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セミラミス「物凄い退屈なのでカルデアを練り歩く」
1
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 19:12:21 ID:Q0KTc/zM
セミラミス「カルデアに召喚されて一か月。やっとのこと我専用の玉座が完成した」
セミラミス「シミュレーターとは言え存外心地が良いものだな。うんうん」
セミラミス「はっはははは。やり切った。やり切ったぞ我は。ははは」
セミラミス「……暇だな。退屈だ。この広い空間に我一人となればさもありなん」
セミラミス「どうしてくれようか」
セミラミス「……マスターを呼ぶか」
2
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 19:22:23 ID:Q0KTc/zM
シミュレーター内 虚栄の空中庭園
立香「げほっげほっ! うえええっ……!」ゴホゴホ
セミラミス「よく来たな我がマスター! 藤丸立香よ! まずは長旅ご苦労さまと言ってやろう!」
セミラミス「物理的な距離はそうでもなかったが、首に鎖を巻きつけて無理やり引っ張ったからな! 肉体的に相当苦痛であっただろう!」
セミラミス「持て成すぞ? 緑茶とほうじ茶とコーラとアクエリアス、どれがいい?」ワクワク
立香「い、今それどころじゃないんだけど……乙女の肌に痕が残るようなことしないでよ……!」エエッホエッホ!
セミラミス「我お手製の保湿クリームをやろう。治験としてバイト代も払うぞ」ヒョイッ
立香「イヤな予感がするから遠慮させてください……」
立香「あー、びっくりした。それで。何の用です? さっきまでマシュとリバーシやってた途中だったんすけど……」
セミラミス「暇だ。我の退屈を癒せ。できなければ斬る」
立香「斬る!?」ガビーンッ
セミラミス「もしくはバシュムのエサにする」
バシュム「ジュララララララララ!」フシュルルルルル
立香「どっちにしろ死ぬ!」ガビーンッ
3
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 19:39:13 ID:Q0KTc/zM
立香「なるほど。最近まではチクチクと宝具をシミュレーター内で作ってたのが終わったから」
立香「急に暇になったので相手をしろと」
セミラミス「直接的に相手をしなくともよいぞ? 暇を潰せるいい娯楽を紹介できるのであれば」
立香「天草くんに相手してもらうとか……」
セミラミス「召喚できたのか?」
立香「未召喚でした……」ズーン
セミラミス「であろう。仮にいたとして積極的に関わろうなどとは思わぬしな」
セミラミス「なのでそれ以外の娯楽を用意せよ。この空中庭園は広いのでな。大抵の遊びには対応できると思うぞ?」ワクワク
セミラミス「必要な人材がいれば我が連れてこよう。なぁに、その程度は女帝としての我の甲斐性だ」
立香(面白いくらい自分の都合しか話さないなぁ)
4
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 19:40:44 ID:Q0KTc/zM
立香「別に連れて来るのは構わないけど、さっきみたいな鎖ジャラジャラはちょっと……」
セミラミス「なに? 不満か」
立香「それもそうだけど、まずそんな不快な方法で連れてこられたら一緒に遊ぶ気も失せますって」
セミラミス「ふむ。そうか。ならば別の方法を検討しよう。そうさな……」
セミラミス「……ふーむ。今の出力なら呼べないこともないか? 小間使いとしては使えるかもしれぬな。そやつに招待を任せるとしよう」
立香「?」
セミラミス「我が攻撃手段として呼び出すバシュムがティアマト由来の蛇だということは知っておるか?」
立香「ああ、うん。図鑑で見た。バビロニアの件もあったし」
セミラミス「今ならギルタブリルをも召喚できるやもしれぬ。あれと同じような原理(ノリ)で!」
立香「原理って書いてノリって読むのやめよう」
立香「……って、ギルタブリル!? それだけはよしといた方がいいよ! 巴がブチ切れるよ!」
セミラミス「はあああああああ! 我が意に応え出でよギルタブリル!」バチバチバチッ
立香「もうやってるーーー! しかもなんか成功しそう!」ガビーンッ
セミラミス「うおおおおおおおおおお!」
バシュウウウウウウッ!
5
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 19:46:54 ID:Q0KTc/zM
立香「あ、ああ……召喚しちゃった……なんてことを」
立香「ん?」
セミラミス「よし。成功だ。よく働けよギルタブリル」
エネゴリくん「ウホ」
立香「エネゴリくんじゃない!? それ!」ガビーンッ
セミラミス「……? エネゴリくん? どう見てもギルタブリルであろう? なぁ?」
エネゴリくん「ウホ」コクンッ
セミラミス「本人もこう言っておるぞ。ギルタブリルだ、間違いなく」
立香「いやいやいやいやいやいやいやいや!」
セミラミス「というわけでギルタブリルよ! 適当に通りすがったサーヴァントを片っ端からこの空中庭園に招致せよ!」
セミラミス「最悪は実力行使で構わぬ!」
エネゴリくん「ウッホ! ウッホ! ウッホ!」ダッ
立香「行っちゃったーーー!」ガビーンッ
6
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 19:55:13 ID:Q0KTc/zM
五分後
バァーーーンッ!
