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モバP「雪美さんといっしょ」
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このスレは膝神様に監視されています
あと、割となんでもありです
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今日はここまで
そら(いきなりPC落ちて書き溜め消えたら)そう(やる気無くなる)よ
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乙
つば広帽+ロングヘア+ゆったりした長さのワンピース とかいう数え役満
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301
モバP「床屋で髪を切ってもらった。すっきりしたよ」
雪美「……つるつるには……しないの……?」
モバP「そこまで全力でボケる気はない。俺は普通オブ普通の社会人だ」
雪美「……」ジーッ
モバP「言っとくが薄毛で悩んだりはしていないぞ? 特別剛毛って訳でもないが」
雪美「ふふっ……分かってる……」
モバP「でもな、散髪した後って何故かいつも体の調子がほんの少し崩れてしまうんだよ」
モバP「髪も体の一部なのだろうな。養分を一方的に吸うだけではなく、共有しているというか」
ちひろ「頭が軽くなって一時的に平衡感覚が崩れているんじゃないですか?」
モバP「髪の量が雪美さん並ならそうなるかもしれませんが、切ったのはほんの少しですし」
雪美「Pも……ウィッグ……着けてみたら……髪の重さ……分かるかも……」
モバP「腰まで届くロングヘアーにしたらどれだけ頭の感覚が変わるのかはちょっと興味あるな」
モバP「……ところでたまにはサイド三つ編み以外のちひろさんも見てみたいです」
ちひろ「指名料取るぞ?」
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302
モバP「夏と言えば、でアイドルには水着仕事は定番だ」
モバP「種類は様々あるが、未成年がよく着せられがちなのがスクール水着」
雪美「……着てると……思った……? 残念……いつもそう……甘くない……」
モバP「そんなガードが固い雪美さんもいい女やで」
雪美「……そう……?」
ちひろ「本当にガードが固かったら膝の上に座ってないと思うんですよ」
ちひろ「でもスク水って、こう言っちゃなんですけど、当時ダサいというか野暮ったく思ったものです」
モバP「地味で均一的で……でも学校アイテムは青春補正で素朴でも輝いて見えますよ、多分」
雪美「……青春……すごい……」
モバP「まあ今の学校指定水着ってスパッツ型セパレートタイプが多くて何か窮屈、というか運動着感が強いな」
雪美「スカートの方が……かわいく……見える……」
モバP「スカートはスカートで水泳するのに邪魔にならないか? と思わなくもないが」
モバP「雪美のはスパッツ型だからなあ。着てみたいのは分かるぞ」 ウン
ちひろ「どうして知っているんですかねえ」
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303
雪美「……」ジッ
モバP「雪美さんが物陰から顔だけ出してこちらをじっと見つめている」
モバP「保護したい」
モバP「無視できないから俺も雪美さんの方をじっと見てしまって仕事が手につかない」
ちひろ「これは雪美ちゃん依存症を起こしていますね」
ササッ
モバP「あ、隠れてしまった」
モバP「……よし、仕事するか」
雪美「……」ヒョコッ
モバP「と思ったらまた……」
雪美「……」ニコッ
モバP「……」ムラッ
ちひろ「おい待て何でそこで興奮する」
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モバP「誘っているんだろうが俺はここから動かんぞ」
雪美「……?」
モバP「雪美からこっちに来なければ俺の膝には座れない。さあどうする」
雪美「……」
モバP「さあさあ」
雪美「……P」
モバP「ん?」
雪美「一体いつから……ひざの上にいないと……錯覚していた……?」
モバP「……何っ!?」
雪美「……気づいて……私は……ここ……」チョコン
モバP「……??? どうして俺の膝の上に雪美がいる……? ではあそこにいる雪美は……いない!?」
モバP「……ウチの雪美さんの人間離れが半端ない」ナデナデ
雪美「……これが愛の……なせる業……♪」
ちひろ「幻影を見るようにまでなったか……まあ私も見えましたけど」
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304
仁奈「がおー! お姫さまは渡さねーでごぜーますよ!」
モバP「ぬぬぬ、現れたな強そうなドラゴンめ」
仁奈「これでも喰らいやがれくださいですよ! うがー!」ボバアアア
モバP「熱っ! くっ、こんなん貰ってたら薬草がいくらあっても足りねえぜ」
モバP「こうなりゃ短期決戦だ、覚悟っ!」シャキン
モバP「でやああああっ!!」
テレレレレーン
仁奈「きゅ〜……」
モバP「はぁはぁ……やっと静かになったか。こっちが美味しく焼き上がっちまうところだった」プスプス
モバP「さて……ローラ姫様、遅くなりました。今助けに参りましたぞ」
雪美「……おお……勇者さま……」
モバP「!?」
雪美「!?」ビクッ
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モバP「……いやぁ、何か思ったよりも幼いお姫様ですね」
雪美「……勇者さまは……思ったよりも……大きい……」
モバP「ハハハ、言うね。大きいのと小さいのとで案外釣り合っているかもしれないな」
雪美「……うん」
モバP「さて、こんな辛気臭い洞窟とはおさらばしやしょうぜ」
雪美「……」(つ゚-゚)つ
モバP「……モンスターが出たら降ろすぞ?」
雪美「……」コク
ザッザッザ ギュイーンギュイーン(キメラ)
モバP「そんなことがあってやっとドラゴンの手からローラ姫を救い出した」
モバP「しかしラダトームに着いたのは夜だったので、仕方なく町の宿屋に泊まることとなった」
テレレレテテテーン
葵「おはようございます。ゆうべはおたのしみでしたね」
モバP「!?」
雪美「!?」ビクッ
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葵「ふふふ、照れんでも良いっちゃ良いっちゃ」ニヤニヤ
雪美「……///」
モバP「今何となくその場の流れに乗ったな?」
葵「で、どこまでやったんよ?」
モバP「言えるかそんなの。王様に引き渡さねばならんのに」
雪美「……勇者さま……夜も……勇者さま……」
モバP「ベタな下ネタやめんか。ほら、行きますよローラ姫」
雪美「朝ごはん……まだ……」
葵「用意しとるけん☆」
モバP「……まあ、これまで幽閉されていて食事もロクに取れなかっただろうから仕方ないか」
雪美「……よく……種や木の実……もらった……。……ドラゴンさんに」
モバP「あ、貰っていたのか」
雪美「おかげで……スプーンより……重いものも……持てる……」フンス
モバP「力の種投与されまくったかあ……」
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【食事後】
葵「でも勇者さん、隅に置けないっちゃ。町娘さんとも何度も泊まったけんね?」
雪美「……」ジト
モバP「だって後ろに着いてくるんだもん。いろいろ試すだろう?」
モバP「どうにかして旅に連れて行けないかと思ってねえ。勇者ロトは三人連れだったらしいのに俺は一人旅だし」
雪美「……このローラも……つれていって……くださいますね……?」
モバP「そんなひどい」
雪美「それ……私の……セリフ……」
モバP「連れて行きたいのは山々なんですがまだ竜王を倒していないから……」
葵「ほうほう……倒したら責任取ると?」
モバP「……責任取る前に言質を取られそう」
仁奈「もういっそ竜王もみんなで倒せば良いんでごぜーますよ」
モバP「!?」
雪美「!?」ビクッ
仁奈「!?」ガタッ
-
雪美「ドラゴンさん……ついてきた……の……?」
仁奈「負けたからお仕事なくなりやがりました。がんばったのに……」
モバP「俺がやったこととは言え、何か気の毒になってきた」
雪美「勇者さま……」
モバP「ドラゴンよ、昨日の敵は今日の何とやらだ。共に行くか?」
仁奈「良いんでごぜーますか? ルールとか、その……」
種バ種「ルール? なぁに大丈夫だ、戦闘に参加せずともちょいと種を集めてきてもらえりゃ……」
葵「目が種になっとるっちゃ」
――
モバP「これが我々の前世または別次元の出会いだったんじゃ……。続く」
雪美「……そうだったのかー……」
ペロ「ニャー」
ハナコ「ワン?」
ぴにゃこら太「ぴにゃー……」
ちひろ「動物その他にもいいかげんな話をするな」
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305
モバP「雪美と一緒にドラえもんを見ていたんですが」
ちひろ「本当、何でも見ますねえ……」
モバP「宿題をやってもらうのに二時間後と四時間後と六時間後と八時間後の自分を呼び出すって斬新ですよね」
ちひろ「そんな回ありましたね。ただ斬新と言っても初出は半世紀近く前とかだと思うんですけど」
雪美「……半世紀……五十年……?」
モバP「情報が無いと五十年前なんて想像がつかないよな」
雪美「私が……生まれる前から……世界がある……ふしぎ……」
ちひろ「とりあえず、使えるひみつ道具はありそうなのにあの選択をしちゃうドラちゃんはちょっとポンコツだと思います」
モバP「そうかな? 自分も未来から自分を何人か借りてきてみたいものですがね」
ちひろ「やろうぶっころしてやるされるかもしれませんよ?」
