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善子「猫の恩返し」

10 ◆XksB4AwhxU:2019/04/24(水) 12:49:40 ID:VmS9V0jI
「善子さんは優しいですわね。貴女は悪くありませんし、許せない気持ちもわかりますわ」

その声は慈愛に満ち溢れ、善子の背負った苦しみを少しでも理解し共感してくれていた。

「だから私に気を使わなくても良いですわよ?むしろ、勇気を振り絞って話してくださってありがとうございます。ずっと苦しかったでしょう?」

頭にそっと重ねられたその手に目頭がまた熱くなり、堕天使で誤魔化そうとすればたちまち溢れそうだった。

「ですから落ち着くまで今日は側にいますわ」

ルビィがどうして姉が大好きなのか、善子はほんの少しだけ分かってしまう。あぁ反則だと。
本当はダイヤもこの後も授業があるのに──と胸が締め付けられそうになるけれど、

「気遣いはぶっぶーですわよ?」

見透かされたように微笑むその瞳に善子は今の間だけ甘えることにした──「このこと誰かに言ったら許さないから」と精一杯の照れ隠しと共に。

しかし、ルビィのように胸元へ顔を委ね安心出来る温もりと香りの中、ふとダイヤの制服に髪が抜け落ちてるのが視界に入ってしまった。

「ダイヤ、髪ついてる」

指で摘み「だらしないわね」と捨てようとすれば、

「あら?私こんなに短くありませんわよ?」

その黒い髪はダイヤの長さと全く合わなかった。
どうしてか気味悪くなり「ゴミがついたのね」と近くのゴミ箱へ捨て去った。


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