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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」

1Mii:2019/03/31(日) 10:37:38 ID:iLEqj1bw
このスレは

 ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」

を前スレとする続編となります。
前スレをご覧になられていない方はそちらを先にどうぞ。

遅い進行のスレですが引き続き頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。





パルテナ「そのほか、いくつか注意点があります。

     ・スレ主のスマブラfor経験は、CPU(Lv.9)とのタイマンで
      勝ち越せない程度の実力しかありません。
      戦闘描写に過度な期待をすると酷いことになります。
      むしろ、『うわあ、この描写ニワカだな』と粗探しするくらいの気持ちで
      読むようにしてください(最重要)。

     ・前スレ同様、いろいろとパロデイ、メタ発言が散りばめられています。
      キャラが自分たちの背景情報を活用する…みたいなご都合主義は
      白ける方もいらっしゃると思います。そんな時は…
      別のスレに移って、このスレのことは忘れましょう。
      
     パルテナお姉さんとのお約束ですよ♪うふふふふ」

771Mii:2020/04/04(土) 23:07:27 ID:1BIb5Sbs
パルテナ「…おや、ロゼッタ?どうしたのですか?もしかして、暇していましたか?暇を弄んでいましたか?
     んもう、そんなに暇なら、大会に参加すればいいでしょうに」クスクス

ロゼッタ「あ、いえ、ちょっと考え事を」

パルテナ「あ!暇だというのなら、ちょうどよかったです!私に付き合ってもらえませんか?
     そろそろ帰還に向けて、お土産屋さんを見て回りたかったのですが…
     一人で回るのは心もとなかったのです。さあさあ!」グイグイ

ロゼッタ「わ、わかりました。それでは…御供させていただきますね」

パルテナ「よし!スカウト成功です!なし崩し的にうちの軍に入りませんか!好待遇を保証させて頂きますよ!
     衣食住と私を崇め奉る権利、それにお代わり2回…いえ5回まででどうでしょう!」

ロゼッタ「うちの軍!?何の話ですか一体!?」

パルテナ「聞くも涙語るも涙…話せば長くなりますが…
     うちの軍は戦力の大部分をピットが担っていたのにですね、
     勝手にブラピが誕生して、おまけに自然軍に取り入ってしまったばっかりに、
     戦力バランスが崩れに崩れてですね……正直私は不公平だと言いたくて言いたくて……

     私とピット以外のまともな…汎用キャラでない味方を、早く誕生させてくださいよ任天堂さん!」

ロゼッタ「いきなり何を言っているのですか!?」

パルテナ「正直、自然王の気まぐれで私たちは生き永らえているようなものでして、
     女神としてやるせないんですよ!分かりますかこの気持ち!!」

ロゼッタ「あいにく全く分かりません!」

772Mii:2020/04/04(土) 23:12:08 ID:1BIb5Sbs
〜夜〜



シイィィィイン――――



穏やかに流れる風の音、そして…どこかで梟の鳴く声のみが、ほんの僅かに聞こえてくる。

人気はなく、照明は一切付けられず――ただただ、「ソレ」が佇むのみ。

そこへ、招かれざる客が、ひとり。



「…………」シュンッ!!

「……………………」



(……………………さて)スィー

(…………しばらく、あのアイテムは眠ったままになるはずですし)



ロゼッタ(お仕事、始めちゃいますか♪)ニヤリ

773Mii:2020/04/04(土) 23:18:05 ID:1BIb5Sbs
ロゼッタ(監視カメラなんて、意味はないですよ。いくら懸命に、金庫を映し続けていたところで。
     死角から一気に金庫の中へ転移すればいいだけですし、
     金庫の中に監視する類のものがないことは確認済ですし。
     この程度の次元破り、私に掛かれば――――)



シュンッ!!

ロゼッタ(…楽勝ですね、魔法で周囲を照らして、と。
     …うん、なにかトラップが感知作動する様子もない、と。
     隠密のためローブを羽織っているので、カメラ程度はそもそも怖くないですが。

     前に転移失敗したように偽装してみせましたが…
     この程度の空間制御も、パルテナは突破できないのですか?案外、大したことないんですね。

     おっと、無駄口は叩いていられません。とっとと、やることをやって…ずらかりましょう。
     烏合の衆の他のアイテムたちは、逆に残しておいた方がばれなくてよさそうですね)



マスターソード「――」パアアアアア

ハイリアの盾「――」キラキラ

ロゼッタ「それでは、早速――――これが、伝説の装備、ですか。
    ふふ、全てが手遅れになった3日後の大混乱が、楽しみで仕方ないですね…!!
    せいぜい、仲間割れを思う存分してください――」ゾクゾク

774Mii:2020/04/04(土) 23:24:45 ID:1BIb5Sbs
〜元、閉ざされたフィールド〜

私の巧妙な?…偽装によって、禍々しい結界に再び包まれた扉。
もっとも、偽者たちの目を欺くためのダミーなので、閉じ込める能力は一切ありません。
鍵が付いたままの錠前があるだけのような状態です。気にしないでおきましょう。
そんなことより、最後の仕上げが大事、大事。


ヒルダ「それでは、参ります――」スッ・・・

デイジー「うん!バッチ来ーい!」サッ

ヒルダ「はあああああっ――――――――――――――――――――

     ――――――――――――――――ビルダーハンマァ―――ッ!!」サッ

バキバキバキィっと、連続した連結音とともに!
片手を掲げたヒルダ姫が…その手に、燃え盛るハンマーを具現化させました!!
ファントム・ユガのハンマーに比べれば小さいものですが、なかなかの迫力です!
炎が揺らめき、その存在感を確かに示しています!

ヒルダ「えーーい!!」ブンッ!!

ドゴォッ!!

デイジー「ぐわっ!!…ナイスインパクトッ!
     表の私だと、構えてないと大ダメージを食らいそうだねっ!」

激しい打撃とともに、ズズズッ!とデイジー姫が後ずさり。体を大きく持って行かれました。
プスプスと、皮膚が焦げている気配まであります。

775Mii:2020/04/04(土) 23:27:56 ID:1BIb5Sbs
ゼルダ「ふむ、私のマジカルカッター同様、威力について…
    基礎体力レベルだけでなく、魔法レベルについても参照しているようですね。
    これは面白くなってきました」

デイジー「アイテムありルールでの『ハンマー』みたいなものと思ったけど…
    行動が制限されないし炎の属性ダメージもあるっぽいし、
    更には敵の手に渡らないハンマーでしょ!?
    FPを消費する以外の点においてはむしろ上位互換っぽい!凄いよ!」

ヒルダ「ま、まあ、攻撃範囲が狭いうえに予備動作が長めなのがネックですが。
    そこそこ敏捷性のある人には決まらないですよね…」

デイジー「そこはあれだ、向かってくる敵に不意打ちで具現化させてぶちかますとか」

ヒルダ「あ、それはよさそうですね!
    …それにしても。夢じゃなかったんですね、この新魔法」

ロゼッタ「ビルダーハンマーとは…洒落ていますね。
    『ヒルダ』と『ビルダー』を掛けているのですよね!」

ヒルダ「…………なんだか恥ずかしくなってきました。名前、変えましょうか」

デイジー「それは駄目だよ!メーカー的に!」

ヒルダ「は、はいっ!?」ビクッ

…妙に、デイジー姫が力説しています。何か裏事情でもあるのでしょうか。
ヒルダ姫が、目を点にしています。

776Mii:2020/04/04(土) 23:33:42 ID:1BIb5Sbs
ロゼッタ「…私も、何か肉弾戦用の魔法を覚えた方がいいのでしょうか」

ゼルダ「…別に、無理に覚えなくてもよいのでは?
    ロゼッタの場合特に、魔法を繰り出した方がよほど高火力でしょうに」

デイジー「まあ、物理面でも最低限の火力があると戦略の幅はグンと広がるだろうけど。
     …よーし、それじゃあヒルダ!あと3日の間に、その新技…カンペキにしてみせようね!」



デイジー姫は、「やっぱりこの4人で最終決戦に殴り込みしたいじゃない?」ということで。
自由の身になってもなお、私たちと一緒にフィールドに残ってくれています。…ただただ感謝を。



デイジー「いーい?万全の状態で颯爽と繰り出して、偽者たちを叩きのめすんだよ!
    そこで私は腕を組んでフッと笑ってこう言うんだ、『3人は私が育てた』と!」

ゼルダ「なんですかその茶番は」

デイジー「言ってみればこれは、トリプルバトルっ!
    登場の段階から横並びになって、ポーズを決めてババーンと目立って、
    その後は息を合わせて一斉攻撃するんだ!」

ヒルダ「う、ええ?恥ずかしいですよ、そんな戦隊ものアニメじゃありませんし!
   下手をすれば洗脳でもされたのかと白い目で見られますよ!」



…う、うん。感謝、を?

777Mii:2020/04/04(土) 23:39:16 ID:1BIb5Sbs
ゼルダ「ロウラルにもそんなアニメが放送されているんですね…驚きです」

ヒルダ「単純な勧善懲悪ものは、むしろ苦難の道を歩むロウラルでこそ年齢問わず人気があるんですよ…」

ゼルダ「そ、そうですか…」

デイジー「今の3人は、何よりも『偽者じゃない』ことをアピールする必要があるんだよ?
    ちょっとネジが飛んでるな、くらいのインパクトを出すことで
    『流石にこれが偽者ってのは有り得ないだろ』って思わせるのが重要さ!」

ヒルダ「そんなことで無駄に引かれたくありません!?
    ロゼッタも、そんな茶番は無意味…いえ逆効果だと思いますよね!」



ロゼッタ「両腕を拡げて、両肩にチコを乗せてふわりと登場してみましょうか」ワクワク

チコ「ロゼッタ&チィコォー!!」ビシッ

チコ「華麗にけんさーん!…ってことだねー!!」シャキーン!



ヒルダ「」

ゼルダ「駄目ですこの人、早くなんとかしないと…」

着地と同時に、杖をビシッと掲げてみればいい感じでしょうか。
使い魔を使役した魔法少女っぽくて楽しそうです……………………。
あ、いえいえ!変な妄想に憑りつかれていました!

778Mii:2020/04/04(土) 23:42:43 ID:1BIb5Sbs
〜キノコ城 城下町〜

カランカラン…。



ブラックピット「…………」

マスター「…あ」

ブラックピット「…………何も、言うな」

マスター「あ、はい。…え、ええと。
     カウンター席はお止めになった方がよろしいのでは――」

ブラック「…いいからとっとと、カクテルを作ってくれ…。
    レシピは、もう分かってるよな…?」

マスター「…………承知致しました」サッ



客「……あの人も懲りないなあ」ヒソヒソ

客「時間帯ずらせばいいのに…」ヒソヒソ

ブラックピット「聞こえてるぞお前ら…!」ゴゴゴ

客「」ビクッ

779Mii:2020/04/04(土) 23:49:03 ID:1BIb5Sbs
トゥルルルル……!



ブラックピット「…………ん?電話か?チッ、人が緊張してるってのに。
        誰から…って、ナチュレか。…もしもし?どうした?何か用か?」ピッ

ナチュレ『おー、ようやく繋がったか!わらわを待たせるでない!
     ちょっとお前に、参考までに聞きたいことがあってのう!
     わらわ直々に連絡を取ってやったことに感謝するがよいのじゃ!』

ブラックピット「…手短に話せのじゃロリ、今は気が立ってるんだ」

ナチュレ『誰がのじゃロリかっ!?
     相変わらずぶっきらぼうな態度しかせん奴め。まあよいわ。






     
     今、パックンフラワーに関する論文を纏めておるのだが…
     ブラックパックンはパックンフラワーの一種だという解説は…
     世間の、人間どもの一般認識に合致しておるかのう?』

ブラックピット「………………………………は?」

780Mii:2020/04/04(土) 23:51:55 ID:1BIb5Sbs
ナチュレ『ブラックパックンはパックンフラワーの一種であるとする情報が
    Wikipedia等、信頼性の低い所にポツポツと載っているには載っているのだが、
    何度考えても、どうにもしっくりこなくてのう。

    これが『パックン』の一種である、というのなら、まあわかるのじゃ。
    『口をパカッと開けてマリオを飲み込まんとする敵の総称』といったニュアンスになるからのう。

    じゃが、『パックンフラワー』とまで言ってしまうと、
    ファイア攻撃に弱いこと、物をぶつけることで倒せること、
    なにより植物であることなどの要素が必要になってくるじゃろう?

    ブラックパックンは、POWブロックやハイヒールドロップでしか倒せん。
    ダメージ通過はできず、壁や地面との間にマリオが挟まれれば圧死する。
    マリオ3ではPスイッチでコイン化までする、要するにブロック的、障害物的扱いじゃ。
    おまけにとある情報筋によれば、砲台顔負けの重量を誇るそうじゃ…!
    要するに、植物かどうかも疑わしい鉄の塊…!

    これをパックンフラワーの一種に含めるのは、ちと違和感があってのう。
    派生として紹介するのにとどめておいた方がいいのか、迷っておるのじゃ。
    ほれ、ブラック繋がりで、率直な意見を述べてみい――』

ブラックピット「どうでもいいわそんなもんっ!!!」プツッ

マスター「…ブラックピットさん、お静かにお願いします」

ブラックピット「――っ、すまない」

どうして俺の周りの奴は、ことごとく――俺の邪魔ばかりしやがるんだ…!
余計な恥をかきまくっているじゃないか…許さんぞ…!

781Mii:2020/04/04(土) 23:59:40 ID:1BIb5Sbs
パルテナ「スマブラ大会も、ほんとのほんとにラストスパート!優勝の可能性を残すファイターは、なんと…!
    マリオさん、クッパさん、そしてリンクさん!以上の3名となっております!」

ピット「ある意味、なんの面白みもへったくれもない途中結果ですね」

ブラックピット(始まってしまったか――――)ブルッ

パルテナ「ピ、ピットさん、そういうことを言ってはいけませんよ。
     なんでも、示し合わせて御三方とも休息を取られるそうで、最後の3日間が本当に待ち遠しくなって参りました!」

ピット「ま、まあ強いて言うならば…最後に残った微妙なポイント差を…
   リンクさんがどうやってひっくり返すかが見ものですね」

パルテナ「そうでしょうそうでしょう!さーて、それでは…!いつものごとく、『パルテナの何でも相談室』のコーナーでーす!
     本日は、なんとっ!次回大会のファイター候補にノミネートされている有望株の戦士にお越しいただきました!

     幼稚園児のころから戦闘訓練に明け暮れていた強者!
     魔導師の卵、アルル・ナジャさんです!どうぞっ!!!」ババッ!


