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【ぼく勉】成幸 「桐須先生と結婚か…」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/06(木) 20:44:05 ID:TrYEpSoQ
成幸「はあ…何だか騒がしい風呂だったなあ」

和樹「今日は面白かったなー。兄ちゃん」

成幸「こっちは色々大変だったけどな! 先生の下着を返すのにどれだけ苦労したと思ってんだ」

和樹「ごめんなさーい! …でも本当にキレイだったな真冬ちゃん。おっぱいもでかかったし、兄ちゃん頑張ってお嫁さんにしよーぜ」

成幸「(おっぱい…)バカ言うな、相手は先生だぞ。俺なんか相手にされねーって」

葉月「えーでも真冬ちゃんはお嫁に来てくれるって言ってたよ」

成幸「ブッフォ! げほっげほっ。お前らなー。ラムネ吹き出しちまっただろ! ったく…本当に先生が言ってたのか?」

葉月「うん、いつか嫁に来てくれるって」

成幸「そうか(ああ、葉月に気を遣ってくれたんだな)」

葉月「良かったね。兄ちゃん」ニコッ

和樹「そうだな…」ハハ…
 
 てくてくと家路を歩いていく三人。

成幸(葉月の事はともかく、桐須先生と結婚か…絶対有り得ないだろうけど、何となく想像がつくよなあ…)フフッ

53以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:27:55 ID:.5Xh0nFs
大森(ゆ、唯我…)チラッ

成幸(お、大森…頼む! 何とか助けてくれ!)チラッ!

大森(…………)コクッ

成幸(お、大森…)ジーン

大森(………グッドラック b)ニコッ

成幸(あの野郎…あとで覚えてろよ)ゴゴゴゴ

54以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:29:15 ID:.5Xh0nFs
真冬「--これと、これね。では後で反省文を提出するように。次、君の番よ。唯我くん」

成幸「(き、来た…)は、はい…」ドサドサ…

真冬「拝見…教科書にノートに弁当ね。それ以外のものはもう無いかしら?」

成幸「はい…」

成幸(な、なんとか教科書の間に挟み込むことはできた。このままどうにか--)

真冬「疑問。教科書の間に何か挟まっているようだけど…」ペラッ

成幸(あっさり看破!)ガーン

真冬「これは……?」

成幸「そ、それは…(すまん…古橋、うるか、緒方)」

55以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:31:25 ID:.5Xh0nFs
 --おまえらのこと、幸せにしてみせるから。

成幸(……そうだ。何を悪い方に考えてたんだ俺は! ちゃんと正直に話そう。桐須先生ならきっとわかってくれるはず…多分)

成幸「その、先生。実は……」

真冬「……ブックカバーね」

成幸「……え?」

真冬「確か、赤堀Booksのブックカバーだったわね。把握。昨日購入した参考書かしら?」

成幸「あ、え…?」

真冬「違うのかしら?」ジロリ

成幸「は、はい! さ、参考書…です」ドキドキ…

真冬「そう。なら結構ね」カッカッ…

成幸(た、助かった…?)

56以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:36:40 ID:.5Xh0nFs
--持ち物検査終了後

大森「わーん、唯我ごめんよー。お前を信じてたから俺はー!」

成幸「うん…わかったから。お前もう喋るな」

小林「それにしても…よく桐須先生から見逃してもらえたねえ。成ちゃん」

成幸「はは、まあ…昨日たまたま本屋で出会ったからさ」

大森「これも唯我がブックカバーを付けてくれていたおかげだって! ありがとう唯我。ようやくこいつ(EROいんぐ)と出会うことができたー!」ギュウッ

成幸「お前な…」ハア…

57以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:37:42 ID:.5Xh0nFs
小林「う〜ん。でも…あの桐須先生でも見間違えることがあるんだね」

成幸「何が?」

小林「ほら、よく見たらあのブックカバー、中身がうっすら透けてるでしょ?」

成幸(…え?)

58以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:44:51 ID:.5Xh0nFs
--職員室

真冬「ふう…」

 --その、先生。実は……

真冬(自ら申し出なければ没収も考えるところだったけど…)

真冬(まあ…個人の趣味嗜好はともかく、普段の彼の素行からはあんな物を学校に持って来るとは思えない。何か理由があったのでしょうね…何にせよ)

 --演劇部の顧問なんです。

 --それじゃさっさと終わらせちゃいましょうか。

 --俺がいなきゃ、先生いつも大変なことになってますからね!

「…今日はいつもと逆だったわね。でも、次は無いわよ。唯我くん」



59以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:47:18 ID:.5Xh0nFs
幕間

--数日後、真冬宅

真冬「いらっしゃい。その…ほんの少しばかり散らかっているけれど、上がって頂戴」モジモジ…

成幸「…いつも思うんですけど、これを少しと言いきるのは無理があるのでは?(足の踏み場が無い…)」

真冬「し、辛辣…これでも整理整頓の技術は徐々に進歩してきているわ」

成幸「とりあえずいつものように片付けましょうか。…あ、それと」

真冬「?」

成幸「この前は助けてもらったので、今日は気合いを入れて掃除させてもらいますね」

真冬「……何のことかしら」ツンッ

成幸(こういう人なんだよなあ…)フフッ

成幸「いえ、何でもありません」

60以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 21:55:52 ID:.5Xh0nFs
以上です。ネタ元は40話と84話。先生回は成幸がポカをする話が無いのでチャレンジしてみましたが、コメディは難しいなとあらためて思い知りました。

乙コメや擬音の指摘ありがとうございます。次作はまだ未定ですが頑張ります

61以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 22:00:20 ID:.5Xh0nFs
あ、>>46は誤字でした
EROイング× EROいんぐ〇 です

62以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/11(火) 23:44:45 ID:8l5zu9Bs
おつ
ええ話やな

63以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/12(水) 12:21:11 ID:CBwEWmYI
やっぱり先生がナンバー1!!

64以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/12(水) 21:26:06 ID:hlqTX0iY
シエンタ

65以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/23(日) 09:14:50 ID:D8VACQ72
最新話で結婚通り越して二人で子育てしてましたね

66以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/25(火) 10:24:08 ID:WbZfBlNc
1です。しばらく投下できてなくてすみません

代わりといっては何ですが、スレタイの桐須先生との結婚ssをこのたび小説形式に直してみました。ここでは台本形式が主流っぽいのでハーメルンの方に上げています。原作っぽくタイトルを「湯上がりの帰路・彼は前任者との【x】を想像する」と変えましたのでよかったら読んでやってください。

>>65
あまりの神回に一日ニヤニヤしっぱなしでした。何気に赤堀ブックスで先生と出会うのが自分のssと同じだったので嬉しかったりもしてます。

それでは良いクリスマスを(*´∀`*)ノ。+゜*。

67以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:32:12 ID:5NBlKidM
明けましておめでとうございます。
にぎやかなやつを投下します

【ぼく勉】成幸「ボウリングの無料券?」

68以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:32:49 ID:5NBlKidM
--唯我家

成幸「ふわあ〜あ。おはよう、母さん」

花枝「おはよう成幸。あんたまた徹夜してたの?」

成幸「はは、大丈夫だって。しっかり3時間は寝たからさ」

花枝「しっかりって言わないわよそれは。はあ…わかった。じゃあ、これを持っていきなさい」

成幸「なんだこれ…ボウリングの無料券?」

花枝「職場で貰っちゃったのよ。明日は休日だし、これでりっちゃん、ふみちゃんを誘って目いっぱい羽を伸ばしてきなさい」キラキラ

成幸「いや、それより勉強が…」

花枝「い・い・わ・ね?」

成幸「(母さん目がマジだ!)は、はい…」

69以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:33:23 ID:5NBlKidM
水希「ダ、ダメよそんなの! お兄ちゃんとボウリングに行くのは私しかいないってもう私の中で決めて--」

