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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」
969
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:43:53 ID:craZkK.E
ルフレ『…ああ、ギムレーとのいざこざから疑われている、ということですか。
なるほど、もっともですね。その疑われ方はとても傷付くけど…。
ええと、ルフレ本人だという証拠を見せればいいですか?』
トゥーンゼルダ「証拠…?」
アイク『俺だ、アイクだぞ。確かにルフレと一緒にいるな。
ドジ踏んで、マルスと別れることになってしまった。情けないぜ。
――おい、俺からの通信、無事に届いてるか?』
トゥーンゼルダ「…!?」
トゥーンリンク「……ありゃ!?」
アイク『お、よかったよかった。そんなわけだ。
俺もいるからには信じてもらえるだろ、流石に。なにぶん敵が多くて多くて、なっ!』ズバッ!
トゥーンリンク「ご、ごめん!僕ったらとんでもない失礼なことを!」
アイク『いいってこった。それより急ぎ頼むぜ、
ルフレの奴が手傷をズカズカ貰い始めてな』
ルフレ『あはは…………』
970
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:45:49 ID:craZkK.E
トゥーンゼルダ「…………疑心暗鬼になって、悲しくなるな」フゥ
トゥーンゼルダ「…さて、それでは――――」
マルス『――こちら、マルス。辛いお知らせだ。
ルフレとルキナが、耐久限界で――――石化、した。戦闘不能だ。
リンク達と合流したはいいものの、パルテナまで―――』
――――時が、止まった。
971
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:47:27 ID:craZkK.E
トゥーンゼルダの、唇が、強張る。
トゥーンゼルダ「なんだ、と!?……………」
マルス『信じたくないのは嫌というほどわかるけれど――』
トゥーンゼルダ「い、や。…その前に、聞きたい、ことが、あるんだ」
マルス『…え?聞きたい、ことだって?一体なんだい――』
トゥーンゼルダ「――――お前たちは、『本物のマルスたち』か?」
972
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/10(木) 23:34:36 ID:bd04jhks
思う存分、時間を引き伸ばされた感覚。汗が、滴り落ちる。
声をかけることも出来ず、トゥーンリンクが青ざめた様子で…私を見ている。
ヒルダ姫も、似たような表情。見ていられない。
…それでもきっと、私ほどの青ざめ方じゃ、ないでしょう。
――――少なくとも、どちらかが、ニセモノ。
――――下手をすると、こちらの攪乱のため両方ニセモノ、なんていう…
――――悪趣味極まりない結末が待ち構えている、かも、しれない。
何の因果か、私が指示を出さなければならない。
トゥーンゼルダ「……すまない、マルス。
たった今、その『ルフレ』からの救援要請が入っていたものでな」
マルス『…なっ!?』
トゥーンゼルダ「おまけに、本人である証拠として、アイクの通信まで寄越してきた。
…はは、笑えて来る」
マルス『…………!!』
状況を察したのか、マルスが絶句するのが通信機越しにもわかった。
なんだろう、この理不尽な境地。
973
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:39:08 ID:bd04jhks
…どうなろうと、どのみち敵が仕掛けてきたことだけは確かなのだから、
あっさりネタ晴らししても敵に新情報を与えるわけじゃない。
そういう影響がないことだけが…なけなしの救い。
だが、私は既に、正常な思考を放棄しようとしている。
マルス『…わかった。僕たちこそ本人であると声高に叫びたい所ではあるけれど、
冷静に証拠を示した方が賢明そうだ。
こういった場合、本人しか知り得ない質問をしてもらうのが鉄板だろうか。
さあ、手短に問いを投げ掛けてほしい――』
トゥーンゼルダ「…は、は」
マルス『……トゥーンゼルダ?』
トゥーンゼルダ「お前が本当に『マルス』で、戸惑っているのか。
それとも『偽マルス』で、内心ほくそ笑んでいるのか。
…もう、わからない。分からないんだ。
重圧で、頭の中、ぐっちゃぐちゃで……わかんないよ」
マルス『…………』
トゥーンゼルダの 全ステータスが 下がっていく!▼
974
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:44:43 ID:bd04jhks
トゥーンゼルダ「ルフレとルキナの戦闘力を考えれば、
お前の言う通り、石化しているのも十分あり得る。
でも、アイクの通信を聴かせてみせた『あちら』を、疑う理由が、見つからない。
…疑ってみろ、もう…なんでもありだぞ?
