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【プレイ日記】勇者「縛りプレイさせられた」【DQ3】

1お久しぶりですと言っておきます:2018/09/03(月) 15:55:27 ID:2Mcj1gYY
ーーアリアハン城、謁見の間

王様「よくぞ来た、勇者オルテガの息子よ!」

いっぴきおおかみ勇者「…どうも」

王様「さて勇者よ、早速だがそなたには魔王を倒す旅に出てもらう…が!」

勇者「…が?」

大臣「今まで数多の勇者が大魔王を倒すために旅をしてきた。成功した者もあれば、道半ばで倒れた者もおる」

勇者「成功した…?成功したなら、もう俺は旅に出る必要が…」

王様「故にじゃ!ただ魔王を倒すだけでは面白くないからのう。そなたには縛りプレイをしてもらうことになったのじゃ!」

勇者「なったのじゃ!と言われてもな…」

大臣「まず、勇者殿に大事なアイテムを渡そう」スッ

たびびとのふくを手にいれた!こんぼうを手にいれた!こんぼうを手にいれた!ひのきのぼうを手にいれた!

勇者「…これが、大事なアイテム?」

王様「さよう。今回の縛りは…『誰かが死んだら装備品を投げ捨てる』じゃ!」クワッ

勇者「………はあ?」

2やっぱりドラクエ3が好き:2018/09/03(月) 16:05:54 ID:2Mcj1gYY
王様「ふむ、分からぬか?大臣、説明を」

大臣「はっ。では説明させてもらいます…とはいえ、王様が言った通りでな。勇者殿か仲間の誰かが死んだら、装備品を1つ、投げ捨ててもらう。つまり誰かが死ぬ度にパーティーの戦力は落ちて行くだろうな」

勇者「何故そんな…」

大臣「そして大事なことじゃが…買い物は禁止じゃ」

勇者「はあ?そんな…」

大臣「更に!ストーリーが進まなくなるような貴重品以外は宝箱のものを我が物とするのも禁止じゃ!」

王様「どうじゃ?過酷で面白そうじゃろう」ワクワク

勇者「失敗する気しかしねえな…」

王様「ただし!わしも鬼ではない、それ以外の入手方法なら私物化しても構わん!」

勇者「それ以外、っつーと…」

大臣「盗み、それからあなほりじゃな。ああ、モンスターが落としたアイテムは自分のものにしてよいぞ」

王様「これでお主もどのような者を仲間にすべきか分かったじゃろう、はっはっは!」

勇者「仲間なんて…俺は別に1人でも…」

???「いけないわ、仲間は大事よ。四人でパーティーを組みなさい、冒険に出るならね」

勇者「誰だ?」

3今回はゆっくり更新するよ:2018/09/03(月) 16:14:59 ID:2Mcj1gYY
使者「私?私は…そうね、王様の使者、とでも言うべきかしら?職業は魔法使いだけれどね」

