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【ぼく勉】成幸 「桐須先生と結婚か…」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:44:05 ID:TrYEpSoQ
成幸「はあ…何だか騒がしい風呂だったなあ」
和樹「今日は面白かったなー。兄ちゃん」
成幸「こっちは色々大変だったけどな! 先生の下着を返すのにどれだけ苦労したと思ってんだ」
和樹「ごめんなさーい! …でも本当にキレイだったな真冬ちゃん。おっぱいもでかかったし、兄ちゃん頑張ってお嫁さんにしよーぜ」
成幸「(おっぱい…)バカ言うな、相手は先生だぞ。俺なんか相手にされねーって」
葉月「えーでも真冬ちゃんはお嫁に来てくれるって言ってたよ」
成幸「ブッフォ! げほっげほっ。お前らなー。ラムネ吹き出しちまっただろ! ったく…本当に先生が言ってたのか?」
葉月「うん、いつか嫁に来てくれるって」
成幸「そうか(ああ、葉月に気を遣ってくれたんだな)」
葉月「良かったね。兄ちゃん」ニコッ
和樹「そうだな…」ハハ…
てくてくと家路を歩いていく三人。
成幸(葉月の事はともかく、桐須先生と結婚か…絶対有り得ないだろうけど、何となく想像がつくよなあ…)フフッ
86
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 09:58:09 ID:5NBlKidM
成幸「はい。では」パシン
真冬「キャッ! な、何故手を叩くの…!?」アセアセ
成幸「ストライクおめでとうございます」ニッコリ
真冬「…え?」
成幸「その、今は競技じゃなくて、レジャーですから。こういうときは誰かが良い結果を出したら喜び合うんですよ」
真冬「そ、そういうものなの?」ポカーン
あすみ(…ああ、そういうことか。つい気迫に呑まれちまってたけど、そういやセンセってこういう人だったな)ニヤッ
あすみ「セーンセ、やるじゃないですか連続ストライクなんて」パシン
うるか「初めてなのにストライク連発とか、マジですごいです。先生!」パシン
真冬「え、ええ…」
87
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 09:59:40 ID:5NBlKidM
理珠「桐須先生」スタスタ
真冬「緒方さん…?」
理珠「…成幸さんの言う通り、今はみんなでボウリングを楽しむべきかと思いましたので。その…おめでとうございます」パシン
文乃「わ、私もそう思います。ナイスストライクでした」パシン
真冬「……」
理珠・文乃「「で、では…」」
真冬「緒方さん、古橋さん」
理珠・文乃「「は、はい」」
真冬「その、ありがとう……二人とも次の投球、頑張って」ボソッ
理珠・文乃「「--はいっ」」パアアッ
あすみ「…何笑ってんだよ? 後輩」ニヤニヤ
成幸「いえ、気のせいですよ」クスッ
88
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:00:28 ID:5NBlKidM
パッカーン!!
文乃「あー、これは…」
うるか「文乃っちスプリットかー。しかも端と端だし、こりゃ難しいかも」
理珠「こういうときはどうするのですか?」
成幸「まーどっちか片方を狙うしかないだろうな」
文乃「どっちか、片方か…」チラッ
文乃(りっちゃんもうるかちゃんも、やっぱり成幸くんと話してる時は良い顔してるんだよね…私はどっちを応援すれば…ううん)
--お前が本当にやりたいこと、俺が全力で応援してるからな。
文乃(あの時から…成幸くんを見る目が少しずつ変わってしまってる気がする。りっちゃんうるかちゃんのこともあって、意識しないようにしてるけど…でも)ズキン
文乃(わからない…どうしたいのか、でも、いずれ選ぶときが来るのかも。このピンみたいに)
成幸「古橋のやつ…凄く集中してるみたいだな」ゴクリ…
89
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:02:15 ID:5NBlKidM
文乃(うん…委ねてみよう。私の思いを乗せて、この一投に!)ゴロゴロゴロ
パッカーン!!
成幸「おお! 当たった」
文乃(うん! …え?)
コンッ! コンッ、コン…カンッ! コロン
うるか「す、凄いよ文乃っち! まさか両方倒すなんて」
理珠「片方のピンが転がってもう片方も倒れたのですね。凄いです! 流石は文乃!」
文乃(あああああ! ホッとしたけど、ホッとしたけど! 私は一体どうすればいいのーー!)ズーン
成幸(古橋のやつ、なんで倒したのに落ち込んでるんだ?)
真冬「えっと、この場合手を叩きに行くべきなのよね…」ソワソワ
あすみ「あー、今は止めといた方が良いですよ。センセ」ニヤニヤ
90
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:03:37 ID:5NBlKidM
あすみ「…で、次は後輩だな。頑張れよ。もしストライク取れたらハグしてやるからな」ニヤニヤ
うるか・理珠「「!!」」
成幸「せ、先輩! 何を」
うるか「な、成幸! あああああたしもね。ストライク取ったらハグしてあげるから!」カァアア
理珠「成幸さん…私の身体でよかったらどうぞ!」フンス!
成幸「その言い方は誤解を生むから止めろおお!」
文乃「(そ、そこかしこにフラグが…)な、なんか凄いことになってきちゃいましたね」ハワワワ…
真冬「そうね…全く。くだらないわ」ツンッ
文乃(よかった。さすがに先生はまともみたい)ホッ
真冬「………」
91
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:05:59 ID:5NBlKidM
真冬(…そういえば、カレエゴにもボウリングの話があったわね)
--俺がストライクを取ったら、クリスセンセーは俺にハグしてくれるかい?
--だ、だめよそんなの! でも…結人くんがどうしてもと言うのなら…
真冬「………」ポワーン
--俺がストライクを取ったら、桐須先生は俺にハグしてくれるんですよね?
--だ、だめよ唯我くん。私たちはあくまで教師と生徒! で、でも……
真冬(…………)カァアア
文乃(…? 桐須先生なんだか嬉しそう。声かけない方がいいのかも)
92
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:07:01 ID:5NBlKidM
あすみ「…で、あれだけ盛り上げたのに結局ガーターかよ。しっかりしろよ後輩」ハア…
成幸「あんだけプレッシャー与えといてそれを言いますか!? あんたは」
うるか(いや取れや)ギロリ
理珠「……」プクプクゥ
成幸「(む、無言のプレッシャーを感じる…)で、次は?」
文乃「次はりっちゃんだね」
理珠「はい。頑張ります。ガーター続きの成幸さんには負けません」
成幸「いや、そういう緒方だってさっきガーターだったが…」
理珠「認識が甘いですね成幸さん。先ほどの反省を活かし、うるかさんたちの投球フォームを隅々まで観察していました。もう失敗はしません」
うるか「マジで? リズりんすごい!」
文乃「さすがだね。りっちゃん」
93
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:07:51 ID:5NBlKidM
理珠「ではいきます。えいっ!」ゴロゴロ--ゴトン
理珠「……」
成幸「……」
理珠「紙一重といったところでしたね」キリッ
成幸「いやガーターまっしぐらだっただろーが!」
理珠「しかし困りました。これではゲームになりません」
成幸「確かに。転がすだけなのに、なんでか真っ直ぐ行かないんだよな。みんな一体どうやって投げてるんだ?」
うるか「んっと…バッと振りかぶってホイって投げたらパカーンって感じかな」
理珠「なるほど。了解しました」
成幸「わかったのか!?」
理珠「ええ、うるかさんが致命的に教えるのが下手だということは」
うるか「ひどっ!」ガーン!
