!!』
梓「…」
律「え?何?怖い怖い…」
律「あいたーっ!」
唯「あずにゃん、昔の方がかわいかったなぁ…」
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:08:39 ID:u4BlRBco
澪「あとはどこ行きたい?」キラキラ
律「もう今日は帰りたいでーす…」
紬「じゃありっちゃん抜きで回ってこようかな〜♪」
律「何か…今日皆あたしにだけ風当たり強くない?」
唯「じゃありっちゃん抜きで!」
律「何でだよ!!行きます!行きたいです!」
梓「じゃあ、私は未来の私達を見に行きたいです」
唯「いいね!行こう行こう!」
律「スルーされてんだかされてないんだか…」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:25:28 ID:u4BlRBco
「ていこう!」
律「でさ〜っ!さわちゃんが鬼で〜、マジヤバかったwwwww」
澪「律があんなテストで赤点取るからだろwww」
律「何をーっ!澪さんだって赤点ギリギリだったくせに!!」
紬「まあまあまあまあまあまあwwwwww」
唯(うう…あの人達怖いよぉ…)ビクビク…
唯(この高校は、とみお婆ちゃんによると、底辺高校らしいです)
唯(でも、私の学力だと、近所ではここにしか行けないって和ちゃんに言われて…。何とか無事に受かり、和ちゃんと登校できるということに縋って、しぶしぶ通っています…)
唯(まあ、和ちゃんは指定校推薦でいい大学に行きたいからここを受けたんだけどねー)パクッ…
律「…」ジーッ…
唯「ひぃっ!?」
唯(早速睨まれた…!)
澪「どうした?律」
律「いや?何か挙動不審なぼっちいるなーってww」
紬「そんな子本当にいた〜?www」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:29:20 ID:u4BlRBco
律「ナチュラルに酷いこと言うよな〜ムギは!wwwあの有名な、隣のクラスのひ・ら・さ・わさんだよっ!!wwwww」
澪「…」ポーッ…
紬「ひらさわ、さん…?ああ、あの痙攣持ちのwwwww」
律「そーそーwww見ててホントおもろいからwwww」
律「な、澪?wwwwww」
澪「…あのクラスのセンコー、マジかわいいwwwww」
律・紬「ギャハハハハハハwwwwwwwww」
唯(うう…何であの人達が3組の廊下にいるんだろ…?)
唯(和ちゃん、早く生徒会から戻って来て…!)
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:33:27 ID:u4BlRBco
和「おまたせ、唯」
唯「和ちゃん…!」パアアッ…!
唯(この学校で、唯一まともな人…だと思う)
和「ところで唯、部活はどこに決めたの?」
唯「それが…まだ…」
和「ええ!?まだ決めてなかったの!!?」
唯「!?」ビクッ!
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:37:33 ID:u4BlRBco
和「はぁ…、こうしてニートが出来上がっていくのね…」
唯(部活やってないだけでニート!?)
唯(…前言撤回。やっぱり和ちゃんもある意味変わった人です)
和「まあ、とにかくこの1週間で決めましょ」
唯「何で?」
和「そりゃあ、転部と帰宅部には居場所がないからよ…。あと文化部も」コソッ
唯「ああ…(察し)」
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:40:06 ID:u4BlRBco
唯(何かやらなきゃいけない気が…いや、やらなきゃいけないんだけど…、何やればいいんだろ……?)アセアセ
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:44:42 ID:u4BlRBco
律「みーおっ!廊下をいかにセンコーにバレずに走れるか競争しよーぜwwwww」
澪「ああ。負ける気がしないなwwwww」
律「よーい…」
澪「…!」ゴクリ…
律「ドン!」
澪(これは…いける!!)
さわ子「田井中!秋山!職員室に来い!!」
律・澪「へーい…」
律・澪(かったり〜…)
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:50:51 ID:u4BlRBco
さわ子「クドクドクドクド…」
律・澪「zzz…」
さわ子「…あなたたち!聴いてるの!?」
律・澪「ハヒッ!?」
さわ子「…これは反省文だけじゃ済まなそうね…」
唯「あの〜…、山中先生はいらっしゃいますか……?」ビクビク…
さわ子(久々に敬語が使える子に会ったわ…!)
さわ子「は〜い、中へどうぞ」
さわ子「…いい?とーにーかーく!あなたたちは黙ってなさい!」
律・澪「はい…」
律・澪(どれだけ人望ねーんだよウチら…)
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:55:23 ID:u4BlRBco
唯「クラスのプリントを取りに来たんですけど…」
さわ子「えーと…、3組はこれね」
唯(親切そうな先生で良かった…)ジーン…
唯「ありがとうござ…」
唯「!!?」ビクッ!
律「…」ジーッ…
唯(あのデコに睨まれてる!)ビクビク…
唯「あ…っ」フラフラ…
バッシャアアア…
唯「はわわわわわわわわわわわ」
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:58:13 ID:u4BlRBco
さわ子「大丈夫?」
唯「は、はい!大丈夫で…!!」ゴッ!!!
さわ子「気をつけてね」
唯「すすすみません…!」
澪「…さわちゃん、今日も綺麗だな」コソッ
律「そういう問題じゃねえw」コソッ
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:02:17 ID:u4BlRBco
唯「し、失礼しましたぁっ!!」バタン!
澪「…軽音部への入部希望者はいなそうだな。じゃあこれが終わったら私は文化部に…」コソッ
ガシッ!
律「…ダメだ。文化部はああいうトロくて使えねーよーな奴しか入んねーよ」コソッ
澪「なら仕方ないな…」コソッ
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:07:16 ID:u4BlRBco
おんしつ!
律・澪「…」シーン…
澪「…なあ、もうそろそろ帰」
律「だーめーだっ!!今日は粘る!!!」
澪「私だって暇じゃないんだぞ、今日は本当はカラオケ行く予定だったのに…」
律「はあ!?んなもんぶっちすりゃいいっしょ!!!!」
澪「したよw律といた方がテンアゲだしwwwww」
律「さっすが澪wwwwww」
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:13:20 ID:u4BlRBco
ガチャ…
紬「あの…音楽室に用があって来たんですけど……って、りっちーに澪ちーじゃんwwwwwww」
律「ムギ!何だよその外面wwwww」
澪「マジウケるわ〜wwwwwww」
紬「こーしとけばパイセンに好かれると思ったwwwwww」
律「今時そんなパツキンで敬語使う後輩好きなパイセンいないっしょwwwwwww」
紬「ひでえwwwwwwww」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:17:02 ID:u4BlRBco
澪「私はじゃあこれで…」
律「澪…!」
澪「!」
律「あの日の約束は、嘘だったのか…!?」
紬「急にお前らどーしたwwwww」
律「あたしがドラムで、澪がベースで…!」
律「二人でいつかバンド組もうって、誓ったじゃないか……っ」ウルウル…
紬「りっちー…」ジーン…
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:20:02 ID:u4BlRBco
澪「…その回想は嘘だろwwwwwwwww」
紬「ブフッwwwwwwww」
律「あwそうだったっけ?wwwwwww」
紬「wwwwwwwwwwwww」
紬「やっぱお前らオモロいわ〜wwwww私も入部していいッスか?wwwwwwwwww」
律「やったぜwwwwwwwwwwwwww」
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:21:41 ID:u4BlRBco
澪「って、私入部するっつった?!wwwww」
律「仕方ないから入部してやるっつってたじゃねーかwwwwwwww」
澪「そうかもwwwwwwww」
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:26:21 ID:u4BlRBco
唯(うーん、どの部活に入ろう…?)
唯(話を聞くと、どの部活もハードそうだし…)
唯(…入るんだったら、やっぱり文化部がいいな)チラッ
唯(軽音、部…?)
唯(『うん♪たん♪うん♪たん♪』)
唯(…)
唯「和ちゃん、軽音部ってのがあるけど…」
和「あ〜、ギターとかドラムとかやるんでしょ?唯は何の楽器できるの?」
唯「…カスタネット」
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:29:13 ID:u4BlRBco
和「…はぁ」
和(カスタネット、ねぇ…)
和(唯『うん♪たん♪うん♪たん♪』)
和「…」
和「向いてると思うわ、軽音部…」
和(私もよく知らないけど…)
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:33:41 ID:u4BlRBco
唯「というわけで、軽音部に入ってみることにしました…」ビクビク…
和「文化部らしいけど、いいの?」
唯(あ…)
唯(気がつくと孤立してるやつだ……)
唯(…でも)
唯「あは…初心者歓迎って書いてあったし、きっと軽い音楽しかやらないよ〜…多分」
和「はぁ…。まあ、私がとやかく言うことじゃないわよね。好きにしなさい」
唯「あはは…」ビクビク…
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:42:07 ID:u4BlRBco
唯(…とは言ってみたものの…)プルプル…
唯(『…あぁ?軽い音楽だと!?舐めとんのかボンクラがぁ!!!殺すぞボケェ!!!!!』)
律「…」トン…
唯(ひぃいぃぃいいいぃ!!!??)ビクッ!
唯「違います違います違います違います違います違います違います違います違います!!!!!!!!!殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで!!!!!!!!!!!」
律「…何やってんだ?」
唯(ほぇ!!?)
唯(…なんだ、同学年の…って、あのガンつけてきたデコじゃん!!!)ビクッ!
律「あ!あんたが入部希望の平沢だよな!!」
唯(声デカすぎ…!)アワアワ…
律「あたししょーじきあんたを誤解してた、スマン!!」
唯「へ…?」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:45:42 ID:u4BlRBco
律「平沢!あんた、ギター弾けるんだってな!?」キラキラ…
唯(な、何この眼差し!?あと、話に尾ひれが付いてるよおぉ…!!)
律「お前らーっ!入部希望者が来たぞ〜!!!」
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:46:21 ID:u4BlRBco
現実がしんどいことしかないのでやめます。おやすみなさい
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 00:19:10 ID:QFmTnym2
すみません。大丈夫でした。大丈夫です。
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 00:24:30 ID:QFmTnym2
澪・紬「軽音部へようこそ〜!!!wwwwwwwww」パンパカパーンwwwwww
唯(!?)ビクッ!
律「お前らwwwクラッカーまで用意してたんかいwwwww」
澪「だってしんにゅー部員だって聞いたからwwwwwwww」
紬「とりま鳴らしてみたwwwwwwwwwww」
唯(はぁ…?)
律「さーさー!はよもてなしてやれwwwwwwww」
澪「うぃ〜〜〜wwwwwwwwww」
紬「歓迎するぜwwwwwwwwww」
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:08:06 ID:Xf5MImpE
唯(こんなにもてなされちゃって、後でカツアゲとかされないかな…?)ビクビク…
唯「わざわざお茶に、ケ、ケーキまでありがとうございます…」
紬「んな他人ギョーギじゃなくていいしwwwwほら、食え食えwwwwwwwww」
律・紬・澪「wwwwwwww」ジーッ…
唯(そんなに凝視されたら、食べるものも食べられなくなっちゃうよぉ…)ガタガタガタ…
唯(でも…食べなきゃ後が怖いし…!)パクッ!
紬「ど?うめーよなぁwwwwwwww」
律「コイツんち無駄に金だけ持ってっから、味は保証するぜ?wwwwww」
唯「あ…うまっ!」
律「おーおーwwwいい食いっぷりじゃんwwwww」
澪「喜んでもらえたみたい?で良かったなwwwwwwwww 」
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:13:33 ID:Xf5MImpE
唯「あ、あの…こんなに食べるつもりはなかったんですけど……」ガタガタ…
紬「さっきも言ったろ?ウチんち金だけはあっから気にすんなwwwwwww」
律「そうそうwww好きなだけ食っていいんだわwwwwwww」
唯「あ、はは、は…」
澪「おめーはムギじゃねーんだからでしゃばんなよwwwwwwwww」ドカッ!