勇者「魔法使い?まさかあんたを仲間にしろってのか?」

王様「そうではないぞ勇者よ、お主の仲間は皆男にしてもらう」

大臣「女子だけでキャッキャ言わせてれば人が付くとでも思ってそうな書き手に現実を見せてやらねばならぬのでな」

勇者「何の話だ…?」

使者「こちらの話よ。さて勇者殿、私がルイーダの酒場まで案内しましょう。着いてきて」

勇者「バカにするな、ルイーダの酒場くらい知ってる」

使者「他にも寄る所があるのよ、さ、行くわよ。王様、大臣、失礼します」ペコリ

王様「うむ、アドバイザーよろしくな」

使者「さ、行きましょう…ああ、そうだったわ。あの二人ーー王様と大臣は言わなかったでしょうけれども…」

勇者「なんだ?まだ何か…」

使者「16歳のお誕生日おめでとう、勇者殿」ニコッ

勇者「…あ、ああ」

使者「じゃあ行きましょう。さっきも言ったけど、少し寄り道するから、ちゃんと着いてくるのよーー」

4※パラレルですよ、色々と:2018/09/03(月) 16:26:16 ID:2Mcj1gYY
勇者「こうやって城の中歩き回るのは初めてだな…」

使者「お城の中なんて、来る機会ないでしょうからねーーここよ」

勇者「ここ?ただの倉庫じゃ…」

倉庫番「お?なんだお前、仕事は良いのか?」

使者「今まさに仕事中よ。ほら、この方が勇者殿よ」

勇者「…どうも」

倉庫番「勇者?って事はオルテガさんの息子さんか!俺は昔オルテガさんに世話になってな…そうか、オルテガさんの息子が旅立ちの歳か…」

勇者「親父に世話に…」

使者「そうよ。まあ、貴方のお父さんに世話になった人はこの国には沢山いるけれどもね。それで貴方に相談があるのだけれど…」

倉庫番「ふんふん…はあ?なんだその縛りは…」

使者「それが王の意向だから。それでね…」

倉庫番「ああ、分かった。この倉庫の物を、今すぐにとはいかないがーーそうだな、自力でこの倉庫に入れるようになったなら、それまで足袋が続けられているのなら…この倉庫の物を勇者殿に差し上げよう」

勇者「…良いんすか?」

倉庫番「構わねえよ、俺はそれだけオルテガ殿に世話になったんだーーじゃ、道中気を付けてな」

使者「ありがとうね。さて…それではルイーダの酒場に行きましょう」

5以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/03(月) 16:37:37 ID:2Mcj1gYY
ーールイーダの酒場、2F

使者「さて、ここで仲間を登録してもらうのだけれども、王様からいくつか言っておくように言われてるの」

勇者「まだ何かあるのか…」

魔法使い「まず、同じ職業の人を二人以上仲間にしないこと。あと、戦士は必ず仲間にすること」

勇者「戦士を、ねえ。あの縛りだと戦士は厳しそうだが…」

使者「だからこそ、という事らしいわよ。あと、登録する際仲間にサービスで種が使えるけど、これはお任せ、つまりランダムにするように、との事よ」

勇者「どんな性格になるか分からない、って事か」

使者「そういう事ね。さあ、登録を済ませてもらえる?」

勇者「仲間、か。あまり考えた事も無いが、まず戦士と、縛り的に盗賊もいるだろうな。後はあなほりの商人か、装備が少なくても戦える武道家か…」

???「商人が良いと思います!あなほり、あなほりでアイテムたくさん手に入りますよ!しかも男子はいけめんで女子はきゅーと!商人わよろしく!」

勇者「な、なんだあんたは?!」

女商人「あたしは通りすがりの商人だよ!勇者サマ、商人を宜しく!じゃ!」タタタ…

使者「…行ってしまったわね」

勇者「まあ、あそこまで言うなら商人にするか。どうせ最初は1人で旅するつもりだったんだ、どっちが仲間でも変わらねえからな」

6以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/03(月) 16:38:38 ID:pXtNCS2M
おひさしぶり!
ずっと待ってたよー!

7以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/03(月) 16:51:10 ID:2Mcj1gYY
登録所担当「……さて、これでお仲間の登録は完了しましたよ」

まけずぎらい戦士「おう、よろしくな勇者!ま、俺は勇者にだって負けんがな!」

いのちしらず盗賊「どんな危険な冒険が待ってるんだろうな…わくわくするぜ」ニヤリ

ふつう商人「よ、よろしくお願いします…あ、あのー、僕なんかで本当に良いんでしょうか…」

使者「ふふ、前のめりなパーティーね」

勇者「笑い事じゃないと思うが…まあいい。どうせ俺一人いればなんとでもなるさ」

戦士「お、いうねえ〜!負けねえぞ俺は!」

盗賊「ははっ、良いねその負けん気、嫌いじゃないぜ」

商人「頼もしいなあみんな…」

使者「さて、じゃあ私はここで失礼するわねーーああ、最後に1つ、良い忘れていたのだけれども」

勇者「まだ何かあるのか?!」

使者「次の場所に付くまでに時間制限を設けるとの事よ。今日を一日目として、明日までにレーベかどこかのダンジョンなりほこらなりに着くこと。それから2日ごと、偶数日目には新しい場所に着くようにすること。出来ない時は一日につき1つ、装備品を投げ捨ててもらうわ」