モバP「大丈夫。未来の自分は未来に返さずに借りパクしますから」
ちひろ「未来こわれる」
雪美「……未来を……盗んだ男……P……」
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306
モバP「夏場の印象的な格好の一つに裾結びというのがある」
モバP「グラビアではシャツを使ってビキニやショートパンツと組み合わせることが多いな」
雪美「……着てると……思った……? ……着てる……」キラキラ
モバP「突発的に大胆になる雪美さんがまた好きです」
雪美「……そう……///」
ちひろ「ガードが固いのはどうした」
モバP「裾結びはへそ出しでなくてもいろいろオシャレにアレンジができるから良いぞ」
モバP「まあ今の雪美さんはばっちりへそ出しだが」
雪美「……変じゃ……ない……?」
モバP「ああ。煽情的もとい健康的で大変なことにいや大変よろしい」
雪美「……」ホッ
モバP「へそ出しに慣れたら今度はベリーダンスの衣装とか着てみないかい?」
ちひろ「この大人は……」
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雪美「……こんにちは……」
ちひろ「あら、雪美ちゃん。ごめんなさい、今プロデューサーさんは不在です」
雪美「……いない……? ……残念……」
ちひろ「もう少ししたら戻ってくるかもしれませんから、待っていますか?」
雪美「……うん」
テクテク
雪美「……」ジッ
ちひろ(……プロデューサーさんの席にまっすぐ向かって行きましたね)
雪美「……よ……っと」
雪美「……Pの……イス……、今は……私の……」チョコン
ちひろ(微笑ましい)
ちひろ(……私も社長がいない間に社長室の立派なイスに座ってみたいと思うことはありますけど、それとは違うなあ)
雪美「……P……まだかな……♪」
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今日はここまで
そんなもんだろう
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そうだろうか(妖怪惑星クラリス)
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心「やっほ、プロデューサー」
モバP「あれ、ちひろさんじゃない。ちひろさんどこ?」
心「お姉ちゃんとはぐれた少年みたいだなおい☆」
心「ちひろちゃんはお休み。はぁとが代役だぞ♪」
モバP「わぁいはぁとちゃん、Pはぁとちゃんだいすき。カシューナッツみたいなツインテール」
心「カシューナッツ言うな。これ結構作るの時間かかるんだぞ」
モバP「アイドルが事務員の代役してて良いんですかね……?」
心「急に素に戻らないのっ。はぁとが直々に手伝ってあげるよ♪ 嬉しいだろ? ハイって言え☆」
モバP「はい、よろしくお願いしますね」
雪美「心……Pも……こんにちは……」
モバP「おお雪美。Ich liebe dich!」
雪美「……Danke」
心「甘ぁ〜い! はぁとよりスウィーティーだし何故かドイツ語だし?」
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モバP「天然パーマで羽が生えていて金属を齧ったり分裂したりする妖精アイドルが欲しいです」
心「プロデューサーったら、ガッちゃんなんかアイドルにして何をする気だ☆」
モバP「世界征服はできそうですよね。ゴム以外何でも食べるようだとアイドル事務所は廃業になりそうですが」
心「可愛い顔で『クピプー』じゃすまないな♪ 変なこと言ってないで仕事しろよ☆」
モバP「分かってますって。それはそうとモノマネ上手いっすね」
心「はぁとのこと惚れ直した? んもう、もっと素直に褒めてくれても良いんだぞ?」
モバP「じゃあもう一回お願いします。次はしっかり録音もするので」 ヤメロヨ☆
雪美「ゴムは……かじれない……斬鉄剣も……こんにゃくは……切れない……」
モバP「下手に硬い物より柔らかい物の方が苦手、とはコミュニケーションにも通ずるものがあるな」
心「フワフワぽよぽよしてる子ほど何考えてるか分からないってのはあるかも?」
モバP「カービィかな? まあ、人の考えていることなんてそう分かるものじゃありませんがね」
雪美「……Pは……私のこと……分かってくれる……のに……?」
心「プロデューサーと雪美ちゃんは人並以上の関係ってことか♪ 砂糖吐くぜ☆」 サトウダケニ? オイコラ☆
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310
モバP「外暑いっすね心先輩」
心「はぁとって呼んで♪ てか心さんまでは良いとして先輩って何だよ☆ はぁとはそんなにパイセンか?」
モバP「はぁと」
心「うん、なぁに?」
モバP「あなたは休憩時間にお茶じゃなくてタピオカジュースを持ってくるんですね」
心「良いじゃんタピオカ☆ スウィーティーでトロピカルだぞ」
モバP「まあ良いでしょう。それにしても空調効いた事務所から出るとムワりますよ。参っちゃう」
心「プロデューサーは飛び回るのが仕事だから大変だわな〜」
モバP「そして戻ってきてみれば何故か目の前には事務員服のしゅがーはぁとですよ。新鮮!」
心「うふふー、もーっとはぁとを見てくれても良いんだよ♪」キラキラ
雪美「……便乗……」キラキラ
モバP「ミニ事務員服の雪美さんまで……! 剥き身のエビをぶら下げられているに等しいな」
心「プロデューサーに喜んでもらえるから着てるんだもん♪ それっ、昂れ昂れ〜☆」
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モバP「」シュウウウウウ
心「ヤバい、プロデューサーから煙が出てるっ!」
雪美「P……もどっておいで……」
モバP「呼び戻されました」
心「便利な構造してるんだな☆ ……アイドルが全員サキュバスになっても良いようにはしとけよ?」
モバP「この世の終わりかな?」
雪美「……でも……この服……スカートの……スリット……大胆……///」
モバP「改めて言われると意識して見てしまうんだが」
心「意識しなくても清純派雪美ちゃんの腰つきをチラチラ見てただろ? はぁとも見ろよ☆」
モバP「……」ジッ
心「きゃっ、そんな熱い視線を注がれたら〜……おい、目を細めすぎだぞ。そんなに眩しいか☆」
モバP「こんなミニのタイトスカートが正装になっているちひろさんや音無小鳥さん、七草はづきさんといった世の中の事務員さんは凄いですね」
雪美「……いなくて分かる……ちひろさんの……すごさ……」
心「本人はそういう所で分かってほしくはなかったと思うけどな☆ まっ良いか♪」
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311
モバP「雪美さんは夏場でも相変わらず体を寄せることを厭わない」
雪美「……寄らば……大樹の……陰……」
モバP「それが落ち着くと言うのなら良いが、汗とかニオイとか、こうしてほしいというのがあれば遠慮なく言ってくれよ?」
雪美「……ん」コク
モバP「……思えば、以前はもう少しプラトニックな距離感だった気がするな。いつからこうなったか」
雪美「……Pと……私が……けんかした……日……」
モバP「ああ、そんなこともあったな。あれだけ強く衝突したのは初めてだった」
モバP「雪美が泣いたんだった……。表情を変えず、声も出さず、ただ涙だけが溢れ出すように流れていって」
モバP「それを見た時、俺はとんでもない喪失感に苛まれて、年甲斐もなく一緒に泣いてしまった」
雪美「……Pに……初めて……強く……抱き締められた……」
雪美「たくさん……謝られた……。……それから……ずっと……抱き合って……後は……よく、覚えて……ない……」
モバP「それからだろうか、何だか共依存みたいな状態が始まってしまったのは」
雪美「……」
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モバP「喧嘩の理由など肝心なことが思い出せないし、あれはただ変な夢を見ていただけなのかもしれない」
モバP「それにしては共通してリアルな出来事として記憶に残っているのが不可解だ」
雪美「……」
モバP「もうこの話はやめようか。……そういえば、雪美を背負うことはあまりなくなったな」
雪美「……えっ? ……そう……?」
モバP「膝に座らせたり抱える方が頻繁なせいか、最近は背中が寂しいね」
雪美「……じゃあ……今度は……おんぶ……して……?」
モバP「任せろ!」
雪美「……でも……あなたの……背中……、いつ見ても……大きい……」
雪美「……頼りがい……あって……少し……うらやましい……」
モバP「俺は雪美に頼られることに幸せを感じるから問題ない」
雪美「……ずるい……私だって……Pに……頼られたい……」
イチャイチャ
心「やっぱりはぁとも喋らせろよ☆」
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312
雪美「……」チョコン
モバP「……心先輩も膝に乗ってみます?」
心「じっとしてるのは性に合わないから乗らないぞ☆」
雪美「……でも……本当は……?」
心「はぁともあすなろ抱きしろよお兄ちゃん☆」
モバP「……ん? お兄ちゃん?」
心「痛い姉を見るような視線と歳を示唆する反応はやめろ☆ はぁとが妹だったって良いだろ?」
モバP「現実ではお姉ちゃんだから、妹になってみたい願望は分かります」
雪美「心は……妹……いる……」
心「ラブリーマイシスターよっちゃんが実家にね♪」
モバP「よっちゃんさんとはこの前会いましたが……心先輩が溺愛するのも頷けます」
心「何勝手に会ってんだよおい☆ ってマジ?」
モバP「お姉ちゃんトークで盛り上がりましたよ。先輩愛されてますね」
心「後で詳しく聞かせてもらうからな☆」