アルル「……………………」

パルテナ「まさか、スレ内でぷよぷよが登場したと思ったら
    キャラクター自身が飛び入り参加するなんて、意外でしたね!ある意味贔屓なんでしょうか?」



アルル「………………………………帰っていい?」ハァ

パルテナ「!?」

782Mii:2020/04/05(日) 00:03:39 ID:VXE9Xe5k
アルル「ぶっちゃけ、次回参戦ノミネートとか、有り得ないから。
    ボク自身、次回スマブラに参戦できるとは全く思ってないし。
    大会名物とかいう激辛カレーっていうのを食べて、お土産でも買って、早く帰りたいよ」

パルテナ「こ、これは意外な展開にっ!?」

ピット「ちょちょちょ、ちょっと待ってください!なんですその放送事故!
   参戦希望だから、わざわざ来訪希望されたんでしょう!?
   それがどうして、そんなに消極的というか否定的な態度を取るんですか!?」

アルル「……いや……その……魔王やら変態やら友達たちに勝手にアポイント取られただけだし…
   全く来る気はなかったんだけど、体裁として、礼儀として、一応来ただけというか…
   それはかんっぜんにこちら側の不手際だから、謝るよ、本当にゴメン」ペコリ

パルテナ「」

ピット「」

783Mii:2020/04/05(日) 00:08:14 ID:VXE9Xe5k



「アルルが参戦してくれれば、きっと私も色替えキャラとして参戦できるよ!頑張って!」

アルル(ごめんアミティ、魔導戦闘の経験はボクしか持ってないから、
    万が一ボクが参戦できたとしてもアミティは無理だと思う…)



「参戦した暁には、科学的見地から的確な行動をとり、敵を翻弄して見せます!」

アルル(りんご…公式から思いっきり『ぷよを消すオワニモのチカラのみ与えられた』って言われてるよね。
    アミティ以上に深刻だよ。チキュウ人のりんごは戦えないよ。背景のぷよ連鎖スタンドでも使うの?)
 


「大乱闘?駄目です!そんな喧嘩をしちゃ!もっと愛し合いましょう!」

アルル(アリィ…二重人格をキャラの旨みにしたいのはわかるけど、
   どっちかというとドッペルゲンガーアルルやダークアルルで間に合ってるんだよ…。
   それに、酷なことを言うけど、アリィだけ不評なクロニクルのせいで知名度が…)



アルル「こんな感じ」

ピット「あちゃあ」

784Mii:2020/04/05(日) 00:10:51 ID:VXE9Xe5k
アルル「…………」ハァ

アルル「大体ねえ、スマブラに出るからには魔導物語がベースになると思うけど、
   いまやぷよぷよのイメージが99%のボクに、魔導物語を想起できる人がどれだけいるっていうの?
   海外展開なんかもっと絶望的だよ?
   版権問題も相変わらずだし、解決しなきゃならない課題が山積みだよ…」

ピット「そんなの、開発スタッフの勢いでどうにでもなりますって!
   私やパルテナさんを見てください!どれだけ新要素・改変要素があったと!」

アルル「なんか論点がずれてる気がするんだけど…」

パルテナ「で、でもですね!私、アルルさんの大ファンなんです!
     だから、そんなに簡単にあきらめてほしくないなって…!」

アルル「…え?ボクの…ファン?う、嬉しいけど…ど、どうして?」ドキッ







パルテナ「漫才の大先輩、始祖みたいな人ですから!!」キラキラキラキラ

アルル「すっごく傷ついたよ!」ガーン!

785Mii:2020/04/05(日) 00:14:41 ID:VXE9Xe5k
ピット「…と、いうわけで!やっぱり参戦したくなっちゃったー、
   みたいな宣言をしていただけないでしょうか!放送としてもそれが一番穏便なので、ぜひ!」

アルル「嫌だよ!!」

パルテナ「そこをなんとか――――そうです!いいことを思いつきました!
     参戦を果たした暁には、なにか一つ望みをかなえて差し上げますから!
     私の奇跡の力で!どどーんと!」



アルル「――」ビクッ



パルテナ「おおっ!意外にも食いついてくれたみたいですね、ふふふ…!
     さあ、倫理的に問題でない事なら、なんでも一つ願いを――」

アルル「『聖魔導物語』をなかったことにしてほしい」

パルテナ「」

ピット「えっ」

アルル「『聖魔導物語』をなかったことにしてほしい」

パルテナ「2回言った!?
     えーっと、流石にそれは私の力の限界を超えていまして…」

アルル「なぁんだ…」

786Mii:2020/04/05(日) 00:17:56 ID:VXE9Xe5k
パルテナ「あ、では意中の方の好感度を上げて差し上げるとかどうでしょう!
    シェゾさん?それとも案外サタンさん?」フフフ

アルル「はい?」

ピット「まあまあ、そんな恥ずかしがらずにー」ニヤニヤ

アルル「…………どうしてそれでボクが喜ぶと思ったかなあ…?
    ちょっと痛い目に遭いたいみたいだね――――」ユラァ

ピット「…あれ?あっれれー?カムイさんと同じことになりそうな気配です!
   アルルさん、落ち着いてください…駄目だ、そういえば元来好戦的な人でした!」

パルテナ「くっ、仕方がありませんね…!ピットさん、確実に抑え込みますよ!
     アルルさん、申し訳ありません!正当防衛させてもらいます!」ザッ・・・



ピット「お覚悟をっ!」ダダッ

パルテナ「参りますっ!」パアアアア

787Mii:2020/04/05(日) 00:24:07 ID:VXE9Xe5k
アルル「…ばよえーん!」キラッ!!

ズギャアアアアアアアア――――ン!!



パルテナ「」チーン

ピット「」チーン

アルル「…あのねー。登場作品数の分だけ強くなるんでしょー?
    初登場時期こそ負けてはいるけれど、ナンバリングタイトルと共に頻繁に出演して、
    おまけに多機種展開フルパワーなボクに、2人が勝てるわけないじゃないかー。
    …とりあえず、ボクは帰るね、スタッフさん。保存の効くカレーとか見つかるといいなぁ」テクテク

スタッフ「あ、はい。ありがとうございましたー。おーい、一旦放送止めろー」


ブツッ……。

スタッフ「放送が乱れております。しばらくお待ちください」


ブラックピット「…………もう耳栓でも付けるかな」ズーン

マスター「つ、次からは音量を落としますよ!気をしっかりお持ちください!
     はい、御注文のカクテルです!」ユサユサ   

客「だから時間帯ずらせばいいのに」

788Mii:2020/04/12(日) 18:23:33 ID:1MumzHu6
〜3日後〜

ロゼッタ「…………いよいよ、ですね」

ゼルダ「……ええ」

ヒルダ「長かったような、短かったような……」

デイジー「程よい長さに感じられたっていうんなら、それはきっと――
     充実した日々だったってことなんじゃないかな!」

勝負の時を、固唾を飲んで今か今かと待っています。
そんな私たちの緊張をほぐすべく、デイジー姫が元気溌剌と声を投げ掛けてくれます。

ロゼッタ「…最初の頃は、そうも言っていられないどん底状態でしたけれどね」

デイジー「うぐぅ…」

ヒルダ「…ふふ、今となってはそれも――い、い、おもい、でです、よ」ブルブル

デイジー「えーっと、無理しなくてもいいよー?まだ私にぶつけたい本音とか恨みつらみとかあるなら、
     今のうちに吐き出しちゃいなよ。…おっと、本当に嘔吐するのはノーサンキュー」

ヒルダ「――」プルプル

ヒルダ「――――――――もち、こたえ、ました」

デイジー「ちなみに今までの死亡カウント数を教えてあげると――――」

ヒルダ「聴きたくない聴きたくないっ!!」ブンブン

789Mii:2020/04/12(日) 18:26:27 ID:1MumzHu6
ヒルダ姫が、それはそれはもう、必死に首振り。
まだちょっと顔が青いですね。大丈夫でしょうか。

マリオたちからの合図が有れば、たちまち空間転移で「打合せの場所」へ。
もう制約がないのは本当にすがすがしい気分です。
…欲を言うならば、こっそり戻っておいてサポートに向かいたくはあったのですが、
偽者や黒幕に気配で勘付かれたり出くわしたりしたら本末転倒だから、とのこと。

チコたちがそわそわしています。
私はみんなをあやしつつ、チコ2人を両肩に乗せて、スタンバイ。

ヒルダ「…ロゼッタ、本気でそんな状態で登場するおつもりで?」

ロゼッタ「ふふ、鍛えられたおかげで全く重くありませんよ?」

ヒルダ「そういうことでは、なくてですね…」

ゼルダ「ヒルダ姫、つっつかないでおきましょう。
    あんまり言及すると『貴方たちにもチコをお貸しします』とか言いかねません」

ヒルダ「た、確かに……」

790Mii:2020/04/12(日) 18:27:35 ID:1MumzHu6
デイジー「さてと。…みんなー、気合いは十分だねー?
     …やれるだけのことは、やった。覚悟も、ビシッと固めた。
     私は緊急時以外は後衛サポートに徹するから――――

     みんなの成長っぷり、仲間に、そしてにっくき敵共に――
     思う存分、見せてやれー!」



ゼルダ「――――言われなくても」

ゼルダ姫が、目を細め。



ヒルダ「――――できる限り、やってみます」

ヒルダ姫が、拳をグッと握り。



ロゼッタ「――――承知いたしました」スッ・・・

私は、最後の精神統一を済ませます――――

791Mii:2020/04/12(日) 18:30:41 ID:1MumzHu6
〜選手控室〜

選手たちの目が、血走っている、この感じ。
別に、怒りに我を忘れている…というありがちな意味ではなく、
それだけ皆が大会に集中しているってこと。強者も弱者も関係ない。
誰だって、前の自分を、昨日の自分を超えるために凌ぎを削っているのだから。
大会は間もなく終わる。最後の踏ん張り、正念場。

…ただし、今から――――「ありがちな意味」での、目の血走りを――――
俺たちは、目にすることに、なるだろう。
そう、「ロゼッタ」の思惑通りに。

クッパ(989888241983…っと)

クッパ「よーし、皆、集まったな!それではアイテムを返却していくぞ!
   必要な者はさっさと並べ!」

もはや恒例作業、ずらりと選手たちが一列に並ぶ。

ピーチ「…………私は今日は参戦しないって言ってるのに…
    どうしてこんなところに呼び出されたのよ…………はぁ…」

マリオ「まーまー。疲労困憊中のピーチにも、この闘志を燃やす選手たちを見て
   元気を出してほしかったんだ。楽しんでる奴はちゃんと楽しんでるんだよ。…元気出た?」

ピーチ「…それ、どっちかというとクッパの金庫の存在のおかげでしょ?
    気兼ねなく、後顧の憂いなく参戦できるようになったから…。
    私の無力さに、むしろ打ちひしがれるわね……」

マリオ「駄目だこりゃ。処置無し」

792Mii:2020/04/12(日) 18:32:45 ID:1MumzHu6
オリマー「生命維持装置が無事でなによりだ」

ピカチュウ「チャア……ピカッ!?ピッカー!!!」

ニャース「電気玉のひとつ前に、これ見よがしに雷の石を預けたのは誰だぁ!…って言ってるニャ」

ロボット(ヒジョウヨウ、エネルギー・・・)

ディディーコング「任天堂の帽子、確かにゲーット!これ失うと大問題だからなー!
          正直ピーナッツポップガンより優先順位高いよ…」

シュルク「今日も無事に、モナドが帰ってきたね。
     …いえ、あの、穴あき包丁じゃないです。
     斬った敵がはがれやすいとか、ないです。本当にないですから」

ワリオ「俺んとこで作ったクソゲーの山、盗まれてた?盗まれてた?
   あー、盗まれてたわ。こりゃ、1個あたり10億コイン弁償して貰わなきゃな。
   …………嘘つくな?チッ、ばれたか」



リンク「……………………」

793Mii:2020/04/12(日) 18:36:21 ID:1MumzHu6
クッパ「よーし、これで今朝の分は全部吐き出したな――――」



リンク「…………おいクッパ、俺のマスターソードは?」



クッパ「えっ、知らんぞ?」

ピット「…あれ?なんだか…様子が、おかしいぞ?」



リンク「…………ハイリアの盾も。まだ受け取ってないぞ」

クッパ「何だと!?そんな馬鹿な、もう金庫の中には残っていないぞ!?
   …でも、確かに…帳簿上は、有るはず、だよな…!」ペラッ

リンク「はあああああああああああ!?」



ザワザワザワ・・・・・・!!!

クッパ「…おい、カメック!聞こえておるか!急ぎ、全員を連れてこい!
   魔法の痕跡がないか、徹底的に調査するのだっ!!」トゥルルル

カメック『しょ、承知致しましたっ!』

794Mii:2020/04/12(日) 18:39:41 ID:1MumzHu6
ピーチ「ま、まさ、か――――」





カメック「…間違いありません。金庫に張られた術式の一部が、一部抉られていることが確認されました。
     何者かによる――――侵入ならびに強奪行為の結果、でしょう」

リンク「――――――――」ブルブルブルブル

デデデ「Oh・・・・」

クッパJr.「パパがあんなに自信満々だった金庫が、こんなにあっさり――――!!
     嘘だ嘘だっ!こんなの間違ってるっ!認めないぞっ!!」

リンク「――――どういう、ことだよ」

マリオ「リン、ク…………!!」

リンク「――――どういうことだ、マリオ――――ッ!!!」ガシッ

マリオ「グハッ――」

クッパ「お、おい――――」

リンク「俺はっ!!俺は、なあっ!!マリオとクッパがあんなに自信ありげなものだから、
   信用してっ!信頼してっ!俺の宝物たちを、何の不審もなく預けてたんだぞっ!!
   他のファイターにも信用してもらえたらいいなっていう想いも込めて――っ!
   なのにこれは、どういう了見だっ!!ふざけんなぁっ!!」ギリリリ

795Mii:2020/04/12(日) 18:41:44 ID:1MumzHu6
マリオ「――――」

ピーチ「や、やめてリンク!!マリオは悪くないのっ!!
   わ、私が――ちゃんとしていない、ばっかりに――――!!
   キ、キノコ王国として、しっかり対価は支払わせてもらうから――――っ!」

リンク「対価、だとっ!けっ!冗談じゃ、ないっ!!
   あの剣と盾の代わりだなんて、キノコ王国が用意できるわけねーだろ!
   話になるかよっ!ハッ!!

   …もしや。おい、一連のこと……全部、キノコ王国の、仕込み、か――?」

ピーチ「…はぁ!?」
   
リンク「そうだ…そうだよ――
   考えてみれば、キノコ城をちょっと要補修にするくらいで、
   ゼルダ姫とヒルダを亡き者にできるくらいなら――――
   ハイラル潰して一強王国になるため、やっすい料金、だよな――」

ピーチ「フザケたこと言わないでっ!キレるわよ私でもっ!!」



一触即発、大混乱。団結力がガラガラと崩れていく、音がする。



リンク「そう考えちまうくらい、お前らのやったことは論外、問題外なんだよっ!!
   どうなんだ、ええっ!!マリオ、何とか言ってみやがれや!!」ドスッ!!