商人「そ、そんな縛りが…大変だなあ…」

戦士「大変だなあじゃねーだろ、お前も一緒に旅するんだよ!」

使者「そうよ、じゃあ力を合わせて頑張るのよ。じゃあねーー」

8以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/04(火) 01:30:23 ID:2.DdfvBo
キターー!!!!
かなり厳しめの縛りだな

ちなみに前作(エルミ)とは関係なし?
あの続きが気になって夜しか眠れないんだよ…

9待っててくれてる人が至ってだけで、もう…:2018/09/04(火) 17:00:46 ID:7GXw49Eo
大臣「おお、帰ってきたか。案内は無事終わったか?」

使者「ええ、滞りなく」

王様「ご苦労であった。しかしまた勇者達に伝えるべき事が出来たなら、お主に行ってもらうからな」

使者「かしこまりました」

王様「しかし、待っててくれてる人がまだいたとは、嬉しい事じゃのう」

使者「わざわざ待っててくれたのに縛りのせいで道半ばで倒れる可能性が高いのですが」

大臣「その時は過酷な縛りを課した王様が糾弾され、代わりに私が王座に座る事になるかもな、ははははは!」

使者「もう少し野心を隠して下さい」フウ…

王様「ちなみに、エルミのやつの続きも書きたかったが、なんだかしんどそうなのでとりあえず書きたいものを書こうと思ったのじゃ。これとあの話との関係は…ないな、今のところはな」

大臣「全てはこれからですな。とりあえずは彼らの無事を祈るのみですな」

使者「彼等があまりにも早く斃れれば、別の話を書くことになるかも分からないけれどもね…」

10※この後2まで上がりました:2018/09/04(火) 17:11:46 ID:7GXw49Eo
ーーアリアハン郊外

商人「モンスターめ、このー!」ボカッ

かいしんのいちげき!スライムをたおした!

戦士「お、やるじゃねーか!」

商人「はあ、はあ…な、なんとか戦えそうです…」

盗賊「こんぼうなんてゴツい武器持ってるんだ、それなりにやってもらわなきゃな」

戦士「オメーはなんでこんぼうも装備出来ねーんだよ!」

盗賊「そんな不格好な武器使ってられるかよ…お、なんだ勇者、さっきから黙りこんで」

勇者「俺は…この日を待ってた。親父の後を追って旅に出る日を、魔王を倒す旅に出る日を…オメーら、足だけは引っ張るなよ」

戦士レベル2「あ?言うじゃねーかおい!」

商人レベル3「は、はい。ど、努力します…」

盗賊レベル2「お前…一人だけレベル1で良くそんな事言えるな…」

勇者レベル1「う、うるせー!大器晩成なんだよ俺は!」

戦士「やーいやーい、レベル1〜」

商人「はあ…大丈夫なのかなこのパーティー…」

11以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/04(火) 17:45:55 ID:7GXw49Eo
商人「…いつの間にか夜になってしまいましたね」

戦士「この時間まで戦っても全然余裕だな!モンスターってのも大したことねーなおい!」

盗賊「まだ始まったばっかじゃないかよ、今からだろスリルがあんのは」

勇者「その通りだ、こんなとこではしゃいでらんねー」

商人「大変なのはこれからですよね…」

勇者「装備で強化もろくに出来ねーしな、キツいのはこれからだ」

盗賊「とりあえず明日はレーベか?縛り的にも先に進まないといけないだろ」

商人「レーベ周辺には、かわのぼうしを持っているモンスターもいるそうです。数少ない装備品を手にいれるチャンスかもしれないですね」

戦士「マジか!ちゃんと盗めよ盗賊!」

盗賊「努力はするけどな…」

商人「というか…アリアハン大陸にいる間はかわのぼうししか手にはいる装備はありません…」

戦士「マジで!?」

盗賊「良いね、スリルあるじゃないか」ニヤリ

勇者「ちっ、ガチで面倒な縛りだな…」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/04(火) 18:00:56 ID:YxPt5CyM
ふつう商人とかいう苦労人枠

13以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 00:51:04 ID:SkwJ1lEQ
殺伐としてんなー、女子パーティとは大違いだw
しかし攻撃回復呪文使えるの勇者だけか
薬草も買えないし、回復がキツいなぁ

14スマホボロボロ:2018/09/05(水) 15:20:27 ID:wGBY4NbI
ーー夜、勇者自宅

戦士「イエーイ!勇者、お誕生日おめでとー!」カンパーイ!