花枝「葉月、和樹」

葉月「はーい」

和樹「ほらほら水希姉ちゃん、この揺れる5円玉を見て見て」

水希「なあんだ。お兄ちゃんは図書館に勉強に行くんだ。ソレナラアンシンダネ…」

成幸「……」

70以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:34:15 ID:5NBlKidM
--放課後、教室

成幸「--てことで明日は昼から締め出しをくらうことになってな…」

理珠「何というか…」

文乃「流石はおばさま…ことの持っていきかたが豪快だね」

成幸「しかも夜まで帰って来るなって言われてな…そういう訳で、よかったら明日付き合ってくれないか? あ、もちろん用事があれば断ってくれて構わないぞ」

理珠「わかりました。球技はあまり得意ではないですが協力したいと思います」

文乃「りっちゃん…うん、わかった。私もついて行っていいかな? 成幸くん」

成幸「え? い、いいのか?」

理珠「ええ。成幸さんにはいつも世話になっていますし」

文乃「うん。それにおばさまの言う通り、たまには息抜きも大切じゃないかな」

成幸「すまん緒方、古橋。恩に着る。じゃあ明日昼の2時に集合ってことで」

71以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:42:33 ID:5NBlKidM
うるか「ごめーん遅くなっちゃった。ねーねーいま何の話してたの?」

文乃「あ、うるかちゃん」

理珠「お疲れ様ですうるかさん。先ほど成幸さんから(ボウリングに)付き合ってと言われたので承諾したところです」

うるか「つ、付きっ…!?」ガーン!

成幸「あー…うるか?」

うるか「ソ、ソウ…ヨカッタネ。ウン、成幸モリズリンモオ幸セニ。ソ、ソレジャ、今カラ部活ニ行クカラ!」

成幸「ちょっと待て」ムンズッ

うるか「離してー! 部活、部活がー!!」ジタバタ

成幸「お前こないだも同じこと言って逃げただろーが! どこに行くんだよ」

うるか「だ、だって…成幸がリズりんに告白したってことだよね。うんわかってる。私に構わず二人でブルースプリングをエンジョイしてきたらいいよ。応援してるから」グスン

成幸「いいから話を聞け! あと青春はブルースプリングじゃなくてyouthだ」

文乃「とりあえず説明するね…うるかちゃん」

72以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:43:06 ID:5NBlKidM
--説明後

うるか「なーんだ。そーだったんだ! もう、人が悪いなリズりんも。ちゃんと説明してよー」パアアッ

理珠「確かに主語を明確にしなかった点については謝りますが…早合点したうるかさんも大概では?」ジロリ

うるか「まー細かいことは言いっこなし。ねえねえ成幸。私も行っていいかな?」

成幸「そりゃもちろん構わんが…うるかは母さんと家で面識がなかっただろ。悪いがチケットはもう無いぞ」

うるか「大丈夫大丈夫。だってそのチケットあたしも持ってるから」ゴソゴソ

成幸「は?」

73以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:43:56 ID:5NBlKidM
うるか「ほら、二枚。ママからもらってさ。その…つ、使わないのも勿体ないし、せっかくだから成幸を誘おうかな〜と…思って」カァア

成幸「そ、そうか…」テレッ

文乃(乙女だねえ、うるかちゃん)(=v=.)

理珠「ではうるかさんも参加ですね。この4人で全員でしょうか?」

成幸「とりあえずそうなるかな。じゃあ明日2時に現地集合ってことで」

理珠「はい」

文乃「うんっ」

うるか「オッケー!」

74以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:44:49 ID:5NBlKidM
--唯我家

カリカリカリカリ
カリカリ… 〜♪♪

成幸(電話か。誰だろう…って先輩?)ピッ

成幸「もしもし」

あすみ「もしもし。悪いな勉強中に」

成幸「(何でわかるんだ…)あ、いえ大丈夫です。何かあったんですか?」

あすみ「あーまあ、な……ちょっと親父の奴がまた余計な世話を焼きやがって」

成幸「はあ」

あすみ「ボウリングの無料券を貰ったから彼氏と明日行って来いって言うんだわ。すまんが後輩、明日どうにか時間作れねーかな?」

成幸「(凄い偶然だな…)あ、大丈夫です。ていうか実はですね--」

75以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:45:36 ID:5NBlKidM
--ボウリング場

成幸「…というわけで先輩も来ることになったんだ」

あすみ「ようお前ら。全員で会うのは文化祭以来だな」ニッ

理珠「こんにちは小美浪先輩」

文乃「お久しぶりです」

うるか「今日はよろしくお願いします」

あすみ「ああ、今日は気晴らしも兼ねて楽しむことにするよ。あ、でも」チラッ

成幸「?」

76以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:46:09 ID:5NBlKidM
あすみ「1番楽しめるのは後輩かもな。女4人囲ってボウリングデートとか、どこのハーレムだ?」ニマ~

成幸「せ、先輩! 人聞きが悪いですよ!」

あすみ「ひっひっひ、冗談だよ。本気にしてる奴もいるみたいだけどな」チラッ
 
理珠(……か、考えてみればそうかもしれません)アセアセ

うるか(そ、そうだよね。これだってデートの一種で…ひゃああ〜)カァアア

文乃(………意識しない、意識しない)ブツブツ…

成幸(初っぱなからこの人は…)ハア…

77以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:46:47 ID:5NBlKidM
あすみ「ま、冗談は置いとくとして、これで全員か? まだチケットが一枚余ってるんだが…」

成幸「そういやうるかも一枚余ってなかったか?」

うるか「あ、私のはママに返しておいたから。せっかくだし誰かいないか探してみようか?」スマホスマホ…

文乃「あ、じゃあその間に皆の飲み物買ってくるね」スタスタ

理珠「では私も文乃を手伝ってきます」スタスタ

成幸「ああ、よろしく…ん?」

真冬「--ご迷惑をお掛けしました……ええ、それでは」

成幸「桐須先生?」

あすみ「ん? ああ、まふゆセンセだな。こんにちは、まふゆセンセ」

真冬「ゆ、唯我くんに小美浪さん? どうしてここに?」

あすみ「ボウリングの無料券を貰ったんで一緒に来たんですよ。まふゆセンセの方こそ、こんな場所に来るなんて珍しいじゃないですか」

成幸「何かあったんですか?」

78以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:47:49 ID:5NBlKidM
真冬「不祥事。うちの学園の生徒が夜遅くまでここに入り浸っていたそうだから、話を聞きに…」ハア…

成幸「そうだったんですか」

真冬「ええ、もう済んだから帰るけど、君たちもあまり遅くならないように--」

うるか「駄目だー海っちも川っちも捕まらなかったよ、成幸も誰かーーって、桐須先生?」

真冬「え、ええ。こんにちは武元さん。その…武元さんも唯我くんたちと?」

うるか「はい、たまには息抜きにってみんなで。あ、もしかして桐須先生もボウリングしに来たんですか?」

あすみ「!!(その手があったか!)」

成幸「!!(あいつらと先生の仲を改善させるチャンスかも!)」

真冬「そ、そんなわけないでしょう。私は--」

あすみ(いくぞ、後輩!)キュピーン

成幸(はい、先輩!)キュピーン

79以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:50:45 ID:5NBlKidM
あすみ「いやいや、せっかくここまで来たんだし、ボウリングしていきましょうよ。まふゆセーンセ」ニコッ

成幸「ちょうど先輩が無料チケットを一枚持ってるんです」

うるか「えー何それ!? 先生が混ざってくれるなんてチョー面白そう! 一緒にやろーよ! 桐須先生!」

真冬「え? え?」

成幸「誰かもう一人いないか探していたところなんです。せっかくなので先生に参加してもらませんか?」ツカツカ

成幸「今度部屋に行ったら徹底的に掃除させてもらいますから」ボソッ

真冬「〜〜〜〜っ!」

80以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:51:23 ID:5NBlKidM
--レーン後方。待機スペース

