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モバP「雪美さんといっしょ」
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あと、割となんでもありです
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モバP「ふむ、今日のステージ衣装はナース……じゃないな」
雪美「……」キラキラ
モバP「ナースキャップにパジャマっぽいワンピースに、ポニーテール」
モバP「夢核かな?」
雪美「……ふふっ」
モバP「ここなんて小梅みたいな袖余りだな。これが巷で言う萌え袖ってやつか」
雪美「……こういうの……好き……?」
モバP「ブカブカでルーズ、でもそれに癒される。たまんねえぜ」
モバP「それにしても、雪美も夢の中ではハイテンションだったりするのか?」
雪美「……そこそこ……ハイテンション……」
モバP「そっかー。見てみたいな、そんな雪美も」
雪美「Pと……夢で、会えたら……それはもう……あんなことや……こんなこと……する」
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モバP「食パンを牛乳にひたします」ヒタヒタ
モバP「次に溶き卵にひたします」スッ
モバP「バターを温めたフライパンで表裏、焼きます」ジュー
モバP「お皿にとってナイフで斜め半分に切り、ハチミツでもかけます」トローリ
モバP「めしあがれ」コト
雪美「……いただきます」
雪美「…………」モクモク
雪美「……Yummy……」グッ
ちひろ「唐突に何やってるんですか」
モバP「雪美と英語の勉強がてらクレイマー・クレイマーを視聴していたらフレンチトーストが食べたくなりまして」
ちひろ「この人たちは……」
みちる「美味しいですね」モグモグ オマエイツノマニ!?
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今日はここまで
いつもここから
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乙ォ!
電話子機の充電器とか相変わらず言葉選びが珍妙(褒め言葉)
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モバP「やあゆきみさんゆきみさん」
雪美「……?」
モバP「スタミナドリンクはあるかい?」
雪美「……はい……」つ赤まむし
モバP「にょろーん……ヘビだけに」
雪美「…………く……くくっ」プルプル
モバP「あっ……」
雪美「……! ……っ!」ペシペシ
モバP「すまない。ちょっとした出来心だったんだ」
雪美「……ふー……はー……、……ゆるさない」
モバP「膝を貸すからどうか勘弁してくりゃれ」
雪美「………………ゆるす……」ポスッ
ちひろ「そのドリンクは回収します」ハイライトオフ
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雪美「……P」
モバP「あら、雪美はん。どないしはったん?」
雪美「……私を……かっこよく……誘って……?」
モバP「おお、なかなか難題を吹っ掛けてくるようになったな。良いだろう」
モバP「……」コホン
モバP「佐城雪美さん――俺と最悪な時間(bad time)を過ごさないか?」キリッ
雪美「……」
モバP「……」
雪美「……30点」
モバP「Oh! Mamma Mia!」
雪美「……やっぱり……いつもみたいに……気さくな方が……好き……」
ちひろ「気さくすぎるんだよなぁ……」
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モバP「雪美さん」
雪美「……なぁに……?」
モバP「雪美さんっていいにおい……ってね」
ちひろ「そんな童謡ありましたね」
雪美「……どんな……におい……?」
モバP「洗濯、シャボンの泡、分かりやすく言うと石鹸の香りがするね」
雪美「……当たり」
モバP「今はフレグランスもいろいろあるが、やっぱりこの香りは風呂上がりを想起させるな」
雪美「……確かに……」
ちひろ「お風呂上がりの女の子は必殺の威力がありますからね」
モバP「泊まりの仕事で旅館、温泉、浴衣、しっとり潤った髪……条件付けられそうです」
ちひろ「一体何に刷り込まれているんですかね」
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雪美「……Pは……他に……どんなにおいが……好き……?」
モバP「王道だが柑橘系かな。ふとした時にパッと香ってくるととても爽やかだ」
雪美「……みかん……むいた時……好き」
モバP「良いよなあ、あれ」
ちひろ「はい! 私今日は柑橘系です!」
雪美「……本当だ……いいにおい……」
モバP「ちひろさん+柑橘系だと、酢橘、カボス、シークヮーサー、ライム、ヘベス、スウィーティーってイメージですね」
ちひろ「何で皮が緑色のやつばかり並べるんですか。緑色は好きですけど」
雪美「……ヘベス? ……フォボス……ディモス……」
モバP「それは火星の衛星やないかーい」
雪美「……てへぺろ」
モバP「」キュン
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ちひろ「ちなみにヘベスとは宮崎で栽培されている香酸柑橘です」
ちひろ「この前、礼さんに作ってもらったヘベスサワー、美味しかったなあ」
モバP「礼さんは地元が宮崎ですからねえ。じゃあ、緑分を補給して元気出たんじゃないですか?」
ちひろ「私を緑色の何かが構成している集合体みたいに言わないでください」
雪美「……Pは……においで……元気に……なれる……?」
モバP「なれる。でもにおいはあくまで補助の役割であってほしいかな」
モバP「言葉よりも行動、というのと似たようなもので、みかんの香りがするならみかんを食べたい」
雪美「……ふふっ、……花より……団子……」
ちひろ「言葉よりも行動、ですか。例えば?」
モバP「”愛してる”の、その響きだけで僕は強くなれる気がしていたのかなぁ……ということです」
ちひろ「チェリーとスラムダンクの谷沢を混ぜないでください」
雪美「……P」 ン?
雪美「……じゃあ……私の……におい……つけて良い……?」 キュン
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モバP「一張羅のスーツがくたびれてきたなあ」
凛「新しいの買うの?」
モバP「そろそろな。どんなの買おうかな」
雪美「……白……?」
モバP「結婚式かな? 目立ちすぎるよ」
凛「中は赤シャツでね、かなりワルい感じで行こうよ」
モバP「桐生一馬かな? 仕事できねえよ」
紗枝「髪は角刈りにして、黒地に白のピンストライプでどうですやろ?」
モバP「君らは俺をその筋の人に仕立て上げたいのかい」
ありす「いっそ、前面スーツで背面全裸で行きましょうか」
モバP「びんぼっちゃまくん!?」
雪美「それは……恥ずかしい……///」 イメージスルナ
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モバP「雪美さんや、学校は楽しいかい」
雪美「……うん……みんな……よくしてくれる……」
モバP「そっかー。俺も、学校に行っていた頃があったんだよなあ……」
雪美「……どんな子……だった……? 聞きたい……」
モバP「大人しく過ごしていたよ。図書館が好きでねえ、本をよく読んでいた」
文香「ほうほう……」
モバP「ひょっとしたら文香は分かるかもしれないが、高校の図書館はカタくて合わなかったな」
文香「……そうですか? ……まあ、参考書とか専門書とか、大人向け・勉強向けが増えますから」
雪美「……絵本とかは……ない……?」
モバP「それはね。中学校には多かった小説も少なくてがっかりした記憶がある」
文香「……読まず嫌いは勿体無いです。どのジャンルの本でも、そこから得られる知識は大切ですから」
モバP「そうだな。高校の頃は少し荒んでいたか」
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モバP「ああそうだ、小学校前半はよく覚えていないが後半は、歌うことも好きだったな」
雪美「……音楽の……授業……」
文香「……今のお仕事に通じるものがあるのでしょうか?」
モバP「うん。でもな、男子は声変わりしてしまうんだよ」
モバP「女の子のような高い声が出せなくなって、その時は変わらない女子が羨ましいと思った」
モバP「合唱ではソプラノが主旋律で男声がハモりなのは個人的に不満だったし」
モバP「今でも邦楽のキーの高い挑戦的な曲とか聞くと、歌ってやろうという対抗意識が疼いてしまう」
文香「……えと、あ、熱い、ですね」
雪美「……でも……低い声も……かっこいい……」
モバP「……ヒトって自分に無い物を求めてしまうのかねえ。声高いと低さを、低いと高さを」
文香「……かもしれません」
文香「あ、プロデューサーさん。今度みなさんと一緒に……カラオケに、行ってみませんか?」
モバP「カラオケかぁ……良いぞ。現役アイドルには負けん!」
雪美「……一緒に……ホウキ雲……歌おう……」
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モバP「世間ではぶどうの飲み物が解禁したな」