勇者母「いっぴきおおかみの息子の為にこんなに集まってお祝いしてくれて…」ヨヨヨ…

勇者祖父「我が息子オルテガはな、それは勇敢な男じゃった!旅立つ前にもな…」ヒック

商人「す、凄いですね…さすがオルテガさんだ…」

盗賊「全くだ。俺もそんな風にありたいもんだな」

勇者「…なんだこれは」

使者「何って、お誕生会じゃない。みんな貴方のお誕生会をお祝いしてるのよ」

勇者「なんであんたが居るんだ?…もしかしてこれはあんたの差し金か?」

使者「さあ、どうかしら?ただ、あの面子ではすぐに打ち解けはしないだろうとは思ったけれども」

勇者「だから、パーティーなんて要らなかったんだよ!親父だって1人で旅立ったんだ、俺だって…」

祖父「それは違うぞ孫よ!」

勇者「違う?何が…」

祖父「確かにお前の父は旅立つ時は1人じゃった。しかし、1人で出来る事には限界があるとも言っておった。おそらくは旅先で仲間を集めていたのじゃろう」

勇者「…」

15な訳で更新遅れるやも:2018/09/05(水) 15:34:50 ID:wGBY4NbI
祖父「仲間は大事じゃ!わしも若い頃は…えーと、どうじゃったかな…」ウーン…

勇者「ちっ、酔っぱらいめ…」

使者「でも、仲間にするあてがあったのは事実みたいよ。確か…サイモンとかいう他所の勇者と合流する予定もあったみたいだし…」

勇者「なんでそんな事知ってんだ?」

使者「大陸を隔てても、連絡を取る手段位はあるわよ。そうでないと…貴方の父上の…」

勇者「火山に落ちたって最期も分からない、ってか?」

使者「…今までいっぴきおおかみとして生きてきて、急に仲間だ何だと言われても戸惑うとは思うけど…でもいつか必ず仲間がいて良かったと思う日が来ると思うわ」

戦士「そーだそーだ、俺はありがてーぞ!」ガハハ

勇者「ホントか…?まあいい、ここはあんたに騙されておくぜ」

使者「そうよ、大人の顔は立てとくべきよ」ニコッ

勇者「…そういうもんか」

盗賊「おっ?勇者さては…へえー」

勇者「…なんだよ」

盗賊「いやいや別に。使者さん、またたまにはこうしてこいつに会いに来てくれよな。次はきっともっと成長してるからな!こいつも嬉しいだろうしな!」ニヤニヤ

勇者「別に嬉しくもないが…なんか余計なこと考えてやがるな…」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 15:46:05 ID:wGBY4NbI
ーー2日目、レーベの村

商人「おお、レーベだ!皆さん、着きましたよレーベに!」

勇者「うるせーな、言われなくても分かってるよ」

戦士「レーベか、俺はあんまり来たことねーなあ」キョロキョロ

盗賊「こんな田舎わざわざ来るまでもないからな。さあ、そんな事よりさっさと魔物退治してレベル上げようぜ」

戦士「待てよ、あんま来たことないって言ってるだろ。もう少し見て回って…」

盗賊「だから、見て回る物なんかないって。それとも何か、怖じ気付いたか戦士さんよ?」

戦士「ああ?てめえ誰に向かって言ってやがる!」

勇者「…ちっ、うぜーな」

商人「ああ、またケンカに…そうだ!昨日使者さんに教えてもらった冷静になれる歌を…やーまっかわー、やーまっかわー、やーまかーわーほーだかー♪」

盗賊「!?そ、その歌は…」

戦士「ぐ…ああ…やめろ…やめてくれ…」

勇者「ぐ…現地で初生岸を見られるとはしゃいでたのに…2打席連続でスタンドに放り込むのはやめろオ!」

商人「す、凄い効果だ…心なしか勇者さん達以外の感情が滲み出てる気がするし、これは本当に冷静になってると言えるのかは分からないけど…」

17以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 15:57:25 ID:wGBY4NbI
ーー3日目、レーベ郊外