真冬(何でこんなことに…)ムスッ

理珠(何でこんなことに…)ガクガクブルブル

文乃(何でこんなことに、だよ)ガクガクブルブル

あすみ「お前らな…いい加減後輩の背中から出てこいよ」ハア

うるか「おーっし、シューズも履いたし 次はボールボールっと! 桐須先生も一緒に行きましょう!」グイグイ

真冬「ちょ、ちょっと武元さん」

81以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:51:57 ID:5NBlKidM
あすみ「…武元の奴すげーな」

成幸「はは…なんか前に先生から水泳でアドバイスを受けたのがきっかけみたいで」

あすみ「ま、センセにとっちゃ良いかもな。二人とも武元の言う通りだ。とっととボール取りにいこーぜ」

成幸「大丈夫だって。今日は遊びなんだし先生だって厳しくしたりしないと思うぞ」

理珠「そ、そうですね…ほら文乃。うどんでも食べて元気を出しましょう」サッ

文乃「うう、さっきお昼ご飯食べたとこなのに…けどおいしい」ズルズルッ

成幸・あすみ((食うんかい))

82以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:52:42 ID:5NBlKidM
--ボール置き場

文乃「うわ、りっちゃんのボール12ポンドって、結構重くない?」

理珠「大丈夫です。重い方が倒れやすいと聞きましたので。そういう文乃は5ポンド…随分軽いのを使いますね」

文乃「あはは、あんまり力が無いから。この方が取り回しが楽だし」

あすみ「おー、お前ら選んだかー?」

成幸「あ、はい決まりました。先輩は7ポンドですか?」

あすみ「ああ。アタシの体格じゃこれくらいがベストだな」

うるか「あ、成幸たちも決まった?」

成幸「ああ。うるかたちは?」

うるか「桐須先生にアドバイス貰ったからねー。もうばっちり!」

成幸「うるかが9ポンドで…先生が10ポンドか」

真冬「適度。重い方が当たったときに物は倒れやすいけれど、あまり重くても身体のバランスが崩れてしまうから」

うるか「そうそう。だから実際にボールを持ってチェックし合ってさ。先生すっごい真剣に選んでくれるからびっくりしちゃったなー」

真冬「た、武元さん…!」

83以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:53:31 ID:5NBlKidM
成幸「へー。ボール一つとっても重要なんだな、古橋」

文乃「……(えっと…うん。整理すると、だよ)」

文乃…5ポンド

小美浪先輩…7ポンド

うるかちゃん…9ポンド

桐須先生…10ポンド

りっちゃん…12ポンド

理珠「文乃。どうしました…?」

文乃「う、うん! 先生のいう通り、やっぱり体格に合ったボールを使うのは大事だよね。あー最近力がついちゃって。今なら10ポンド! いや12ポンドくらいいけちゃうかなー」ブンブン

あすみ「古橋のやつ、いきなりどうしたんだ?」

成幸「そっとしておいてやりましょう…」

84以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:55:00 ID:5NBlKidM
--レーンにて

パッカーン!!

あすみ「いえーい! ストライクでしゅみー!」サッ

うるか「さっすが小美浪先輩! 完全にガーターと思ったのにすっごいカーブですね」パシン

あすみ「ま、学園にいた頃は部活の仲間とよく通ってたしな。昔取った杵柄って奴だ。そういう武元もやるじゃねーか」

うるか「あはは、私も部活帰りにたまに来てたんで。えーっと次は」

真冬「……」スッ

うるか「あ、桐須先生か。が、頑張って下さいね(すっごい真剣)」

真冬「………!」ゴロゴロゴロ

パッカーン!!

85以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:56:00 ID:5NBlKidM
あすみ「またストライク…予想はしてたけど、すっげーなまふゆセンセ」タラ-

成幸「……」スッ
   
あすみ「どうした? 後輩」

真冬「……ふう」スタスタ

成幸「先生」

真冬「唯我くん? まだ君の出番ではないようだけど?」

成幸「先生はボウリングの経験はありますか?」

真冬「皆無。テレビでプロの試合が映っているのを見た程度ね。それが?」

成幸「ちょっと両手を出して、手のひらをこっちに向けて貰えますか?」

真冬「こうかしら?」

86以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:58:09 ID:5NBlKidM
成幸「はい。では」パシン

真冬「キャッ! な、何故手を叩くの…!?」アセアセ

成幸「ストライクおめでとうございます」ニッコリ

真冬「…え?」

成幸「その、今は競技じゃなくて、レジャーですから。こういうときは誰かが良い結果を出したら喜び合うんですよ」

真冬「そ、そういうものなの?」ポカーン

あすみ(…ああ、そういうことか。つい気迫に呑まれちまってたけど、そういやセンセってこういう人だったな)ニヤッ

あすみ「セーンセ、やるじゃないですか連続ストライクなんて」パシン

うるか「初めてなのにストライク連発とか、マジですごいです。先生!」パシン

真冬「え、ええ…」

87以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 09:59:40 ID:5NBlKidM
理珠「桐須先生」スタスタ

真冬「緒方さん…?」

理珠「…成幸さんの言う通り、今はみんなでボウリングを楽しむべきかと思いましたので。その…おめでとうございます」パシン

文乃「わ、私もそう思います。ナイスストライクでした」パシン

真冬「……」

理珠・文乃「「で、では…」」

真冬「緒方さん、古橋さん」

理珠・文乃「「は、はい」」

真冬「その、ありがとう……二人とも次の投球、頑張って」ボソッ

理珠・文乃「「--はいっ」」パアアッ

あすみ「…何笑ってんだよ? 後輩」ニヤニヤ

成幸「いえ、気のせいですよ」クスッ

88以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:00:28 ID:5NBlKidM
パッカーン!!

文乃「あー、これは…」

うるか「文乃っちスプリットかー。しかも端と端だし、こりゃ難しいかも」

理珠「こういうときはどうするのですか?」

成幸「まーどっちか片方を狙うしかないだろうな」

文乃「どっちか、片方か…」チラッ

文乃(りっちゃんもうるかちゃんも、やっぱり成幸くんと話してる時は良い顔してるんだよね…私はどっちを応援すれば…ううん)

--お前が本当にやりたいこと、俺が全力で応援してるからな。

文乃(あの時から…成幸くんを見る目が少しずつ変わってしまってる気がする。りっちゃんうるかちゃんのこともあって、意識しないようにしてるけど…でも)ズキン

文乃(わからない…どうしたいのか、でも、いずれ選ぶときが来るのかも。このピンみたいに)

成幸「古橋のやつ…凄く集中してるみたいだな」ゴクリ…

89以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:02:15 ID:5NBlKidM
文乃(うん…委ねてみよう。私の思いを乗せて、この一投に!)ゴロゴロゴロ

パッカーン!!

成幸「おお! 当たった」

文乃(うん! …え?)

コンッ!  コンッ、コン…カンッ! コロン

うるか「す、凄いよ文乃っち! まさか両方倒すなんて」

理珠「片方のピンが転がってもう片方も倒れたのですね。凄いです! 流石は文乃!」

文乃(あああああ! ホッとしたけど、ホッとしたけど! 私は一体どうすればいいのーー!)ズーン

成幸(古橋のやつ、なんで倒したのに落ち込んでるんだ?)

真冬「えっと、この場合手を叩きに行くべきなのよね…」ソワソワ

あすみ「あー、今は止めといた方が良いですよ。センセ」ニヤニヤ

90以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:03:37 ID:5NBlKidM
あすみ「…で、次は後輩だな。頑張れよ。もしストライク取れたらハグしてやるからな」ニヤニヤ

うるか・理珠「「!!」」

成幸「せ、先輩! 何を」

うるか「な、成幸! あああああたしもね。ストライク取ったらハグしてあげるから!」カァアア

理珠「成幸さん…私の身体でよかったらどうぞ!」フンス!