杏「そこはボジョレーって言いなよ」
モバP「という訳で我々はぶどうジュースでも飲もうか。乾杯」
雪美「……乾杯」
杏「乾杯。プロデューサーのユルさは折り紙付きだね」
ゴクゴク
モバP「ぶどうにはポリフェノールが含まれているぞ。ワインよりは劣るらしいがな」
モバP「だが諸君、私は多数派には屈しない。ワインを飲めない人用にジュースを用意してくれる人の気遣いが好きだからな」
雪美「……?」
杏「ああは言うけどねー、この前なんてライチジュース飲んでぶどうっぽいなとか言ってたよ」
モバP「やめたまえ恥ずかしいではないか」
雪美「……ふふ……楽しい……」ゴクゴク
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ありす「外を歩けば、冷え込みを感じる今日この頃ですね」
モバP・雪美「……」ジッ
ありす「どうしたんですか、Pさんに雪美さんも」
モバP「……女性ってさ、マフラーやハイネックコートで首から顎、口元あたりまで隠していると、こう、ミステリアスな感じがしない?」
雪美「……する。……マフラーのありす……大人っぽい……」
ありす「えっ……と、唐突に何ですか!」
モバP「昔から、首元は女性の魅力を感じるポイントの一つだな。うなじとか鎖骨とかも含む」
ありす「うう……///」
ありす「ゆ、雪美さんも、かなりミステリアスですから」
雪美「……ありがとう。……でも……そう言われるのは……慣れている……」
ありす「うっ、これが熟練者の余裕ですか……」
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ありす「そもそも隠しているのにそれが魅力だなんて……」
モバP「隠すから燃え上がる――良いじゃないか」
ありす「何だかいやらしいです。小学生をそんな目で見ているんですか? 通報しますよ?」
モバP「おう、生意気なことを」ワシャワシャ
ありす「むぎゃー!」
雪美「……P……私は……どう……?」
モバP「ニットワンピースだもんな。そりゃあ、ねえ?」
ありす「はい」
雪美「……」キラキラ
モバP「率直に言って」
ありす「興奮しますね」
雪美「……」
雪美「……///」ポッ
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モバP「仕事で行き詰まった時、外を歩いてみると、良い発想が生まれることがある」
モバP「気分転換自体が薬になるし、新たな発見があれば尚良しだ」
雪美「……P……行き詰まり……?」
モバP「気分転換したいだけっス」
雪美「……転換……しすぎに……気をつけて……」
モバP「ああ。やりすぎると大事なことまで頭から抜けてしまいかねないからな」
ブーン パー ブロロロロ
雪美「……Pは……いつも……車道側……」
モバP「別に相手に因る訳じゃないぞ。俺は室内では窓側、屋外では車道側が好きなんだ」
雪美「……」ジーッ
雪美「……そういうことに……しておく……」ギュッ
通りすがりの美嘉「……いい……」
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今日はここまで
明日はがんばれ
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モバP「これがかの有名な○○○○しないと出られない部屋か」
雪美「……」
モバP「全体的に白くて無機質感があるな。コールドスリープカプセルとかありそうだ」
ガチャン
モバP「……あれま」
雪美「……開かない……」ガチャガチャ
モバP「閉まったねー。こりゃしまった」
雪美「……」ペシ
モバP「多分隠しカメラでこっちを見ているんだろう? 仕方ない。ちょっと○○○○するか」
雪美「……本当に……する……の?」
モバP「ああ。こうなったら、大人の○○○○を見せてやる」
モバP「このたびは羽目を外し過ぎまして、本当に申し訳ございませんでした」
は ん せ い
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モバP「……気がつけば雪美が膝に乗っているのが当たり前になったなあ」
雪美「…………」
雪美「………………」
モバP「今日の雪美はやけに静かだな。まあ、良いが」
雪美「……」スッ
モバP「……ん、降りるのか?」
トッ
ペロ「ニャー」
モバP「……??? 膝から降りた雪美がペロになっちまった? 何で?」
――
モバP「うーん……ペロ……待ておま……Zzz」 ニャー
ちひろ「プロデューサーさんのお腹の上に乗っているペロ、ペーパーウェイトみたい」
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雪美「……」ヒシッ
ちひろ「雪美ちゃん、どうしたんですか?」
モバP「怖い夢を見たらしいです。家に帰り着けなくて独りぼっちだったと」ナデナデ
ちひろ「なるほど。何か漠然と怖いですね、そういうの」
モバP「意味ありげに思えちゃうんですよね。それで夢占いを調べてみたりして」
ちひろ「でも、実際はただの記憶の整理なんでしょうけどね」
モバP「夢がないこと言いますね。夢ですが」
ちひろ「くだらないこと言わない」
雪美「……P……もっと……」
モバP「おーよしよし」ナデナデ
モバP「帰れなくなると言えば、ドラえもんの”すて犬ダンゴ”を思い出しますね」
ちひろ「”どくさいスイッチ”とか”うつつまくら”のようなじわじわくるトラウマ回ですか」
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ちひろ「プロデューサーさんはすて犬ダンゴされても生き延びますよね?」
モバP「やめてくださいよ。ジプシー生活には憧れが無くもないですが、家に帰れなくなるとか泣きます」
雪美「……Pも……泣くこと……ある……?」
モバP「理由は様々だがそれはあるとも。特に夢の中では大泣きしたり、喜怒哀楽が激しくなるね」
ちひろ「それ、感情を発散できない現実に不満を溜め込んでいるんじゃないですか?」
モバP「それっぽいこと言わないでくださいよ。発散しちゃいますよ?」
ちひろ「おっ、図星ですかぁ?」
雪美「……ふふっ」
モバP「どうやら、少しは元気が出てきたか」
雪美「……まだ……足りない……。……今日は……いっしょに……いて」
モバP「しょうがないにゃあ……」
ちひろ「やめい」
雪美「……あと……お風呂と……布団も……いっしょに……」ボソ
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モバP「あぁ……一度猫を飼ってみたいな。名前は画鋲丸にするんだ」
ちひろ「ネーミングセンスが酷すぎる。まず、責任持って飼えますか?」
モバP「お母さんみたいなこと言わないでくださいよ。今の生活だとなかなか難しいのは分かっています」
ペロ「ふなー」
雪美「……Pは……飼わない方が……良い……って……言ってる……」
モバP「ペロに言われちゃ仕方ないか。でもどうしてだい?」
ペロ「みゃ」
雪美「…………猫と……心の距離が……近い……から」
モバP「やたら懐かれるからなあ。適度な距離感で世話するのには向いていないか」
ペロ「みゃーみゃー」
雪美「……!」
モバP「どうした?」
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雪美「……」
雪美「……でも、仕方ないから……私が……飼われてやっても……いい……」
雪美「……べ、別に……あんたのことが……好きだとか……そんな訳じゃ……ないんだからね……」
モバP「このこまさかの」
雪美「…………後半は……盛った……」
モバP「驚かせおって。そもそもペロは雪美が面倒を見ているのだからな。俺が取り上げる訳にはいかん」
雪美「……」ジッ
ちひろ「……」ジトッ
モバP「えっ」
ちひろ「……はぁ」
雪美「……みんなで……いっしょに……暮らせば……飼える……」
モバP「そうかその手が! ……ちひろさん、佐城家に婿入りしても良いですかね?」
ちひろ「良い訳ないでしょ?」 デスヨネ
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モバP「有無を言わさない事後承諾ってあるよな」
あやめ「ありますね」
雪美「……例えば……?」
モバP「おお、あやめさん。ちょうど良かった。おめえさんに頼みてぇことがあるんだ」
あやめ「おやPさん。わたくしで良ければ、何なりと」
モバP「ちょいとなぁ……」
ブスリ
あやめ「」
モバP「死んでもれえてぇ」
ドサッ
あやめ「って何であやめが殺られるんですか!」シュタッ
モバP「おお、あやめは跳ね起きが上手だな。スカートでやるのは感心しないが」
あやめ「っ!? ///」バッ
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あやめ「」プシュー
モバP「というような感じかな」
雪美「……心得た……」
雪美「……P……ここに……座れ」
モバP「はい」
ポスン
雪美「……この膝は……妾のものじゃ……よいな?」
モバP「はっ」
雪美「……」
雪美「……何か……恥ずかしい……///」
モバP「これは良い事後承諾だな」
イチャイチャ
あやめ「むむむ、ずるいですよ! あやめも雪美ちゃんを膝に!」 エ、ソッチ?
