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誰かこの状況を説明してください サプライズ後

1以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:43:54 ID:Vu9632m6
どれくらいの人が知ってるかなあ
あと、会話形式じゃないです

2以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:45:51 ID:Vu9632m6
「ロータス、僕たちはしばらく別棟で過ごすから、起こさなくていい」

「かしこまりました」

 きゃ〜! 旦那様、なんてこと言うの〜!!

 ロータスも! 笑顔で返事しないの!! 使用人さんたちも、そんな満面の笑みで……っ!

 いいんだよ、いいんだけどさ。めちゃくちゃ恥ずかしい……。

「もうっ! そんなこと堂々と言わなくても〜!」

 恥ずかしくて旦那様の背中に顔を埋めれば、

「うれしくてつい」

 とか言ってるし!!

3以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:47:21 ID:Vu9632m6
「もう床に就く時間ですね。」
旦那様がこれ以上ないというスマイルで私の顔をのぞき込みます。
ああ、ついにこの時間が来ましたか。
もちろんのこと私にだっていろいろ期待がないわけではありませんよ。
恋愛小説は山のように読んできましたし。
「そ、そうですね。は、早くお休みしないと明日のお仕事に支障が……」
「明日は仕事休みです。それにそういう意味ではないのわかっているでしょう」
そりゃそうですよね。やり直しとはいえ、初夜です。睡眠時間の心配はいりませんよね。
「すみません」
「謝るようなことでは…。緊張していますか?」
してるに決まっているじゃないですか!
こっちは人生で初めて、一生に一度の大事が目の前に迫っているんですから。
放蕩息子だったあなたとは違うんです!とは、言えません。

4以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:48:21 ID:Vu9632m6
「…少し…」
「でしょうね。ヴィー、手を貸してくれますか」
そういうと旦那様は、私の手をご自分の胸に当てました。
「あっ!」
旦那様の胸が激しくドキドキ言っています。
「僕も同じです」
「でも……いえ」
契約とは言え結婚当初から愛人を抱えていたような人が、こんな地味子を初めて抱くというだけでこんなときめいてくれるもんでしょうか?
「僕のことを遊び人だったと思っているでしょう。カレンのこともありましたし」
初夜の晩に元カノの名前を出すのはいかがなものかと。

5以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:49:42 ID:Vu9632m6
「でも、僕は生まれ変わった。僕にとっても初めてのようなものなのです」
つまり、過去の悪行は忘れてほしいと言っているわけですか。
少々都合がいいことを言っているような気もしますが、まあ、心臓のドキドキに免じて許してあげましょう。
「僕のことを受け入れてくれますか?」
「…はい」
いよいよですよね。受け入れるってそういうことですよね。
殿方に初めて肌をさらすことになるわけですよね。
あまりのメリハリのなさに愛想をつかされたらどうしよう。
胸がないからって離縁されることはないと思うけど…子供のころからミルクをもっと飲んでおけばよかった。
でも、さすが、ステラリアの選んでくれたネグリジェです。
胸元の飾りで、ない胸が少しあるように補正してくれています。
なんて仕事のできる侍女が付いていることでしょう。

6以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:51:19 ID:Vu9632m6
ん、待てよ。補正が効くのはネグリジェを着ている間だけではないですか。
脱いでしまったら元の木阿弥、補正からのギャップで余計がっかりさせてしまうのではないでしょうか。
ヴィーちゃん人生最大のピンチ!
私の不安をよそに、旦那様は少し緊張した顔をして、ネグリジェを脱がしにかかります。
人生初の経験に思わず目をつぶってしまいます。
旦那様、これぐらいのモノで我慢してください。
お外ではこってりしたものが美味しくても家ではさっぱりしたお茶漬けぐらいがいいっていうじゃないですか。
あ、外でこってりしたものを食べてきてもいいってわけではないですけどね。