796Mii:2020/04/12(日) 18:44:30 ID:1MumzHu6
マリオ「――――――――――――――――――――――――――――――
    ―――――――――――――――――――――――すまん」

リンク「聴こえねーよ!」ガンッ!

マリオ「――――――――すまない――本当に、済まなかった――――」

ピーチ「…………リンク、やめて――――お願い――――っ!」ウルッ

ロゼッタ「そ、そうですリンクさん!そんなことをしても何も解決しないですよ!」

ルキナ「リ、リンクさん!きっと、誤解です!見ていられませんっ!
    そ、そんなことをなさらないで――」グズッ








リンク「ルキナがそう言うならやめとくわ」パッ

マリオ「それがいいそれがいい」

ピーチ「」ズルッ

ロゼッタ「」

ルキナ「えっ」

797Mii:2020/04/12(日) 18:50:19 ID:1MumzHu6
ピーチ「…え?今の、なに?」

リンク「…悪い悪い、ちょっと芝居打たせてもらった。
   一応、間違って受け取った人が名乗り出てくることも願ってたからな。
   まあ、誰も出てこないし、盗まれたことが確定したわけだが。

   俺が3日間もマスターソードとハイリアの盾を預けっぱなしにするって
   さんざん自分から言いふらしたら、そりゃあ確かに犯人も盗みたくなるだろ。
   足もだいぶ付きにくくなるし絶好のチャンスだよな」

ピーチ「…し、芝居って。結局盗られたら意味がないじゃない!」





リンク「いやだって、取られたの模造品だし」

クッパ「急ごしらえで我が技術部に造らせたのだ」

マリオ(ま、十分に見慣れている人は引っ掛かりようがない、くらいの再現度だけどな!)

ピーチ「」

ロゼッタ「」

クッパ「ん?どうした?特にロゼッタ、えらく驚愕しているみたいだが」

ロゼッタ「い、いえ、別になんでも……」

798Mii:2020/04/12(日) 18:54:58 ID:1MumzHu6
ざわざわと、さっきとは別の意味で騒がしくなってきた。


リンク「はい、全員集まってるなー!こんだけ騒いだってこともあるしー。
    それでー。ここにいるみんなを証人として、何がしたいかと申し上げますとー。

    模造品には、クッパ帝国技術部の粋を集めた闇のトラップ――
    超強力な呪いの仕掛けを施していたんだよねえ」

クッパ「うむ。非常時の為に秘密裏に開発していた負の代物が、
    まさか役に立つ時が来るとはワガハイも考えていなかったぞ」

ピーチ「……………………えっ」

ロゼッタ「…………………………………………はい?」

リンク「ここに、偽マスターソードと偽ハイリアの盾、それぞれに対応した呪詛を込めた水晶玉がありまぁす。見えてるよなー!
   もうここに犯人が潜伏しているわけもないから、種明かししちゃうぞ!

   偽マスターソードに対応している方の水晶玉を、このように割りますとっ!」ブンッ



リンクが、握り拳大の2つの水晶玉をどこからともなく取り出し――
そのうちのひとつを、床に向けて叩きつける。
赤く光っていた方の水晶玉が、パリィンという高い音と共に、粉々に砕け散って消えて行った。



ロゼッタ「……っ!」ゾクッ

799Mii:2020/04/12(日) 19:02:25 ID:1MumzHu6
ピット「これで、どうなったの?」

クッパ「水晶を割った瞬間において、『偽マスターソードに最後に触れていた』輩に残機数貫通の『死の呪い』を付与する。
    今頃犯人は、意味も解らぬ倦怠感と吐き気と殺気に襲われていることだろう。

    更に、この呪いは個々人のFPなり魔力なりに反応する類の物なのだが、
    その者に対して魔力供与を施していた関連者がいるならば、
    対象者を芋ヅル式に増やして死刑宣告ができる優れものなのだ。どうだ、呪いって凄いだろう!」

リンク「ふんぞり返るだけのことはあるよ、マジで。あとは、こっち…盾に対応する水晶玉を割って、呪いを発動させるだけだな。
   体中の細胞がたちまち煮え滾ってから爆発四散、苦しむ暇もなく絶命するんだとさ」

サムス「自業自得だがやることがえげつないな!?」

リンク「サムス、知ってるか?基本的に国家転覆罪ってすべからく死刑なんだぜ?」

ピーチ「す、すごいわ…!!流石に技術力で負けたかも……!!
    ち、ちなみに呪いを回避されたりはしないの?ポカミスとかやめてよね」

リンク「ああ、一応そこが問題だったから、あえて3日間も時間を空けたんだけどな。
   
   2つの水晶玉は連動した絡繰りで、60秒おきに立て続けに割らないと効果を発揮しないんだが、
   その間に、この呪いを付与された人が、水晶玉を割った人…
   つまり俺に対して触れると、儀式に失敗して呪いをなすり付けられるらしいんだよ。
   俺の足元に、魔法陣が展開してるだろ?まだ儀式途中なんだ。
   
   万が一にもタッチされて逆に殺されました、じゃあ笑い話にもならないからさ。
   犯人が完全に遠くに離れる頃合いを待ってたわけだ」

ピット「へえ…ってブラピさん、その『その回りくどい儀式に厨二心くすぐられました』って顔、やめてください」

800Mii:2020/04/12(日) 19:06:20 ID:1MumzHu6
リンク「悪いけど、ここまでやってきた犯人には慈悲はないぞー!
   そんじゃ、カウントダウンしていって、もうひとつの水晶玉も割っちゃいまーす!
   せいぜい愉しい思いをしたまま、訳も分からず野垂れ死ぬがよい!
   …って言っても体すら残らないし、野垂れ死ぬこともできないか。まあいいや。

   じゅーう!きゅーう!はーち!なーな!ろーく!」

ピーチ「犯人の死に様を偶然目撃しちゃう無関係者のことだけが気懸りなんだけど……」ドキドキ

ワリオ「…ハッ!あっけない幕切れだな…ま、不届き者にはお似合いか」

パルテナ「ワリオが言うとちょっと違和感があるような…まあ、報いは受けるべきでしょうか」

リンク「ごー!よーん!さーん!にー!いーち!!」バッ



リンク「――――ゼロッ!!」



ガッシャアアアァァン!!



何の疑いもナシに、思いの丈を腕に籠め。
リンクが両腕をブンっと振りかぶり、力任せに叩きつけ――――
青く光っていた方の、2つ目の水晶玉が、割れた。

801Mii:2020/04/12(日) 19:10:52 ID:1MumzHu6

そして、皆が――――――――目を、見張る。



ガシイイィッ!!

クッパ「――――なお。
   そんなご都合主義満載の呪いは、流石に作れなかったのだ。
   せいぜいが、対象者に腹痛をもたらすくらいの作用しかない。
   まあ、1つ目の水晶玉の効果さえあればハッタリには十分だと思ったので、
   それすら搭載していないが」

リンク「そゆことそゆこと。…………さぁてと。







   
    背中から転移で突進してきたのが無駄になって、悪いな。
    ま、そんなわけで…色々と聴きたいことがあるんだけどな――――ロゼッタ氏?」



ロゼッタ「――――――――ハァッ、ハァッ――――!!」ブルブル

容疑者、ここに確保なり――

802Mii:2020/04/12(日) 19:14:47 ID:1MumzHu6
いつもの穏やかな顔とはまるで異なる、目つきの悪いロゼッタが、息を荒げている。
我に返って、表情を引っ込めても、流石に遅い。周囲の目にはしっかり焼き付いた。

ロゼッタ「…い、いえ。ちょっと、首筋に蚊が止まっていたもので」

リンク「マジか!!こんなときに、犯人と疑われかねないことまで承知のうえで
   蚊を叩き潰しに突撃してきてくれたのか!ロゼッタさんすげえ!
   よっぽどの聖女なんだな!疑って悪かった!」

ロゼッタ「い、いえ。気にしないでください、ふふ…」



リンク「あるいは、この場でそんな言い訳が通じると思っている心底の馬鹿なんだな!」

ロゼッタ「――え」

クッパ「さて、ここで特に意味はないが1個目の水晶玉の呪いを強めるのだ。カメック、やれ」

カメック「あ、はい」ピカアアァ

ロゼッタ「――――――――がああぁっ!?」ガハッ



紫電の靄が、彼女の周りに立ち込める。口を覆いかけて、咄嗟にやめたはいいものの。
彼女は、体がよろめくのを防ぎきれない。

ロゼッタ「――――――――――――――――ハァッ、ハァッ…何を…」ヨロッ

803Mii:2020/04/12(日) 19:18:28 ID:1MumzHu6
クッパ「……」ヤレヤレ

リンク「語るに落ちたな」

むらびと「…………ロゼッタ、さん?嘘、でしょ?」

ファルコ「…まさ、か。全部が全部、こいつの、仕業?…そりゃ、立場的には――可能、だな…」

ピーチ「嘘よっ!!ロゼッタが…ロゼッタがっ!そんなこと、するわけ、ないっ!!
   きっと、私、疲れすぎで悪夢を見てるんだわ…!!」フラッ

ロゼッタ「そ、その通りですピーチ姫!信じてください、私です!ピーチ姫の友人のロゼッタです!
     マリオ達は洗脳か何かをされていて、私を罠に掛けようとしているのです!」

ピーチ「な、なんですって――」

パルテナ「……それはおかしいですね。
     マリオにリンクにクッパ、この御三方を操れているというのなら、
     そんなまどろっこしいことをせずとも、単純に暴れ回らせるだけで――
     黒幕は私たち全員を亡き者にして、キノコ王国を潰せると思うのですが。
     この状況、鯛で海老を釣っていませんか?」

ピット「悔しいけど言えてます」

パルテナ「ついでに言うと、そんな状況なら3強の皆さんに責任転嫁できるので…
     無駄死にしないためにも、従順な駒として一時的にでも寝返っておきますね♪
     要するに洗脳されてようがいまいが、今やることはマリオ達との同調ですよ?」

ピット「ドヤ顔でぶっちゃけましたねパルテナ様!」

804Mii:2020/04/12(日) 19:23:07 ID:1MumzHu6
マリオ「なーんか釈然としないが…嘘は付いてないが、正解でもないんだぞ。
    こいつは、ロゼッタだけどロゼッタじゃないんだぞ」

ピーチ「…え?……ニセモノ?ロゼッタの!?
   ――――総員、最大限警戒してっ!!」

マリオ「うん、話が早くて助かる」













ロゼッタ「――――何時から、気付いていたのですか?後学のためにご教授ください」

ピーチ「――っ!――ほん、とうに…」



流石に、本物のふりは、止めることにしたらしい。
汗ばみ、身悶えながらも、薄気味悪い笑みを浮かべつつ、ロゼッタが問うてくる。
じりじりと、人がいない壁の方に、後ずさりしながら。意地汚く活路を見出そうとしているようだ。

805Mii:2020/04/12(日) 19:26:13 ID:1MumzHu6
マリオ「なーんか釈然としないが…嘘は付いてないが、正解でもないんだぞ。
こいつは、ロゼッタだけどロゼッタじゃないんだぞ」

ピーチ「…え?……ニセモノ?ロゼッタの!?
   ――――総員、最大限警戒してっ!!」


リンク「まあ、俺たちの話し合いの結果からすると、
   初期の初期としてはチートっぽい気付き方だったけど……」ポリポリ

クッパ「まあ、そうだな」コホン

マリオ「なにより、金庫に跳ね返されてあっさり引き下がった時点で確定だったな。

   空間魔法に命を懸けてるロゼッタだぞ?
   『あり得ませんっ!なんとしてでも突破して見せますからね!』
   とかなんとか言って、ここぞとばかりに気の済むまでチャレンジするだろうに。

   そもそも、ロゼッタが本気を出したら、カメックたちが集団で頑張ったところで
   魔法レベル差の暴力で一瞬で破れるはずだし」
   
カメック「えっ、酷くない?」



クッパ「というより、ロゼッタが本当に跳ね返されるくらいの術式だったとしたら
   パルテナごときは光の粒と化すか体が切断されてあの世行きだったろうしな」

パルテナ「えっ、酷くない?」

806Mii:2020/04/12(日) 19:29:37 ID:1MumzHu6
>>805訂正

リンク「まあ、俺たちの話し合いの結果からすると、
   初期の初期としてはチートっぽい気付き方だったけど……」ポリポリ

クッパ「まあ、そうだな」コホン

マリオ「なにより、金庫に跳ね返されてあっさり引き下がった時点で確定だったな。

   空間魔法に命を懸けてるロゼッタだぞ?もしも本物なら――
   『あり得ませんっ!なんとしてでも突破して見せますからね!』
   とかなんとか言って、ここぞとばかりに気の済むまでチャレンジするだろうに。

   そもそも、ロゼッタが本気を出したら、カメックたちが集団で頑張ったところで
   魔法レベル差の暴力で一瞬で破れるはずだし」
   
カメック「えっ、酷くない?」



クッパ「というより、ロゼッタが本当に跳ね返されるくらいの術式だったとしたら
   パルテナごときは光の粒と化すか体が切断されてあの世行きだったろうしな」

パルテナ「えっ、酷くない?」

807Mii:2020/04/12(日) 19:32:13 ID:1MumzHu6
ロゼッタ「――――」





ロゼッタ「――――くっ」シュン!

ピット「ああっ!空間転移で逃げたっ!」

マリオ「大丈夫だ!そんなに距離を稼げるわけじゃない!
   おまけにあのニセモノは大したチカラを持っていないからな!

   ただ、観客に絡まれると面倒だ!外には逃がすなっ!
   非公式試合仕様のフィールドに追い立てろ!」ダダダッ!

リンク「りょーかい!」ダダダッ!

ソニック「俺たちから逃げ切れると思うなよっ!」ダダダダダダダダ

ファルコ「――アイツ、もう許さねえぞ!待ちやがれ!」ダダダッ!

フォックス「ファルコがいつになく切れている…!」ダダダッ!

808Mii:2020/04/12(日) 19:38:36 ID:1MumzHu6
ロゼッタ(――――最低です、こんなばれ方をするとは。
     もう、とっとと爆弾を起爆させてしまいましょうか)タタタタッ

ロゼッタ(――!あのフィールドの扉、半開きですね。
     追いかけっこをしたところでじきに追いつかれる…仕方ありません、滑り込みましょう)

バタンッ!

ロゼッタ(はぁ、はぁ……これで時間を稼げます、ね)

ロゼッタ『申し訳ございません、タブー様。このような体たらくとなってしまい……』

     『――まあ、よいだろう。お前が本物ではないと露見したところで、
     私がお前に期待するところは、特に変わりはしない。
     能力余すことなく私に協力し、場を攪乱し、キノコ王国の崩壊に努めよ。
     それさえ達成されたならば、この程度の粗相など些細なことだ』

ロゼッタ『寛大なお言葉、感謝いたし、ます――――っ!?』



リンク「偽ロゼッター!ここかぁー!想定通り過ぎて恐ろしいぜ!」ダンッ!!