声色や口調をまんまと盗み出せるなら――
本人しか知り得ない知識を盗み出せないと――どうして、言い切れる?
お前が本人証明しようとしてみせたところで、私は全く判断に活かせない。
むしろ…さらに思考のドツボに嵌るんだ」
アイク『まどろっこしいな!そんな変なこと考えるなよ、トゥーンゼルダ!
どう考えても、ホラを吹いてる不届き千万なギムレーの野郎は…そのマルスだ!』
切れていないままの通信で聴き耳立てていたか、反対側からの主張が届いてきた。
その声は正義からくる憤慨か、それとも悪意からくる焚き付けか…。
マルス『……そうか!もしやこれは…ロゼッタとの、合わせ技――っ!
ロゼッタの分身体の何人かをあらかじめファイターたちに化かしておいて、
あとは大会期間中に観察を重ねて、癖や口調を学習させておけば――
それこそ、大会の映像なんて幾らでも放送媒体がはびこっているし――!
うん、なんだか信憑性があるような気がしてきたよ!
ひとつ言えることは…ギムレーは本当に悪趣味なんだね――――
時代は違えど、同郷の者として恥ずかしいよ…』
アイク『お、負け犬の遠吠えか?偽者め。マルスを騙るんじゃない』
975
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:47:35 ID:bd04jhks
トゥーンゼルダ(ピクッ)
――――的を得ている、痛快な解釈の、気がする。
――――だが、待て。
アイク『…それにしても、まんまと自供したな。
あいにく、そんな事は考えもしなかったぞ、俺は。
なんせ、俺はただのアイクだからな。
日頃からそんなセコイことを考えている奴じゃなきゃ、発せられない台詞だ』
マルス『言うに及んで――――なんなら、こちらだって本物のアイクを――』
アイク『それこそ、お前たちがニセモノだからいくらでも用意できるんだろ?』
トゥーンゼルダ(……………………)ウプッ
――――たす、けて。
――――その場に、座り込んで、何も考えられなくなってしまう。
――――慌てふためいて、トゥーンリンクとヒルダ姫が駆けよってくる。
アイク『まあ、俺は司令部を信じるからな。
両方に戦力を割くなんて到底無理な話だろ?
どっちを助けてくれるのか、司令部に任せるさ』
ルフレ『よろしく、お願いします』
マルス『……………………トゥーン、ゼルダ。僕は――――』
976
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:49:52 ID:bd04jhks
死んだ目になり、トゥーンリンクとヒルダ姫を振り払って虚ろに立ち上がり。
目を閉じて、考えること、10秒。
――――これ以上は、時間を、浪費できない。
マルスの声の方が、敵だ。
…そう決めつけて、楽になりたいだけなのかも、しれない。
トゥーンゼルダ「――――――――――――――――
今すぐ、アイクとルフレの救援を実行する!
マルスの方は、味方陣営を撤退させるぞ、無駄な争いは避けろ!」
不可逆になるかもしれない、最悪を招くかもしれない、その一歩を踏み出し――――
977
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:53:48 ID:bd04jhks
ルフレ『あ、ありがとうござい――――』
アイク『そう来なくっちゃあ――――』
マルス『……悔しいよ。それが、君の、判断――――なんだね――――』
トゥーンゼルダ(私は、これで――――――――)
《第47区、偽アイクと偽ルフレの奸計により、キノコ王国軍命令系統の攪乱を開始!》
トゥーンゼルダ「え」
《第32区、石化したルフレ、ルキナ、パルテナを救護しつつ、リンク、ピット激戦中!》
《激戦により複数の城壁が崩壊! リンク、魔力開放により驀進(ばくしん)中!2000体撃破!》
《リンク、緩やかに体力減少! ピット、大苦戦!》
トゥーンゼルダ「!?」ガバッ!