律「くはぁwwwwwwwwwwwwwwwwww」
唯「…」ガタガタガタ…
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:19:33 ID:Xf5MImpE
紬「あ〜…、お前らのソレも大概にしとけよ?wwwwww平田さん?だっけ?も腰抜かしてんじゃんwwwwwwwww」
澪「わりーわりーwwwwwwwwwつい反射的になwwwwあとソイツ、平田じゃなくて平沢wwwwwwwww」
唯(反射的に…!?)ビクビク…
律「でもコイツ、基本あたしにしか殴らんから安心してwwwwwwwあたしだけ何故か殴られるけどwwwwwwwwww」
唯「そ、そうなんだ…」
律「そーだ平沢wwwお前メタルの中で誰が好き?wwwwwwwwww」
唯(え?メタルって何!?)アワワワワ…
唯(…それよりも)
唯「じ…じ、じじ…!」
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:27:17 ID:Xf5MImpE
澪「ジブラルタル!?wwwwwwwwww」
唯「ち、ちが…!」
澪「ジェスベップ!?wwwwwwwwwww」
唯「じ…じ」
澪「じゃあ、じゃあ、ジステンパー!!?wwwwwwwwwwww」
唯(メタルの人、ジが付く人ばっかなの!?)
唯「じ…つは!ああああの、入部するのを辞めさせてくださいって言いに…来たんです……」
律・紬・澪「んぇ?」
唯「こ、ここまでしてもらったのに、申し訳ないのですが………」ガタガタガタ…
澪「でも、ここに来たってことはさぁ、曲聴くのはイケるってことっしょ?wwwwwwwwww」
紬「うちの金で菓子パーティーとかw大歓迎wwwwwwwwwwww」
律「太るぞムギwwwwwwwwww」
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:34:31 ID:Xf5MImpE
唯(…あれ、何だろう………?)
唯(この人達って、言葉遣いは荒いけど…根は優しい人達なんじゃ………)
唯「い、今まで騙しててごめんなさい!!本当はギターはおろか、できそうな楽器なんて…カスタネットぐらいしかなくて……でも話聞いた感じだとカスタネットはいらないって…」ボソボソ…
律「あー…」ボリボリ…
律「しょーじきウチらも楽器初心者だからヘーキヘーキwwwwwww平沢ってマジメそうだし、やれば意外と上手かったりしてwwwwww」
律「まーウチらの演奏聞いてから退部するか決めてよwwwwwwwwwww」ガシッ!
唯「ひっ!?わわ、わかりました…!」ビクビク…
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:40:12 ID:Xf5MImpE
唯(どんな演奏するんだろう…。正直興味はある…)
律「1・2・3・4!」
〜♪
唯(…あれ?意外とショボくね?もっとロックみたいなの予想してたんだけど……)
律「いや〜、実はコイツらとの演奏を人前で見せるのは平沢が初めてでさぁwwwどだった?wwwwwww」
澪「ショウジキに言ってくれた方がありがてえwwwwwwwwwww」
唯(…)
唯「あんまり上手くないですね!wwwwwwww」
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:46:37 ID:Xf5MImpE
律(バッサリだーwwwwwww)
唯「…でも、皆さんの演奏、とても楽しそうでした!あと、意外といい人達だってわかったし……あの!私で良ければ、やっぱり入部させてください…!」ペコッ
律・澪(ウチらがいい奴?しかも部員だってよ…これは夢か…?)ツネッ
律・澪・紬「イエーーーーー!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwww」
唯「…」ビクッ!
唯(やっぱりこのテンションにはついてけないけど…)
246
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:56:10 ID:Xf5MImpE
律「ほらw顔上げて上げてwwwww」
唯「は、はい…!」
律「記念に写メ撮ろうぜwwwwwwwww」
澪「それww私のカメラだしwwwwwwwww」
律「ハイ!ピースwwwwwwwwwwww」パシャッ…
澪「ねー平沢は何の楽器やりたいの?wwwwwwwww」
唯「そそその前に自己紹介お願いします…」
澪「あーわりーわりーwww私が秋山澪w律に無理矢理言われてベース担当wwwwwwよろしくなwwww」
律「あたしが田井中律wwwwwウチらん中じゃ一番チビだけどドラムやってるwwwwwwwwこれでもとりまぶちょーなんでそこんとこよろしくwwwwwwwwwwwwwww」
紬「私は琴吹紬wwwwwwww昔ピアノ習ってたからとりまキーボードやってるwwwwwwwwwwwwwwwwww眉毛ぶっといからそれで覚えてねwよろしくwwwwwwww」
247
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:04:42 ID:Xf5MImpE
唯「…皆さんありがとうございます。ご存じの通り、私は平沢唯です。楽器歴はありませんが、一つのことに熱中できることだけは誰にも負けません!あと、かわいいものと家でゴロゴロするのが好きです!宜しくお願いします!!」
澪「かわいいもの…!」
律「同学年なんだしタメでいいってwwwwww」
律「あと、ウチらにあだ名付けて勝手に呼んでくれwwwwwwwww澪やムギが呼んでるあだ名ででもいいがwwwww」
紬「例えば律はりっちー、澪は澪ちーとか!www」
律「お前のセンスは独特すぎるよなwwwwww」
唯「…りっちゃん!澪ちゃん!ムギちゃん!」
律・澪・紬「何!?」キラキラ…
唯「あ、の……ギターやってみても…いい…?」
248
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:14:56 ID:Xf5MImpE
唯「次回予告!」
唯「底辺高校生となった私、平沢唯は、ひょんなことから軽音部に入部した。部員は皆不良っぽいけど、意外と根はいい人…だったりして?そんな彼女らと2年になっても親睦を深めていく中、新入部員の中野梓ちゃんが入ってきて…!?」
唯「でも、ギター教えてくれるらしーし…和ちゃんが思ってるよりはとりま親切だったよ」
律「お前らも唯のギターの為にバイトしろwwwwwww」
澪「接客…、は、恥ずかしくてできるかそんなの!!!」
紬「もう一声!wwwwwもう一声!wwwww」
律「…え?軽音部は文化部なん?」
唯・律「合宿だ〜!www」
梓「…入部するの、辞めよう」
249
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:17:19 ID:Xf5MImpE
唯「次回!『ていおん!』また来週も見てね〜♪」
250
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:22:28 ID:Xf5MImpE
本当は最初のスレで辞めようと思ってました。でも、ヤジを飛ばしてくる人がいなかったので、とても清々しい気持ちで、書きたかったものをこうやって書くことができました。私の遺書にするつもりでしたが、本当にありがとうございました。
251
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:16:03 ID:miF4rqYU
どうも1です。またまた長編を書いてみようと思います。今回は書き溜めじゃないので書くペースが遅くなります。
252
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:18:28 ID:miF4rqYU
唯「え、ふ、ふざけてないよぉ…」
253
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:30:09 ID:miF4rqYU
平沢唯は、所謂「天然」と呼ばれる性格の、どこかにいそうでいないような、そんな不思議なオーラを纏った女子高生である。
彼女の所属している軽音部は、大雑把でムードメーカーなドラム担当の田井中律、しっかり者で美人だが人見知りのベース担当の秋山澪、おっとりぽわぽわと称される、どこか浮世離れした一面を持つキーボード担当の琴吹紬、そして、ギター担当の平沢唯で構成されている。
とはいえ、その半分はティータイムでできているとも考えられる。実に、顧問の山中さわ子が名付けた「放課後ティータイム」というバンド名は、日頃の唯達の様子を元に提案されたのである。
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:38:34 ID:miF4rqYU
唯達は、今日も部活に顔を出す。彼女達は、精を出すのを後回しに、ティータイムを楽しみにしてここに来るのだ。
「おはよー!」
今日も元気を取り繕う。周囲の視線が痛いから。
「よっ!今日は練習するぞ〜!」
「そうだな」
律達は、唯が来た途端にティータイムを止めてしまう。唯は数日続く内に、それに気づいてしまった。一見関与してないように見える紬も、それに流されて、寂しげに食器を片付ける。
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:48:35 ID:miF4rqYU
唯は、この光景を見る度に自分が喝を入れられている気分になる。何ヶ月か前には自分の居場所でもあった場所から、突然、静かに退散を願われた。
楽器初心者である唯は、自分の演奏が下手だからもっと練習しろと思われていることに、薄々気づいていた。
「唯、ここのコードまた忘れてるぞ」
自分より遥かに実力のある澪に指摘された唯は、はい、と答えるしかない。何が間違っているのかはわからないが、澪の丁寧な指導に身を委ね、とりあえず真似して弾いてみる。
「…どう、かな?」
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 10:24:03 ID:v4yzcBbA
ID変わりっぱなしですが1です。というかほぼ私しか書き込んでないので、荒らしがいない場合、このスレで建てるSSは99%私のだと思っておいてください。
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 10:44:32 ID:v4yzcBbA
演奏技術はまだ拙いものの、飲み込みの早い唯は、それを披露する度に律達に刺激を与えていた。特に澪は、自分の演奏技術に追いつかれてしまうのを焦って、唯が演奏する度に内心ハラハラしてしょうがない。しかし、彼女自身は唯に悪意を持っている訳ではない。だから、ジェラシーを感じている唯にも優しく指導することができる。
一方唯は、今までその才能を周囲に見つけられることはなかったので、自分の才能を卑下している。自分には何の才能もない、とすら思っている。律はいち早くそれを見抜き、唯に自信をつけさせようと、何度も励ました。澪は人の思考に鈍感なところがあるが、唯がとても自信あり気には見えなかったので、一方的な内に秘めた思いに対していたく罪悪感を抱いている。紬は唯が空元気でいることはなんとなく理解しているので、唯の気持ちを汲み取って、できるだけ部室を楽しい雰囲気にさせてあげたいと思っている。
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:05:26 ID:v4yzcBbA
唯は、優しい仲間に恵まれたと思っている。職員室で初対面だった律に睨まれたり、半ば強引に部室に連れていかれて演奏を聞かされたりはしたが、それも今となってはいい思い出だ。
唯と律達はクラスも違うので、唯が浮いてもおかしくはない。そう考えると、こうして一緒に話して演奏してくれるだけでもありがたいものである。唯はそう、自分の不満を押し殺してきた。入部して律達に打ち解けた後と態度が一貫して同じなのは、それのおかげである。
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:12:26 ID:v4yzcBbA
「えへへ…上達って難しいもんだねぇ」
「そうだぞ。あたしも最初は戦力外通告されそうなぐらい下手だったし」
「律はまだしも…、唯ならあと何ヶ月かすればきっと上手くなるよ」
「そうだといいなぁ〜。ありがとうりっちゃん、澪ちゃん」
紬はティータイムのこともあって、どう振舞えば良いかわからず、ただ黙って上品な笑みを浮かべている。
260
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:33:34 ID:v4yzcBbA
そんなある日のことだった。唯はいつものように失敗をしては、その恥ずかしさから苦笑いを止めることはできなかった。
「えへへ…。今日もごめんね…」
いくら飲み込みの早い彼女でも、演奏技術まではどう足掻いても律達には追いつかない。だから、それなりに家でも練習はしていた。それなのに、
「…いや、何でいつもそこでヘラヘラしてるの?」
と、呆気なく言われた。誰に言われたのかは覚えていないが、言われたことだけは記憶に残っている。
「ヘラヘラ…?」
「そう。笑えば済むの?そんなんでいい演奏ができると思ってるの?『わからないことがあったら聞いてね』って言ったじゃん…」
誰かがまた言う。
「で、でも…これは私の技術の問題だし…」
「だからって笑ってられるの?普段練習はしないし、テストだって…!」
澪の怒りが収まらない中、律が畳みかける。
「まーまー、落ち着けって」
261
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:39:41 ID:v4yzcBbA
あれから唯は、軽音部として演奏するのに怯えていた。何で私がダメでりっちゃんならだらけてもいいの?何で何も知らないくせにヘラヘラしてるって言うの?そんな思考が脳内を駆け巡った。
答えは簡単。演奏技術が足りないからだ。もっと、もっと、もっと上手くならなきゃ。それで1ヶ月後また部活に出て、澪ちゃん達を見返してやるんだ…!