マリオ「控室に全員集まってたのに、半開きに『しておいた』扉が閉まってたら
   居場所を教えてるようなもんだよなぁー!
   このあたりのウッカリ具合はしっかり本人から引き継いでるな…!」

ファイターたちが、次々に雪崩れ込んでくる。
たちまち私は、フィールドの中央で――袋の鼠になりました。

809Mii:2020/04/12(日) 19:43:24 ID:1MumzHu6
リンク「もう逃げられないぞ!さあ、観念しろ!
   そんでもって!ここに!最後の証拠を突き付けるっ!」

マリオ「さあさあ、舞台は整った!本物のロゼッタたちの、ご登場だっ!」ポチッ!

ピーチ「本物っ!?いつの間に確保してたのっ!?
    どうして私たちに言ってくれなかったのよ!」

マリオ「…敵を欺くにはまず味方か――――」バシッ

マリオ「…痛いじゃないか」

ピーチ「当たり前よっ!むしろこの程度で済んで感謝しなさい!」



ゴゴゴゴゴゴ……!!!



ロゼッタ「――――!?」

見上げれば、空中に、まばゆい光――
光り輝く空間の裂け目から、登場するはずのなかった3人…いえ、4人…!?
彼女らが、颯爽と登場し――――

ロゼッタ(馬鹿なっ!まさか…あの女が…!
     イレギュラーが、よくもやってくれましたねえ…………!)ギリッ

810Mii:2020/04/12(日) 19:47:12 ID:1MumzHu6
ドキドキ、ハラハラ。
4人の乙女が、皆の待つフィールドへ、飛び降りる形で颯爽と登場――――!
まもなく、地面に降り立ちます――――!



デイジー「にゃはは!『馬鹿なっ!まさか…あの女が…!(ギリッ)』とか思ってそうな、ひっどい顔だねえ!

     …いけっ!ゼルダ!ヒルダ!ロゼッタ!」ヒュゥゥ 

ゼルダ「私たちを指差さないでくださいっ!…まったく。
    それにしても、今の隙のうちにリンクなら不意打ちで一撃のもと倒せますよね。
    …ははあ、そういうことですか」ヒュウウ

ヒルダ「…もう、何を呑気なことをいっているのですか。舌を噛みますよっ!
    罠が仕掛けられている可能性もゼロではありません、気を引き締めて!」ヒュゥゥ

ロゼッタ「さあ…想定通り、ファイターの皆さんが集まったところで――――
     本物と認識してもらいつつ、華麗に登場して見せましたよ、このフィールドに――――
    そう、『イッシュポケモンリーグ』へとっ!」ヒュゥゥ

チコ×2「「わー!」」



――――この程度の高低差、今では何てことはありませんっ!
――――いざっ!着地しますっ!

811Mii:2020/04/12(日) 19:50:16 ID:1MumzHu6
ゼルダ「ハッ!」

ダァーン!!
50kg OVER!▼



ヒルダ「ふっ!」

ダァーン!!
50kg OVER!▼



ロゼッタ「お待たせ、しましたぁっ!!」

ズッシャアアァァ――――ンッ!!!
150kg OVER! 砂煙が 舞っている!▼



ロゼッタ「…………ふえっ?」カアァ

ゼルダ「」

ヒルダ「」

マリオ「」

リンク「」

812Mii:2020/04/12(日) 19:58:08 ID:1MumzHu6
ピット「…150超マイナス40×2だから……
   BW仕様なら上限も設けられてないし……」

パルテナ「やめて差し上げなさい!」ポカッ

ピット「」チーン

ピーチ「そうよ!ロゼッタの身長205cmからすると84kgでようやくBMI20よ、
    まだ痩せてるんだから!たぶん!」ヒソヒソ

Wii Fit トレーナー「はい、至って健康体と思われます」ヒソヒソ

デイジー(ロゼッタ、ほぼ吐き気を催すこともなく、毎日しっかり食べてたからなあ…
     脂肪だけ付いていったわけでもなく体格もしっかり強化されてるし、
     全く悪いことじゃないんだけど……本人はそうは思ってないだろうなあ…)



むらびと「……えっとお、重い方が…本物?」

ロゼッタ「」グサッ

ファルコ「そ、そこは強い方が本物、とかにしておけよ!
     女は体重のことを口出しすると怖えんだよ、知っとけ!」ヒソヒソ

ロゼッタ「――――――――」

ロゼッタ「」ギロッ

フィールド「消し飛ばされそうな殺気をひしひしと感じるぜ!ハハッ!」

813Mii:2020/08/19(水) 20:39:12 ID:sn8BwqIA
ななな、なんですか、このフィールド仕様っ!?顔から火が出るとはこのことです!
こんなフィールドを選択するだなんて…!マリオ、恨みますからねぇっ!!
恥ずかしさと怒りのままに、無性に地団駄を踏みたくなってきました!
…2回目の砂煙とかが起きたら恥の上塗りなので、やめておきましょう。

と、とりあえず、ですねっ!
なんだか激しく体重バレしたような気がしますが、きっと錯覚です!
今はそんなことは捨て置いて、しっかり敵を見据えましょう、ええ!

マリオ「――――よしっ!ロゼッタ!ズルい気はするが、今すぐ制空権を!
    空中庭園《スカイガーデン》を展開してくれっ!そうすりゃタブーも形無しだ!」

リンク「…空中庭園?なんだ、それ?」

御存じのない方は、はて?という顔をされますが。
なるほど、相手の出鼻を挫くのは正当ですね!
分身たちの、そしてタブー本人の得意とする空間魔法を封じ込めてしまいましょう!
所詮分身たちの魔法レベルでは、このS+ランク魔法を行使するなどということは、到底できなかったでしょうから!

ロゼッタ「はいっ、おまかせ――――――――」



ぴしり、と。
杖を振り翳した状態で、思わず、固まってしまいました。



ロゼッタ(そういう私も、S+ランク魔法なんて現状では使えっこないじゃないですかっ!?
     魔法の制御力が落ちたこと、マリオ達に伝えそびれていましたぁ――――!!?)

814Mii:2020/08/19(水) 20:44:58 ID:sn8BwqIA
ロゼッタ(偽)「あら?どうしたのですか?
        ――――まさか、できないのですか?『本物の私』ときたら」クスッ

――悟られた!?

ここに来て、小さく笑って見せる『偽者の私』。
自分に笑われると、なんだか無性に腹が立ちますね。

マリオ「え、おい待て、それは本当に想定外になっちゃうんだけど。
    敵さんは空間魔法を早々と使えなくなるっていう大前提があったんだけど。
    いろいろと計画が狂うんだけど!なんでできないんだ、ロゼッタ!?」

ロゼッタ「え、えっと、ちょっとした事故の副作用で――――っ!」

マリオ「うおぉーい!?報・連・相!!先に言っといてくれよ!」

ロゼッタ「すすすすいません!!」ガバッ

思わずマリオに叫ばれます!
これは平謝りするしか選択肢がありません!

ロゼッタ(偽)「へえ、そうだったんですね。
       何から何までそちらに都合よく、というわけではないようで安心しました」

ニタリ、と嫌な笑い方をして、偽者の私がすぅっと浮かび上がります。
…いえ?浮かび上がるというより、上へと引き寄せられている?
まるで、主と仰ぐ者の元に馳せ参じるかのように。――――まさかっ!

ロゼッタ(偽)「貴方たちは追いつめたつもりなのでしょうが――
       まさか、逆に誘い込まれたとは、思ってもいないのですね」フワァ

815Mii:2020/08/19(水) 20:51:55 ID:sn8BwqIA
マリオ「先行きが不透明になってきたな…手間がやたら掛かりそうだ…
    で?勿体ぶらずにとっとと出てこいや、ラスボスさんよ」



    『――――そこまで言うのなら、致し方ない』



j跪くがよい、とでも言いそうな高圧的な雰囲気とともに…空間がねじ曲がり、亀裂が発生。
ぬるっと、スライムのような軟体性の物体が、突如として――どこからともなく、流れ出してきました――!
無秩序に発光して、各部位がビビッドに存在を主張してきます。

デイジー「何あれ…気持ち悪い…うげぇ」

ピーチ「うん、久しぶりね、デイジー!
    そして、歯に衣着せぬ率直な意見を、代表して出してくれてありがとう」

うにょうにょとグロテスクに蠢いたあと、ほどなくして半透明な人の形をとっていき――
やがて、体格が固定された模様です。
ただ、大きさ自体は波打つように…常時、変化。5メートル〜10メートルを行ったり来たり。
なんというか、ただただ不気味です。ステレオタイプなエイリアン、といった感じです。

     『この会場…いや、この王国もろとも破壊し尽くしてくれる――
      私の復讐劇、とくと味わうがよい――――!』

ピーチ「……はぁ。これ以上、私たちの王国に難癖付けるのはやめて下さる?
    というか、災難がキノコ王国に集中し過ぎよ…」

体調不良も相まって、不機嫌極まりない元首様の嘆きが、力なく発せられて消えていきました。

816Mii:2020/08/19(水) 20:56:15 ID:sn8BwqIA
裏切り者の私の分身体が、フッと追加で現れて…計、3人。
なるほど、ゼルダ姫とヒルダ姫の姿を偽るのはやめたということですか。
今さら、意味ないですもんね。でもあれで…全部のはず。

さきほどまで皆の視線の的だった偽者が浮かび上がっていき…そのままタブーのもとへ。
こうしてみると、2メートル超えの私でも小さく見えますね。
ほら、あんな感じにタブーの肩にストンと座って、しな垂れかかって――
それを受け入れるかのように、タブーが片腕で抱きかかえるようにして――

って、私の姿で何やってくれてるんですか!?別の意味で大問題なんですけどっ!?
私、そんなにふしだらな人間ではありません!目に毒!おぞましい!鳥肌ものです!!
顔面蒼白、大慌ての私を尻目に、顔を赤らめながら流し目でこちらを眺めて、み、せ、て――――
ええ、大層煽情的ですこと。

パルテナ「いかがわしい」

サムス「いかがわしい」

ワリオ「いくら俺でも引くわー」

ロゼッタ「ああああああぁぁ!?」ゾワッ!

817Mii:2020/08/19(水) 21:00:31 ID:sn8BwqIA
なにこれ酷い!酷すぎます!
衆目に晒す事、耐えられません!

ロゼッタ「…………キレました!ええ、流石の私も堪忍袋の緒が切れました!!
     マリオッ!あの破廉恥極まりない、頭からっぽそうな馬鹿面を晒す女狐、
     私がとっとと成敗してしまって構いませんかねっ!?」

マリオ「お、おう。正論とはいえ本人から言われるとすっごくシュール。
    お、俺たちも手助けするから、や…やってみるか?無理はするなよ?」ビクッ



ロゼッタ(偽2)「なにをそんな、強がりを」

ロゼッタ(偽3)「貴方程度に、そんな大それたことができますか?
         大人しく、タブー様に周りが蹂躙される所を…怯えながら眺めていなさい」

残る2人の偽者の私が、憎たらしい顔をしながら、からかうように声をかける。
人を見下して、止まない目です。眩暈がします。
いったい、どれだけこの人たちは――マリオ達に迷惑を掛けてきたというのでしょうか。
もう、想像するだけで泣きたくなります。



自業自得ながら、私自身への今後の風当たりまで――暗雲立ち込めていて。

818Mii:2020/08/19(水) 21:05:12 ID:sn8BwqIA

ロゼッタ(偽2)「…いえ、そもそも――私たちをいつまでも軽んじていることが、
         とてつもない命取りになったり――」シュンッ!



リンク「――ぎっ!?」

クッパ「――なっ!?」

マリオ「――げげっ!?」

――――なんと。
一瞬の隙を狙われて。偽者のうちの1人が、テレポート。
さすが私の分身、とか言っている場合では、ありませんね!



ヒルダ「ひゃっ――――」グッ

ヒルダ姫の背後に突如として現れ、腕を回し――
たちどころに首を絞める体制に入りました――――!

ヒルダ「――――が――ぅ――――」ギチギチ

ピーチ「――っ!」

819Mii:2020/08/19(水) 21:10:35 ID:sn8BwqIA
愉快痛快といった感じで、彼女は興奮気味に話します。

ロゼッタ(偽2)「ゾクゾクしますねぇ…!ああ、動かないでくださいねー、皆さん。
        一人でも何かアクションを起こせば、首をぽきりと折りますよ?
        いくら私でも、この人相手ならばそのくらいのこと、訳ないですよ?
        それなりに筋力差はあるんですからね、ふふ、ふふふ」

無駄に妖絶な顔持ちを醸し出した分身体。…いや、ほんと、やめてください。それはともかく。
致命的な遅れを取ったピーチ姫は、驚愕の顔を隠さないまま固まってしまいました。

サムス「…………お前、最低な奴だな。弱者を狙うなんて。
    陰でコソコソ動いて、同士討ち狙って、挙句の果てに人質か。正々堂々戦うという矜持はないのか?」

ロゼッタ(偽3)「貴方ごときに説教される筋合いはありません。
        すべてはタブー様の思し召し、タブー様の意向ありき――」

マルス「これは、ちょっと、腹立たしすぎる光景だね――吐き気を催すくらい」



どのファイターたちも、動けない。責任を背負えない。ピーチ姫の指示を仰ごうという雰囲気です。
やろうと思えば、1秒先に、ヒルダ姫の命は尽きる、そういうことですか。

820Mii:2020/08/19(水) 21:14:53 ID:sn8BwqIA
ピーチ「ごめん、なさい。痛い、苦しい思いをさせることになるけど、
    ここは心を鬼にして――――」ウルッ

マリオ「……!?駄目だ、ピーチ!大ポカやっちまった!
    今は『乱闘中』制御下じゃない!フィールド内でも残機制度が働かん!!
    死んだらそれまでだ!!」

ピーチ「――――なんで、よぉっ!!」

ここにきて、痛恨の準備不足、紐の掛け間違い――!
ほんとのほんとに、ピーチ姫がなすすべ無しで立ちすくんでしまいました。

ロゼッタ(偽2)「あは♪意気込んでおいて、なんともお粗末なものですね!
        形勢逆転!この駆け引き、私たちの勝利――」











ヒルダ「――――言いたい……こと、は、それ、だけ…ですか?」

821Mii:2020/08/19(水) 21:20:24 ID:sn8BwqIA
ロゼッタ(偽2)「…は?馬鹿なのですか?立場をわきまえていますか?
        少しは黙っておいた方が身のためで――」グググ
(基礎体力レベル:Lv.20)



ヒルダ「――――ふんっ!!」ガンッ!