94
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:09:14 ID:5NBlKidM
成幸「古橋は?」
文乃「え? ど、どうかな…多分あんまり考えてないと思う」
あすみ「あたしも感覚で何となくだなー。まふゆセンセは?」
真冬「特に意識はしていないけど…でも」
成幸「でも?」
真冬「指摘。どこがおかしいのかは見ていてわかったわ。ボウリングは再現性を高めるのが肝要。にも関わらず唯我くんはさっきと違う位置から投げているし、緒方さんはボールを投げる直前に手元が狂ってしまっている」
成幸「は、はい(よく見てるんだな、先生)」
理珠「わ、わかりました。とはいえどうすれば…」
真冬「掌をピンに向けたまま投げるよう意識することね。武元さん、二人の前でフォームを見せてあげてもらえるかしら?」
うるか「あ、はい。わっかりましたー!」
95
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:09:46 ID:5NBlKidM
ワイワイガヤガヤ
文乃「……」
あすみ「どうしたんだ? 古橋」
文乃「あ、いえ…桐須先生って学校以外じゃ随分イメージが違うんだなって」
あすみ「ああ…ま、学校でのインパクトが強烈だからな。あたしもああいう一面があるって知ったのはつい最近だ」
文乃「それまではどんな印象だったんですか?」
あすみ「お前や緒方と一緒だよ。ビビるまではいかないけど、口うるさい先生だなって思ってた。人が決めた進路に最後の最後まで反対してきたしな」
文乃(う…目に浮かんできそう)
あすみ「で、結果は不合格。どん底の気分で報告に行ったら、ほら見たことかとまた小言だ。さすがにムカついてきてな。何か言い返してやろうと前を向いたら--先生の顔…すげー悲しそうにしてたんだ」
文乃「…え?」
96
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:10:28 ID:5NBlKidM
あすみ「あの時の先生が何を思ってたのかはわからねー。けど先生があれだけ最後まで反対してたのは、あたしの事を真剣に心配していたんだってことは理解できたよ」
文乃「そうですか……」
文乃(…うん)スクッ
あすみ「なんだ、トイレか?」
文乃「違います! 私も桐須先生に教えてもらおうかなと思って…あの、桐須先生!」スタスタ
あすみ「………」ニッ
97
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:11:31 ID:5NBlKidM
文乃「こ、こうですか?」
真冬「ええ。振り子の動きをイメージしながら腕を前に出していくの」
文乃「(わかりやすいし丁寧に教えてくれる。成幸くんやうるかちゃんが言ってたように、ただ冷たいだけの人じゃないのか…な)こ、こんな感じでいいですか?」
真冬「ええそうね。もう少し脇を締めて--」
うるか「ほらリズりん、また脇が空いてるよ」
理珠「は、はい。しかしあまり脇を締めると胸が腕にぶつかってしまって」
うるか「そんな極端にしなくても大丈夫だって。てかそんなに締めたらあたしだって当たっちゃうよ」ハハハッ
文乃「……」スカッ…スカッ…
真冬「そ、そこまできつく締めなくても大丈夫よ古橋さん。ところで何故涙を?」
文乃「気にしないで下さい。無抵抗な自分の身体に、ほんの少しだけ、憂いを覚えただけですので…」キラリ
98
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:12:15 ID:5NBlKidM
パッカーン!!
理珠「わ、わわ!? また倒れました。しかもたくさん」
うるか「7本だね。やるじゃんリズりん。成幸も普通に倒れるようになったし、十分ゲームになってたよ」グッ
あすみ「とりあえずこれでこのゲームは終わりだな。スコア見てみようぜ」ピッ
うるか 157
あすみ 182
まふゆ 205
ふみの 118
なりゆき 93
りず 71
あすみ「まあ順当なところだな。確かあと1ゲーム無料でできるんだっけか?」
成幸「そうですね」
99
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:13:26 ID:5NBlKidM
あすみ「じゃー次はペアを組んでやってみようぜ。1位と6位、2位と5位、3位と4位が組んで、それぞれの成績を合計する。1番スコアが高かったペアが優勝だ」
成幸「面白そうですね。やりましょう」
あすみ「(掛かったな)で、もちろん優勝ペアには賞品を付けないとな。そうだな…後輩に何かお願いできる権利とかってのはどうだ?」ニヤリ
うるか・文乃・理珠・真冬「「「「!!」」」」
成幸「ちょ、ちょっと! いきなり何言ってんですか!? 先輩!」
あすみ「そりゃ、アタシも含めて、ここにいる女は全員後輩と関わりが深いんだし、賞品としては妥当じゃねーか? あ、ちなみにアタシが勝ったときはお店のオプションをフルコースで振る舞ってやるから、張り切って投げろよ」ニヤニヤ
うるか・文乃・理珠「「「!!」」」
成幸「い、いやそんなこと言われても…俺が賞品とかみんなに却って迷惑ですよ。だよな? うるか」
うるか「……」ゴゴゴゴ
成幸「……うるか?」
100
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:14:38 ID:5NBlKidM
うるか「し、仕方ないなー! 先輩が決めたルールだし、従わないわけにはいかないもんね! よーし文乃っち、本気出して、絶対勝とう!」
文乃「あ、う、うん」
理珠「わ、私も。お二人には負けません!」フンス
成幸「えええええ!?」
あすみ「みんな乗り気みたいだな」ニヤニヤ
真冬「……」
成幸(い、いやまだだ。先生…先生なら!)
成幸「せ、先生。生徒を賞品に差し出すなんて行為、先生は許さないですよね?」
101
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:15:48 ID:5NBlKidM
真冬(……)ポワワン
--いつも悪いわね、唯我くん
--いえ、ボウリングで負けてしまいましたから仕方ありません。でもエアコンのフィルター掃除なら俺が
--このくらいなら問題無いわ。いいから君は椅子を支え--きゃっ!
--危ない、先生!
--あ、唯我…くん
--良かった。今度は無事に受け止めることができましたね。全く。俺がいないと危なっかしい先生なんですから
102
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:16:30 ID:5NBlKidM
真冬「……唯我くん」コホン
成幸「先生…」
真冬「許容。あくまでゲームの一環であるならば問題は無いわ」キリッ
成幸(ええーーー!?)ガーン
あすみ「決まりだな。じゃあセンセは緒方と。武元は古橋と。でアタシは後輩とだな。わかりやすいように投げる順番もペア同士にしておくからな」ピッピッ
ふみの
うるか
あすみ
なりゆき
まふゆ
りず
あすみ「これでOKと。じゃあ頑張ろーぜ後輩。もし手抜きしやがったらきっついお仕置きが待ってるからな」
成幸「ああああ…」プルプル…
103
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:17:17 ID:5NBlKidM
--1時間後
成幸「それっ!」ゴロゴロゴロ
パッカーン!
うるか「うええっ!? 成幸が最後にストライク取った 」
文乃「すごいよ成幸くん!」
あすみ「やるじゃねーか後輩」
成幸「はは…緊張しました。これで逆転。どうにかうるかたちには勝ったな」ピース
文乃「残念だったね。うるかちゃん」
うるか「ううっ…悔しい(でもカッコイイ成幸が見られたから幸せかも…)」
あすみ「後輩が思ってた以上に活躍してくれて助かったな。ったく…そんなにあしゅみぃちゃんのオプションフルコースを堪能したかったのか? このスケベ」ニヤニヤ
成幸「どっちにしてもからかう気なんですね、アンタは…」グッタリ…
あすみ「ひっひっひ。冗談だよ。けどまあ…最後の真剣だった姿はちょっと、カッコ良かったぞ」ボソッ
成幸「え?」
あすみ「何でもねー。ま、これでとりあえずアタシたちが暫定1位だな。けど…」
104
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:17:48 ID:5NBlKidM
パッカーン!!