978
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:00:29 ID:5vzh9i8A
トゥーンリンク「ど、どうしたの!?」ギョッ
トゥーンゼルダ「い、いまの情報は真ですか、キノピオ!?」
キノピオ「え?な、なんのことですか?」
キノピオ「お、おっかないですよ、トゥーンゼルダさん!さっきから…!
時たま…誰も進言していないのに、まるで天の声でも聴いたかのように
情報を得たり一人勝手に納得したり、ってことがありますよね?一体何が?」
トゥーンゼルダ「一体何が…って、そんなことがあったのですか!?…あ、いや、あった…のか!?」
アイク『おい、何を急に意味不明な会話をしているんだ。
早く援軍を!頼むから!本当にやばいんだ。仲間だろう、一致団結して――――』
トゥーンゼルダ「…………」
《――――いい加減に――――――――》
トゥーンゼルダ「……………………っ!?」ビリッ
《いい加減にしなさいよ、このド外道勢力があああぁぁぁ――――――――っ!!》
トゥーンゼルダ「脳に響くぅー!?」キイイイイイイイィィィィ――――ン
979
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:06:49 ID:5vzh9i8A
〜『キノコ王国の』森の奥深く〜
ラナ「いい加減にしなさいよ、このド外道勢力があああぁぁぁ――――――――っ!!」パアアァァァ!!
ラナ「ゼェ、ゼェ、ゼェ――――無駄に、魔力、使っちゃったぁ…………!
し、死ぬぅ……魔女裁判に掛けられたわけでもないのに……!
こんな可愛い女の子が死ぬよ…リンクに告白も出来ずに…」フラッ
ラナ「でも、いい加減、アッタマ、来たぁ…………!ブチ切れたぁ…っ!!
そこまでチート攪乱使うって言うんなら、私だって――――
『世界の監視者』として、命削ってリンクの…
…じゃなかった、キノコ王国のチートアシスト、してあげるんだから、ね……!
シアッ!魔力回復薬、お代わりっ!」
シア「…………は、はひ、どう、ぞ……」ヨロッ・・・
ラナ「ごくごく…プハァ!…よっし、あと15分働けます!キラッ☆
ほら、あなたも魔力回復薬とっとと飲み干して!ここが正念場でしょうが!
もっとキビキビ動いてよ、ねえ!?
人が動くと書いて働くと読むんだよ!シアさん!」パアアアアアア!!
シア「…イ、イヤ、アノ、ソノ…シアチャン、貴方ニサンザン魔力送リツヅケテ、
ヒカラビソウ、ナンデスケレドモ…………」パアアアアア!!
980
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:09:54 ID:5vzh9i8A
ラナ「ああ!?事件の大元を辿れば、どっかの誰かが
いろいろ仕出かしたことが今回の騒動の始まりでしょうが!
責任とろうって気はないの!?有るよね!?有れ!」クワッ!
シア「…ソノトオリデゴザイマス。ナンデモアリマセン」ブルブル
ラナ「…………まったくもう!だいいち、魔法を行使しているこっちよりは…
ずっとずっと、マシ、でしょう、が!」パアアアアアア!!
シア「だって、私は魔導書の適性あんまりないし…」
ラナ「そうだよね、だから私が孤軍奮闘するしかないんだよね。
あーあ、鼻血は出るし、嘔吐はするし、いいことないなあ…さいってー」ゴホッ・・・
シア「…………」
ラナ「――――――――――――――――
『Gospel Of Grimoire《魔導福音》――――――――』
――――――――――――――――――――――――――――」ビリッ!!
舞い散る、大量の紙、紙、紙。
光となって消えてはいくが、『ナニカ』が刻まれ、それが彼女の脳に焼き付く。
よろけふらつき、血を吐きそうになる頻度も、無視できないほどになってきた。
981
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:13:40 ID:5vzh9i8A
――――魔導福音。
魔力が存分に編み込まれた白紙の魔導書のページを、惜しげもなくまき散らし――――
その瞬間瞬間に、監視先にて発生した事項・事件を。達成したことを。
天啓、すなわち神の意思で書き記させる『監視者』としての権能。
それを、ひたすらに、ただひたすらに使い倒しては、
藁をもすがる思いで――信じてくれたらと、匿名のテレパシーで投げていく。
シア「…馬鹿な子。
そんなにリンクを助けたいのなら、直接助ければよかったのに」パアアアアア!!