262
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:48:00 ID:v4yzcBbA
唯は学校にも行かず自分の部屋に引きこもって、基礎から徹底的にギターの弾き方を学び、吸収していった。
今の唯は、演奏技術では軽音部の3人を上回っている。かつてのさわ子のような演奏法までも、難なくこなせるようになった。
クラスメートやりっちゃん達は、私のことを心配してないだろうな。そんな思いをよそに、1ヶ月ぶりに学校へと足を運んだ。
「うへぇ〜…、歩いただけで汗が止まらないよ…」
家に引きこもっていたので当然のことだ。ただ、誰かに「そうだね」と賛同してもらいたくなったから口に出してみたに過ぎない。
263
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:00:43 ID:v4yzcBbA
「皆、久しぶり…。これだけ引きこもってたから、人並みにはギター弾けるようになったよ………」
唯は部室に入るや否や、いつもの明朗溌剌な声ではなく、どこかかすれたような声で3人を驚かせた。
ギターが弾けるようになったのと代償に、今度は人前での声の出し方を忘れてしまったのである。誰も彼女を見るまでは、声の持ち主を平沢唯だと気づかなかった。
「ゆ、唯…」
「唯ちゃん……久しぶり…」
澪だけは、とてつもなく罪悪感に呑まれて声が出ない。
「それとね、もう私ヘラヘラしないから…仲間外れにしないでほしいなぁ……なんてね…」
264
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:09:41 ID:v4yzcBbA
「仲間外れ」。そのつもりは律達にはない。彼女達は単純に、唯に練習してほしかっただけで、皆で唯をハブって談話しようとは思っていなかった。
「…仲間外れじゃなくて、私達は、唯ちゃんの練習が上手くいくように事を運んだだけよ」
「……そう。でもそれは私の演奏が下手だったからだよね…」
ムギの説得も、何となくは予測できたからあまり驚かなかった。唯はおもむろにラジカセを取り出し、弾き慣れた曲を流した。
「まあいいや、聞いてよ。今日はこの曲お披露目しよ〜っと…」
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:22:59 ID:v4yzcBbA
虚ろな目でギターの弦を弾く唯。曲のハードさとは相反して、唯とその周囲に奇妙な空気を生み出している。
指の動かし方がもはや素人のそれではない。口元にニヒルな笑みを浮かべては、華麗な指裁きで弦を思うがままに掻き鳴らす。
果たしてこれは、本当に唯なのだろうか…
「…どうだった?」
唯の質問に、律達は衝撃から逃れることができなくなった。何も言えない。それが答えだったから。
「……肯定ってことだと受け取っておくよ。もう疲れたから帰るね。バイバイ」
266
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:27:30 ID:v4yzcBbA
「ねえ、あの人が平沢さん…だよね?」
「随分雰囲気変わったよね。なんか、急に大人っぽくなったじゃん」
「しかも無口になってない?」
「でも滅茶苦茶ギター上手いって聞いたよ…」
267
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:32:42 ID:v4yzcBbA
私の噂をするのは耳障りだからやめて。今はギー太しかいらないの。「軽音部」?…あぁ、あの日から3人とも私に話しかけなくなっちゃったから、とっくに辞めちゃったよ。またヘラヘラしてるって思われたらやだしね。
「孤独を救うのは…」
「人間じゃない」
「私の勇気」
268
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:36:29 ID:v4yzcBbA
「…その逆でもある」
「何も信じずに生きるのは難しい」
「だから少しだけ縋らせて」
私を哀れまないで。いずれこうなることはわかってたから。私を強くするのは別れなの。
269
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:38:53 ID:v4yzcBbA
澪「遊ぼう!」
270
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 16:43:06 ID:v4yzcBbA
律「ちょっとちょっと!!今日の澪さんどうしたよ!?」
唯「どれどれ〜…」
澪「うわっ…!急におでこに触るなぁ!!」
唯「ごめんごめん…。ん〜、熱は無さそうだねっ」
澪「熱ぐらい自分でわかるわ…」
律「いや〜、あたしも澪が熱かもって思った!ナイス唯!」
唯「りっちゃん隊長!!」
271
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 16:49:25 ID:v4yzcBbA
紬「澪ちゃん、疲れてるんじゃない?紅茶にする?それともお茶にする?」
澪「疲れてないよ。っていうか何故その選択肢になった…」」
紬「そう?理由は…、なんとなーく♪」
澪「綾鷹って言っておけば良かったのかな?」
律「『選ばれたのは綾鷹でした。』…って、ちがーう!!!」
272
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 16:56:15 ID:v4yzcBbA
律「…で、何で急に遊ぼうと…?」
澪「…受験に受かる気がしないから…。絶対落ちるから…!私浪人生になっちゃうよお……!どうしよう律ぅぅぅ!!!!」
律(だから昨日動物ネタの詩を送ってきたんだ…)
律「…要するに、現実逃避したいってことだな?」
澪「うう…」
唯「ムギカメラマン!今がシャッターチャンスっ!!」
紬「どんとこいです!」
273
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 17:21:12 ID:v4yzcBbA
澪「そんなわけで!合宿を!!始めたいと思いま〜〜〜す!!!」
澪「はい、皆さん静粛に、静粛に…」
律「ツッコミどころが多すぎるわ!!!!」
澪「あぅ」
唯「はいはいっ!今度こそお化け屋敷に行きたいで〜す!」
澪「ひいぃっ!!?」
律「はいっっ!あたしは食べて寝て漫画読みたいです!!」
唯「りっちゃんの提案、つまんなすぎるよ〜」
律「ぶー…」
紬「唯ちゃんにとっては日常だものね…」
律「ちぇーっ!ムギまで!…澪も『いつかは食べて寝て漫画読んでたい』って言ったじゃん」
274
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 17:21:59 ID:v4yzcBbA
澪「『たまに』とは言った。だが今回は却下する!!!!!」
律「!?」
律「む、無慈悲な…!」
律「お前それでも親友かよ!?」
澪「一応な」
律「…何か悲しくなってきた。うわーん!あたしもお化け屋敷に一票くれてやるっ!!」
275
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 17:26:16 ID:v4yzcBbA
澪「お、お化け屋敷だけはどうかやめてください…!」
紬「あらあら」
律「澪、お化け屋敷から帰ってきた後、夜中におねしょしそー…。ププッ!」
律「あだっ!?」
唯「りっちゃん最近下品だよ!」
律(バッサリだー…)
梓「…私の存在忘れてません?」
276
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 18:06:38 ID:v4yzcBbA
唯「結局海に決まったね!」
律「いえ〜い!!…ん?いつもの合宿と同じパターン?」
紬「今回は外国の海よ♪」
澪「ああ。一度は地中海で泳いでみたかったんだ…!『地中海で踊る檸檬』、っと…」
律(幼馴染だからある程度のことはわかるんだけど、澪の独特の詩についてはさっぱり…)
唯「それ、なんかカッコいい!!地中海で浴びる檸檬のシャワーかぁ、いいなぁ〜!」
澪「わかってくれたんだ!!そうだよ唯!檸檬オイルと海水で、酸味が決め手の潮が…!」
律・紬(!?)
唯「わかる!わかるよ!!レモン塩唐揚げにかけて食べたいなぁ〜♪」
澪「唯、ストーップストップストーップ…食べちゃダメ!!グロテスクすぎる!!!」
唯「?そ、そうなんだ!」
律「…唯。お疲れ」
277
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/17(日) 13:31:30 ID:BHeK.oFA
澪「今日は勉強も練習も何もしなくていいんだ!何なら寝ちゃえ寝ちゃえ〜〜〜〜!!!!!!!」
律「澪が壊れた…」
梓「とっくに壊れてません?」
唯「私も眠くなってきたや…。澪ちゃん一緒に寝よぉ」
澪「ああ、大歓迎だ!昼寝部、これにて結成!!!」
紬「ここは軽音部よ澪ちゃん」
律「なんっかアニメで聞いたことのある部活だな…」
278
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/17(日) 13:38:16 ID:BHeK.oFA
唯「…」
澪「……おい!先に寝るなんてズルいぞ!!」
澪「私も寝たいよ…」
律「受験生になるために完全に朝型の体質になったんだな」
紬「うふふ♪」
梓「受験生って、思ってたよりも何だか大変そうですね…」
律「そうだぞ〜?あたしのクラスにも休み時間に数列をひたすら唱えてる子がいるぐらいだ!」
梓「…律先輩よりはいい大学に行けそうですけどね、その先輩」
律「今に見てろよ!!中野おおおおおお!!!!!!」
梓「律先輩まで壊れちゃいました…」
紬「大丈夫、これが通常運転よ」
梓「…そうなんですね」
279
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/17(日) 13:44:08 ID:BHeK.oFA
唯「ネットの回線が狂ったので、まともに書き込めなくなりました!」
律「昨日の風でか?」
唯「多分そう…だと思う。うん」
律「それは仕方ない。…が!唯の場合は、メンテナンスを怠ってるからかもしれんぞ」
唯「…あはは」
律「その影響もあるだろ!良い子の皆は定期的にキャッシュを削除しような!」
唯「酷いよりっちゃん!私も良い子だからね!?」
280
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:03:02 ID:jEvIkXqU
律「おああああああああああああああ!!!!!!」ガリガリガリガリ
澪「いつのまにか律がガリ勉に…!」
梓「それ多分私のせいです…。すみません」
澪「いや、いいんだ。このままだと同じ大学に行けそうになかったし…梓には感謝してるよ」
梓「澪先輩…!」トゥンク…
唯「ムギちゃん、何撮ってるの?」
紬「シーッ!!!」
梓(…何か突っ込んだらおしまいな気がする)
281
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:07:13 ID:jEvIkXqU
ダンッ!!
澪「でも!!!!皆もっと遊べばいいのに!!!!!私だけはしゃいでて馬鹿みたいじゃないか!!!!!!!」
唯「今の澪ちゃんので完全に眠気が覚めたよ。ありがとう」
澪(そうじゃないだろ…!)
梓「あ、あはははははは、はははは」
紬「こんな澪ちゃんは初めて見たわ」
282
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:12:28 ID:jEvIkXqU
紬「皆、水着持ってきた?」
唯「勿論!」フンス!
澪「…別に、泳ぎたかったわけじゃないんだからな!?」
唯「まだ何も言ってないよ!?」
梓「私は一応…」
唯「りっちゃんは?」
唯「あれ…?りっちゃん遭難…?」
澪「りっちゃんwww遭難wwwwwwwwwしたそうなんwwwwwwwwwwですwwwwwww」
唯・紬・梓「…」
283
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:28:49 ID:jEvIkXqU
唯「お願い!!遊ばなくてもいいから、元の澪ちゃんに戻って!!!」ガシッ!
梓「唯先輩の言うとおりです!私の中での澪先輩のイメージが、このままだと崩壊してしまいます!!!」
律「それは別に関係なくね…?」
唯・紬「りっちゃん!!!」
梓「え、律先輩!!?」
紬「も〜、どこに行ってたの?探したわよ?」
澪(探してはなかったよな…?)
律「いや〜、勉強しながら窓の外眺めてたら澪達がいてさ!楽しそうだから一人で突っ込んでたんだよw虚しいなあww虚しいなあ!wwwwwwww」
梓(何だコイツ)
284
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:29:53 ID:jEvIkXqU
梓「お、お疲れ様です…、てか眺めてないでもっと早く来てくれれば良かったのに……」
唯「あぁん!私のあずにゃん独占時間(タイム)があぁ…!」
律「まあまあ、突っ込みは梓一人じゃ荷が重いわな」
梓「わかってるなら早く来いよ田井中!!」
律「!?」ビクッ!
梓「…あ、すみません!!今聞こえたのは多分幻想です。幻想。幻想。幻想。幻想。幻想。全て幻想ですからね!?」
律(顔が怖ぇよ……!)