ヒルダの 頭突き!
ロゼッタ(偽2)の 顔面に クリンヒット!▼

ロゼッタ(偽2)「ふべっ」フラリ


ヒルダ「胴ががら空きですっ!!」ザンッ

ヒルダの 肘突き!▼

ロゼッタ(偽2)「がっ!?」ヨロッ


ヒルダ「吹っ飛べええええぇぇぇ――――っ!!」グワンッ!
(基礎体力レベル:Lv.28)

スマッシュ攻撃発動! ヒルダの ビルダーハンマー!▼

ロゼッタ(偽2)「」バチコーン!

リンク「」

822Mii:2020/08/19(水) 21:24:11 ID:sn8BwqIA
ヒュルルル――――


ゼルダ「あ、ゴミが飛んできましたね。目障りなので蹴っておきましょう」ゲシッ!
(基礎体力レベル:Lv.54)

デイジー直伝! ゼルダの 回し蹴り!▼

ロゼッタ(偽2)「――ぁ――」グシャッ

コンボが つながった!
かいしんの いちげき!▼


ロゼッタ「ぜ、ゼルダ姫!やりすぎです!これ、背骨折れてないですか!?
     やめてあげてください!間違っても死亡させてはなりません!」ダダダッ

ロゼッタ(偽2)「――――そ、そぅで、す。た、す、け、て」ドクドク



ロゼッタ「経験値、しっかり返してもらわないといけませんからね!
     …あれ、もしかして還元されるのを抵抗してますね!?生意気な!
     さっさと返してください!さあ!さあ!」ギュッ

びたぁーん!

ロゼッタ(偽2)「」ベチィッ

マリオ「」

823Mii:2020/08/19(水) 21:31:39 ID:sn8BwqIA
ロゼッタ「あなたがっ!」ブンッ

びたぁーん!

ロゼッタ(偽2)「」ベチィッ


ロゼッタ「経験値を、返すまでっ!」ブンッ

びたぁーーん!

ロゼッタ(偽2)「」ベチィッ


ロゼッタ「足首を掴んで地面に全身を叩きつけることを――やめないっ!!」ブンッ
(基礎体力レベル:Lv.42)

びたぁーーーん!

むらびと「」ガクガクブルブル

ファルコ「真っ赤な花が咲いてるな」ブルブル

クッパ「拷問かな?」ブルブル

824Mii:2020/08/19(水) 21:37:42 ID:sn8BwqIA
ロゼッタ(偽2)「ふ、つ、うに――し、に、たい――」

ロゼッタ(偽2)「」シュウ・・・

ロゼッタ「ほっ、用済みになって消えていきました。1人分、経験値回収成功!
     …血がやたら跳ねちゃいましたけど。汚いです…」

      『……………………』

デイジー「お粗末と自覚してくれててよかったね。
      話が早くて助かるぅー」

まあ、今の私たちの実力なら、こんなところでしょう。
甘く見ていたのは敵も同じのようですね。私たちの努力が功を奏しています。

あれ?残り2人の偽者の私が、怯えて震えている気がするのですが、気のせいでしょうか。
まあ、些細なことなので放っておきましょう。

あと、デイジー姫がドヤ顔をしています。「私が育てた」と書いてありそうな顔です。
…なんだか私としても幸せなので。こちらも放っておきましょう。

825Mii:2020/08/19(水) 21:52:59 ID:sn8BwqIA
ロゼッタ「さて、これで人質は…一切いなくなりまし――――」


ロゼッタ(偽1)「――こ、これを見ても、まだそんなことが言えますかっ!?
        空中庭園《スカイガーデン》――!!」パアアアアアアァァ


タブーとくっ付いていた偽者が、流れを引き戻すべくアクションを――
…え、ええっ?えええっ!?ちょっと、なんでですかっ!?
魔法レベル50程度じゃ、使えない、はず…!

――改めてよく見れば、なんてことはない。
――まさにすぐそばにいるタブーが、同調して光っています。
――あの偽者、タブーの補佐を利用して実力を底上げしてますねっ!意外と考えてた!
――空間能力適性があるタブーなら、可能でも不思議ではありません!

まずいです!相手の空間魔法を封じるどころか、
こちらが制御下に置かれてしまいます!猪口才な!

ゼルダ「ロゼッタ!余計なこと考える暇があるなら、こちらも対抗です!」バッ

ロゼッタ「そ、そうでした!あっちが底上げなら、こちらだって!
     …いやいや、それでもランク的に無理過ぎるような…や、やっては、みます、けど!
     ゼルダ姫、力をお借りしますよ!

     ――――相互演算《ダブルスロット》からの…空中庭園《スカイガーデン》――!」パアアアアァァ

826Mii:2020/08/19(水) 21:59:25 ID:sn8BwqIA
ふたつの結界を張ろうとする力が、何も見えないようでいて確かに激しくぶつかり合い。
私には、互いに相手を押しのけるべく、打ち勝つべく…バチバチと激しい音を立てていることが認識できます。

…あ、やっぱりきつい!?無理が祟って、既に魔法回路が悲鳴を上げています!
底上げがまるで不十分で、ものの3秒で眩暈がしてきました!
ザザーッ…と、視界にノイズまで走ります。我ながら情けないっ…!

リンク「おうおう!俺たちのことも無視すんなよ!
    みんな!ロゼッタがわやくちゃやってる間にタブーを始末すればオシマイ――」


   『――――舐めるなっ!』


ポンッ!ポンッ!ポンッ!


ロゼッタ(偽4)「――――」バッ

ロゼッタ(偽5)「――――」バッ

ロゼッタ(偽6)「――――」バッ


ズラーーッ!!


ロゼッタ「…!?」

827Mii:2020/08/19(水) 22:02:01 ID:sn8BwqIA
リンク「…………げげっ、なんか増えた!?」

ロゼッタ「え―――」

大事な魔法の行使中だというのに、思わず、唖然。

長さ10メートル以上、直径1メートルほど、といったところでしょうか。
タブーが触手のようなものを何本も空間に出現させ、ブンブンと振り回す。
その軌跡が、空間にノイズを走らせたかと思うと――
何人もの、いえ何十人もの分身体を出現させたのです。相変わらず、全員私。わぁい。

あらら?分身体は無秩序に増えない増やさない、という術式の縛りを設けていたのですが、
偽者とタブーとの間でどんな洗練もとい魔改造が働いたのでしょうか。
あんなことをしたらとてつもなくFPを消費するのに…………って。
そういえば、FPに関しては湯水のように使いこなしてのける相手でした!
偽者たちがなんだか羨ましく感じるのは悲しいサガですね!

デイジー「わあ、ロゼッタがいっぱーい。
    人によっては大喜びしそうな光景ですな」

ピーチ「呑気なこと言ってないの!
   ロゼッタ!本気で、空間制御をなんとかして!そうすればみんなまとめて――――」

…が、駄目っ!!
追加召喚された偽者たちの一部が、代表の偽者の傍に集って…
案の定、杖を光らせて助太刀を始めます!術式作用を直列繋ぎ。数の力、わっかりやすい!

828Mii:2020/08/19(水) 22:09:03 ID:sn8BwqIA
ロゼッタ「ぎぎ、ぎ…………一方的に、押され、て――」パアアアアアアア

ゼルダ「スペック差が、モロに……ぐっ」パアアアア

歯を食いしばったところで、押されることには変わりありません。まずいまずいまずい!
おまけに、増えてきたFPがあるとはいえ、たいそう燃費の悪い、この魔法。
ジリ貧すぎて手詰まりです。私が本調子で在ればこんなことには――!


ロゼッタ「ぐうっ!?」バチッ!

ゼルダ「痛っ!?」バチィッ!

ロゼッタ(偽1)「ハッ!!」パアアアアアアア


ロゼッタ(偽1)の スカイガーデンが 競り勝った!
キノコ王国に 相手の スカイガーデンが 展開されている!▼  シィーン・・・!
こちらの 空間魔法は 全て無効化され 再展開もできない!▼



お、おし負けて、しまいました!私の空中庭園、発動失敗!?
バックファイアまで襲い掛かってきて、ゼルダ姫ともども、激しい痛みに腕の焦げ。
さっそく満身創痍なうえに、これでもう、空間魔法ありきの私は戦闘において役立たず同然です。
大変なことになってしまいました…!

829Mii:2020/08/19(水) 22:13:29 ID:sn8BwqIA
ピット「要するにどうなったのピーチ!三行…いや一行で説明よろしく!」

ピーチ「――相手の空間魔法が通り放題、こっちは売り切れ状態になったわ!」

ピット「わかったようなわからないような説明ありがとう!」

パルテナ「――ふむ」シュンッ

Error!
マスター権限がないため空間魔法を展開できません!▼

パルテナ「きゃっ!?テ、テレポートが弾かれました!?」

パルテナさんが確かめていたところで、敵側が矢継ぎ早に次の行動に…って。



    『フィールド、強制転送!』

ロゼッタ(偽)「「「「「「「「ハアアアァァァァァ!!!」」」」」」」」パアアアアアァァ



ロゼッタ「なにか大がかりなことを始めて――――!?
     い、いけません!このフィールドが『召喚』されようとしています!!」

ピーチ「え、ど、どこによ?」

ルイージ「うえっ!?け、景色がぐちゃぐちゃになってきてるよ、兄さ――」

830Mii:2020/08/19(水) 22:18:52 ID:sn8BwqIA
〜メイン会場〜

観客「おーい、いつまで待たせるんだ―!」

観客「早く次の戦いが観たいぞー!」

マスターハンド「もう少々お待ちください!ただ今、お取込み中です!
         いやはや、なかなか時間を潰すことが不得手で恐縮――」

シュンッ!!!

マスターハンド「…………え?」



  『――――始めろ』



ロゼッタ(偽)「「「「「「「「――――――――転生の扉、召喚っ!!」」」」」」」

ぐにゃり。 ぐにゃり。 ぐにゃり。


リンク「――――め、メイン会場、だと!?やっべぇ、本気でやばいぞこれ!!
    それにあの渦、以前にキノコ城を早朝から荒らした――!なんだよ、俺たち超後手後手じゃん!だっせー!」

私たちごと、観客ひしめくメイン会場に強制転移、させられたようです。
騒然とする観客のみなさん。でも、早く危険に気付いて!
おまけに、息つく暇も与えてくれず異次元との繋がりを、何十個も――っ!数は増えていくばかりです…!

831Mii:2020/08/19(水) 22:23:12 ID:sn8BwqIA
マリオ「ピーチ!嘘でもいいから観客落ち着かせろ、最優先っ!!」ヒソヒソ

ピーチ「――――――――っ!!…………すぅ。
    み、皆さんっ!こ、これよりっ!サプライズ演目として!
    『タブーの逆襲 総力戦の段』を執り行います!
    前回大会の演目を覚えていらっしゃる方も!そうでない方も!
    ぜひぜひ、お楽しみ、くださいっ!!」ババーン!

ピーチ姫が、マイクすらないというのに…会場に響き渡る大声で、必死に宣言します。
思考、ためらいはほんの一瞬だけ。なんという肝っ玉でしょうか。
かろうじて騙されるかもしれない、取り繕った笑顔を浮かべて。で、でも…!

フォックス「いやいや、この状況でその発言は流石に苦しいだろ!」コソッ

ファルコ「それで信用するなら、どんだけ王国民はお人よしだってんだ!」コソッ



観客「す、すげええええええ!以前にも増して、リアルな造形だ!
   ファイターたちも全員集合か、気合入ってるな!」

観客「タブーさん、カッコいいぞー!おまけにあの不気味な仕掛け!すごいCG技術だな!」

――――ウオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ!!!!!

マスターハンド「――――なんとー!これは予想外の出来事だあ!(空気読み)」

実況「コロシアムの時空が歪んでしまいました!」

ロゼッタ「すっごくお人よしでした!?」

832Mii:2020/08/19(水) 22:25:46 ID:sn8BwqIA
ピーチ「ならば良し!支持率9割5分は伊達じゃない!
    私の大事な、守るべき王国民たちだもの!」

デイジー「…と、とりあえず、さっさと動き出して分身体たちをなんとか一掃しようよ!
     早く倒せば、それだけ状況の悪化を防げそーだし、
     ロゼッタ本人も空間魔法を使えるように…!」

マリオ「わかってら!…おいみんな、分身体ロゼッタをなぎ倒せ!
    一応、あの渦…いや扉に吸い込まれることには注意しろよ!」

ルイージ「お、おおー!」

ファイターたちが、一斉に飛び出していきます。…あ、私も、ですか。
で、ですが…空間魔法の使えない私では、いかんせん何ともしがたく…!

デイジー「なーにを思案してるの、ロゼッタ!忘れたの!
     今の貴方なら、肉弾戦だってじゅーぶんできるよ!
     ささ、パンチでもキックでも何でも、偽者たちにぶつけちゃえ!」グイッ

ロゼッタ「は、はいっ!そ、そうですよね、後ろ向きは駄目ですよね!
     やるだけやってみます!」

そう言って、たちまち身を躍らせていくデイジー姫。流石です。
気を取り直して、私も…顔をぴしゃりと叩いたあと、駆けだしていきました。

833Mii:2020/08/19(水) 22:31:06 ID:sn8BwqIA
とりあえず、一番近くにいた私の分身に照準。
ジャンプ一番、空間魔法などなしに近づいて…!手加減無し、フルパワーで!

ロゼッタ(偽)「…!?」

ロゼッタ「えいっ!!」

油断しているところに、ドズンッ!といい音を立てて、鳩尾にキツーイ一撃!

ロゼッタ(偽)「がはっ――」フラッ

ロゼッタ「続けて、もう一発!!」ブンッ!


渾身のパンチが、続けてクリンヒット!
デイジー姫の見よう見真似ですが、中々、さまになりました!
その後も、もう一発、更にもう一発と攻め立てます。
パシパシパシと、都合10発ほど当てたところで…。

ロゼッタ(偽)「」シュウ・・・

ロゼッタ「…よし、倒せました!経験値も回収できてなによりです!…ん?経験値?あれ?
     …なんだかんだ言って、特訓を開始した初期の初期の、ゼルダ姫の少し下…
     程度には、今の私って基礎体力付いてるんでしたっけ。この位の芸当はできますか。
 
     我ながら凄い成長速度…いえ、デイジー姫さまさまの成長速度ですね!この勢いで――――」

834Mii:2020/08/19(水) 22:33:40 ID:sn8BwqIA
「お嬢さん、そいつはちょっと勘違いしているぜ」



ロゼッタ「…え?」クルッ

突然の声掛けに振り返ってみると、そこにいらっしゃったのは恰幅のよい男性。
いきなり、どうしたことでしょう。

ドック「おっと失礼、自己紹介がまだだったな…えーっと、ロゼッタ、だったか。
    俺の名はドック・ルイス。マックのトレーナーだ。
    マックってのは、そこにいるボクサーな!アンタに比べると小さいだろ!
    でも、こんな低身長でもれっきとしたファイターなんだぜ!」ニコニコ

マック「よろしくな!」

ロゼッタ「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」

ついつい、緊急事態さなかというのに呑気に挨拶などしてしまいました。

ドック「あれだな!アンタの素質は、中々見どころがある!
    だというのに、レベル差があれだけある相手に対して、
    あーんなド素人のヘナチョコパンチの連打で満足しているってのが、
    俺としては我慢がならない!
    しっかりと軸を合わせ捻りを利かせ、体重を乗せたインパクトパンチなら、
    最低でも二撃で…場合によっちゃ一撃で倒せたはずだ!」

ロゼッタ「…え?」

835Mii:2020/08/27(木) 05:51:03 ID:itVbnddE
ドック「いいか?パンチを繰り出すときはだな――」

ガシッ!