ラナ「誰のせいだあああああぁぁぁぁぁ――――っ!」ウガアアアァァ!!
シア「…え、私のせいか!?」
ラナ「あー、はいはい、シアはいいよねえ!よかったよねえ!
敵としてとはいえリンクと対峙することは果たせて!
むしろ、シアこそ…リンクの目の前でいい所見せるだけで仲良くなれたりしてねえ!
悪人がちょっといいことをすると凄く褒められるっていうテンプレで!」
シア「」
982
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:18:35 ID:5vzh9i8A
ラナ「私はねぇ!シアがハイラル城を急襲したとき――――
シアの急進策に呆れ、咎めたくなりながらも、気を取り直して
『仕方がない、じゃあリンクの味方としてお近づきになろーっと!』って考えて、
フィローネの森で最低限の食い止め戦をこなしつつ――
シア対策をリンクにどう伝授しようかとか、
リンクとのコンビネーションとか、
あとは印象をよくするようなチャーミングな仕草とか、
服のコーデとか…いろいろと考えてたんだよ!」
シア「何それあざとい!」
ラナ「そうしたら、どうなったと思う?
ちょっと、ワンポイントのお化粧直しをしている…たった10分の間に、
リンクが一瞬で付近一帯の敵を殲滅して、通り過ぎて行ったんだよ!?
扉を往復したら、疲労困憊気味だったはずの味方が万歳三唱する光景が、
目に飛び込んできた私の気持ち、わかる!?わからいでか!
おかげで、リンクを追いかけることすらできず…気付いたら全部終わってたんだよ、戦争っ!
私、リンクと赤の他人のままなんですけどっ!
今リンクに会っても、『好きの反対は無関心』を体現するだけだよ!?
いや、下手をすると…シアっていう恥さらしの半身として認識が固定されかねない!
そんなの反対!断固反対なんだからっ!
ハイラル王国と一戦交えるんなら、せめてもうちょっと粘ってよ!
ハイラル城を数日は防衛戦に徹させるくらいは頑張ってよ!役立たず!」
シア「恥さらしって言うなあ!善の心、何処に行った!?」
983
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:23:15 ID:5vzh9i8A
ラナ「そんなわけでっ!影の活躍をして、下地を作ってからじゃないと、
私、リンクに会いたくないの!そのくらいの乙女心わかってよ!
まあ、この事件が起きなかったら、本当に1観客人で終わってただろうけど!
リンクの戦いを見て歓声を上げるだけのっ!ああでも本当にカッコよかったなあ…!
それとも、際どい衣装を恥ずかしげもなく着て…盗撮までして…
CEROを無駄に上げてる人には、そんな可憐さを読み取るのは難しい?」
シア「べべべ別にCERO上げてないし!
CERO:Bくらい割とゼルダの伝説シリーズ中にあるし!」
ラナ「各国年齢制限あり+『セクシャル』分類はゼルダ無双が初めてなんだけどぉ?」ユラァ
シア「ごめんなさい」
984
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:26:20 ID:5vzh9i8A
ラナ「と、に、か、くっ!
『陰で俺たちを助けてくれた恩人は君だったのかあ!』ってリンクに褒めてもらって!
ととととりあえず文通くらいから始められたらなあと思うラナちゃんでした!」
シア「乙女かっ!……………………あ」
ラナ「拍子抜けする暇なんてないよ?まだまだこれから!
さあさあ、次の『魔導福音』のタイミングまでもう少し――――」
シア「らな ごめん。
疲労と、注意力散漫で、魔法陣への魔力展開ミスって、今までの会話…
てれぱしーさきに つつぬけに なってたわ」
ラナ「………………………………………………」
シア「てへ、ぺろ…?」
ラナ「嫌ああああぁぁぁ!? ちょっとおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ――――!?」
985
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:33:10 ID:5vzh9i8A
〜司令部〜
《嫌ああああぁぁぁ!? ちょっとおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ――――!?》プツッ
トゥーンゼルダ「…………」
トゥーンゼルダ「…………あ、うん。通信機の交信、フルオープンにして…
アイク、救援を呼ぶとして…今…具体的に第何区にいる?」
アイク『ああ、どれどれ…お、第47区だな、よろしく頼んだ――――』
トゥーンゼルダ「皆に次ぐ!耳の穴かっぽじって聴いてくれ!