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雪美「……P!」タタタ
ガバッ
モバP「おーおー雪美よ、久しいな。レッスン帰りかな」
雪美「……うん」
モバP「最近会う時間がなくてごめんな? 寂しかったろう」
雪美「……アイドル……楽しいから……平気」
モバP「そりゃあ良かった。どれ、楽しい表情をよく見せてごらん」
雪美「……」ニカ
モバP「おお眩しい眩しい。……ところで今日はプルオーバー、ショートパンツ、レギンスか。活発でよろしい」
雪美「……」パサッ
雪美「……にゃー」キラキラ
モバP「何と、猫耳フード付き! ありがたやありがたや」
ちひろ「拝むな」
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雪美「……」(-_-)ウトウト
ちひろ「プロデューサーさんってウサミン好きなんですか?」
モバP「えっ」
ちひろ「さっき偶然目に入ったスマートフォンのロック画面が菜々さんになっていましたけど」
モバP「いや、あれは只のうちのおばあちゃんです」
ちひろ「ええっ!?」
雪美「っ!」ビクッ
モバP「しーっ」
ちひろ「あっ……ごめんなさい雪美ちゃん」
ちひろ「若すぎるでしょ……エルフか何か? そんなオカルトありえません」
モバP「メイクと角度と照明と編集でそれっぽく見せているだけです。実は本人でしたなんてファンタジー展開はありません。安心しました?」
ちひろ「安心しました」
雪美「……」ウツラウツラ
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今日はここまで
凪のあすから
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最後がなんかえらいことになってて草
乙
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モバP「雨が降っているね」
雪美「……うん」
モバP「こういう秋の物悲しさに雨とくると、頭の中に大抵、あるBGMが流れる」
雪美「何……?」
モバP「エリック・サティのグノシエンヌ第1番」
雪美「……?」
モバP「ピンと来ないか。まあ聞いてみると良い」 ハイ、スマホ
――
雪美「……」
雪美「……膝、良い……?」ズーン
モバP「良いよ。雪美も結構感受性が豊かだなあ」ポスン
ちひろ「私はジムノペディの方が好きです」
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雪美「気づいて……私……ここにいる……」コソッ
モバP「ん? どうした雪美。物陰からこちらを見つめて」
雪美「……」
雪美「……Pは……発見が……早い……」
モバP「もし死角で気配を消されたらそうは見つけられないよ。雪美は加減上手だ」
雪美「見つけて……もらえないと……こわい……から」
モバP「強く自己主張したくないけど見つけてほしい、という気持ちは分かる。相手に通じたら嬉しいもんな」
雪美「うん……」
モバP「しかし、かくれんぼは人によって性格が出るな」
モバP「見つけてもらうのが好きなタイプ、完璧に隠れきることを探求するタイプ、ギリギリのスリルを楽しむタイプなどな」
雪美「Pは……?」
モバP「隠れきりたいが途中で気力が尽きてやけくその鬼ごっこを始めるタイプだ」
ちひろ「私はいつお二人に気づいてもらえるでしょうか」
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モバP「まゆ。今日の仕事、よくこなしてくれた」
まゆ「うふふ……プロデューサーさんこそ」
パシッ パシッ グッ
雪美「……かっこいい」ジッ
――
モバP「それで雪美もハイタッチがしたいのか」
雪美「……」コク
モバP「では、まずは手遊びでもして息を合わせることから始めようか」
雪美「……」コク
モバP「せーの」
セッセッセーノヨイヨイヨイ アーループースーイチマ
モバP「……ん?」
雪美「……ん」
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「……」
モバP「おお、いきなりやれと言われても戸惑うか。そりゃそうだ、ガッハッハ」
雪美「手取り足取り……教えて……」
モバP「うちに任しときんさい!」
――
モバP「ふう……こんなもんか」
雪美「……楽しかった」
モバP「やったね! ハイターッチ!」スッ
パシッ パシッ グッ
モバP「おー、何か勢いで出来てしまったな!」
雪美「……うれしい」ニヘラ
モバP「雪美さんが嬉しいと、俺も嬉しいなぁ」
雪美「でも……これは、まゆの……。私だけの……欲しい……」 ヨッシャ! ヤッタロヤナイカイ!
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雪美「先輩……」
モバP「おや、雪美くんか。僕に何か用かな?」
雪美「先輩は……今年の……クリスマス……、空いて……いますか……?」
モバP「現在は予定は入っていない」フフン
雪美「……胸を張る……ところじゃ……ないです……」
雪美「だったら……私が……よ……予約……入れても……良いですか?」
モバP「分かった」
雪美「えっ……、そ、そんなに……軽く……請け負って……」
モバP「僕の一日を私にください、と言うのだろう? 快く受けようじゃないか」
雪美「……先輩…………、ふふっ……じゃあ、楽しみに……してますよ?」
モバP「良い笑顔だ。では、一緒に部活へ行くとしようか」
雪美「……はいっ」
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モバP「――演技の練習に付き合うのはなかなか恥ずかしいな」
雪美「……P……真剣に……やってくれた……」
モバP「そうかい? 他のアイドルとこれやるとキャラを勝手に濃くするなとか言われるが」
モバP「それにしても、敬語後輩良いよなあ。ましてや雪美みたいな子に誘われたらホイホイ付いて行っちゃう」
雪美「……Pと……同じ学校……イメージ……」
モバP「そして制服同士か……あぁ、雪美の先輩になりたかった」
雪美「……でも……先に卒業されると……寂しい」
モバP「じゃあ、雪美と同級生なら……?」
雪美「P……学校に……遅れるよ?」
モバP「幼馴染か。良いなそれ」
雪美「手を繋いで……登校……」
モバP「やだ滾るわ」
雪美「……でも……けんかも……しそう」
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モバP「じゃあ、雪美より年下だったら……」
雪美「……Pくん……ふふっ」
モバP「雪美おねえちゃん」
雪美「……」
雪美「……もう一回……言って」
モバP「雪美おねえちゃん?」
雪美「……」
雪美「……も、もう一回……」
モバP「もうダメです。恥ずかしい」
雪美「残念……」
モバP「雪美先輩、好きっス!」
雪美「! も、もう……Pくんったら……」
ちひろ「いっそ赤ちゃんまで若返ってしまえば良いんじゃないですかね」
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雪美「……ふー」
モバP「レッスン、頑張っているようだな」
雪美「!」サッ
モバP「むっ、いかがなされた?」
雪美「……汗……かいてる……」
モバP「はは、お年頃だな。なら先にこっちを渡そう。タオルだ」
雪美「ありがとう……」
モバP「……」
雪美「……」ジッ
モバP「拭いてほしいのか?」
雪美「……せくはら」
モバP「あっしが悪うござんした」
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雪美「ふふ……分かってる。……軽く、拭いて……ほしい」
モバP「合点承知の助」
――
モバP「そしてこれが水分補給用のドリンクだ」
雪美「感謝……」
モバP「夏場に比べて疎かになりがちだが、水分はこまめに取ろう」
雪美「ん……」チューチュー
加蓮「冬は乾燥するからね」
モバP「お、加蓮か。体調はもう良いのか?」
加蓮「大丈夫。それにしても、拭いてあげるなんて献身的だね」
モバP「見ていたのか」
加蓮「貧血の時の私にも遠慮なく、してくれたもんね?」ニヤ
雪美「……せくはら」 エエッ!?