ロゼッタ「」

ドック「腰をこう動かして、体重をこう乗せて――」

ロゼッタ「――――きゃああああああ!!」ガンッ!!

ドック「ぐふぅ!?」ヨロッ

い、いいいいい、今、ためらいもなく腰回りを抱きかかえてきましたよ、この男!
痴漢です!変質者です!いつぞやのワリオ以上です!!
ワリオはせいぜいお尻を撫でる程度だったのに!それも大概ですが!
つい殴ってしまいましたが、私は悪くありません!殴り足りないくらいです!!

マック「…ドック、流石に今のは…ないだろ。ロゼッタが正しいと思うんだが」

ドック「…あっはっは、ついついマックの面倒見るときと同じように、指導者として動いちまった」

ロゼッタ「フーッ!フーッ!言い訳無用!警戒心マックスですよ、今の私!
     覚えておいてくださいねっ、あとでピーチ姫のところに突き出します!」

マック「すまない、ロゼッタ。ドックも悪気はなかったんだ…………たぶん」ポリポリ

――たぶん、が付いた! 全く信用なりません!!

836Mii:2020/08/27(木) 05:56:21 ID:itVbnddE
ドック「豚箱送りは御免被りたいな…よーし!じゃあ罪滅ぼしとして、即席でお前さんを…
    一流のボクサーに仕立て上げてやろうじゃないか!腕が鳴るぜ!
    実験台の敵は、周りに掃いて捨てるほどいるみたいだしな!

    どうだ?俺のナイスな指導を受けてみないか?」キラッ☆

ロゼッタ「ガルルルルル……」

マック「…まあ、確かに。俺から見ると、眩しいくらいに恵まれた体格だからな。
    ドックが鍛えてみたいと思うのも、わからないではないけれど」ウンウン

ロゼッタ「…体格、ですか。そんなものでしょうか」

マック「そりゃあそうだろ、その…2mを超す、身長!」

ドック「そりゃあそうだろう、その…すでにある上にまだまだ成長が見込まれる、胸!

    …じゃなかった、そう、身長だ身長!」

ロゼッタ「……」ピキピキ

…ここで成敗してしまったほうがいい類の人間でしょうか。

マック「…やっぱり悪気があったかもしれない。深く謝罪します。
    責任をもって俺がK.O.して反省させておく」

ドック「あっ、その、いや、ちょっと待ってマックさん!?落ち着こうジャマイカ!」

ロゼッタ「ええ…ええ…ほんとうに、心の底から、お願いしたいですよ――
      身内の管理くらい、しっかりと――」

837Mii:2020/08/27(木) 06:00:22 ID:itVbnddE



ザッ・・・・・・・



一瞬、集中力をやや切らせていたら――何事かと、思いました。



マック「――――――――K. O. アッパアアアアアァァァァ――――!!」

ドック「NOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」

ズガアアアアアアアァァーーン!!

ロゼッタ「――――――――っ!?」ビクゥッ!

駆け抜ける、凄まじい風圧。
面食らって、怯んで、瞬きを何度も。

私からするとやや身長が低い(とは言ってもマリオより高いのですが)彼が、
おもむろに精神を研ぎ澄ませたと思ったら、たちまち拳を繰り出し――
ドックを、勢いよく、壁にめり込ませてみせたのです。
…いえ。壁にぶつかったドックは、勢いそのまま壁を突き破って、彼方まで――!

な、なんですかあの威力!?た、ただのパンチで!?
活性化状態のデイジー姫ですら、ここまでの威力はなかったはずですが…!?

838Mii:2020/08/27(木) 06:05:16 ID:itVbnddE
マック「…とまあ、こんなところで手打ちにしてくれない、かなあ。
    納得はしてくれないと、思うんだけど、うん。どうかこの通り俺に免じて…」ペコリ

先ほどの鮮やかな拳から一転。縮こまって、本当に申し訳なさそうにしていらっしゃるマックさん。
ですが、私はそれどころではありません。

ロゼッタ「」

ロゼッタ「」

ロゼッタ「――今の、規格外の、威力はっ!?」

意識をようやくまともにするやいなや、思わず彼に詰め寄ってしまうほど。

マック「あ、今の?俺、戦闘力のバランスが両極端でさ。
   空中戦だと本当にお荷物になるんだけれど、地に足付く限り――
   怒涛の攻撃を繰り出せるパンチの申し子なんだぜ!自分で言うのもなんだが!
   鍛え抜き、洗練した結果がこれさ!…まあ、ドックのおかげ、かな、はは。
   ロゼッタには早速嫌われたみたいだけど。

   瞬間的な爆発力だけなら、マリオやクッパクラスに匹敵するはず!
   とは言っても、中々当たってくれないんだけどな、残念ながら。
   わざわざ俺の得意な土俵で戦ってくれやしないからなあ…とほほ」

ロゼッタ「…………!」

ごくり。最悪な出会いからでしたが、好奇心がもたげてきます。
喉から手が出るほど、その威力の片鱗に預かりたい。
もちろん、1日2日でどうにかなるなんて思っていませんが、
コツだけでも掴みたい!体格を活かせるというのなら、尚更に!

839Mii:2020/08/27(木) 06:08:43 ID:itVbnddE
ロゼッタ「…………思う所は、まだあったりはするのですが…
     気が変わりました!指導、受けます!」

ドック「そうこなくっちゃあ!」ダダダダダッ!!

マック「復活はやっ!?」

ドック「いや、残機減ったからな!?残機システムが再稼働しててよかった…!
   死ぬかと思ったぞ、うぷっ…!…というか死んでたわ、あはは!
   たくっ、誰のせいだ!お前らのせいだ!」

ロゼッタ「貴方のせいです」

マック「鏡を見てくれ」

ドック「うっ…まあ、細かいことはいいじゃないか、HAHAHAHAHA!
    じゃあ、レッスンやっていくぜ!容赦はしないからしっかり付いてきな!」

ロゼッタ「体触ろうとしたら、躊躇いなく命もろとも『削り』ますからねっ!」ギロッ

ドック「ワカリマシタ。デモ、シドウナイヨウハ、チャントキイテネ?」ブルッ



なんだが怪しげな香りがしますが、ちょっと試させて頂きましょう!

840Mii:2020/08/27(木) 06:12:36 ID:itVbnddE
ロゼッタが、接点のなさそうなリトルマックらと何か画策し、駆けていく。
思わず声掛けしようとして、躊躇して止めてしまう。
…きっと、意味があるのでしょう。好きにさせてあげよう。

そうこうしているうちに、ソニックが自慢の超速アタックを…
「大元の偽者3人のうち3人目」に仕掛けて、一気に吹き飛ばす。

ロゼッタ(偽3)「ふ、ぐっ…!?」ガンッ

ソニック「それで警戒してたつもりかよ!」ビュンッ!

警戒が足らなかったか、なすすべもなく吹き飛ぶ偽ロゼッタ。
しめたとばかりに、アイクが迷わず剣を一貫!…よし、消し飛ばせたわ!
ちょっとビクッとなったけど、FE勢は敵と判断すれば躊躇なく人を斬れるわね。
殴り飛ばしたりするのとは覚悟が、訳が違う…というのは私の勝手なエゴかしら。

とりあえず…2人の戦闘力と、ロゼッタの戦闘力との差からすれば当然の結果ね。
残る大元の偽者は、タブーの傍にいつまでも控える1人だけ!

ヒルダは、3か月前とは打って変わって、中々の応戦中。
どこからともなく取り出した、燃え盛るハンマー片手に…
あ、何やら魔人っぽいのを繰り出したわね。呆れるくらい、凄い進歩!
少なくとも、今すぐ手助けしなければやられる…なんて心配はないみたい。

ゼルダは、かなり私に戦闘力が近付いた、かしら。
魔法一辺倒の境地からは脱却して、一皮むけた感じがあるわ。
まだまだ負けてはあげないけれどね。

…うん。デイジーが、かなりうまいこと、事を運んでくれていたみたい。
幸運と、彼女らのひたすらな努力に、感謝、感謝!

841Mii:2020/08/27(木) 06:16:16 ID:itVbnddE
…ただし、事態は必ずしも好転してはいない。

ピーチ(…今、すべきこと。私は、目の前の状況に集中、集中――)

体調が芳しくないのは百も承知。
マリオ達が策を練っていたみたいだけれど、アクシデント発生ですこぶる不安。
でも、私は私なんだから、責任しっかり果たさないと!

ロゼッタ(偽)「…ふふ」シュンッ!

シュン! シュン! シュンッ!!

デデデ「うおー!こいつら腹立つ!生意気なヤツらめ!
    勝てないと踏んだらテレポート連続での回避作戦に切り替えたぞい!
    攻撃を当てろと言う方がどうかしてる!はやく倒して、扉を塞ぎたいのに!」

ソニック「は、速いな!俊足かつ瞬速の俺でも、
    数Fでそんなにあっちこっちに動かれちゃあ、敵わないぜ!
    とりあえず、他の雑魚たちから片付けて――」

パルテナ「しくしく、テレポート使えれば追い縋れる可能性もあったのに…!
     …あれっ!反射板も使えない!?ひゃあっ!ブレスを防げません!」

ルフレ「あぐっ!…そもそも僕やルキナのレベルだと、1対1でも五分、くらいです。
    このままだと物量差であからさまに劣勢に――役に立てず、申し訳ありません…」

ピット「このスレの設定からしてそれはしょうがないから!無理だけはしないでよ!
    …おっと、ルフレ狙いのそのビームは僕が処理しておこう」パシッ

842Mii:2020/08/27(木) 06:21:05 ID:itVbnddE
ピーチ(回避特化戦法!浪費するFPはタブーがカバー!?
     おまけに後ろでは絶賛ロゼッタの分身体が増殖中!?
     時間が経つほどむしろ増えてない!?FPありすぎ!)

おまけに、さっきから。
ビームやら火炎やら、はたまた剣戟、弓矢やら。ロゼッタに似つかわしくない「障害」が…。
飛び交い、ぶつかり合うのが、おわかりかしら。

「転生の扉」とやらの狙いの結果が、侵食を始めているわ…!



   『出でよ、異形の者たちよ。この王国を、ただひたすらに荒らし尽くせ』



それぞれの扉から、続々と出現するは…!

「「「「オレタチ、オマエラ、ミナゴロシー!」」」」ワラワラ

リンク「……なっ!?ボコブリン、ブルブリン、スタルベビー、ガーナイル…
    あいつらってハイラルの魔物どもじゃないか、何で!?」



「「「「ひとあばれ、してやるか――――」」」」

ルフレ「なん…だと!?ジェネラル、スナイパー、グレートナイトにドラゴンマスター…
    馬鹿な、僕たちの国の傭兵や屍兵なのかい!?」

843Mii:2020/08/27(木) 06:23:50 ID:itVbnddE
キノピオ「ひ、姫様ぁ!良いお知らせと悪いお知らせがあります!」ダダッ!

ピーチ「…………良い方からお願い!」

キノピオ「は、はい!ひとまず、観客席へのバリア機構の展開、完了!
     並びに、適用モードの『乱闘中』切換え、済ませました!
     今の皆さんは、フィールド内にいる限り、残機制度に守られてます!」

ピーチ「ありがと!助かるわ!でも、バリアも絶対的な物じゃないし、
    いつ何時、敵の空間魔法で穴が空くか分からないわ!信用はし過ぎないで!
    それで、悪い方のお知らせって!?」

キノピオ「各中継地からの報告ではっ!街中にも、小規模ながら、
     『あれ』と似たような扉が複数出現したことが確認されっ!
     一般人からすると十分すぎる量の魔物が現れて、
     初動の段階で自警団がてんやわんやの状況とのこと!
     
     急ぎ、ファイターの皆さんの戦力をある程度割いて、助太刀が欲しいとのことであります!」

ファルコ「マジかよ!さすがにもう言い訳もできねぇだろ!
    本当のこと、ここにいる観客どもに伝えた方がいいんじゃねーのか!」

ピーチ「…それは最終手段っ!バリアのおかげで、ある程度は安全だから、
    パニック回避を優先させて…このまま話を押し通すわ!責任は私が全部負うからっ!
    …会場の外の件は、わかったわ!急ぎ、分担構成を――――」シュンッ!

キノピオ「!?」

ファルコ「…は!?」

844Mii:2020/08/27(木) 06:27:32 ID:itVbnddE
ロゼッタ(フィールド内だけでも、しっちゃかめっちゃかになってますね…!)

…おまけに、なんだか会場外も騒がしくなっているみたいなんですけど…!
戦いの場所が、どんどん拡散してしまっているのですか…!?
更に性質の悪いことに、敵の数を減らすどころか「増え方を抑える」に留まるありさま。
ふと見れば、マリオやクッパが怒涛の範囲攻撃で、敵を根こそぎ刈り取ってはいるみたいですが…!

リンク「…とりま、数が多すぎる!魔物にしても分身体にしても!
   おまけに俺、何気に全体攻撃技に乏しいしっ!!
   これじゃあ埒があかない!一気に倒すにはどうすれば――――
   あああ、なんか、ファイターが各自の判断で会場内外の分担を決めて
   飛び出して行っちゃってるし…!!おいおい、統率どうするんだよ――!

   ところでロゼッタさんは一体、何をやっとるんですか?」



ドック「スピードだ、ロゼッタ!もっと速く!」

ロゼッタ「は、はいっ!」

ドック「気合を入れろ!気合だ!」

ロゼッタ「はっ!せいっ!」ブンッ!

ドック「ひだり、みぎ!ひだり、みぎ!! そうだ、その感じだ!その調子だ、ロゼッタ!」

ロゼッタ「ひだり、みぎ、ひだり、みぎ…!!」ガンッ! ガンッ!

