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曜「浮気がバレそうだよーそろぉ…」

1観覧注意 生えてます:2019/10/21(月) 01:39:47 ID:tAFoTEFs
――曜の部屋

曜(現在3股してるけど、どーも疑われてるんだよね…)

曜(この前なんてスマホを見せてとか言われちゃったし…)

曜(見せれるわけないじゃん…。そんなことしたらそっこーでバレるし、修羅場ってやつになっちゃうよ…)

曜(なんとしてでも疑いを消さなくちゃ…!)ピコンッ♪

曜(…? LINE?)スッ

千歌:よーちゃーん

曜「あ、千歌ちゃんからだ」スッスッ

曜:どうしたの?

千歌:なんでもないよー。曜ちゃんとお話したいからメールしちゃった!

千歌:あっ、いまって時間大丈夫だった?

曜:大丈夫だよー(*> ᴗ •*)ゞ

358以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 21:35:34 ID:Wp4fmPtI
千歌「…」ボフッ

千歌「…バカみたい。あんなに必死になっちゃって」

千歌「証拠なんて見つかるわけないじゃん。…ま、梨子ちゃんがかってに死んでくれてよかったよ♪」

千歌「…あっ、そうだ。証拠といえば……あの洋服たちも処分しないとなぁ。…んー、退院してからでいっか♪」

千歌「というか退院しないと外に出れないから無理だしー♪」

コンコンッ…

千歌「…ん?こんな時間に看護婦さんは来ないよね?…はーい!どーぞー!!」

ガラッ

曜「千歌ちゃん…」ヒョコッ

千歌「…よ、曜ちゃん!?学校はどうしたの!?」

曜「えへへ、早退しちゃった…」

千歌「早退って…どうして?」

曜「千歌ちゃんに会いたくて…」ギュ

359以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 21:40:08 ID:Wp4fmPtI
千歌「私に…?…うれしいよ?うれしいんだけどさ、さすがに早退してまで来るのはどうかと思うよ…?」

千歌「曜ちゃんの成績にも関わるだろうし…」

曜「うぅ、ごめん…。だけど、どうしても会いたくて…」ウルウル

千歌「もぉ…♡そんな泣きそうな顔しないでよぉ。ほら、こっちおいで?」ポンポン

曜「うん…」スタスタ

曜「…」ストッ

千歌「んー?いつもみたいにこっちに座らないの?」

曜「とりあえずイスでいいや…」

千歌「…」ジーッ

曜「…な、なに?私の顔になにかついてる?」

千歌「…曜ちゃんなにかあった?」

曜「え…」

360以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 21:44:27 ID:Wp4fmPtI
千歌「だって、学校に行く前は元気だったのにいまは暗い顔してるもん。…なにがあったのか私に教えてくれる?」

曜「…」

曜「…やっぱ千歌ちゃんはすごいね。私になにかあるとすぐ気づいちゃうんだ…」

千歌「恋人ですから♪」ニコッ

千歌「…それで、どうしたの?…悪口を言われたとかじゃないよね?」

曜「そ、そんなんじゃないよ…。えっとね…」

千歌「うん?」

曜「今日、果南ちゃんに会ったの…」

千歌「果南ちゃんに?元気だった?」

曜「元気……まあ、元気だったと思う…」

千歌「そっかぁ。…果南ちゃんとケンカしちゃった?」

曜「…」フルフル

千歌「あれ、ちがう?じゃあなんだろ…」

361以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 21:53:03 ID:Wp4fmPtI
曜「果南ちゃん……壊れちゃってた…」

千歌「壊れ…?」

曜「1人なのに…ダイヤさんと楽しそうに話してたの…」

千歌「…」ポカーン

千歌「…よ、曜ちゃんどういうこと?詳しく説明してよ…」

曜「そのままの意味だよ…。果南ちゃんはなにも無い空間にむかってダイヤさんと話してた…」

千歌「…えっと、ダイヤさん?は死んだんだよ?というかなにも無い空間にむかってって…」

曜「最初は私だって信じられなかった。もしかしたら私が見えてないだけで、果南ちゃんにはダイヤさんの幽霊が見えてるんじゃないかって思ったりもした…」

曜「…でも、違ったんだよ。果南ちゃんはダイヤさんが死んだことすら覚えてなかった…」ギュ

曜「いや、ダイヤさんが死んでから数日間の記憶がごっそり抜けてるって言ったほうが正しいのかな…?千歌ちゃんが入院してることすら覚えてなかったし……」

曜「きっと、果南ちゃんはダイヤさんが死んだのが信じられなかったんだよ…。そして自分だけのダイヤさんを頭の中に作り上げた…」

千歌「果南ちゃんが…」

362以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 21:58:21 ID:Wp4fmPtI
曜「まるですぐそこにいるかのように振る舞ってて……果南ちゃんには本当にダイヤさんが見えてるのかもね…」