第47区にアイクとルフレの姿を騙った敵あり!可能ならばとっ捕まえろ!!
『大きい方の』リンクが女誑しだったおかげで道が開けた!」
トゥーンゼルダ「なんで!?」ガーン!
アイク『』
ルフレ『』
マルス『え、ええ?う、嬉しいけれど…どういう風の吹き回しかな!?』
リンク『聞き捨てならない俺の悪評が聴こえてきたんですけどぉ!?』
986
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:35:11 ID:5vzh9i8A
>>985
訂正
《嫌ああああぁぁぁ!? ちょっとおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ――――!?》プツッ
トゥーンゼルダ「…………」
トゥーンゼルダ「…………あ、うん。通信機の交信、フルオープンにして…
アイク、救援を呼ぶとして…今…具体的に第何区にいる?」
アイク『ああ、どれどれ…お、第47区だな、よろしく頼んだ――――』
トゥーンゼルダ「皆に次ぐ!耳の穴かっぽじって聴いてくれ!
第47区にアイクとルフレの姿を騙った敵あり!可能ならばとっ捕まえろ!!
『大きい方の』リンクが女誑しだったおかげで道が開けた!」
トゥーンリンク「なんで!?」ガーン!
アイク『』
ルフレ『』
マルス『え、ええ?う、嬉しいけれど…どういう風の吹き回しかな!?』
リンク『聞き捨てならない俺の悪評が聴こえてきたんですけどぉ!?』
987
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:15:42 ID:9jbC8ECY
〜第28区 王国指定避難所〜
ロゼッタ「――――――――――――――――」
見るんじゃ、なかった。
通りがかった避難場所に、胸騒ぎがして寄り道してみれば―――
自らも苦痛に顔を歪ませつつも、えっさほいさと運ぶキノピオたちと…
次から次へと担ぎ込まれてくる、石像の、山、山、山。
取り返しのつかないことを、してしまった愚かさよ。
目の前が真っ暗になって、泣き崩れて、しまう。
ロゼッタ「――――――――っ!」ポロポロ
周りから、「なんてことをしてくれた」という非難の目が飛んで…こない。
キノピオ「ロゼッタさん!救援に来てくれたのですね!助かります!私たちだけじゃ、どうにもこうにも人手不足で…!」
キノピオ「よーし、これでこの避難場所は安泰だあ!」オー!
無理やりにでも、明るく振る舞うキノピオたち。
大なり小なり怪我を負いながらもなんとか石化には至らず、手当を受けている人たち。
――――まだ、私のことを罵倒し詰ってくれたほうが、救われたかもしれないのに。
――――身の置き処がどこにもなくて、ただただ情けなくて――――!
988
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:20:50 ID:9jbC8ECY
煤けた汚れや血の滲みがある人たちが、私を目に留めたのか駆け寄ってきてくれますが…!
子供「どうしたのお姉さん、どこか痛いの?…痛いの痛いの、飛んでけー!」
観光客「何を泣いてるんだ、元気出せよー!いろいろと戦闘について任せっきりで申し訳ないけどさ!」
ロゼッタ「ち、違うんです、そうじゃなく、て!
そんなに、気遣ってもらう資格なんて、サラサラ、なく、て……!
私は――――私の、せい、で――っ!わた、しが、ぜんっぶ…!」ポロポロ
「大丈夫です、みんな助かりますよ。助けて、みせます」
突然、落ち着いて投げ掛けられる、あどけない声。
ロゼッタ「――――――――!?」クルッ
泣き腫らしながら振り返ってみれば、そこにいたのは…銀髪の、1人の少年。
少年「『他力本願で、無茶ぶりで、申し訳ありませんが。
とにかく、苦しんでいる人たちを、事前に分かっている避難ポイントに!