勇者「らあっ!」ガンッ

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人レベル5「ふう…昨日はこの辺の魔物にかなり苦戦しましたけど、今日は少し楽になりましたね」

盗賊レベル5「レベルが上がったからな。昨日の方がスリルあったけどな」

戦士レベル4「これなら明日次の場所行っても問題無さそうだぜ!」

勇者レベル3「そんな簡単なら良いけどな…まあ、縛りがあるから行かざるをえないんだけどな」

盗賊「それにしても…1つくらいアイテムが手にはいると思ったんだけどな」

商人「まさか装備品はおろかやくそうの1つも手に入らなかったですからね…」

戦士「盗賊ってのはもっとバンバン盗めるもんじゃねーのかよ!?」

盗賊「そんなに簡単だったらこの大陸盗賊だらけだろ。ま、もう少し上手くやりたかったのは事実だけどな」

勇者「関係ねーよ、やるしかねーんだ。お前ら、足引っ張るなよ」

戦士「おめーには負けねーよ、レベルも勝ってるしな!」ガハハ

勇者「くそっ、こんなにレベル差が出るもんかよ…」

商人「ま、まあまだ始まったばかりですし…」

18以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/05(水) 20:20:35 ID:3ol/1Mdc
兵士さんこの世界だと同じ職場で良かったネとか思ってたらライバル出現していた件

19ーー4日目、勇者自宅:2018/09/06(木) 19:10:14 ID:UBi/9EiQ
母「おはよう。もう仲間の皆は起きてるわよ」

勇者「ああ…くそ、結局奴ら昨夜もうちに止まりやがった…買い物出来ない縛りなんだから金を節約する必要なんてないだろ…」ブツブツ

母「ダメよ、お金は貯めとかなきゃ。そうだ、今朝早く使者さんが来たんだけど」

勇者「!」ガバッ

母「手紙置いて帰って行ったわ。はい、これ」

勇者「なんだ、手紙か…」

盗賊「ん?なんだい勇者君、ずいぶんガッカリした様子だねえ」ニヤニヤ

勇者「はあ?別にガッカリしてねーし…っと、手紙は…」ガサゴソ

商人「なんて書いてあります?えーと…『レーベ南の茂みと岬の洞窟の入り口は別カウントで良いそうよ』ですか…」

戦士「は?どういう意味だよ」

商人「2日ごとに新しい土地へ行かなければいけない縛りに関してでしょう。例えば今日4日目で岬の洞窟、6日目でレーベ南の茂み、8日目でナジミの塔、といった感じで…」

勇者「ここに書いてある。『今は良くても後々この縛りきつくね?って王様が気付いたのではないかと思う』ってな」

戦士「おいおい、王様ってのは何も考えてねーのかよ?」

盗賊「まあ、書いてるやつが考えなしっぽいからな」

商人「えーと…で、でもこれはありがたいですよ!レベル上げはともかく、今のうちにやくそうなんかを用意しておかないといけませんから。なんでも、この大陸から出たらなかなかやくそうも手に入らないみたいですし…しかしこの縛り、不安になるなあ…」

20ーー岬の洞窟:2018/09/06(木) 19:20:05 ID:UBi/9EiQ
盗賊「さて、岬の洞窟に着いたな…入り口を眺めた事はあったが、入るのは初めてだな」

戦士「なんだ、盗賊が根城にしてるみたいな場所なのにか?」

盗賊「今どきそんな盗賊流行らないって…お、すぐに階段があるな、下りようぜ」ザッザッザッ…

商人「薄暗くて不気味ですね…」

戦士「で、俺らはここで何すりゃ良いんだ?」

勇者「ちっ、んな事も知らねーのか?商人、説明してやってくれ」

商人「あ、はい。えっと、とりあえず僕達はこの大陸から海の向こうに行かなければいけないのですが…その為にはいざないの洞窟の封印を解かなければいけなくて、解くためにはまほうの玉が必要なのですが、その為には…」