千歌「そっかぁ…」

曜「…っ。うぅ……あの果南ちゃんは私の知ってる果南ちゃんじゃない…」ウルウル

曜「か、果南ちゃんはぁ…」

千歌「…っ」ギュッ

曜「…!」ビク

千歌「果南ちゃんは果南ちゃんだよ。…それ以上でもそれ以下でもない」

千歌「ちょっとおかしくなって、変な妄想をしちゃってるだけだと思う。…大丈夫、果南ちゃんならすぐに自分を取り戻すはずだよ。それを信じてあげよう?」

千歌「私たちが信じてあげないで誰が信じるの…?」

曜「千歌、ちゃん…」ウルウル

千歌「きっと果南ちゃんは大丈夫だから…」

曜「千歌ちゃぁぁん…!!」ギュゥゥ

千歌「…」ギュゥゥゥ…

363以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 22:06:51 ID:Wp4fmPtI
曜「――すぅ、すぅ…」ギュゥ

千歌「泣き疲れちゃったのかな?…ふふ、かわいいなぁ」ナデナデ

千歌「…♪」ナデナデ

千歌(…それにしても、まさかあの果南ちゃんがそんなふうになっちゃうなんてね…)

千歌(かわいそうに…。このままだと…近いうちに檻のついた病院にいれられちゃうよ…)

千歌(本当に残念だけど……私にはどうすることも…)ウルウル

千歌(…って、その原因をつくったのは私なんだけどね♡)クスッ

千歌(はぁ…。ダイヤさんを殺さなければよかったのかな…?)

千歌(…いやいや、そんなのダメに決まってるじゃん。顔がバレてたし、もし殺さなかったら私が捕まってたもん)

千歌(そもそも私は悪くないよね?…悪いのはダイヤさんを連れてきたルビィちゃんでしょ)

千歌(ダイヤさんがついてくるって言っても振りきってそのまま行っちゃえばよかったんだよ…)

千歌(そしたら死体もひとつしか出なかったのに!!)

千歌(あーもーイライラしてきたぁ…。死んでからも人をイライラさせる天才なんだね、あの子は…)

364以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 22:14:11 ID:Wp4fmPtI
千歌(まったく…)ハァ

千歌(果南ちゃんのことはもう諦めよう…。元に戻してあげたいとは思うけど、めんどくさいもん)

千歌(子供の頃からの幼馴染だけどさぁ、言うほど仲良くなかったもんね。家も遠くてなかなか遊びに行けなかったし)

千歌「ふわぁ…」

千歌「ん〜…私も眠くなってきた…」モゾッ

千歌「ちょっとだけ寝よっと…」スッ

千歌「よーちゃんおやすみぃ…♪」ナデナデ

曜「ん……ちか、ちゃぁ…」ムニャムニャ

千歌「かわいい…♡」

千歌「…」ナデナデ

千歌「…」ウトウト

千歌「すぅ…すぅ…」

365以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:00:45 ID:Wp4fmPtI
――渡辺家・リビング

曜「ただいまー」

曜ママ「おかえりなさい。…まったく、こんな遅くまで…。もう9時過ぎよ?」

曜「面会時間ギリギリまでいたからね〜」

曜ママ「明日はちゃんと早く帰ってきなさいよね?」

曜「善処しまーす♪」

曜ママ「はぁ…。千歌ちゃんが入院したからって、いくらなんでも長居しすぎよ。あっちだって迷惑してるんじゃない?」

曜「全然?今日なんてね、泊まってって言われちゃったし♪」

曜ママ「それなら泊まっていけばよかったじゃない」

曜「…そうしたいのはやまやまだけど、看護婦さんにすごい怒られちゃった。「ただでさえ面会時間を早くしてるのに、これ以上好き勝手はさせない」って…」

曜ママ「ふーん。あそこってたしか11時からだっけ?」

曜「たぶんそのくらいだと思う…」

曜ママ「それを朝の6時にまで早めてくれたんでしょ?それなのに泊まりたいなんて言ったら誰でもキレわよ」

曜「そーだよねぇ…」シュン

366以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:05:12 ID:Wp4fmPtI
曜ママ「ほら、そんな顔しないの。明日も会えるんだから!」ビシッ

曜「わわっ、背中叩かないでぇ…!」

曜ママ「ふふ。夕飯温めておくから着替えてきなさい?」

曜「はーい…」スタスタ

曜ママ「…!」

曜ママ「…あっ、ちょっとまって」

曜「え?」ピタッ

曜ママ「すっかり忘れてた…。夕方に警察の人が来てね、これを置いていったわよ?」スッ

曜「紙…?」スッ

曜「…これって電話番号?」

曜ママ「みたいね。帰っきたらすぐ電話をかけてって言ってたわ」

曜「なんで警察が…?なんて名前の人?」

曜ママ「南さん、って名前だったと思うけど」

曜「南…」

367以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:09:17 ID:Wp4fmPtI
――曜の部屋

曜「…」プルルルル…

曜「なんで南さんが私に…?」プルルルル…

曜「……もしかして私を逮捕するとかじゃ…」ピッ

曜「…! あっ、もしもし…」

『…どちらさまですか?』

曜「えっ?渡辺ですけど…」

『…あ、あぁ。ごめんなさい。渡辺さんでしたか』

曜「はい…。あの、こんな時間にすみません。いまさっき帰ってきたばかりで…」

『…高海さんのところにいたんですか?』

曜「そ、そうです…」

『…』

曜(…なんで黙っちゃうの!?)