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モバP「それはそうと、創作世界では姉より妹の方が優秀にされがちな風潮ありますね」
心「人のコンプレックスをあまり抉るなよ☆」
モバP「まあ序列と逆転してるから目立つだけで実際統計的にそうなのかは怪しいもんです」
モバP「個人的には長女長男としての立場の苦悩とかは理解できるので、そういう時はお姉ちゃんを応援したいです」
美嘉「プロデューサーがアタシを応援してくれると聞いて」
モバP「おお美嘉。美嘉は例えばお姉ちゃんなりの妹へのジェラシーとかある?」
美嘉「あるよ。莉嘉、人と仲良くなるのがめっちゃ上手いんだよね。ほんと太陽みたいな子っていうか」
美嘉「アタシはプロデューサーの前だから素に戻って言うけど、結構根暗だし、莉嘉とは正反対かも」
モバP「それでも理想のカリスマギャルになるべく、強気で努力しているんだよな」
美嘉「姉としてギャルとして尊敬されてるから頑張らないとって思うし、やっぱり莉嘉が可愛い」
心「莉嘉ちゃんは周りを引っ張る力があって、誰にでも好かれたり慕われるタイプだな♪ 姉でなくともそう勝てる子はいないっしょ☆」
美嘉「そうやって莉嘉のこと褒められると何かアタシまで嬉しくなるんだよねー……ヘヘ★」
モバP「ふむ、姉妹は仲良しが一番だな。これ以上の平和があろうか、いやない」
美嘉「……ところでプロデューサーの膝に乗る雪美ちゃん、いつ見ても良いなあ」
雪美「ここが……私の……特等席……」
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モバP「時間があったので社内ジムのフィットネスバイクを使用させてもらっている訳だが」
雪美「……」
モバP「これでもかとペダルを漕いでいる所を雪美さんに見つめられているのは恥ずかしいな」
モバP「しかもスポーティーな半袖とショートパンツ姿でいられたらこちらも見ない訳にはいかない」
モバP「っと、坂道モードで重くなった……」
雪美「……」
モバP「雪美は何もしないのか?」
雪美「……Pを……見ていたい……」
モバP「そっかー」
――
モバP「ふう、このくらいにしとこかー」
雪美「……おつかれさま……堪能できた……」ツヤツヤ
モバP「何か潤ってる」
-
モバP「それにしても、ジムのこういうのを見るたびにこれで発電できたらな、と思う」
雪美「……発電……?」
モバP「ああ。例えば自転車の前輪に付いている発電ライトだ」
モバP「自力で漕げば漕いだ分だけ光る――自給自足で夜道もより安全だ」
雪美「……」コク
モバP「これがジムなら運動して鍛える為にペダルを漕ぐだけで、副産物で電気まで作れる」
モバP「作れるのに発電装置が無いとその漕いだエネルギーが利用できないのが勿体無く思ってしまう」
モバP「……まあ、一人が発電できる量は頑張って漕いでも僅からしいがな」
雪美「みんなでやれば……大きな力に……ならない……?」
モバP「アイドルはみんなで大きな力になるが、自転車発電は実際は費用対効果が見合わないのかもしれん」
モバP「SFではよく見かけるんだがな。奴隷や囚人なんかが自転車漕いで電気を作ってそれを売って生活」
晶葉「科学がより進歩すれば、発電効率が上がって夢じゃなくなるかもな」
雪美「……晶葉。……晶葉も……運動……?」
晶葉「籠ってばかりいても良くないからな。このランニングマシーンで、発電してる気になってリフレッシュだ」
モバP「つもり貯金みたいだな」
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314
モバP「百貨店デパートなどに行くと、化粧品売り場を通ることがある」
モバP「そこ、すごい甘い、甘ったるい匂いがするんだよ」
雪美「……私は……平気……」
モバP「そうか? クラクラしないか?」
雪美「……大丈夫」
モバP「大丈夫か。でも、カーチャンの化粧品もあんな匂いだったな」
モバP「男だから慣れないのかなあ」
雪美「……」
モバP「……」スンスン
モバP「こうして膝の上にいる雪美さんの匂いには、もうすっかり慣れたがな。安心する匂いだ」
雪美「……におい……かがれると……はずかしい……」
モバP「ちょっと調子に乗った。すまない」
雪美「……いい……でも、最近……Pのにおいが……薄くなってる……。……もっと……包んで」
心「これではぁと、じゃなくて心が折れないちひろちゃんは凄いなーって☆」
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315
ザザーン
モバP「ウェミダー!」
雪美「……何語……?」
モバP「わぁ、これが346プロ所有のプライベートビーチですかー」
モバP「洞窟からしか入ってこられない入り江に砂浜……秘境だな」
雪美「……ロマンチック」
モバP「ただ、立地的に来づらくて不便なのであまり利用されていません」
モバP「という訳で、我々が現状視察に来ました」
芳乃「調査員一号でしてー」
七海「調査員二号れすよ〜」
風香「ちょ……調査員三号です……」
雪美「……調査員……四号……」キリッ
モバP「……どう見ても遊びに来たようなメンバーだなあ」
-
モバP「じゃあプロデューサースキルで手早く周辺調査してくるんで」
シートシキーノパラソルタテーノニモツオキーノ
モバP「君たちはこのあたりで砂の感触や水の冷たさ、水着の着心地などを調査していてくれたまえ」
「「「「はーい」」」」
――
モバP「ふーむ……この辺りは危険な野生動物がいる訳ではないし、そもそも手入れはしっかりされている」
モバP「景観を考えると人工物は入れない方が良いのだろうが、どうも物寂しい。小屋とか置けないかな」
モバP「いろいろと浮かぶアイデアを報告書にぶち込みまして……こんなもんか」
モバP「ただいまー」
風香「あっ……おかえりなさい」
モバP「風香一人か。みんなは……って」 スクッ
風香「Pさん! えっとですね、えっと……こ、この水着、どうですか?」バッ
モバP「……目の前でラッシュガード脱いで見せつけてくるとは驚いた気合いの入り方だ。無論とても良い」b
風香「ご、ごめんなさい……じゃなくて、ありがとうございます///」
-
――
モバP「いかん、あのボディーで胸の開いたビキニは下半身に悪い……芳乃はこの辺にいるんだったか?」
芳乃「あっ、そなたー」
モバP「芳乃も水着に着替えていたんだな。芳乃は市松模様や縦縞横縞がよく似合うな」
芳乃「そなたが好きだと言いますのでー、紐のような物の方は諦めましてー」
モバP「紐なんて着られたらこっちの理性がポップコーンのように弾け飛んでしまうわい」
芳乃「失せ物探しはお手の物ですー。そなたの理性も拾い上げて見せましょうー」
モバP「言いおるわ」
モバP「それでどうした、その大きな貝は。拾ったにしては大きいな?」
芳乃「ふふふー、実はー、そなたを待ち伏せしていたのでー。ぶおおー♪ ぶおおー♪」
――
モバP「あれー? おかぴーぞー? 一瞬で岩場に移動したなあ」
モバP「お、七海じゃないか」
七海「プロデューサー! 七海はこうして釣りをしているのれすよ〜」
モバP「君らは相変わらず自由に行動し過ぎだよなあ」
-
七海「プロデューサーと海に来るのは久しぶりれすね」
モバP「ああ」
七海「……あっ///」
モバP「?」
七海「何かあの時の記憶が甦ってきたれす。あわわわわ……釣りは平静釣りは平静」
モバP「ハハハ、でも七海はこうして見るとやっぱり海が似合う。釣りをする姿も様になっているよ」
七海「もう……プロデューサーは女たらしれす!」 クイクイ
モバP「おい、引いてるぞ」
七海「わっ!? ちょっ!」
――
モバP「さて、俺も少し泳いでみるとするか……って何だこの水着布地少なっ」
モバP「誰がこんなハイビスカスブーメランとすり替えたのか……あっボイスレコーダーだ」
麗奈『アンタもたまには恥ずかしい目に遭うといいわ! アーッハッハッ……ゲホゲホ』
モバP「………………まあすぐ着替えるから我慢しよう」
-
【着替えタイム】
モバP「……はぁ、サポーターだけ穿かされてる気分だ」
モバP「どれ、準備体操はしっかりとやっておきましてっと……そういやあいつら準備体操したのか? 日焼け止めは?」
オイッチニ オイッチニ
モバP「合流したら聞くか。さあ入ろう」
チャプ
モバP「……おお、やっぱり海水は海水でなかなか冷たいな。少しすれば慣れるか」
モバP「少し深いところまで行ってみようか……」
ザバザバザバ ザバッ!
モバP「うわっちょ!?」
雪美「……P……おそい……」ダキッ
モバP「雪美さん……何してたんすか」
雪美「ゴーグルして……海の中……見ていた……」
-
――
モバP「ふう。不意打ちするから何か未確認生物に襲われたかと思った。でも良かった、雪美で」
雪美「……私になら……おそわれても……良い……?」
モバP「雪美さんは鮫のように齧ってきたりはしないだろうからな」
雪美「……」
モバP「ふう……しかしやっぱり波打ち際に座る程度が良いや。深い所は何か嫌な感じがする」
モバP「昔溺れかけたことがあるせいかな。プールじゃ平気なのにな、ハハハ」
雪美「……ごめんなさい……」
モバP「気にするな。それより水着、スカート付きのビキニか。うーん、いつまでも見ていたい姿だな」
雪美「……じゃあ……もっと近くで……見て……」
ポスン
モバP「雪美さんは遠慮が無いなあ」
雪美「それは……Pの……せい……。たぶん……」
雪美「……P」
モバP「……雪美」
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風香・芳乃・七海「……」ジーッ
モバP「……お前らもいつの間にか近いな」
雪美「……」キョトン
芳乃「皆で平等にー、そなたとの時間を求めたゆえー」
七海「でもそこまでいくとずるいれす〜」
風香「……」ドキドキ
モバP「分かった。この辺で個別面談は終わりとして、後はみんなで遊ぼうじゃないか」
雪美「……ざんねん……もうちょっと……だったのに……」
風香「ところでPさん、そ、その水着……」 エ?