一刻も早く、固めてほしいんです!集めてあげてほしいんです!』……
これが、僕たちがあちこちで説いて回ってる、お願いです。
あとは、僕たちで、なんとかします!」
989
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:25:05 ID:9jbC8ECY
ロゼッタ「――――あなたは?」
少年は、目を見開いた私の問いに答えることなく、話を進めます。
少年「僕たちの、蓄積してきた…実験分析データによれば。
完全に石化してから、後戻りできないほど魂が不可逆的に潰されて、
精神的な『死』を迎えるまでの猶予時間が、約4時間。
完全に石化してから、治癒治療次第で十分に元の健康状態までの復活が…
叶うまでの猶予時間が、約2時間。
――余裕ぶってはいられないけれど、間に合わないわけじゃ、ない。
僕たちのミッションは、99.99%の人々の石化を2時間以内に解き続けることと――
どうしても漏れてしまった人についても、最低4時間以内に石化を解くこと!
僕たちの任務であり、責任であり――――ピーチ姫の、御渇望ですから。
潤沢な予算、訓練所を使わせて頂いただけのことはありますからね!」
ロゼッタ「な――――」
――――そのとき。けたたましい着地音とともに、見慣れた麗らかなお姫様が――
デイジー「あらよーっと!!」ドッズゥゥゥン!!
ロゼッタ「……っ!デイジー姫!」
990
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:27:56 ID:9jbC8ECY
デイジー「さっき振りだねロゼッタ!ってなんで泣いてんの!?酷い顔になってる!
…あ、やっぱいいや。私が馬鹿だった。答えなくて、いいよ」
――見れば、両脇に……少年少女、1人ずつ、抱えています。
――救出した子供たちでしょう、か?
デイジー姫は、2人をパッと離したあと…優しい表情で、私を抱きしめて…
背中をよしよしと撫でてくれました。
…不謹慎にも、ほっとしてしまいます。
少年「…うん、一番石化時間が長い人で、推測1時間30分。ぎりぎりセーフだね。
もうちょっと早く来てほしかったけれど、間に合ってくれてありがとう」
少年「…おい、こちとらデイジーさんを見つけるのに苦労したんだぞ!
一時はもう駄目かと思ったぜ。とにかく、結果良ければすべてよし、だ!」
少女「言い合ってる暇じゃないわ、早く精神準備をして!」
ロゼッタ「――――私、取り返しのつかない、ことをしてしまいました」
ルカリオ「まだ言うか、ロゼッタ……はあ。
それで、デイジー。深刻さがあまり感じられないその表情、もしや――」
991
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:33:33 ID:9jbC8ECY
デイジー「…うん!ちょっとね!ピーチの用意周到さに恐れおののいてるところ!
よっしゃ!ロゼッタを戦線復帰させるためにも、とっととやっちゃうぞ!
準備はいーい、2人ともっ!もしホラ吹いてたんなら、どつくよ!」ダッ!
少年「あたぼうよ!」グッ!
少女「いつでも行けるわ!」グッ!
そう聴くや否や。デイジー姫が、思い切った行動に出ます。
片手ずつ、2人の背中に押しやって――――
――この構え、既視感が…!!
デイジー「――――久しぶりのぉ!
『花々の祝福《フラワーギフト》』、発動っ!」ゴオオォォォ!
ロゼッタ(――――やはり!)
眩く光る、デイジー姫の手――――!
少年「……せ、背中焼けるっ!…あり?そうでも、ない?」ゴゴゴ・・・
少女「…あったかくて、気持ちいいわ――凄い力…!本当だったんだ…!」ゴゴゴ・・・
992
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:38:48 ID:9jbC8ECY
2人は、背中から感じる、強烈な光、熱を。そして、大量のFPを――――!
最高の恍惚感と共に、受け止めていることでしょう。
かつての私は、最高の心地よさに、自然と目を瞑り、身を委ねていったものでした――
デイジー「アンタ達の限界一杯まで…FP、受け取れやぁ――!」ゴオオォォォ!
少年「―――さぁって!満腹満腹!時間は有限、勇気は無限!
他力本願のFP…いやPPを糧に、やってみようじゃ、あーりませんか!」
少女「何年もの特訓の成果、見せ付けてあげるんだからっ!
