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善子「猫の恩返し」

8 ◆XksB4AwhxU:2019/04/24(水) 12:47:52 ID:VmS9V0jI
♢♢♢

「で?午前の授業中ほとんど寝ていたと?」

思っていた以上に寝ていたようで、お昼休みにはルビィの姉である黒澤ダイヤに生徒会室へ呼び出されていた。
同じグループのメンバーが授業中ずっと寝ていた──なんて情けない事実許してくれるわけが無い。

「ごめんなさい」

「.......ルビィに聞きましたわよ」

先程まで張り詰めていたダイヤの声音が少し柔らかくなり「頭を上げなさい」と促す。
上げた視線の先、その瞳には怒りより本気で心配する姉の気持ちが宿っており善子は一瞬目頭が熱くなる。

「善子さん。今朝から体調が優れないようですわね」

「.......ルビィったら本当にお喋りね」

「無理はしないで」

たった一言。
胸の奥から込み上げるものを塞き止める壁を崩すには十分で「無理してない」と強がり方を忘れるほど涙が拭っても溢れ「善子さん!?」と側で心配してくれるダイヤから隠すよう必死に目を抑えても零れ落ちる──。
肩が震え、昨日の出来事が鮮明にフラッシュバックし血溜まりの中肉塊となり救えなかった罪悪感と周りの醜さへの悔しさに唇を噛み締めるけれど、


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