「「「!?」」」
「へ、変態れす///!」「そ、そなた……///」「……すごい///」
雪美「……あっ」
雪美「……///」カーッ
モバP「……自分なりの釈明はしたいが聞き入れてもらえるかなあ、これ」
-
――
ブロロロ
モバP「やれやれ系もびっくりなやれやれだ。結局がっつり海で遊んだよ」
モバP「幸い曇っていたし日焼け止めはしっかり塗っていたからみんな今後の活動に支障は出まい」
モバP「俺の立場的な支障は知らんが、この子たちは物分かりが良い方だから大丈夫なはずだ」
雪美「……」スゥスゥ
芳乃「……」スゥスゥ
七海「……」スピー スピー
モバP「みんな車ではよう眠っとるわ。疲れたかな」
風香「Pさん」
モバP「あ、一人は起きてるパターンでしたか。何だい風香」
風香「その、今日はありがとうございます。また少し、自分を変えられた気がします」
モバP「それは良かった」
風香「あと、常識も少し変わりました」 ダメダッタ
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今日はここまで
だけどぼくにはクーラーがない
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モバP「言うまでもないことだが雪美さんはクールだ」
モバP「無愛想とまではいかないが表情や感情の起伏は大きくなく、ちょっとやそっとでは動じない」
モバP「だから天然で思わぬボケを披露したり、不意にドキッとさせる言動をしたり、良い意味でこちらのペースを乱される」
雪美「……」ウツラウツラ
雪美「……っ!」
雪美「……」キョロキョロ
雪美「……P……どこ……? さっきまで……いたのに……いない……」
モバP「後ろだ」
雪美「……そこに……いたの……」ホッ
雪美「…………私の……そばに……いて」
モバP「……!」ズキューン
モバP「……不覚にもその言葉に堕ちた。――雪美も離れるな。俺のそばにいろ」
雪美「……」ドキドキドキ
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モバP「はぁ……」
雪美「P……どうしたの……?」
モバP「俺がピアノ経験者ということがどこからかバレてしまって、一曲弾いてよ、とアイドルたちにせがまれてさ」
モバP「謙遜しながら仕方なく満を持して披露したら、何か思ったよりも下手になっていた」
雪美「……がっかり……された……?」
モバP「致命的な下手じゃないが上手くもない、ネタにもならない微妙なムードというか……うん」
モバP「こういうのは続けていないと腕が鈍ってしまうんだなと思い知ることになった」
雪美「……Pの……そんな、かっこわるい所も……Pらしさ……」
雪美「でも……ピアノ……弾けるの……すごい……」
モバP「女子にモテたくて一時猛練習していたからな。おかげで指使いは研ぎ澄まされ」
モバP「こう見えても学生時代はゴールドフィンガーと呼ばれていた」ワキワキ
雪美「……そう……私は……Pの……ゴールドフィンガーに……いつも……弄ばれて……」
モバP「……下ネタだなあ。ごめん」
-
318
モバP「雪美よ、アイスでも食べるか」
雪美「……」コク
モバP「よし分かった。こういう時の為に冷凍庫に入れてあるものがある」
ガチャ パタン
モバP「これよこれ。チューブアイスだ」
雪美「……すき」
モバP「では半分に割るぞ」
雪美「……」コク
モバP「……集中」
カッ
モバP「せいやっ!」
パキッ
雪美「……割れた……」
-
――
シャリシャリ
雪美「……冷たくて……おいしい……」
モバP「夏は普通のアイスクリームやかき氷のような氷菓も良いが、何かやっぱりこれが好き」
雪美「……二人で……分けられるの……良い……」
モバP「お一人様ならただ冷やしてから取っ手をねじってそこから中のシロップを吸う食べ方もあるようだが、喉にくるんだよな」
モバP「だからよくこうして誰かと分けて食べていた」
雪美「……割るの……手……汚れなかった……?」
モバP「コツを掴めば、きれいに分かれなかったり飛び散ったりせずに割れる」
雪美「本当……?」
モバP「まあ良い子は真似せずにハサミとかで割るのが良いのかな?」
モバP「柔いと割るのに失敗しやすいが、半冷凍くらいのが美味いのが悩ましい」
雪美「……P……少年の目……してる」クスッ
-
319
モバP「たまに雪美から感じられる猫っぽさを挙げようと思う」
雪美「……?」
モバP「暑い時はそうでもないが、一眠りする際に体を丸める時がある」
モバP「膝を曲げて横向きに寝る雪美さんを見ると、鍋に丸まって寝る猫を連想する」
雪美「…………無意識」
モバP「いや実は俺も結構そうなっていることがある。狭い所好きな性質が寝相に出てしまうのか知らないがな」
ンナア
雪美「……ペロが……いっしょに……おひるね……しようって……言ってる……」
モバP「ペロからお誘いか……猫の睡眠時間は一日で平均十四時間。薄明薄暮性で朝と夕が主な活動時間」
モバP「夏は特に日中が暑いからな。気温の下がってきた夕方あたりが動きやすい……と言っても都会の夏は夕方でも暑いが」
雪美「……おひるね……しないの……?」
――
モバP・雪美・ペロ「Zzz……」
-
320
モバP「日本のお菓子にしては良い形をしているな、と思うものに鈴カステラがある」
雪美「……」モクモク
モバP「この鈴のようでいてウキや栗のような目を惹く上下二色」
雪美「……」ハムハム
モバP「……雪美は何をしていても、食べ方一つ取っても絵になるなあ」
雪美「……」ゴクン
雪美「Pは……これ……何で……知った……?」
モバP「ローゼンメイデンの翠星石が美味しそうに食べてるイラストを見かけたのがきっかけで」
雪美「……ほー」
モバP「俺はアニメやゲームで美味しそうな食事シーンを見ると、同じ料理を食べたくなる病なんだ」
雪美「……私も……。例えば……トムとジェリーの……ゼリー……とか」
ガシッ
モバP「雪美ってば本当、気が合うな!」
雪美「……Pったら……大胆……///」
-
321
モバP「雪美、卓球しようぜ」
雪美「……?」
モバP「今度の仕事で卓球やるかもしれないだろ? ちょうど遊戯室に卓球台が入ったんで練習しとこう」
雪美「……良いの?」
モバP「周りが慣れているのに自分だけずぶの初心者だと疎外感が出たりするからな」
モバP「というか旅館で風呂上がりに浴衣をはためかせて卓球する雪美さんが見たい」
雪美「……それは……ともかく……、うん……やる……」
モバP「よし。そのやる気がまずは何よりの強みだ」
――
カコッ カコッ カコッ
キュィィィィン コンッ
雪美「……やった」グッ
モバP「ボールが物凄い変化したぞ今。というか初心者じゃない?」 …ウン
-
322
モバP「雪美は暑さが苦手である」
モバP「またそれを我慢しがちな性格のため、体調には気をかけてやりたい」
雪美「……夏祭りや……プールは……好き……」
モバP「雪美は喋るのがあまり得意でない」
モバP「ただし意思表示を嫌う訳ではなく、彼女なりのペースで伝えようとしてくる」
雪美「……」ジーッ
モバP「雪美は大きな音を好まない」
モバP「怯えてしまうのと、小さな声で伝えたい言葉をかき消されてしまうのを怖れる」
雪美「……聞こえなかったら……悲しい……」
モバP「そんな雪美だが、なかなか充実した生活を送っていると言える」
雪美「……みんなが……そしてあなたが……優しくしてくれる……から……」
モバP「たまには静けさの中で彼女の息遣いに耳を澄ませてみるのも良いだろう」
雪美「……それでは……また……あした……」
-
今日はここまで
タピオカココナッツミルクだって?
-
323
雪美「……」テクテク
雪美「……!」ササッ
モバP「……」スタスタ
雪美「……」ジーッ
モバP「……??」
モバP「……」スタスタ
雪美「……」テクテク
スタスタ テクテク
モバP「……?」
クルッ
雪美「……あっ……気づかれた」
モバP「何か御用かな? それともスニーキングミッション?」
雪美「……P……見つけると……うれしくて……尾行……したく……なる……」 ホドホドニナー
-
324
モバP「夏休みといえばキャンプよな」
モバP「大自然の中でテントを張ってカレーライスを作ったり夜に天の川を見たり」
雪美「……だれと……行くの……?」
モバP「家族と、ということもあれば小中学生対象のサマーキャンプに親から派遣されることもある」
モバP「夏休みだからって家でダラダラすんな、修行してこいって感じで」
雪美「……そんなこと……あるの……?」
モバP「ああ。当然ダルいとか言って行きたがらない子もいる。不便な非日常の環境に置かれる訳だから」
モバP「だが終わってみれば友達も作れて楽しい良い思い出になるものさ」
雪美「……キャンプ……」
雪美「……Pと……私と……みんなで……行きたい……ね」
モバP「アイドルをやっていると却ってそういう機会が巡って来にくいだろうからなあ」
紗南「行くならやっぱり連れにキャンプガチ勢がいると良いよね」
モバP「だな。俺はアウトドア用品を見るのは好きなんだが、大抵はそれで満足しちゃう頭でっかちだ」
紗南「Pさん、PCで登山グッズとかよく検索してるもんね」 ア、ミタナ?
-
325
モバP「暑い夏――アイドルたちの疲労も溜まってきている」
モバP「屋外では容赦のない日差しと高温。屋内でも舞台に立てば、照明に熱を浴びせられる」
雪美「……」クタッ
モバP「おつかれさま、雪美」ナデナデ
雪美「……ん」
比奈「ソファーでプロデューサーの膝枕にうつ伏せしてる子は初めて見たっス」
モバP「比奈も疲れたろう。無理してないか? 俺が少しでも肩代わりできたら良いんだがな」
比奈「してないっスよ。プロデューサーと一緒でスね」
モバP「おや、俺が無理していないとは心外……いや否定はしないが。では、割と余裕?」
比奈「手を抜いている訳じゃないっス。ただ、倒れたり怪我したりして迷惑かけたくないでスからね」
比奈「無理して原稿を落としては元も子もないのと同じでスよ」
モバP「さすが眼鏡を外すと覚醒する美人だ。考え方が立派」
比奈「マンガのそういうキャラ好きっスけど……描く側の私がそれに当てはめられると何か恥ずかしいっスね」
-
モバP「ところで、お疲れならマッサージなどしませんか?」
比奈「男のプロデューサーが女のアイドルにマッサージってそれなんて」
モバP「変なもんじゃありませんよ。通信教育で習った本場のテクニックをご堪能あれ」
比奈「それって本場と言えるんスかね……?」
モバP「ちなみに、雪美さんには既に施術済です」ポン
ピクンッ
雪美「あっ……! ふぅ……」
比奈「……小学生相手にいろいろと何してるんスか」
雪美「これ……とても……よく……きく……。……おすすめ……」クタッ
モバP「どうです〜? やりませんか〜? ぐひひひひ」
比奈「怪しすぎるっスよ! ここは私が止めなきゃいけないんスよね!?」
亜季「P殿のマッサージでありますか! 是非とも受けてみたいものですな!」
比奈「」
――
比奈「あ……肩が軽くなった……」 ワタシモデアリマス!
-
326
モバP「むむむむむ……」
雪美「……P……何してる……の?」
モバP「ああ、スマホに液晶保護フィルムを、ズレたり気泡ができたりしないように貼ろうとしているところだ」
モバP「――よし、できた」
雪美「……P……結構……器用……?」
モバP「几帳面なだけで不器用な方さ。まあこんなもんだろう」ポチポチ
雪美「……見えない」
モバP「覗き見防止タイプのだからな。昔集めていたレンチキュラーのシールやカードみたいだ」
雪美「じゃあ……こうする……」
ムニッ
モバP「頬っぺた同士をくっつけるのってかなりの恋人ムーブじゃないですかね」
雪美「……こ、恋人じゃ……ねーし……」テレッ
凛「恋人というか……正妻ムーブ?」
-
327
モバP「雪美さんは座っている時は何かイス状の物に腰掛けていることが多い」
モバP「では畳や芝生といった段差のない所ではどうだろう」
雪美「……」チョコン
モバP「体育座りです」
モバP「しかもスカート……ふおおおお」
雪美「……?」キラキラ
モバP「今日はあなた、長いのじゃなくてミニ気味のフリルワンピースなのよ?」
雪美「……ふぅ……これ……涼しい……」
モバP「それで体育座りって、何とは言わないが見えちゃうでしょ? 脛で絶妙に隠せてはいるものの」
雪美「……」ジト
モバP「でも見えそうで見えない――これが良い。この角度が一番魅力的だ」
モバP「顔はもう少し物憂げに、視線は逸らして……うん、完璧ね!」
雪美「……P……欲求を……隠さなく……なってる……?」
モバP「夏の雪美さんの肌色に堪え兼ねてポンコツ化してるなと我ながら」
-
328
雪美「P……それは……時計……?」
モバP「これは懐中時計だな。成人祝いに祖父から貰ったアンティークだ」
雪美「……おおー」キラキラ
モバP「小さい頃に見せてもらってからずっと欲しいと思っていた物だから、それはもう嬉しかった」
雪美「……すてき……」
モバP「元々鎖がないから吊るすことはできないが、俺のとても大切な宝物だな」
雪美「……それなら、いつか……Pに……鎖を……プレゼント……したい……」
モバP「他の誰でもない雪美に、鎖を補ってもらえるならこれ以上の幸せはないな」
モバP「だが、鎖を買う為に黙ってその長い髪を切って売ってしまったりはしないでくれよ?」
モバP「俺は俺で雪美に、とびきり良い櫛をプレゼントしたいと思っているからな」
雪美「でも……そんな行き違いも……きっと……しあわせ……かも……」
雪美「”賢者の贈り物”……知ってる……」
モバP「良い話だよな、あれは」
モバP「それはそうと、以前は懐中時計って海中でも使える防水時計だと勘違いしていたなあ」 チガウノ?