845Mii:2020/08/27(木) 06:31:11 ID:itVbnddE
ドック「打て!もっと強く!」

ロゼッタ「そ、そんな無茶苦茶な――」

ドック「もっと速く打て!お前ならできる!」

ロゼッタ「もう限界なんですけどっ!!」

…ドック氏の指導のもと、マックの動きを参考にしつつ、
魔物達を殴って殴って殴り続けています。柄にもなく。
…うぅ、ときたま変な色の返り血が飛んできますよぉ…!
でも、傭兵にしろ人間を殴り殺す勇気は、まだ未熟者の私にはありません…勝手で本当にすいません。
分身体の私はノーカンです。相手に残機ありと分かっているときもノーカンです。

リンク「何遊んでるんだよ、ロゼッタ!適材適所、魔法にチカラを割いてくれよ!」

ロゼッタ「遊んでませんよ!ですから今の私、魔法に頼り切れないんですってば!」

マック「そ、そうだぞ!ついでに、ちょっと猛特訓してるだけだ!」



リンクがジト目で私をみています。

846Mii:2020/08/29(土) 17:40:35 ID:kKysAgF6
ちなみに、魔法を一切試していない…なんてこと、さらさらないんですよ!
使おうとは、したんですよ!

私の超広範囲回復魔法、「Starlit Wish《星に願いを》」。
私自身はあんまり自覚がありませんが、キノコ城城下くらいなら楽々覆える範囲全体に
最大HP50%回復という効果を与える、ぶっ壊れ性能(とピーチ姫は宣います)のS++クラス回復魔法です。

空間魔法ではないので、当然ながら空中庭園《スカイガーデン》の影響は受けません。
これを、数分間隔でちまちま発動させれば、私のあずかり知らぬところで
死傷者を大幅に減らせてめでたしめでたし!…みたいなのが理想だったのですが。

なにぶん、S++ランク魔法なので。はい。今は使えません。 実体験です。意識を持って行かれかけました。
すぐさま魔法行使を破棄できたのが幸い。仕方ない犠牲として、結構なFPとHPが無駄に奪われて行きました。

不幸中の幸いとして、高すぎるランクのおかげで――
タブーの助太刀を以てしても、敵方も使えないらしいことですね。
もしこれが、『偽者全員が持ち回りで』使ってきて、倒し切らない魔物が次々と全快…
なんてことになっていたら、色々と詰んでいました。

息を荒くして、ちょっと休憩。
周囲も激しい攻防戦が繰り広げられています。観客席に届かんとする爆風、火花。

…これをアトラクションの一環と納得できる観客も、大物ですね。
…いえ、心のどこかでは「本当にそうか?」と思っているとしても、
ピーチ姫への絶対的な信頼があるのでしょう。
通常時が万全だからこそ、非常時もぐらつかずに済むということですね。

847Mii:2020/08/29(土) 17:45:25 ID:kKysAgF6
ロゼッタ「それにしても――あの分身体たちは、どうして腕輪を付けているのですか?」

ふと。心の奥底にあった素朴な疑問を、私は呟きました。
それを耳に挟んで、リンクがバッと振り向きます。そして、近づいて耳打ち。

リンク「腕輪…?ああ!それなら、俺たちが目印代わりにわざと持たせた。
   ほれ、タブーんとこの偽者が付けてるだろ?一緒に増殖してんだな、うっぜー。
   だが、どのみち増殖されるんじゃ、持たせた大元を今さら倒してもな…」

ロゼッタ「…!?そ、それは違います!うっかりしていました!
    いくらタブーと言えど、模倣に模倣を重ねると構成要素の劣化が抑えきれません。
    その大元の分身体を雛型として大事にしながら、コピーを作り出しているはず。

    貴方たちが腕輪を持たせた…大元を叩くことは十分に意味が有ります!
    おそらく、可能な限りの防御面の強化は掛けられているでしょうが…!」

もうちょっと早く勘付くべきでした!
彼女を倒したからといって、ほかの分身体がフッと消えるわけではありませんが、
とりあえず倒せるなら早めに倒しておくのが吉です!

リンク「…!!じゃあ、あいつ1人を倒せば、とりあえずこれ以上の分身体製造は
    防げそうなんだな!でかしたロゼッタ!」

まさしく、是、です。術者を倒して空中庭園を解除する面でも理にかなっています。
…まあ、そちらの方は数任せで再度構築されてしまうのでしょうけれど。

848Mii:2020/08/29(土) 17:50:36 ID:kKysAgF6
明るい情報を得たリンクが、颯爽と突撃。羽の生えたような飛翔。
は、速いです!なんですかあの加速力!?あれでもソニックより遅いだなんて…!

狙うはもちろん、腕輪を渡した偽者。しかし、案の定、転移で回避。
剣の切っ先が空ぶります。そして震える周囲の空間。当たれば当然一撃でしたね。
あまりの斬撃に、向こう側の浮遊足場にズバッと斬り跡が付きました。うわぁ。

相手もあれでなかなか、警戒するようになってきました。
それでは隣のタブーはというと、即席でディメーン顔負けの隔壁を張って…
不意打ち対策、でしょうか。リンクの転進攻撃を諦めさせる効果はあったみたい。

正直、隔壁一つ一つは、本調子の私基準からするとかなり粗かったりするのですが、
とにもかくにも枚数を稼いでいるので…攻撃を届かせるのは至難の業のよう。



…私が修業も何もせず、のんびり過ごしていれば。
私の基礎体力レベルは上がっていなくても空中庭園をとっとと使うことができて、もっと楽に勝てたんじゃあ…
という疑惑が頭の片隅にポンと出現したのですが、あえて意識を逸らしましょう。精神面のうえで。



リンク「ちぇっ、3強の攻撃なんだから当たってくれよ。ほらほらー。
    もれなく、えーっと、本体に吸収される権利をプレゼントするぜ?」

ロゼッタ(偽1)「聞くに堪えませんね。
        今の私は、多大なチカラをタブー様に与えられ、空間魔法を使い放題、発揮し放題。 
        攻撃など一切、食らいませんよ。貴方も、崇め奉るがよいでしょう」

心の底からそう思っている、したり顔。

849Mii:2020/08/29(土) 17:57:42 ID:kKysAgF6
そんな相手でも、リンクはある程度、余裕を取り戻した感じです。

リンク「でもさ。それって、絶対無敵…とかじゃなくて、単に
   『当たらなければどうということはない』を実践してるだけだよな?

   つまり、そこそこ強力な攻撃を、ただ当てれば勝ちだ。子供でも分かる簡単な話だよ」

ロゼッタ(偽1)「無駄口を叩く暇があるなら、他の分身体を減らすことを考えるのはどうですか?
         当たるとお思いで?今の私に……!」

いつでも空間魔法を繰り出せる、そうあざ笑うかのように。
彼女の周りは、ゆらゆらと空間がブレています。誰もが、警戒を忘れないはず。

リンク「えらく大口を叩くんだな、後悔しても知らないぞ。
    ――当たるかどうか、じゃない。当てるんだ」

絶対の自信を持って、10メートルほど浮かんだ位置で。偽者は天を掲げ、声高々と宣います。
うっすらと闇の衣…ですか?黒くて紫っぽくて、とにかく変な靄を纏って――
まさに闇堕ちしたって感じです。相変わらず腹が立ちますね、だれか天罰を与えてほしい。

アイク「くっ…!」

クッパJr.「ムカつくなあ…」

ポケトレ「……」

850Mii:2020/08/29(土) 18:03:21 ID:kKysAgF6
ロゼッタ(偽1)「今は残念ながら真昼間、かのような晴天ですが。
         それすなわち、太陽の光が無ければ、れっきとした――『星天』。
         星の力、それすなわち私の力。私の土俵、そのものなのですよ」

マリオ「フンッ!…これも躱すか!」

示し合わせたかのように背後からマリオが迫りますが、これすらも相手は回避。
リンクが弓を番えていますが、どうにも当たる情景が想像できかねるのか、射るのを躊躇っています。
星の力すなわち私の力、ですか。合っているだけに、貴方に横取りされたい台詞ではありませんでした。

FP使い放題というのは、ここまでレベル差を埋めてしまうものですね。
それだけ私の空間魔法は凄い、ということ、なんですかね。「常時発動できさえすれば」。
今は喜んでいる場合ではないですが!かつてのディメーンよりも厄介ですね、どうすれば――

ロゼッタ(偽1)「3強とやらも、この程度ですよね」シュンッ!

マリオ「…………」

リンク「…………」

ポケトレ「…………」スッ

彼女は、いつまでも、天に手をかざすことを止めずに。
紅潮した、悦に入った状態で――――!

ロゼッタ(偽1)「タブー様の恩寵に加え!

        星々の加護を一心に受ける、この私に!

        立ち向かうなど、何と哀れで浅はかな――――」バッ

851Mii:2020/08/29(土) 18:07:10 ID:kKysAgF6








ポケトレ「ゼニガメ、『あまごい』」








ドッザアアアアアアァァァァァァ――――!!!!

実況「コロシアムは――――――――
   いきなり土砂降りになりましたぁ――――――――っ!!」

ロゼッタ(偽1)「」



マリオ「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」ビクゥッ!

デイジー「しゃべった程度で、そこまで驚かなくていいじゃない!」

852Mii:2020/08/29(土) 18:12:15 ID:kKysAgF6
…カラッと晴れていた天気が一転。厚くてまっ黒な雲が爆誕し、酷い雨模様になりました!?
しとしと、なんて表現では全然足りません。たちまち全員ずぶぬれに。
まあ、下着が透けるような不手際は起こしませんが。…あ、返り血がちょっと誤魔化せました。わーい。
よくよく見ると…あら?会場の外は今まで通り晴れています…。何故。

ロゼッタ(偽1)「い、一体どうやって――
        
        …………ふ、ふふ。なんですか、当てつけですか?言葉の綾とは下らない。
        別に雨が降っていようと、まったく影響なんてないんですけど?」

ロゼッタ(そ、それもそうですよね、一体どうして――)

マリオ「…しゃーない。そこまで回避自慢したいなら手札を切るか。
    ちょっと大人げないけど悪く思うな。用意周到と言って欲しい」

リンク「いざとなったら回避作戦を使われるかも…って予想、ドンピシャだったな。
   おーいみんな!電気系の攻撃を使える奴、適当な方向に使え!」

ルイージ「よくわからないけど…任せて兄さん、リンク!――サンダーハンドッ!」バッ

ロックマン「――スパークショック!」

ルフレ「考える前に動きますが、威力には期待しないでくださいね――ギガサンダー!」

ブラックピット「フン、手間かけさせやがって――――豪腕デンショッカー!」

ネス「――PKサンダー!…ほら、リュカも!」

リュカ「ぼ、僕もここにいていいのかなあ…ええい!――PKサンダー!」

853Mii:2020/08/29(土) 18:17:03 ID:kKysAgF6
リンクの号令に従い、使える人達が、技や魔法を発動!
しかし、本当に無茶苦茶に撃って行くばかりで、偽者には届きもしません――はて?

ロゼッタ(偽1)「てんで出鱈目な方向に使って、それがどうしたというのですか――――」

ロゼッタ「…あれ?そういえば、電気の代表的存在のピカチュウは何をして…?」クルッ



ピカチュウは 避雷針で サンダーハンドを 引き寄せた!
特攻が上がった!▼

ピカチュウは 避雷針で スパークショックを 引き寄せた!
特攻が上がった!▼

ピカチュウは 避雷針で ギガサンダーを 引き寄せた!
特攻が上がった!▼

ピカチュウは 避雷針で 豪腕デンショッカーを 引き寄せた!
特攻が上がった!▼

ピカチュウは 避雷針で PKサンダーを 引き寄せた!
特攻が上がった!▼

ピカチュウは 避雷針で PKサンダーを 引き寄せた!
特攻が上がった!▼

ロゼッタ(偽1)「…………???」

ロゼッタ「」

854Mii:2020/08/29(土) 18:21:04 ID:kKysAgF6
ピカチュウ「ピッカアァー!!」ググーン!!

ピット「」

ピット「」

ピット「まさか……マリオさん!ねえ、マリオさん!ちょっとちょっと!
   これはちょっと、ベタすぎやしませんか!?読者が怒りますよ!」

パルテナ「そうですよ!いくらなんでも、このオチは酷くないですかっ!」

マリオ「…訳の分からないことを叫ぶなよ、まったく。さてと――」

ビリビリと、凄く帯電したピカチュウが、ポケモントレーナーさんの肩を伝って頭によじ登り。
少し身を屈めて、力を込めまして――――あれ、なにやら猛烈に嫌な予感が!

ポケトレ「……」グッ

マリオ「また黙るんかい…いけっ!ピカチュウ!君に決めた!」

リンク「あそこにいる偽者ロゼッタに向かって、最大パワーで―― か み な り !」ビシィッ!

ロゼッタ「うわあああああああっ!?区別つかないとかでとばっちり受けそうですっ!」ザクッ ザクッ

ロゼッタは 無理やり穴を掘って 地中に潜った!▼

フォックス「本物の方のロゼッタが奇行に走っている件について」

デイジー「不幸体質に慣れちゃったんだね…大丈夫だから出ておいで―。
     あと、行動自体は私のせい、絶対」ホロリ

855Mii:2020/08/29(土) 18:26:20 ID:kKysAgF6
ピカチュウ「ピ〜〜カ〜〜…………チュウウウウウウウ!!!」カッ

ピカチュウの かみなり!▼


天の怒りが、稲光が、颯爽と落ちてくる――


ロゼッタ(偽1)「こんなもの――」シュンッ!

相変わらず、それすらもテレポートで事前回避し――



マリオ「業界の常識に疎いロゼッタで助かったぜ。冥土の土産に教えてやるよ――――」

リンク「最近の研究、もとい俺の実体験から分かってきたことなんだけどさ――――」



迅雷が たちまち方向転換して 追いすがる!
よ け ら れ な い!▼



マリオ「ポケモンが使用した、雨天時の雷は――――無茶苦茶当たりやすいっ!!」

リンク「導電性の高い装備を装着していると――――雷を自身に引き寄せるっ!!」

ロゼッタ(偽1)「…!?」

856Mii:2020/08/29(土) 18:30:58 ID:kKysAgF6
ロゼッタ(偽1)は 咄嗟に隔壁を使って 身を隠した!



――――雷は 隔壁を ひらりと避けた!!
――――効果がない!▼



ロゼッタ(偽1)「…い、ぎっ!?」

辛うじて身を逸らして間一髪避けたものの、超至近距離を通過した雷が――
偽者の体に、ザクッとまっ黒な焼け跡を残します。
何か、纏っていたものがパリンと弾け砕ける音。
掠めただけで、タブーの恩寵、一瞬にして失う破壊力ですか!

それだけではありません。ピカチュウは何も指示していない、操っていないのに、
雷はある程度進んだ先でカクンと折れ曲がって――怒涛の勢いで目標を再度ロックオン!
テレポートまで行使したのに…転移先に、回避したはずの雷が「先読みで」迫ってきていたら、
それはそれは恐ろしいですよね、うん!私に飛んでこなくてよかった!