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モバP「雪美が俺の席に座っている」
モバP「育ちの良いお嬢さんが着ていそうな白ブラウスと黒スカート」
雪美「……」キラキラ
モバP「雪美といえばこれ。物静かで清楚なイメージにしっくりくる格好だ」
モバP「膝に猫を乗せ優しく撫でる様は実に絵になる」
奈緒「ピアノとか弾きそうだな」
モバP「”猫踏んじゃった”とか?」
雪美「……猫は……踏んだり……しない……」
モバP「気づかれちった」
奈緒「ちった♪」
奈緒「……って、何言わせんだよ」 ノリノリジャネーカ
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雪美「……Pと、奈緒……どうしたの?」
モバP「せっかくそこに座っていらっしゃるので、こっちは隠れつつどこまで接近できるかを調査していた」
雪美「……いつもの……私と……同じ……ね」
奈緒「そうなのか? 半分は隠れる気なかっただろ」
モバP「わざと見つかりやすい不利な行動を起こして、ハイスコアを狙うって寸法よ」
奈緒「ハイスコアって何だよ」
雪美「それで……この状態は……?」
モバP「何とかグレイズかパリィできたかな?」
奈緒・雪美「……できてないです」
ストッ
モバP「どうした雪美。こっちに来て、手を取って、自分に誘導して……」
雪美「……P……つかまえた」ギュッ
奈緒「掴ませてるんだよなぁ……」
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モバP「仮眠室にプロデューサーがやってくる〜♪」
のあ「」バーン
モバP「ああっ! のあさんがありすポーズで横たわっている!」
のあ「うっ……」
モバP「大丈夫そうですが一応大丈夫ですか!?」
のあ「不躾なことを言うのね……」スクッ
モバP「もしかして待ち伏せってやつですか?」
のあ「渇きよ……貴方はいつも揺蕩う小舟の様」
のあ「微かな……雪美の、蘭麝」ダキッ
モバP「」
のあ「魂筥に 木綿とりしでて たまちとらせよ 御魂上り 魂上りましし神は 今ぞ来ませる」
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ゾワッ
モバP「っ!?」
キョロキョロ
雪美「どうしたの……?」
モバP「お、雪美か……。何か今、変な”隙間”があった気がするんだよな」
雪美「……隙間? ……夢?」
モバP「そうかなあ。まあ、よく分からんが頭はすっきりしている」
ニャー
モバP「ん、猫の声か。ペロとは違うな」
雪美「……猫……いない……」
モバP「そうか? ……雪美さんが言うのなら、そうかなあ」
フフッ
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60
モバP「もう今年もあと一ヶ月か……」
ちひろ「あっという間ですね」
雪美「……」
モバP「まあそんなことを言っていられる内が華だな。師走は仕事も忙しい」
ちひろ「ですね」
モバP「雪美もこれから大変だろうが、思う存分、暴れてくださいよ?」
雪美「……まかせろー」
モバP「ははは、こやつめ」
ちひろ「仲睦まじいのは結構ですけど、他の子もきちんとフォローしてあげてくださいよ?」
モバP「分かっています。いざとなりゃ分身でも逆藍子でもしてやります」
モバP「あ、逆藍子ってのは精神と時の部屋みたいなもんですね」
ちひろ「えぇ……」
-
今日はここまで
凶鳥イツマデ
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>ちひろ「私はいつお二人に気づいてもらえるでしょうか」
>ちひろ「いっそ赤ちゃんまで若返ってしまえば良いんじゃないですかね」
相変わらずキレッキレで草
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モバP「雪美さんにちょっと難しいことをやってもらおう」
雪美「何……?」
モバP「ホワイトボードにこのペンで”あまがみ”と声に出しながら”おむれつ”という字を書いてください」
雪美「了解……」キュポン
雪美「あ……ま……が……み……」キュッキュ
雪美「……上手く書けなかった……」
モバP「これはな、誰でもそうなるんや。多分」
雪美「……不思議」
モバP「マルチタスクが何だ。人間、シングルタスクでも良いじゃないか……と、勝手ながら思う訳です」
雪美「……じゃあ……シングルタスク……。Pに……あまがみ……する」
モバP「こらこら。なら、せっかくなんであまがみしながらおむれつは作れるのか調査してみるか」
ちひろ「タスクよりリスクを考えるべきですね」
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モバP「あらかじめ言うと、これはちょっと倫理・衛生的に問題がある発言になるかもしれないが」
雪美「……何?」
モバP「俺がこうして人差し指を立てます」
雪美「……うん」
モバP「そこにイチゴジャムを垂らすとします」
雪美「……うん?」
モバP「そしたら雪美はパクッと食いついてきてくれるのか、ふと好奇心が湧いたんだ」
雪美「……」
雪美「……P……そんな子に……育てた覚えは……ないのに」
モバP「おお神よ、私は何と罪深いことを。どうかお赦しください」
ちひろ「デスソース垂らして自分で舐めてな、ボーイ」
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ちひろ「プロデューサーさん、コスプレのアイデアをください」
モバP「自分から聞いてくるのか……」
モバP「希望で良いなら、じゃあ結月ゆかりで」
ちひろ「固有のキャラですか。難易度高いですけど何でまた」
モバP「直感ですがちひろさんならゆかりさんの雰囲気にアジャストしそうな気がします」
ちひろ「喜ぶべきか疑うべきか複雑ですね」
雪美「P……私も……」
モバP「じゃあ琴葉葵でどうかな」
雪美「……?」
ちひろ「こんなのです」 ハイ、スマホ
雪美「……ほー」
モバP「何なら水本ゆかりでも良いですよ」
ちひろ「所属アイドルのコスプレしてどうすんだ」
-
ちひろ「まず、結月ゆかりってよく見たら結構煽情的な服ですよね?」
モバP「はい」
ちひろ「はいじゃないが」
雪美「Pは……首周りや……脇とか……好き……」メモメモ
モバP「そのメモを何に使う気だ」
ちひろ「もうちょっと制服、とか水着、とかそういう方向で無いですか? イベントと季節感に合わせて」
モバP「ありきたりだとこの時期ならミニスカサンタですか? でもなあ」
モバP「……よし。なら、しばらく前に流行った”アレ”なんてどうでしょう」ニヤリ
ちひろ「……な、なんですか?」ゴクリ
\童貞を殺すセーター/
ちひろ「……」
ちひろ「……」ハイライトオフ
雪美「……これ……背中……寒そう」 ギャー イタイデスチヒロサン!
-
64
モバP「今年は戌年、来年が亥年」
モバP「アイドルを十二支に例えるなら誰なんだろう」
ちひろ「そういうのはチョコレート菓子やRPGの嫁論争みたいに不毛な争いを生みませんかね」
モバP「そうかな。じゃあ今パッと思いついた犬系アイドルと猪系アイドルだけ挙げてみよう」
モバP「召喚」
凛「犬飼ってる系アイドルだよ」
茜「今年いろいろありましたのでプロデューサーへのタックルは自重気味の猪系アイドルです!」
雪美「好きなもの……ベスト3は……ペロ……イチゴ……P……の猫系、アイドル……です」
ちひろ「十二支に猫はいないんですよねぇ」
雪美「……虎は……ネコ科……だから……」
モバP「虎だ! 虎だ! お前は虎になるのだ!」
雪美「がおー……」
-
ちひろ「雪美ちゃんが虎系アイドルに進化するかもしれないことが分かったところで」
ちひろ「凛ちゃんは犬系じゃないんですか?」
凛「ハナコは好きだけど、私自身が犬系という自覚はあまりないかな」
凛「というか人によっては失礼になったりするからね。犬はまだしも猪系ってどうなのと」
茜「私は光栄です! 猪は鍋にすれば牡丹鍋、つまり私は牡丹系ということでもあります!」
凛「牡丹の花言葉は高貴・富貴・王者の風格、か」
モバP「猪のバイタリティーと牡丹の貴さを兼ね備えた素晴らしいアイドルという訳だな」
茜「照れますね! この情熱を昇華させる為にここは一つ、走ってきます! ボンバー!!」
「……」
モバP「茜が王様だったら多分前線で戦う王様なんだろうなあ」
雪美「……P、今夜は……鍋料理……食べたくなった」
モバP「おっ良いね。仕事終わったら買い出し行くか!」