368以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:14:57 ID:Wp4fmPtI
曜「えっ、と…」

『…いまから会えませんか?』

曜「へ…?いまから…?」

『渡辺さんの家の近くのファミレスはどうでしょう?もちろん私が奢りますから』

曜「で、でも、マ……母が夕飯を作ってくれてるので…」

『なら私が渡辺さんの家にむかいます。それならかまいませんか?』

曜「わ、私の家…?」

『渡辺さんに伝えたいことがあるんです。…それとも、高海さんからすでに聞いていますか?』

曜「千歌ちゃんからはなにも聞いてないですけど…。伝えたいことって…?」

『その件はお会いしてから話します』

曜「で、電話じゃダメなんですか…?」

『ダメです。これはさすがに、電話じゃ伝えられません』

曜「…」

曜「…わかりました。母に、聞いてみます」

『ありがとうございます。…では、またあとで電話をください』

369以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:20:28 ID:Wp4fmPtI
――渡辺家・リビング

曜「…」ソワソワ

曜ママ「何時頃来るって?」ジャーッ

曜「たぶん、あと5分か10分だと思うけど…」

曜ママ「ふーん。ま、警察の人が来る前に食べ終わってよかったわね。待たせるわけにはいかないし」ゴシゴシ

曜「うん…」

曜ママ「…曜とも今日でお別れかぁ」ゴシゴシ

曜「…えっ?どういうこと?」

曜ママ「だって逮捕しに来るんでしょ?」カチャ

曜「えぇ!?た、逮捕ぉ!?なんで…?私なにもしてないよ…!?」ガタッ

曜ママ「なに本気になってるのよ。冗談に決まってるでしょ」

曜「ママぁ〜…!!」

370以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:24:13 ID:Wp4fmPtI
曜「ママひどい…。娘にそんな冗談言うなんて…」

曜ママ「そんな冗談くらい、ちょっと考えればわかるでしょ?」

曜「だって本気のトーンで言うんだもん…。一瞬信じちゃったよ…」

曜ママ「そう?ならよかった♪」

曜「よかったって…」

ピンポーン…

曜「…!」ビクッ

曜ママ「あらあら、曜を逮捕しに来たわよー?」

曜「ママやめてよぉ…」

曜ママ「ふふ♪…はーい!いま出まーす!」スタスタ

曜「ママったら冗談がキツすぎるよ…」

曜「…あ、私も出たほうがいいよね」スタスタ

371以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:29:34 ID:Wp4fmPtI
――曜の部屋

曜「適当に座ってください…」

「…いえ。このままで大丈夫です」

曜「は、はあ…」

曜「…あ、それで、私に伝えたいことって…」

「…」

「…渡辺さんは桜内さんと恋人だったんですよね?」

曜「…? そうですけど…」

「そして、高海さんとも」

曜「…っ。はい…」

「今回の事件は――高海さんと桜内さんが渡辺さんのことで口論になり、そばに置いてあった果物ナイフで桜内さんが高海さんのお腹を2回刺した。…これで合っていますか?」

曜「そう、だと思います…」

「…本当に桜内さんが刺したと思いますか?」

曜「え…」

372以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:35:32 ID:Wp4fmPtI
曜「そ、それってどういうことですか?梨子ちゃんじゃないなら……誰が…」

「高海さん本人です」

曜「千歌ちゃんが…?」

「はい。私はそう推測しています」

曜「…なんの冗談ですか。そんなわけないでしょ…」

「しかし、桜内さんはこう言っているんです。「自分で自分のお腹を2回刺した」と」

曜「…私は、梨子ちゃんがナイフを持って千歌ちゃんのそばに座っているところを目撃しているんですよ…?」

「あなたは刺すところを見ましたか?」

曜「見てません、けど…」

「桜内さんがナイフを持っていた理由は、高海さんのお腹を刺したのではなく、ナイフを抜いてた言われたからです。桜内さん本人もそう言っていました」

曜「……そんなわけ…」

「ないとは言いきれませんよね?…刺した瞬間を目撃したわけではないんですから」

曜「…」

373以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:44:01 ID:Wp4fmPtI
「これはあくまで私の推測ですが……高海さんは桜内さんさんが邪魔だったんですよ。あなたの恋人である桜内梨子が…」

曜「…!」

「なぜ相手を刺さずに自分を刺したのかと言うと、桜内さんに罪を被せるためだと思います」

「未成年でも殺人未遂の罪は重たいですからね。しかも2回刺してるから殺意がなかったでは通用しない…。高海さんは恐らくそれを狙ったんでしょう」

「桜内さんも「お前を地獄に突き落としてやる」って言われてたみたいですよ?」

「そして、高海さんの思い描いたシナリオの通り…桜内さんは逮捕されました」

曜「嘘だ…」

「嘘では…」

曜「嘘だよ!!千歌ちゃんが、千歌ちゃんがそんなことするはずない…!!」バッ

「…」

曜「千歌ちゃんは優しい子なんですよ…?…梨子ちゃんのことだって、刺されたのは自分のせいだって言って……」

曜「梨子ちゃんのことをちっとも恨んでなかった…。梨子ちゃんと早く仲直りしたいって言ってたんですよ…?梨子ちゃんは大切な友達だからって…」

曜「そんな誰よりも優しい千歌ちゃんが……」

「それが全部嘘だとしたら?」

曜「は…?」

374以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:51:02 ID:Wp4fmPtI
「それが全部、渡辺さんを喜ばせるためについた嘘だとしたらどうしますか?」