戦士「あー面倒くせえ!結局次にやるのは何なんだよ!?」

盗賊「まほうの玉を手に入れる為に必要なとうぞくの鍵探しだな。そいつはナジミの塔にあるって話だ」

商人「ナジミの塔はこの洞窟を抜けた先にあるそうです。だからここに…」

戦士「あーそういう事か、分かった分かった!」ガハハ

勇者「ったく、頼むぜ本当に…」

戦士「問題ねーよ、俺はモンスター倒すだけだからな、はっはっはっ!」

商人「それはそうなんですが…頼もしいのか頼もしくないのか…」

21以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/06(木) 19:32:00 ID:UBi/9EiQ
戦士「はっはー!このアリクイ野郎が!おらっ!ドゴン

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

盗賊レベル6「ふう、この洞窟のモンスターはレーベ周辺と変わらないんだな。ちょっとスリルが足りねえなあ」

勇者レベル4「アリクイとウサギとカラス退治なんか出来て当たり前だしな」

商人レベル6「僕達のレベルもあがりましたからね」

戦士レベル6「ただ攻撃はちょっと痛えな。服じゃなくて鎧がほしいがなあ」

商人「ぬののふくとたびびとのふくだけでは不安ですよね…」

盗賊「何言ってんだ、だからこそスリルがあるんじゃないか」

戦士「てめーは素早いから素の守備力高いだろーが!」

勇者「確かにな、俺らは体力はあるが守りが弱え。盗賊は体力はイマイチだが守備力がある。ここらで隊列を考え直す必要があるかもな…」

盗賊「お、勇者らしくパーティーの事を考え出したな。使者のお姉さんにも言われてたみたいだしな!」ニヤニヤ

勇者「は?関係ねーよ!」

商人「盗賊さん、からかわないで下さいよ…あ、ちなみに今は勇戦商盗の順になってますよ」

盗賊「説明口調だな…」

22ーー夜、アリアハン城下町:2018/09/06(木) 19:46:54 ID:UBi/9EiQ
戦士「あー、今日も戦ったな!後は勇者の家で飯だなおい!」

勇者「てめえ、少しは遠慮しろよ…」

戦士「してるじゃねーか、おかわりは三回までによお!」ガハハ

商人「ははは…でも今日は良かったですね、やくそうが3つ手に入りましたよ!」

勇者「回復アイテムがねーと今後が不安だからな、まあ良かったぜ」

盗賊「ない方がスリルがあると思うがねえ…」

戦士「スリルもいいがよお、オメーまだ1つも盗めてねーじゃねーか!」

盗賊「…悪かったよ、明日は上手くやるさ」

勇者「ったく、頼むぜ」

戦士「そういや明日から隊列変えるんだったか?盗戦商勇だったか?」

勇者「ああ、高い守備力の奴が先頭で壁になる方が結果的に長く冒険出来そうだからな」

商人「そして、そろそろ回復呪文を覚える勇者さんを後ろにして守る下形ですね」

盗賊「勇者は生命線だからな。ま、俺は先頭の方がスリルあって良いけどな

戦士「そんなことより腹へったぜ!早く勇者の家行こうぜ!」

勇者「てめーは真面目な話してる時に…」

23以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 01:21:19 ID:AGUh5NrA
いのちしらずなら素早さの上がりはかなり良いもんな
ネタみたいなキャラメイクになったと思ったが、意外とバランス良い感じ?