凛・ちひろ「君たち同棲でもしてるの?」
-
65
モバP「おはよう」
雪美「おはよう……」
モバP「ハハハ、今日も調子良さそうだな」
雪美「ハハハ……今日も……調子……良さそう……だな」
モバP「むむっ!」
雪美「むむっ……」
モバP「……ヘーイ! 今日も世界レベルに酔い痴れなさい!」
雪美「……ヘーイ、……今日も……世界レベルに……酔い痴れなさい……」
モバP「……」
雪美「……」
ポスン
モバP・雪美「……ふー」マッタリ
ちひろ「真似しない方が良いタイプの大人ですね」
-
66
モバP「……」ナデナデ
雪美「……」ニコニコ
ありす「……」ムー
ありす「雪美さん。髪は女の命、というのに遠慮なく触らせすぎじゃないですか?」
雪美「……そう?」
ありす「決して私も、撫でてほしいとか、そういう訳じゃないですからね」
モバP「素直じゃない奴よのう、橘はん」
ありす「ありすです! ……おっと間違い、橘で良いんでした? ……いや良くないです!」
ありす「とにかく! 私も撫でてください!(錯乱)」
モバP「即落ち良いぞ〜」オイデオイデ
ナデナデ
ありす「ううう……///」
-
ありす「……これ、良いですね。Pさんは太陽の手の持ち主ですか」
モバP「俺はパン職人じゃないぞ」
雪美「P……私も……もっと……」
モバP「よしよし。いやあ、両手に花とはこのことよ」ナデナデ
ありす「で、実際のところPさんには、遠慮とか無いんですか?」
モバP「そりゃあ、撫でるのはこういうことを許してくれる親密な女性だけだな」
ありす「親密……悪い気は、しませんね」
雪美「私は……Pに……命を……預けている……だけ」
ありす「上には上がいる……」トオイメ
ガチャ
桃華「あら、いらしたのPちゃま。おや……わたくしも撫でてくださいまし」
莉嘉「あっ、いーなー! 私もPくんに撫でてもらうっ!」
ありす「……”親密な女性”、多いですね?」ジトッ
ちひろ「ここまで雪美ちゃんを膝に座らせていることについてはツッコミないんですねえ」
-
67
モバP「雪美、イベントおつかれさま」
雪美「……」ニコ
モバP「コラボでPSO2のフォニュエールの格好だもんな。よく似合っているよ」
雪美「……」キラキラ
モバP「しかしまあ、よく作られてはいるが動き辛くなかったか?」
雪美「大丈夫……軽い……」
モバP「なるほどな……特殊メイクで耳なんかこんなに長くなっちゃって」
雪美「……ドキドキ……する?」
モバP「ドキドキ……どちらかというとワクワクかな。夢が広がる」
雪美「……なら、このままで……ちょっとだけ……」スリスリ
モバP「……そこまでされると、ドキドキもするなあ」 フフッ ハハハ
事務所のちひろ「お茶がうめェ」ズズズ
-
今日はここまで
今日もいい天気☆
-
乙ボンバー
PSOは2じゃないけどep1&2の方をやったことがあるからフォニュエールと聞いて懐かしい気分になった
-
68
雪美「……」ジー
モバP「アンニュイというか、ポーカーフェイスな雪美さん」
モバP「見惚れるねえ」
雪美「……私も……あなたに……見惚れている……」
モバP「しかも所作が優雅」
雪美「……そう?」
モバP「こうして見つめ合っていても、飽きないものだね」
モバP「……その目の色は何と形容したら良いのか。茜色?」
雪美「赤茶……?」
モバP「レッドアゲートっぽくもある……どれ、もっと近くで見せておくれ」スッ
雪美「うん……」ドキドキ
モバP「……綺麗だなあ」
ちひろ「それ以上やると白目を剥くことになるかもしれませんよ?」
-
69
モバP「ペロ、ゴキゲンかい?」
ペロ「ニャー」
モバP「ふぅ〜む、なるほどなるほどなるほどー」
ペロ「ンギャア」
モバP「そうですね。確かにそう思います」
ペロ「……」
雪美「……」
雪美「……分かったふり……ダメ」
モバP「さすがに雪美さんにゃバレちまいやすか」
ペロ「ニャーゴ」
雪美「ぼくと……話をするには……まだ……LOVEが足りない……、だって……」
モバP「LOVE……Level Of ViolencE?」
ちひろ「愛だよ愛!」
-
70
ちひろ「最近、お二人って割と息が合っているというか、本質が似ているような気がしてきました」
雪美・モバP「……?」
ちひろ「兄妹とかじゃないですよね」
雪美「違う……」
モバP「何を仰いますかちひろさん。雪美が妹……ひらめいた!」
ちひろ「通報した。……ってそりゃそうか」
雪美「実は……Pは……私の……操り人形」
ちひろ「まさかそんな。いくら雪美ちゃんの手にリモコンがあって、プロデューサーさんの頭にアンテナが刺さっているからって……ん?」
雪美「……ふふっ」
モバP「あなたは誰の意思で動いているんですか、ちひろさん?」ニヤ
――
ちひろ「――はわっ!?」ガバッ
ちひろ「……おのれ、こんな夢を見てしまうとは」
-
71
モバP「別館のトレーニングジムに温水プールができたらしいな。雪美さんは泳ぎの方は?」
雪美「……泳げますん」
モバP「はぐらかすか。大丈夫だ、幸子だって泳げるようになったぞ」
雪美「……鬼コーチ?」
モバP「スパルタ希望ならね。こう見えても昔、少し水泳をやっていたのだ」
雪美「……ふふ、……私も……泳げる」
モバP「あら残念。それなら雪美のインストラクターにならなくても良いか」
雪美「だめ……いっしょに……泳ぐ……」ギュッ
モバP「じゃあ、時間がある時に一緒に行くか」
雪美「うん……今でも……良い」
モバP「おお、やる気だな。えー、水着やタオルは買えるんだったかなっと」
雪美「……」ドキドキ
-
――
モバP「おまたせ」
雪美「……」キラキラ
モバP「競泳水着……ええのう!」
雪美「……///」
モバP「恥じらって顔を背けるところがレディーだねえ」
櫂「来て早々イチャついてるね。良いけど、準備運動はしっかりね」
モバP「おお、櫂か。水ある所に櫂ありとはよく言ったもんだ」
櫂「やっぱりあたしは水を得てこそ魚になれる気がするんだ」
雪美「……櫂……水着……似合う……」ポー
櫂「……競技とかでずっと着てきたタイプでも、改めて言われると恥ずかしいなあ」アハハ
モバP「例えば体育系と文化系でも、それぞれに無い良さがある。雪美も似合っているぞ」
雪美「……うれしい」 オオアツイアツイ
-
――
モバP「ふー、泳いだ泳いだ。カロリーばっちし消費しましたよ」
雪美「P……」ピトッ
モバP「ひゃうんっ!」
七海「何気持ち悪い声を出しているのれすか」
モバP「七海か。不意打ちに弱くて悪いかい」
雪美「……ふふふ……水も滴る……P」ツツー
モバP「雪美、気分が乗ると体が熱くなるのは分かるが、頭も熱くなってないよな?」
七海「止めた方が良いんれすかね?」
モバP「いや、大丈夫だ。それより七海もカナヅチだったが、そこそこは泳げるようになったんだな」
七海「本当にそこそこれすね〜。浮いてる方が合っています〜」
モバP「まあバラエティーだとまだ泳げないことになってたりするな。幸子とか」
七海「その方がキャラが立ちますからね〜」
-
七海「ところで温水プールに魚は泳いでいないのれすね〜」
モバP「一体何を放流させるつもりだ。熱帯魚とか?」
七海「ちょっとしたマリンジョークれすよ。何ならイルカと一緒に泳げませんかね〜♪」
モバP「イルカは哺乳類だろ」 テヘヘ
雪美「……P」ユサユサ
モバP「どした」
雪美「……Pに……乗せてほしい……」
モバP「プールサイドとはいえ、滑り落ちたりしないよな?」
七海「それ以前の問題れす」
ポスン ダキッ
雪美「……///」パシャパシャ
モバP「雪美さんはとてもうれしそうだ」
七海「むーっ……海の女は嫉妬深いのれすよ〜。ふぅっ!」
モバP「あぁっ、耳やめて」ゾクゾク
-
――
シャー キュッキュッ
モバP「シャワーが気持ち良かったな」
雪美「うん……」
モバP「着替えたら、何か飲もうか」
雪美「うん……。疲れたけど……さっぱり……した」
モバP「良かった。まあ、程々に、また来ような」
雪美「……?」
モバP「本格的に水泳やると肩幅が広くなる子もいて、女子はそういうのを嫌がる場合もある」
雪美「……なるほど……。でも……潜るなら……たぶん……大丈夫」
モバP「雪美は泳ぎより潜りメインか。肺活量あるからなあ」
雪美「潜水は……得意」フンス
モバP「競泳水着で胸を張る、濡れた髪の雪美さん――控えめに言って女神ですね」
雪美「……それ、いいすぎ」ニコ
-
72
モバP「お便りが来ているのでご紹介したいと思います」
モバP「神奈川県T.Mさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、白と黒が無いパンダ、こんにちは」