7以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:54:12 ID:Vu9632m6
旦那様が私の肌着をすっと脱が・・・あれ、なんかごそごそしてますね。
なかなか脱がされないのですが。何か不都合でも生じたのでしょうか。
ひょっとして余りのメリハリのなさに、脱がす気力を失ったとか…。
不安になって目を開けると、荒野に向かう道…ではなく旦那様と目が合います。
「あの…」
旦那様は少し困ったような表情を浮かべ
「まるで、棒みたい……」
ガーン!!やっぱり……。いくらメリハリがないからって、棒とまで言わなくたっていいじゃないですか。
例えば電信柱とか…一緒か…まあいい表現は浮かびませんけど。

8以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:55:21 ID:Vu9632m6
「そりゃあ、そんなにスタイルはよくないですよ!だからって棒とまで言わなくたって…」
「何か勘違いしてるみたいだけど…」
「え?」
「ヴぃーのスタイルは最高にきまってるじゃないか」
そんなこと誰が信じられますか。確かに棒並みに寸胴なのは自分が一番よくわかっています!
けど、人に言われたくはないんです!
「僕が言っているのは、ヴィーが棒みたいにガチンガチンに固まっていて全く動かせないって言いたかったんだけど」
ウーム、被害妄想でしたか。とはいえそんなに固まっているはずが…ほんまや!
足がつりそうなぐらい、力が……
「すみません、そんなことになっていようとは。」

9以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:56:45 ID:Vu9632m6
シュン。私の予定では、旦那様の優しい愛撫に徐々に体を温められた私は小さな痛みに耐えながら旦那様を受け入れる、
という官能の世界に浸っているはずだったのに。
たいていの恋愛小説ではそういうことになるはず
「しょうがない。初めてのことだし、今日こんなことになるという心の準備もできていなかっただろうから」
「もしあれでしたら、無理やりしていただいても。頭ではちゃんと理解していますので頑張れると思います。決して強姦で訴えたりしませんから」
いつもの3割増しでやさしい笑顔を浮かべる旦那様。
「本当にヴィーは面白い人だ。でも、女の子にとって、大事な日を無理やりして台無しにするなんてことできないよ。」
女の子にとって大事な結婚式を嘘まみれで行なったあなたがどの口で言う、なんてことは言いませんよ。

10以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:57:54 ID:Vu9632m6
「でも、それでは…」
「結ばれる機会は今日だけじゃない。ヴィーがリラックスして受け入れてくれるまで僕は待ってるよ。
今の僕は、ヴィーがみんなの前で僕と連れ添ってくれると誓ってくれただけで最高に幸せだ」
「すみません」
「気にしないで。謝るようなことじゃない。ヴィーが大丈夫と思ったとき……そうだ、ヒイズル皇国からのお土産にもらった枕があったんだ」
「枕?リラックスしやすい?」
「そうじゃない。カモミールのお土産なんだけど」
この枕、片側にyes、反対側にNoと書いてある。なんだろう?クイズに答えるときにでも使うのかしら?
「???」
「これはね、お嫁さんが…つまり、そういうことをしたくないときに、Noって出しておくんだ」
そういうことって……つまりそういうことですか。

11以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 21:59:10 ID:Vu9632m6
「なるほど。ということは、Yesを出しているときはしたい、と?」
甘さ5割増しの笑顔で微笑みかけてくる旦那様。したいに反応しましたね。とはいえ、これは合理的なシステムかもしれません。
一人でのんびり眠りたい夜もあるでしょうし。シャケクマもお役御免かしら。
「ヴィーが大丈夫と思ったら、Yesと出してくれ」
それは、つまりしたいという意思表示をしなければいけないということ?さすがにそれは恥ずかしいじゃないですか。
これでも、初めてなんですよ、マダムと呼ばれるようになってからかなり経ちますけど。
しかし有無を言わさないオーラを出している旦那様
「わかりました」
「では今日は寝ましょうか・・・」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:00:50 ID:Vu9632m6
変ですね。シャケクマが置いてあるわけでもないのにまとわりついてきません。
おや、旦那様の下腹部が不自然に出っ張って……これはいわゆる、あの状態ではないですか!!
「旦那様?」
「ん?」
「苦しくないですか?」
「別に苦しくはないけれど。どこを見て……あ、これは、その」
「その、なんですか?」
「決していやらしいことを考えていたわけでは・・・」
いつになくあたふたしている旦那様が可愛い。これはからかうチャンスです。
「考えてないんですか?いやらしいことを考えていないのにそうなったと?」
「そ、そうなんだ」
「嘘をつく人は嫌いです」
いくらヒッキーだった私でもその程度わかります。嘘ですよね。大体、さっきまでそういう行為に及ぼうとしていたじゃないですか。
ジト目で見つめるヴィーちゃん。