24スマホ新品に:2018/09/07(金) 17:40:50 ID:gF3Oi6oE
ーー5日目、岬の洞窟

勇者「この洞窟の魔物は楽に倒せるようになったな。少し先に進んでみるか」

盗賊「この先はちょっと違う洞窟のようだが、行って良いんだな?」

商人「ええ、2日ごとに進むのは入り口を数えるらしいので…それより、先頭でも大丈夫そうですか?」

盗賊「ああ、うさぎ程度の攻撃ならかすり傷だ」

勇者「やっぱり素早い奴が先頭に立つ方が良さそうだな、少なくとも相手の攻撃力が低い間は」

戦士「俺だっていつでも先頭出来るぜ!ちょっと辛いけどな!」

商人「戦士さん守備力低いですからね…たびびとのふく装備で僕がぬののふく装備した守備力と変わらないですもんね」

盗賊「戦士の装備は金かけてなんぼだからな。ま、とりあえずは俺に任せときなよ」

勇者「ああ、行けるとこまでこれで行って…どこまで行けるかな…」

25土曜日は更新出来ない事が多くなります:2018/09/07(金) 17:49:34 ID:gF3Oi6oE
ーーレーベ南の洞窟

戦士「そらそらそらあっ!」ボカッ

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

戦士レベル8「はっはー!めちゃくちゃレベル上がったなあ!」

商人レベル9「勇者さんがホイミを覚えたのが大きいですね、ダンジョンに長くいることが出来るようになりました」

勇者レベル7「ルーラとニフラムも覚えたしな。正直上げすぎな気もするぜ」

戦士レベル8「レベルも上がったが、ついに盗みに成功したな盗賊!」

商人「しかもかわのぼうしですもんね!冒険失敗が少し遠ざかりましたよ!」

盗賊「ま、このくらいはな。しかもフツーに宝箱からも出て、かわのぼうしは2つになったな。俺と戦士で装備させてもらったぜ」

勇者「前の連中に倒れてもらっちゃ困るからな。にしても、かわのぼうし2つはかなり運が良かったが、やくそうの方はイマイチだったな…」

戦士「盗みと宝箱でこっちも今日は2つか。昨日の何倍もモンスター倒した割には少なかったなあ」

商人「こればっかりは運ですからね…でも、これが今後響いてこなければ良いのですが…」

26以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 19:46:41 ID:gF3Oi6oE
ーーアリアハン、謁見の間

王様「先ほど勇者が挨拶に来たが…あやつ、ずいぶん強くなったようじゃのう」

使者「はい。時間制限があるので、回復呪文が続く限りダンジョンの中に籠っていたとか」

大臣「なるほどのう。縛りを逆手に取られた、という言い方は正しくないかもしれんが…」

使者「私もあそこまで長くダンジョンにいられるとは思いませんでした。勇者殿の回復呪文もそうですが、思ったよりずっと彼らはタフだったようですね」

王様「ふむ…順調なのは喜ぶべきであろうが、つまらんのう…」フウ…

使者「…勇者殿が力を発揮している事実は喜ばしいと思いますが」

大臣「しかし、ここから先は今までのようにはいきますまい。魔物もどんどん強くなりますからな」

王様「そうじゃな、もっとピンチになってもらわねば困るからな!」

使者「別に困りはしないと思いますが」

王様「ああ、楽しみじゃのう。やはり苦戦してこその冒険じゃからのう」ワクワク

使者「…はあ、困った王様ね、本当に…」

27以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/07(金) 22:55:26 ID:B2DTOQ5M


28私>>1。今雨の中ライトスタンドにいるの:2018/09/08(土) 13:08:12 ID:Yv1bM6X2
女商人「第51回!まーちゃんと・さみっとー!!!」パチパチパチ

商人「な、なんですか?!というか50回まではいつやったんですか!?」

女商人「という訳で、出先でノートがないから本編は更新出来ませんが、待ち時間がヒマ…サービスであたし達の会議の様子をお伝えします!てゆーか今時ノート!?デジタル化はどうしたの!?」

商人「僕に言われても…」

女商人「さあ、今日のお題は『再リメイクした場合どうすれば商人はより輝けるのか?』です!」

商人「再リメイク時ですか…やっぱり戦闘力を上げて…」

女商人「それじゃダメ!戦闘力は結局戦士や武道家に敵わないんだから、商人独自の強みを身に付けないと!」

商人「僕達の強み…お金を集めたり、鑑定したり…」

女商人「そう、鑑定です!例えばらいじんのけんとか、普通だと使ってもベギラマの効果しか出ないようにするの。で、高レベルの商人が鑑定した時だけ真の力を発揮して、ベギラゴンまで威力が上がるの!どう?」