-
329
モバP「おやおや、こんな所にカラフルな海苔巻きかな?」
メアリー「ダーリン、それはカリフォルニアロール、ヨ。アタシが作ったのだから間違わないでほしいワ」
モバP「何と……すまんなあ。おっちゃん流行り物には疎くて。パッと見た感じだと色的にソイシートかと思ったよ」
雪美「……ソイシートも……はやりもの……だぞ……」 ソウカ?
モバP「で、これメアリーが作ったのか? へぇ、本格的だなあ……いや、本格的カリフォルニアロールは見たことないが、雰囲気がね」
メアリー「レディーなら母国の料理も作れて当然ダワ♪ さ、食べて?」
モバP「はむ……んん……おお! アメリカ料理にしてはなかなかエスニックだな。美味い!」
メアリー「本当? 嬉しいワ、ダーリン。ウフフ」
モバP「じゃあ俺はメアリーにジャパニーズ海苔巻きを御馳走しよう。ポークたまごおにぎりだ!」ジャン
メアリー「何コレ! おっきなスパムと玉子焼きが……ワイルドダワ!」
雪美「それ……日本というか……沖縄……」 マアヒトクチドウゾ
――
雪美・メアリー「おいしかった」ニパッ
-
330
モバP「……ちょっくら休憩するか」
ボスン
モバP「事務所のソファーの座り心地はいつでも快適だな」
ガチャ
雪美「……」
モバP「?」
テクテク
雪美「……」
ポスッ
雪美「……ちょっと……休憩しに……来た……」
モバP「奇遇。俺と同じだな」
雪美「Pも……? …………同じで……良かった……」ポテッ
モバP「膝の上じゃなく隣に座って寄りかかってくるのはいつもと違うな」
雪美「……今日は……ひかえめ……。……でも……これも……いい……」
-
おまけ7
ちひろ「プロデューサーさん、私は事務員じゃなくてアシスタントですからね」
モバP「失礼致しました。訂正してお詫びを申し上げます」
ちひろ「まあやっていることはアシスタントの域を超えているとは思いますけどね」
モバP「……」
ちひろ「……」
モバP「……私のアシさん、かぁ」
ちひろ「アシさんはやめて」
おまけ8
モバP「ニッポンの夏はいつからこんなってくらい暑いなぁ。雪美は大丈夫か?」
雪美「……」
雪美「……私は……兵器……」オメメグルグル
モバP(……アカン)
-
今日はここまで
またすこし しあわせになった。イーペーコー
-
春菜「は?(威圧)」
比奈は眼鏡かけてても美人だろいい加減にしろ!
というかむしろ眼鏡かけてる時の方が好き(隙あらば自分語り)
-
331
モバP「ひと夏の思い出”かき氷”」
モバP「ぬおおおお」ガリガリガリガリ
雪美「がんばれ……がんばれ……」クルクル
モバP「おおおおお」ガリガリガリガリ
雪美「もう少し……」クルクル
モバP「お、お、お」ガリガリガリ
雪美「ん……きれいに……お皿に……山になった……」
モバP「よし! ではかき氷シロップをかけて食べよう!」
雪美「イチゴ……メロン……ブルーハワイ……どれが……いい……?」
モバP「一説によると基本どれも同じ味らしいが、イチゴにするか! 練乳もかけて……っとこんなもんか」
モバP「では……はい、あーん」
パクッ
雪美「……ん……甘い……。……二口目は……Pに……あーん?」 アーン
凪「事務所に不自然な手回しかき氷機、Pの私物でしたか。草生えますね」シャリシャリ
-
332
モバP「……」スヤスヤ
ガチャ
雪美「……P……? ……あっ……お休み中……?」
モバP「……ゆきみぃ……いいぞぉ……」ムニャムニャ
雪美「……ふふ……やっぱり……私がいないと……ダメ……ね」ゴソゴソ ダキッ
雪美「……」
雪美「……しまった……ねむくない……」
雪美「…………!」ピコーン
カシャ カシャカシャッ カシャッ
雪美「……送信」
――
モバP「何か最近自分の寝顔写真が出回っているらしいですが心当たりとかないですか?」
ちひろ「いえ、全然?(雪美ちゃん、私にまで送ってくるんですよねえ……ふふっ)」
-
333
モバP「ひと夏の思い出”スイカ割り”」
凪「suicaを割り勘するのですか? 天才のピー氏はやはり考えることが一味違いますね」
モバP「そうじゃなくてほら、雪美を見てみろ」
雪美「……」 ←目隠し・水着・棒装備
モバP「そのままではまっすぐこちらに来れてしまうので、十回くらい体をスピンさせようか!」
雪美「……分かった……」クルクルクル
モバP「そしてスイカがこちらになります」ドスッ
凪「ばっちぇ冷えてますね。冷えてないスイカは生まれてこの方食べたことがありません」
颯「準備おっけーだよ! なー、Pちゃん!」
モバP「よし、では青春のスイカ割り開始だ!」
雪美「……」ヨロヨロ
颯「あっ、雪美ちゃん雪美ちゃんそっちは海だよ」
雪美「……わかった……」クルッ
-
雪美「……P……どこ……?」
モバP「俺はこっちだぞー! 雪美ー!」
雪美「……? ……!」
雪美「……」フラフラ
凪「わーお、あっという間に近づいてきました。Pのラブコールは効果抜群ですね」
モバP「よし、そこでストップ――って、こらストップストップ! こっちじゃない!」
雪美「……P……ここに……いた……」ダキッ
――
凪「結局巻きで次のPが割ってくれまして、凪たちは冷たい内のスイカにありつけたのでした、まる」シャクシャク
颯「はーたちもスイカ割りやってみたかったなー。でも、スイカおいしいね♪ なー?」シャクシャク
モバP「君たちも水着差分ができたらやらせてあげよう」シャクシャク
雪美「差分……?」シャクシャク
凪「なるほど。つまり、はーちゃんの悩殺水着姿はよ、と催促しているのですね? 凪も見たいですが」
颯「もう、そんなこと言ってー! 可愛い水着は着たいけど、って早くしないとシーズン終わるよね?」
-
334
友紀「ふんふーん♪」
モバP「あっ、キャッツが勝ったんやな」
友紀「理解が早いねプロデューサー。そうだよ! 良い所で岡本がホームラン打ってさ!」
モバP「良い勝ち方したり連勝中は楽しいよな。夜のスポーツニュース梯子なんてしてな」
友紀「そうそう♪ それにビールが美味しい!」
友紀「ところでプロデューサーはどこの球団のファンなのか、そろそろ教えてよー?」
モバP「俺も一応キャッツだがさ、最近は何だか負けが怖くなってしまって試合結果を見るのも恐る恐るでな」
友紀「そこはもうちょっと頑張ろうよ」
モバP「友紀でもたまには贔屓無しの試合を落ち着いて楽しみたい時はないか? 今なら高校野球とか」
友紀「キャッツの試合がない日や時間はそれもそれで良いよね。純粋に野球を楽しむっていうか」
モバP「それが行き過ぎて、いつの間にかシーズンよりもドラフト会議の方が楽しみになっていたりするんだ」
友紀「おいおい。まあ、それはそれで一大イベントだよね。アイドルの総選挙みたいなものでさ」
雪美「……P……また……サクセスモードで……私を……作ってる……」
-
335
モバP「最近仕事が捗らないな。こう、天啓が降りてこないと言いますか」
ちひろ「それは一体何日ぶり何度目のことですかね」
雪美「……P……スランプ……?」
モバP「アイデアが断片化しているんだ。これが上手くまとまれば一気に勢いに乗れるんだが」
ちひろ「そういう時はじたばたしてみるしかないでしょう。仕事して、仕事して、仕事しまくる」
モバP「でもやっぱり出来なかったら?」
ちひろ「仕事するのをやめる。散歩をしたり、景色をみたり、昼寝をしたり、何もしない」
モバP「……」ポカーン
ちひろ「何ですか?」
モバP「ちひろさんが何もしなくて良いなんて言ってくれるとは……惚れそうです」
ちひろ「何もしなくて良い(何もしなくて良いとは言ってない)」
モバP「うーんこの」
-
ちひろ「こほん……そのうち急に仕事がしたくな〜る、したくな〜る……ダメ?」
モバP「なるかしら」
ちひろ「ならなきゃクビですからね」
モバP「現実を見せられた」
ちひろ「まあ普段から気分転換にテレビを見てたり漫画を読んだり寝転がってみたり電話をかけたりギターを弾いたりぶら下がってみたりくらいはしてるでしょうし」
ちひろ「悪いなりにでもノルマはしっかりこなしましょうね」
モバP「雪美さん助けて」
雪美「……救い料346億万円……ローンも可……」
モバP「救いのヒーローか、それとも八百屋の冗談かな?」
モバP「それはそうとちひろさん、お休み中に夏は満喫できましたか?」
ちひろ「おかげさまで」
雪美「……私も……夏……楽しい……」ベッタリ
モバP「猛暑続きでなかなかきついですが、お盆も過ぎたことですし頑張りませんとね」ナデナデ
ちひろ「事務所でも目の保養地が欲しいんですけどね」
-
336
ちひろ「プロデューサーさんはFGOで好きな女の子キャラは誰ですか?」
モバP「まず酒呑ちゃんですね。それからふーやー、エレナ、ジャック、アビゲイル、ニトクリスとかですか」
ちひろ「露出度の高い小さい子だらけですね」
モバP「ニトクリスは小さくないです。アビゲイルは……まあ水着がね……」
モバP「ソシャゲの女の子の痴女衣装率が高いのはこれはもう仕方のないことです」
ちひろ「それにしても何故真っ先に酒呑童子」
モバP「京言葉が妖艶で良いんですよね。雪美さんにも旦那はんと呼ばれてみたいです」
雪美「……旦那はん?」
モバP「」
雪美「……どう……?」
モバP「……よろしおすなぁ。何か雪美が酒呑童子のように見えてきたよ。格好まで」
雪美「……///」ペシ イテッ
ちひろ「自分の目を騙し始めましたよこの人」
-
337
モバP「ひと夏の思い出”お祭りと花火大会”」
こずえ「おまつり……すきー……」
雪美「……花火も……好き……」
モバP「白浴衣と黒浴衣のコンビネーションが抜群だなあ」
こずえ「……えへへー」キラキラ
雪美「……でも……短いのが……少し……恥ずかしい……」キラキラ