成幸「その言い方は誤解を生むから止めろおお!」

文乃「(そ、そこかしこにフラグが…)な、なんか凄いことになってきちゃいましたね」ハワワワ…

真冬「そうね…全く。くだらないわ」ツンッ

文乃(よかった。さすがに先生はまともみたい)ホッ

真冬「………」

91以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:05:59 ID:5NBlKidM
真冬(…そういえば、カレエゴにもボウリングの話があったわね)

--俺がストライクを取ったら、クリスセンセーは俺にハグしてくれるかい?

--だ、だめよそんなの! でも…結人くんがどうしてもと言うのなら…

真冬「………」ポワーン

--俺がストライクを取ったら、桐須先生は俺にハグしてくれるんですよね?

--だ、だめよ唯我くん。私たちはあくまで教師と生徒! で、でも……

真冬(…………)カァアア

文乃(…? 桐須先生なんだか嬉しそう。声かけない方がいいのかも)

92以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:07:01 ID:5NBlKidM
あすみ「…で、あれだけ盛り上げたのに結局ガーターかよ。しっかりしろよ後輩」ハア…

成幸「あんだけプレッシャー与えといてそれを言いますか!? あんたは」

うるか(いや取れや)ギロリ

理珠「……」プクプクゥ

成幸「(む、無言のプレッシャーを感じる…)で、次は?」

文乃「次はりっちゃんだね」

理珠「はい。頑張ります。ガーター続きの成幸さんには負けません」

成幸「いや、そういう緒方だってさっきガーターだったが…」

理珠「認識が甘いですね成幸さん。先ほどの反省を活かし、うるかさんたちの投球フォームを隅々まで観察していました。もう失敗はしません」

うるか「マジで? リズりんすごい!」

文乃「さすがだね。りっちゃん」

93以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:07:51 ID:5NBlKidM
理珠「ではいきます。えいっ!」ゴロゴロ--ゴトン

理珠「……」

成幸「……」

理珠「紙一重といったところでしたね」キリッ

成幸「いやガーターまっしぐらだっただろーが!」

理珠「しかし困りました。これではゲームになりません」

成幸「確かに。転がすだけなのに、なんでか真っ直ぐ行かないんだよな。みんな一体どうやって投げてるんだ?」

うるか「んっと…バッと振りかぶってホイって投げたらパカーンって感じかな」

理珠「なるほど。了解しました」

成幸「わかったのか!?」

理珠「ええ、うるかさんが致命的に教えるのが下手だということは」

うるか「ひどっ!」ガーン!

94以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:09:14 ID:5NBlKidM
成幸「古橋は?」

文乃「え? ど、どうかな…多分あんまり考えてないと思う」

あすみ「あたしも感覚で何となくだなー。まふゆセンセは?」

真冬「特に意識はしていないけど…でも」

成幸「でも?」

真冬「指摘。どこがおかしいのかは見ていてわかったわ。ボウリングは再現性を高めるのが肝要。にも関わらず唯我くんはさっきと違う位置から投げているし、緒方さんはボールを投げる直前に手元が狂ってしまっている」

成幸「は、はい(よく見てるんだな、先生)」

理珠「わ、わかりました。とはいえどうすれば…」

真冬「掌をピンに向けたまま投げるよう意識することね。武元さん、二人の前でフォームを見せてあげてもらえるかしら?」

うるか「あ、はい。わっかりましたー!」

95以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:09:46 ID:5NBlKidM
ワイワイガヤガヤ

文乃「……」

あすみ「どうしたんだ? 古橋」

文乃「あ、いえ…桐須先生って学校以外じゃ随分イメージが違うんだなって」

あすみ「ああ…ま、学校でのインパクトが強烈だからな。あたしもああいう一面があるって知ったのはつい最近だ」

文乃「それまではどんな印象だったんですか?」

あすみ「お前や緒方と一緒だよ。ビビるまではいかないけど、口うるさい先生だなって思ってた。人が決めた進路に最後の最後まで反対してきたしな」

文乃(う…目に浮かんできそう)

あすみ「で、結果は不合格。どん底の気分で報告に行ったら、ほら見たことかとまた小言だ。さすがにムカついてきてな。何か言い返してやろうと前を向いたら--先生の顔…すげー悲しそうにしてたんだ」

文乃「…え?」

96以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:10:28 ID:5NBlKidM
あすみ「あの時の先生が何を思ってたのかはわからねー。けど先生があれだけ最後まで反対してたのは、あたしの事を真剣に心配していたんだってことは理解できたよ」

文乃「そうですか……」

文乃(…うん)スクッ

あすみ「なんだ、トイレか?」

文乃「違います! 私も桐須先生に教えてもらおうかなと思って…あの、桐須先生!」スタスタ

あすみ「………」ニッ

97以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:11:31 ID:5NBlKidM
文乃「こ、こうですか?」

真冬「ええ。振り子の動きをイメージしながら腕を前に出していくの」

文乃「(わかりやすいし丁寧に教えてくれる。成幸くんやうるかちゃんが言ってたように、ただ冷たいだけの人じゃないのか…な)こ、こんな感じでいいですか?」

真冬「ええそうね。もう少し脇を締めて--」

うるか「ほらリズりん、また脇が空いてるよ」

理珠「は、はい。しかしあまり脇を締めると胸が腕にぶつかってしまって」

うるか「そんな極端にしなくても大丈夫だって。てかそんなに締めたらあたしだって当たっちゃうよ」ハハハッ

文乃「……」スカッ…スカッ…

真冬「そ、そこまできつく締めなくても大丈夫よ古橋さん。ところで何故涙を?」

文乃「気にしないで下さい。無抵抗な自分の身体に、ほんの少しだけ、憂いを覚えただけですので…」キラリ

98以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:12:15 ID:5NBlKidM
パッカーン!!

理珠「わ、わわ!? また倒れました。しかもたくさん」

うるか「7本だね。やるじゃんリズりん。成幸も普通に倒れるようになったし、十分ゲームになってたよ」グッ

あすみ「とりあえずこれでこのゲームは終わりだな。スコア見てみようぜ」ピッ

うるか  157

あすみ  182

まふゆ  205

ふみの  118

なりゆき 93

りず   71

あすみ「まあ順当なところだな。確かあと1ゲーム無料でできるんだっけか?」

成幸「そうですね」

99以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:13:26 ID:5NBlKidM
あすみ「じゃー次はペアを組んでやってみようぜ。1位と6位、2位と5位、3位と4位が組んで、それぞれの成績を合計する。1番スコアが高かったペアが優勝だ」

成幸「面白そうですね。やりましょう」

あすみ「(掛かったな)で、もちろん優勝ペアには賞品を付けないとな。そうだな…後輩に何かお願いできる権利とかってのはどうだ?」ニヤリ

うるか・文乃・理珠・真冬「「「「!!」」」」

成幸「ちょ、ちょっと! いきなり何言ってんですか!? 先輩!」

あすみ「そりゃ、アタシも含めて、ここにいる女は全員後輩と関わりが深いんだし、賞品としては妥当じゃねーか? あ、ちなみにアタシが勝ったときはお店のオプションをフルコースで振る舞ってやるから、張り切って投げろよ」ニヤニヤ

うるか・文乃・理珠「「「!!」」」

成幸「い、いやそんなこと言われても…俺が賞品とかみんなに却って迷惑ですよ。だよな? うるか」

うるか「……」ゴゴゴゴ

成幸「……うるか?」

100以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:14:38 ID:5NBlKidM
うるか「し、仕方ないなー! 先輩が決めたルールだし、従わないわけにはいかないもんね! よーし文乃っち、本気出して、絶対勝とう!」

文乃「あ、う、うん」

理珠「わ、私も。お二人には負けません!」フンス

成幸「えええええ!?」

あすみ「みんな乗り気みたいだな」ニヤニヤ

真冬「……」

成幸(い、いやまだだ。先生…先生なら!)

成幸「せ、先生。生徒を賞品に差し出すなんて行為、先生は許さないですよね?」

101以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:15:48 ID:5NBlKidM
真冬(……)ポワワン

--いつも悪いわね、唯我くん

--いえ、ボウリングで負けてしまいましたから仕方ありません。でもエアコンのフィルター掃除なら俺が

--このくらいなら問題無いわ。いいから君は椅子を支え--きゃっ!

--危ない、先生!

--あ、唯我…くん

--良かった。今度は無事に受け止めることができましたね。全く。俺がいないと危なっかしい先生なんですから

102以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:16:30 ID:5NBlKidM
真冬「……唯我くん」コホン

成幸「先生…」

真冬「許容。あくまでゲームの一環であるならば問題は無いわ」キリッ

成幸(ええーーー!?)ガーン

あすみ「決まりだな。じゃあセンセは緒方と。武元は古橋と。でアタシは後輩とだな。わかりやすいように投げる順番もペア同士にしておくからな」ピッピッ

ふみの
うるか

あすみ
なりゆき

まふゆ
りず

あすみ「これでOKと。じゃあ頑張ろーぜ後輩。もし手抜きしやがったらきっついお仕置きが待ってるからな」

成幸「ああああ…」プルプル…

103以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:17:17 ID:5NBlKidM
--1時間後

成幸「それっ!」ゴロゴロゴロ

パッカーン!

うるか「うええっ!? 成幸が最後にストライク取った 」

文乃「すごいよ成幸くん!」

あすみ「やるじゃねーか後輩」

成幸「はは…緊張しました。これで逆転。どうにかうるかたちには勝ったな」ピース

文乃「残念だったね。うるかちゃん」

うるか「ううっ…悔しい(でもカッコイイ成幸が見られたから幸せかも…)」

あすみ「後輩が思ってた以上に活躍してくれて助かったな。ったく…そんなにあしゅみぃちゃんのオプションフルコースを堪能したかったのか? このスケベ」ニヤニヤ

成幸「どっちにしてもからかう気なんですね、アンタは…」グッタリ…

あすみ「ひっひっひ。冗談だよ。けどまあ…最後の真剣だった姿はちょっと、カッコ良かったぞ」ボソッ

成幸「え?」

あすみ「何でもねー。ま、これでとりあえずアタシたちが暫定1位だな。けど…」

104以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:17:48 ID:5NBlKidM
パッカーン!!

理珠「ま、またストライク! すごいです先生」サッ

真冬「当然。同じ課程を再現すれば良いだけのことだもの」パシン

うるか「桐須先生すっごいですよね。ほぼスペアかストライクだし」

あすみ「緒方が調子を崩してるから拮抗してるけど…まずいな。センセがこれ連続で取ったら1位確定じゃねーか」

文乃「今のもストライクだったし、波に乗ってるって感じですよね。このままじゃりっちゃんが投げる前に終わっちゃうかも…」

成幸「そうなってもおかしくないかもな。先生だけ全然乱れないし」

文乃「うん。まさに氷の女王って感じだね…そういえば、もし1位になったら先生は成幸くんに何をお願いするつもりなのかな?」

あすみ「あんまり想像つかねーなー。勉強を教えたりとか?」

うるか「それじゃ学園でやってることと変わらないですよね…あ、じゃあ先生の家に成幸が掃除しに行くっていうのはどうですか?」

105以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:18:36 ID:5NBlKidM
成幸「ブッフォッ!」

真冬「ブッフォッ!」ゴトン

理珠「せ、先生? どうしましたか?」

真冬「い、いえ…なんでもないわ、緒方さん。少し手を滑らせてしまっただけで」ソワソワ

あすみ「さすがにそれはやり過ぎじゃねーか? 武元。いくら何でも、教師が生徒をそんな目的で家に連れ込むなんざ問題だらけだろ?」

うるか「あはは、そうなったら面白いかなーとか思っちゃいましたけど、常識的に考えればそうですよね」

文乃「そうだようるかちゃん。もし誰かに見つかりでもしたら、二人とも処罰されちゃうかも」

うるか「あれ? 成幸どうしたの? 顔色が優れないけど」

成幸「い、いや…何でも」ビクビク

理珠「せ、先生。何だか顔色が優れないようですが…」

真冬「も、問題無いわ緒方さん…この通りいつもと変わらぬ集中力で…って、ああっ!」ゴロゴロ…ガタン

文乃「わっ! 先生がミスしちゃった」

うるか「先生でもさすがにこういう場面はキンチョーするんだねー」

成幸「……」ドキドキ

106以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:19:09 ID:5NBlKidM
理珠「正真正銘、これが最後の一投ですね」

真冬「も、申し訳ないわ。緒方さん…」ズーン

理珠「いえ、先生は十分に活躍してくれました。あとは私が頑張れば」

あすみ「とはいえどうだろうな…逆転するには9本以上倒す必要があるが、緒方の最高記録は8本。しかも一投目はガーターで、すっかり悪いイメージがついちまってる。果たして上手くいくかどうか…」

理珠(小美浪先輩の言う通りです。一投目のガーターは気負い過ぎてしまったことによるもの。ならば…以前の私に戻ればいい。心の機微に疎い、機械仕掛けの私を、今は--)

うるか「! リズっちが動いた」

理珠「(ボウリングは再現する球技。8本倒した時の足運び、腕の振り方をよく思い出して。あとは--集中力!)えいっ!」ゴロゴロゴロ…

全員「------!」

107以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:20:37 ID:5NBlKidM
--緒方うどん、店内

あすみ「では1位になった緒方、真冬センセペアを祝して! かんぱーい!」

うるか・文乃・成幸「「「かんぱーい!」」」

うるか「…ふう、楽しかったなー。今日のボウリング」

文乃「1投目のガーターから、まさかのスペアだもんね。すごかったよ、りっちゃん」

理珠「い、いえ…たまたまです。もう一度やれと言われてもおそらく無理でしょう」

あすみ「ま、気合いでもぎ取った勝利ってとこか。でも良かったのか? せっかく後輩を好きにできたのに、『みんなでうどんを食べたい』なんて言って」

成幸「そういやそうだな。俺としてはホッとしたのは事実だけど…賛成してたときの態度と随分違わないか」

理珠「そうですね。正直、最初は成幸さんに色々としてもらいたいことがあったのですが……」

成幸(あったのかよ)タラー

108以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:21:07 ID:5NBlKidM
理珠「--ですが、途中からはそれがどうでもよくなるくらいに楽しくなってしまいました。だからその…この雰囲気や時間を、少しでも長く皆さんと共有したいと思ったんです。わがままを言ってしまってすみません…」

文乃「りっちゃん…」

うるか「リズりん…」

あすみ「緒方…」

成幸「…ばかだなあ、理珠は」

理珠「は、はい…すみま--え?」ナデナデ

成幸「そんな誰でも賛成するようなことをわざわざ願いごとにするなんてさ。お前は本当に良いやつだよ。理珠」ニコッ

理珠「(な、名前で…っ!)〜〜〜っ!」カァアア

うるか「成幸の言う通りだよ。リズりんの家のうどんは美味しいからね。一言誘ってくれたら勝敗関係なくみんな食べに来てたと思うよ」

文乃「うん、私もうるかちゃんの意見に賛成だな。ちょうどお腹も減ってきてた頃だったから」

理珠「うるかさん、文乃…ありがとうございます」

真冬「…じゃあ、私からも一つお願いしていいかしら?」

109以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:23:03 ID:5NBlKidM
成幸「せ…先生?」

理珠・文乃・うるか・あすみ((((すっかり忘れてた。い、一体どんな願いごとを?))))

真冬「…短い時間でいいわ。全員、帰ったら必ず机に向かうこと。それが願いごとよ」

成幸「え?」

真冬「楽しかった時間や思い出というのは強く記憶に残りやすいの。今日勉強することでうまく紐付けることができれば、必ず君達の力になるわ」

成幸「は、はい! ありがとうございます」

あすみ「センセらしい願いごとですね。でも、『楽しかった時間』とか。そんな言葉が出てくるってことは、まふゆセンセも今日はそんな風に思ってたってことですかね?」ニヤニヤ

真冬「そんなわけがないでしょう。でも、そうね……私がいることで君達が楽しい時間を過ごせたのであれば…無意味ではなかったかもしれないわね」

成幸「…ありがとうございます。先生」クスッ

110以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:24:21 ID:5NBlKidM
理珠「それではうどんを取ってきます。おかわりもありますからどんどん食べて下さい」

文乃「ありがとうりっちゃん。けど、うう…また体重が増えちゃうよ」ズーン

うるか「文乃っち細いから気にすることないって」

あすみ「あ、そーいやセンセも始めたんでしたっけ? ダイエット」ニヤリ

真冬「な、なぜ貴女がそれを知っているのかしら!? 小美浪さん」アセアセ

ワイワイガヤガヤ

成幸(さ、騒がしいな。でも、はは……)

--面白かったな。本当に

111以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:24:57 ID:5NBlKidM
--唯我家

葉月「あれ? 兄ちゃんがいない?」

和樹「風呂から上がったら遊ぶ約束してたのに」

水希「だめよ。今日はお兄ちゃん図書館で勉強してきて疲れてるんだから」

花枝「珍しく先に寝たわよ。あんたたち、悪いけど二人で遊んでなさい」

和樹「ちぇー、まあしょーがないか」

葉月「兄ちゃんいつも頑張ってるもんね。たまにはゆっくり休まないと」

水希「そうよ。今日はぐっすり寝かせてあげなさい」

葉月・和樹「「はーい」」

花枝(それにしても、今日はよっぽど楽しかったんだろうねえ)ニヤニヤ

水希「ここのところ無理してるみたいだったけど…今日は安らかな寝顔で良かった。お休みなさい。お兄ちゃん」バタン

成幸「zzzz」



112以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 10:29:38 ID:5NBlKidM
以上です。ネタ元はゴルフコラボのカラー絵から。
あんな感じで成幸も含め全員参加できそうなスポーツを考えたところボウリングがあてはまりました。

見て下さってありがとうございます。気ままなペースになりそうですが、今年もこのスレをよろしくお願いします。

113以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 13:33:49 ID:4ewCiVEA
乙です

114以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/01(火) 14:40:18 ID:M6HgD6Js
やはり真冬センセこそ至高

115以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/02(水) 02:04:16 ID:Lfh3VfaE
おつおつ

116以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/02(水) 11:22:20 ID:WZz.zf9k
いま読み返したら>>106に訂正がありました

うるか「! リズっちが動いた」×

うるか「! リズりんが動いた」〇

です。失礼しました

117以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 12:08:15 ID:vMFNW0GU
いいっすなぁ

118以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 22:53:16 ID:dZYike.M
上げつつ投下します

【ぼく勉】真冬「どこにいるの? 緒方さん!!」

119以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 22:54:30 ID:dZYike.M
--ザアアアア…

真冬「はあ…はあ…」タッタッタッ

真冬「……どこに」ガサガサッ

真冬「どこにいるの? 返事をして! 緒方さんっ!!」

120以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 22:55:04 ID:dZYike.M
--数時間前

理珠「ゆ、唯我さんには関係ないでしょう!? 放っておいて下さい!!」ピシャーン

成幸(ええええ俺確か…君の教育係だよね!?)ズガーン

理珠「ささささようならッ!!」

成幸「えっどこ行くの!?(外出禁止だけど…)」

理珠「少し外の空気を吸ってくるだけです! 美味しいらしいので!」ダーッ

成幸(え…何? 急な反抗期…?)

121以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 22:56:13 ID:dZYike.M
--宿泊所・ロビー

ウイーン ガシャン

真冬「……」カシュッ ゴクゴク

真冬(休息。やっと一息つけたわね。この後の予定は何だったかしら…)ペラッ

真冬(16時半からミーティング…その後は教師同士での夕食を兼ねた懇親会ね。陰鬱…正直気乗りがしないけど…」ハア…

--ダダダダダダッ

真冬「何かしら…足音? あの姿は--緒方さん?」

理珠「………」ガーッ ダダダダッ

真冬(呼び止めたのすら気付かずに外に出て行ってしまったわ。今は外出禁止時間のはず。至急追いかけて--)

122以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 22:57:15 ID:dZYike.M
--見捨てるってことですか?

真冬「………っ!?」ビクッ

--見捨てる? 否。私は教育係として、最初から現実的な提案をしていたのだけれど?

--あれは提案ではなく、押し付けに過ぎません。私の人生を決めるのは私です。才能の有る無しで勝手に人生を決めないで下さい!

--責任。他人の人生に口を挟むからこそ半端なことは言わないし、させられないわ。理想を貫きたいのであればまずは実績、そう先日も告げたはず。だけど結果はどうだったかしら?

--ぐっ…!

--この間のテストで判明済み。あの点数で文系ですって? 笑止千万。緒方さん、あなたにはそんな才能はないわ。あきらめなさい

123以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 22:57:48 ID:dZYike.M
真冬「…………」スッ…

真冬(--あれを最後に、彼女たちとは袂を分かった。あれだけきついことを言ったもの。きっと顔すら合わせたくないでしょうね)

真冬(静観。冷静な彼女なら、そんな遠くに行くはずもない。帰ってきた後に言い含めておけば、それで…)

藤田先生「あ、桐須先生。ここにいたんですね。もうすぐミーティングが始まりますよ」

真冬「藤田先生…ええ、わかりました。至急伺います」

真冬「……」

124以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 22:59:35 ID:dZYike.M
--1時間後

司会「--では他に質問などあれば………無いようですね。ではこれにてミーティングを終了します。お疲れ様でした」

佐藤先生「やれやれ、やっと終わりましたな」

鈴木先生「一日中立ちっぱなしで、もうくたくたですよ…あ、いつの間にか雨が降ってきてますね」

真冬(雨…?)

佐藤先生「山の天気は変わりやすいからなあ。ま、この天気であれば、わざわざ外に出ようとする生徒もおらんでしょう」

鈴木先生「この後は夕食っスね。桐須先生。良かったら僕らの近くでご飯を食べながら教育論について--」

真冬「……いえ、ちょっと小用がありますので。もし遅くなった時には先に始めておいて下さい」スタスタ…

佐藤先生「くっ…今日も相変わらずクールだ。桐須先生は」

鈴木先生「ええ。けど…そこがいいっス」グッ

125以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:00:12 ID:dZYike.M
真冬(胸騒…やはり気になるわ。単なる杞憂であれば良いのだけど…)スタスタ

真冬「…? あの娘は?」

関城「……」キョロキョロ

真冬「関城さん?」

関城「あ、桐須先生」

真冬「何か探しているみたいだったけれど。落とし物か何か?」

関城「あ、いえ。緒方理珠を探しているんですけど、どこにも見当たらなくて」

真冬「----!!」サァーッ

関城「桐須先生は見かけませんでしたか? 緒方理珠」

真冬「い、いえ…見かけなかったわね」

関城「そうですか。では」スタスタ

真冬(--緒方さんっ!)ダッ!

126以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:00:48 ID:dZYike.M
--教員部屋

真冬(不覚…あのとき躊躇せずに、すぐに緒方さんを追いかけていれば…)ギリッ…

真冬(いえ、過ぎた事を後悔している暇は無い。今は緒方さんを見つけることが先決…!)

真冬「レインコートに、懐中電灯。正直、雨の山道に入るには心許ないけど…最後に見かけてから既に1時間半ほどは経っている。急がないと」ダッ!

127以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:03:06 ID:dZYike.M
--宿泊所、玄関

--ザアアアア…

真冬「これは…(思ったよりも雨脚が強い…)まずいわ。誰か応援を呼ぶ必要が--」

--またかしら緒方さん。難しい単語が目に入るとすぐに思考停止してしまう。まずはその癖を何とかしない限り、文系など到底無理よ

--言われずとも十分に理解しています。確かに今はできないかもしれませんが…それならば、諦めずにやり続けるだけです!

真冬「……」

真冬(…もし応援を呼んだら? 当然…騒ぎが大きくなるでしょうね。そうなってしまえば緒方さんには厳しい処分を下さざるを得ない。成績が著しくない彼女にとっては致命的に…)

真冬「……」ギュッ…

真冬(1時間…1時間だけ捜索して駄目だったなら応援を呼ぶわ。だから、それまでに何としても--)タッタッタッ

128以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:03:39 ID:dZYike.M
--現在

--ザアアアア…

真冬「どこにいるの? 返事をして! 緒方さんっ!! …っ!」

真冬「…ったあ」ポタッ… ポタッ…

真冬「平気……これくらい」ギリッ

真冬「でも……」チラッ

真冬(既に探し回って30分。やっぱりこんな山の中を闇雲に捜索するのは…)

真冬「…っ」パシン!

真冬(諦めては駄目よ真冬! 仮にも元教育係。こんな時こそ、冷静に彼女を分析して答えを見つけないと)

真冬「……」スッ…

129以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:04:38 ID:dZYike.M
真冬(そう…最後に見かけた時、彼女は慌てていた。いつもは私の姿が見えた瞬間に姿を隠すのに、そのそぶりすら見せていない。テストの時と同じように思考が停止していたと考えるべき)

真冬(加えて、彼女は体育の成績があまり良くない。体力が無いのだからそう遠くまで出歩けないし、ましてや山奥の方になんて行くわけがない。以上の要素を合わせば--)

真冬(何らかの原因で緒方さんは冷静さを失っていた。外に出たのは頭を冷やすためだったのかもしれない。だけど思考が停止していたから--朝に来たのとは逆の方向に進んでしまい、道に迷ってしまった)

真冬「指針。仮説が全て正しいわけではないでしょうけど、目処は立った。山頂目指して進んでいけば…きっと見つかるはず」

--ザアアアア

(雨もいまだ止む気配がないわ。急がないと。たとえ--)

--理珠「……」ギリッ…

--文乃「……」ズーン

真冬「不変。たとえどう思われようとも…私の大事な生徒であることに変わりはないから」

130以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:05:08 ID:dZYike.M
--30分後

真冬「はあ…はあ…」ガサガサ

真冬「(もうすぐ1時間…これ以上引っ張るわけにはいかない)緒方さん。どこなの?」スゥ…

真冬「おが--」

「--へくしっ」

真冬「--っ!(くしゃみの音!? 見つけた!)」

真冬「お--」ガサッ!

131以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:05:46 ID:dZYike.M
成幸「さ…帰ろうぜ」

真冬「---!?」バッ!

真冬「あの子は教育係の…唯我くん?」

真冬(不可解。何故この場に彼が? それに今の言葉…もしかして緒方さんは彼と待ち合わせを? なら、何故わざわざこんな場所を--)

成幸・理珠「え……?」

真冬「----!?」

132以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:06:39 ID:dZYike.M
真冬(だ、抱き締めてキス……を? や、やはり不純異性交遊だったのかしら?)ソワソワ…

理珠「それでは戻りましょう」スタスタ…

成幸「えっちょっ緒方…! そっち宿と逆!!」ダダッ!

真冬「何故宿と反対方向に…? でも…唯我くんもいたのなら迷っていたわけではない。なら私の…単なる早とちり…で」

ドサッ…

真冬(疲弊…無理をしていたのは私の方だったのね。足が棒のよう。手も…いつの間にか傷だらけで。でも--)

真冬「本当に…良かった。大切な生徒が無事で」ギュッ…

133以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:07:10 ID:dZYike.M
宿泊所・食堂

佐藤先生「あ! 桐須先生。随分遅かったじゃないですか」

鈴木先生「もう解散しようかと思っていたところなんですよ。一体何があったんですか?」

真冬「いえ、何も。小用を済ませたあと、生徒が外出していないかを確認していました」

佐藤先生「律儀ですなあ。しかしこの天候で出て行く生徒がいるとは」

真冬「いえ。雨は先ほど上がりました。その影響か、F組の緒方理珠とB組の唯我成幸、2名の生徒が先ほど宿を出て行くのを見かけたという報告が」

鈴木先生「え?」

134以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:07:40 ID:dZYike.M
真冬「…幸い、すぐに帰ってきたようです。気分転換に散歩でもしてきたのかもしれません…が、規則は規則。外出禁止を破った2人に対しては何か罰を設けるべきかと」

佐藤先生「そ、そうでしたか…桐須先生ばかりに負担をおかけしたようで申し訳ない。では2人には明日、授業が終わったら風呂掃除を行うよう言付けておきましょう」

真冬「ええ、ではそのように」クルッ

鈴木先生「あれ? 桐須先生。どちらへ?」

真冬「少々疲れたので、先に部屋に戻らせていただきます。では」スタスタ…

佐藤先生「こんな時ですら決して気を緩めないなんて。さすがは桐須先生だ…」ゴクリ…

鈴木先生「付け入る隙なしって感じッスね…」

135以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:08:32 ID:dZYike.M
--教員部屋

ヌリヌリ…

真冬「うっ! ……ったあ」

真冬「……」グス…

真冬(終了…まだ痛みが強いけど。仕方ないわね)

--ドサッ

真冬(疲弊。今日は疲れたわ。不純異性交遊の件は置いておくとしても、結局は私の一人相撲…)

真冬(いえ…相違。緒方さんが無事であることが確認できたもの。それで十分。それ以上は…何も望まない)

--けれど、もし……

136以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:10:46 ID:dZYike.M
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

成幸「--その手…虫さされと枝葉で切った傷だらけ…先生がなんであの事故のこと知ってたのか、やっとわかりました」
 
真冬「!」

成幸「--あの時緒方のこと心配して、雨の山の中探しまわってたんじゃないですか?」

真冬「----!!」ドクンッ

--けど、もし……気付いてくれる人がいたとすれば

成幸「伝えましょうよ! このこと知ったら緒方や古橋も先生のこと…」

真冬「……」トクン…

--理解してくれる人がいたとすれば、こんなに嬉しいことはない。
 だけど、今は私に甘えは許されない。だから少しの感謝を胸に、こう言おう。

真冬「絶対にやめて」



137以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:11:20 ID:dZYike.M
幕間・コンビニ前にて

成幸「じゃあお寿司のわさびとかパスタのタバスコとか」

真冬「論外、その単語を口にしないで」

成幸「(子供か…)あ、そういえば最近辛くないカレーラーメンが発売されたらしいですけど、それならいけるんじゃないですか?」

真冬「…考えておくわ」

後日買いました。

138以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:23:41 ID:dZYike.M
以上です。ネタ元は14〜16話。
山中に人一人がいなくなったにも関わらず、探してたのがどうも先生だけっぽい感じだったり、成幸たちの処分が軽すぎ&周囲が誰も知らない感じなのを自分なりに補完してみました。
ついでに先生がカレーラーメンを食べてた理由などもw

感想、乙コメいつも励みになります。次もまたよろしくお願いします。

139以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:34:23 ID:dZYike.M
先生の話は隙を生じぬ二段構え!
ということで、もう1本投下いきます

【ぼく勉】真冬「こ、これがル〇バなのね」

140以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:34:56 ID:dZYike.M
--真冬の部屋

『俺……もうクリスセンセーの家に来ない方がいいのかもな』

『結人くん! お願い、待って!』

真冬(ゆ、結人くんが。こ…これから
うなってしまうのかしら)ドキドキ…

真冬「……」ペラッ

--ピンポーン

真冬「……カレエゴがいいところだったのに」ムスッ

真冬(この時間なら宅急便は…ないわね。唯我くんかしら?)ガチャッ

成幸「こんにちは先生。今日もよろしくお願いします」ニコッ

真冬「ええ。どうぞ上がって」

141以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:35:29 ID:dZYike.M
成幸「お邪魔します…今日もいつも通りの惨劇ですね」

真冬「さ、惨劇は辛辣。これでも日々頑張っているのよ」

成幸「す、すみません…あ、でも最近はこの状態がかえって安心できるようになったというか…」

真冬(フォローになってないわよ。唯我くん…)ズーン

成幸「前に来たのが3日前でしたっけ…やっぱりこれくらい(の日数)がベストですね。これ以上間隔が空くと掃除も大掛かりになってきちゃいますし…」ハハッ

真冬「そこまで部屋の状態を完璧に把握されていることに、何とも言えない屈辱を感じるのだけど…」

成幸「とりあえずいつものように片付けてしまいましょうか。えーっと」

真冬「あ、ゴミ袋なら--」

成幸「キッチン横の引き出しでしたね。確か買い置きが…ああ、あったあった」

真冬「……」

142以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:36:02 ID:dZYike.M
--拭き掃除中

真冬(不覚…最近はますます唯我くんに頼りきりになってしまってる気がするわ…)

真冬(とはいえ私一人ではなかなか掃除が捗らない…何とかならないかしら)フキフキ ーーピッ

『--さあ始まりましたショップテレビ! 今日もさっそく素敵な商品を紹介していきたいと思います』

成幸「先生、テレビがつきましたけど」

真冬「リモコンが触れてしまったのね。すぐに消すから--」

『さあまず最初の商品はこちら! 全自動で動く掃除機。ルソバのニューモデルです!』

「ーーっ?」ピタッ

143以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:36:48 ID:dZYike.M
『もうすっかりお馴染みのルソバ。今回も更なる進化を遂げて帰ってまいりました。見て下さいこの吸引力。余裕の音だ。馬力が違いますよ』

『取り扱いも至って簡単。充電器を床にセットし、コンセントに繋いでおくだけ! あとはルソバが全てやってくれます。この通り、段差も絨毯も何のその。そして部屋をきれいに掃除したあとは? そう、賢いワンちゃんと同じ、充電器まで戻ってくるのです。あなたはただ見ているだけ』

真冬「……こ」プルプル…

成幸「あの…先生?」

真冬「これ! これよ! 唯我くんっ!」ビシィッ

144以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:38:40 ID:dZYike.M
--数日後

ゴゴゴゴゴゴ…

成幸「こ…これがルソバですか」ゴクリ…

真冬「ええ…ルソバよ唯我くん」ゴクリ…

成幸「思ったよりこじんまりしてますね。本当にこれだけで大丈夫なんでしょうか?」

真冬「試験。さっそく作動してみましょう。このために既に部屋は散らかしてあるわ」

成幸「それ絶対意図的じゃないですよね」

真冬「発進! 行きなさいルソバ」ポチッ

145以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:39:12 ID:dZYike.M
ウイイイイン ズゴゴゴゴ

成幸「お、おお……!」

真冬「み、見なさい唯我くん! ルソバが塵芥を次々と飲みこんでいくわ!!」

ウイイイイン サッ

真冬「え?」

ウイイン サッ

真冬「不可解…何故途中で曲がるのかしら? 故障?」

成幸「大きいゴミは障害物だと判断してしまうのかもしれませんね」

真冬「そ、そうなの。ならこのゴミを撤去してみれば…」ヒョイッ

146以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:39:52 ID:dZYike.M
ウイイイイン ズゴゴゴゴ

成幸「やっぱりそうでしたね。今度はちゃんと進んでいきますよ…って、あ、また」

真冬「承知。これも回収ね。どう? 唯我くん」

成幸「だめです。今度はこっちが」

真冬「こ、これかしら?」

成幸「そっちも」

真冬「それね」

成幸「ete」

真冬「…」

147以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:40:22 ID:dZYike.M
--30分後

ウイイイイン ズゴゴゴゴ

真冬「こ、今度こそ大丈夫かしら…唯我くん」ゼェ…ハア…

成幸「は、はい…もう大丈夫みたいです。というか…」ワナワナ…

ピカッ キラキラー

真冬「こ、これは…?」

成幸「凄いです先生! はじめて…はじめて先生一人だけの力で掃除ができたじゃないですか!!」ジーン

真冬「こ、これを私が…一人で?」プルプル…

成幸「ええ! ルソバの進路を妨げないようゴミを撤去していったのが、結果的に掃除に繋がったんですよ!」パアアア

真冬「なんてこと…たったそれだけで部屋がきれいになるなんて。私…天才かもしれないわ」

148以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:41:10 ID:dZYike.M
成幸「天才かどうかはともかく、解決策を見つけられたのは大きいですよ先生! これならもう--」

成幸(…え?)

真冬「どうしたの? 唯我くん」

成幸「……あ、いえ、何でもありません。あとは今の状態をキープできるかですね。3日後くらいにまた様子を見に来ます」

真冬「了解。感覚だけど、今回は何だか上手くいきそうな気がするわ。期待して待っていなさい。唯我くん!」メラメラ

成幸「はは…わかりました」

149以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:42:00 ID:dZYike.M
--3日後

成幸「お、おお……!」

キラキラ… ピカー

成幸「か、変わってない。3日前と同じ状態ですよ! 先生!」

真冬「ええそうね。軽く本気を出してしまったもの。造作もないわ」ファサッ

成幸「(すっかり調子に乗ってるなこの人は…)そ、そうですか。良かったです。これなら、もう俺が出る幕は無さそうですね」

真冬「ええ、そうなるわね。今まで掃除してくれたこと、本当に感謝しているわ。唯我くん」

成幸「ええ。なら、もう先生の部屋に来ない方がいいですよね」

『俺……もうクリスセンセーの家に来ない方がいいのかもな』

真冬「え…?」ドクン

150以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:42:36 ID:dZYike.M
成幸「あ、いえ、もともと教師と生徒の関係ですし、先生が一人で掃除できるようになったのなら、控えた方がいいんじゃないかな、と…」

--私達はあくまで教師と生徒ッ!!

真冬「あ…」

成幸「先生…?」

真冬「……そ、そうね。はれて掃除ができるようになったのだし、これ以上君に迷惑をかけるわけにはいかないものね」

成幸「そ、そうですね……じゃあ、俺はこれで。今までお世話になりました。先生」クルリ

『結人くん! お願い、待って!』

真冬「ゆ、唯我くん! 待って!」

成幸「え?」

真冬「あ……」

成幸「…先生?」

真冬「あ…その……い、今までありがとう。しっかり勉強するようにね」

成幸「はい、ありがとうございます。それじゃあ」バタン…

真冬「……」ズキン

151以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:43:25 ID:dZYike.M
--1週間後

成幸「……」カリカリカリ

成幸「……」カリカリカリ

葉月「わーい」ダダダダ

和樹「待て待て--」ダダダダ

水希「こらー! あんたたち、お兄ちゃんが今勉強中でしょ!」

葉月「はーい」

和樹「なあなあ、お絵かきしよーぜ。これなら兄ちゃんの邪魔にならないし」

葉月「うん、そうだね」

152以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 23:43:56 ID:dZYike.M
成幸「……」カリカリカリ

和樹「♪〜」

葉月「♪〜」

水希「もう! お絵かきしていても歌いながらじゃ、お兄ちゃん集中できないじゃない!」

葉月「できた!」

和樹「何書いたん?」

葉月「ほら、怒ってるときの水希ねーちゃん」

和樹「はは、似てるー」

葉月「やったー!」

水希「あ、あんたたち…! 今日という今日は許さないわよー!」

和樹「水希ねーちゃんが怒ったー」

葉月「逃げろー」

ドッタンバッタン…

成幸(し…集中できん。こ、こうなったら…)


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