理珠「ま、またストライク! すごいです先生」サッ
真冬「当然。同じ課程を再現すれば良いだけのことだもの」パシン
うるか「桐須先生すっごいですよね。ほぼスペアかストライクだし」
あすみ「緒方が調子を崩してるから拮抗してるけど…まずいな。センセがこれ連続で取ったら1位確定じゃねーか」
文乃「今のもストライクだったし、波に乗ってるって感じですよね。このままじゃりっちゃんが投げる前に終わっちゃうかも…」
成幸「そうなってもおかしくないかもな。先生だけ全然乱れないし」
文乃「うん。まさに氷の女王って感じだね…そういえば、もし1位になったら先生は成幸くんに何をお願いするつもりなのかな?」
あすみ「あんまり想像つかねーなー。勉強を教えたりとか?」
うるか「それじゃ学園でやってることと変わらないですよね…あ、じゃあ先生の家に成幸が掃除しに行くっていうのはどうですか?」
105
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:18:36 ID:5NBlKidM
成幸「ブッフォッ!」
真冬「ブッフォッ!」ゴトン
理珠「せ、先生? どうしましたか?」
真冬「い、いえ…なんでもないわ、緒方さん。少し手を滑らせてしまっただけで」ソワソワ
あすみ「さすがにそれはやり過ぎじゃねーか? 武元。いくら何でも、教師が生徒をそんな目的で家に連れ込むなんざ問題だらけだろ?」
うるか「あはは、そうなったら面白いかなーとか思っちゃいましたけど、常識的に考えればそうですよね」
文乃「そうだようるかちゃん。もし誰かに見つかりでもしたら、二人とも処罰されちゃうかも」
うるか「あれ? 成幸どうしたの? 顔色が優れないけど」
成幸「い、いや…何でも」ビクビク
理珠「せ、先生。何だか顔色が優れないようですが…」
真冬「も、問題無いわ緒方さん…この通りいつもと変わらぬ集中力で…って、ああっ!」ゴロゴロ…ガタン
文乃「わっ! 先生がミスしちゃった」
うるか「先生でもさすがにこういう場面はキンチョーするんだねー」
成幸「……」ドキドキ
106
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:19:09 ID:5NBlKidM
理珠「正真正銘、これが最後の一投ですね」
真冬「も、申し訳ないわ。緒方さん…」ズーン
理珠「いえ、先生は十分に活躍してくれました。あとは私が頑張れば」
あすみ「とはいえどうだろうな…逆転するには9本以上倒す必要があるが、緒方の最高記録は8本。しかも一投目はガーターで、すっかり悪いイメージがついちまってる。果たして上手くいくかどうか…」
理珠(小美浪先輩の言う通りです。一投目のガーターは気負い過ぎてしまったことによるもの。ならば…以前の私に戻ればいい。心の機微に疎い、機械仕掛けの私を、今は--)
うるか「! リズっちが動いた」
理珠「(ボウリングは再現する球技。8本倒した時の足運び、腕の振り方をよく思い出して。あとは--集中力!)えいっ!」ゴロゴロゴロ…
全員「------!」
107
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:20:37 ID:5NBlKidM
--緒方うどん、店内
あすみ「では1位になった緒方、真冬センセペアを祝して! かんぱーい!」
うるか・文乃・成幸「「「かんぱーい!」」」
うるか「…ふう、楽しかったなー。今日のボウリング」
文乃「1投目のガーターから、まさかのスペアだもんね。すごかったよ、りっちゃん」
理珠「い、いえ…たまたまです。もう一度やれと言われてもおそらく無理でしょう」
あすみ「ま、気合いでもぎ取った勝利ってとこか。でも良かったのか? せっかく後輩を好きにできたのに、『みんなでうどんを食べたい』なんて言って」
成幸「そういやそうだな。俺としてはホッとしたのは事実だけど…賛成してたときの態度と随分違わないか」
理珠「そうですね。正直、最初は成幸さんに色々としてもらいたいことがあったのですが……」
成幸(あったのかよ)タラー
108
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:21:07 ID:5NBlKidM
理珠「--ですが、途中からはそれがどうでもよくなるくらいに楽しくなってしまいました。だからその…この雰囲気や時間を、少しでも長く皆さんと共有したいと思ったんです。わがままを言ってしまってすみません…」
文乃「りっちゃん…」
うるか「リズりん…」
あすみ「緒方…」
成幸「…ばかだなあ、理珠は」
理珠「は、はい…すみま--え?」ナデナデ
成幸「そんな誰でも賛成するようなことをわざわざ願いごとにするなんてさ。お前は本当に良いやつだよ。理珠」ニコッ
理珠「(な、名前で…っ!)〜〜〜っ!」カァアア
うるか「成幸の言う通りだよ。リズりんの家のうどんは美味しいからね。一言誘ってくれたら勝敗関係なくみんな食べに来てたと思うよ」
文乃「うん、私もうるかちゃんの意見に賛成だな。ちょうどお腹も減ってきてた頃だったから」
理珠「うるかさん、文乃…ありがとうございます」
真冬「…じゃあ、私からも一つお願いしていいかしら?」
109
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:23:03 ID:5NBlKidM
成幸「せ…先生?」
理珠・文乃・うるか・あすみ((((すっかり忘れてた。い、一体どんな願いごとを?))))
真冬「…短い時間でいいわ。全員、帰ったら必ず机に向かうこと。それが願いごとよ」
成幸「え?」
真冬「楽しかった時間や思い出というのは強く記憶に残りやすいの。今日勉強することでうまく紐付けることができれば、必ず君達の力になるわ」
成幸「は、はい! ありがとうございます」
あすみ「センセらしい願いごとですね。でも、『楽しかった時間』とか。そんな言葉が出てくるってことは、まふゆセンセも今日はそんな風に思ってたってことですかね?」ニヤニヤ
真冬「そんなわけがないでしょう。でも、そうね……私がいることで君達が楽しい時間を過ごせたのであれば…無意味ではなかったかもしれないわね」
成幸「…ありがとうございます。先生」クスッ
110
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:24:21 ID:5NBlKidM
理珠「それではうどんを取ってきます。おかわりもありますからどんどん食べて下さい」
文乃「ありがとうりっちゃん。けど、うう…また体重が増えちゃうよ」ズーン
うるか「文乃っち細いから気にすることないって」
あすみ「あ、そーいやセンセも始めたんでしたっけ? ダイエット」ニヤリ
真冬「な、なぜ貴女がそれを知っているのかしら!? 小美浪さん」アセアセ
ワイワイガヤガヤ
成幸(さ、騒がしいな。でも、はは……)
--面白かったな。本当に
111
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:24:57 ID:5NBlKidM
--唯我家
葉月「あれ? 兄ちゃんがいない?」
和樹「風呂から上がったら遊ぶ約束してたのに」
水希「だめよ。今日はお兄ちゃん図書館で勉強してきて疲れてるんだから」
花枝「珍しく先に寝たわよ。あんたたち、悪いけど二人で遊んでなさい」
和樹「ちぇー、まあしょーがないか」
葉月「兄ちゃんいつも頑張ってるもんね。たまにはゆっくり休まないと」
水希「そうよ。今日はぐっすり寝かせてあげなさい」
葉月・和樹「「はーい」」
花枝(それにしても、今日はよっぽど楽しかったんだろうねえ)ニヤニヤ
水希「ここのところ無理してるみたいだったけど…今日は安らかな寝顔で良かった。お休みなさい。お兄ちゃん」バタン
成幸「zzzz」
了
112
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 10:29:38 ID:5NBlKidM
以上です。ネタ元はゴルフコラボのカラー絵から。
あんな感じで成幸も含め全員参加できそうなスポーツを考えたところボウリングがあてはまりました。
見て下さってありがとうございます。気ままなペースになりそうですが、今年もこのスレをよろしくお願いします。
113
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 13:33:49 ID:4ewCiVEA
乙です
114
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 14:40:18 ID:M6HgD6Js
やはり真冬センセこそ至高
115
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/02(水) 02:04:16 ID:Lfh3VfaE
おつおつ
116
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/02(水) 11:22:20 ID:WZz.zf9k
いま読み返したら
>>106
に訂正がありました
うるか「! リズっちが動いた」×
うるか「! リズりんが動いた」〇
です。失礼しました
117
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 12:08:15 ID:vMFNW0GU
いいっすなぁ
118
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 22:53:16 ID:dZYike.M
上げつつ投下します
【ぼく勉】真冬「どこにいるの? 緒方さん!!」
119
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 22:54:30 ID:dZYike.M
--ザアアアア…
真冬「はあ…はあ…」タッタッタッ
真冬「……どこに」ガサガサッ
真冬「どこにいるの? 返事をして! 緒方さんっ!!」
120
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 22:55:04 ID:dZYike.M
--数時間前
理珠「ゆ、唯我さんには関係ないでしょう!? 放っておいて下さい!!」ピシャーン
成幸(ええええ俺確か…君の教育係だよね!?)ズガーン
理珠「ささささようならッ!!」
成幸「えっどこ行くの!?(外出禁止だけど…)」
理珠「少し外の空気を吸ってくるだけです! 美味しいらしいので!」ダーッ
成幸(え…何? 急な反抗期…?)