曜「嘘じゃない…!!千歌ちゃんは本当に優しい子なんですよ!?それを知らないくせに…!!」

「…では、桜内さんが亡くなったということは高海さんから聞きましたか?」

曜「…」ピタッ

曜「梨子、ちゃ……亡くなっ……え…?」

曜「……いま、なんて…言ったの…?」

「…桜内さんは今朝、留置所で亡くなっていました。自殺だそうです」

曜「梨子、ちゃん……が…」フラッ

「渡辺さん…!」

曜「…っ」

「…高海さんから聞きましたか?」

曜「…聞いて、ない」

「…高海さんはどうでした?泣いていましたか?悲しんでいましたか?…笑顔じゃありませんでしたか?」

曜「…!」バッ

「やっぱり…」

375以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/25(金) 23:56:35 ID:Wp4fmPtI
曜「…笑顔、だったかは…覚えていません…。ただ、いつもよりすこし機嫌がよかったような…」

「…亡くなったって聞かされて、笑顔でいられますか?大切なお友達なんでしょう…?」

曜「そん、な……まさか……」

「渡辺さん…!!」ガシッ

曜「…っ」ビクッ

「協力してください。桜内さん……ううん、梨子ちゃんの無念を晴らしたいんです…!!」

曜「…」ボーッ

「渡辺さん…!おねがいします…!!」

曜「……すこし、考えさせてくれませんか…」

曜「いま…すごい頭の中がぐちゃぐちゃで……なにを言っていいのか…わからない…」

曜「頭が…おかしくなりそうで…」

「…わかりました。では、後日連絡をください」

曜「……」

376以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 00:03:33 ID:LN1TA97E
「渡辺さんもつらいと思います。でも、桜内さんの無念を晴らすには……このことを話すしかなかったんです」

「…はっきり言って、高海さんは人の形をした悪魔です。人を陥れることも……そして、そのために自分を刺すこともなんとも思わないんですよ」

「きっと、人を殺したとしてもへらへらしてるんでしょうね…」

曜「……」

「渡辺さんは……高海さんと桜内さん、どちらを信じますか…?」

「今日はありがとうございました。…お電話、待っていますね」ガチャ

バタン…

曜「……」

曜「……そだ…」

曜「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…」

曜「千歌ちゃんがそんなことするわけない……」

曜「千歌ちゃんが……そんな、こと……」

曜「千歌、ちゃん……」

曜「あ、ぁ……ぁ……」

曜「……わたしは、だれをしんじたらいいの…?」

377以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 04:43:04 ID:ONnTuJMs
――次の日・千歌の病室

千歌「んー?」

千歌「おかしいなぁ。いつもはもうとっくに来てる時間なのに…」

千歌「寝坊しちゃったのかなぁ…?」

ガラッ…

千歌「…?」チラッ

曜「…」

千歌「あっ、よーちゃん♡おはよぉ、今日は遅かったね?チカさびしかったよ〜…」

曜「…」

千歌「…あれ?曜ちゃん?」

曜「…千歌ちゃん、答えて。千歌ちゃんは……梨子ちゃんに罪を被せようとして…自分を刺したの…?」

千歌「…え?」

378以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 04:48:38 ID:ONnTuJMs
千歌(な、なんで曜ちゃんが知ってるの…?……まさかあのとさか頭……)

千歌「……な、なにそれ?どーゆーことぉ…?」

曜「答えてよっ!!千歌ちゃんなの…!?」

千歌「…違うよ。誰から聞いたの…?」

曜「…南さん」

千歌(あのとさか頭………曜ちゃんに余計なことを吹き込んだみたいだね……)ギリッ

曜「南さんが昨日……家に来て…」

曜「色々と教えてくれた…。り、梨子ちゃんが亡くなったことも…」

千歌「……そう、なんだ…」

曜「千歌ちゃんどうして…?どうして教えてくれなかったの…?梨子ちゃんが……死んだって…」

千歌「……」

千歌「…だって、教えたら曜ちゃん悲しむでしょ…?言わなかったのはごめんなさい…。でも、曜ちゃんの泣いてる顔を見たくなかったからなの……」

379以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 04:55:56 ID:ONnTuJMs
曜「…」

千歌「…ねぇ、曜ちゃん。こっちに来てよ。またぎゅーってしてあげるから…」スッ

曜「いらない…」

千歌「え…?」

曜「……私、信じたかった…。千歌ちゃんを…信じた、かった……」

千歌「……信じてよ…。私たちは恋人じゃん…。恋人を信じないでどうするの…?」

曜「……じゃあこれはなに…?」ガサッ

千歌「…?(バッグの中から……なにかを…)」

曜「…今日の朝、千歌ちゃんの家に寄ったの。なにか手掛かりがあるかも、って……。なにもなければそれでいいって……でも…」スッ

千歌「…あ、それ……」

曜「この血……誰の…?…それに、このスマホ……ルビィちゃんのだよね…?」

千歌「……」

千歌(……ああ、終わった……全部、バレちゃった…)

380以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:02:33 ID:ONnTuJMs
曜「千歌ちゃん……これはなんなの…?ナイフも……血がすごいついてる…」