律「い、いや…、さっき『多分』って…」
紬「とりあえず、幻想ってことでいいんじゃない?」
律「ムギ…」
紬「何だかとっても面白そう!」
律「一瞬でも同意を求めた自分がバカだったよ…」
285
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:37:29 ID:jEvIkXqU
梓「幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想幻想ポアッ!!!!!あずさ二号!三号!四号!合体!!!!もふも〜!!わふっ!わふっ!ふ〜っ!!!!!!ガブリン!!!キャアハハハハハハ!!!!!!!!!」
澪「あふへへへへ!!!!!!!!!げ・ん・じ・つを知ぃ〜〜〜れっ!!!!!!wwwwwwww明日も〜、同じ昨日www何故だどうしてだ〜〜〜〜!!!!??アホか〜〜〜〜〜〜〜っペッ!!!!!」
律「たんwたーんとたんたんたんたんたんたんたんばり〜んをならしていちおーいっきて〜る〜………wwwwwwwwwww虚しいなあ!虚しいなあ!」
唯「カオスすぎだよムギちゃん…」
紬「そうねぇ、ウフフ♪」
唯(この状況で笑ってられるムギちゃんも怖いよぉ…)
286
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:40:50 ID:jEvIkXqU
あの夏休みから、私は元に戻った澪ちゃん達に、あの黒い影を思い出すのでした。もっと早くムギちゃんにお願いしとけば良かったかな?
287
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:43:16 ID:jEvIkXqU
梓「あれ?私の筆箱に入ってたシャーペンがない…」
288
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:48:25 ID:jEvIkXqU
憂「…梓ちゃん、どうしたの?」ヒョイッ
梓「んー…、実は、今日シャーペンがなくてね…。多分私が家に置いてきちゃったんだと思う」アハハ…
憂「じゃあ私の貸すよ。丁度二本持ってるから、遠慮しないで使ってね」
梓「憂ぃ…ありがとう!神!!」
憂「いえいえ、そんなの畏れ多いよ〜!!」
289
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:57:02 ID:jEvIkXqU
ガサゴソ…
梓(…あれ?まただ……)
梓(今日はちゃんと持ってきてたのになぁ…)
梓(きっとどこかで落としちゃったのかも)
梓(憂にずっと借りてる訳にもいかないし、とりあえず職員室の落とし物ボックスを見に行こう)
純「おはよー梓」
梓「!?な、何だ、純かぁ…」
純「SHR前から職員室に来てどうしたの?今日日直?」
梓(どうしよう…、別に大したことじゃないし、純に言うようなことはないかな……?)
290
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:02:07 ID:jEvIkXqU
梓「…日直じゃないけど、進路のこととか先生に相談しに来たんだー」
純「えっら!!ま、頑張って☆そんじゃ!」
梓(良かった、バレてなさそう…。でも今日は純が日直だったような……?)
梓(仕方ないなぁ…。純、何か忙しそうだったし、私が日誌と出席簿を取りに行ってあげよう)
291
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:10:25 ID:jEvIkXqU
梓「はい、日誌と出席簿」
純「嘘っ!?私今日日直だった!!?」
梓「そうだよ?も〜…。次回からは忘れないでね?」
純「今回はたまたまだから!!ありがと、梓!」
梓「はーい」
梓(結局、いくら探しても見つからなかったなぁ…)ハァ…
梓(部室でもくま無く探したけど、トンちゃんの水槽の中やゴミ箱の中にもなかったよ…)
梓(憂…、今日も借りちゃってごめん!)
292
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:16:22 ID:jEvIkXqU
梓(今日もなかった…、これで7回目だと思う)
梓(あのとき、ちゃんとシャーペン10本買っといて良かったよ…)ハァ…
梓(…これって、いじめなのかな…)
唯「あずにゃん!」
梓「…あ、唯先輩。こんにちは」
唯「最近暗い顔してるよ?何かあったら、この偉大なる先輩の私に相談してね!」フンスッ
梓「……ありがとうございます。でも今は大丈夫です」
梓(格好悪くて言えないな…)
293
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:23:48 ID:jEvIkXqU
律「…もうやめようぜ」
唯「何で?中野は根っからウザいから、ああでもしなきゃ大人しくならないでしょ」
律「でも…」
澪「唯、いつも抱きついてるのにそこまで言うか…?」
唯「あれだけやれば私を疑ってこないと思ってやってるだけだよ?第一、好きで抱きついてないし」
澪「面倒臭い後輩ができて、唯も大変だなぁ。ま、何故か私には従順で助かるよ」
唯「澪ちゃんには人望寄せてるからね。私がちょっとだらけただけでアレだよ。アイツ」
294
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:31:08 ID:jEvIkXqU
律「で、でも…、あんなに盗んでるのバレたら退学になっちゃうじゃん……」
唯「は?今更やめてよ。あれ全部私の部屋にあるから、絶対バレないって」
澪「憂ちゃんに見つからないことを祈るよ。唯が軽音部から欠けたら、私達もここにいる意味がないからな」
唯「ありがとう澪ちゃん!澪ちゃんならわかってくれると思ってたよ〜」
律「…」
ガチャッ
紬「皆、早いわね〜。梓ちゃんのこと?」
唯「あ、ムギちゃん!そうだよ!」
律「…よ!ムギ」ヘラヘラ
澪「おはよー」
295
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:38:56 ID:jEvIkXqU
唯「アイツさぁ、後輩のくせに平気でタメ使って、常識なさすぎじゃん。ふつーにムカつくわあんなん」
律「それは…そうだけど……」
唯「りっちゃんだって前に『可愛げのない後輩だな〜』って言ってたじゃん。言い逃れできないからね?」
律「………うん」
澪「よく構ってられるよな。あんな態度されて」
唯「澪ちゃん、他人事みたいに言うけど、こないだ澪ちゃんが私達とケーキ食べてるときさぁ、中野めっちゃ細目で澪ちゃんのこと見てたよ」
澪「嘘!?まあ中野のことだし、私、睨まれてたのかもな…」
296
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:47:46 ID:jEvIkXqU
唯「絶対あれ睨んでたよ。つり目で睨んでたからすっごく怖かった〜…!」
澪「もう、そういうのはもっと早く言ってくれよな?」ハハハ
紬「中野、早く退学してくれるといいわね〜」
澪「そうだな。1年の時の平穏な生活に戻りたい」
唯「やっぱり?中野のせいで軽音部がかき乱されてて私もやってらんないわ」
紬「そうそう、中野ってサークルクラッシャーよね」
唯「それだよそれ!さっすがムギちゃん!」
紬「えへへ」
唯「そんな中野には、もうそろそろ屈辱を味わってもらうよ!」
297
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 14:57:02 ID:jEvIkXqU
律「はぁっ、はぁっ………!」
律「梓!」
梓「ど、どうしたんですか!?こんな遅くにそんなに急いで…」
律「……シャーペン」
梓「…」
梓「何で知ってるんですか?」
梓(何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で????)
梓(何で律先輩が知ってるの??????)
律「…唯達が、梓のシャーペンを盗んでるって言ってたんだよ」
梓「え…」
律「いくら何でも酷いと思う。梓、もう両手で数えられないぐらい盗まれただろ?」
梓「…途中からはもう数えてないんですけど、そうだと思います……」
律「あと、唯達はこれからお前を痛めつけてやろうと企んでいる。気をつけな。何かあったらあたしに連絡して」
298
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 15:09:13 ID:jEvIkXqU
梓「え……と……。ありがとうございます…気をつけます………」
梓(あの唯先輩達が…!?)ドッドッドッドッ……
律「信じられないよな…」
梓「は、はい……」ドッドッドッドッ………
唯「…あずにゃん、これ嘘だよ?」
梓「……へ?」
唯(うんうん、間抜けな声がお似合いだよ、中野には)
律「は………?唯、どういうこと…?」
唯「りっちゃんが、私達にシャーペンを盗んだことなすりつけてるの…」
299
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 15:10:41 ID:jEvIkXqU
唯「憂から聴いたよ。もっと早く言ってくれれば良かったのに…」
梓「憂、が…?」
唯「うん。『梓ちゃん、最近筆箱をしょっちゅう開け閉めしてて、大丈夫かなぁ…』って言ってたから、私が詮索したら、『もしかすると、梓ちゃんのシャーペンが、ときどき誰かに盗まれてるのかも…』って。流石憂だよね、感が鋭い。だからさっき、憂にあずにゃんの居場所を聞いたんだぁ。そしたらまさか、犯人がりっちゃんだったなんて…」ピラッ
律「!?」
梓「…!これって、どういうことですか!?律先輩!!」
律「あ、あたしはこんなのやってない…!!その写真は捏造だ!!!」
唯(ごめんね、りっちゃん…。でもりっちゃんが寝返るのは許さないからね)
300
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 15:15:11 ID:jEvIkXqU
唯「もう言い逃れできないよ?りっちゃん…」
律「ちがっ…!本当に違うんだよ……!きっと何かのいたずら…」
カラン…
梓「あ…私のシャーペン…」
律(何で私の足元に…!?)
澪「うう……これでいいのかな…?」コソッ
紬「りっちゃんと中野にはバレてなさそうだから大丈夫よ」コソッ
301
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 15:20:49 ID:jEvIkXqU
梓「…完全に失望しました。私、律先輩がそこまで私のことを嫌ってるなんて知りませんでしたが、ここまでやるなんて…!!!しかも唯先輩達になすりつけるなんて………!!人としてサイテーです!!!!もう私と関わらないでください!!!!!」タッタッタッタッ…
ドサッ
律「あ…ずさ……」
唯「馬鹿だなぁりっちゃんは。あ、これ言いふらしたら、りっちゃんの指紋を付けてこの写真バラまくからね?」クスッ
唯「いつも通りに、また部活来てね♪あずにゃんも来させるから」
302
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 20:49:05 ID:DvTSb0i2
律(どうしよう…)
律(あたしはただ、話に合わせたり、止めたりしてただけなのに………)
律(…こんなことになるなら、最初に無理して唯達と話を合わせなければ良かったよ)
律(さーて、今日からどう顔合わせればいっかな……)
ピンポーン…
律(澪かな?)
ガチャ
唯「おはよう、りっちゃん!」
303
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 20:59:26 ID:DvTSb0i2
律「ああ、唯か…おはよ」
唯「テンション低いね?私じゃなくて、澪ちゃんが良かった?」スタスタ
律「…」スタスタ
唯「残念っ!澪ちゃんは人の物を盗む人とは一緒に居たくないそうです!」スタスタ
律(声、わざとデカくしてるだろ…。ああ、周囲の視線が怖い……)スタスタ
律「……言ったんだな、嘘を」ボソッ
唯「嘘じゃないよ?あずにゃんも目撃者だし」スタスタ
唯「まぁ今回は許すけど、次からこういうことを他の人の前で言ったら、もっと辱めに遭ってもらうからね」クスッ…
律「…わかった」
唯「ん、良い子良い子〜」ナデナデ
304
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 21:11:17 ID:DvTSb0i2
梓(…唯先輩には部活に誘われたけど、今行ったらあの先輩に何されるかわかんないし……)
梓(しっかし、唯先輩も私の状況を知ってるはずなのに、何であの人のいる部活に行かせようとするかなぁ…)
梓(まあ、悪気はないとします。それにしたってデリカシーに欠けてる)
梓(…けど、メールでも励ましてくれたし…)
梓(………唯先輩が何とかしてくれるよね、うん)
305
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 21:19:13 ID:DvTSb0i2
紬「…でも、昨日のは流石にりっちゃんかわいそうだったよ?」
唯「いいのいいの。ムギちゃんは純粋だからそう思えるだけ」
唯「前からあのデコも中野のこと庇ってたしさ、別にいいんじゃない?同族なら早く潰さないと」
紬「そう…なんだ」
唯「あ、私今日はバナナケーキがいいなあ!」
紬「…うん、わかったわ」
紬(あの頃の唯ちゃんも、こんなこと考えてたのかな…?)
