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セミラミス「物凄い退屈なのでカルデアを練り歩く」
111
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/23(日) 20:51:28 ID:licZrdzw
モードレッド「流石に極東のマイナー言語なんざ一々俺も覚えてねーよ。これは仕方ないっつの。ここ日本じゃねーし」
セミラミス「刑部姫」チョイチョイ
刑部姫「書けってか! 姫に! ああもう期待しないでよ!」カキカキ
巴御前「セミラミス! あなたはギルタブリルを使ったのでは?」
立香「あ」
セミラミス「ん?」
巴御前「彼がいれば着物を畳むくらい余裕でしょう。いえ、証拠隠滅と改竄のために彼ならむしろ率先してやるはずです!」
巴御前「酔っていたとは言え、私が入れ墨に同意してたなどと……!」
立香「ああー……言ってなかったの?」
セミラミス「言っ……てなかったかもしれぬ。すぐヤケ酒に入ったからな」
巴御前「?」
112
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/24(月) 20:00:49 ID:h58qog5I
立香「いないよ」
巴御前「え?」
立香「ギルタブリルはもういない。モードレッドに切り殺された」
巴御前「えっ」
セミラミス「……だからヤケ酒を煽っていたのだが……そうか。気付いてなかったか」
巴御前「ええーーーっ!?」ガビーンッ
刑部姫「決まりだね。巴ちゃんは自分から服を脱いだ。ここが確定した以上、巴ちゃんは酔っていたとは言っても入れ墨には同意していた」
モードレッド「一方的にこの場にいる全員を裁く筋合いは一切ねーな」
巴御前「なっ、なっ、なあーーーっ!?」ガビーンッ
立香「悲しい事件だった……」
113
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/24(月) 20:47:56 ID:h58qog5I
巴御前「ば、バカな……この空中庭園内では大人しい方だったギルタブリルが、何故そんなことに……!」
モードレッド「カルデアの方ではそうでもなかったんだよ。誘拐、食糧の強奪、その他備品への攻撃etc……」
モードレッド「討伐命令が下って当然だろ?」
立香「セミラミス?」
セミラミス「それの何が悪い? 我のための行動であろう? 仮に悪かったとしてもギルタブリルの責任であって我の責任ではないが」
立香「……」
モードレッド「マスター。コイツに常識を説くのは無意味だぞ?」
立香「ああー……」
巴御前「バカな……バカな……!」ガタガタ
立香「後で元に戻すから。ね?」
刑部姫「一件落着ゥ!」
立香「おっきーは後で巴が立ち直ったら折檻ね」
刑部姫「何故ェ!?」ガビーンッ
114
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/25(火) 20:48:40 ID:449uSb5I
今日のところは休み! 何故なら眠いから!
115
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/26(水) 21:40:59 ID:ZkiNKnE.
立香「……」
立香(私はあえて追及してないことがある。今のところ何の証拠もないことだから別にいいんだけど)
立香(果たして『ただの酒』でサーヴァントがここまでベロンベロンに酔うだろうか)
立香(答えはNO。または、限りなく考えにくい、といったところか)
立香(でも例えば……そう、サーヴァント製のチョコレートを貪りまくって虫歯になったナーサリーの例のように)
立香(サーヴァント製の何かが入った酒ならありえなくもないかも、だ)
立香(このまま丸く収まりそうだから、この場はこのままでいいけど……私は怖くて一つ聞けないことがあった)
立香(『セミラミス。お酒に何を混ぜた』と)
立香(まあ聞いたら私たちのことを玩具程度にしか思ってないセミラミスのこと、正直に答えちゃうだろうから、危険すぎて訊くのは憚られ――)
116
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/26(水) 21:55:02 ID:ZkiNKnE.
刑部姫「ところで女帝サマ。一つ訊いていい?」
セミラミス「ん? なんだ? 今は助かって機嫌がいいのだ。無罪の筆文字を書かせている褒美もかねて、何でも訊くがいい」キラキラキラ
刑部姫「お酒に何か混ぜた?」
セミラミス「愚問だな。酒の席が盛り上がるように努めるのは、ホストとしての当然の責務だ。混ぜていたに決まっておるだろう!」ドヤァァァ
立香「」
モードレッド「あーあ。責任の天秤が今の一言で一気に傾いちまったなー」
立香「ばかやろおおおおおおおおおおおおおっっっ!」ガビビーンッ
巴御前「巴流流星一条(これにて失礼しまステラ)ァァァァァァァァァ!」ドシュウウウウウウウウッ
総員「ぎゃああああああああああああああ!?」
ドカァァァァァァァァンッ
117
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/28(金) 06:40:27 ID:RRbcuPFo
数時間後 セミラミスの寝室
セミラミス「ん……んん……? 熱い……背中が熱い……?」モゾモゾ
セミラミス「む?」パチリッ
立香「やっと起きた。おはよう」
セミラミス「おはよう。我の背中はどうなっている?」
立香「大火傷……だったけど、礼装持ってきて私が治したから、もう大丈夫」
立香「今日はうつ伏せでしか眠れないけどね」
セミラミス「そうか。大儀である。あと敬語、完璧に外れたな」
立香「ん。あっ……いやもういいや。面倒だからいいや。どうでも」
セミラミス「そうか」
118
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/29(土) 16:51:19 ID:WxiRglRY
立香「まったく……なんの考えもなしに訊ねた刑部姫も刑部姫だけど」
立香「わざわざそれに馬鹿正直に答えなくってもよかったのに」
セミラミス「ふっ……仲間に対してそんな不誠実なマネはできまい?」キラキラキラ
立香「なんで急にキャラ変えてるの。そんな殊勝なこと言うヤツじゃないでしょ」
セミラミス「いやこの言葉自体に嘘はないぞ。汝らを仲間だと認識したことはないだけで」
セミラミス「何故一々嘘など考えねばならない? ただのオモチャ相手にそこまで手間を裂くだけの理由がない」
立香「自衛くらいはすべきだよね」
セミラミス「死んだら死んだでそのときであろう。まあ死ぬわけないが」フアーア