千歌「…」

曜「ねぇ、千歌ちゃ――」

千歌「…」スッ

曜「…っ!」ビクッ

千歌「…あー、いまのはショックだなぁ。ちょっとベッドから降りようとしただけじゃん」スタスタ

千歌「なんでそんなに震えてるの?私が怖い…?」

曜「……こ、怖くないって言ったら嘘になる…。この血って、まさか……」

千歌「…」

千歌「…ねぇ、屋上行かない?」

曜「え…?」

千歌「…屋上で全部話すからさ。ダメかな?」

381以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:13:32 ID:ONnTuJMs
――病院・屋上

ヒュゥゥゥ…

千歌「ん〜、やっぱ朝は寒いねぇ♪」スタスタ

曜「…」スタスタ

曜「…話して」

千歌「なにを?」

曜「…っ! 屋上に行ったら話すって言ったじゃん!!」

千歌「…冗談だよ。そんな怒らないで?」

千歌「そーだなぁ。まずはなにから知りたい?」

曜「…」スッ

千歌「その服、ってことはルビィちゃんかな?」

曜「…ルビィちゃんってことは…」

千歌「うん♪千歌が滅多刺しにした犯人なのだー♡」

382以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:17:59 ID:ONnTuJMs
曜「るび、…っ」フラッ

千歌「あっ、危ないっ!!」ギュッ

曜「…!」

千歌「曜ちゃん大丈」

曜「さわらないでっ!!」バッ

千歌「…」ピタッ

千歌「…なにそれ」

千歌「曜ちゃんひどいよ…。……私はただ…支えようとしただけじゃん…」ウルッ

千歌「どうしてそんなこと言うの…?私が曜ちゃんになにかした…?」ウルウル

曜「る、ルビィちゃんたちを殺したからでしょ…!!」

千歌「それもそっか♪」テヘッ

曜「…っ」ゾクッ

曜(…なんなの、これ…。いつもみたいに…笑顔で…)

383以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:25:15 ID:ONnTuJMs
千歌「あ、話を戻すね?」

曜「…(いつもと変わらない笑顔…。私とお話ししてるときのような……かわいい、あの…)」

千歌「顔以外にね、お腹……ううん、正確には子宮かな?子宮も滅多刺しにしたんだよー?ニュースには流れてなかったけどね♪」

曜「しきゅ……どうしてそんな…」

千歌「よーちゃんとえっちしたから」

曜「え…」

千歌「顔は数えてないけど、子宮には100回刺してあげたよ♪だってそのくらいえっちしたんでしょ?」ニコッ

千歌「えっちして気持ちよくなった回数だけ、そのぶん痛みを与えてあげたの。…まあ、その頃はもうとっくに死んじゃってたけどね♡」クスッ

曜「ルビィ、ちゃ……っう!!ぅぉええっ!!」

千歌「ありゃ、吐いちゃった…」スタスタ

千歌「大丈夫〜?よしよし♪」サスサス

曜「…っ!!」パシッ

千歌「…あー」

384以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:32:16 ID:ONnTuJMs
曜「おぇ……ぅっ、…」ゴシゴシ

曜「ダイヤ、さんも…殺したの…?」

千歌「もちろん♪ルビィちゃんについてきちゃったからねぇ…。ついてこなければ死ななかったのに…」

曜「……そんな、簡単に…人を…」

千歌「…そうだね。殺すのはすごい簡単だったよ。ダイヤさんはスタンガンを当てたら死んだし、ルビィちゃんはナイフで刺してたら死んじゃった…」

千歌「人って、思ったよりもろいんだね?」ニコッ

曜「…っ。ぅぅ…」ギュッ

千歌「…次は梨子ちゃんかな?梨子ちゃんはね、2階のベランダとベランダにはしごかけて
、渡ろうとしてるところを突き落としてあげた♪」

曜「突き落として……じゃあ、あの骨折は…」

千歌「ぴんぽーん♪私が突き落としたときのだよ♪」

千歌「ちなみにお母さんのほうも落としてあげたんだけどね?打ちどころが悪くて死んじゃったみたい♪」

曜「……そん、な…」

385以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:40:22 ID:LN1TA97E
曜「どうして……梨子ちゃんのママまで…」

千歌「だって梨子ちゃんを産んだ人じゃん。…私の恋人をたぶらかすように育てたあの人の責任。だから落ちてもらったの」

曜「た、たぶらかされてなんか…」

千歌「じゃあなんで浮気したの?」

曜「だからそれは……みんな、好きだから…」

千歌「…そんなくだらない理由で浮気していいと思ってるんだ?」

曜「…っ。……許してくれたわけじゃ、なかったんだね…」

千歌「んー?曜ちゃんの浮気は許したじゃん。…私、浮気相手は許すって言った覚えはないけど?」

曜「ぅ……」

千歌「これはね。曜ちゃんの責任でもあるんだよ?」

曜「わたし、の…?」

千歌「うん。曜ちゃんが浮気をしなければ、こんな事件は起こらなかった…」

千歌「ルビィちゃんたちはね、曜ちゃんが殺したようなものなんだよ?」

曜「ゎ……」

386以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:51:18 ID:ONnTuJMs
曜「私が……私、が…」フラフラ