121
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 22:56:13 ID:dZYike.M
--宿泊所・ロビー
ウイーン ガシャン
真冬「……」カシュッ ゴクゴク
真冬(休息。やっと一息つけたわね。この後の予定は何だったかしら…)ペラッ
真冬(16時半からミーティング…その後は教師同士での夕食を兼ねた懇親会ね。陰鬱…正直気乗りがしないけど…」ハア…
--ダダダダダダッ
真冬「何かしら…足音? あの姿は--緒方さん?」
理珠「………」ガーッ ダダダダッ
真冬(呼び止めたのすら気付かずに外に出て行ってしまったわ。今は外出禁止時間のはず。至急追いかけて--)
122
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 22:57:15 ID:dZYike.M
--見捨てるってことですか?
真冬「………っ!?」ビクッ
--見捨てる? 否。私は教育係として、最初から現実的な提案をしていたのだけれど?
--あれは提案ではなく、押し付けに過ぎません。私の人生を決めるのは私です。才能の有る無しで勝手に人生を決めないで下さい!
--責任。他人の人生に口を挟むからこそ半端なことは言わないし、させられないわ。理想を貫きたいのであればまずは実績、そう先日も告げたはず。だけど結果はどうだったかしら?
--ぐっ…!
--この間のテストで判明済み。あの点数で文系ですって? 笑止千万。緒方さん、あなたにはそんな才能はないわ。あきらめなさい
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 22:57:48 ID:dZYike.M
真冬「…………」スッ…
真冬(--あれを最後に、彼女たちとは袂を分かった。あれだけきついことを言ったもの。きっと顔すら合わせたくないでしょうね)
真冬(静観。冷静な彼女なら、そんな遠くに行くはずもない。帰ってきた後に言い含めておけば、それで…)
藤田先生「あ、桐須先生。ここにいたんですね。もうすぐミーティングが始まりますよ」
真冬「藤田先生…ええ、わかりました。至急伺います」
真冬「……」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 22:59:35 ID:dZYike.M
--1時間後
司会「--では他に質問などあれば………無いようですね。ではこれにてミーティングを終了します。お疲れ様でした」
佐藤先生「やれやれ、やっと終わりましたな」
鈴木先生「一日中立ちっぱなしで、もうくたくたですよ…あ、いつの間にか雨が降ってきてますね」
真冬(雨…?)
佐藤先生「山の天気は変わりやすいからなあ。ま、この天気であれば、わざわざ外に出ようとする生徒もおらんでしょう」
鈴木先生「この後は夕食っスね。桐須先生。良かったら僕らの近くでご飯を食べながら教育論について--」
真冬「……いえ、ちょっと小用がありますので。もし遅くなった時には先に始めておいて下さい」スタスタ…
佐藤先生「くっ…今日も相変わらずクールだ。桐須先生は」
鈴木先生「ええ。けど…そこがいいっス」グッ
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:00:12 ID:dZYike.M
真冬(胸騒…やはり気になるわ。単なる杞憂であれば良いのだけど…)スタスタ
真冬「…? あの娘は?」
関城「……」キョロキョロ
真冬「関城さん?」
関城「あ、桐須先生」
真冬「何か探しているみたいだったけれど。落とし物か何か?」
関城「あ、いえ。緒方理珠を探しているんですけど、どこにも見当たらなくて」
真冬「----!!」サァーッ
関城「桐須先生は見かけませんでしたか? 緒方理珠」
真冬「い、いえ…見かけなかったわね」
関城「そうですか。では」スタスタ
真冬(--緒方さんっ!)ダッ!
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:00:48 ID:dZYike.M
--教員部屋
真冬(不覚…あのとき躊躇せずに、すぐに緒方さんを追いかけていれば…)ギリッ…
真冬(いえ、過ぎた事を後悔している暇は無い。今は緒方さんを見つけることが先決…!)
真冬「レインコートに、懐中電灯。正直、雨の山道に入るには心許ないけど…最後に見かけてから既に1時間半ほどは経っている。急がないと」ダッ!
127
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:03:06 ID:dZYike.M
--宿泊所、玄関
--ザアアアア…
真冬「これは…(思ったよりも雨脚が強い…)まずいわ。誰か応援を呼ぶ必要が--」
--またかしら緒方さん。難しい単語が目に入るとすぐに思考停止してしまう。まずはその癖を何とかしない限り、文系など到底無理よ
--言われずとも十分に理解しています。確かに今はできないかもしれませんが…それならば、諦めずにやり続けるだけです!
真冬「……」
真冬(…もし応援を呼んだら? 当然…騒ぎが大きくなるでしょうね。そうなってしまえば緒方さんには厳しい処分を下さざるを得ない。成績が著しくない彼女にとっては致命的に…)
真冬「……」ギュッ…
真冬(1時間…1時間だけ捜索して駄目だったなら応援を呼ぶわ。だから、それまでに何としても--)タッタッタッ
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:03:39 ID:dZYike.M
--現在
--ザアアアア…
真冬「どこにいるの? 返事をして! 緒方さんっ!! …っ!」
真冬「…ったあ」ポタッ… ポタッ…
真冬「平気……これくらい」ギリッ
真冬「でも……」チラッ
真冬(既に探し回って30分。やっぱりこんな山の中を闇雲に捜索するのは…)
真冬「…っ」パシン!
真冬(諦めては駄目よ真冬! 仮にも元教育係。こんな時こそ、冷静に彼女を分析して答えを見つけないと)
真冬「……」スッ…
129
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:04:38 ID:dZYike.M
真冬(そう…最後に見かけた時、彼女は慌てていた。いつもは私の姿が見えた瞬間に姿を隠すのに、そのそぶりすら見せていない。テストの時と同じように思考が停止していたと考えるべき)
真冬(加えて、彼女は体育の成績があまり良くない。体力が無いのだからそう遠くまで出歩けないし、ましてや山奥の方になんて行くわけがない。以上の要素を合わせば--)
真冬(何らかの原因で緒方さんは冷静さを失っていた。外に出たのは頭を冷やすためだったのかもしれない。だけど思考が停止していたから--朝に来たのとは逆の方向に進んでしまい、道に迷ってしまった)
真冬「指針。仮説が全て正しいわけではないでしょうけど、目処は立った。山頂目指して進んでいけば…きっと見つかるはず」
--ザアアアア
(雨もいまだ止む気配がないわ。急がないと。たとえ--)
--理珠「……」ギリッ…
--文乃「……」ズーン
真冬「不変。たとえどう思われようとも…私の大事な生徒であることに変わりはないから」
130
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:05:08 ID:dZYike.M
--30分後
真冬「はあ…はあ…」ガサガサ
真冬「(もうすぐ1時間…これ以上引っ張るわけにはいかない)緒方さん。どこなの?」スゥ…
真冬「おが--」
「--へくしっ」
真冬「--っ!(くしゃみの音!? 見つけた!)」
真冬「お--」ガサッ!