他の避難場所も、まだまだ後が控えてるんだからねっ!」
――――彼らは、一体、何者。
私の心中を察したかの如く、3人目の彼が、ようやく答えを返します。
少しずれていた眼鏡を、スッと直しながら。
ロイド「申し遅れました。僕の名は、ロイドと言います。頭脳ならそう簡単には負けませんよ。
残念ながら非力だし、超能力なんて使えないんですけどね。『2人と違って』。
そして、彼らは、僕の大切な友達の――――」
993
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:41:49 ID:9jbC8ECY
〜異空間〜
ざわ、ざわ、ざわ。
ロゼッタ(偽)「…どういうことですか、その報告は!
『石化被害者が増えたり減ったりする』?
増えるのはともかく、減るわけがないでしょう!」
ロゼッタ(偽)「で、でも仲間からの伝達では実際に…!
石化したはずの、ただの一般人まで、再び動き出し逃げ惑う例が散見される、とのことで――」
ロゼッタ(偽)「そもそも空間魔法はこちらが一方的に掌握・制圧しているのですよ!
そんな馬鹿な話が、あるわけ――――!」
ピーチ(最後の、最後の、砦。皮一枚――――繋がった!!
ここを突破されたら、本当に、終わり。あとは、もう、天に祈るだけっ!!
…ううん、仲間たちを信じるだけ!!)
994
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:45:51 ID:9jbC8ECY
〜司令部〜
トゥーンゼルダ「…………ふふ、慌ててる、慌ててる、偽アイクに偽ルフレめ。
それにしても。
…………おーい、ラナ、だったかー?聴こえているか!
その、なんだ。色々と恥ずかしかったかもしれないが…助かった。本当に。
できれば、この騒動中、まだまだ力に縋りたいのだが…
あさましい私を許してはくれまいか」
《――――――――――――――――――――――――》
トゥーンリンク「ゼルダが空を見つめて独り言言ってる…」
《――――――――――――――――うぅ》
《――トゥーンゼルダさん、怒ってない?》
トゥーンゼルダ「…ホッ。怒るものか、大助かりだったよ。最悪の事態を回避できた。
私に助太刀してくれるほど、回り回って…リンクがもっと喜ぶぞ」
《な、なんだか餌をちらつかせてない!?それに諸手を挙げて乗りそうな自分も自分だけどっ!
――――ちょっと待って、その前にさっきの魔導福音の結果を――――》
トゥーンゼルダ「――――!!ああ!ぜひ聴かせてくれ!今更疑ったりなど…しない!」
995
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:49:58 ID:9jbC8ECY
《――――――――――――――――――――――――えっ?》
トゥーンゼルダ「…………ど、どうした…?」ゴクリ
《――第三勢力、第29区ならびに第11区に出現!
キノコ王国軍との共闘、ならびに石化被害者の治癒を開始!――だって!凄い凄い!》
固まること、数秒。
嬉しい体の悲鳴と、激しい鳥肌が襲い掛かってきた。
トゥーンゼルダ「…………救助でも延命でもなく、治癒だとっ!!
本当か!?そんなこと、できるのか!!
おまけに――――第三勢力!?一体何者だ!?」
996
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:55:50 ID:9jbC8ECY
〜第29区〜
ニンテン「―――――――――ヒーリングゥ――――――――」パアアアアアァァァ!!
アナ「――――――――γ’(ガンマ・ダッシュ)――――――――っ!!」パアアアアアァァァ!!
ロゼッタ「――――――――っ!!?」
パリイィィィ―――――――ン!
ロイド「集めた、集まった避難者まとめて――――『全員を』石化から解放します!
いたちごっこかもしれませんが、時間稼ぎにはなりますよ!」
ニンテン「ガクッ…一瞬にして、PPからっけつになりやがった、けど…!
MOTHER軍、ここに進撃、開始だぁ――――っ!!」
アナ「ハァ、ハァ……そこは進撃じゃなくて巡回、でしょ…ハァ、ハァ…」
ニンテン「そこ、水を差さない!!」
不思議なチカラ…超能力を持つ少年たちが、
私には――神の遣いの如く映ったのでした。
997
:
Mii
:2020/12/13(日) 04:50:31 ID:9GX1QhWw
このスレはレス数が1000に近づいたため、次スレを用意したうえで更新停止となりました。
次スレは
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか、今度こそ」
となります。よろしくお願いします。
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