モバP「まあ、たまにはこういうのもな? 俺も甚平で膝下出ているし」
雪美「Pの……じんべい……癖になる……」スリスリ
モバP「いやん、すりすりはやめて」
こずえ「ぷろでゅーさー……はやくいこーよー」
モバP「そうだな。屋台巡りと洒落込むか。人が多いから、しっかり手は繋いでような」
こずえ・雪美「はーい」
――
-
モバP「お面どうでしょう」
雪美「……こーん」
こずえ「こんこん」
モバP「ふーむ、浴衣にキツネの面は何か幽玄の雰囲気を作り出すな」
雪美「Pは……悪いキツネに……化かされる……こんこん」
こずえ「こずえたちがー……きつねだよー……」
――
モバP「射的どうでしょう」
パーン
雪美「わっ……! びっくりした……、反動……強い……」
バキューン
こずえ「あれー? 当たったよぉー?」
店主「やるねぇキツネのお嬢ちゃんたち。はい、これは戦利品だ」
こずえ「おおー……おんなのこのぬいぐるみー……ぷろでゅーさーに……あげるー」
モバP「ありがとう。ほう、こいつぁ良い浦風だ。また来るぜオヤジ」
-
――
モバP「ヨーヨー釣りどうでしょう」
こずえ「……むむむむー」
雪美「……あっ……釣れた……P……釣れた釣れた……ほら……」
モバP「雪美さんってば無邪気だなあ。……ん、中に何か入ってるな」
店主「玩具が入ってるんですよ。チョコエッグみたいに二度美味しいでしょ」
雪美「透かしたら……猫の顔……みたい……」
――
モバP「景品くじどうでしょう」
モバP「昔一等を当てたことがある強運の右手が唸るぜ……これだ!」
バッ
店主「はい。末等は光るスポンジスティックだね。お連れさんに一本おまけしよう」
雪美「……おお……きれい」キラキラ
こずえ「わあ……おにいさんありがとー……」キラキラ
モバP「こんなはずでは」
-
――
モバP「いやあ、時間を忘れて回ったな」
雪美「りんご飴……Pも……なめる……?」
こずえ「ちょこばななもー……おいしいよー?」
モバP「この焼きトウモロコシもな、焦がし醤油が食欲をそそる――って、こうしている場合じゃない急ぐぞ雪こず!」
モバP「もうすぐ花火の時間だ、見やすい場所に行こう」
――
モバP「……着いた」
加蓮「やっほー、場所取りばっちりだよ」モグモグ
奈緒「加蓮はトルネードポテト好きだなあ」
モバP「そっちも撮影が終わったか。お疲れさん」
凛「やっと来たね、プロデューサー。花火終わったら今度は私たちとも付き合ってよ?」
モバP「分かっているとも。約束していたからな」
雪美「……凛……Pのじんべい……いいにおい……する……」
凛「えっ? ……ふーん……あ、本当だ……まあ、悪くないかな……」
-
――
ヒュー ドーン パラパラパラ
ヒュルルルルルル ドーン パラパラパラ
雪美「……」
こずえ「……」
モバP「二人とも熱心に眺めているな……しかしきれいだ」
凛「えっ? 私のことかな?」
奈緒「花火のことだよ」
モバP「俺の地元でも以前は毎年打ち上げ花火をやっていたんだが、ある時火事が起きてから無くなった」
加蓮「そういうこともあるよね」
加蓮「……私は一度だけ、入院中に部屋割りが良くて窓から花火が見えるタイミングがあったな〜」
モバP「花火は、その場の言葉が無くても、誰か一緒に見てくれる人が欲しいな」
加蓮「うん。病室に私一人、花火を独占できても寂しかった。こうしてみんなと見る方が好き」
ヒュー ドーン パラパラパラ
モバP「良い条件がいくつも重なって、最高の花火は見られるんだな」
-
加蓮「パッと光って咲いたー、はーなびを見ーていたー♪」
奈緒「くくく……セルフBGMかよ」
モバP「でも、直に夏は終わっていくんだなあ」
凛「今過ごしているこの夏は、一生に一度しか来ないからね。今日ここに、私たちの足跡は残せたかな?」
モバP「少なくとも俺の記憶には残ったさ。……はしまき食べる?」スイッ
凛「もう、デリカシーに欠けるなあ。……ふふふっ」
凛「っていうか色んな物持ち過ぎだってプロデューサー。ヨーヨーにトウモロコシに浦風に光る棒に、はしまき?」 ホカニモアルゾ? エェ…
雪美「P……一番……はしゃいでたね……?」
こずえ「はしゃいでたねー……えへー……よかったねー……。ふわぁ……」
モバP「アイドルを差し置いて同行のプロデューサーが一番楽しんでるってどうなのよ(自問自答)」
凛「まあ、良いんじゃないかな? プロデューサーだし」 アハハハ
雪美「……P」
モバP「ん?」
雪美「……楽しかった……。また……来ようね……? 来年も……その先も……」
モバP「そう言って雪美は照れ隠しにお面を被るのでした。かーっ! 惚れるねい」 Pサンウルサイ!
-
今日はここまで
ただそれだけでよかったのに
-
338
雪美「……P……何を……背負っている……の?」
モバP「これは多腕ロボットアームだ」ウィーン
モバP「最近は薫やこずえや仁奈や小春が一度に来ることが多いから、それぞれに遊んであげられるように、な」
モバP「晶葉が発明したこの通称”千手観音”は俺の思考を読み取り、それぞれ独立して動かせる」
雪美「……」ホー
モバP「まるで自分に新しい腕が生えたような感覚だ」クネクネ
雪美「動き……なめらか……。……さわっても……いい……?」
モバP「良いぞー?」
雪美「……やわらかい……ふふふ……」ムニムニ
モバP「逆にこっちからも雪美を撫でてあげよう」ナデナデ サスサス
雪美「……んっ……Pの手……いっぱい……」
ちひろ「でもそれ、昆虫みたいでちょっと気持ち悪いです」
モバP「」ガーン!
-
339
カンカン カンカン カンカン
ガタンゴトン ガタンゴトン
モバP(駅前の踏切は開かずの、とまでは言わないが結構待たされることがある)
モバP(上りが行って下りが来てまた上りを待つとか、遮断機が上がったと思ったら数秒してまたカンカン鳴り出すとか)
カンカン カンカン カンカン
モバP(踏切は冷静に考えると結構怖い。単調な音が不気味だし、赤色灯の点滅も電車が近づくと急に動き出すから心臓に悪い)
モバP(ただ、本数が少ない時間や路線でその鳴り出しを待つのが、子どもの頃のちょっとした楽しみだったりした)
カンカン カンカン カンカン
ガタンゴトン ガタンゴトン
カンカン カンカン グゥーン
モバP(お、開いたな。行くとするか……ん?)ザワッ
雪美「……あっ……P……!」フリフリ
モバP(今の楽しみは、こうしてふとした場所で、雪美と出会うことかもしれない)
-
340
モバP「……サンドイッチって良いよな」
雪美「……うん」
モバP「どこぞの伯爵がトランプゲームをしながら気軽に食べられるものを、ということで考案されたと聞くが」
モバP「具のバリエーションが豊かで、玉子、キュウリ、ハム、チーズといろんな物が合う」
雪美「おにぎり以上……かも……」
モバP「お米と違って甘い物も幅広く合うからな。雪美の作るフルーツサンドは絶品だ」
雪美「……また……作る……」
モバP「是非お願いします。週三くらいのペースで食べたい」
ちひろ「無茶言うな」
モバP「何せどこの名店のレシピかと思うほど美味しくて、自分じゃ再現できないんだ」
雪美「……調理実習の……プリントを見て……作っただけ……」
モバP「最近の調理実習はレベルが高いんだなあ……」
-
モバP「サンドイッチ……欠点らしい欠点があるとすれば、食パンの耳が除かれるところか」
雪美「……そういえば……端っこの……耳は……切る……」
モバP「雪美はパンの耳は苦手な方? そういう子は割といるが」
雪美「……普通。……分かれていたら……気にならない……」
モバP「嫌いじゃないが食べる時にちょっと違和感というか気になるというか、は誰しもありそうだな」
モバP「パン耳のラスクなんかは安くて重宝するし、意外と分かれていた方が存在感があったりして」
雪美「ラスク……あまり……食べたこと……ない……。…………あっ……!」ピコーン
雪美「……私が……白い部分で……フルーツサンドを、作る……」
雪美「……Pが……耳の部分で……ラスクを、作る……」
雪美「……食パンを……余すことなく、使えて……役割分担……できる……」
モバP「ナイスアイデアだな。今度やってみるとするか!」
ちひろ「サンドイッチの話題で盛り上がっていますけど」
ちひろ「そうして雪美ちゃんにサンドイッチされていることについてはツッコミ待ちですか?」
雪美・モバP・雪美「?」
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341
モバP「盆に実家の物置を漁っていたら面白い物が見つかりましてね」
ちひろ「ほう」
モバP「携帯ゲーム機です。それもキーホルダーサイズ」
ちひろ「うわ小っちゃ!」
菜々「あっ、懐かしいですね! テトリスとかスネークゲームとかレースゲームとかブロック崩しが入っていて……」
モバP「いろいろな亜種があるようですが、これが流行ったのは22、3年は前のようですね」
菜々「クラスの子が持ってて羨ましくて……あ、菜々は17歳なのでこれは前世の記憶です」
モバP「そうはならんやろ」
ポピーピピー♪ ポピーピピー♪
雪美「……あ……動いた……」
モバP「ボタン電池は新しいのに変えたが、まだ動くことに驚きだ」
菜々・雪美「おおー……」ピッピッピ
ちひろ「菜々さん少なくとも三十代までは行ってないはずなんだけどなあ……」
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342
モバP「巨大な346プロには使われていない未知の部屋がいくつかある」
モバP「中には開けてはいけない危険な扉も――」
雪美「……」
ちひろ「それで、プロデューサーさんは一体何をしているんですか」