131
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:05:46 ID:dZYike.M
成幸「さ…帰ろうぜ」
真冬「---!?」バッ!
真冬「あの子は教育係の…唯我くん?」
真冬(不可解。何故この場に彼が? それに今の言葉…もしかして緒方さんは彼と待ち合わせを? なら、何故わざわざこんな場所を--)
成幸・理珠「え……?」
真冬「----!?」
132
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:06:39 ID:dZYike.M
真冬(だ、抱き締めてキス……を? や、やはり不純異性交遊だったのかしら?)ソワソワ…
理珠「それでは戻りましょう」スタスタ…
成幸「えっちょっ緒方…! そっち宿と逆!!」ダダッ!
真冬「何故宿と反対方向に…? でも…唯我くんもいたのなら迷っていたわけではない。なら私の…単なる早とちり…で」
ドサッ…
真冬(疲弊…無理をしていたのは私の方だったのね。足が棒のよう。手も…いつの間にか傷だらけで。でも--)
真冬「本当に…良かった。大切な生徒が無事で」ギュッ…
133
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:07:10 ID:dZYike.M
宿泊所・食堂
佐藤先生「あ! 桐須先生。随分遅かったじゃないですか」
鈴木先生「もう解散しようかと思っていたところなんですよ。一体何があったんですか?」
真冬「いえ、何も。小用を済ませたあと、生徒が外出していないかを確認していました」
佐藤先生「律儀ですなあ。しかしこの天候で出て行く生徒がいるとは」
真冬「いえ。雨は先ほど上がりました。その影響か、F組の緒方理珠とB組の唯我成幸、2名の生徒が先ほど宿を出て行くのを見かけたという報告が」
鈴木先生「え?」
134
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:07:40 ID:dZYike.M
真冬「…幸い、すぐに帰ってきたようです。気分転換に散歩でもしてきたのかもしれません…が、規則は規則。外出禁止を破った2人に対しては何か罰を設けるべきかと」
佐藤先生「そ、そうでしたか…桐須先生ばかりに負担をおかけしたようで申し訳ない。では2人には明日、授業が終わったら風呂掃除を行うよう言付けておきましょう」
真冬「ええ、ではそのように」クルッ
鈴木先生「あれ? 桐須先生。どちらへ?」
真冬「少々疲れたので、先に部屋に戻らせていただきます。では」スタスタ…
佐藤先生「こんな時ですら決して気を緩めないなんて。さすがは桐須先生だ…」ゴクリ…
鈴木先生「付け入る隙なしって感じッスね…」
135
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:08:32 ID:dZYike.M
--教員部屋
ヌリヌリ…
真冬「うっ! ……ったあ」
真冬「……」グス…
真冬(終了…まだ痛みが強いけど。仕方ないわね)
--ドサッ
真冬(疲弊。今日は疲れたわ。不純異性交遊の件は置いておくとしても、結局は私の一人相撲…)
真冬(いえ…相違。緒方さんが無事であることが確認できたもの。それで十分。それ以上は…何も望まない)
--けれど、もし……
136
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:10:46 ID:dZYike.M
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
成幸「--その手…虫さされと枝葉で切った傷だらけ…先生がなんであの事故のこと知ってたのか、やっとわかりました」
真冬「!」
成幸「--あの時緒方のこと心配して、雨の山の中探しまわってたんじゃないですか?」
真冬「----!!」ドクンッ
--けど、もし……気付いてくれる人がいたとすれば
成幸「伝えましょうよ! このこと知ったら緒方や古橋も先生のこと…」
真冬「……」トクン…
--理解してくれる人がいたとすれば、こんなに嬉しいことはない。
だけど、今は私に甘えは許されない。だから少しの感謝を胸に、こう言おう。
真冬「絶対にやめて」
了
137
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:11:20 ID:dZYike.M
幕間・コンビニ前にて
成幸「じゃあお寿司のわさびとかパスタのタバスコとか」
真冬「論外、その単語を口にしないで」
成幸「(子供か…)あ、そういえば最近辛くないカレーラーメンが発売されたらしいですけど、それならいけるんじゃないですか?」
真冬「…考えておくわ」
後日買いました。
138
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:23:41 ID:dZYike.M
以上です。ネタ元は14〜16話。
山中に人一人がいなくなったにも関わらず、探してたのがどうも先生だけっぽい感じだったり、成幸たちの処分が軽すぎ&周囲が誰も知らない感じなのを自分なりに補完してみました。
ついでに先生がカレーラーメンを食べてた理由などもw
感想、乙コメいつも励みになります。次もまたよろしくお願いします。
139
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:34:23 ID:dZYike.M
先生の話は隙を生じぬ二段構え!
ということで、もう1本投下いきます
【ぼく勉】真冬「こ、これがル〇バなのね」
140
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:34:56 ID:dZYike.M
--真冬の部屋
『俺……もうクリスセンセーの家に来ない方がいいのかもな』
『結人くん! お願い、待って!』
真冬(ゆ、結人くんが。こ…これから
うなってしまうのかしら)ドキドキ…
真冬「……」ペラッ
--ピンポーン
真冬「……カレエゴがいいところだったのに」ムスッ
真冬(この時間なら宅急便は…ないわね。唯我くんかしら?)ガチャッ
成幸「こんにちは先生。今日もよろしくお願いします」ニコッ
真冬「ええ。どうぞ上がって」
141
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:35:29 ID:dZYike.M
成幸「お邪魔します…今日もいつも通りの惨劇ですね」
真冬「さ、惨劇は辛辣。これでも日々頑張っているのよ」
成幸「す、すみません…あ、でも最近はこの状態がかえって安心できるようになったというか…」
真冬(フォローになってないわよ。唯我くん…)ズーン
成幸「前に来たのが3日前でしたっけ…やっぱりこれくらい(の日数)がベストですね。これ以上間隔が空くと掃除も大掛かりになってきちゃいますし…」ハハッ
真冬「そこまで部屋の状態を完璧に把握されていることに、何とも言えない屈辱を感じるのだけど…」
成幸「とりあえずいつものように片付けてしまいましょうか。えーっと」
真冬「あ、ゴミ袋なら--」
成幸「キッチン横の引き出しでしたね。確か買い置きが…ああ、あったあった」
真冬「……」
142
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:36:02 ID:dZYike.M
--拭き掃除中
真冬(不覚…最近はますます唯我くんに頼りきりになってしまってる気がするわ…)
真冬(とはいえ私一人ではなかなか掃除が捗らない…何とかならないかしら)フキフキ ーーピッ
『--さあ始まりましたショップテレビ! 今日もさっそく素敵な商品を紹介していきたいと思います』
成幸「先生、テレビがつきましたけど」
真冬「リモコンが触れてしまったのね。すぐに消すから--」
『さあまず最初の商品はこちら! 全自動で動く掃除機。ルソバのニューモデルです!』
「ーーっ?」ピタッ
143
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:36:48 ID:dZYike.M
『もうすっかりお馴染みのルソバ。今回も更なる進化を遂げて帰ってまいりました。見て下さいこの吸引力。余裕の音だ。馬力が違いますよ』
