キョン「嘘だろ」 - 1585321277

1：以下、名無しが深夜にお送りします：2020/03/28(土) 00:01:17 ID:7JcYuVF.: キョン視点

自分が小説のキャラクターだとと自覚したのはいつのことか
高校生になってハルヒに出会ってからである
2年生になってからもサザエさん方式で時間は進まない
とはいえ周りの日常は動いてる。
持っている小道具がいつのまにかガラケーからスマホになったりとか
テレビがブラウン管から薄い液晶になったりとか
そんな風に日常が続くと思っていた
新元号、令和になり二か月後あんなことが起こるまでは
2：以下、名無しが深夜にお送りします：2020/03/28(土) 00:02:38 ID:7JcYuVF.: 池袋で高齢者の運転する車が暴走したり
川崎市で通り魔事件が発生したりといった物騒な事件が紙面を騒がせてた時
まだ自分には関係ないと思っていたのなら引っ叩きたい思いに駆られた

昼の昼食で何気なくみたニュースサイトの速報の内容を頭が拒否した

「キョン…これって」
国木田わかるが抑えろ
「なあ・・・俺たちの世界でだよな…まさか現実で」
谷口その意見に賛同したい
それこそハルヒが望まない限り何も起きやしないこの世界で
こんなバカなことがあってたまるか
ハルヒが望んだ？それこそありえてたまるかアイツはあの人たちのことをよく知っている
いくら非日常が好きだからと言ってこんなことは絶対望まないのは俺は分かっている
けれど、じゃあ、この内容は何なんだ
3：以下、名無しが深夜にお送りします：2020/03/28(土) 00:03:09 ID:7JcYuVF.: 伊原摩耶花視点

人生でここまでフラフラとした足取りで部室に来たことはないだろう
それでも皆に会いたかった

「皆、」

ふくちゃんは愕然とした顔で
折木の表情は読めないけれど顔を隠してる
ちーちゃんは、一番悲しい顔をしてた
「そんな、なんで」

米澤さんが生みの親だけど、あの人たちは育ての親だ
細部にまでこだわった色彩、細かな動き
漫画家を目指す自分にしても、憧れの場所なのに…
4：以下、名無しが深夜にお送りします：2020/03/28(土) 00:03:47 ID:7JcYuVF.: 小林視点

「トールただ今」
「小林さん、お帰りなさい」
トールに元気が足りないのは長い付き合いである自分の眼から明らかだった
愚かな人間なんて言っていたがそれでも、人間に近づいていると思っていた
だけれども、この事件は…
昼間の滝谷の顔がちらつく、オタクとしてだけじゃない人としての絶望と怒りを感じた
5：以下、名無しが深夜にお送りします：2020/03/28(土) 00:04:24 ID:7JcYuVF.: 泉こなた視点

「こなたああぁぁ…」
「こなちゃあああああん」
二人とも悲しいのは分かるよ、私だって泣きたいけど逆に限界を突破してしまった
夢であってほしいと願った昨日のニュースは朝刊にしっかりと掲載されたし
ニュースではひっきりなしに放送してる。
ゆーちゃんはその映像をみたショックで今日は休んでしまったし
お父さんも今朝からそわそわしてた
6：以下、名無しが深夜にお送りします：2020/03/28(土) 00:05:19 ID:7JcYuVF.: 書き溜めはここまでです
7：以下、名無しが深夜にお送りします：2020/03/28(土) 02:15:55 ID:crv05.oM: 気になる
8：7JcYuVF：2020/03/28(土) 15:09:06 ID:XTR33R4U: 名瀬博臣視点

事件から数日がたった。
栗山未来も「あの日」に比べて普通にはなってきて、美月も秋人も傍目から見ると普通に過ごしているように見える
けれども、事件が起こした影響は今も尾を引いている
犯人の素性についても分かってきた
崩壊した家庭、精神疾患、前科、事件前日の「こっちは余裕がないんだ」、そして逮捕の際の「パクリやがって」という言葉
本人は細々と生きているのだが、周りからしたら迫害されるべき対象
ふと秋人のことが浮かぶ。
秋人が同じ犯行するということではない。けれども、どうしても比較対象として考えてしまう。
アイツは今は停戦状態だが、最初は迫害しようとした。
「人間と異なる害をなすもの」というある種傲慢な思想の基行われた人間側の一方的な弾圧をしていた。
犯人も同じではないかバカにされる中、唯一の楽しみである執筆活動が、ただ内容が被っただけで、奪われたと勘違い…いや被害妄想に駆られたのではないか
そして、その成敗のため事件を起こしたのではないか。