13以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:02:00 ID:Vu9632m6
「……ううっ…ごめんなさい」
とは言え、まあ、全然その気がないといわれるのも寂しいですし、まあ許してあげましょうか
「しょうがない人ですね。でもまあ、別に悪いことではありませんし…」
「そうだよね、ヴィーが魅力的すぎるんだ!」
調子のいい人です、旦那様は。褒められるのは嫌いじゃありませんが。
「でも、そんな状態でお眠りになれるんですか?」
「まあ、この悶々とした気持ちが収まれば…」
昨日まではともかく、今日からは悶々とした気持ちを収めてあげるのも妻の役割のような気がします…。
決して旦那様の裸が見たいとかいやらしい気持ちではありませんよ。旦那様とは違いますからね、私は。
あくまで妻としての責任感です。

14以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:03:10 ID:Vu9632m6
「旦那様…」
「サーシス」
「サーシス様、お召し物を脱いでいただけますか」
「なんだって?!」
「私のせいでサーシス様を悶々とさせたままで床についていただくのは心苦しいのです。私がお慰めいたします!」
男性経験のない私が、そんなことできるのかと御不審の向きもあるかもしれません。
初めてと言い張っているけど実は、とか。いいえ、正真正銘のヒッキーであった私は正真正銘の処女です。
にもかかわらず、そのような技術をなぜ習得しているのか?それは、ダリアの雨の日レッスンの賜物です。

15以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:04:40 ID:Vu9632m6
それは、体術の特訓に明け暮れていたある日のこと、へとへとになっている私に、ダリアがいつも以上にまじめな顔で語りかけてきました。
「奥様、体術の練習も大事です。が、それでもダメな時があります。」
「でしょうね。強い人はいくらでもいるでしょうから」
「そんな時、貞操を守る最後の手段をお教えします」
「最後の?大事なところを蹴とばすとか」
「それは最後から2番目です」
それを上回るとはどんな方法なのでしょうか?
「こちらをご覧ください。」
「それは、えーと」
実物は見たことありませんが、ものの本で似たようなもの見たことが…
「男性器の模型です。ご覧になったことは?」
「弟のおしめを替えたことが…」
「なるほど。何か気になることはありますか?」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:05:39 ID:Vu9632m6
「やはり、弟のモノとは形状が違うというか…」
可愛らしさのかけらもありませんね。それはそうと、こんなものをどうしようというのでしょうか……
「赤ちゃんのモノとの比較もなんですが、これは性行為を行なうために勃起状態にあるものです」
そうか…。勃起というのも普段聞かない言葉だなあ。独身の地味子のままだったらこれを一生見ることはなかったのかも…
「これを、女性の合意なしに挿入しようという不逞の輩がいるかもしれません」
「ふむふむ」
さすがにヒッキーとはいえその程度の知識はあります。強姦というやつですね。

17以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:07:09 ID:Vu9632m6
「体術、剣術等で不逞の輩を制圧できれば問題ありません。しかしそれがかなわなかったときは……」
「…かなわなかったときは……?」
「この男性器に快感を与えるのです。」
「へっ!何のために?」
不逞の輩を喜ばせてあげるなんて本末転倒というものじゃないですか!そんなことをタダでするなんて納得いきません!
あ、お金が欲しいわけではありませんよ。貧乏とは言え伯爵の娘です。
「この男性器には弱点があります」
「弱点?」
「ご存じないかもしれませんが、これに快感を与えると精子を放出します」
いくらなんでもそのくらいはご存じです。ただ、接する機会がなかったというだけで。
私をなんだと思っているのでしょうか。そんなカマトトぶっているつもりはないのですが。

18以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:08:30 ID:Vu9632m6
「ひとたび放出すると、この硬度は著しく低下します」
そりゃそうでしょうねえ。いつまでも硬いままだったら生活しにくいでしょうし。
「そうなれば、無理やり挿入されることはありません」
「ははあ、なるほど。」
つまり太陽と北かぜみたいなものですね。
「ご理解いただけましたか?」
「なんとなく」
「では実技に入りましょう。まずこのきのこの傘のようなところが……」
・・・・しばらく後・・・
「随分御上手になられました。不逞の輩の生殖器を口に入れるなどおぞましいことですが、性交に及ばれてしまうとご懐妊という事態さえ起こりえます。
万が一にもそのような事態は避けなければなりません。そうは言ってもこのような技術を使う事態に合われないことが一番です。
危険な場所には近寄られませんように」

19以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:09:30 ID:Vu9632m6
「でも私みたいに色気のない人間がこんなことしても効果ないんじゃないかしら?」
「そんなことはありません。私だって……いえ、なんでもありません。」
でもダリアはなんでこんなことを知っているのでしょうか?潔癖症の見本のような仕事人間なのに。
ひょっとして、家で働いている人たちにとって、これは体術のように必須科目なんでしょうか
「ねえ、ダリア?」
「なんでしょう、奥様」
「ひょっとして、うちの侍女の皆さん、全員こんな技術も持ってるの?」
複雑な表情をしていますねえ。つまり、Yesと。体術、剣術、お掃除以外にもこんな芸を持っていようとは・・・
「ご想像にお任せします」

20以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:11:04 ID:Vu9632m6
うーん、ご想像してしまいました。ある意味ハーレムじゃないですか!
と、いうことはひょっとして、旦那様も侍女の皆さんとあんなことやこんなことをしていたんでしょうか?
そういえば、メイドがお坊ちゃまのお相手をなんて小説で読んだような気もします。あの旦那様のことです、その程度していても…
「私どもが旦那様にこのようなことをすることは、いままでもこれからもございません。ご安心ください。あくまで護身術の一環です」
さすがダリア。私が何を考えているかお見通しですね。でも護身術とはいえ、プライベートに使うことはないのでしょうか?
「じゃあ、カルタムには?」
「カルタムですか?主人はこのようなことをしなくても、十分私を……キャッ、何を言わせるんですか、奥様!」
「自分から言ったんじゃない」
これほど真っ赤になったダリアを見るのは初めてです。いつまでも夫婦仲がいいというのは素敵なことですね。善哉善哉。

21以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:12:44 ID:Vu9632m6
それはさておき、このようにして男性を満足させる技術を身に着けたわけです。
実践はまだ一度もありませんが。
というわけで、旦那様のガウンをはだけさせます。ほう、下着をはいていませんでしたか。
さすがの私も動揺が。だって人生で初めて見るのですよ。男性器というものを(シスルを除く)。
大きいものの方がいいという話もあるようですが、旦那様のものは大きいのでしょうか?
比較の対象がないのでわかりませんが……とはいえ、これが私の大事なところに入ってくると思うと、恐怖感がありますね。
結ばれるのが今日でなくてよかったのかも。
でも、これを一目でもいいから見たいと思っていた御令嬢が山のようにいたわけですねえ。
貧乏伯爵家の地味子がこれを手に入れたということは、僥倖というか瓢箪から駒というか。
バーベナ様には少し申し訳ない気もします。もう渡しませんけどね。

22以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:14:15 ID:Vu9632m6
とはいえ、見ているだけでは何も始まりませんね
「では、旦那様。触れてもよろしいですか」
「う、うん」
サーシス、と訂正が入りませんでした。本当に緊張しているようです。
旦那様、実は初めてとか……なわけありませんね、愛人がいたぐらいですから。
さて、ここはしっかり習得した技術を発揮しないと後でダリアにお仕置きを受けてしまいます……
ってことはないでしょうが、旦那様には喜んでいただかないと。
 そっと旦那さまの大切な所に手を添えました。
「あっ!」
「うわっ!」
手を触れるか触れないかのうちに、旦那さまの大切な所から私の顔に……。
あまりのあっけなさに目が点になってしまいました。こういうものなのでしょうか?
ダリアに習った話とはずいぶん違いますね、もっといろいろな技術を習ったのですが。

23以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:16:00 ID:Vu9632m6
まあ、この程度で満足していただけたのならそれはそれでいいのですけれど。
一方旦那様は、と見るとかなりうろたえているようです。
「こんなはずじゃ。いつもはこんなことはないんだけど…」
何か言い訳がましく言っていますね。
そういえば、あんまり早く出してしまうことはあまりいいことではないとか聞いたこともあるような気が。
にしても、いつもはこんなことはないって、いったいどういう意味でしょうか。
いつもはって。なんてことは言わずに聞き流してあげましょう、もともと愛人がいた人ですし。
今日からは許しませんけどね。
 いずれにせよ、ここで出してしまうというのは旦那様にとっても想定外の出来事だったようですね。
そうであってほしいものです、あまり顔に変なものをかけられるというのは気分のいいものではありませんし。
変なものっていうのは失礼でしょうか?
世が世なら、ではなく出るべきところに出してもらっていれば我が子になっていたかもしれないのですから。
とはいってもぬるぬるしたものが顔についているのは少々気持ち悪い、においもあまりいいものではないし。

24以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:17:40 ID:Vu9632m6
「旦那様?」
「え?」
サーシスの訂正はまたもなし。相当動揺しているようですね。
殿方にとって早く出してしまうというのはそんなにショックなことなのでしょうか?
まあ、私にとって早かろうと遅かろうとどちらでもいいことですが。
「顔を洗ってきたいのですが……」
「そ、そうだな。僕がミスってしまったばかりに……」
ずぶ濡れの犬のようにいじけています。なんでそこまでいじけているのかしら?
よくわからないけれど、今後喧嘩した時のネタとして取っておきましょう。

ジャバジャバ!!
ああ、すっきりした。愛しい旦那様のものとはいえ、顔に余計なものが付いているってのはゾッとしませんからね。
さて化粧直ししないと・・・って、ステラリアもモミザもいない!!
誰が花嫁さん用特殊メイクをしてくれるの!!……と言っても始まりません。
しょうがない、自分でできる範囲のことをやりますか……で、別棟のどこに化粧道具があるのでしょうか?!
まずい……見当もつかない。掃除、洗濯の技術を身に着ける前に身の回りを自分でできるようになっておくべきでした。

25以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:19:20 ID:Vu9632m6
どうしよう、ステラリアたちの特殊メイクなくしてはただの地味子に戻ってしまう。
12時を過ぎたシンデレラみたいなものです。あ、でもシンデレラの場合は私と違って元がいいからなあ。
ウーム弱った。逃げ出すわけにもいきませんよね。えーい、ままよ。スッピンでもいいじゃない。
スッピンだからって実家に帰されることもないでしょう!でも、ステラリアのメイクがあるのとないのじゃ、相当ギャップがあるだろうなあ。
もし、離縁ってなったらどうしよう?ここで身に着けたメイドさん技術で食べていけるとは思うけれど…。
部屋に帰るまでに、旦那様眠っていてくれないかしら。

26以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/15(日) 22:20:11 ID:Vu9632m6
今日はここまでです

27以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:32:32 ID:DtUbHYLk
ガチャリ。眠っていませんでした。いつも通りの麗しいイケメンが私のことを見つめています。
「あの、すみません。ちゃんとお化粧できな…」
みなまで言うまえに旦那様は私に駆け寄るといきなり抱きしめました。
「あ、あのサーシス様、どうしました?」
弱みがあるときはちゃんと“サーシス様”呼びです。
「いつもヴィオラは最高に美しい。でも、素のままのヴィオラの可憐さは神の御業を超えている……」
可憐ですか、そういえば元カノさんの名前もカレンでしたねって茶化すようなことはしませんよ。
ただ、常々思っているのですが、こんな地味なだけの人間を可憐だなんて、旦那様の審美眼には問題があると思います。
そのうちインチキな美術商にでも騙されるんじゃないでしょうか?
あ、ひょっとすると部屋が薄明かりなのが味方してくれているのかも。夜目遠目笠の内って言いますからね。
まあ、とにかくいろいろな要因に助けられているとは思いますけれど、褒めてもらえるのはうれしいものです。

28以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:38:01 ID:DtUbHYLk
ギュッ!思わず私も抱きしめ返しました。
ん?
「……」
「……」
「旦那様?」
「決していやらしいことを考えていたわけでは・・・」
デジャブとはこれを言うのでしょうか。違いますね、明らかにさっき経験しました。
だんなさまはすこしうろたえているようです。これもさっきと同じです。
つまりボッキ状態にあることを人に悟られるというのは恥ずかしいことなのですね、勉強になりました。
「旦那様のエッチ…」
「ごめん…」
でも、ですね、こんなメリハリもない地味子に興奮してくれるっていうのもむしろ感謝すべきことではないですか?
私が旦那様なら、何の迷いもなくバーベナ様を選びますよ、華やかだし家柄もスタイルもいいですからね。
いや、それどころか国一番の家格の侯爵様ですからね、王女様と結ばれたって不思議はないのですよ。
本当に華やかな美人さんでしたし。旦那様がお仕事でエスコートしているのを見ただけで、私との差に胸が痛くなるくらい。
にもかかわらずですよ、ここまで私を求めてくれるのなら、差し出さないのは女が廃るというものです!!

29以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:39:31 ID:DtUbHYLk
「だんなさま、これ!!」
「え?」
Yes!!!
そうです、こういう時のためにこの枕はあるのです。今の私は、Yesなのです。
「でも、そんな、あわてなくても。まだ、怖いという気持ちがあるだろう?」
「う…それは、ありますけれど…」
「それを無理やりというのは僕のポリシーに反するというか良心が咎めるというか」
ウーム、旦那さまって意外にいい人なのかも…って、いったい私は旦那様をどんな人だと考えているのでしょうか。
まあ、いい人とは思っていますけど。
しかし、私も一度決心したのですから、ここで引き下がるのはプライドが許しません。

30以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:40:45 ID:DtUbHYLk
「わかりました。無理やりするのが旦那様のポリシーに反するというのなら、私が無理やりします」
そういうと、ドンと旦那様をベッドに押し倒しました。旦那様もビックリ!ですね。これも、べリスに教わった体術の成果です。
むろん普段なら、騎士としてLevel99の旦那様ですからこんな素人の技にかかることはないでしょう。
が、油断している相手なら効果があるというべリスの言う通りでした。が、問題はここからです。
無理やりするとは言ったもののどうすればいいのでしょうか?ダリアに教わったのは、不逞の輩に無理やりの性行為を行わせない方法。
こういうことになるのなら、不逞の輩と無理やり性交渉に及ぶ方法も習っておくべきでした。あれ、それは話が変わってきますね…。

31以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:42:15 ID:DtUbHYLk
具体的なやり方はわかりませんけれど、原理は簡単です。旦那様の大事なものを私のナイショなところに入れればいいのです。
ということで、
「失礼いたします…よいしょ」
はしたないとは思いましたが、旦那様を膝立ちでまたぎました。
まあ、はしたないと言ったところで、これから先しようとしていることに比べれば屁みたいなものですが。
あとは旦那様の棒みたいなものを入れるだけです。
さっきは旦那様が私のことを棒みたいと言いましたが、今度は旦那様が棒みたいですね。
体全体か、一部かの違いはありますけど。

32以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:45:27 ID:DtUbHYLk
これが私の中に入ってくるのか…結構な存在感。こんなものが入ってくるように私の体はできているのでしょうか?
んー、でも出入りは逆とは言え赤ちゃんも通ってくる道です。存在感があるとはいっても赤ちゃんよりは小さそう。
たぶん何とかなるでしょう!たぶん…。でも怖いなあ。やっぱり今度でもいいかな。
いや、ここまで来たら、女は度胸です。勢いをつければどうにかなる!
旦那様も腹筋を鍛えているでしょうから、私が少し勢いをつけておなかに乗っかったところで屁でもないでしょうし。
「せーの…」
「え?」
ドン!飛び降りるようにして旦那様のおなかに腰を下ろしました。“旦那様、痛くありませんか”と気を使うべきだったのかもしれません。

33以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:46:45 ID:DtUbHYLk
が、それどころではありませんでした。
「痛―――――――い!」
絶叫……。こんな痛いものだとは想像していませんでした。恋愛小説にもこの痛みはリアルに描いてほしいものです。
そうでないと同じ間違いを犯す女の子がこれからいっぱい出るかもしれません。いないかな…
でも今は他人の心配をしている場合ではありません。問題は自分の股間の激痛です。
「あのう、旦那様」
「なに?」
「本来であれば、旦那様に満足していただくまで行為を続けるべきとは思うのですが……」
「痛くて我慢できない」
「はい、そのとおりです」
「力を抜いて……」
無理です。痛みで全身硬直状態です。身動き不能です。

34以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:48:07 ID:DtUbHYLk
でも、旦那様は私の両腰に手を添えるとそっと体を持ち上げてくれました。助かった……。私のピンチにはいつも助けに現れる白馬の王子。
本当にこの人と結婚してよかった。え、幸せを感じるところが変ですって?そんなもの人それぞれじゃないですか。
夫婦円満ならそれでいいんです。
「ヴィーの無茶にはいつもハラハラさせられます」
「すみません…」
消え入るように言う私。
「痛みますか?」
「はい」
「体を交わす前は、準備が大事なんだよ。特にヴィーは初めてなんだから」
「よくわかってませんでした。反省してます…」
ふと見ると、太ももに血が伝わっています。旦那様は絹のハンカチでそっとふいてくださいました。
血が付いたら落ちにくいのに、そんな高価なハンカチを汚したら……こんなことを考える時ではありませんね、貧乏な生い立ちが恨めしい。

35以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:52:02 ID:DtUbHYLk
旦那様は、ハンカチをじっと見つめています。旦那様も洗濯の心配をしているのでしょうか?
「なんて美しい赤なんだ…」
血の色に違いはないと思うんですけれど。乾けば茶色になるし。
「そうだ、最高級のルビーにはヴィオラ・ヴァージンというブランド名を付けよう。
鳩の血(ピジョンブラッド)なんてつまらない名前だと思っていたんだ。
我が領地がら産出される最高級のルビーは、ヴィオラ・ヴァージンと呼ばれるべきだ。
ヴィオラ・ヴァージンは必ずやフルール社交界を席巻するだろう!」
何を考えているんでしょうか、このスカポンタン……失礼しました、旦那様は。
社交界がどうの以前に、街中を歩けませんよ、そんな恥ずかしい名前を付けられたら。
そもそも結婚したの一年以上前ですよ、世間様にどう説明するんですか、今更ヴァージンて。
「旦那様(怒りマーク)」
「え?」

36以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/20(金) 06:54:32 ID:DtUbHYLk
「そんな恥ずかしい名前をつけられたら私は世間様に顔を合わせることができません」
「え、なんで?」
「赤いものにヴァージンなんて付けたら、いかにもそういうことをしましたって言ってるようなものじゃないですか!」
「みんなしていることじゃないか?」
「わざわざ触れ回る人はいません!」
「でも…」
「もしそんなことをしたら、シャケクマじゃ済みませんよ。お里に帰らせていただきます」
「…」
「旦那様」
「はい」
「私は本気です」
「わかった。そこまで言うのならしょうがない」
ご両親はいったいどういう育て方をしたんでしょうか…


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