モバP「何故か座敷牢のある部屋があったんでちょっと自主的に囚われてみました」
ちひろ「自分からお縄につくとは殊勝な心掛けですね」
モバP「僕何もしていませんが」
雪美「……P……悪いこと……したの……? 怒らないから……言ってみて……」
モバP「本当に何もしていない。ちなみにそう言う人は実際に白状したら怒るんだよなあ」
モバP「痛かったら手を挙げてくださいね、と言われたから手を挙げたのに治療をストップしない歯医者に類するものがある」
ちひろ「何をごちゃごちゃと。で、じゃあ謹慎のつもりか、でなければ誰かから隠れてでもいるんですか?」
モバP「いえ。ただ軟禁される気分はどんなものかと思いまして」
-
モバP「ほら、よくヤンデレが好きな人にする愛情表現の定番です」
ちひろ「そんな愛情表現は真っ平御免です」
ちひろ「でも監禁とか軟禁とか……いつか本当にそういう目に遭いそうですよね」
モバP「冗談きついっす」
雪美「……好きでも……人を……閉じ込めて……自由を奪うの……ダメ……」キィ パタン
モバP「お、雪美も入ってくるのか」
雪美「……P……一人じゃ……心細い……でしょ……?」
雪美「……! ……ここ……意外にも……おちつく……」
モバP「不思議と居心地は悪くないよな」
ちひろ「好奇心でこういう曰く有り気な所に頭を突っ込まない方が良いと思いますよー。呪われたりしそうです」
モバP「ではどうしてそういう部屋があるんでしょうかね?」
モバP「部屋に限らず、女子寮にも夜に外を出歩くと魔女に連れて行かれたりする、なんて話がありますし」
雪美「……魔女……いるの……?」ブルブル
ちひろ「一体346プロを何だと思っているんですかねえ」
-
343
愛海「お山の大きさに貴賎は無いって言うでしょ?」
モバP「ああ」
愛海「でもあたし、男と女では正直に言って別物だと思うんだ」
モバP「何が言いたいのかね?」
愛海「プロデューサーのパイスラは、あまり嬉しくないよ……」
モバP「……?」
モバP「ああ、このネックストラップな。長いからこう、ショルダーバッグのように斜めがけしてみたりして」クイッ
愛海「あー……でも……もうプロデューサーでもいっか!」ワキワキ
モバP「ちょっと待て。俺でも良いかとは何やねん」
愛海「うひひひ……そんな風に見せつけて誘惑するのが悪いんだ」ガバッ
モバP「ひいっ!?」
雪美「待って……。私が……何でもするから……Pには……手を、出さないで……」
モバP・愛海「ん? 今何でもするって」
ちひろ「何でプロデューサーさんまで一緒になって言ってるんですかねえ」
-
344
モバP「雪美たちが手伝ってくれたおかげで今日の夕食のおかずは鶏の唐揚げだ」
モバP「いやあ、ボリュームあるねえ。それも揚げたて! ご飯がさぞ美味かろう」
凪「唐揚げにレモンかけておきました! しても良いですか?」
モバP「待て待てストップ。それ嫌がる人もいるからな? 事後報告でなくて事前に聞くその姿勢は良し」
あきら「じゃあ、抹茶塩かけても良い?」
モバP「既に味が付いているから。そもそも抹茶塩をかけるのは鶏の天ぷらだ」
モバP「やるなら十把一唐揚げにしないで、自分の取り皿に取ってから。ね?」
凪「おけまるー」
あきら「おけまるー」
雪美「…………え、私も……?」
雪美「……おけまるー」
あきら「♯今日の雪美サン いただきデス」
凪「P、ニヤついていますね。わかりみです、凪もニヨニヨです」
モバP「お前ら仲良さそうで良いが、唐突におけまるーはズルいわ」
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345
モバP「雪美……そ、それは……!?」
雪美「……某小学校の……制服」キラキラ
モバP「ブラウス、吊りスカートに、制服小学生特有の帽子……これは思いがけぬ僥倖」
雪美「……P……似合う……?」ドキドキ
モバP「いいところの子って感じが引き立つねえ。うん、とても似合っているぞ」
雪美「ありがとう……」テレッ
雪美「でも……Pは……いいところの子……じゃなかった……の?」
ちひろ「プロデューサーさんのご実家、割とお金持ち説がありますからね」
モバP「まさか。でも、制服のある小学生って都会でないと見かけないイメージがあります」
モバP「自分はとある地方の町出身ですが、当時は私服登校でしたし他学区でも私服の子しか見かけませんでした」
雪美「幼稚園と……中学生からは……制服なのに……、小学校だけ……私服……なんでだろう……?」
モバP「んー、何でかな? 個人的には雪美の私服がたくさん見れるから、それはそれで嬉しいが」
ちひろ「逆に私とプロデューサーさんはお互いに私服をあまり見ないですよねえ」 デスネ
-
今日はここまで
それがヒトが下した決断か
-
346
モバP「346プロの七不思議って知ってるかい?」
雪美「……?」
モバP「いや、俺も知らないんだがねー」
紗枝「フレデリカはんみたいなこと言わはりますなぁ」
モバP「噂じゃそういうものがあるらしい。そもそもここは不思議が多すぎて七つじゃ収まらないか」
紗枝「でも、大抵はプロデューサーはんのことですやろ?」
雪美「……」コクコク
モバP「いや、俺はただのプロデューサーだ。不思議なことなんてそう起こせはしない」
モバP「君たち一人一人が凄いんだよ。俺に想像を超えた不思議を見せてくれるのはいつも君たちだ」
紗枝「まあお上手。けどうちかて、ただのプロデューサーはんの力ではここまで大きくなれまへんでしたえ?」
雪美「……!」コクコクコクッ
モバP「俺ってもしかして凄いのかな……とりあえず、雪美を撫でようか」ナデナデ
紗枝「さっきからほんまかいらしいわぁ」ナデナデ
雪美「……」ムフー ←気持ち良さそう
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347
モバP「本日の馴染み過ぎた関係」
モバP「人の家のベッドでうつ伏せ姿勢で漫画を読む雪美さん」
雪美「……♪」パタパタ
モバP「しかもスカートで、足を曲げたり伸ばしたりしている」
モバP「自室のようにリラックスし過ぎではないか? もはや自室なのか?」
雪美「……」パタン
モバP「お、読み終わったらしい」
雪美「……んん……」ノビー
雪美「……」
雪美「……」ゴロンゴロン
バフッ
雪美「……」ムフー ←枕ふかふか
モバP「もしや自分の前世は徳を積みまくった聖人なのだろうか? 感謝しかないな」
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348
モバP「今年のサマーも終わりか。早いなあ」
雪美「……」コク
ちひろ「まだまだ暑いですけどね」
モバP「でも盆過ぎから結構冷え込んだり冷え込まなかったりで、涼しくなっていますよ」
モバP「おかげで寝不足が解消されつつあります」
ちひろ「プロデューサーさんは暑いと寝られないタイプですか」
モバP「寝入ることは出来るんですが、眠りが浅くなって二、三時間で起きてしまいノンレム不足です」
ちひろ「夢を見ている浅い眠りの状態がレム睡眠、頭が完全に休まる深い眠りの状態がノンレム睡眠でしたっけ」
雪美「P……寝不足……だったの……?」
モバP「まあいろいろ工夫したり謎のドリンクを飲んだりしたから問題は無かった」
ちひろ「謎のドリンクっておい」
モバP「でも自然にぐっすり眠れるのは良いもんです」
ちひろ「まだしばらくは油断すると暑さの揺り戻しが来そうですけどね。季節の移ろいはそんなものかと」
-
モバP「とりあえず今は暑い夏を乗りきった充実感で漲っています。ウェルカム秋の夜長」
雪美「P……夏は……楽しかった……?」
モバP「ああ。意外でもなく忙しかったが、雪美たちと充実した日々を送れたと思うよ」
モバP「きついこともあったが、良い夏だった」
雪美「……良かった……。……私も……楽しかった……」
モバP・雪美「……へへへ」
ちひろ「お二人は本当、和気藹々ですねえ」
雪美「P……今日は……どこに……連れて行って……くれるの……?」
モバP「夜、少し街はずれにでも行ってみようか」
モバP「先日通ったら、鈴虫が鳴いていてな。秋の訪れを感じに行こう」
雪美「……楽しみ」
ちひろ「静かな中であたり一面の鈴虫の鳴き声……良いですね」
モバP「今こうしている間も何だかあの鈴虫の声が聞こえてくるようでして」
ちひろ「それは耳鳴りとかじゃないですよね?」
-
349
モバP「屋外の流れるプールで見かけるフロートは目を惹くな」テクテク
雪美「……」プカプカ
モバP「流れる雪美さん、つい追いかけたくなる……しかしそれに乗れるって良いなあ」
雪美「……Pも……乗る……?」
モバP「いや、普通の浮き輪やバナナボートとかならともかく、この歳で黒猫のフロートに乗るのはね?」
雪美「……これ……好き……」ダキッ
モバP「自分の歳が一桁くらいだったらそのお誘いは受けていただろう」
モバP「それに、撮影後で貸し切りとは言ってもアイドルの中に男の俺が一人飛び入りして一緒に遊ぶわけにはいかんのだ」
雪美「そんなこと言って……P……アロハシャツ……サングラス……」
モバP「気分だけでもみんなと一緒にな――」
法子「油断大敵! クールスプラーッシュ!」ピューッ
あやめ「わたくしも! 水遁・水鉄砲の術!」バシャー
雪美「あっ……」
モバP「……まあこういうことも想定してだな」ビショビショ
-
モバP「それにしてもお前ら、水のある所でこれほどの水遁を……」
輝子「ヒャッハー! P、捕まえたぁーッ! 新鮮なマッシュルームをゲットだぜー!!」ガバッ
小梅「ナイス、輝子ちゃん……そのまま、こちらの世界に……引きずり込んじゃえ」
モバP「っとっとっと、不意を突かれたと言っても輝子、お前だけで俺を動かせるかな?」