巴御前「一定の安寧が約束されるべき拠点に『こんなもの』を持ち込んだ命知らずはここですか?」ズリズリズリ
エネゴリくん「」ボロッ
立香「エネゴリくーーーんっ!」ガビーンッ
巴御前「……? えね、ごり? なにを言っておられるのですか。コイツはティアマトの十一の獣が一画、ギルタブリルですよ?」
立香「嘘でしょ!? 嘘だよね巴! マジで言ってる!?」
セミラミス「……貴様一人だけか……まあいい。巴御前と言ったか。我の退屈を癒せ」
巴御前「?」
立香「ひとまずエネゴリくんの首根っこを掴んで引きずるのやめよう! ね! ね!」アタフタ
7
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 20:08:04 ID:Q0KTc/zM
五分後
巴御前「なるほど。死ぬほど退屈だったから適当に人を呼んでいた、と」
巴御前「その過程であのバケモノをカルデアに放った、と」
巴御前「マスター。この人はこのまま放置してよい類ですか? 私にはどうもブラックリスト直行のド級危険人物にしか見えないのですが」
立香「悪気はないからさ……いや悪気なくこんなことしてる時点で確かに危険だけど……」
巴御前「まあいいでしょう! 遊びたいというのであれば私にも考えがあります! ゲームをしましょうゲームを!」ワクワク
セミラミス「その手のものには疎い。適当に持て」
巴御前「お任せを! あ、ところで……」
巴御前「まだ息があるようですね……それの処理は如何様に?」ギロリ
エネゴリくん「」ビクビク
セミラミス「後で適当にこちらが処理する」
巴御前「それならいいでしょう!」グッ
立香「今すぐ帰そう! ガソスタに!」
8
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 20:22:46 ID:Q0KTc/zM
その後
巴御前「……あ。ここって電気が通ってるんですね……据え置き機も持って来れるかな……」
セミラミス「……ム。なんだこれは。タイプ? 存外多いぞ」ポチポチ
巴御前「あ。タイプ相性表は私が手作りしたものがこちらに」
セミラミス「ふむ……?」ポチポチ
数時間後
イギアリ!
セミラミス「……推理ゲーというものも案外、スリルがあるものだな……」
立香「わかるよ。割と不気味な雰囲気もあるからね……」
巴御前「あ。次はこの証拠を……」
セミラミス「口を閉じよ! 冗談ではすまぬぞ……!」
巴御前「す、すみません! つい……! 推理ゲーでネタバレは致命的ですよね」
9
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 20:26:38 ID:Q0KTc/zM
数時間後
セミラミス「……むう。狩りゲーに関しては、我はどうとも言えぬな……」カチャカチャ
セミラミス「こう、微妙に足手まといになっておるような……?」
巴御前「強い武器で格下相手に無双するのが楽しくてつい……」カチャカチャ
セミラミス「それ以前にプレイヤースキルが我と貴様では違うであろう……ん? マスターはどこに……」
立香「ぐー」スヤァ
セミラミス「寝落ちか! まだ途中というに!」ガーンッ
数時間後
立香「……はっ! 寝てた! あ、あれ。毛布? 誰がくれたの?」
巴御前「セミラミスさんが用意したものですよ。かけたのは私ですが」
立香「ごめん巴。途中で寝ちゃった」
巴御前「いえ。いいんですよ。というかサーヴァントの私たちに付き合って貫徹ゲーム祭りとかする必要もありませんし」
立香「貫徹!?」
セミラミス「……存外楽しかったな」ホクホク
立香(本当だ。微妙に満たされた顔になってる)
10
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 20:40:00 ID:Q0KTc/zM
セミラミス「一日目はゲーム三昧。実にいい趣向であった。大儀である」
巴御前「お気に召したようで何よりです」
セミラミス「だが二日目も、というわけにはいかん。飽きるであろうしな」
巴御前「え」
立香「……あの。つかぬことをお伺いしたいのですが」
セミラミス「なんだ?」
立香「私がここに来てからどの程度の時間が経ったので?」
セミラミス「大体十三時間か……?」
立香「日付変わってるじゃん!」ガビーンッ!
巴御前「私としたことが、夢中になって時間を忘れてしまうとは……!」
11
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 20:44:58 ID:Q0KTc/zM
立香「セミラミス! 私、そろそろ帰りたいんだけど! マシュの前から急に消えたから多分心配させちゃってると思うし!」
巴御前「多分? いえ、心配してましたよ」
立香「え」
巴御前「ですので、空中庭園に誘われて、そこで遊んでいますと伝えておきました」
立香「ちょっと待って。いつの間に」
巴御前「ぴーえすふぉーを外から空中庭園に運び込むときに見かけたので……」
立香「そういえば据え置き機を持ってくるって言ってたね!」ガーンッ
セミラミス「もうトモエも出さんぞ。光栄に思え。貴様はマスターと同じく空中庭園の客として持て成そう」
巴御前「ええーっ……」
12
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 20:49:27 ID:Q0KTc/zM
セミラミス「さて。ギルタブリル! この空中庭園に新たなサーヴァントを招待せよ!」
エネゴリくん「ウホ!」シャキーンッ
立香「まだ帰してなかったの!?」ガビーンッ
巴御前「……またそれを使うので?」
セミラミス「そう言うな。我が扱う限りは無害だぞ?」
立香「後でちゃんと然るべきところに返してあげてね! 約束だよ!」
セミラミス「……」ニガニガ
立香(滅茶苦茶イヤそうな顔してる!)ガーンッ
13
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 20:57:58 ID:Q0KTc/zM
イベント進めるのでちょっと休憩
14
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 21:30:29 ID:Q0KTc/zM
数分後
イヤー イヤー ヤメテー! オカサレルー!