『取り扱いも至って簡単。充電器を床にセットし、コンセントに繋いでおくだけ! あとはルソバが全てやってくれます。この通り、段差も絨毯も何のその。そして部屋をきれいに掃除したあとは? そう、賢いワンちゃんと同じ、充電器まで戻ってくるのです。あなたはただ見ているだけ』
真冬「……こ」プルプル…
成幸「あの…先生?」
真冬「これ! これよ! 唯我くんっ!」ビシィッ
144
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:38:40 ID:dZYike.M
--数日後
ゴゴゴゴゴゴ…
成幸「こ…これがルソバですか」ゴクリ…
真冬「ええ…ルソバよ唯我くん」ゴクリ…
成幸「思ったよりこじんまりしてますね。本当にこれだけで大丈夫なんでしょうか?」
真冬「試験。さっそく作動してみましょう。このために既に部屋は散らかしてあるわ」
成幸「それ絶対意図的じゃないですよね」
真冬「発進! 行きなさいルソバ」ポチッ
145
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:39:12 ID:dZYike.M
ウイイイイン ズゴゴゴゴ
成幸「お、おお……!」
真冬「み、見なさい唯我くん! ルソバが塵芥を次々と飲みこんでいくわ!!」
ウイイイイン サッ
真冬「え?」
ウイイン サッ
真冬「不可解…何故途中で曲がるのかしら? 故障?」
成幸「大きいゴミは障害物だと判断してしまうのかもしれませんね」
真冬「そ、そうなの。ならこのゴミを撤去してみれば…」ヒョイッ
146
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:39:52 ID:dZYike.M
ウイイイイン ズゴゴゴゴ
成幸「やっぱりそうでしたね。今度はちゃんと進んでいきますよ…って、あ、また」
真冬「承知。これも回収ね。どう? 唯我くん」
成幸「だめです。今度はこっちが」
真冬「こ、これかしら?」
成幸「そっちも」
真冬「それね」
成幸「ete」
真冬「…」
147
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:40:22 ID:dZYike.M
--30分後
ウイイイイン ズゴゴゴゴ
真冬「こ、今度こそ大丈夫かしら…唯我くん」ゼェ…ハア…
成幸「は、はい…もう大丈夫みたいです。というか…」ワナワナ…
ピカッ キラキラー
真冬「こ、これは…?」
成幸「凄いです先生! はじめて…はじめて先生一人だけの力で掃除ができたじゃないですか!!」ジーン
真冬「こ、これを私が…一人で?」プルプル…
成幸「ええ! ルソバの進路を妨げないようゴミを撤去していったのが、結果的に掃除に繋がったんですよ!」パアアア
真冬「なんてこと…たったそれだけで部屋がきれいになるなんて。私…天才かもしれないわ」
148
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:41:10 ID:dZYike.M
成幸「天才かどうかはともかく、解決策を見つけられたのは大きいですよ先生! これならもう--」
成幸(…え?)
真冬「どうしたの? 唯我くん」
成幸「……あ、いえ、何でもありません。あとは今の状態をキープできるかですね。3日後くらいにまた様子を見に来ます」
真冬「了解。感覚だけど、今回は何だか上手くいきそうな気がするわ。期待して待っていなさい。唯我くん!」メラメラ
成幸「はは…わかりました」
149
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:42:00 ID:dZYike.M
--3日後
成幸「お、おお……!」
キラキラ… ピカー
成幸「か、変わってない。3日前と同じ状態ですよ! 先生!」
真冬「ええそうね。軽く本気を出してしまったもの。造作もないわ」ファサッ
成幸「(すっかり調子に乗ってるなこの人は…)そ、そうですか。良かったです。これなら、もう俺が出る幕は無さそうですね」
真冬「ええ、そうなるわね。今まで掃除してくれたこと、本当に感謝しているわ。唯我くん」
成幸「ええ。なら、もう先生の部屋に来ない方がいいですよね」
『俺……もうクリスセンセーの家に来ない方がいいのかもな』
真冬「え…?」ドクン
150
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:42:36 ID:dZYike.M
成幸「あ、いえ、もともと教師と生徒の関係ですし、先生が一人で掃除できるようになったのなら、控えた方がいいんじゃないかな、と…」
--私達はあくまで教師と生徒ッ!!
真冬「あ…」
成幸「先生…?」
真冬「……そ、そうね。はれて掃除ができるようになったのだし、これ以上君に迷惑をかけるわけにはいかないものね」
成幸「そ、そうですね……じゃあ、俺はこれで。今までお世話になりました。先生」クルリ
『結人くん! お願い、待って!』
真冬「ゆ、唯我くん! 待って!」
成幸「え?」
真冬「あ……」
成幸「…先生?」
真冬「あ…その……い、今までありがとう。しっかり勉強するようにね」
成幸「はい、ありがとうございます。それじゃあ」バタン…
真冬「……」ズキン
151
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:43:25 ID:dZYike.M
--1週間後
成幸「……」カリカリカリ
成幸「……」カリカリカリ
葉月「わーい」ダダダダ
和樹「待て待て--」ダダダダ
水希「こらー! あんたたち、お兄ちゃんが今勉強中でしょ!」
葉月「はーい」
和樹「なあなあ、お絵かきしよーぜ。これなら兄ちゃんの邪魔にならないし」
葉月「うん、そうだね」
152
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:43:56 ID:dZYike.M
成幸「……」カリカリカリ
和樹「♪〜」
葉月「♪〜」
水希「もう! お絵かきしていても歌いながらじゃ、お兄ちゃん集中できないじゃない!」
葉月「できた!」
和樹「何書いたん?」
葉月「ほら、怒ってるときの水希ねーちゃん」
和樹「はは、似てるー」
葉月「やったー!」
水希「あ、あんたたち…! 今日という今日は許さないわよー!」
和樹「水希ねーちゃんが怒ったー」
葉月「逃げろー」
ドッタンバッタン…
成幸(し…集中できん。こ、こうなったら…)
153
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:45:15 ID:dZYike.M
--風呂場
成幸「……」カリカリカリ
成幸「うん。久しぶりだけどやっぱりここなら集中できるな。よし、本腰入れていくか…は……はーっくしゅんっ!」ブルルッ
成幸「湯が温くなってきてるな。ちょっと足すか…」ドバー
--5分後
成幸「う……」ブルルッ
成幸(や、やっぱりあかん。最近寒くなってきたもんだからすぐに冷めてしまう。かと言って気軽に足し湯できるほど我が家に経済的余裕はない……くっ!)
154
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:45:49 ID:dZYike.M
--次の日
成幸「おはよう」ゲッソリ…
理珠「おはようございます成幸さん。何やらすごく眠たそうですが?」
文乃「目の下、すっごいクマだよ成幸くん。どうしちゃったの?」
成幸「あー…ちょっと馴染みの勉強場所が閉鎖してしまってな。うちは何かと騒がしいから、夜中だけしか集中して勉強できなくてさ」フワァ~ア…
理珠「そうですか…な、なら今日は私の家で勉強してみてはどうでしょう?」
文乃(わっ! りっちゃん大胆)
成幸「い、いいのか?」
理珠「ええ。成幸さんにはお世話になりっぱなしですから。これくらいは」
成幸「緒方…サンキュー。じゃあ悪いけど今日さっそく--」
155
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:46:29 ID:dZYike.M
--緒方うどん
理珠父「--さっそくで悪いけどよセンセイ。何時ごろ家に帰るのか教えちゃくれねーかな? ウチのアルティメット天使(エンジェル)理珠たまに、もしものことがあっちゃならねーからよお」ゴゴゴゴゴ
成幸「ごめん…やっぱり帰らせてもらうわ」ズーン…
理珠「すみません成幸さん。あとお父さんは調理場に引っ込んでもらえますか。とりあえず10時間ほど」ゴゴゴゴ
理珠父「それもう営業終わってるよね!? 理珠たま!!」ガーン!
156
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:47:18 ID:dZYike.M
--次の日
成幸「というわけでな…」フラフラ…
文乃「あはは…大変だったね。じゃあ私の家はどうかな? うちならお父さん帰ってくるの遅いし」
成幸「そ、それは…かえってまずくないか?」
文乃「え? あっ…だ、大丈夫! だってほら、成幸くんだから…」カァア
成幸「(どーいう意味で言ってるんだ…)わ、わかった…じゃあ厄介にならせてもらえるかな」
157
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:47:50 ID:dZYike.M
--文乃の家
成幸「……」カリカリカリ
文乃「……」カリカリ…
成幸「……」カリカリカリ
文乃「……」
成幸「……」カリカリカリ
文乃「……うう」ズーン
成幸「……手が止まってるけど、どっかわからないところでもあるのか?」
文乃「あ、うん…ここの問題なんだけど…」
成幸「ああ、これはまずこの公式を頭に入れたうえでだな--」
158
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:48:32 ID:dZYike.M
--数時間後
成幸「--ってなるわけだな」
文乃「そっかあ…ようやくわかったよ。ありがとう成幸くん」ニコッ
成幸「ああ、お安いご用……で」
文乃「……」
成幸「……」
成幸「しまったあああああ! 教えるのに夢中で自分の勉強がちっともできなかったあああ!!」ズガーン
文乃「ごごごごめんね成幸くん。私が余計なこと訊いたから…」ハワワワ…
成幸「い、いや古橋が悪いわけじゃない。完全に俺のせいだから…」
成幸(だめだ…一緒にいるとついつい教えることに気がいってしまう。ほ…ほかにどこか良い場所は…)
159
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:50:39 ID:dZYike.M
--七緒図書館
成幸「……」カリカリカリ…
成幸(さすがにここなら集中できるけど…家から結構遠いんだよなあ)
成幸「っと、また間違ってた…どうにも効率が悪いよなあ」
--誤謬。そこ間違っているわよ唯我くん
成幸「えーっと、どこに載ってたっけ…」パラパラ…
--いい? 歴史は暗記の前にまず出来事の因果関係を捉えなさい
成幸「……」パラ…
成幸(そうか……)
160
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:52:57 ID:dZYike.M
--某アパート・201号室
成幸(結局、ここに戻ってきてしまった…)
--私たちはあくまで教師と生徒ッ!!
成幸(わかってます。だけど…俺はやっぱり--)ギュッ…
バターン! ドガシャーン!
成幸「は?」
シーン…
成幸「え? ちょっ! せ、先生!?」バターン!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
成幸「せ、先生ーーー!!(ゴミ袋と本の山に押し潰されとる!)」ズガーン!
161
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:54:03 ID:dZYike.M
--数分後
真冬「感謝…助かったわ、唯我くん」
成幸「いえ…それよりも」
グチャアアア…
成幸「この部屋の惨状はいったい…(すっかり元に戻っとる)」
真冬「そ、それが…」カァア
162
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:54:41 ID:dZYike.M
--数日前
ウイイイイン ズゴゴゴゴ
真冬「今日も部屋がきれいだわ…これならもう唯我くんに頼ることもないわね」
真冬(これで良かったのよ。私たちは教師と生徒。漫画とは…違う)
ウイイイイン ズゴゴ…ゴゴ…ゴ……
真冬「? 異変。ゴミを吸わなくなったみたいだけど…」ヒョイッ
真冬「……ああ理解。ダストボックスが一杯になってしまったのね。なら、これを掃除すれば--」
163
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:55:34 ID:dZYike.M
--現在
真冬「不可解…ダストボックスを水洗いしたら、その後なぜか動かなくなってしまって…」
成幸「いえ…モーターが付いてるから水洗いしないで下さいと、思いっきりラベルが貼ってあるんですが…」タラーッ
真冬「あ、後で気付いたのよ。それで…動かないから少しばかり放置していたら、気付けばこんなことに…」ズーン
成幸「……」
真冬「……」
成幸「……ふ、ふふっ」
真冬「し、失礼! 何がおかしいの? 唯我くん」
164
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:56:11 ID:dZYike.M
成幸「す、すみません。その、可笑しくって。本当に、桐須先生らしいなあって…」ハハハッ
真冬「わ、笑わないで頂戴。今回は失敗したけど、また新しくルソバを買えば…」プイッ
成幸「……それなんですけど、先生」
真冬「?」
成幸「ルソバじゃなくて…また俺が掃除しに来るのはダメですか?」
真冬「え……?」トクン
165
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:56:59 ID:dZYike.M
成幸「あんなことを切り出しておいて虫がいいのはわかってます。でも…ようやく気付きました。俺が一番勉強できて落ち着けるのは、やっぱりここしかないんだって」
真冬「!!
だから…お願いします。またここで…勉強させて下さい!!」バッ!
真冬「〜〜〜〜っ!!」
成幸「……やっぱり、ダメ…ですか?」シュン…
真冬「い、いえ、違っ……違うわ!」
成幸「!?」
真冬「そ…そうね。そこまで勉強熱心な生徒を、教師として放っておくわけにはいかないわ。だから、その……い、いい…わよ」カァアア
成幸「せ、先生…! ありがとうございます!」パアアア
166
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 23:58:58 ID:dZYike.M
真冬「コホン…じゃあ勉強するためにも、至急この部屋を片付けなければいけないわね。唯我くん。悪いけど手伝ってもらえるかしら?」
成幸「はい先生。また…よろしくお願いします」ニコッ
『色々面倒かけたけど……またよろしく頼むよ、クリスセンセー』
真冬(やっぱり、リアリティに溢れてるのね。カレエゴは。なら…この後に言う言葉は--)
真冬「--ええ! こちらこそ。唯我くん」
了
167
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/08(火) 00:00:50 ID:bW0PeBLY
>>165
訂正です
真冬「!! ×
真冬「!!」〇
168
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/08(火) 00:15:25 ID:bW0PeBLY
以上です。完全な思いつきのためネタ元はありません。カレエゴネタを使ったので84話が該当するかも
先生とル〇バが結びついた瞬間、大体の流れが思い浮かびました。カレエゴを用いれば先生を如何様にも動かせるので書いていて大変楽しかったです。
原作は子育てまでいったので離婚→復縁といった感じでしょうか
次もまた頑張ります。それではまた
169
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/08(火) 00:19:14 ID:bW0PeBLY
>>140
訂正です。毎回すみません
真冬(ゆ、結人くんが。こ…これから
うなってしまうのかしら)ドキドキ… ×
真冬(ゆ、結人くんが。こ…これから
どうなってしまうのかしら)ドキドキ… 〇
170
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/08(火) 01:17:35 ID:oD3tShy6
おつんこ
更新多くて嬉しいわ
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/08(火) 03:00:56 ID:3jjwBv7s
乙
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/08(火) 06:44:33 ID:ycS0nM66
乙です
173
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/08(火) 23:46:18 ID:79lOWXDo
おつおつー
174
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/09(水) 23:53:14 ID:f9GyCHmI
おつ
175
:
sage saga
:2019/01/10(木) 11:43:57 ID:2s6f0s4g
また誤字脱字が…度々すみません
>>127
真冬(…もし応援を呼んだら? 当然…騒ぎが大きくなるでしょうね。そうなってしまえば緒方さんには厳しい処分を下さざるを得ない。成績が著しくない彼女にとっては致命的に…)×
真冬(…もし応援を呼んだら? 当然…騒ぎが大きくなるでしょうね。そうなってしまえば緒方さんには厳しい処分を下さざるを得ない。成績が良くない彼女にとっては致命的に…)○
>>165
だから…お願いします。またここで…勉強させて下さい!!」バッ! ×
成幸「だから…お願いします。またここで…勉強させて下さい!!」バッ! ○
おわびも兼ねて投下します。
【ぼく勉】あすみ「ドハっちゃん祭りだって!?」
176
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 11:48:22 ID:2s6f0s4g
--メイドカフェ・ハイステージ
あすみ「じゃあ。先にあがりまーす。お疲れでしゅみー(はあと)」ニパッ
マチコ「あしゅみーお疲れさま。唯我くんもそろそろ上がってくれたらいいよ」
成幸「わかりました。それじゃお先に失礼します。お疲れさまでした」ペコリ
177
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 11:50:13 ID:2s6f0s4g
--帰り道
あすみ「さて、と。バイトも終わったことだし、気合入れないとな」スタスタ
成幸「そうですね。…あ」
プラーン
成幸「そのカバンに付けてるドハっちゃん。俺の作ったやつですよね。嬉しいです」
あすみ「ん? ああ、ちょうど手頃なサイズだったからな。彼氏からの手作りプレゼントなんだから、身近に置いとくのがベストだろ?」ニヤー
成幸「またあんたはそうやって…」ハア…
あすみ「ひっひっひ。ま、半分は本気だから安心しろよ、後輩」
成幸「それって半分は冗談ってことじゃないですか。大体--ん?」クルリ
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 11:51:53 ID:2s6f0s4g
あすみ「……」ワナワナ…
成幸「どうしたんですか先輩? ゲームセンターの前なんかで止まっ…て……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…
『ドハっちゃん祭り開催中! UFOキャッチャーをはじめ、店内アミューズメント景品に大人気のドハっちゃんを大量入荷! ぜひこの機会にゲットしよう!』
成幸「こ、これは!?」
あすみ「……ふ、ふ」
成幸「せ、先輩?」
あすみ「ふおおおかわいすぎるううう! 後輩すまん! ちょっとだけ、ちょっとだけ付き合ってくんねーか? 頼むよ、なあ」ギュウッ
成幸「(う、かわいい…)わ、わかりました…」
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 11:53:15 ID:2s6f0s4g
成幸「……で、どうするんですか?」
あすみ「とりあえず軍資金はなけなしの千円を両替してきた。店内を見たら色々なゲームでドハっちゃんが景品になってるみたいだが…素人のアタシらでも手を出せそうなのはこれくらいしかねーな」
成幸「UFOキャッチャーですね」
あすみ「ま、早速やってみるか。穴近くに転がってるやつを上手いこと拾えれば……」ウイーン
成幸「やった。掴んだ!」
あすみ「うっし! このまま穴まで持っていければ……って、ああ!」
成幸「惜しかったですね。でも、あと少しでしたよ。もう一回やればもしかしたら…」
あすみ「そ、そうだな。次だ。次。今度こそ--」
180
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 11:54:58 ID:2s6f0s4g
--七百円投入後
あすみ「よ、よし…そのまま行け…行けえ…ってあああああ!」ガクーッ
成幸「い、今のは本当に惜しかったですよ先輩! つ、次こそ絶対に!」アセアセ…
あすみ「後輩お前…天然で人を破滅に導こうとしてるんじゃないだろーな?」ギロリ
成幸「い、いや! 滅相もないです!」
あすみ「わかってる。冗談だよ。悪かったな」ハア…
あすみ「しっかし取れねーもんだな。気付いたらあと三百円しか残ってねーし。こりゃ諦めるしかねーか…」
成幸「そ、そうですか…残念でしたね。俺が作ったやつよりよっぽどいいものが手に入りそうだったのに」
あすみ「は? 何言ってんだよ?」
成幸「へ?」
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 11:57:18 ID:2s6f0s4g
あすみ「どんな高級なもんだろうが、彼氏にもらったものより勝るものなんて、無いに決まってんだろ?」ニコッ
成幸「!!」ドキッ
成幸「そ、それも冗談…ですよね。先輩?」
あすみ「さあな。自分で考えてみたらどうだ?」ニヤニヤ
成幸「はあ…(本当に掴み所のない…)あ、でもそれなら何で新たに取ろうなんて思ったんですか?」
あすみ「あー…その」
成幸「?」
あすみ「まあ…アタシは一人っ子だったからな。こんなぬいぐるみでも、やっぱ一人だけじゃ寂しい思いをしてるんじゃないかって思ったんだよ…」
成幸「……」
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 11:58:37 ID:2s6f0s4g
あすみ「ったく…この年にもなってガキくせーこと考えるよな。アタシも」ハハッ
成幸「いえ、そこまで先輩に想われて、きっとぬいぐるみも喜んでると思います。作ってあげましょう。家族を」グッ!
あすみ「っても残り三百円じゃなあ。到底取れそうにないんだが…」
成幸「ひとつ方法があります。俺たちでダメなら、助っ人に頼むんです」
あすみ「助っ人?」
成幸「はい。クレーンゲームが得意なやつに、一人心当たりがあるんです。ちょっと待っててください」スマホスマホ…
プルルル… ピッ
--もしもし?
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 12:00:27 ID:2s6f0s4g
--30分後
紗和子「来てやったわよ。唯我成幸」
成幸「すまん関城。ほんっとーに恩に着る」ペコリ
紗和子「まあちょうど予定も無かったし別にいいけど…。で、こっちの小さい女の子は誰?」
あすみ「あ?」ゴゴゴゴ
成幸「せ、先輩。抑えて」ギュウッ
成幸「あー…この人は小美浪あすみ先輩。うちの学園のOBで緒方や古橋とも顔見知りなんだ」
あすみ「なんだ、あんた緒方たちの知り合いだったのか」
紗和子「いえ、知り合いじゃないわ。私は関城紗和子! 緒方理珠とは共に認め合った、かけがえのない親友よ!」キラーン
あすみ「ああ、なんつーか…一言でキャラがわかる自己紹介だな」ハハ…
成幸「ま、まあ、緒方が好きすぎること以外は普通の奴なんで」ハハ…
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 12:02:10 ID:2s6f0s4g
紗和子「それで、用件はこのクレーンゲームのぬいぐるみが取りたいんだっけ? こんなの簡単じゃない」
あすみ「ま、マジか!?」
紗和子「ええ。小美浪先輩…でいいのよね? 一度やらせてもらえないかしら? 失敗したらお金は返すわ」
あすみ「別にいいよ。わざわざ来てもらったんだ。気にせずやってくれ」チャリン
紗和子「…………うん、ここがいいわね」ポチッ
ウイーン ガチッ
成幸「お、おお!」
あすみ「いや、持ち上げるまでは上手くいくんだ。そこからが…」
紗和子「大丈夫よ。上手くいくわ」
ガーッ ポイッ ゴトン
紗和子「ほら、問題ないでしょ」
あすみ「お…おおおおお!? 関城といったか? すごいなあんた!」
紗和子「どういたしまして。お役に立てて良かったわ」
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 12:04:17 ID:2s6f0s4g
成幸「ありがとう関城。助かったよ」
紗和子「ええ。それよりちゃんと約束は守ってね? 唯我成幸」
成幸「緒方と三人で遊ぶ約束だっけ? 本人に出会ったら聞いてみるけど…それくらい直接誘ったらどうなんだ?」
紗和子「も、もももちろん誘うことくらいわけないんだけど…ほら、緒方理珠にもサドゥンリーな予定が入ってるかもしれないじゃない!? だ、だから念には念を入れてね!」
成幸「わかったわかった。今日は世話になったからな。何とか緒方に来て貰えるよう頼みこんでみるよ」
紗和子「--!」パアアアッ
成幸「上手くいって良かったですね。先輩」
あすみ「ああ。関城と、後輩のおかげだよ。ありがとな! ほーらドハっちゃん。家族ができたぞー」ニコニコ
成幸「ははは。--ん?」
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