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女騎士「くっ 転ぶ!」店主「転ばぬ先の杖はいかがでしょう」
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/24(水) 21:15:30 ID:3bWff6Ak
女騎士「大部屋の巻物?」
大店長「ええ。このフロアは道が入り組んでいたでしょう?」
女騎士「ああ、そのおかげでこちらへ迷い込んでしまったのだ。私にとっては幸運だったが」
大店長「大部屋の巻物は、その複雑な道の壁をすべて破壊してこの階層全体を大きなひとつの空間……つまり大部屋にしてしまう魔法の巻物なのです」
女騎士「なるほど、それで大部屋の巻物か。また凄い魔術が篭った古文書だな。しかし主人はそれで何が困るのだ?」
大店長「我々店長各員、そして泥棒を捕まえる盗賊番と番犬は、階段を降りたり上ったりしてはいけないというルールがあります」
女騎士「つまり階層を移動できないということか?」
大店長「はい。そのためにフロアを大部屋にして商品をすべて手に取り、我々を階段から何かしらの手段でどかし、そのまま階段を上って去っていく……そんな不届きものが多いのですよ」
女騎士「ひどい輩がいたものだな。逮捕状はでないのか?」
大店長「現行犯で捕まえる。それがここの掟ですからね……階層を移動されたが最後、次に何食わぬ顔で来ても、我々にはどうすることもできないのです」
女騎士「ううむ……苦労しているのだな」
大店長「分かっていただけますか!?うう、こんなに優しいお客様は久しぶりです」
女騎士「しかしそういう事情があるのならば、ひとつ私をこの店の番人として置いてはいただけないだろうか?」
大店長「私の店にですか?」
女騎士「ああ。先ほどはオークの追っ手たちから助けてもらったし、何かお礼をしたいのだ」
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