立香「……ん。この耳につくヘタレ声は……」
バターンッ
刑部姫「えーん! 助けてー! エリエリー! まーちゃーん!」エグエグ
立香「あ、やっぱり! 刑部姫!」
刑部姫「え? マスター? なんでこんなところに……」
巴御前「おお。刑部姫でしたか。また随分と濃い人を連れてきましたね」
刑部姫「巴ちゃんも……え? なにこの集まり?」キョロキョロ
セミラミス「何故また一人なのだ……ん? 抵抗が? 割と厳しくて? 一人が限界だった?」
セミラミス「相手がサーヴァントなら仕方がない、か」
15
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 21:50:30 ID:Q0KTc/zM
数分後
刑部姫「なるほどー。女帝の退屈しのぎに揃って巻き込まれて脱出不可能になったってわけね」
刑部姫「……なるほどー」
刑部姫「……頭痛くなってきた。帰りたい。そしてなんでエネゴリくん?」
立香「あーよかったー! やっぱりあれエネゴリくんだよねー! 閉鎖空間に閉じ込められて認識機能が狂ったのかと思った!」
セミラミス「どうでもよい。それで。貴様はどうやって我の退屈を癒してくれるのだ?」
刑部姫「テレビがあるんでしょー? で……ああ、うん。PS4もある。条件はそろってるかなー」
刑部姫「ネット環境を引っ張って来れればそれなりに役立つと思うけど」
立香「何するの?」
刑部姫「ゲーム三昧、の次はアニメでしょ」
16
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 21:56:17 ID:Q0KTc/zM
数分後
セミラミス「アマゾンプライム……そんなものが……」
刑部姫「意外に気づいてない人いるんだよねー。PS4でアマプラとか見れるってことに」カチャカチャ
巴御前「なんと。ぴーえすふぉーにそのような機能が」
立香「最初は何見る?」
刑部姫「厨二病の学生がタイムリープしまくるあの作品とかどう?」
立香「いいね!」
セミラミス「任せよう。つまらなかったら貴様の首を刎ねるのみだからな」
刑部姫「!?」ガビーンッ
17
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/05(水) 22:36:30 ID:Q0KTc/zM
今日のところはここまで! 眠い!
VIP速報はいつになったら復旧かな
18
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/06(木) 14:54:06 ID:PdAQZUXA
ノリとガビーンッでまさかと思ったが・・・
19
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 18:36:21 ID:dZynFVqY
数分後
20
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 18:39:09 ID:dZynFVqY
メールガ……カコニオクラレテイル……
セミラミス「……伏線をぽいぽい投げているだけで最初の展開は遅いな……」
立香「SFならこんなものじゃない?」
刑部姫「スラングって足が早いなー。今使ったら不自然なヤツのオンパレードだよ」
巴御前「あ。飲み物を持ってきますよ。何がいいです?」
21
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 18:44:12 ID:dZynFVqY
数十分後
ナニイッテルンダ……トラノアナナラソコニ……!?
巴「回を越すごとに不穏さが増しているのですが……?」
セミラミス「……」ハラハラ
立香(さっきからセミラミスの口数が少なくなってる……)
刑部姫「ねー。お菓子切れちゃったー。誰か持ってきてー」
巴「あ、それでは私が……」
立香「それにしてもこのお菓子の備蓄、いつの間に……」
更に数十分後
ナンダヨコレ……ナンダヨコレ!
セミラミス「……!?」アワワワワワ
巴御前「え……死……え!? 死ん……え!?」アタフタ
立香(リアクションめっちゃ面白い……口に出したら怒られるから言わないけど)
22
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 19:16:56 ID:dZynFVqY
数十分後
シッパイシタシッパイシタシッパイシタアタシハシッパイシタ
セミラミス「……」ボーゼン
巴御前「……」←頭を抱えてふさぎ込んでいる
刑部姫「わかる」
数十分後
セミラミス「……」ワクワク
巴御前「やっとのこと光明が見えてきましたね……みんなには可哀想ですが……!」
立香「あ。ジュース切れちゃった……次どれ飲む?」
巴御前「緑茶で!」
23
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 19:21:35 ID:dZynFVqY
数十分後
アッタ……IBN5100ダ……
セミラミス「……」グッ
巴御前「長かった! そして辛かった時の旅路もこれで終了ですね!」
巴御前「希望の未来にレディゴーです!」キラキラキラ
ソレッテアレデショ ワタシガラジカンデササレタッテヤツ
アッ
セミラミス「んっ?」
巴御前「えっ」
数分後
セミラミス&巴御前「……」←揃って頭を抱えている
立香(ちょっとどうかと思うくらいハマってる!)ガーンッ
24
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 19:28:30 ID:dZynFVqY
数分後
ナニカガカワルハズダ……ナニカガ!
巴御前「そうです頑張れ頑張れ頑張ってくださいなんとかしてくださいお願いします」
オカリンッ
ドグシャアッ
巴御前「うああああああああああああ!」
セミラミス「……」←固まっている
数分後
オカベ……ワタシモアナタノコトガ……
グニャアアアアアア
セミラミス&巴御前「……」←目が死んでいる
25
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 19:34:57 ID:dZynFVqY
数分後
アタシトイッショニタイムマシンニノッテ……
巴御前「来た! タイムマシンが来ました! これで勝てます! 今度こそ! 今度こそは!」
セミラミス「……!」キラキラキラ
数分後
シニタクナイ……シニタクナイヨ……
ウワァァァァァァァァ!
巴御前「」
セミラミス「」
刑部姫「白目剥いてる!」ガーンッ
26
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 19:46:37 ID:dZynFVqY
視聴終了 映画版含めて
セミラミス「……」
セミラミス「大したことはなかったな! くっはは!」キラキラキラ
立香「めっちゃリアクションしてましたけど!?」ガビーンッ
刑部姫「強がりもここまで来たかー。流石は女帝、キラキラした笑顔でよく言うね」
セミラミス「黙れ。暇潰しにはなったことを認める。だから黙れ」
巴御前「よかった……本当によかった……最初はあの厨二? というアレが若干キツかったですが」
巴御前「あれ? まだ続きがありますね。二期というヤツでしょうか」
立香「あっ、それは……」
27
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/06(木) 19:52:35 ID:dZynFVqY
視聴中
テニスサークルダ
セミラミス「我の鳳凰院凶真を帰せ誰だ貴様はふざけておるのかァ!」ウガァ!
立香「今までずっと無言だったのに!」ガーンッ
巴御前「え……え……あ、諦めて……あ、あれっ?」ガタガタ
立香「これ別ルートみたいなもんだから気にしないでいいよ。あっちのハッピーエンドは揺るがないから!」
刑部姫「まー面喰うよね。さっきまでのギャップ含めてさ」
結果的に二日目のアニメ鑑賞会もそれなりの暇潰しとなりました
28
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 17:26:54 ID:fr1A3H5o
数十分後
立香「……本当にそろそろ帰してくれませんか。シャワー浴びたいし」
セミラミス「ギルタブリルに用意させたぞ。そら、その扉の向こうだ」
エネゴリくん「ウホ」
巴御前「おお。入浴剤の香りが」
立香「き、着替え……」
セミラミス「当然用意しておる」
刑部姫「軟禁状態にする気満々だねー。じゃ私はこれで」
セミラミス「貴様も帰さん」
刑部姫「あっはっはっはっは……嘘やん」ガーンッ
29
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 18:50:52 ID:fr1A3H5o
刑部姫「いやー。それでもやっぱり帰らせてもらうかなー。一応これでもサーヴァントの端くれだし」
刑部姫「ダルいけど全力で抵抗すれば逃げる程度はできるかもよ?」
セミラミス「そうか。ならば白状しよう。出口はあの扉の向こうだ。ただし」
刑部姫「逃げるんだよォォォォォォォ!」バッ
立香「あ、逃げた」
バタムッ
刑部姫「ふはははは! 姫にできぬことなどな……あれ。エネゴリくん? なんでこんなところに。さっきまであっちにいたはず……」
ビリバリバリッ
刑部姫「ぎゃああああああああああああああっ!」
立香「おっきーーーっ!」ガビーンッ
30
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 18:59:07 ID:fr1A3H5o
セミラミス「ある程度間取りを変えることができるので出口の方角がわかったとしても出れるかどうかはわからぬぞ?」
セミラミス「あとギルタブリルは庭園内限定で高速移動が可能だ」
立香「扉の向こうで一体何が……!」
バタンッ
バニーガールと化した刑部姫「ぐへっ」ベシャッ
巴御前「帰ってきましたね。無事よようでなによりです」
バニーガールと化した刑部姫「服を見て服ゥ! これが無事に見えますかァ!?」プンプン
立香「似合ってるよ」
刑部姫「え? そ、そう?」テレッ
刑部姫「……でもこんな姿じゃもう外出れない。ハズい」ズーン
セミラミス「当然貴様も持て成す。帰さん」
刑部姫「があああああああ! 締め切りがああああああああ! まだネームしか終わってないのに!」
31
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 19:50:33 ID:fr1A3H5o
セミラミス「ともかくさっさと湯浴みをして、体を磨いてくるのだな」
セミラミス「そうだ。刑部姫よ。そのバニーガールは貴様にやろう。褒美だ」
刑部姫「気分的には押し付けられたに近いんですが!?」
巴御前「マスター。お風呂に参りましょう。背中をお流しします」スタスタ
立香「一人でできるって。でも一緒に入るってアイディアは悪くないかも」スタスタ
刑部姫「……え。一緒に? 入るの? ちょっと待って資料になるかもしれないから姫もー」スタスタ
セミラミス「……さて。気になったところを見直すか」ポチポチ
二日目終了
32
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 20:15:57 ID:fr1A3H5o
三日目
セミラミス「さて。朝だ。朝だぞ。朝だな?」ワクワク
刑部姫「うっわー。朝っぱらから超ワクワクした顔してるよこの女帝。嫌な予感しかしないー」
巴御前「滅多なことは言わぬが花ですよ」
立香「……二日連続で庭園の広さをまったく活かしてないマキシマムインドアレクリエーションしかしてないんですけど……」
立香「今日はどのような趣向で行くので?」
セミラミス「待て。その前に貴様らにはやってもらうことがある」
立香「何?」
セミラミス「長期休暇の朝と言えばラジオ体操だと聞いたので音源を用意したぞ」ババーンッ
立香「この人もう思考回路が夏休みの子供かなにかだよ!」ガビーンッ
巴御前「……確かにずっと外出してなかったので体を動かすのは賛成です」
刑部姫「姫としてはその意見に反対である」
セミラミス「そうか。聞かぬ。ラジオ体操をするぞ!」
33
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 20:53:41 ID:fr1A3H5o
空中庭園 上部
刑部姫「うおー! うわー! 凄いー! シミュレーションの中の設定とは言えこれはちょっと感動かも!」
立香「本当に『空中』なんだ……」
セミラミス「絶景であろう。簡単に作ったものだから効果と規模は多少劣るが、それでもな」
巴御前「これで軟禁状態でなければ素直に楽しめるのですが」
セミラミス「ラジオ体操の準備をしろ! ギルタブリル!」
エネゴリくん「ウホ!」カチッ
刑部姫「謹んで辞退させていただきま――」
セミラミス「我の鎖で操り人形にされたいか?」ジャララッ
刑部姫「命懸けでレィディオ体操しまっす!」
立香「かしこい」
刑部姫「うるさいー! 皮肉は受け取りませんー!」
34
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 21:20:37 ID:fr1A3H5o
数分後
セミラミス「よし。『よくできました』のスタンプを押してやろう。それと水分補給にスポドリもな」テキパキ
刑部姫「あー疲れた」グビグビ
巴御前「……」
立香「どうかしたの? 巴」
巴御前「いえ……あの有名な空中庭園に来て……普通ならば見ること能わぬ絶景を見て……」
巴御前「改めて『私は一体こんなところまで来て何をしているのだろう』と我に返ってしまって」ズーン
立香「このタイミングで!?」ガビーンッ
セミラミス「さて。運動も終わったところで今日も今日とて誰かを招待するか。ギルタブリル!」
立香「あ。セミラミス。これ以上は本気でお勧めできないんですけど」
セミラミス「なに? 我に意見するのか? まあよい。理由さえ話せば特別に許してやろう」
立香「この二人はたまさか上手く行ったけどさ。『暇を潰すため』って名目でうっかり呼び込んだら大惨事になりかねない英霊がいるでしょ」
立香「その人たちをこの空中庭園に招き込んだりしたら……」
セミラミス「……」
35
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 21:27:49 ID:fr1A3H5o
パターン1
ネロ『なに!? 暇と申すか! よかろう! 余が特別にこの黄金宮殿を貸してやろうではないか!』
ネロ『ぼえーーー!』ドグシャアアアアアアッ
パターン2
エリザ『なに? 暇なの? それで私をここに呼び込んだってわけ?』
エリザ『普段ならその不遜の対価を血で贖ってもらうところだけど、ファン相手なら無下にできないわね! いいわ! 歌ってあげる!』
エリザ『ぼえーーー!』ゴカァァァァァァンッ!
セミラミス「……よかろう。これ以上の招待は慎重に、な」
立香「わかってくれてよかった」ホッ
巴御前「本音は?」ヒソヒソ
立香「これ以上、被害者は増やせないでしょ」ヒソヒソ
36
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/07(金) 23:47:44 ID:fr1A3H5o
今日のところはここまで!
明日は美食編。しかしミッション系のイベントは大分体力使うな……これで配布サーヴァントの育成ミッションも多分あるんでしょ。やべぇよ
37
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/08(土) 16:57:19 ID:JUYe.ltU
セミラミス「しかし……ふむ。それはそれとして、だ。ギルタブリルはカルデアに派遣せねばならぬ」
立香「ん? どうして」
セミラミス「食料がそろそろ心もとないのでな。量はともかく種類が……ちょっと偏った食事をしすぎた」
巴御前「それは……確かに。そこも反省すべき点ですね」
刑部姫「んー。姫たちサーヴァントは全然大丈夫だけどマスターちゃんがねー」
立香「この年でデブデブになるのは勘弁したいなぁ。確かに」
セミラミス「そういうわけでギルタブリルを向かわせる!」
セミラミス「……そうだ。そのついでに次の娯楽の方向性も決めておこう」
刑部姫「この中で料理できる人っている? 姫はあまり自信がないっていうか面倒なんだけど」
セミラミス「……!」ピーンッ
38
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/08(土) 19:46:50 ID:JUYe.ltU
数分後
セミラミス「雲の上! そう! 青空! 一度でいいからやってみたかったのだ!」
セミラミス「バー! ベ! キュー!」ドーンッ ドーンッ ドーンッ
刑部姫「なんでそんなにテンション上げてるの」
セミラミス「バーベキューだぞ?」
刑部姫「あっはっは。あのさー女帝サマ。このひきこもり姫がバーベキューとか陽属性丸出しのイベントではしゃげる人間に見えます?」
セミラミス「バカ者めっ!」ベシーンッ
刑部姫「びんたっ!?」ヘブッ
セミラミス「我とてどちらかと言えば闇属性だぞ!」
刑部姫「あーもー! なんなのよこの女帝! さっきから信じられないくらい絡みづらいんだけど!」
39
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/08(土) 20:04:41 ID:JUYe.ltU
立香「……鍋とかある」
巴御前「飯盒もですね。バーベキューだけでなくって本格的な料理全般できます」
セミラミス「しろ。我もするからな」
立香「セミラミスって料理って……」
セミラミス「できるぞ。チョコパスタ、蜂の子パフェ、シャケのコーラ煮」
立香「全部絶妙にゲテモノじゃん!」ガビーンッ!
セミラミス「チョコパスタに関しては既にできておる」ジャーンッ
立香「誰が食べるの!?」
セミラミス「汝が食え」グイーッ
立香「がぼふっ……もがっ……もがっ……美味っ!?」ガーンッ
40
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/08(土) 20:49:22 ID:JUYe.ltU
セミラミス「ギルタブリルが食糧を持って帰ってきたら本格的にバーベキューを開始するぞ」
セミラミス「それまでは各自料理を作れ! そして我によこせ!」
セミラミス「特にトモエには期待しておるぞ」ニヤァ
巴御前「レシピと材料さえあれば大抵のものは作れると思いますが……」
セミラミス「……割と一般的な料理スキルの範囲だな……?」
刑部姫「包丁を一度も持ったことないって人よりは頼れると思うけど」
セミラミス「マスター?」
立香「巴と似たようなものかなぁ……」
セミラミス「期待しすぎたか? この空中庭園で一番料理が上手いのはまさかのギルタブリルか……」
刑部姫「あれ料理できるの!?」ガーンッ
立香「朝ご飯は私が作ってあげるから、みんなは座ってていいよ」
刑部姫「わーい」
41
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/08(土) 21:46:13 ID:JUYe.ltU
数十分後
セミラミス「……」
立香「セミラミス。レシピうろ覚えだったけど各種サンドイッチの味は大丈夫そう?」
セミラミス「む……」
立香「刑部姫。巴。味噌汁のお代わりはあるから好きにとってってね」
巴御前「……ど、どうも……」
刑部姫「おいしい……」
セミラミス「……パン派とご飯派で朝ご飯を分けるとは……賢しいマネを」
立香「レオニダスの筋トレから逃げる口実に『ごめんエミヤから料理教わる予定だから』って言ったら本当に叩き込まれちゃって……」
42
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 08:51:52 ID:VmL0zUz.
セミラミス「美味い……いやサンドイッチなら誰が作ってもそれなりに美味しくなるが……美味い……」モグモグ
巴御前「というかご飯とパンの両方料理するって時点で料理の美味しさより『要領の良さ』が凄いですよ」
刑部姫「え? え? 嘘でしょ。特異点では頭ゆるゆるのド天然なのに。姫ってばこの子より女子力が下なの」ガタガタ
立香「刑部姫が私を普段からどう思ってるかはよーくわかった」
立香「こっちはバレンタインのとき何十人分ものサーヴァント男子にチョコ配ってたんだよ。料理程度なら多少は要領よくやらないと」
立香「……まあエミヤと比べたら恥ずかしくなるくらい簡単な物しかできないけど」
巴御前「いえ! いいえ! とても素晴らしいことだと思います!」
セミラミス「……よし。今日の娯楽は汝が主導せよ。任せる」ポンッ
立香「!?」ガビーンッ
43
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 09:49:02 ID:VmL0zUz.
数十分後
44
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 10:01:13 ID:VmL0zUz.
セミラミス「ギルタブリルが戻ってきたぞ。早速開始だ!」
立香「ええと、こういうときはカルデアのデータベースに頼るのが一番だよね……バーベキューの下準備は……」
刑部姫「この固形燃料ってヤツをコンロの中にぶちこめばてっとりばやく火力上がるんじゃない?」
立香「絶対にやめろって書いてあるからよしてね? 火を起こすときはともかく火を起こした後は」
巴御前「……燻製用の設備もありますね。お肉を焼くのと同時進行でこちらも使ってみてはどうでしょう」
立香「巴にそっちは任せるよ。問題はそもそも何を食べたいかだよなー」
立香「肉、肉、肉、申し訳程度に野菜……あ、マシュマロとかを焼いてみるのも面白いかな……」
セミラミス「一つ聞きたいのだが、焼肉屋に行ってタマネギやピーマンを注文したとしよう」
セミラミス「汝はそれを網で焼く。肉と同時進行でな?」
セミラミス「しかし肉は焼けた傍からはけていくのに対し、野菜は中々手がつかない」
セミラミス「そんな光景を目にしたことはないか?」
立香「あるけど! あるけどだからって肉ばかりはちょっと! 体裁だけでもさ!」
45
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/09(日) 10:18:11 ID:xMAOgsGk
肉が焼けるまでの間に野菜を食うのではないのか?
46
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 10:49:13 ID:VmL0zUz.
巴御前「やはり素人がいきなりバーベキューは難易度が高いのでは……」
セミラミス「案ずるな。この本とギルタブリルとカルデアのデータベースがあればそうそう失敗することはない」
逢魔降臨暦「」ドーンッ
刑部姫「それに書いてあるのはバーベキューのやり方じゃなくって魔王の作り方だと思うんだけど!?」ガビーンッ
セミラミス「それと釜戸とかも作ってあるので火はこちらにもよこせ。アップルパイとか作るぞ」ワクワク
巴御前「やりたい放題ですね彼女」
立香「既にわかってたことでしょ」
47
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 18:15:32 ID:VmL0zUz.
数十分後
立香「ツナギに人参スティックとか作ったよ。あとリンゴ剥いた。食べる?」
刑部姫「ヤ、ヤメローーー! それ以上女子力の高いマネをするなァーーーッ!」
セミラミス「さあ釜戸にアップルパイを投入しろ! ギルタブリル!」
セミラミス「……予熱? ああ、なるほど。釜戸にはそういうものも必要なのか」
巴御前「チーズ……鶏肉……豚肉も外せませんよね……こっちはサイドメニューのつもりですからあまり量は必要なさそうですが」
立香「セミラミス。こっちにもエネゴリくん貸してくれないかなぁ。割とやること多いよ?」
セミラミス「よかろう。すぐ返せよ」
刑部姫「頑張ってー」ポリポリポリ
立香「人参食べながらでいいから刑部姫もちょっとは手伝って!」
48
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 18:33:44 ID:VmL0zUz.
一時間後
ジューッ
立香「おお! いい感じ! ていうか正解がわからないならひとまず全部焼けばいいんだよ!」
ボウッ
刑部姫「……ちょっと火力高すぎじゃない? 調整ってどうやんの?」
立香「あっはっはっはっは……わかんない」
立香「……ひとまずこれ以上火力を上げないことだけは決定かなぁ」
巴御前「……レシピを調べていて気付いたのですが、燻製って本当に時間かかりますね」
セミラミス「これならサイドメニューと言わずデザートを作った方がよかったかもしれぬな?」
巴御前「ひとまず今日中には食べられそうなものを中心にやっているので、その点に関しては安心してよいかと」
立香「うおおおおおお頑張れ私の中のエミヤーーー!」ボオオオオオッ
49
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 18:50:05 ID:VmL0zUz.
数十分後
立香「バーベキューなら一度はやってみたいよね。シュラスコで食材をジュージュー焼くヤツ!」
刑部姫「いやー。鉄串に刺した食材を鉄網の上で焼くのは微妙にシュラスコとは違うんじゃないかなー」
立香「似たような物!」
セミラミス「……ム? ギルタブリル。それは……ピザ生地? そんなものを作れと命令した覚えは……」
巴御前「せっかくの釜戸ですし、やってみてもいいのでは?」
セミラミス「むう。我の毒入りアップルパイを蔑ろにするようなマネは慎めよ?」
巴御前「今なんと? アップルパイの前にありえぬ接頭語がついてましたが、なんと?」
50
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 19:43:32 ID:VmL0zUz.
数十分後
立香「ふいー。コンロの方はもう店じまいでいいよね。お腹いっぱいだし」
刑部姫「当然ながらおやつは別腹である! 女帝サマー。そっちはどう?」
セミラミス「む?」グビグビ
刑部姫「お酒飲んでる!」ガーンッ
セミラミス「マスター。ご苦労。初めてにしては中々の催しであった」プハァーッ
立香「うげっ。息が酒臭っ……」
巴御前「まぁーーーったくれすよぉー。未成年もいるからやめた方がいいって言ったんれすけどねぇー」グデグデ
立香「巴も!?」ガビーンッ
刑部姫「出家経験者が酒飲んでっ……いや胤舜くんも飲んでたか……」
51
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 20:01:22 ID:VmL0zUz.
セミラミス「刑部姫。貴様も飲むか? 漬け置きサングリア」
刑部姫「酒税法的にグレーゾーンな代物をそうポイポイ出さないで……」
立香「個人的に消費する分にはギリギリセーフだっけ?」
巴御前「この人が『個人的に消費するためだけの酒』を造れると思います?」
立香「今はセーフでも後々確実にアウトになる宿命かー」
刑部姫「お酒って気分じゃないからいいや。それよりアップルパイはー?」
巴御前「たった今ギルタブリルが焼いています……毒入りじゃないヤツも」
立香「そっか。それならいいけどさ」
立香「毒が入ってるヤツと毒が入ってないヤツの区別はちゃんと付くようになってる?」
セミラミス「あ」
刑部姫「あ、じゃないっつーの!」ウガァ!
52
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 20:33:07 ID:VmL0zUz.
数十分後
セミラミス「ふむ。マスターに毒見をさせることでなんとかなったな」
立香「前のバレンタインのときも言ったと思うけど、毒を意図的に食べさせるのは微妙に気分よくないからやめてくださいよ……」
セミラミス「静謐のハサンにも伝えておこう」
立香「やめてよ!? スキンシップが余計に多くなるから! いやそれ自体はいいけど面倒ごとがバタフライエフェクト的に増えるから!」
巴御前「……燻製の方はもうちょっとかかりそうですね。お酒と一緒に欲しいところなのですが」
刑部姫「次にバーベキューやるときはその辺も考慮しよっかー」
セミラミス「次……次か。ククク……」
立香(めっちゃ嬉しそう)
刑部姫「……あ。当然姫は抜きにしてよね。楽しかったけど同時に面倒だったから」
セミラミス「聞くと思うか?」ニヤァ
刑部姫「聞いてよ!」
53
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/09(日) 21:11:16 ID:VmL0zUz.
セミラミス「……さてと。燻製なら別に冷めたところでそこまで問題はないであろう」
セミラミス「そもそも保存用の調理なのだから」スタスタ
巴御前「おや? セミラミス、どこへ?」
セミラミス「眠る。少しはしゃぎ疲れたし、酒もあいまって眠い」
刑部姫「おっ。チャンス到来。このまま逃げちゃおう」ヒソヒソ
立香「そうだね。少し悪い気もするけど書置きでも残してひっそりと……」ヒソヒソ
セミラミス「ところで、知っておるか?」
巴御前「なにをです?」
セミラミス「兎は寂しがりな動物らしいぞ? 寂しさが極まると周りにソマンやらサリンやらをまき散らしながら一つの村と心中するくらいのな」
刑部姫「そんなテロリズム丸出しのウサギがいてたまるかァ!」ガーンッ
セミラミス「我が起きたときいなくなってたらウサギが死ぬ。ではな」スタスタ
立香「最悪だ。最悪な形で釘刺された……!」ガーンッ
54
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/10(月) 02:16:23 ID:14dv8pow
新たな王が誕生しそう
55
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 19:04:26 ID:1IMl5JK6
立香「考えよう。真面目に考えよう。私、そろそろマシュに会いたい」
立香「というかそろそろダヴィンチちゃんに怒られる。遠回しに笑顔で『仕事しろ』って言われる」
刑部姫「相棒への愛情が仕事より優先なのね」
立香「なんとかしてよ、おきえもーん」
刑部姫「だれがおきえもんか。語呂悪いし」
刑部姫「こんなときはね? ともえもんに頼りなさい。姫より役に立つわよ」
立香「巴! なんとかならない!?」
巴御前「ぐー」スヤァ
立香「……寝てる」
刑部姫「こっちも酔うと眠くなるタイプだったか!」
立香「エネゴリくん。簡易ベッドか簡易テントを用意できない? 椅子に座ったまま寝るのはちょっと辛そう」
エネゴリくん「ウホ!」シュバババババッ
立香「わあ! 全然簡易じゃないテントが一瞬で!」
刑部姫「どうしよう。愛着湧いてきちゃった。女帝サマに頼んだら貸してくれないかなー」
56
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 19:33:56 ID:1IMl5JK6
立香「巴もダウン。となると戦力は私と刑部姫のみ」
立香「はい終了。今日も諦めよう。すべての勝負は明日になってからだ。解散っ!」
刑部姫「特異点のお前を思い出せよ! 大丈夫大丈夫絶対できるって!」シュウゾオオオオオオ!
立香「無責任にそういうこと言うのやめよう?」
刑部姫「うん」
刑部姫「……でも実際問題出たいことは出たいからさ。一緒に考えてみよう?」
立香「と言ってもなぁ。これと言った策があるとは思えないんだけど……」
刑部姫「……ん……そういえば女帝サマが用意した着替えの中に……」
刑部姫「……あっ! さっそく思いついちゃったかも!」ニヤァ
立香「?」
57
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 19:51:01 ID:1IMl5JK6
数十分後
刑部姫「ナイスナイスばっちし!」
ベビードール立香「……あの……この服は……」
刑部姫「ベビードォォォォォォォォォル!」パシャパシャッ
ベビードール立香「写真に撮るなぁ! 言われるがままに着てみたけど思ったより百倍恥ずかしいよコレ!」
立香「なんのつもり!? いや何をさせるつもり!?」
刑部姫「女帝サマに狼藉を働いてきて」グッ
立香(殴っていいかな。この子殴っていいかな。メガネむしってから叩き割っていいかな)
刑部姫「いやこれでも作戦としてはまともだと思うんだよね。姫たちが監禁されてる理由は単純に『気に入られているから』でしょ?」
刑部姫「酷い狼藉を働けば『興が冷めた』とか言って全員をたたき出してくれるんじゃない?」
立香「そうだね! その前に私は殺されるけどね! 確実にね!」
58
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 20:52:33 ID:1IMl5JK6
刑部姫「意外に半殺しで済むかもよ? 出た後はナイチンゲールでもパラケルススでも頼って全快すればいいだけだし」
立香「簡単に言ってくれるなぁ! それどっちもデメリットが違う方向性でデカいんだけど!?」
刑部姫「ええい、文句を言うなぁ! マシュに会いたいんじゃないの?」
立香「!」
マシュの幻聴『せんぱーい!』
立香「……会いたいです」
刑部姫(ちょれぇー。マジでちょれぇー。ちょろすぎて笑いを堪えるのつれぇー)ケタケタ
立香「……いや……でも……ううーん……」
刑部姫「エネゴリくーーーん! マスターが女帝サマに水差し持っていきたいってー!」
エネゴリくん「ウホ!」ガシッ
立香「え。ちょ。待っ――!」
59
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 21:00:05 ID:1IMl5JK6
セミラミスの寝室
立香「ぐへっ」ベシャッ
刑部姫「がんばー」
立香「お、おっきー! 後で絶対に覚えて……」
バタムッ
立香「し、閉めた……ふふふ……ことが済むまで出さないってつもりか……マスターのことをなんだと思って……」
立香(薄暗い。真っ暗ってわけじゃないから、どこに何があるかくらいはわかるけど……)キョロキョロ
立香(セミラミスはあのでっかい天蓋付きベッドの中かなぁ)
立香(……ご丁寧に水差し本当に持たされちゃったよ。どこか近場に置いてさっさと出るか……さもなくば部屋の隅で蹲ってるか)スタスタ
立香(ひとまずテーブルの上でいいかな……よし。さっさと外に)ジャララッ
立香「ん? 鎖の音? どこから……」ジャラッ
立香「私の右手だぁ!?」ガビーンッ
グイイイッ
立香「きゃーーー!」ヒュンッ
ボスンッ
60
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 21:22:16 ID:1IMl5JK6
立香「……あ、あわわわわわ……」ガタガタ
セミラミス「女帝の臥所に忍び込むとは……まったく厚顔なマスターよな?」クスクスクス
立香「まったくですね! 私もそう思うんですけどね! これはちょっとした間違いでして――!」
立香「ひええええええ! セミラミスの下着姿めっちゃセクシー! 私のベビードールがチャチなコスプレに見えるレベル! スケスケ!」ガビーンッ
セミラミス「ククク。誰が口を開いていいと言った?」バシッ
立香「むぐっ」
セミラミス「さあて……どうしてくれようか?」ニヤァ
立香(どっちだ……? 半殺しコースか? 全殺しコースか?)ドキドキ
セミラミス「……静謐のハサンとキスを交わしたとき、貴様は少し痺れたと言ったな?」
セミラミス「我のチョコを食したときも同様に」
セミラミス「……という前置きをした上で、今から我の話を聞くがよい」
61
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 21:27:06 ID:1IMl5JK6
セミラミス「なに。我も反省するのだ。明日になったら何もせずとも汝らを外に出してやろう」
立香「え。本当に?」
セミラミス「本当だとも。外からの侵入者を阻むのもそろそろ億劫なのでな」
立香「……」
立香「あっ! やっぱり! 誰かが連れ戻そうとこっちに来てたんだ!?」
セミラミス「なんだ。予想してたのか。つまらん。もう少し驚くかと思ったのだが」
セミラミス「その通り。汝らを連れ戻すために、我の空中庭園に十人十色の攻撃をしかけてくる輩がいた」
セミラミス「全部つっぱねているが……限界が近い」
セミラミス「なので一旦は明日でお開き、というわけだ」
立香「……そっか」
立香「楽しかったよ。セミラミス」
62
:
◆SxyAboWqdc
:2018/09/10(月) 21:34:01 ID:1IMl5JK6
セミラミス「だがそれはそれとして、我に夜這いをかけようとした不敬者に対する罰は与えねばな?」ガサゴソ
セミラミス「同時に、今日の催しの礼もかねよう」ゴソゴソ
立香「……あ、あのー。セミラミス? 私を鎖で拘束したまま、そっちで何を取り出してるので?」ジャララッ
立香(う、動けない……! ていうかこれ肌に食い込んで微妙に痛いんだけど!)ガシャッ
立香「夜這いって時間じゃないでしょ? それに私は水差しを持ってきただけで……」
セミラミス「言い訳だな。汝のやりたいことなど既にわかっておる」
セミラミス「というわけでコレだ」ジャキイイイインッ
立香(注射器が両手にいっぱーーーい!)ガビーンッ
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