「ゲーム」のように速やかに完全必中…とまではいかないようですが。
明らかに、雷の軌跡が、敵を自動追尾!?
何度転移しても、そのたびに――まるで意思を持つかのように、雷が――
轟音伴いつつ、たちまち迫りゆく!!恐ろしい因果律の操作です!

857Mii:2020/08/29(土) 18:48:48 ID:kKysAgF6
リンク「悪いな!そのシルバーリングもまた、クッパ軍に作って貰った呪いの品でさ!
    秘宝でも宝具でもなんでもないし、一度付けたら、ちょっとやそっとじゃ外れないぜ。
    耐久10倍効果とかも嘘っぱち。前は俺が手を抜いてただけ。驚いたー?」

ロゼッタ(偽1)「…………!!」ギリッ

偽者から、余裕というものが無くなります。
むしろ、変に腕輪をひっぺがそうとしたせいで、確実に時間をロスして、とうとう――――

リンク「あーたーれぇ――――!!」グッ



ビシャアアアアアアアアアーーーン!!

ロゼッタ(偽1)「―ぁ――――」シュウ・・・



雨降りしきるフィールドに、特大の放電フィナーレ。
激しすぎる光に包まれて、偽者はたちまち滅されていきました。

フォックス「敵機撃墜ぃ!流石にこれは躱しきれないよなぁ!」



信じられないものを見たかのように、周囲の分身体たちも動きを止めてしまっています。

858Mii:2020/08/29(土) 18:51:20 ID:kKysAgF6
リンク「意義があるんなら、悲観し過ぎずに最初っから仕込みを使うべきだったな…!」

マリオ「いやでも、力及ばなかったみたいで嫌じゃないか…できれば頼りたくなかった」

リンク「一人でも不幸な人を減らすためなら?」

マリオ「躊躇わず使う、当然だな」

リンク「おう、それでいいんだよ」

ロゼッタ(相変わらず、規格外すぎる方々ですね)



クッパ「…ちっ、だからといって、不気味な扉や他の分身体が、
   いきなりフッと消えてくれるわけではないらしいのだ。
   まだまだやることは多そうなのだ!」

そう、ですよね。まだまだ気は抜いていられませんよね。



    『……………………』



…なんだか、タブーの方も、あんまりショックを受けているようにみえません。
次の作戦に移ったからもうどうでもいい、用済みだ…ということでしょうか。
分身体、哀れなり。同情はいたしません。

859Mii:2020/08/29(土) 18:56:09 ID:kKysAgF6
マリオ「だいたいだな、なんだよあの異形の者たち。
    落ち着いて考えてみりゃ、おかしいだろ。
    キノコ王国の敵を呼ぶならまだしも、一体全体、何がどうなって――」

    『失笑したくなるほど察しが悪い。…まあ、よかろう。
    見事、彼女を倒したことに敬意を表し、開示してやろうか。
    すなわち、こういう、事に過ぎない』

リンク「そいつは助かる。思い違いの強者の余裕って奴かな?
    ぜひとも、倒されるまで勘違いし続けてくれると嬉しいな」


タブーがぱちんと指を鳴らすと、煙を纏って突如として現れし、2人の男。

…はて、知らない顔ですね。
一方は荘厳な顔つき、そしてもう一方は飄々とした顔つき。
共通して言えることは……悪役顔がとっても似合っています。



ただ、その程度の感想を抱いたのは、恥ずかしながら私だけだったようです。
ファイター各々、大きく顔色を変えることになっています。
知り合い…いえ、知っている敵なのですか?

860Mii:2020/08/29(土) 19:00:46 ID:kKysAgF6
一人目の方には、ゼルダ姫、そしてリンクが激情を露わにしました。


ゼルダ「…なん、ですって」

リンク「――――はあっ!?
    どうしてお前がそこにいるんだよ――――答えろよ、ガノンドロフっ!!」

ガノンドロフ「――――フン、断る」


そして、もう一方は――――



ルキナ「な、なん、で――」ガタガタ



絶望の、形相。



「やあ。また敢えて嬉しい、とだけ言っておこうか。
寸でのところで逃げるなどとは、往生際が悪かったね、ルキナ。
僕…いや。『我』に面倒を掛けさせるとは、いけない子だ。

でも――鬼ごっこはもう、終わりにしよう」

ルフレ「――――邪竜、ギムレー……!!まさか――――こんなことって――――!!」

861Mii:2020/08/29(土) 19:05:08 ID:kKysAgF6
ひとりの女性の方が、蛇に睨まれた蛙のように、恐怖に支配されて…ガクガクと震え、たちまち尻餅をついてしまいます。
すかさずルフレと呼ばれる方が駆け寄っているみたいですが、功を奏していません。

ルキナ「――――――――あ、ああ!お、もい、だしました。
    やぶれかぶれ、の、けっき、がだいしっぱい、して。みなごろしに、なって。
    さいごの、ひとりに、なって。おいつめ、られ、て。
    きんきゅう、てんいを、いしきがなくなりながら、かろうじて――」ガタガタガタガタ

リンク「トラウマ再発かよ…!落ち着け、ルキナ!今は俺たちが付いてる!」

ギムレー「なるほど、なるほど。意識の混濁が心の保全に奇跡的に役立った感じかい?
     通りで、案外ピンピンしているわけだ」ニヤッ

リンク「心の保全に役立った、だあ?――――勝手なこと言いやがって。
    …それにしても、あれって、ルフレと瓜二つというか、ルフレそのまんま――」

ルフレ「…………そうです。邪竜ギムレーとはすなわち、忌まわしきもう一人の僕。
    僕と同化して完全な姿になろうと画策し、それが叶ってしまったのが、
    おそらく『そこにいるルキナ』の世界…。軽蔑してくれて、構いません…………」

リンク「馬鹿野郎!!」ガツンッ!

ルフレ「ぐわっ!?」ゴロゴロ

リンク「軽蔑してやるよ!積もる裏話とかあるんだろうし、その事実自体は別にぜんぜん責めねぇよ!
   でも、さっきのロゼッタ同様、そういう情報はちゃんと事前に伝えろぉ!!
   準備できることが全然違ってくるだろうが!」

ルフレ・ロゼッタ「「は、はいぃっ!!」」

862Mii:2020/08/29(土) 19:07:58 ID:kKysAgF6
ギムレー「…とはいえ、ここにいる『我』は『我』ではないのだけれどね。
     一通り国を征服して暇していたところに、興味深い話を持ち掛けられて、
     写し身を提供したまでのこと」

ルフレ「…写し身?ど、どういうことだ?」

ギムレー「我の模造や異形たちを使って暴れたい、復讐の支えとしたいと持ち掛けられたのさ。
別に、我はそこの異常生命体とつるむつもりも、ましてや協力してやるつもりもない。

ただ、興味本位、だね。異形共の提供も含めて。
模造を作る力があるというのなら別に止めやしない。勝手にすればいい。
『我』の国には依然として『我』本人が万全の態勢で居座っているよ。

どう転んでも懐が痛まずに…うまく事が運べば、国をまた一つ潰せる。
悦に浸れる楽しみがあるならば…ひとつ噛んでやってもいいか、と考えたまでさ。
…ああ。やはり、興味本位に尽きるね」

マリオ「呆れるほど身勝手な参戦理由だな…」

ルフレ「…訂正してもらいたいね、あの場所は僕たちみんなの場所で、みんなの国だ。
    断じて、お前なんかの所有物じゃあ、ない!」

ルフレが魔導書片手に強がっている様子ですが、怯えているのが見て取れます。
非常に強い拒絶感、嫌悪感。そして…絶望感。

863Mii:2020/08/29(土) 19:11:21 ID:kKysAgF6
リンク「…ちっ。コイツを倒してもルキナのいた世界が平和になるわけじゃないのか。
   …じゃあ、何か?…お前も、影武者か何か?」チラッ

リンクが、そう言ってガノンドロフと呼ばれし者の方を見やります。

ガノンドロフ「さあ、どうだか――――」

リンク「あ、そりゃそうだわ。本体は半壊ガノン城で三途の川を、必死にばたついて犬掻きでもしているはずだもんな。
    ここに来られるわきゃないか。変な置き土産残しやがって…」

ガノンドロフ「…………」ワナワナ

ガノンドロフ「…言っておくが。ここに連れてくることを許可した魔物どもは…
       直近の争乱で余った輩ばかりだぞ。
       使いどころに困ったから廃棄処分のつもりで譲ってやったのだ」

リンク「…直近の、争乱?ハイラルの?…ええと、それってつまり」

ゼルダ「――――あああぁぁ!?どう考えても暴走した私のせいですね御免なさいぃ――!!」

何故かゼルダ姫が絶叫して頭を抱えていらっしゃいます。



話を纏めると…特に協力関係にはないけれども、興味本位やら腹いせやらで、
厄介な者、3人が手を組んでしまった…そういうことでしょうか!?

864Mii:2020/08/29(土) 19:16:10 ID:kKysAgF6

    『…………行けっ!』

ガノンドロフ「…指図するな、忌々しい」

ギムレー「…まあ、のらりくらり遊ばせてもらうとするさ」



異形「「「「「「「「RYEEEEEEEEEEEEEEE!」」」」」」」」ガバッ



マリオ「……!本格的に会場の中も外もてんやわんや、か!
    これ以上、転生の扉とやらは増えないかもしれないが…
    既に50、いや100くらいは開けられちまってるみたいだ!
    
    ええい、皆!タブー用に戦力残しつつ、分担してあいつ等を抑えるぞ!
    個々の戦闘力は大したこたぁない!人的被害、ましてや死者なんて出してたまるか!
    ピーチ、そういうわけで司令塔となって指示を…

    

    ――――ピーチ?おい?いずこ?」



キノピオ「あわ、わわわわわ」マッサオ

ファルコ「な、なあ!非常に、言い出しにくい、ことなんだが…!」ダダダッ

865Mii:2020/08/29(土) 19:20:55 ID:kKysAgF6
〜異空間〜

ロゼッタ(偽)「さてと。これで頭脳は潰せたと思うのですが、如何でしょう?」

ロゼッタ(偽)「なんだかんだ言って、貴方が居なければ、マリオだろうとクッパだろうと…
        せっかくの凄まじい戦力も、哀れ宝の持ち腐れ」

ロゼッタ(偽)「私たちで、徹底して時間稼ぎさせていただきますね♪
        別に倒せるとは思っていません。安心してゆっくりしようではありませんか」



ざっ。ざっ。ざっ。



ピーチ(……………………やられた)





Sランク級、超緊急ミッション。
会場の観客、ならびにキノコ城城下の王国民・観光客を人質に取られかけての――――
拠点防衛戦、スタートと相成りました。

866以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/04(金) 21:18:59 ID:oh5Ujv5g
://youtube.com/watch?v=8Ch4X1AeEn0

867Mii:2020/10/25(日) 00:09:51 ID:d9f/CHtQ
ドッカーーン!
ガラ、ガラ、ガラ…………!

あちこちで、火の手が上がる。
瓦礫が崩れる音がする。



キノピオ『緊急速報、緊急速報―!非常事態宣言でーす!

    城下各地点に、数々の魔物が出現、襲撃を開始しております!
    絶対に、無理して戦ったりして、致命傷を受けたりしないでください!
    …あ、でも腕に自信がある方はどうか戦っちゃってくださーい!

    城下に住まう皆さま、観光客の皆さま!係の者が避難経路へ誘導しますので、
    落ち着いて冷静に、安心して従ってくださーい!よろしくお願い致します!
    あと、安全なエリアはとことん安全にしておりますので!
    逆に抜け出したりしないでください!以上、王国放送でしたー!』



キノピオたちが、広域放送で、あるいは拡声器片手に、必死の避難誘導を開始――!
人々が、不安げな表情を掲げながらも、黙々と付き従う。
そこには、絶対的なキノコ王国への信頼があった。

868Mii:2020/10/25(日) 00:14:20 ID:d9f/CHtQ
〜キノコ城北 第7区〜

子供「…うえっ…みんな、どこぉ…!?」



一人の男の子が――うっかり話を上の空で聴いてしまい、はぐれている。



「たかが」、ちょっとあちこちが燃えているくらいの。

「たかが」、ちょっと見知らぬ姿の化け物がうろついているくらいの。

それ以外は、いつもの街中、いつもの遊び場のはずなのに。
それだけで…危険度、段違い。



まるで未知の巨大迷路に迷い込んだかのように、錯乱して、立ち尽くして、
にっちもさっちもいかない状況に陥っている。

――――スマブラ絶賛開催中という、いつもの、お祭り日和。それだけだったはずなのに。
――――なんでこんなことになっているのか、ちっともわからない。わかるはずもない。

869Mii:2020/10/25(日) 00:16:41 ID:d9f/CHtQ
――――そうしていたら、目が合ってしまった。

子供「…………ひっ」

翼が生え、ぎょろりとした目で自分を睨む生き物と、鉢合わせしてしまったのだ。

子供「――――――――」ガクガクガクガク

すぐさま、踵を返して逃げなければならない。
なのに、頭も、腕も、脚も、何もかもが震えに震えて動かない。
ただただ、絶望の涙が流れるのみ。

そうこうしているうちに、化け物が、あざ笑うかのようにほくそ笑んで――
命を弄ぶべく、たちまち目前に駆けてきた。

翼をあからさまに威嚇するかのようにバッと拡げ、
男の子を飲みこまんとせんと口を大きく開け――――

魔物「GUOOOOOO―――」バッ

子供「う、うあああああああああああ――――」ポロポロ





トゲノコ「チャージアターーック!」ガツンッ!!

魔物「」チーン

870Mii:2020/10/25(日) 00:18:18 ID:d9f/CHtQ
子供「…………え?」

トゲノコ「正義は かあああぁぁーーーーっつ!!」

トゲノコ「エリート部隊なめんなやー!!」

トゲノコ「うおおおーー!!」

子供「…………………」

子供「あ、ありがとう…」グズッ

トゲノコ「…!?う、うおっ!勘違いすんなよ!
    俺たちは…そう!クッパ様に断りもなく、横槍で――
    キノコ王国を勝手に踏みにじろうとする奴が許せないだけだ!
    別にお前を助けようと後を付けていたわけじゃないぞ!
    俺たちは エリート だからな!お前のことなどどうでもいいのだ!」

トゲノコ「まあでも乗り掛かった舟だから、
     とりあえずお前をみんなの所まで届けてやろう!

     本当はふん縛って奴隷の如く引き摺るところだが、
     ちょっとは気が咎めるから肩車で勘弁しておいてやる!
     泣いて感謝するがいい!はっはっは!」

子供「…ありがとう、ございます…………」ポロポロ

トゲノコ「うあーっ!いい加減泣き止め!調子狂う!」アタフタ


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