雪美「こんにちは……」
モバP「白と黒が無いパンダって何が残るんですかね?」
モバP「……えー、お二人は大変仲が宜しいようですが、質問です。雪美ちゃんが反抗期になったらどうしますか? 私は一時期荒れていて、そのことを少し後悔しています」
雪美「反抗期……」
モバP「うちの雪美さんに限ってそんなことは……」
雪美「無いと……言える?」
モバP「……まあ、今を知っているだけに、例えばやさぐれて髪を染めたり、大声で罵られたりすれば、独り泣くかもしれない」
モバP「それでも、跳ね返りには上手く合わせて接していきたい」
モバP「反抗期も始まりがあればいつかは終わりもある。その時までに見放していたら、きっと後悔してしまう」
雪美「……じゃあ……ずっと……見ていて」
ちひろ「こういうノロケがある内は大丈夫なんでしょうけどね」
-
モバP「次のお便りです」
モバP「兵庫県K.Sさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、前世はポルターガイスト、こんにちは」
雪美「こんにちは……」
モバP「前世なのに心霊現象なのか……」
モバP「……えー、雪美ちゃんは猫と話ができますが、ある日突然、猫の言葉が分からなくなったらどうしますか? 私は幽霊が見えるのですがふとそんな心配が過ぎります」
雪美「……そうなったら……とても……悲しい…………」
モバP「ねぇ……雪美。おとなになるってかなしいことなの……」
ちひろ「ヨヨはやめれ」
モバP「幼い頃は不思議な力がある、でも心の成長の中でそれが突然失われる――そんな物語はよく見かけるな」
雪美「……成長は……うれしいこと……、でも……素直に……喜べない……」
モバP「原因不明でコミュニケーションが取れなくなると困るのは人間関係でも同じ。相手と、そして周囲と、しっかり信頼関係を作っておきたいな」
雪美「理解……すること……してもらうこと……大事」
モバP「猫と話をしたり、幽霊が見えるようになりたいんだがなあ。そうすればそういう時も力になれるのに」
雪美「……やさしい」
-
モバP「次のお便りです」
モバP「山梨県S.Hさん。……雪美ちゃん、ちひろさん、期限切れポイントカード、こんにちは」
雪美「こんにちは……」
モバP「財布の中にあります。すいません」
モバP「……えー、アイドルはバラエティー番組にも出ますが、もし自分の顔の木彫り像を五万円で売って来いなんて言われたらどうしますか?」
志乃「ブラックビスケッツね……わかるわ」
モバP「本人登場でセルフツッコミ入れないでください。というかそのセリフは瑞樹さんのです」
志乃「じゃあ……わかるってばよ」
モバP「それはうずまきナルトです。……酔っていませんよね?」
モバP「人間、いろいろな経験も必要だとは思います……でも自分の顔の木彫り像やクリスタル像や信楽焼のたぬきや鷹村守ばりの銅像を売って来いなんて、鬼ですよ! 鬼!」
雪美「はっきり……いいすぎ……。……でも……根性がないと……確かに……無理」
志乃「貴方のだったら、ひょっとしたら売れるかもしれないわよ……ふふ」
モバP「忘れた頃に出先で偶然見かけたりしたら恐怖なので嫌です」
ちひろ「今回紹介させていただいた方にはP画伯謹製のイラスト色紙をプレゼントします」
-
73
モバP「古い屋敷などにある、ゴーンゴーンと鐘が鳴り響く、昔ながらの振り子時計」
モバP「良いですよね」
ちひろ「あの低いトーンが静けさの中では不気味なんですけど」
モバP「ベートーベンの月光とかを聴いていてもこう、重低音は心を揺さぶってきます」
ちひろ「ちなみにボイロは?」
モバP「あの抑揚を抑えた低血圧な感じに出す調声が好きですね」
ちひろ「低血圧に失礼だぞ。……でも、プロデューサーさんは高い声にも憧れるんでしょう?」
モバP「はい。つまり何というか、”音”って良いなあと」
ちひろ「音フェチだったか」
モバP「ちょっと静かにしてみてください」 ハイ
雪美「……すー、すー」
モバP「ほら、微かに聞こえる雪美の寝息。癒されませんか?」
ちひろ「……癒されますね」
-
74
モバP「擬人化ってあるじゃないですか」
ちひろ「よくありますね。小さい子でも知っているようなものだと、鶴の恩返しとか」
モバP「はい。では、あなたと身近な関係の猫――ペロが人間の姿に変身したとしたら、どんな見た目だと思いますか?」
ちひろ「心理テストみたいな聞き方をしますね。そうですね……雪美ちゃんと瓜二つ」
モバP「それがあなたにいつか子どもが生まれた時、将来こんな風に育ってほしいと思う姿です」
ちひろ「心理テストだったんですか……」
モバP「まあ今適当に考えただけですが」
ちひろ「そんなこったろうと思ったよ」
モバP「ちなみに自分はですね、黒短髪の中性的でクールな女の子をイメージします」
ちひろ「雪美ちゃんいわく、ペロはぼくっ娘らしいですからね。場に合わせて”私”とか”我”とかも使い分けるようですけど」
ちひろ「じゃあ、アイドルで言えばあいさんや留美さんを少年っぽくした感じですか?」
モバP「良いですねえ」
-
ペロ「ふんにゃ」
雪美「話は……聞かせて……もらったぞー」
モバP「おお雪美さんとペロさん」
ペロ「Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn」
雪美「人の姿になれるのなら、私が良い……って」
ちひろ「ペロ今とんでもないこと呟いていませんでした?」
ペロ「ニャー、うー! にゃー!」
雪美「大丈夫だ……問題ない……」
モバP「猫がゴニャゴニャ意味深に聞こえるようなことを言うことはよくあるからな」
雪美「……深く……考えては……ダメ……。好きなものと……いっしょになるのが……夢……」
モバP「ペロの考えは深いな」
ちひろ「あまり深淵は覗かない方が良いってことですかね? 深く考えないでおきましょう」
-
75
雪美「……ばいばい」
モバP「おう。また明日な」
ガチャ パタン
モバP「今日は家まで送ったが、お母さんは相変わらずお綺麗だったなあ」
モバP「お父さんは何か色気があって、声をかけられると妙にドキドキするし」
モバP「……その気は無いのに何か倒錯的なんでこれ以上は止そう」
モバP「しかし、親か……人の親を見ると、実家が恋しくなるな」
モバP「元気にしているかなあ、二人とも」
モバP「こんな寒い日には、味噌汁が美味いんだよな」
モバP「おっと、いつまでもこうしちゃいられない。帰るか」
ガチャ タッタッタ ギュッ
雪美「……ごはん……食べていく……?」
-
今日はここまで
世界の車窓から
-
母親じゃなくて父親の方にときめくのか……
-
76
モバP「……」
雪美「……」
モバP「よし、ここだ」パチ
雪美「…………」
雪美「……王手」パチ
モバP「あっ」
雪美「……」
モバP「……負けました。つみです」ペコリ
雪美「……」ペッコリン
モバP「雪美さん、思ったよりも強くて負けちったぜ」
モバP「さすがに将棋入門番組のレギュラーをやっているだけはあるな」
雪美「……」ムフー
ちひろ「プロデューサーさんも本業まで詰まないように仕事してくださいね」 ハイ
-
77
モバP「雪美さんは、好きな物と苦手な物、どちらから先に食べる?」
雪美「……苦手な物……の時が、多い……」
モバP「俺と同じだな」
雪美「Pと……同じ……」
モバP「まあ、時と場合にもよるから一概に言えないというのが正直な所か」
モバP「ならばイチゴのショートケーキ。イチゴから食べる? それとも最後に残す?」
雪美「……イチゴから……先に……食べる……。……たぶん」
モバP「俺と同じだな」
雪美「! ……我が友……」ギュッ
モバP「まあ、甘いケーキの後にイチゴだとイチゴの酸味が割増しになるのが嫌、という単純な理由なんだが」
モバP「あれで後味がさっぱり締まるから良いと思う人もいるのだろう」
ちひろ「話に夢がないですね。イチゴはロマンなんですよ?」 ←最後に残す派
-
78
モバP「”名物猫ラリー”の収録、おつかれさま」
雪美「楽しかった……」ツヤツヤ
雪美「白猫が……寄ってきて……抱かせてくれた……」
モバP「雪美はロケで遠征しても地猫にすぐ懐いてもらえるからなあ」
雪美「……あの子……オッドアイだった……」
モバP「楓さん系猫か」
雪美「青と黄色の……きれいな……目……」
モバP「ほう……ひょっとしたら片耳が悪くなかったか」
雪美「! ……どうして……分かったの? ……知り合い?」
モバP「知り合いだったら世間は狭いと思うが、残念ながら違う」
モバP「白猫の青黄オッドアイはそういう子が多いことで比較的知られているんだ」