306
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 21:24:29 ID:DvTSb0i2
律「…」
ガチャ
唯「そこにいるのはわかってるんだよ?りっちゃん」
グイッ
律「い、痛っ…!!」
バタン…
唯「あ、澪ちゃん呼んでこなきゃ」
唯(澪ちゃんが私の協力者だなんて知ったら、りっちゃんどんな反応するかな?ふふっ)
唯「そこで大人しくムギちゃんと待ってるんだよ?窃盗犯」
307
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 21:29:57 ID:DvTSb0i2
律「…ムギも見てたんだな」
紬「ごめんね……」
律「…」
紬「でも私、中野を庇いたくはないから、これからも仲良くしてほしかったら、ちゃんと中野を退学まで追い込んでね」
律「…ムギまで、一体どうしちゃったんだよ……」
紬「中野梓が嫌いなだけ」
律「唯に脅されてるんじゃないのか?」
紬「まさか…」
律(そうだよな、ムギんちは大金持ちだし…)
308
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 23:53:18 ID:BqO7hC3g
紬「それより」
紬「今は窃盗犯のくせに、よくのうのうと学校に来れたわね。りっちゃん」ニコッ
律「…お前!」ガタッ!!
紬「あら?いくらイライラしてるからって、暴行罪で罪に罪を重ねるつもり?」クスクス…
律「……もういい。警察には言わないから、その代わり梓を解放してやってくれよ…!」プルプル…
紬「梓ちゃんに嫌われちゃったのに?どうして?」
律「…大事な後輩が追い詰められてるとこを見過ごすのは、部長としても、もう…、終わりにしたいんだ……」プルプル…
紬「そう…、中野が退学したら良いわよ」
309
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 00:01:16 ID:J1OOism2
律「中野、か…、お前らも変わっちゃったよな……」
紬「何言ってるの?あんな礼儀知らずの生意気な小娘には、名前を呼ばれる資格なんてないんじゃないかしら」
律(…)
律(そうだ、人間なんてすぐ、どうにだって変われる。最初から期待してたあたしが馬鹿だったんだ…)ギュッ…
律「…あたしのことはどうしたっていい。退部させられようが、たいが、く……させられようが!ただ、梓は…!絶対に守る。後輩いじめなんか、もう絶対にしないって決めたんだ………!!」
ガチャ
唯「いや〜、良いご身分だこと」
紬「唯ちゃん!それ私のセリフ!」プンスカ
唯「ごめんねムギちゃん〜、一回言ってみたくて」
310
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 00:15:57 ID:J1OOism2
唯「ほらほら、早く澪ちゃんも出ておいで〜♪」
澪「…」
澪(……律、ごめん…………)
唯「りっちゃんがぬ・す・ん・だあずにゃんのシャーペンを落としたとこ、澪ちゃんも見たんだってさ〜!」
律「……嘘………?」ビクビク…
唯「ひっどいなぁ!本当だよぉ!!」
律(…なるほどな。『あずにゃん』呼びってことは、ドアを開けっ放しにしてるからか…はは……)
唯「はい、澪ちゃん。恥ずかしがらずに、ここは幼なじみとしてしっかりと言うべきだよっ」
律(澪っ!何も言うな!!恥ずかしいフリしとけよ……なぁ…)ビクビク…
澪(あぁあ……律…………)
澪「……昨日、律が梓のペンを落としてるのを、たまたま自転車から見て……。り、り、律が、そんなことするなんて………!衝撃だったよ…。もう、私のこと、友達だなんて思わないでほしい。あと、周りにも絶対に言うな。こんなせ窃盗犯の類友だって、おお思、われたくっないんだ……」
311
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 00:26:43 ID:J1OOism2
律(……さっき『梓の為なら何でもする』みたいなことを言っちゃったけど、友達を失うのは、どんな拷問よりも怖いんだ…。その上、仲の良かったはずの、幼なじみまで……!)
唯「…あずにゃんもう来るよ」
律「待って!!!み、澪っっ!!絶好っ!するからっ……!!!!も、う…梓を、解放してください……」
澪「…窃盗犯の言うことなんて誰が聴くんだよ」
紬「そうよ、まあ…犯罪者の不幸でティータイムが最高になるからいいけどね。さあ唯ちゃん、澪ちゃん、今日はアールグレイを淹れたわよ〜」
唯「わ〜い!ムギちゃんありがとう!アールグレイって、何故かどんなケーキともベリーマッチなんだよね〜♪」
澪「確かに他の紅茶と一味違うよな。特にムギが淹れると、な」
紬「まあ♪嬉しいっ」
312
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 00:34:46 ID:J1OOism2
梓(今日は筆箱ごとカバンの中に入れといたから大丈夫な…はず)
梓(先輩の内の誰かが、律先輩が盗んだことに気が付くと信じます)
梓(…あの人がいなければいいなぁ……)
ガチャッ
梓「失礼しまーす…」
唯「あずにゃ〜ん!!」ダキッ
梓「にゃっ!?く、くるひぃれすよぉ…」
唯「ちぇ〜、いけずぅ」
梓「もう子供じゃないんですから、拗ねないでください!」
梓(…恐怖心を、溶かそうとしてくれてるのかな)
313
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 00:44:55 ID:J1OOism2
梓(そういえば、律先輩は……)チラッ
梓(珍しく黙ってる)
梓(窃盗犯なのがバレたんだから、まあ当然か)
梓(あの人の割には身の程をわきまえたんだろうなぁ。でも、それなら部活来なきゃいいのに)
紬「はい、梓ちゃん。今日はバナナケーキじゃなくてごめんなさいね…」コト…
梓「いえ、大丈夫です。普段から贅沢させてもらってるので」
紬(色々な意味で、本当に贅沢者よね)
紬「そんな、仲間なんだから気を遣わなくて平気よ」
梓「えっ!?えへへ…本当に、ありがとうございます…」
律(梓の照れた顔、かわいいじゃないか。騙されてるのは気の毒だけど…)
314
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 11:48:17 ID:RAftAZj.
梓(…やっぱり)
梓(律先輩の分はない)
梓(……誰かから無理矢理連れて来られた、とか?)
梓(若しくは…、律先輩のことだから、自分で来ちゃったのかもしれないなぁ)
梓(……うん。考えてても馬鹿馬鹿しい、こんな人の為に部活辞めるもんですか!)
澪「そろそろ練習しよっか」
律「…」
唯「今日からあずにゃんがドラム叩いてもいいんだよ?」
唯(その代わり、みっちり扱いてやるけどね♪)
梓「あ、いや…私はギター一筋なので大丈夫です……」
唯「そっかぁ。じゃあ、そろそろ新しいドラマー見つけないとなぁ」
315
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 11:55:36 ID:RAftAZj.
澪「そうだな」
紬「いざとなったら憂ちゃんを呼びましょうよ」
梓(……どうしてこんなにモヤモヤするんだろう)
澪「ナイスムギ!憂ちゃんの方が窃盗犯なんかよりも上手そう」
梓(澪先輩まで、律先輩のことをシカトどころか………うぅ)
唯「絶対憂の方が上手いよ!!…じゃあ、誰か合図して〜」
紬「は〜い♪1・2・3・4っ」
316
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 12:05:50 ID:RAftAZj.
唯「あのクソドラムがなかったから、さっきの演奏は自分至上、一番良かったよ〜!」
澪「ああ。リズムもキープできない奴と仲良く練習なんて、最初から無駄だったんだ」
律(唯、澪…、あたしのこと、そう思ってたんだ……)
紬「そうよね、あんなのでも家で練習してるのかしら?」
律(紬まで……、あたしは練習してるよ、毎日…)
紬「梓ちゃんはどう?」
梓(え…)
梓(……どうせ律先輩は退学するし、悪口にならない程度ならいっか)
梓「窃盗犯のドラムって、窃盗犯らしく自己中心的じゃないですか。それが無くなるだけで、他の楽器との調和がし易くなっていいと思います」
317
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 12:39:31 ID:lkYUwtCs
律(梓も………)
唯「よく言った!あずにゃんっ」
澪「そうそう、あんなのと幼なじみだったのが恥ずかしいよ」
紬「澪ちゃんお気の毒に…」
澪「ありがとな、ムギ」
律(はは、黙ってればいいんだ。空想に耽って、なにも聴かなきゃいい……)
律(あたしは大丈夫)
律(皆が幸せなら)
318
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 12:48:44 ID:lkYUwtCs
澪「窃盗犯、まだ2ヶ月もここに来てるよ」
唯「面白いよね。呼んだら元気なフリしちゃってさ」
紬「いつかはあの頃に戻れる、とか思っちゃってるのかもね」
唯「そんな訳ないのにね。犯罪者の居場所はここにはないよ」
梓(…これで、いいんでしょうか)
梓(あれから、唯先輩達は、あの人がいないとき、陰口を叩くようになりました)
梓(………だんだん、疑問が沸いてくるのです)
梓(あんなに仲の良かった先輩達が、どうして……)
梓(犯罪者になったからって、仲間をすぐ見捨てられるんでしょうか)
319
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/19(火) 14:54:57 ID:zirEP/gY
ガチャッ
唯「あっ!窃盗犯遅〜い」
澪「クラスではお前が窃盗犯だってこと、殆どの人にバレてなさそうだ。黙っていてあげてる私達に感謝しろよな、犯罪者」
梓「あ、はは…。早く来いよ窃盗犯!」グイッ
紬「後輩にタメ使われてて恥ずかしいわね、窃盗犯」クスクス…
律「…」
梓(…私がタメになっちゃったの、遠まわしに皮肉られてる………?)
梓「ははは、そうですよ、みっともない」
紬「貴方もよ」ボソッ
梓「…?」
紬「どうしたの?そんなに見つめて…」
梓「……いえ、何でもないです…」
紬「そう?何か顔に付いてるのかもって思ったわ」
梓(聞き間違いだよね………?)
320
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 00:00:39 ID:7GU5nT.s
唯「ムギちゃん」
紬「何?」
唯「りっちゃんのこと、まだかわいそうって思ってるんだね」
紬「…」
唯「口ではあんなキツ〜いこと言っといてさ、私がりっちゃんやあずにゃんに話しかけようとしたら、結構ムギちゃんに遮られるんだよね〜」
唯「まぁ、ムギちゃんは中野のことは嫌ってるってわかるよ。でも、りっちゃんにはどこか同情してない?」
紬「…同情なんてしてない」
唯「ならいいんだよ〜!ムギちゃんには中野側に付いてほしくないだけだから!じゃーねっ」
紬「……またね」
321
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 00:05:00 ID:7GU5nT.s
〜♪
カパッ
梓「メールだ」
ピッピッピピッ…
梓「…律先輩からだ」
梓「………もう貴方のなんて見ません。さようなら」ピッ
梓「ふぅ…何だか気味悪かったなぁ」
梓(……明日、ちょっとだけ問いただしてこうかな…)
322
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 00:10:44 ID:7GU5nT.s
律「あ……梓、話を聴いてくれるんだよな…?」プルプル…
梓「メールしたじゃないですか。律先輩からのメールは削除しちゃいましたけど……、その後、少しだけなら話を聴いてあげてもいいかなって思えてきたんです」
律「…そうなんだ」ギュッ…
梓「泣いてます…?」
律「煩いやい!」
梓「…ふふっ。律先輩のしたことは許せてませんけど、昔の律先輩に戻ったみたいで嬉しいです……」
律「…そのことなんだけど」
梓「はい?」
323
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 00:24:36 ID:7GU5nT.s
律「………梓、落ち着いて聴いてくれ」
梓「…はい」
律「あれは、本当に、唯達が仕向けたんだ………」
梓「……信じなくてもいいって条件なら、続きを聴きますよ」
律「………わかった。信じられないのも仕方ないよな」
律「唯達は、前からお前のことを嫌ってた。特にあの唯が、陰で『中野』呼ばわりして、『上下関係もわからない生意気な後輩だから、退学させてやりたい』って言ってたんだ…………」
梓(……あの唯先輩が?どうせ作り話でしょう。今日の私は余裕があるので聴いてあげますけど)
律「それで……唯は単独で梓のシャーペンを盗んで、梓の精神を少しずつ、追い詰めていこうとしたんだ」
律「あたしも最初は何度もやめろって言った。でもだんだん、『唯のことだからすぐ返すだろう』と安心しきって、唯が7本目のシャーペンを盗んだ、と言ってきたときまではテキトーに話を合わせてたんだ…。…言い訳させてもらうと、唯がキレたら怖そうで、逆らえなかったんだ………」
324
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 00:37:26 ID:7GU5nT.s
律「あの反発で、あたしはまたやめるように言ったんだ。そしたらまぁ、脅されたよ。唯に。『お前も共犯だ』って。やっぱり、あのことが気に入らなかったのか、あたしが梓に唯達が盗んでたことを忠告しようとしたら……、唯に、仕向けられたんだ」
律「実際、9本目からか?に、澪とムギも参加するようになった。盗まれたシャーペン、どうなってたと思う?途中までは全部唯の部屋にあったけど、途中からは澪とかムギがストレス発散として折ったり、踏んだり、ミキサーに入れたりしてたんだぜ……。それらをあたしに笑顔で見せつけてくるアイツらは正気の沙汰とは思えなかったよ。だから、梓に忠告する気になれたんだ。丁度唯が梓を痛い目に合わせてやるって言ってたしな」
梓「………これで終わりですか?」
律「ああ。終わりだ」
律「別に同情してもらいたかった訳じゃない。どうせこれで最後だから」
梓「……最後」
律「そう。だから、次の言葉が最後の部長命令だ」
梓「…命令まで聴くなんて言ってな」
律「あたしを抱きしめてくれ」
325
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 00:49:09 ID:7GU5nT.s
梓「………私、まだ律先輩の言うこと、信じられませんよ」
律「それでも、いい」
梓「…何で私なんですか」
律「守れなくて、ごめん。それを伝えたいから………だと思う」
梓「…」
律「あれから梓のシャーペンが盗まれなくなったことだけが、今のあたしの幸せだよ…」
梓「…本当に盗んでないなら、何で知ってるんですか?」
律「唯が、『りっちゃんがこのまま大人しくしてれば、中野のシャーペンのこと、やめてあげよっかな〜』って、あたしに言ってたから」
梓「……それでも、今の私は、律先輩を抱きしめることができません」
律「………そっか。そうだよな…。話だけでも聴いてくれてありがとな」
梓「いえ…」
梓「あの」
326
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 00:53:35 ID:7GU5nT.s
梓「学校は、これからどうするんですか?」
律「…行くよ。行くのやめたら唯に殴られそうだから」
梓「私も、まだ『窃盗犯』呼ばわりしちゃいますよ…多分……。だから、ほ、んとう、なら……、唯先輩に怯えて行く必要はないと思います………」
律「…騙してごめん。これから死ぬから大丈夫だよ」
梓「え」
327
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 09:39:12 ID:KQrb/qKI
梓「駄目です!!自殺はダメ!!!」
律「…じゃあな」
梓(……このままだと、律先輩が死んじゃう…!)