立香「やばい。第一印象よりも遥かに退廃思考だ……」
119
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/29(土) 17:52:51 ID:WxiRglRY
立香「……ああもう。わかったわかった。どうせ女帝に下々の民が何言っても無駄でしょう」
立香「アホなことをした制裁は下ったようなものだし。これ以上はうるさいこと言わないよ」
セミラミス「そうか。それは手間が省けて助かった」
セミラミス「我の背中を治療した褒美をくれてやろう。頭なでなででいいか?」ナデナデ
立香(いいかとか言ってる間に撫でてるし)
セミラミス「滂沱の涙を流しながらしゃくりあげた勢いで窒息して死ね」ナデナデ
立香(誰が死ぬか)
セミラミス「……む? 嬉しくないのか? 頭を撫でておるのだぞ? 我が」ナデナデ
立香「いやまあ……悪くはないけど……」
セミラミス「ふむ。なら汝が我の頭を撫でてみるか?」
セミラミス「なしだな。我が恥ずかしいからダメだ」
立香(今も充分恥ずかしいと思われるのですが)
120
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/29(土) 18:34:44 ID:WxiRglRY
立香「……」
セミラミス「ム。なんだ。辛そうな顔をして。さては巴御前にやられたときにタンコブでも作ったな?」ニヤァ
セミラミス「ここか? ここが痛いのか?」ナデナデナデ
立香「傷口を開くようなマネしないで。そうじゃなくってさ」
セミラミス「?」
立香「私、そろそろ帰るよ」
121
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/29(土) 19:11:06 ID:WxiRglRY
セミラミス「……」
セミラミス「痛み止めを処方しようか?」
立香「は?」
セミラミス「それとも、我の頭を撫でてみるか? さっきはイヤだと言ったが特別に」
立香「……あっ。いや! 違う違う! 気分を害したから外に出たいってわけじゃないよ!」
セミラミス「そうか? ……いや。それでも、なんだ……」シドロモドロ
立香「歯切れが悪いな。あとセミラミスが言ったことだし。今日になったら帰してやるって」
セミラミス「言ったな……ああ、言った」
セミラミス「……?」
セミラミス「他の者どもはどうした? 何故こちらに顔を出さない?」
立香「もう帰しちゃったから。私だけここに残ってればひとまず義理は果たせるでしょ」
セミラミス「……そうか」
122
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/29(土) 20:58:41 ID:WxiRglRY
立香「治療は終了。挨拶も終わった。義理は果たしたし、もう心残りはないよ」
セミラミス「里心の一つでも付いてるものと思ったが」
立香「空中庭園に? 悪くはなかったけど、カルデアに比べたらね」
立香「じゃあセミラミス。またカルデアで」
セミラミス「なに?」
立香「呼ばれても、もう来ないよ。少なくともしばらくは」
セミラミス「……なんだと!?」ガーンッ
立香「いや当然でしょ。数日続けて軟禁されるようなら『二度と呼ぶな』とか言われてもおかしくないし」
立香「……じゃあね」スタスタ
セミラミス「……待っ……いや、ぬう……!」アタフタ
立香「もう一度言うよ。今度会うときはカルデアで」スタスタ
セミラミス(……行ってしまった……)
123
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/09/30(日) 10:02:46 ID:PNCxOVtI
数十分後
セミラミス「……」パタパタ
セミラミス「静か、だな。少し前なら考えられない」
セミラミス「……」パタパタ
セミラミス「むう。ベッドに寝転がってあざとさ全開で足をパタパタさせてみても、ドギマギする者がいないのではなぁ。虚しい」
セミラミス「……玉座に戻ってみるか」スクッ
玉座
セミラミス「……設備が……ちょっとだけ残っておるな?」
書置き『怪我が完治するまでのちょっとだけの間だけ貸してあげます。by巴』
セミラミス「ふん。あやつもあやつでやり過ぎた、と思っておるのだな。では遠慮なく……」カチッ
セミラミス「楽しい。楽しいな。娯楽としてのレベルが下がっておるわけではない。なのに」カチカチ
セミラミス「……どこか虚しいな」
124
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/01(月) 07:18:58 ID:NouE.0Wo
数時間後
セミラミス「……ん? なんだこの敵は。羊のようだな。ロンドン橋歌っておるし……?」カチャカチャ
フンフフンフンフンフンフーン
マイ……フェア……レディ……
ドスウッ ギャアアアアアアッ
セミラミス「!?」ガビーンッ
セミラミス「……きゅ、急に描写がホラーに寄ってきた……な?」ガタガタ
セミラミス「……ぬう。隣に誰かがいれば、そやつの恐怖している様を見て楽しむのだが……」
セミラミス「そうか。ゲームがつまらなくなったわけではなく、いつもより面白くないだけなのか」
セミラミス「……楽しみ方を損している、と言えるであろうな。これは」
125
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/01(月) 22:15:25 ID:NouE.0Wo
数時間後
セミラミス「……クリアしてしまった……いやいいエンディングではあるが生きるのが微妙に辛くなってくるな、このゲーム……」
セミラミス「さて。アカウントは入りっぱなしだ。次はアニメでも……」
セミラミス「……いよいよもって、これは大人数で見た方がよいものであろうな。我にはどれが面白いものかの判別も付かぬ……」
セミラミス「……ギルタブリルはおらぬ。鎖で呼ぶのも悪印象だと釘を刺されておる」
セミラミス「むう。これは……そういうことであろうなぁ」
セミラミス「……手土産でも持っていくか」ゴソゴソ
セミラミス「物凄い退屈なのでカルデアを練り歩く」
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/02(火) 08:04:40 ID:UIxEWCrU
ずーっと全然練り歩いてねえなと思ってたが今までのは全て序章だったのか・・・
127
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/02(火) 22:14:13 ID:Mmnn0HwQ
すばらしきこのせかいを買ったので今日はなし!
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/03(水) 22:39:22 ID:5kpcChYI
そういえば、巌窟王……う、頭が
129
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/03(水) 22:47:10 ID:vpoB.UFY
カルデア
立香「……いつの間にこんなことに?」
マシュ「はい。先輩が戻ってくるちょっと前あたりから、でしょうか」
マシュ「……あの。はっきり言って、ことがどれだけ深刻なのか私には……わからないのですが」
立香「あーあー。いいよ。マシュはわからなくっても。あまりにもくだらないことだから」
立香「くだらないことなんだけど……参ったな。『気が向いたらカルデアに来い』ってセミラミスに言っちゃったんだよなー」
立香「これを見せるの物凄く怖いんだけど……」
マシュ「セミラミスさん、ですか?」
立香「……まあいいか。なるようにしかならないでしょ」
立香「そんなことよりマシュー! 少し会わない間にまた背が伸びたー?」ニコニコ
マシュ「へっ? い、いえ。そんな数日ぽっちで背が伸びたりはしないのでは……」
立香「なでなで」ナデナデ
マシュ「話を聞いてください……はふう……」トローンッ
刑部姫「再会するなりラブラブだね」
130
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/05(金) 19:23:31 ID:0Ny.9xuk
数分後
立香「……セミラミスを召喚サークルの部屋に連れ込むのは危険だな」
立香「さて。どうするか。あと数日やり過ごせばどうにかなるけど……エミヤあたりに根回ししてもらう?」
立香「人望のないサーヴァントなら両手の指じゃ足りない程度には列挙できるんだけどな。人望のあるサーヴァントとなると……」
立香「……マリーに手を出したらモンペどもに足止めされかねない。あの子はよしとこうかな」
立香「そもそも来ると決まったわけじゃない。考えてみればそこまで深刻じゃないし、対症療法でもなんとかなるかな」
キャッキャッ
立香「……図書室の方から声? 誰だろ」
131
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/06(土) 23:16:04 ID:h2i2RLX2
図書室内
セミラミス「ごん、おまえだったのか。いつも栗をくれたのは。そう言うとごんは……ごんは……」グスン
ナーサリー「ひどいわひどいわ! この人もアンデルセンと同類なの!?」プンプン
バニヤン「ごん、かわいそう」グスン
セミラミス「し……静かにしろ。今我が続きを……いやダメだ。もうダメだ。ページが見えぬ。ナーサリー、引き継げ」ヒョイッ
ナーサリー「もう。仕方がないのね」キャッチ
立香「……何やってんのセミラミス」
セミラミス「む? マスターか。昨日ぶりだな」スンスン
立香「いやどんだけ感情移入してんの」
132
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/07(日) 22:33:32 ID:W9ur3qR2
最近は忙しくて時間がとれなかったが、やっとのこと時間が取れそうだ……ただ今日のところはスプラトゥーンをやりながら寝る!
133
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/08(月) 20:10:10 ID:S8VW0xMQ
セミラミス「質問に一つずつ答えよう。遠回しに『カルデアに来い』と言ったのは間違いなく汝だ」
セミラミス「『こんなところで何をしている』と言われる筋合いはまったくない」
立香「ん。その点はまあ……悪かったよ。気分悪くさせたなら謝る。土下座までなら可能だけど」
セミラミス「不要だ。その言葉で不問に処す」
セミラミス「二つ目。誰が感情移入などした。まったく平気だ。まったくな!」
ナーサリー「はい、おしまい。最後の方だけ引き継いだ形だからすぐ終わっちゃったわ」
セミラミス「褒めてやろう。我の仕事を引き継ぐその手際、値千金だ」
バニヤン「悲しいお話だったけど、楽しかったよ。メルシー、セミラミス」
セミラミス「ふっ。我とナーサリーにかかればこの程度造作もなっ……ぐすっ。ない!」ドヤァァァ!
立香「ハンカチ使う?」
セミラミス「使う!」
134
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/09(火) 21:04:30 ID:yWrB/X8Q
セミラミス「さて。来たぞ。持て成せ。茶とか出せ。骨までしゃぶるつもりで来たぞ」
立香「感動的なまでに厚かましいよ!」ガーンッ
バニヤン「セミラミス。もう行っちゃうの? まだ読んで欲しい本があったのにな」
セミラミス「何ィ? どれだ? 聞くだけ聞いてやる」
立香「……」
ナーサリー「……意外そうなのだわ。そこまでびっくりした?」
立香「凄いよ、あの人。上っ面だけとは言っても社交性を学習してる」
ナーサリー「ふふ。きっとマスターの采配がいいのよ」
立香「私が? まさか。本当に裏のない意味でセミラミスが凄いんだよ」
立香(しかしまあ、困った。なんとかあと数日は召喚室に入れないようにしないとなぁ)
135
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 23:09:48 ID:YQTWnRAU
あぁ、嵐の前の◯◯ピックアップ……
136
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/10(水) 23:43:34 ID:cL3D6rRA
バターンッ
巴御前「マスター! 大変です! 召喚室を見てみたら顔なじみがピックアップされてて……!」
立香「」
セミラミス「?」
巴御前「……あっ……」
立香「今更遅いッ!」ガビーンッ
巴御前「す、すみません! 迂闊でした!」
巴御前「図書室ではお静かに、ですよね」シーッ
立香「そっちじゃない! いやそっちも大事だけどそっちじゃない!」
ナーサリー「広辞苑も、お友達よ!」ガツンッ
立香「がはっ!?」ヘブッ
ナーサリー「お静かに……ね?」ニコッ
立香(広辞苑で殴られた……広辞苑で殴られた……!)ガタガタ
137
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/12(金) 23:33:53 ID:Nuz.Rfno
セミラミス「巴の顔なじみ……となると、ふむ。結構限られてくるな?」
セミラミス「確か絶対魔獣戦線とやらでも戦っただとかなんだとか……」
セミラミス「もしやシロ、げふんげふん。いや……まさかな。まさか、な?」チラッチラーッ
立香「……」ダラダラダラ
セミラミス「……」
セミラミス「冗談のつもりだったのだが?」ガーンッ
立香(全然違う。全然違う、が……! どっちにしろセミラミスに見せたらいけないヤツだから何も反論できない!)
巴御前「あ。天草四郎ではありませんよ。念のため」
セミラミス「そうなのか?」
立香「とーもーえーーー!」
巴御前「あ、し、失礼しました! どっちにしろセミラミスには会わせられないからノーコメントがベストですよね!」
立香「もう黙って! 喋れば喋るほどドツボだからさぁ!」
138
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/14(日) 00:10:54 ID:zwboIA5s
セミラミス「……よくわからぬが、要は我がそやつに会うとダメなのだな?」
立香「まあ……有体に言っちゃうと……」
セミラミス「ふっ。よい。今日の我はそこまで機嫌は悪くない。汝の言うことを聞いてやろう。ありがたく思え」
立香「本当!?」パァァ
セミラミス「ああ、本当だとも。さて、バニヤン。他の本を読み聞かせてやろう。リクエストは――」
ナーサリー「あ。気を付けて。足元に広辞苑あるから、つまづいちゃ――」
コケッ ベシャッ
セミラミス「……」ゴローンッ
巴御前「……」
巴御前「ぷっ」
セミラミス「我、大激怒」プンプン
立香「巴ーーーッ!」ガクガクガク
巴御前「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」アワワワワワ
139
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/14(日) 00:23:52 ID:zwboIA5s
巴御前「だ、だって! あそこまで見事にスッ転んで、あまつさえごろーんってなってた人、今日び中々見ませんよ!」
巴御前「つい! うっかり! 出ちゃったんです笑いが!」
セミラミス「あれは受け身だ」プンプン
立香「受け身だって!」
巴御前「柔道の心得はありませんが……それにしたってぎこちない受け身でしたよ。小学生ですか?」ウププ
セミラミス「我、超激怒」プンプン
立香「超激怒しちゃったよ!」ガビーンッ
セミラミス「我はもう貴様らの言うことを一切聞かぬ。故に召喚室に行くぞ」
セミラミス「召喚室に……召喚……?」
セミラミス「……」
セミラミス「まあ適当でいいであろう」ダッ
立香「明らかに『召喚サークルのある部屋』がどこか忘れてる!」ガーンッ
巴御前「ほぼ空中庭園に籠りっきりだったから……」
140
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/15(月) 20:22:24 ID:/Av6SYD2
廊下
セミラミス「前に来たときはこっちだった気がしたのだが……」キョロキョロ
ワイワイ
セミラミス「む? この部屋が騒がしいな……何ごとか……」ガチャリンコ
刑部姫「ごっ、があああああああああああああ!?」ベシャアアアアッ
セミラミス「!?」ガビーンッ
水着ジャンヌオルタ「あーっはっはっは! この『地雷当て対決』は私の勝ちは決まったようなものね!」
刑部姫「おのれ……武蔵ちゃん凌辱本などどこで手に入れたっ……!? しかもNTR要素も完備! 役満! 死、死ぬっ……!」ガクガク
セミラミス「……」オロオロ
刑部姫「だけど私のターンはまだ始まってすらいない……食らえ! これが姫の選んだ、あなたに捧げる地雷本!」ズバァァァンッ
オルタンヌ「ふっ。どんなものが来ても私の勝ちは変わらな――」
刑部姫「ジャンヌ×邪ンヌ百合本」
オルタンヌ「イワーーーーーーーーーク!」ボオオオオオオッ
セミラミス「……」
141
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/15(月) 20:33:02 ID:/Av6SYD2
数分後
セミラミス(……ううむ。これが同人誌か。薄さの割には面白いな。生々しいページが多いのが気になるが)ペラペラ
セミラミス(しかし全部、ギリギリで全年齢本か。これは話に聞くサバフェスというもので作られたものではないか)ペラペラ
刑部姫「現パロジャンヌ一家!」ドカァァァンッ
オルタンヌ「がはっ……刑部姫×モブ寿命差メリバ!」ドカァァァァァンッ
刑部姫「ぎゃあああああああああああっ! やってはいけないことをおおおおおお!」
オルタンヌ「お互い様よクソヒキニート!」
セミラミス(同人イベントか……確かゲームや音楽なども自作して持って行っていいのではなかったか)
セミラミス(ゲームの方はどうにかなりそうだな。こう、我のアルターエゴなどを搭載するなどして……)
セミラミス「ハッ。しまった。長居しすぎた」パタンッ
セミラミス「召喚室……召喚室はいずこか……」スタスタ
142
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/16(火) 20:34:41 ID:CoDbOOZ2
立香チーム
立香「くそっ! 俊敏値が高いわけじゃないのに普通に見逃した!」
巴御前「まあ、申し訳程度とは言っても気配遮断持ちのアサシンですしね……」
立香「早く見つけないと本当にまずいのに……!」
「あ〜ん……」
立香「ん? 今誰かの泣き声が聞こえたような……」
ジャック「うあ〜ん……!」
立香「あ。ジャック。どうしたの、そんなに泣いて」
ジャック「おかあさん! おかあさん! あのねあのね!」グスグス
立香「うんうん」
ジャック「セミラミスに、おかあさんから貰った大事なぬいぐるみ取られちゃったの!」エグエグ
立香「何やってんのあの女ッ!」ガビーンッ
143
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/16(火) 20:45:54 ID:CoDbOOZ2
巴御前「ぬいぐるみ……そんなものプレゼントしてたんですか」
立香「ダヴィンチちゃん工房で譲ってもらったものをジャックにあげたんだよね。私ぬいぐるみってガラじゃないしさ」
ジャック「それ本当?」
立香「……なんだって?」
ジャック「セミラミスが取るときに『あやつ裁縫までできるのか』って言ってたけど」
立香「……な……がっ……!?」ガーンッ
巴御前「……セミラミスが何故気付いたのかはこの際放っておきましょう。何故嘘を?」
立香「い、いや。マシュと初めて出会った日がもうすぐだったから手作りのぬいぐるみでも、と思ったんだけど……」
立香「習作はジャック含めたロリっ子たちに『工房で貰った』って建前で流してたんだよね。愛着あるからストレートにゴミ箱に投げられないし」
ジャック「道理で不細工なクマだなって思ったよ」
立香(猫ちゃんでーす)シクシク
144
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/16(火) 20:55:45 ID:CoDbOOZ2
立香「ジャック。ぬいぐるみはセミラミスから取り返すか、なんならもう一回作ってあげるからさ……マシュには内緒にして?」
ジャック「わかったー」
立香「で。セミラミスはなんでそんなことを……」
ジャック「召喚室はどこにあるって訊かれたけど、なにか怪しかったから断ったら、腹癒せに奪われたー」
立香「大人気無ァーーーッ!?」ガビーンッ
巴御前「やり口が完璧に悪ガキですね」
ジャック「解体しようと思ったんだけど、事あるごとにクマを盾にされて……なにもできなかったんだ」グスン
立香「ドン引きするほど卑劣だ! た、単純に許せない! 絶対に捕まえてやる!」
ジャック「お願いね、おかあさん」
145
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/16(火) 21:25:13 ID:CoDbOOZ2
立香「ジャック。セミラミスはどの方向に?」
ジャック「あっち」
立香「あっちね。ありがと……う?」
マシュ「先輩? それと、巴さんとジャックさん。こんなところで何を?」
立香「ああ、マシュ! ちょうどよかった! セミラミスを見なかった……って、ん?」
ジャック「あ! 私たちのぬいぐるみ! なんでマシュが持ってるの?」
マシュ「……ええと、これはセミラミスさんからプレゼントされたのですが……」
立香「――」
立香「は????????????」
マシュ「やはり盗品でしたか。そんなところだとは思いましたが……思ったより早く持ち主が見つかってよかったです」
立香「……」
立香(偶然? いやそれにしては人選が狙ったかのようだなぁ)
立香(確認してみようか……)
146
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/16(火) 21:41:11 ID:CoDbOOZ2
立香「マシュ。セミラミスなんか言ってた?」
マシュ「そうですね。ええと……召喚室の位置を知りたがっていたようなので素直に教えてしまいましたが……」
巴御前「素直に教えてしまったのですかー」
マシュ「これはそのときに渡されたものです。ただ『礼ではない。それは貴様が持つべきものだ。我の気遣いに二人揃って感謝するがいい』とか」
マシュ「そんな微妙に意図がわからないことを言っていました」
立香「……」ブチイッ
マシュ「え。せ、先輩? なんでそんなに怒ってるんですか? 私、なにかいけないことでも……」ビクビク
巴御前「え? マスターが怒ってる? あ、本当だ。物凄く怒ってますね」
ジャック「お、おかあさん? どうしたの?」
147
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/16(火) 21:49:02 ID:CoDbOOZ2
立香「……先回り作戦は失敗。巴。一緒に決着を付けに行こう」
立香「素直に教えちゃったのなら仕方ないよね」
立香「ジャック。ぬいぐるみの処遇についてはジャックが決めて。マシュなら素直に返してくれるし」
ジャック「うん。それじゃあ返してもらおうかな」
マシュ「あ、はい。どうぞ」サッ
ジャック「ありがとう! おかあさんからのプレゼントだから、取られたとき本当に悲しかったの!」ニコニコ
マシュ「それはよかったです。それじゃあ私は先輩と同行しますので、これで……」
立香「来ないでいい」
マシュ「え」
立香「むしろ来ないで。ちょっーと久しぶりにキレちゃったのは事実だけど、マシュを巻き込むわけにはいかないから」
マシュ「で、でも、あの……」
立香「後で説明するから……ね?」ニコォ
マシュ「!?」ビクウッ
巴御前(これ宣言通り、本当に激怒してますね。しかし何が彼女の逆鱗に触れたのやら)
148
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/17(水) 08:06:40 ID:Mznchlck
いかんリヨ化しちまう
149
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 18:54:36 ID:PYZD6SME
召喚室前
セミラミス「ふっ……ここか! 長かった。長かったな、実に!」
セミラミス「さて、さっさと中を確認して、後から来るであろうマスターたちを愕然とさせる」
セミラミス「おそらくテンパったヤツらは『先回りするつもりで我本人を捕まえるつもりで動く』という凡ミスを犯しているはず……」
セミラミス「後から来たヤツらに『召喚室を先に抑えておけばよかったのだ、バカめ』と宣告してやろう! 楽しみだ!」ワクワク
セミラミス「入るぞ」ウィーンッ
セミラミス「さて。ピックアップの内容は……」
セミラミス「……!?」ガビーンッ
立香「見ちゃったね」
セミラミス「……マスターか。これはどういうことだ?」
150
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 18:57:53 ID:PYZD6SME
立香「どうもこうも見ての通りだよ。前の何日かで縁が結ばれちゃったみたいだね」
セミラミス「そうか。ありえぬ話ではないな。ありえぬ話ではないが……」
ギルタブリルピックアップ「」ドォォォォォンッ
セミラミス「あやつ星5だったのだなぁ?」キョトーン
立香「うん私が一番ビックリしてる!」
151
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 19:02:44 ID:PYZD6SME
セミラミス「なるほど。会わせてはいけないの意味がわかったぞ。要は『セミラミスに頼まれたら断れない』といったところか」
セミラミス「つまり我が『ギルタブリルを召喚しろ』と強請る、と?」
立香「違うの?」
セミラミス「強請るに決まっておろうが!」プンスカ
立香「ですよねー。ですよねー。そういいますよねー。わかってましたけどねー」
セミラミス「さて。何回召喚できる? 限界を越えろとまでは言わんが、あるだけすべて出せ。それが汝の責務だぞ?」
立香「……」
巴御前「……セミラミス。あなた、気付きませんか?」
セミラミス「巴?」
巴御前「マスター、物凄く怒ってますよ?」
152
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 19:32:57 ID:PYZD6SME
セミラミス「……?」
巴御前「一欠けらも心当たりが無いって顔ですね」
セミラミス「……ああ。ジャック・ザ・リッパーに会ったか? それともマシュか」
セミラミス「いや何、ジャックには大人の怖さを思い知らせてやっただけのこと。マシュに関しては善性の塊なのだから責めるのは酷であろう?」
立香「ジャックの件に関しては『謝れ』とか強要しない。無理だし」
立香「マシュの件に関してはマシュの方には怒ってない。まったくね」
セミラミス「……話が見えんぞ。では何に怒っておる?」
巴御前「私にも微妙にわからないんですよね」
立香「何に? 具体的に言うと『セミラミスの行動に』かな?」
153
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 19:40:10 ID:PYZD6SME
セミラミス「……はて。心当たりがないな」
立香「それでいい。今から教えるから」
立香「そうだな。結論から言っちゃうと私が怒ってるのは、マシュに私の作ったぬいぐるみを『私より先に』プレゼントしたからだよ」
セミラミス「は?」
立香「これだけ言えばわかったりしない?」
セミラミス「いやまったく。あの不細工な『ネコのぬいぐるみ』がどうかしたか?」
巴御前「ん?」
立香「……」
立香「今の発言で確信に変わったよセミラミス。あなたにはあれが『ネコのぬいぐるみ』に見えたんだ?」
セミラミス「……!」
154
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 19:47:57 ID:PYZD6SME
立香「セミラミスがカルデアを歩いている間にマシュと出会ったこと。これ自体は多分偶然だったんだろうね」
立香「ただし、あのネコのぬいぐるみをマシュにあげたのは偶然じゃない。セミラミスが狙ってやったことだ」
立香「私がマシュと出会った日を記念してぬいぐるみを作ったことを知ってたね? セミラミスどころか『誰にも言ってない』のに?」
セミラミス「……」
立香「例えばホームズとかなら私が裁縫セットやら材料やら何やらをかき集めてるところから推理して」
立香「私が何をやろうとしているかはわかるかもね?」
立香「いや、ホームズでなくっても、私がカルデアで何をしていたかを知っていれば予測は可能かも?」
立香「でもセミラミス。あなたにはわかりようがない」
巴御前「……空中庭園に今日まで引きこもっていましたからね。それはそうでしょう」
立香「わかりようがないことをセミラミスは何故知ってたのか?」
立香「更には、ジャックがクマと評したあのぬいぐるみを、何故セミラミスは正しく『ネコ』と認識できたのか」
立香「藤丸立香しか知らないことをピンポイントで知る方法。心当たりがないわけでもないなー」
セミラミス「言ってみろ」
155
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 20:03:55 ID:PYZD6SME
立香「藤丸立香本人に訊けばいい。というより方法はそれしかない」
立香「ただし、私には『セミラミスに対してそれを喋った記憶』が一切ない」
立香「齟齬があるなぁ? 埋めようがない齟齬だ。あれ? でも待てよ? 可能性はあるかもな?」
立香「私の意識が混濁してたあのときなら!」ズバァァァァンッ
セミラミス「ぐ……ぬ……!」
立香「実験のつもりだった? 効くかどうか試してみて、思いのほか上手く行って興奮したのかな?」
立香「取り留めのない質問を連発したんだよねぇ? セミラミス?」
セミラミス「……知らぬな。我は――」
立香「自白剤なんて投与してない? なら訊こうか。なんでアレを『ネコのぬいぐるみ』だなんて言ったのか!」
セミラミス「!」
立香「……モードレッドも言ってたっけ? あえて同じことを言おうか。『どんだけ舐めてたんだテメェ』」ギロリ
巴御前(うわー……静かなのが逆に怖い……)
156
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 20:25:51 ID:PYZD6SME
立香「空中庭園での媚薬漬け。私が口を滑らせたのだとしたら、あのときしか考えられない」
立香「自白剤もあったんだよね? いや、それともストレートに媚薬兼自白剤だったのかな?」
セミラミス「……で? 自らの心根を暴かれて、汝は相当腹が立っているというわけか?」
立香「いや? サーヴァントが自分のマスターの心情を知りたいと思うのは当然の欲求だよ。その点に関しては責める気はない」
立香「死ぬほど不愉快なのは私個人の感情だしね。この点で当たり散らしても、大人気ないだけだ」
立香「言ったでしょ。問題なのは『私より先にマシュにプレゼントしたこと』なんだって」
セミラミス「ぬ?」
立香「……ははっ。あはははははは! いやぁ、見た? 巴。マシュのあの困った顔!」ケラケラケラ
巴御前「え。ま、マスター? 大丈夫ですか?」アタフタ
立香「大丈夫なわけないだろ。誰も彼もに当たり散らしたい気分だ」ギンッ
巴御前「」
セミラミス(これは……地雷を踏んでしまった、か? だが……)
157
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 20:42:13 ID:PYZD6SME
セミラミス「それはそれで汝の私情だし、なんなら自白剤の件で激怒してた方がまだ大人気があったと思うのだが?」
立香「うるっさいなぁ! とにかく私は怒ってるの! 目玉の奥が熱暴走で爆発しそうだよ!」プンプン
立香「と、いうわけで。セミラミス。悪いんだけど私は憂さ晴らしをしたいと思うんだ」
立香「泣いたって許してやらないからね」
セミラミス「……ククク! バカめ! 我が汝を泣かせることがあっても、我が汝に泣かされることなどあるものか!」
立香「……賭けてみろよアッシリアの女帝。後で謝ったって遅いからな」ペイッ
セミラミス「……なんだ? 今なにを投げた?」
立香「あなたのお望みのものを。あなたにとって最悪の形で!」キィィィンッ
立香「――告げる! 汝の身は我が下に。我が命運は汝の剣に!」
セミラミス(詠唱?)ピクッ
巴御前「マスター。召喚を……!?」
ドシュウウウウウッ
158
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 20:49:31 ID:PYZD6SME
立香「へえ。来たじゃない。最初の十回で上手く行ったものだなぁ」
立香「歓迎するよ。エネゴリくん」
エネゴリくん「ウホ!」ペコリ
巴御前「……」
巴御前(……なんとなくわかってきたかも。マスターが何を考えているのか)ダラダラダラ
セミラミス「ギルタブリル! 久しいな! また会えるとは思わなかったぞ!」キラキラキラ
エネゴリくん「ウホ!」
立香「じゃあエネゴリくん。最初の仕事」
エネゴリくん「ウホ?」
セミラミス「……わかってきたぞ。我にギルタブリルをけしかけるつもりだな? 薄い本のように! 薄い本のように!」
立香「なんかどんどん俗っぽくなっていくな。どこで覚えたのそんな言葉」
立香「そんなことしないって。だってセミラミス、前に言ってたし。『乱暴な男は好かぬ』って」
セミラミス「……ヌ……では何を?」
159
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 20:57:58 ID:PYZD6SME
立香「わかるよね、エネゴリくん。今回は私が主だよ。セミラミスの言うことより私の方が優先。だよね?」
エネゴリくん「ウホ!」コクリ
セミラミス「え?」
立香「――空中庭園に向かって。今までカルデアから無断拝借したものを全部取り返してきて」
エネゴリくん「ウホッ!」ダッ
セミラミス「……」
セミラミス「何ィーーーッ!?」ガビビーンッ
巴御前「……ああ。なるほど。立場逆転、ですね」
立香「いい薬でしょ。ん? 今の言い方は、最古の毒殺者相手には気が利いてるな」
巴御前「ついでに私が運び込んだぴーえすふぉーも戻してもらいましょう」
セミラミス「ま、待て。貴様らァ! 女帝の持ち物に手を出すとは、不敬ここに極まっておるぞ!」ガシイッ
立香「うわっ! 離してよ! 気安く触らないで!」ムギギギギ!
セミラミス「このっ……! 面白い顔のまま蝋で固めてやろうか……!」グイイイイイッ
立香「ほっへをひっはふはー!」 訳:ほっぺをひっぱるなー!
巴御前(……確かに大人気ないですね。どちらも)
160
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 21:23:21 ID:PYZD6SME
セミラミス「ぐ……ぐ、くそ! こんなことをしている場合ではない! 一刻も早く空中庭園に!」ダッ
立香「行かせると……思う?」
セミラミス「……?」
立香「巴。拘束を」
巴御前「了解」ガシイッ
セミラミス「!?」ガーンッ
立香「立場逆転、ねえ? 的確だと思わない? 私は思う。なので……」
立香「今度はあなたが軟禁される番だ。私の可愛いサーヴァント」
161
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 21:42:49 ID:PYZD6SME
セミラミス「……く、ククク……ははははははは!」
セミラミス「ふざけるなよ……! 我が! アッシリアの女帝が! 最古の毒殺者が! よりによってこんな小娘なんぞに!」ジタバタ
立香「不服?」
セミラミス「見ればわかるであろう!」
立香「ああ、そう。そうか。うんうん」
立香「……あーーー! いい気味!」ニコッ
セミラミス「」
立香「私に逆らうな、とまでは言わない。当然でしょ。そういう関係は求めてない」
立香「セミラミスの持ち味を、マスターの私が潰すのはどう考えても悪手だし」
立香「……でもまあ、私だって人間だからさ。腹が立つし、度が過ぎれば怒るんだよ」
立香「話し合う時間はこれからたっっっっっぷりある。簡単に根を上げたりしないでよ」
セミラミス「……我を誰だと思っている。根を上げるだと? バカめ。こちらの台詞だ」
セミラミス「よかろう。その提案、受けてやる。だからせいぜい……」
セミラミス「我に寝首を掻かれぬよう、気を付けよ。我が愛しのマスターよ」
162
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 21:56:47 ID:PYZD6SME
それからちょっと時間は流れて
マシュ(セミラミスさんは、しばらくカルデアに滞在しました。マスター認可のもと同室で寝泊まりまでしています)
マシュ(たまにセミラミスさんの気まぐれに付き合わされたマスターが溜息を吐いたり)
マシュ(逆に、度を越したイタズラを行うセミラミスさんをマスターが強引に止めたりと、細かい諍いはたえませんでした)
マシュ(でも)
立香「セミラミス。荷物ちょっとくらい持ってくれない?」スタスタ
セミラミス「断る。我は箸より重いものは持たぬぞ」スタスタ
マシュ「あ、あの」
立香「あ。マシュ。ごめん、ちょっと急いでるから用事なら後でね。緊急ならダヴィンチちゃん通してくれれば、すぐに飛んでいくから」
セミラミス「……期間はあとどの程度だ?」
立香「三日もないなぁ……そろそろ仕上げないと。手伝ってくれる?」
セミラミス「モデルの提供はしたであろう」
立香「……ありがたいけどさ……ていうかあのネコアルク? ってどこから連れて来たの?」
セミラミス「カルデアのデータベースを漁っていたら見つけた」
マシュ「……」
163
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 22:07:37 ID:PYZD6SME
マシュ(なんか……ハブられてます)グスン
セミラミス(む? マシュがなにやら悲しそうな顔をしておるな……)
セミラミス「購買で焼きそばパンでも売り切れていたのか?」
立香「ん? なんの話?」
セミラミス「いや。なんでもない。戯言だったな。とにかく早めに完成させよ。深夜まで作業しているせいで部屋の明かりが消せぬ」
立香「はいはい」
セミラミス「……」
セミラミス「ふむ。悪くない、な。少なくとも退屈ではない」
立香「そう?」
セミラミス「……リツカ」
立香「うん。何?」
セミラミス「来年になったら我にもぬいぐるみを寄越せ」
立香「……うん。忘れてなければ、ね。これからもよろしく、セミラミス」ニコリ
おわり
164
:
逆転の人
◆SxyAboWqdc
:2018/10/17(水) 22:09:48 ID:PYZD6SME
終ーーー了---!
まとめ依頼ってどこでやるんすかね!
これやってる内にVIP復活しちゃって滅茶苦茶焦ったんすよね!
最終的に駆け足になっちゃったが仕方ない! これはこれで満足だ!
VIPに戻ってなんかするぞ! まとめ依頼を出した後でな!
165
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/17(水) 22:55:49 ID:nqnH4pjI
おつ
166
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/18(木) 09:46:31 ID:AjrxFhDQ
うぁぁぁぁ!セ…セミラミスがカルデアを練り歩いてる!!
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