雪美「……びっくりした……P、物知り……」
-
雪美「……楓さんは……何ともないの?」
モバP「ヒトが何ともあるような話は聞いたことがないな。大丈夫さ」
雪美「……良かった……」
モバP「猫とはどんな話をしたんだ?」
雪美「……私と話ができる人は……あなたで七人目……って」
モバP「雪美以外に六人もいるのか……」
雪美「お仕事だったから……あまり長くは……お話……できなかった……」
モバP「また会いに行けると良いな」
雪美「うん……オッドアイ……」
モバP「惹かれたか。ちなみに創作の世界ではよく3Dメガネのように鮮やかな青と赤のオッドアイがいるな」
モバP「コントラストで大したインパクトだが、現実では見たことがない」
雪美「……見たこと……ある」
モバP「それはもしかしてカラーコンタクトというやつでは?」
雪美「……うん」
-
モバP「いや、でも確かに人工とはいえ、見たことがないというのは間違いだったな」
雪美「……他にも……写輪眼とか……いる……」
モバP「技術の進歩は凄いな。俺なんてコンタクト入れるのも怖いというのに」
モバP「それにコスプレ会場とかならともかく、予期せぬ場所で写輪眼持ちと出会ったら……」
モバP「まず二度見はすると思う」
雪美「佐城雪美が……命じる……膝に……乗せろ」カッ
モバP「それは写輪眼じゃなくてギアスですよ」
雪美「……そらが……あおいなー」シレッ
モバP「待たんかい」
ヒョイ ポスン
雪美「……ふふ……あなたにとって……私は猫のようでも……ある……?」
モバP「気まぐれな猫だな、とても」
ちひろ「雪美ちゃんにコードギアスなんて見せているのは誰ですかね」
-
79
雪美「クリスマスイベント……おわった……」
こずえ「ふわぁ……ぷろでゅーさー……いそがしいのー」
芳乃「そうですともー。しかし、かのかたはー、必ずどこかで見守っていましょうー」
雪美「芳乃……わかるの?」
芳乃「もちろんですともー」
こずえ「ぷろでゅーさーのくれたおまもり……あったかい……えへへー」
スタッフ「えっと……このほんわかトリオで帰還は大丈夫?」
芳乃「わたくしがー、責任を持って引率しますゆえー」
スタッフ「じゃあ、お任せしますね。お疲れ様でした」
雪美・こずえ・芳乃「おつかれさまでしたー」
テクテク テクテク テクテク
-
チャラ男「おやあんな所にロリアイドル三人衆がいるやん。声かけたろ」
ワル男「いいねぇ。その後はしっぽりやりまひょか」
サンタ「駄目です」
チャラ男「何だ駄目か」
チャラ男「って誰だお前」
サンタ「サンタです」
チャラ男「見りゃ分かるよ。さてはお前、あの子たちを襲う気だな?」
サンタ「地域の安全、笑顔を守るのが儂の役目でしてね」
ワル男「あほらし……不審者かな? 通報してやる」
エラー
チャラ男「お前のお電話壊れてるじゃねーか。……ん? いないぞ?」
ワル男「しもた、どこ行きはったんやあん子ら。はよ捕まえんと」
-
サンタ「ここにいるぞ!」
雪美・こずえ・芳乃「……」
チャラ男・ワル男「!?」
芳乃「お仕事後はー、高揚していながらも危機察知には鋭敏でしてー」
こずえ「わるいこと、しちゃ……だめー」
雪美「……」スゥー
チャラ男・ワル男「?」
雪美「……あなたも……あなたにも……幸せな……クリスマスに……なってほしい……」
チャラ男・ワル男「」
チャラ男「……俺たちは一体何をしていたんだ」
ワル男「……感動しました。雪美ちゃんのファンになります」
サンタ「雪美……」スッ コク
雪美「……これ……あげる」
-
――
サンタ「感激して泣きながら帰って行きおったわい。こういう時の為のケーキじゃ」
こずえ「ないすあしすとー……」
雪美「……Pは……何をしているの……?」
サンタ(モバP)「ばれたか」
芳乃「隠す気はありましてー?」
モバP「一応は、ねえ?」
雪美「……心配……した」モフッ
モバP「すまなかった。この時期は毎年、近所の幼稚園や老人ホームでサンタさんをやっているんだ」
芳乃「よき心掛けですー」ヨシヨシ
こずえ「ぷろでゅーさー……せいぎのみかただねー」
モバP「正義の味方になりたかった名残だねえ」
-
モバP「ここからは一緒に帰ろうか。報酬としてケーキも貰っておいたぞ」
雪美「イチゴ……?」
芳乃「チョコレート……?」
こずえ「ちーず……?」
モバP「開けてビックリ玉手箱、中身は見てのお楽しみだ」
モバP「……或いはモンブランかも?」
芳乃「そなたも楽しみなのですねー」
雪美「……ふふ……クーラーバッグを持った……サンタさん……」
モバP「さすがにケーキは大きな袋では運べないからな」
モバP「ちなみに今夜はケーキとは別に、本場のノルウェーサンタを参考におかゆを食べるつもりでな」
こずえ「ひとつぶだけ……あーもんどをいれるんだねー」
モバP「そうそう、洒落ているのよ。で、幸運のアーモンドを当てるチャレンジャーをただいま募集中だ」
雪美「チャレンジ……する」 ワタシモデシテー コズエモー
-
80
モバP「クリスマスと言えばサンタですが、この前見たんですよ」
ちひろ「何をですか?」
モバP「グリーンサンタです」
ちひろ「環境保全をテーマにしたそういう方々もいますね」
モバP「一般的に赤だったり別の色のものが、稀に緑だったりするとワクワクしませんか?」
ちひろ「スポーツカーとか某新聞の題字とかですか? ……ちなみに私は?」
モバP「ちひろさんは普段から緑基調なので特には。目には優しいですね」
ちひろ「言ったな? じゃあ赤いドレスでも着たら平伏しますか?」
モバP「赤は攻撃色でもありますからねえ。赤が緑に変わるとゴーサインですが、逆は……」
ちひろ「私が年中ゴーサインみたいに聞こえますけど」
モバP「えっ、ちひろさんにゴーしても良いんですか?」
ちひろ「馬鹿言っちゃいけねえや」
-
雪美「また二人……いちゃいちゃ……している」
ちひろ「していません。雪美ちゃん側からそう言われる日が来るとは思いませんでした」
ちひろ「ふん、いいですよーだ。プロデューサーさんには私のサンタ姿見せてあげませんから」
雪美「……」キラキラ
ちひろ「って、雪美ちゃんがサンタしてる!?」
モバP「ああ〜」
雪美「……ちひろさんも……サンタに……なろう」
ちひろ「うう……かわいい」
――
ちひろ「なっちゃいました」キラキラ
モバP「即落ちいいですね!」 ソクオチイウナ
モバP「しかし、こうして揃うと仲の良い姉妹みたいです」
雪美「ちひろ……姉さん?」
ちひろ「……///」 ナゼテレル
-
81
モバP「こうして乗せて抱き締めていると、雪美はぬくいな」
雪美「……」
モバP「賢者の時間か」
ちひろ「言い方」
ちひろ「それにしてもお二人はスキンシップが好きですね」
モバP「言葉にされると恥ずかしいです」
ちひろ「言葉にされなくてももう少し羞恥心を持った方が良いかもしれませんよ?」
モバP「そうですね。実際そんなに質量を感じたいとか、体の繋がりを求めているという訳ではないです」
ちひろ「言い方」
モバP「やっぱり心……ですか。心が近い所にあるから安心すると言いますか」
ちひろ「率直に言って変態だと思います」 エー
雪美「…………落ち着く……」
-
82
モバP「雪美、おはよう」
雪美「! ……P、どうしたの……? 胸、大きいし……髪、長いし……美人さん……」
モバP「俺って人外じゃない? 実は割とその通りで、性転換もできることを失念していた」
モバP「ほら。体格は少し頼りないが、乗ってみるか?」ポンポン
ポスン
雪美「…………ママ……みたい……不思議……」
モバP「やっぱりこっちだと雪美はちょっと大きいなあ。じゃあ、今度は膝枕はどうだ?」
雪美「……」ゴクリ
――
ハッ
雪美「……夢……? ……でも……わるくない……かも……?」ポー
ちひろ「雪美ちゃんが今まで見たことない類の恍惚な顔をしていますね……」
-
今日はここまで
ホットココアで
-
83
モバP「冬は外を歩く猫を見かけなくなる季節だ」
モバP「温暖な頃にはよく見かけたあの子も、寒くなると消える」
モバP「あの子は冬を越せるのだろうか……」
雪美「不吉なモノローグ……だめ」
モバP「ごめんな。しかし雪美さんも、ある時ふいっとどこかに旅立ってしまわないだろうか」
雪美「……私は……どこにも行かない……」
雪美「だから……Pも……どこにも行かないで……」ギュッ
モバP「行くつもりはないよ。大人は止むを得ず嘘を吐かなくてはいけない時もあるが、俺の意思はその一点だ」
雪美「これだけは……絶対……約束……」
モバP「ああ。この約束が儚いものとならないように」
雪美「……はかない?」
ちひろ「人の夢と書いて、儚い」 オイ