梓(…何で死んだらダメなんだっけ?)
梓(もう、終わったんだ。放課後ティータイムは)
梓(やり直せないんだ。時間は巻き戻せないんだ……)
梓(でも、本当に死ぬかわからない。引き留めてほしかったんじゃないの?)
梓(私はまだ、律先輩が怖いです。夢でも貴方にいじめられてます)
梓(もう、いなくなってくれた方がいいんじゃないかな)
梓「失礼します、律先輩」
328
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 10:00:49 ID:KQrb/qKI
梓(あの日から、律先輩は行方不明ということで唯先輩達のクラスを混乱させたらしい。その約一週間後に、他県の山奥で律先輩の遺体が発見されたと地方新聞が報道した。死因は自殺と推定されている)
梓(律先輩は、どんな気持ちで死んだんだろう)
梓(私があのとき引き留めてれば、死ななかったに違いない)
唯「あ〜あ。窃盗犯死んじゃったねぇ」ププッ
澪(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい唯に脅されて同調してたんだごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)ガタガタガタガタ…
紬(りっちゃんが自分のせいで自殺しちゃって、澪ちゃんだって震えてるのに、唯ちゃんはどうして笑ってられるの…?空気が悪くなるから話を変えましょう)
紬「ここは刑務所じゃないんだから、犯罪者の話をしたってしょうがないわ。それより、お茶でもしましょう」
唯「うん!そうだね」
梓「…はい」
329
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 10:11:45 ID:KQrb/qKI
梓(いくら本当に犯罪をなすりつけられたとしても、どうして唯先輩は笑っていられるのでしょうか)
梓(本当は、律先輩の言ってたことが正しかったんじゃないかと思えてきました)
梓(最後まで、信じてあげられなくて、ごめんなさい…!)
律母「…中野さん、ですか?」
梓「……はい」
律母「律と仲良くしてくれてありがとう。律もきっと天国で喜んでいるわ」
梓(律先輩が唯先輩達にされてきたことを、知らないんだこの人は……)
梓「…そうだといいですけど、ね…」
梓(さようなら、平穏)
梓(線香の煙で、私は貴方の最期を追いかけようと思いました)ウルウル…
梓(私も死ぬので、もう寂しくないですよ)
梓(さようなら、唯先輩、澪先輩、ムギ先輩)
330
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 10:20:55 ID:KQrb/qKI
唯「中野もさ、退学どころか自殺しちゃったみたい」クスッ
澪「ああ…」
唯「どうして中野が死んだのに悲しそうな声出すの?これは朗報だよ?」
紬「澪ちゃん、もう部屋に籠もることはないのよ?出ていらっしゃい」
澪(もう、ほっといてくれよ……!)
唯「澪ちゃんがあずにゃんのシャーペンを盗み出してからこうなったんだよ?」
唯「澪ちゃんの殺人犯」
澪(……唯?)
唯「今すぐに出て来ないと、澪ちゃんが中野の背中を突き落とした画像をバラまくからね」
331
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 10:23:26 ID:KQrb/qKI
律「澪がいないと死んじゃうよぉ」
332
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 10:31:49 ID:KQrb/qKI
澪「わかったから、わかったから……。この手錠を外してくれよ…!」プルプル……
律「逃げちゃうからダメだっ」
澪「逃げるって、どういうことだよ…」プルプル……
律「他の人と仲良くすることだけど?」
澪「え…」
律「澪にはあたしだけいればいいじゃん」
律「それなのに、何で和とか唯とかムギとか梓とかとも仲良くしてんの?」
澪「だ、だって…!律が軽音部に入れたから……」ガクガク…
律「じゃあ他の人とはある程度の距離を保ってれば良かったじゃん」
律「最近さぁ、ベタベタしすぎなんだよ澪は。他の人と!!!!!」
澪「!?」ビクッ!
澪「そんなつもりじゃ…!」ガタガタガタ…
律「ごめんなさいは?ねぇ?ごめんなさいは?」
333
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 11:08:27 ID:KNDO6ZhI
澪「律…一体どうしちゃったんだよ…!?」ガクガク…
律「あたしはどうもしてないけど?それより早く謝ってね」
律(澪の鈍感、バカぁ…)
澪「…っ!ご、めんなさい……」ヒクッ…
律「いいよ。これからはもう、二度と逃がさないからね」
澪(唯、ムギ、梓……!)ガクガクガク…
律「はぁ…♡あたしだけの澪っ♡澪の端正な顔♡柔らかい澪の腕…♡程良い肉付きの太股♡♡えへへ……♡♡全部あたしのものになったんだぁ……♡♡♡」ナデ…
澪「ひっ!!?」ビクッ!!
律「そんなに怯えないでよ…なぁ」サワサワ…
澪「き、き、き、気持ち、悪い……!!!今すぐやめろ!!でないと絶好するぞ…!!!」ハァ…ハァ…!
律「したいならすれば?してもあたしは澪を絶対に逃さないからね」
律「たとえ地獄の果てだろうと、あたしは澪を必ず見つけ出す。澪をあたしから離れなくするよ」
334
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 11:19:21 ID:KNDO6ZhI
澪(…こんなの、私の知ってる律じゃない…!)ガタガタガタガタ…
律「みーおっ♪」
澪(そう!こ、これは、きっと悪い夢なんだ……!!)ガタガタガタガタ…
律「みーおっ♪」
澪(夢だから、耐えよう……!耐えられる…!!)ガタガタガタガタ……
律「…」
律「返事もできないんだぁ……。澪ちゃんをそんな悪い子に育てた覚えはありません!」
澪「お前に育てられた覚えはない!」
律「あははっ、なんだ、声出せんじゃ〜ん!」
澪(しまった、ハメられた…!!)
律「次にあたしの呼びかけに返事をしなかったら、澪の爪のピンクの部分を削ってくからね」
335
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 11:27:43 ID:KNDO6ZhI
澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイ…」ガタガタガタガタ…
律「そんなに怖いんならあたしに返事しろよ」
澪「…うん……」
律「良い子良い子♡」ナデナデ
澪「うう…」グスッ
336
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 18:55:00 ID:abvlxngc
自分はこの世の中で生きるのに向いてないので、普通にそろそろ死ぬ予定です。セルフネグレクトを中途半端にやりながら生きてます。強いて言うなら、まともな人間に生まれたかったです。精神疾患はいつまでも治る見込みもないし、自殺未遂も失敗ばかりで、生きる希望自体は何もありません。SS読んだり書いたりして気を紛らわしてるだけです。私が死んだら、このSSには二週間以上の書き込みが途絶えると思っていてください。
337
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 19:37:59 ID:5xsvFpnE
澪(…撫でられてるのに、変な感じだなぁ…)ゾワッ…
澪(状況が状況だし…)
澪「…律、一つ聞いてもいい?」
律「いいよ、何?」ニコニコ
澪「……どうすればここから出られるの?」
律「…はぁ…、わかってないな〜澪。あたしは『ここから出したくない』って言ってるんだけど」
澪「そ、そんな…」ウルウル…
律「まーまー、そんなに落ち込まないでよ。あたしがここまでした意味無くなっちゃうじゃん?」
澪「…」
律「学校はこれからも一生一緒に通うつもりだから安心したまえ」
澪(安心できるかバカッ!)
338
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/23(土) 12:54:22 ID:J1MO6hFs
律「澪っ、お腹空いてない?」ニコニコ
澪「空いてない…」
律「ごめん」
澪「…何で律が謝るんだ?」
澪(嘘なのがバレたのかな…?)
澪(今の律の料理を食べたら、何か悪いことが起こりそうな気がするんだ)
澪(律に毒やそのようなものを盛られそうで怖いんだ…)
律「いや、何となく?」
澪「そ、そっか…はは」
律「お腹空いたらまた言ってよ。じゃ」
澪「…ん」
澪(私こそ律を疑っててごめんな…)
339
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/23(土) 13:03:53 ID:J1MO6hFs
律「澪、お風呂はどーする?」
澪「それより…、家族は私のこと心配してないの?」
律「ああ、そのことならノープロブレム!澪の親にはちゃんと『澪ちゃんは一週間、あたしの家でお泊まりする』って言ってあるし!」
澪「そう…なんだ」
澪(たかが一週間?それとも、一週間もこうやって過ごす?)
律「良い娘を持って良かったな、澪の両親は」ニコニコ
澪「…」フルフル…
律「はい、これが澪の着替え」
澪「うん…」ビクッ
律「今日からは一緒にお風呂に入れるんだぞ〜?へへへ…」
律「これで澪も寂しくないよな?」ニコッ
澪「……うん」
澪(寂しくなくなるはずなのに、いつもの生活に戻りたくなってきた)
340
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/23(土) 13:12:04 ID:J1MO6hFs
澪(自分の身は自分で守ろう、うん…)
澪(また律が変なことしてきたら、いつもみたく殴ってやればいい)
澪(……よしっ!)
律「早く着替えないと、お風呂が冷めちゃいますわよ…」コソッ
澪「ひっ!?」ビクッ!!
律「ほ〜ら〜!早く早く〜♪」
澪「着替えぐらいじ、自分でやる!」カアアッ…
律「ちぇ〜っ、残念だなぁ」
澪(何が残念だよ…)
341
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/23(土) 13:27:40 ID:J1MO6hFs
澪(…それにしても、律の身体ほっそ……)ボーッ…
律(…ん?)
律「キャーッ!ヘンターイ!!」バッ!