商人「確かに、それなら僕達の存在感が出ますね」

女商人「凄いでしょ!さすがきゅーとでせくしーだいなまいつで知的でくーるびゅーちーなあたし!」

商人「そ、そうですね…」

女商人「さて、これで第51回まーちゃんと・さみっとは閉幕!次回開催は未定です!それじゃ!」

商人「あ、さようなら…ところであの人、誰だったんだろう…?」

29以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/08(土) 16:33:47 ID:CG4Xho9I
乙ー
確かに商人の鑑定スキルはもっと役に立っていいかも

30以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 12:34:21 ID:1UQQ6uEc
6日目、ナジミの塔

戦士「ついに来たな、ナジミの塔!近くて遠いナジミの塔によお!」

盗賊「まあな。しかしやっぱり盗賊たるもの、洞窟よりは塔をアジトにしたいものだぜ」

商人「そんなに違いますかね…」

盗賊「そりゃ違うさ。とうぞくのカギを作ったバコタさんだって、塔に住みたかったんだと思うぜ。で、この塔にいるじいさんにカギを取られちまった、と」

商人「そういうもんでしょうか…」

勇者「しかし、昨日は死ぬほど魔物を倒したのに、さっぱり数が減ってなかったな。この塔も魔物だらけで…」

商人「あ、何か居ますよ!」

おおがらすがあらわれた!

戦士「…ああ?外にもいるようなザコじゃねーか」

勇者「ちょっと拍子抜けだな…まあ、もっと強い奴はいるんだろうが…」

31以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 12:45:36 ID:1UQQ6uEc
ーーナジミの塔、2F

戦士「なんかなー、下の洞窟と代わり映えしないモンスターばっかりでつまんねーな。盗賊じゃねーが、スリルが足りねーぜ」

盗賊「まあな。だがそれより苦痛な事が俺にはあるな」

商人「?なんですか?」

盗賊「宝箱を開けずにスルーする事だよ。盗賊としてこれ以上の苦痛はねえよ」

商人「あー…商人としてもそれは辛いですね…」

勇者「なんでこんな縛りをするのか…いや、言っても仕方ねーな、さあ、進むぞ」

盗賊「だな。宝箱は後ろ髪引かれるが、スリルの方はこの先待っててくれてるかもしれないからな」

商人「あ!見てください、上に行く階段ですよ!」

勇者「次は3階か、流石に今までと同じ魔物ではないだろうな」

盗賊「やっとスリルのお出ましか?楽しみじゃないか」

商人「僕は少し怖いです…でも頑張りますよ!さあ、行きましょう…」

32以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 13:02:59 ID:1UQQ6uEc
ーーナジミの塔、3F

まほうつかいがあらわれた!

盗賊「魔法つかいだあ?魔法つかいってんなら、もっとスレンダー美人を寄越せっての。なあ勇者?」

勇者「なんの話か分からねー!おらっ!」ドガッ

まほうつかいをやっつけた!

商人「ふう、魔法さえ使わせなければ恐ろしい相手でもないですね」

バブルスライムがあらわれた!フロッガーがあらわれた!おおありくいがあらわれた!

戦士「おおっ!?なんだあの緑色のウネウネしてる奴は!?」

勇者「あいつは…確か毒を持ってるとかいう…」

商人「毒!?僕らには解毒する手段がありませんよ!毒になったら町まで戻らないと!」

盗賊「ならとっとと倒しちまえば良いさ!らあっ!」ポコッ

勇者「そらっ!」ガッ

バブルスライムをたおした!バブルスライムをたおした!

戦士「っしゃあ!後は消化試合みたいなもんだぜ!」

商人「毒になる前に倒してしまえば問題ないですね。それにしてもこのパーティー、かなり強いんじゃ…

33以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 16:20:35 ID:IMfL2STw
宝箱開けられないのは精神的にツラい
床に落ちてるアイテムも駄目なの?
メダルとかはいくつかあったよね

34以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 16:59:14 ID:1UQQ6uEc
盗賊「そりