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【ぼく勉】成幸 「桐須先生と結婚か…」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:44:05 ID:TrYEpSoQ
成幸「はあ…何だか騒がしい風呂だったなあ」
和樹「今日は面白かったなー。兄ちゃん」
成幸「こっちは色々大変だったけどな! 先生の下着を返すのにどれだけ苦労したと思ってんだ」
和樹「ごめんなさーい! …でも本当にキレイだったな真冬ちゃん。おっぱいもでかかったし、兄ちゃん頑張ってお嫁さんにしよーぜ」
成幸「(おっぱい…)バカ言うな、相手は先生だぞ。俺なんか相手にされねーって」
葉月「えーでも真冬ちゃんはお嫁に来てくれるって言ってたよ」
成幸「ブッフォ! げほっげほっ。お前らなー。ラムネ吹き出しちまっただろ! ったく…本当に先生が言ってたのか?」
葉月「うん、いつか嫁に来てくれるって」
成幸「そうか(ああ、葉月に気を遣ってくれたんだな)」
葉月「良かったね。兄ちゃん」ニコッ
和樹「そうだな…」ハハ…
てくてくと家路を歩いていく三人。
成幸(葉月の事はともかく、桐須先生と結婚か…絶対有り得ないだろうけど、何となく想像がつくよなあ…)フフッ
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:45:06 ID:TrYEpSoQ
--起床
成幸「ふわあ〜あ…もう朝か。真冬さん、朝ですよ」
真冬「ん…」zzz
成幸「(寝顔まで可愛いんだよなこの人は…)ほら、起きて下さいよ、『桐須先生』」
真冬「ん、『唯我』くん…? じゃなかったわね。成幸くん…もう朝かしら?」
成幸「ええ、そろそろ起きないと」
真冬「了解。でも…」ギュ
成幸「え?」ドキッ
真冬「もう5分だけ…このまま…」ギュ…
成幸「う、わ、わかりました…」カァアア
--結局15分間このままだった。後悔はしていない。
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:45:55 ID:TrYEpSoQ
--朝食
もきゅもきゅ(咀嚼音)
真冬「ど、どうかしら?」ドキドキ
成幸「うん、今日も美味しいですよ。だけど、毎回きっちりレシピ通りに作るのって大変じゃないですか?」
真冬「基本第一。レシピをおろそかにするなと言ったのは君よ、成幸くん」
成幸「でもそろそろ卵焼きくらいなら…」
真冬「駄目、不許可。料理は愛情って言うでしょう。多少手間でも、夫となった君にはちゃんとしたものを食べさせてあげたいもの」
成幸「ジーン ま、真冬さん…ありがとうございます」
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:46:28 ID:TrYEpSoQ
真冬「…そ、そのかわり、後片付けの方はお願いできるかしら」カァアア
成幸「チラッ 今日も嵐のような惨状ですね…ちなみにお皿やコップは?」
真冬「杞憂。聞いて驚きなさい。何と1枚に収まったわ」ドヤァ
成幸「すごい! 新記録じゃないですか。この調子でいきましょう」
真冬「そうね、この調子でいけば明日には--」コツン
ガシャーン(コップが割れる音)
成幸「…また明日頑張りましょうか」ハヘンフマナイデクダサイネ…
真冬「…ええ」ゴメンナサイ…
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:47:15 ID:TrYEpSoQ
--通勤
成幸「(シートベルト締めて、と…)それじゃあ出発します。忘れものは無いですか?」
真冬「問題無いわ。だけど今日は時間が押してるし、何なら私が運転しても」
成幸「キリッ いえ、急ぐので是非とも俺に運転させて下さい。俺の寿命のためにも」
真冬「そ、そう…じゃあお願いするわね」
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:47:55 ID:TrYEpSoQ
--10分後
成幸「…全然動きませんね」
真冬「スマホスマホ… 把握。どうやら事故で渋滞しているみたいね」
成幸「とりあえずUターンしましょうか」チカッチカッ
成幸「何とか引き返せたのはいいですけど…まずいな。このままじゃ遅刻ですよ」
真冬「そこの路肩に止めて貰えるかしら」
成幸「え、ええ…」キキィッ
成幸「止まりました…って何でシートベルト外してるんですか!?」
真冬「交代。運転を変わるわ」
成幸「いや、でも…」アセアセ
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:49:07 ID:TrYEpSoQ
真冬「教師は生徒の模範とならなくてはいけない。遅刻なんてもっての外よ。学校への近道ならいくつか知っているから任せて頂戴」
成幸「うう…わ、わかりました。くれぐれも安全運転でお願いしますよ」
真冬「当然。法定速度はいつも遵守しているもの。問題無いわ」
成幸(それ以外が問題だらけだから言ってるんですが…)ブワワッ
真冬「(シートベルトをして、と)そういえば…運転席に座るのも久しぶりね」
成幸「そ、そういえばそうでしたね。ブランクもあることだし、ここはゆっくりと」アセアセ
真冬「腕が鳴るわね。久しぶりに…愉悦を感じられる気がするわ」フフッ
成幸(終わったーー!)サァァーッ
真冬「じゃあ行くわよ。舌を噛まないようにしなさい!」ルパンルパーン!
成幸「ギャーーッ! 何とか保ってくれ俺の心臓ーー!」
――その後、僕のいくばくかの寿命と引き替えに、遅刻せず学園に着くことができました。
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:49:57 ID:TrYEpSoQ
--仕事中
休み時間、廊下にて
成幸「フラフラ… うう、まだ吐き気が…明日からはもっと早く家を出よう」
中木「(あ、成幸先生だ)おはよーです、成幸先生」
成幸「ああ…おはよう中木。鞄を持ってるってことは移動の最中だな。B組は確か…世界史か」
中木「そうです世界史。あの超怖い真冬先生の。こないだうっかり寝ちゃったら、めちゃくちゃ叱られちゃいました」ズーン
成幸「(さ、流石だなあ…)ま、まあ、中木も今年は受験だからな。きっと心配してくれてるんだと思うぞ」
中木「ふーん」ジロジロ
成幸「な、何だ?」
中木「いえ、やっぱり自分の奥さんのことだから良くわかってるのかなーって」
成幸「そ、それとこれとは話が別だろ?」アセアセ
中木「そうかな? まあ細かいことは置いといて…家の中での真冬先生ってどんな感じなんですか? やっぱり授業中みたいにビシッとしてるとか?」
成幸「そうだな…(ここは正直に話して親近感を持ってもらうべきか!)いや、ああ見えて実は--」
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:50:33 ID:TrYEpSoQ
真冬「成幸先生?」ジャーン ジャーン!
成幸「…すごくビシッとしててな。いやもう料理も掃除も車の運転も完璧なんだ。そうですよね、真冬先生」ダラダラ…
真冬「ええそうね。結婚したからには妻として最善を尽くす必要があるもの」
中木「そ、そうですか…(もしかして今すっごく惚気られてる?)」
真冬「ところで、中木さん」
中木「は、はいっ(お、怒られちゃうの?)」アセアセ
真冬「…受験に向けて頑張っているようだけれど、授業中に寝てしまうのは本末転倒よ。夜は早めに切り上げて、その分朝に勉強してみなさい。その方が脳に入ってくるわ」
中木「え…?」
真冬「返事は?」ジロリ
中木「は、はい! ありがとうございます…………あの、成幸先生」
成幸「ん?」
中木「ボソッ 真冬先生のこと悪く言ってしまってすみません。素敵な奥さんですね」ニコッ
成幸「あ、ああ…ありがとう」
10
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:51:11 ID:TrYEpSoQ
中木「それじゃ先に教室に行ってます。今日は寝ないように頑張りますね、真冬先生!」タッタッタッ
真冬「ハア… 出来れば廊下も走らないでほしかったのだけれど…」
成幸「はは…でも中木の奴、立ち直ったみたいで良かったですよ」
真冬「彼女が良く頑張っているのは知っているもの。『努力を惜しまぬ者に常に最善を考える』…それが、教師の役目でしょう?」
成幸「ええ、そうですね!」
真冬(そして、それを私に教えてくれたのは…)チラッ
成幸「真冬先生?」
真冬「コホン …何でもないわ。ところで成幸『くん』? さっきの中木さんからの質問に、何を言いかけたのか、後で詳しく訊かせてもらいたいのだけど?」ゴゴゴゴ
成幸「ひいいいっ! すみません」
--この後めちゃくちゃ怒られた
11
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:54:32 ID:TrYEpSoQ
--仕事後
放課後、廊下にて
中木「成幸先生、さようならー」タッタッタッ
成幸「おー、気を付けて帰れよー」
真冬「失礼。成幸先生」
成幸「あ、真冬先生。早いですね。今日はもう帰るんですか?」
真冬「ハア… 成幸『くん』、今日が何の日なのか忘れたのかしら?」
成幸「え? あ…そうでしたね」タハハ…
真冬「全く…新米の教師だからって予定を忘れるほど働き詰めでは困るわね。中木さんのことを言えないわよ」
成幸「はは…気を付けます。とりあえずあとは学園長に書類を提出したら帰れそうなので、車で待っていて貰えますか?」
真冬「ええ。では速やかにお願いね」カッカッ
成幸(真冬さん気合入ってたなあ。まあ、お互い忙しくて延期を重ねてたからな…)
12
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:55:43 ID:TrYEpSoQ
--10分後
成幸「ふう…書類も提出できたし、駐車場まで急がないとな…ん?」
沼畑「…………」キョロキョロ
成幸(あれは2年の沼畑じゃないか。空き教室の前で何やってるんだ?)
沼畑「……」スッ
成幸(入っていったな。様子が変だったし…ちょっと見てくるか)スタスタ
沼畑(………はあ)
成幸「よう沼畑。何やってるんだ?」
沼畑「え? あ…な、成幸先生!?」
成幸「そのプリントの束…もしかして、この前の中間テストの答案か?」
沼畑「あ、そうなんです…でもその…点数が」
成幸「あーまあ確かに…全教科とも平均より大分低いな」
沼畑「頑張って勉強してはいるんスけど、ずっとこのザマなんです。この学園も補欠入学でギリギリ浮かったくらいだし、俺…勉強向いてないのかなって」ハハ…
13
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:56:30 ID:TrYEpSoQ
成幸「そうか………なあ沼畑。敢えて訊くけど、今どんな気持ちだ?」
沼畑「え?(何言ってるんだこの先生)そ、そりゃ勿論、悔しいに決まってるじゃないですか! だからここで集中して復習しようと思ったんスよ」
成幸「そうか…その気持ちがあるなら大丈夫だ。お前ならきっと成績が上がるよ。俺がそうだったように、な」
沼畑「成幸先生が?」
成幸「俺も昔は笑っちまうくらい勉強ができなくてな。何度も何度も悔しい思いをしてきたんだ。けど諦めずに勉強し続けて…今はこうやって先生なんて呼ばれてる」
沼畑「そうなん…ですね。凄いっス。でも俺なんか、高校の2年で未だこんな成績だし…」
成幸「『未だ』じゃないぞ。『まだ』2年だろ?」
沼畑「え?」
14
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/06(木) 20:57:02 ID:TrYEpSoQ
成幸「…昔な、高校3年の一学期にもなって、数学と国語と英語のテストが一桁の奴らがいたんだ。しかも進学する大学の志望がそれぞれ理系に文系に国際留学だぞ。お前だったらどうする?」
沼畑「そ、そんなの無茶っスよ。諦めて他の進路先に変えます」
成幸「まあそれが普通だよな。だけど…あいつらは諦めなかったんだ。最後の最後まで自分を信じて努力し続けて…ついには合格しちまったんだ」
沼畑「……」
成幸「ほんと、凄いよな………そんな瞬間を見てしまったからにはな、『諦めろ』なんて軽々しく言ってやれないんだ。俺は」
沼畑「…先生って結構スパルタだったんですね」
成幸「ははっ『できなくても、努力している奴には最善を尽くす』のが俺の教育方針だからな」
沼畑「…ありがとうございます。俺も腐らずに、もう一度頑張ってみますね。あ、そうだ。せっかくだからついでにここの問題、訊いても良いですか?」
成幸「(やる気になってくれたみたいだな)そうだな。これはまず--」
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