拓海「よぉP、遊ぼうぜ? 年少組が元気でアタシらだけじゃ手が足りなくてさ」
雫「こっちもですよー。Pさんも一緒に楽しみましょー!」
茜「……!」ウズウズ
モバP「あ、これ力負けいや圧力負けしそう」
――
モバP「そして俺は気づいたらプールの中にいた」
モバP「自分だけは安全圏からちひろさんに水鉄砲当てながら過ごしたかったのに……」
ちひろ「残念ですけど私ももう水着になっちゃってるんですよねー」キラキラ
モバP「あっちひろさん。……いやあ、しゃがんだちひろさんに見下ろされるとは壮観。水着、お似合いで」
ちひろ「ありがとうございます。でも私は水鉄砲の的じゃありませんからね」
-
モバP「ちひろさんシューティングまたやりましょうよ? すっごい避けるし透けるし濡れるし最高です」
ちひろ「そんなに私を撃ってぐしょ濡れにして遊ぶのが愉快でしたか……ほーん」
モバP「いつもの服であんなことを許してくれるちひろさんは、本当サービス精神に溢れていますよ」
ちひろ「はぁ……だったら、普段からもっとそのサービスに報いてくださいね?」ニコ
幸子「ちひろさんは笑顔が反則ですね。ボクも一目置くカワイさですよ」 ダナ
志希「アイドルじゃないのが勿体無いくらいだねー♪」 マッタクダ
愛海「お山登りたい」 ソレハチョットナ
ちひろ「おーおー好き勝手言いなさる。たまには私からやり返しても良いですかね?」
早苗「ちひろさん、見ーつけた!」ピューッ
ちひろ「冷たっ! ちょっと早苗さん!」 ワーニゲロー
モバP「こっちにも良い武器がございますぜ(スプラスコープ)」
ちひろ「いつの間にこんな物を配って……もはややりたい放題ですね」
モバP「ここらで一つ、プロデューサーとアシスタントの怖さをみんなに再教育してやるとしませんか?」
ちひろ「手を組む訳ですか。……良いでしょう、こうなりゃヤケです」
-
楓「おや、我々とやり合うおつもりで?」
ちひろ「こちらも伊達にスーパー裏方やってませんからね」
ザバッ
モバP「助っ人も呼んでおきましたよ」
雪美×7「……私たちは……Pと……ちひろさんの……味方……」
拓海「面白くなってきやがった」スチャッ
亜季「こういうサバゲーもたまりませんな!」チャキッ
ちひろ「覚悟は良いですか? 全主砲斉射、てーっ!」
――
――
雪美「……大丈夫……?」
モバP「ああ。しかし負けたぜ……数の暴力には勝てねえ」プカプカ
ちひろ「良い慰労にはなりましたけどね」プカプカ
雪美「……二人とも……いい笑顔……」クス
-
350
モバP「夏はアイドルたちの水着姿をたくさん見ることができたなあ」
みく「Pチャンはそういうとこ、隠さないにゃあ」
モバP「自慢のアイドルの晴れ姿に胸が躍らない訳がない」
モバP「プロデューサーであると同時に、俺が一番のファンでもあるつもりだしな」
みく「何言ってんだか。でもPチャンに見られてもイヤな感じはしないのは確かだにゃ」
雪美「……不思議」
みく「……Pチャンってたまに出す男の子臭さを除くと中性的だよね。実は女の子じゃないよね?」
モバP「男だからな? でも何かそう言われると自分は本当に男なのか自信が無くなってくるな」
雪美「……P……まかせて……、私が……自信を……取り戻させる……」
モバP「雪美……あっ、ちょ……ダメだって……そこは……」
――
モバP「……ふぅ。やっぱり俺は男だった(健全)」
みく「さすがのみくも自分を曲げそうになるよ?」
-
351
モバP「ふと思ったんだが」
杏「そうだ、今日はいい天気だし仕事は休みにしよう!(声真似)」
モバP「どれだけ気ままな自営業だよ。ちゃうちゃう」
杏「プロデューサーがそういう振り方する時はどうせロクなことじゃない」
モバP「そうか? では敢えて口を閉じておこうか。この出かかった賢者のアイデアを」
杏「まあ、一応聞いといてあげるよ」
モバP「牛乳にきな粉混ぜたら実質豆乳じゃね?」
杏「違います(即答)」
モバP「……はぁ……いや本題はね? 最近の小中高生ってさあ、宿題をきちんとやるんだなって」
杏「誰もギリギリになって宿題終わってないから手伝ってと言って来なくて寂しいの? 良いことじゃん」
モバP「まあな。アイドル同士で勉強会とか開いて協力し合っているようだし……俺は溜め込んで必死にやったりしていたのに」
杏「だってプロデューサーと缶詰で宿題するよりは、終わらせて一緒に遊ぶ時間を増やした方が良いし」
雪美「……だからPも……お仕事……早く片付けよう……?」 ハイ
-
352
モバP「語尾が伸びる女性ってちょっと良いですよね。特に関西弁の」
モバP「口調から作り出されるどことなく天然そうでおっとりした雰囲気……癒されそうです」
ちひろ「あずまんがの春日歩ちゃんみたいな? ……ただし可愛い女の子に限る」
モバP「悲しいなあ……まあ、例えばチャラ男系が語尾を伸ばした喋り方をしていたら確かにキツいですが」
雪美「……P……こっち向いてー……向けー」
モバP「こずえかな?」
雪美「……語尾を伸ばすって……こういう……こと……? ……難しい……ね」
モバP「違和感があるなら意識して変えてみなくても良いさ」
ちひろ「自分がこの方が喋りやすい、と思ってその口調にしていく訳ですからね」
ちひろ「プロデューサーさんも雪美ちゃん向きと私向きとでは口調を使い分けていますけど、未だに何だかぎこちないですし」
モバP「それはちひろさんが年上ゴホンゴホン、お互い節度ある大人の距離感として、この方が自然かなと判断してですね」
ちひろ「何故そこで咳き込んだよ」
雪美「……二人は……何歳……なんだろう……」
-
今日はここまで
おつかれさまでした。このまま電源をお切りください。
-
353
雪美「……あっ」
モバP「左右に扉がある」
モバP「……俺の勘がここは右に行った方が良いぞと告げている」
雪美「……左に……行きたい……」
モバP・雪美「……むむむむむ」
モバP「……こういう意見が分かれた時の為にガイドラインを設定しておかねばなるまい」
モバP「よし、コイントスで決めるとするか。表なら俺の意見を、裏なら雪美の意見を採用する」
雪美「……依存なし」
キンッ クルクルクルクル パシッ
モバP「……裏、か。よし、左に行こう」
雪美「……あっ……でも右から……良いにおいが……する……」
モバP「右に行くか」コロッ
ちひろ「コインに託しておいて即翻すとは適当極まりますね」
-
354
モバP「はぁ……雪美さん……」
雪美「……?」
モバP「今日の格好も格別だね」
モバP「麦わら帽子に三つ編み、オーバーオールが決まっている。見惚れるよ」
雪美「Pが……見とれて……くれる……」キラキラ
モバP「雪美さんが人の心を鷲掴みにするものだから……恋煩いのようだ!」
雪美「……ふふっ……そのまま、私から……目を……離さないで……」
モバP「……こんな姿もあんな姿も、宣材写真にしないと勿体無く思えてくるぜ」
モバP「それにしてもオーバーオールに三つ編みってカントリー感八割増くらいあるよな」
雪美「……そんなに?」
モバP「そんなに。だから、連鎖的にカントリーマアムをそっと隣に置いてみてもあら自然」
雪美「……自然……?」
モバP「自然さ。何せ餡子も入っているしな(謎)」
-
355
モバP「雪美さんが時々とても大人に見える時がある」
雪美「……?」
モバP「穏やかで品があって、俺が無茶やっても暖かく見守ってくれる感じがですね」
ちひろ「呆れて生暖かい目で見ているのではないですか?」
モバP「そんなことはないだろう?」
雪美「……あまり……無茶は……しないで……ほしい……」
モバP「はーい」
ちひろ「どちらが保護者格か分かりませんね」
モバP「でも、老成しているというか知識豊富で頼りになる感じがしませんか?」
ちひろ「それは分身でフィードバックしているからじゃないですか?」
モバP「ファンタジーですね」
ちひろ「今更」
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雪美「P……こっち……おいで……」
モバP「何? 雪美さん」
雪美「おこづかい……あげようね……。みんなには……ないしょ……」
モバP「わぁい」
ちひろ「おばあちゃんかな?」
モバP「ロリータなおばあちゃん、浮世離れで人間離れした万能感が味方にいると心強い」
雪美「……そのかわり……妾を……乗せるのじゃ……」
ちひろ「まさかののじゃロリ?」
モバP「どうぞどうぞ、こんな粗末な席で宜しいのならいくらでも」
雪美「……」ポスン
雪美「……なでなで……してくれない……の……?」
モバP「でもやっぱり雪美は年相応な面も見せてくれるのが好きだね」ナデナデ
雪美「……んっ……もっと……なでて……」トロン
ちひろ「年相応ならこんなことはしてないと思いますけど」
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356
パクッ
雪美「……キャラメル……」ウットリ
モバP「雪美と食べるおやつのホーキーポーキーは美味い」
ちひろ「容器の大きな業務用アイスですね。こんなのどこで買って来るんですか」
モバP「ニュージーランドから買い付けています」
ちひろ「……プロデューサーさんって結構計り知れないですね」
モバP「この仕事をさせてもらっているおかげですよ」
モバP「話は変わりますが、秋と言ったら肝試しですよね」
ちひろ「いえ夏です」
モバP「あっそうか夏か」
モバP「……あれー? 何で秋だと思ったんだろう」
ちひろ「しっかりしてくださいよ? まあ春とかでもあるにはありますけど」
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