曜「…っ」ドテッ

千歌「私はね?曜ちゃんの1番になりたいの」

千歌「だからわざわざ2人のスマホを使って別れさせたんだよー?」

千歌「…本当は、ルビィちゃんには電話で別れさせる予定だったんだけど…言うこと聞かないから先に殺しちゃったの♪これは誤算だった♪」テヘッ

曜「……」

千歌「私は…赦せなかったんだぁ…」

千歌「あいつらが曜ちゃんと楽しそうにお話ししたり、デートしたり手をつないだりちゅーしたりえっちをしたり……」ギリギリ

千歌「そんなことを私以外にしてるって考えると……気が狂いそうな思いだった…」ギュッ

千歌「だから殺した。殺したら全部元通りになると思ってたから…」

千歌「…でも、結局元通りにならなかったね」クスッ

千歌「私のこと、狂ってるって思う?…私は狂ってるんじゃないよ。曜ちゃんのことが誰よりも大好きなだけ♡」

千歌「曜ちゃんのためだったら誰だろうと殺せる…。なんだったら…お母さんやしまねぇたちも殺してみせるよ?」

曜「千歌、ちゃ…」

千歌「…♡」ニコッ

387以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 05:57:50 ID:ONnTuJMs
千歌「…って、話が脱線しすぎちゃったね。病院のやつも説明したほうがいいよね?」

曜「…もう、いい」

千歌「えー?どーして?」

曜「もぉ、やめて…。き、聞きたくない…」

千歌「…わかったよ。話してあげるね♪」

曜「え…」

千歌「私ってSなのかな?曜ちゃんのその泣いてる顔を見るとね……すごいきゅんきゅんしちゃうの♡」

曜「…っ。やめて、やめてやめてやめて…。もう嫌だ聞きたくない聞きたくな…」ガシッ

千歌「ちゃんと聞いてよ、私の話を♡」ニコッ

曜「ぁ、うぅぅ…」ウルウル

千歌「…♡…病院の件は、曜ちゃんも南さんさんから聞いて大体は理解してるんじゃないかな?」

千歌「最初は殺そうと思ったけど、さすがに病院だと逃げれないし、すぐに捕まっちゃうと思って…あの作戦を実行したの♪」

388以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:04:58 ID:ONnTuJMs
曜「……ぐすっ。梨子ちゃんに…罪を被ってもらうように…」

千歌「そう!そうすれば梨子ちゃんは捕まるし、曜ちゃんは私に依存してくれる。そう思ってね♪」

千歌「最初は上手くいったと思ったよ?ちょっど曜ちゃんは現場を目撃してくれたし、刺し傷もいい具合に致命傷になってなかったし♪」

千歌「…でも、思わぬ落とし穴があったの…。南ことり…」

千歌「あいつさえいなければ、私は曜ちゃんとずっと一緒にいられたのに……ラブラブだったのに…!!」

千歌「それをあいつが邪魔して…曜ちゃんによからぬことを吹きこんで…。そして全部バレちゃった…」

曜「…っ」ギュッ

千歌「最悪だよっ!!あいつのせいで全部台無し!!あいつが全部ぶち壊した!!私と曜ちゃんの「幸せ」を――」パチンッ!!

千歌「…」

千歌「…え?」ヒリヒリ…

曜「はぁ、はぁ…!!」

曜「いい加減目を覚ましてよっ!!」

千歌「よー、ちゃん…?」

389以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:12:15 ID:ONnTuJMs
曜「最低だよ!!千歌ちゃんは……最、……ぐすっ…」

曜「どーしてこんなこと……しちゃったの…」

曜「悪気はなかったじゃすまされないんだよ…?」

曜「いくら謝っても許してくれないんだよ…!?」ウルウル

曜「どうして、どうしてぇぇ……」ポロポロ

千歌「よーちゃん…」

曜「やだよ、千歌ちゃんと離れたくないよぉぉ…」ギュゥゥ

千歌「なんなの……さっきは…私のこと怖いとかさわらないでって言ってたくせに……うぅ、ぐす…」

曜「怖いよ…ルビィちゃんたちを殺したその手にさわってほしくないよ……。でも、私は千歌ちゃんが大好きなの…。それ以上に大好きなのぉ…!!」

千歌「そっかぁ…。うれしいなぁ…」ポロポロ

曜「ちかちゃぁぁ…」ギュゥゥ

千歌「…っ」ギュゥ…

390以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:17:25 ID:ONnTuJMs
曜「うぅ、ぅ……ぐすっ…」

曜「嫌だ……千歌ちゃんがいなくなるなんて嫌だよ…」

曜「どこにも行かないで…。ずっと私のそばにいて…」

千歌「…ふふ、それってプロポーズ?」

曜「…うん」

千歌「へっ?」

曜「…私と結婚してほしい。そして、死ぬまでずって一緒にいて…?」

千歌「え?え?それって本気?」

曜「…こんな状況で嘘なんかついてどうするの?」

千歌「だよねぇ…。そっか、結婚かぁ…♪」

千歌「式はどこがいいかなぁ。外国?…って、言ってる場合じゃないよね」

千歌「……」

千歌「私、自首しようと思ってるの…」

391以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:23:19 ID:ONnTuJMs
曜「…」ポカーン

曜「自首…?」

千歌「…」コクッ

曜「じ、自首って…どうして…」

曜「わ、私と2人で逃げようよ!!外国でもどこでも…」

千歌「ダメだよ…。曜ちゃんを巻き添えにできないし、逃げたとしてもきっとすぐに捕まる…」

千歌「曜ちゃんにもバレちゃったんだもん。きっと…南さんもすぐに気づく…。捕まるのがちょっと早かっただけなんだよ…」

千歌「それに、私は3人も殺しちゃったんだよ…?罪を償わないと…」

曜「千歌ちゃん…」

千歌「私、警察署に行ってくるね…」スッ

曜「……嫌だよ。嫌だ、自首しないで…!私を1人にしないでよぉ…!!」ガシッ

千歌「…曜ちゃんにはみんながいるじゃん」

392以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:27:19 ID:ONnTuJMs
曜「みんななんかいらない…!千歌ちゃんじゃないと嫌だぁ…!!」

千歌「…わがまま言わないの。大丈夫、いつか会えるから」

曜「いつかっていつ!?」

千歌「さあ…。10年後とか?」

曜「そんなの耐えれるわけないじゃん!!」

千歌「…もうどうしようもないんだよ。私が人を殺しちゃった時点で…」

曜「そんなぁ…」

千歌「……」

千歌「…やっぱ警察署に行くのはやーめたっ」

曜「え…?じゃあ…!」パァァ

千歌「南さんに逮捕してもらうことにしたよ…」

曜「南さんに…?」

千歌「うん…」

393以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:32:51 ID:ONnTuJMs
曜「ど、どうして…」

千歌「あの人は梨子ちゃんのために頑張ったからね。その報酬だよ。…本当に、頑張ってくれたからね」

曜「…」

千歌「スマホ、貸してくれる?…あの人の電話番号はいってるんでしょ?」

曜「…よくわかったね」ゴソッ

千歌「まあね。昨日会ったって言ってたし、今度連絡を取る可能性もあるから連絡先を交換したと思って」

曜「そっか。…はい」スッ

千歌「ありがとね。えーっと…」スッスッ

千歌「おっ。この「南さん」だよね?」

曜「…うん」

千歌「電話をかけて〜♪」プルルルル…

曜「ねぇ、本当に自首…」

千歌「するよ。だってつらいもん…」

曜「…」

394以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:38:04 ID:ONnTuJMs
千歌「…」プルルルル…ピッ…

『渡辺さん?こんな朝からどうしました?』

『あっ、もしかしてあの件を――』

千歌「私だよー♪ことりちゃん♪」

『なっ…!?あなたがなんでこの電話に……』

『ま、まさか…あなた渡辺さんを…!!』

千歌「違うよ。歳を取ると被害妄想も激しくなるのかなぁ?」

『歳…?ま、まだ22だよっ!!』

千歌「あっそ。まあどうでもいいけど」

『…ごほん。それで、ご用件はなんですか?あなたを逮捕するためにこっちは忙しいんですよ…』

千歌「私、自首しまーす♪」

曜「…」ピクッ

『…えっ?』

395以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:44:06 ID:ONnTuJMs
『自首?嘘でしょ…?あなたが…』

千歌「嘘じゃないよぉ。いますぐ病院に来て、私の手に手錠をかけてほしいの」

『…すごい気の変わりようだね。昨日はあんなに啖呵切ってたのに』

千歌「曜ちゃんに全部バレちゃってさ。もういいかなって」

『渡辺さんに…?』

千歌「うん。全部バレちゃった♪」

『…ふーん。わかりました。あなたの気が変わらないうちに、いますぐそちらへ向かいます』

千歌「はーい♪あっ、あとさ?私、黒澤姉妹を殺した犯人だから♪その件もおねがいね?」

『は、はぁ!?いまなんて――』バッ

千歌「あれ?どーしたの、曜ちゃん?まだ電話してるとちゅ…」

曜「…っ!!」ブンッ!!

千歌「…あちゃー、スマホを屋上から投げちゃったよ」

396以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:50:24 ID:ONnTuJMs
千歌「曜ちゃんなにしてるの…?スマホを投げるなんて…。しかも屋上から…」スタスタ

千歌「あーあ、ここからじゃ見えないけど…もうダメだろうね。ぐしゃぐしゃだよ」

千歌「ねぇ、曜ちゃ――」ギュッ

曜「…っ」ギュゥゥ

千歌「…曜ちゃん?」

曜「自首しないで…」

千歌「…もう遅いよ。あと10分もしないうちに来るって」

曜「外国に逃げよう…」

千歌「それもダメだよ…」フルフル

曜「どうしても…?」

千歌「どうしても。私は罪を償うの…」

曜「…」

曜「…じゃあ私と死んで?」

千歌「…♡♡」ニヤァ

397以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 06:55:27 ID:ONnTuJMs
千歌「え…?」

曜「私と一緒に死のう?」

千歌「し、死ぬって…そんなのダメだよ!!」

千歌「私だけならともかく、曜ちゃんもなんて…」

曜「自首を止める気も逃げる気もないんでしょ…?」

曜「千歌ちゃんが捕まったら……ずっと会えないじゃん…」

曜「そ、そんなの…私には耐えられない…」

曜「だから……千歌ちゃんおねがい、私と死んで…?」

千歌「…♡」

千歌「曜ちゃんにそこまで言われたら断れないよ…」

曜「それじゃあ…」

千歌「私と一緒に死のっか…♡」キュンキュン♡

曜「うん…♡」

398以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 07:01:53 ID:ONnTuJMs
千歌「――よいしょ。…ふぅ」ストン

曜「1人でかってに落ちないでよ…?」

千歌「わかってるって♪…それにしても、このフェンス高すぎでしょ。登るの苦労したぁ〜…」

曜「あはは。千歌ちゃん運動音痴だから♪」

千歌「むー…。私は平均だよ!よーちゃんの運動神経が良すぎるの!」

曜「それもあるかもね♪…じゃあ飛ぶ?」

千歌「ううん。その前に結婚式しない?」

曜「結婚式…?どうやって…」

千歌「指輪もウェディングドレスもないけどさ、誓いの言葉とキスならできるでしょ?」

曜「あぁ。汝は健やかなるときも〜…ってやつ?」

千歌「そうそう!」

曜「いいねそれ。やろうやろう♪」

千歌「やった♪」

399以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 07:05:39 ID:ONnTuJMs
曜「――準備はいい?」

千歌「んー…」

ガチャ!!

千歌・曜「…?」チラッ

「あなたたち…!!な、なにしてるの!?」

千歌「やっと来たの〜?南さん♪」

「なんでそんなところに……こっちに戻ってきて…!!」

曜「どうする?」

千歌「戻るわけないじゃん♪」

曜「だよねー♪」

千歌「…ちょうどいいや。南さんに証人になってもらおうよ♪」

曜「ああ、それいいかもね。千歌ちゃんナイスだよ!」

千歌「えへへ♪」

400以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 07:11:31 ID:ONnTuJMs
「証人って……なんの…」

千歌「私たちね?これから結婚するの♪」

曜「だから、南さんにはその証人になってもらおうと思って。いいですよね?」ニコッ

「結婚…?な、なにを……早くこっちに戻って来なさい!!」ガシャン

千歌「さ、始めよっか」

曜「うん♪ せーのっ」

千歌・曜「私たち2人は、あなたの前で結婚の誓いをいたします!!これから先、いかなることがあっても心をひとつにし、互いを助け合い、死してなお愛することを誓います!!」

「ちょっと、ねぇ…」

千歌「じゃあ最後にちゅーだね♪」スッ

曜「うん♪」チュッ

千歌「ん、ちゅ…ぷはっ♡」

曜「ん…♡」

401以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 07:17:29 ID:ONnTuJMs
曜「これで私たちは夫婦なのかな…?」

千歌「たぶんそうだと思うよ?」

曜「夫婦かぁ。えへへ、なんか夢みたいだなぁ…」

千歌「私も夢みたいだよ。よーちゃんと結婚できるなんて…♡」

曜「じゃあそろそろ…」

千歌「待って。最後にひとついい?」

曜「なぁに?」

千歌「曜ちゃんが1番好きなのは――誰?」

曜「…誰って、そんなの決まってるでしょ。千歌ちゃんだよ?」

千歌「…そーだよねぇ♡梨子ちゃんとかルビィちゃんの名前が出てきたらどうしようかと思ったよ♪」

曜「なんでその2人の名前が出てくるの?」

「え…」

千歌「…だよねー♪なんで出てきたんだろ?」

402以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 07:23:09 ID:ONnTuJMs
千歌「よしっ。これでもうなんの心配もない。いこう?」ギュッ

曜「うんっ」ギュッ

千歌「じゃあ、せーので飛ぼうね」

「待って!!ねぇ!!渡辺さん、いいの…!?梨子ちゃんが泣くよ…!?」

曜「…梨子ちゃんのことなんかどうでもいい。私には、千歌ちゃんがいてくれたらそれだけで…」

曜「南さん。私は…千歌ちゃんじゃないとダメなんです」

「は…?」

千歌「…」チラッ

「…」

千歌「…証人になってくれてありがとね?おかげで曜ちゃんと結婚することができました♡」

千歌「本当に……本当にありがとう♡」ニヤッ

「…!! あ、あなたまさか…最初から…」

千歌「せーのっ!!」ギュッ

ぴょんっ

「まっ…!!」ガシャン!!

403以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 07:27:20 ID:ONnTuJMs
ヒュー…

千歌「…よーちゃん。私いま幸せだよ」ギュッ

曜「私も…」ギュッ

千歌「ずっと一緒だからね?」

曜「うん。死んでからもずっと一緒♪」

千歌「そして――」

曜「――生まれ変わったとしても一緒だよ♪」

ヒュー…

千歌(最初は恨んだけど…あの人には感謝しないとね…)

千歌(あの人のおかげで、こんな素晴らしい結末を迎えることができたんだから♪)

千歌(私の「幸せ」は――)

グチャァ…

――曜ちゃんとずっといっしょにいること♡

〜Happy End〜

404以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 07:30:18 ID:.lU2EZVw
マジで?

405以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 12:29:48 ID:w51emr/c
最強で草

406以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/26(土) 20:47:08 ID:KZxQmO5A
屋上飛び降りでハッピーシュガーライフ思い出した

407以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/29(火) 04:03:55 ID:I6LFRl22
おつかれ よかった


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