澪「はっ!?べ、別に律の身体なんて見慣れてるしっ!!」
律「そんなこと言って〜、成長したあたしの身体に見とれてたんでしょ〜?」ムニムニ
澪「…ただ太ってるかチェックしただけだ」プイッ
律「澪しゃんひどぉい…」
澪「何とでも言え」
律「…そーゆー澪ちゅわんのお胸も随分ご立派に成長しましたなぁ〜」モミモミ…
澪「お湯が冷める!さっさと行くぞ!!」ベシッ
律「今湯船に浸かったらヒリヒリしそうや…」
342
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/23(土) 13:32:23 ID:J1MO6hFs
ガチャッ
澪「この湯船の中に二人で入る…のか………?」
律「そうだっ、澪と身体が密着するんだ〜♪へっへ〜」
ゴッ!!
澪「変態はお前だっ!!」
律「はひ…」
澪「私は絶対に一人で入るからな?」
律「ええーっ!?」
澪「『ええーっ!?』じゃない!!今の私達が同じ湯船に浸かったら、お湯がいくらあっても足りないだろ!」
律「…じゃあお湯抜いたら一緒に入ろーぜ」
澪「気が向いたらな」
律(絶対気が向くことないだろ)
343
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/24(日) 15:22:42 ID:k4cI3tAo
澪「…」チャポン…
澪(何か大事なことを忘れているような…?)
澪「なぁ、律……」
律「なーに?」
澪「あ」
律「ん?」
澪「思い出した!!私そろそろ帰る!お風呂ありがとう律ぅぅぅぅ!!!!」ザバッ!!!タッタッタッタ……
律「しまった!手錠外してやったせいで…って、おい!風邪ひくなよ!!?」
澪「あぅぅ…、寒いよおぉ……」プルプル
律「待ってろ澪!!今シャワー浴びるから!」
澪「でも帰らなきゃ…!明日は学校だ……」プルプル…
律「おーい!そんなとこでうずくまって何やってんだよ!」
344
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/24(日) 15:34:32 ID:k4cI3tAo
澪「り、律ううぅぅぅぅぅぅ………!」プルプル…
律「そりゃあバスタオル一枚じゃ寒いって…、んで、どした?」
澪「明日……学校あるよな」
律「当たり前だろ?」
澪「課題とか教科書とか携帯とか制服とか私服とかエリザベスとか…、私何も持ってきてない……!」
律「なんだ、そのことか」
澪「?」
律「あたしは澪の家のどこに何が置いてあるかぐらい、全部把握してるっつーの」
澪(今の律が言うとマジで気持ち悪いな…)
律「今澪が言った物は、澪が寝てる間に澪の家からぜーんぶちゃーんと持ってきたぞ!縞パンもちゃんとよ」
ガチッ!!
澪「何でよりにもよってそれをチョイスしたんだ!!」
律「じゃあ毎日穿いてきてよぉ〜…」
澪「こーとーわーる!」
律「しょぼ〜ん…」
345
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/25(月) 21:45:10 ID:ATFncyag
律「さ、戻ろ」
澪「…うん、ごめん…」
律「いいって、それより湯船に二人で入ろーぜ!」
律「二人の方があったまるぞ〜?」
澪「その手には乗らん」
律「わかってるよぉ」
ガチャ
346
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 11:33:18 ID:203rTwpQ
澪「律、シャンプー変えた?」
律「ん、なんっか肌に合わなくてさー」
澪「あれ、結構評判いいって聞いたんだけど…」
律「そーなの?」
澪「うん」
律「あたしは全体を100パーとしたときの中の1パーセントなんだろうな」
澪「正確には3%だけどな」
律「そんなにいたんだ!?」
澪「100人の内、3人は必ずそういう人がいるんだよ」
律「はぁ、どういう人だよ…」
347
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 11:39:45 ID:203rTwpQ
澪「悪い意味じゃない、ただ97%の人と3%の人との意見に差異があるだけだ」
律「ああ、なるほど」
澪「ところで、身体洗うやつは?」
律(隠しただけだから、その内見つけられちゃうだろうな〜…)
律「ない。というわけで…」
律「今日からは私がお背中をお流ししますわ」
澪「結構です」
律「いいじゃ〜ん、たまには」ギュッ
澪「!は、離せ…っ!」
律「やだ」
律「澪の身体は生まれたときからあたしのものだよ?何で拒否するの?」
348
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 11:47:38 ID:203rTwpQ
澪「律…」
澪「私は律のものでも、誰のものでもないよ」
律「…そ」
律「だからって離す訳ないじゃん。それに、どうしてもっていうなら、あたしを振り払えばいいだろ」
澪「そんなことできるか!律が怪我したら、私……」
律「そう思ってくれてるんなら話が早いね」クチュ…
澪「ひゃあっ!?」ビクッ!!
律「澪はこれから、あたしのものになるしかないんだよ…」ニュリュッ…
349
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 12:03:27 ID:203rTwpQ
澪「んっ…!!」クネッ
澪(膣がズキズキして痛いよぉ…!!!誰か助けて……!!)
律「処女、喪失しちゃったね?」クスッ
澪「…この……!!!」プルプル…
ズブッ!!!
澪「ふぁぅっ!!?」
律「大人しくしないと、もっと痛くしちゃうぞ〜?」グリグリ…
澪「……や、やだぁ………」ウルウル…
律「かわいいなぁ」クチュクチュ…
澪(全然嬉しくない…!)ビクビク…
律「こんなに愛液まみれでさ、前からこうされたかったんだろ…?」メリュッ…
澪(こんな無理矢理されるのが好きなわけないだろ……!馬鹿…!!馬鹿律!!!!!もうお嫁に行けない………!)グスッ…
律「嬉し泣きかぁ、そっかぁ…、澪が喜んでくれて、あたしも嬉しいよ」グリグリ…
350
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 15:30:44 ID:203rTwpQ
律(澪、必死に身体をよじりながらお○んこ締めててかわいかったなぁ…。かわいい喘ぎ声もあたしだけのものになって嬉しい)
澪「はーっ……はーっ…はーっ…」
澪(疲れたし全身が痛い………。あと、呼吸も苦しいよ……)
律「じゃあここに座って」
澪「…」ストン
律「いい子だ」ナデナデ
澪「……ありがと」
澪(もうどうにでもなれ)
351
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 15:41:03 ID:203rTwpQ
律「まずはシャンプーから」
プシュッ
律(澪の髪…澪のツヤ髪……澪のフローラルな香りの髪…澪の繊維……)
律「…」クンカクンカ
律「澪の髪の毛、死んだらあたしにちょーだい」ゴシゴシ…
澪「…別にいいよ……」
律「ありがと…えへへ」ピトッ
澪(律の身体が当たってる……)
澪「うん」
澪(わざと当ててるんだろうな…)
律「む〜、長くて洗いづらいな」ゴシゴシ
澪「まあな」
律「今切っちゃいたいけど、我慢するよ」
澪「…ああ」
352
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 17:31:47 ID:203rTwpQ
ジャー…
律「…次は身体」
律「あたしの身体で澪の身体を洗うんだ〜」ピトッ
澪「…」
律「…」ヌリヌリ
律「澪ぉ……♡」
澪(こんな律の声、ほ)
律「ど?気持ちいい?」
353
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 17:47:58 ID:203rTwpQ
澪(凄くゾワゾワしてこそばゆいけど、ここで肯定しないと何されるか…!)ビクッ!
澪「あ、ああ……」
律「澪…♡♡♡」
澪「……律?」
律「澪のおっぱいだぁ……♡♡柔らかひ…♡乳首ごと食べちゃいたいなぁ♡♡♡」モミッ
澪(凄く殴りたいけど、まぁ後ででいっか…)
律「こんなおっぱいのくせに、夏とかあたしといるときたまにノーブラだよね?あれってあたしを誘ってるんだよね?澪のせいで、本気で犯したくなっちゃったんだからな???」モミモミ…
澪「こ、わい…よ、律………」ブル…
澪(しまった!声に出てた…)
354
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 17:50:11 ID:203rTwpQ
律「…ごめん」
澪(あ、あれ…?大丈夫そ)
律「あたしが教育不足でごめんな、澪」
澪(……そんなはずもなかったな。夢なら早く覚めてくれよ………)
澪(私はまだ、軽音部で、皆と、律と、唯と、ムギと、梓と、楽しい高校生活を送りたいんだ…)
澪(それなのに…)
律「…」ガリッ!
澪「いっ!!!??」ガタッ!!
律「返事は?」ニコニコ…
澪「…はい」
律「そうじゃねーだろ」ニコニコ…
澪「あ…」
澪(律が喜ぶことを言わなきゃ…)ゾワッ…
澪「私に、もっと、教育、してくだ、さい………」
355
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 18:01:53 ID:203rTwpQ
澪(…ん)
澪(嫌な夢だったなぁ)パチ…
澪(今日はまだ、日曜日…だよな?)ゴロ……
澪(……え)
澪(月曜日…!)
澪(ま、まさか、本当に…!!)
ズキッ
澪(背筋伸ばしたら、お腹が…)
澪(股もヒリヒリするし)
澪「はは………」
澪(朝の6時だ)
澪(自分史上最悪な朝を迎えた)
356
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 18:06:13 ID:203rTwpQ
澪「…律、私の服、どこに置いた?」
律「…」スピーッ…
澪(まだ寝てたのか…)
律(おはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅーおはようのちゅー)
澪(寝てるときはかわいいんだけどな…)
澪(まぁいっか。律のことだから、あの棚の中にしまってあるんだろう)ガサゴソ…
律(え!?無視っ!!?)ガーン
澪「あ、やっぱりあった」
律「…」ガバッ
律「……おはよ」
ビクッ
澪「…お、おはよう……」
律「着替えはそこで合ってるよ。制服はあそこに吊しといたから。アイロンかけたかったらいつでも言ってくれ」
澪「あ、ああ…」
357
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 18:14:28 ID:203rTwpQ
律「あーん」
澪「自分で食べるからいい」
律「うー…」
律「澪があーん受け止めてくれなきゃあたしもご飯食べれないよ〜っ!」
澪「…まったく」
律「はい、あーん♪」
澪「むぐ……」
律「おいし?」
澪「…ああ、律の手料理だしな」
律「へへっ……ありがとさん」
律「それじゃ、澪もあたしにあーんして♪」
澪(やっぱり…)
澪「……口開けろ」
律「あーっ」
澪「あーん…」
358
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 18:19:58 ID:203rTwpQ
律「あー…、はむっ」
律「……澪に食べさせてもらった方が、いつものより美味しいよ」ニコッ
澪「それは良かった」
澪「…律の両親ってさ、いつ帰ってくるの?」
律「んー、1ヶ月後ぐらい?」
澪「そうなんだ…」
律「だから、家の中なら誰も邪魔できないさ…へひひっ」
澪「………そ、そう、だなっ」
359
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 21:00:36 ID:pVka//H2
澪「流石に手は離せ…恥ずかしい……」
律「やーだっ」ニコッ
律「見せつけてやるんだよ、そこらの人間にさ。澪はあたしのものだって…」
澪「…」
律「もっと深く握って」
澪「…」
律「ねえ」
律「爪剥ぐよ?」
360
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 21:05:50 ID:pVka//H2
ギューッ
澪「はうぅ…」カアアッ…
律(かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい)
律「えへへ……♡♡」ギュッ
澪「…」
361
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 21:16:30 ID:pVka//H2
唯「りっちゃん!」
律「おいーす」
唯「今朝、澪ちゃんと二人で手繋いで帰ってるの見たよ!今日はいつにも増してラブラブですなぁ〜♪」
律「どこかの唯さんと梓さんのところも仲睦まじくて羨ましいですわよ〜♪」
唯「んも〜、りっちゃんたら〜♪何言ってるのよ〜」
律「あらまぁ、照れちゃってぇ、うふふ♪」
唯「でも本当に澪ちゃんとなら付き合ってもいいかなぁ〜」
唯「ロミオ役かっこよかったし!」
律(何が『付き合ってもいい』だ、殺すぞ)
律(それに澪はあたしのものだから。友達だからって譲るつもりないし)
律「澪、モテモテだな〜」
唯「だねぇ〜」
362
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/26(火) 21:18:08 ID:pVka//H2
× 帰ってる
○ 登校してる
363
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/28(木) 23:34:28 ID:lXA1D.lA
澪「和、ここわかる?」
和「問2ね、これはまず微分して…」
律「…」ジロッ
澪「ひっ!!」ビクッ!