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モバP「必要ないのに”あ、これ欲しい”と思うことがあるよな」
雪美「……ある」
モバP「以前そう思って、でも持ち合わせが無くて結局諦めた物をある日見つける」
雪美「……?」
モバP「買ってしまったんだよ……天空の城ラピュタの飛行石」ホラ
雪美「それが……欲しかったの……?」
モバP「飛行石だよ? ロマンがあると思いませんか? 浪漫飛行ですよ?」
ちひろ「米米CLUB知らないでしょ」
雪美「……でも……かっこいい」
モバP「ラピスラズリ、つまり翡翠で作られているらしいな。あ、ちょっと石の上に手を重ねてもらって良い?」
ポン
雪美・モバP「……バルス!」
ちひろ「目が、目がー! って、何言わせるんですか」
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モバP「冬と言えばこたつだぁ」ヌクヌク
雪美「うん……」ヌクヌク
モバP「小さい頃は潜り込んで隠れるのが好きだった」ミカンドウゾ
モバP「知らずに入って来た親を脅かしてみたりしてな」
雪美「息……苦しく……なかった?」ムキムキ
モバP「平気だった。体が大きくなってしまった今ではそんなことも難しいなあ」
雪美「……」パク
モバP「思えば好奇心が強かったんだな。そして自分のスペースを求めていたというか」
モバP「狭い所が落ち着くから押入れで寝てみたり、段ボールのトンネル迷路や隠れ家に憧れたり」
雪美「……男の子……ね」クス
モバP「そういう雪美さんも満更でもないのでしょう?」
雪美「……私も……隠れるのは……好き……」
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雪美「……P……そこにいて」フキフキ
モバP「どうした? あっ……ふーん」
ゴソゴソ ゴソゴソ
雪美「……ばあっ」
モバP「……おいっす」
雪美「……こんにちは」
モバP「……ははは」
雪美「……ふふ」
――
モバP「そしてこたつに入っていても俺の上に座る雪美さんであった」
雪美「……みかん……おいしい」アム
ちひろ「私も子どもの頃はああして伯父さんに……って、何してるんですか!」
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杏「おっす」
モバP「おう、杏か。どうした?」
杏「……雪美ちゃん、今日はいないんだね」
モバP「そうだな。寂しい寂しい」
杏「ダメだよー。最近プロデューサー、雪美ちゃんの時間を独占しすぎてない?」
モバP「……そう言われると、そうかもなぁ……いや、そうだ」
杏「いくら親しくても、親子、家族との時間はしっかり過ごさせてあげるべきだよ」
杏「個人差、環境差はあると思うけど、まだ小学生だもん。甘えたい、甘えさせたい時期だよね」
モバP「ああ。俺がわがまま言っちゃいけないな」
杏「ということで今日のプロデューサーは杏の貸し切りね」
モバP「寝取りですか」
杏「サボりだな」
-
杏「よっと」ポスン
モバP「杏は雪美とほとんどサイズ変わらないよな。おいくら?」
杏「企業秘密なんでお答えは差し控えさせていただきます」
杏「……プロデューサーはさ」
モバP「ん?」
杏「親の言うことやることが何でも正しい訳ではないと知った時、どうした?」
モバP「そうだなあ。今思えばすぐ収まった気がするが、反抗期になった、かな」
杏「……そっか」
モバP「杏の場合は?」
杏「無気力になっちゃった」
モバP「ある意味反抗だが、達観しちゃったという方が近いか」
杏「どうかなあ」
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モバP「いわゆる典型的なダメ親ならいざ知らず、ずっと尊敬できる親だったならそれこそ」
モバP「ある時に”これは間違っている”という部分を感じ取ってしまうと、辛いんだろうな」
杏「分かんない。今でも尊敬する気持ちはあるんだけど、揺らぎやすくなったっていうかね」
モバP「親じゃないが俺に対しては?」
杏「プロデューサーは子どもが反面教師にするタイプの親だろうね」
モバP「おお、もう……」
杏「保護者がよく出来過ぎてると甘えたまま成長しないかもしれないし、頼りないくらいが良いよ」
杏「まあ、プロデューサーが頼りないとダメか」
モバP「せやな」
モバP「もし親がコミュ力の塊で、でも自分がコミュ障で孤立してるなんて知ったら」
杏「あっ」
モバP「悲しみそうだから、俺は恐らくそういう外でのことは親に相談しないな」
杏「それダメなやつ」
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モバP「自分なりにいい顔を作ろうとして、小さな無理がどんどん積み重なって、やがて自己破綻を招く」
杏「あー」
モバP「結局ね、あたしに言わせりゃ、親より優れた子はいないし、子より優れた親もいないのよ」
杏「矛盾してるよ」
モバP「だから周りに期待し過ぎず、期待させ過ぎずに生きていくのが一番さ」
ニャニャニャンニャニャニャン
モバP「おっと、雪美からメールだ」
杏「変な着信音だね」
モバP「双子のケットシーだよ。何々……浮気してない? だって?」
杏「……」ジッ
モバP「……」ジッ
モバP「してないよなあ?」
杏「飴で手を打とうか」ニヤッ
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87
雪美「……」キラキラ
モバP「ヘッドドレスから裾までリボンとフリルたっぷりのゴスロリのドレス」
モバP「この雪美さん膝に乗せたい。いやむしろその姿で仰向けに寝た俺の上に覆い被さってほしい」
雪美「! ……」ササッ
ちひろ「警戒してるでしょ。あまり変なこと言うと拘束しますよ」
モバP「ごめんよ。いやぁ、いつ見てもお人形さんみたいで見事な姿だが、若干メイドっぽくもあるな」
モバP「年末と言えば大掃除、掃除と言えばメイド。この時期にぴったりだ」
ちひろ「ヘッドドレスがメイドを連想させるんですかね」
雪美「……」チョンチョン
モバP「自分で触ってみているな。しかしヘッドドレスやヘアバンド、良いですなあ」
雪美「……カチューシャ、は?」
モバP「カチューシャとかカチュームとかはヘアバンドの一種らしいね」
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モバP「それにしても昔ほどヘアバンドでおでこを見せる子をあまり見かけなくなった気がする」
ちひろ「普通に七三分けのような髪型で見せている子はよくいますがね」
モバP「髪を下ろす時のように、外した時に女の武器になるのに」
ちひろ「もう結構前ですけど、けいおんの田井中律とかですか」
ちひろ「でも、そういう世の男性方が求めるいわゆるギャップ萌えって、女の子の本質が見えていないのでは?」
モバP「そんなつもりじゃないんですがね。アクセサリーとしても良いと思いますよ」
ちひろ「まあ、時代の移り変わりはありますから、もしかしたらまた流行るかもしれませんね」
雪美「……私の……髪型は……?」
モバP「雪美さんは、言うならぱっつんかな? 髪型って様々だから一言で説明するのは大変だよ」
雪美「……ぱっつん……」
モバP「どれ、じゃあ話のついでにちょっとおでこ見せてごらん? ふひひ」
雪美「! ……」ササッ
ちひろ「とりあえずあなたの額には冷えピタ貼っときましょうかね」 ギャーツメタイ!
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モバP「足を蹴り合う仲って羨ましいと思わないか?」
悠貴「足癖が悪いのは良いことじゃないですっ」
モバP「そうだけども。ほら、向かい合った机の下でつんつくつんつんと」
悠貴「つんつくって……私はもっとキック的なそれかと思いましたっ」
モバP「昔聴いていたラジオの男女コンビのパーソナリティーが」
『こうやって話をしていますけど、机の下では足を蹴り合っていますから。ふふ』
モバP「それを聴いてすごいほんわかしてしまったのが忘れられないの」
悠貴「じゃれ合う感じですねっ! 良いっ!」
雪美「……足の長さが……足りない……」
雪美「……悠貴……任せた」
悠貴「任されたっ! ……えいっ! えいっ!」コツッコツッ
モバP「やったなこいつぅ」
ちひろ「何か違うけどこれはこれで微笑ましい」
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