和「どうしたの?」
澪「な、何でもっ…!」プルプル…
和「そう?じゃあ、一応続けるわね。それでここは……」
律「…」ジーッ…
澪(律が思いっ切り睨んできて、怖くて集中できないよぉ…)プルプル…
澪(てか、とっくに和解してると思ってたんだけど……、私の思い違いだったのかなぁ、あれは…)プルプル……
364
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 13:49:21 ID:Ji6bm3Aw
澪「なぁ、律」
律「ん?」
澪「その……、和と話してるときに睨んでくるのはやめてほしいんだが…」
律「睨んでないよ?」
律「細目で後ろの掲示物を見てただけだって」
澪「そ、そっか………、ならいいけど…」
律「そうだぞー?でもな、あたし以外と一線超えたら、ソイツ必ず殺すから」ボソッ…
澪「ここここれからは律抜きで勉強しないよ!!うん!!!」ガタガタガタ…
律「ありがとー澪ぉ♪」ニコッ
澪「ありがとー」ハハハ…
律「何で澪がそれ言うんだよ〜」
澪「な、何となく?かな…」
律「本当は?」
澪「え?」
365
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 14:00:04 ID:Ji6bm3Aw
澪(これが本当なんだが…)
律「恥ずかしがらずにさ、ちゃんと言ってくれよ〜♪」ニヤニヤ
澪(…うわぁ、面倒くさ…)
澪(でも言わなきゃもっと面倒臭くなりそうだし、ここは適当にあしらっとくか……)
澪「…律に愛されてるのが…わかって、凄く、嬉しいな……って……」
澪(ここで恥ずかしそうに俯く、これでどうだ…!)
律「ホント!!?あたしも嬉しい〜〜!!愛してるぜ、澪〜〜〜!!!!」ギューッ
澪「こ、声が大きい!!」
366
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 23:05:56 ID:9Jjaachk
律「澪っ♪」
澪「…」
澪「何で5日間も手繋がなきゃいけないんだ?」
律「何でも♪」
澪(何か、もう……)
澪「…そっか」クスッ…
澪(律が楽しければ何でもいいや………)
367
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 23:19:23 ID:9Jjaachk
律(澪を軟禁して、もう4ヶ月だ)
律(澪があたしの家にいるときは、手錠をあたしがつけている)
律(総計?5時間は手錠させてるかな〜)
律(澪はすっかりあたしに懐いちゃって、かわいいな……、あたしの澪…)
律(部活でもこの関係がバレないようには振る舞ってるけど、ムギが察してるかもしれない…。けどムギなら応援してくれそうだ)
律「好き」
チュウ
澪「んぅ…」
律「真っ赤だなぁ…、かわいいよ…ずっと傍にいて……」
368
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 23:22:52 ID:9Jjaachk
澪(律はまだ、気づいてない)
澪(これが偽りの私であることに)
澪(でも、律が死ぬのはやだから、律が死なないように都合の良い人間を演じている)
澪(演技力は上手くなった)
澪(その代わり、誰かに本音を話すことが更に苦手になってしまった)
澪(でも、律が死ななければいい)
澪(………何でだろうな。幼なじみだからか?それとも、私も律と似たような、甘くてふわふわした感情を持っているから……だといいな)
澪(心のどこかで、律を拒絶する私がいる)
澪(こんな私、消えちゃえばいいのに)
澪(…そうだ)
澪「律」
律「ん」
澪「……一緒に、死のう」
369
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 23:27:33 ID:9Jjaachk
律「澪…」
澪「嫌なら強制はしないよ」
律「……死んだら本当にずっといられるよな………」
澪「…きっと、な…」
律「……あたしさ、澪がずっとあたしを拒絶してたの、知らないフリしてた」
律「いつかは澪が依存してくれると思ってた。完全に片想いだな…。でも、死んだら………」
370
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 23:40:09 ID:9Jjaachk
澪「…」ドッドッドッドッドッ…
律「これが最後…じゃあな!あたしがいなくなっても、唯達と元気に軽音部やってくれよ〜!!」ブンブン
律「よいしょっ…とぉ………」
澪「さ、最後………って、何やってるんだよ!私もそっち行くからまだ待って…」ドッドッドッ……
律「え、へへ……死ぬのかぁ、こっこわぃなあ………」プルプル…
澪「り、つ」ドッドッドッ…ドッ………
澪「聞いてる!?私も死ぬから……!置いてか」
澪「…律!!!」タッタッタッ…
澪「や、だ、な、したぃな、んて、怖い…見れ、な、い………」ブルブル………
澪「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、れがっ……………り、つぅ…………??」ブルブル……
澪「あがががぐぐぐぎぐがあああがぐぇおえぇぇあああうぐっ!!!!!んぎひぃっ!?!?さぐさまぽうらやたわにぅ………」ブツブツ…
371
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 23:49:36 ID:9Jjaachk
唯「りっちゃん…!」グスッ…ズビッ
憂「お姉ちゃん………」フキフキ…
澪「り、つ、り、つ、り、つ、り…」ブツブツ…
紬「あのりっちゃんが………っ」
梓「ムギせんぱ………ひぐっ!か、顔色、悪いですよおぉ……。大丈夫ですか……?うぅっ…!!」グスッ……
紬「ええ、大丈夫……よ。それより、梓ちゃんこそ…」フキフキ……
澪「つ、つ、つ、つ、り、つ………」ブツブツ…
梓「びじゅっ!!あぅ、ありがとうございます…っ!」グスッ……
372
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/29(金) 23:57:12 ID:9Jjaachk
澪「り、り、り、り、つ……………?」ピタッ…
澪「律じゃない!これは律じゃない!!死んだのは私なんだ!!!!!」
紬「澪ちゃん、落ち着いて…!」
憂「澪さん!!!」
澪「ほんとぉなんだよぉおぉぉおおおおお!!!!!!!仲間だろぅおぉぉおお!!!??信じてくれるよなあ!!!!!!!!!!!なあ!!!!!!!?」ガシッ!!!
紬「!?」
唯「痛っっっ!!!!ほ、骨が、折れちゃうよ…!!」ボロボロ…
澪「何で唯が泣いてんだよ!!!?!??私の方が泣きたいのにさぁ!?!!?!」
梓「こ、ここ、これ以上は唯先輩も本当に骨折れちゃいますよ!!?早く唯先輩を離してあげてください……!!!!」
373
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:02:16 ID:um5dSHEI
澪「…」ストン…
唯「ふぅぅ…はあぁ…ふうぅぅっ……はぁああ………」
澪「お前さ、律の何を知ってるの???」
374
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:11:47 ID:um5dSHEI
梓「……私、ですか………?」
澪「そう。律と浅い関係のくせに、何唯に同情してるんだよ」
梓「え……?だってあれは…」
澪「『だって』とか要らないんだよ!!!!!!!!!頼むから、私…律を、現世に呼び戻してくれ………!!」
唯(絶対、澪ちゃん………だよね。りっちゃんじゃないよ…澪ちゃん、だよ………)
紬「…余程精神的に参ってるのね………」ボソッ…
憂「それであんな支離滅裂なことを…」ゾワッ…
紬「………大丈夫よ。私達は、澪ちゃんがまた笑顔になれるように努力するわ」
唯「そうだよ!心配しないで、憂」
375
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:24:36 ID:um5dSHEI
3月28日
何週間か前に唯やムギと同じ大学に受かったのがわかったはずなのに、気分は晴れない。私の中のどこかに律が埋め込まれているから。
3月29日
律は子宮からも見つからなかった。子宮は血まみれなので、子宮に律はいるはずだ。律をまた、殺しちゃったのかな。不安でここのところ4時間しか寝れていない。眠いけど、律のことを思うと寝れない。律への懺悔、律の痛み、律の見た景色。
3月30日
律は食道にもいなかった。だから、胃の中にいるかと思って商店街の中で胃に探りを入れてたら、偶然居合わせた唯に力ずくで止められた。おかしい。唯にそこまでの力はないはず。逆に私が痩せたのかも?
3月31日
律がいない。私が殺した。私も、いなくなりたい。バイバイ。
376
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:33:05 ID:um5dSHEI
和「近い親族のお葬式と丁度同じ日に律の葬式があったから、律の方に行けなくてごめんなさい…」
唯「大丈夫だよ和ちゃん…。りっちゃんもきっと、わかってくれてるよ」
憂「そうだよ。和ちゃんが友達思いなこと、律さんも知ってると思うな…」
和「ありがとう、二人とも…」グスッ…
唯・憂「えへへ…」
憂「そういえば、澪さんは?」
和「おかしいわね…、あと3分で着くって聞いたんだけど……」
憂「…!和ちゃん危ないっっ!!!!」
グシャ
377
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:36:39 ID:um5dSHEI
澪(想定外。憂ちゃんまで死んじゃったなぁ…)
澪(でも、自動車免許持っといて良かったよ)
澪(これで心置きなく死ねるぞ!!!!!!)ニヤニヤ……
澪(あとはムギだな)
378
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:42:51 ID:um5dSHEI
澪(…そうだ、暫く会わなかったから忘れかけてたけど、梓もだ)
澪(さっさと殺さなきゃ…!!皆で天国行って、また元の放課後ティータイムに戻ろう!!!!!!!!!!!)
澪(…律は?)
澪(律はそれでいいのか…………?)
澪(………わからない)
澪「どぉしだらいぃんだよぉ〜〜〜!!!!!友達もその妹さんもごろしちゃっだよおぉぉ……!!!!!!!!」グスッ…ズビ……ズビッ…
澪「あ…あ…あ………あ」メリッ
澪「死にたい」
379
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:46:48 ID:um5dSHEI
澪「律がいなきゃ死んじゃうよぉ………!!!!」グスッ………
澪「ムギ、梓…」
澪(私は田井中律だ)
澪「今からメールでもするか」
カチカチ……
澪『ヘルプ!宿題見せて!!💦🙇♀』
澪「これでよしっと…」
380
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 00:57:07 ID:um5dSHEI
紬(最近、澪ちゃんがりっちゃんに完全になりきってるので、心配になって澪ちゃんの両親に電話をかけたら…)
紬(澪ちゃんが、行方不明らしいのです)
紬(それで娘の安否や、行方不明になる前の娘の状態を知りたいとおっしゃっていたので、不本意ながら、澪ちゃんの家にお邪魔することになりました)
紬(澪ちゃんのお父様とお母様は、澪ちゃんが最後に残した日記を見せてくれました)
紬(その内容は、血を見るだけでパニックになっちゃう澪ちゃんが書いたものとは思えませんでした)
紬(また、右斜めに破れていた箇所には)
紬(『唯、和、憂ちゃんを殺してしまったノでしにます』と書かれていた)
紬(怖くなって、その夜は眠れませんでした。気晴らしにテレビをつけてみると、そこには……)
381
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 01:07:43 ID:um5dSHEI
紬(澪ちゃんが………逮捕されたって…)
紬(びっくりして、夜中なのに梓ちゃんに急いでメールしちゃったの。これから大学生になるはずだった澪ちゃんが…………梓ちゃんの憧れでもある澪ちゃんが……どうして、唯ちゃんと憂ちゃんと和ちゃんを殺せたの?)
紬(何も、知らない方がいいのよ。きっと)
紬(ただ、澪ちゃんがあんなに変われるとしたら………情事であることは確か)
紬「少なくとも、共依存には気をつけなくちゃね…」
梓「共依存ですか?」
紬「ええ、実はとっても怖いものなのよ。下手すると殺人にまで至ったりして」
梓「そうなんですね…。まあ、私達には関係なさそうなので良かったです!」
紬「…そうだといいけどね……」
紬(軽音部のメンバーは、もう、梓ちゃんしかいないんだから…)
382
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/30(土) 01:10:33 ID:um5dSHEI
休息の為、書き込みを中断します。こんな駄文を見てくださり、本当にありがとうございました。
時間はもっと有意義に使ってくださいね。では。
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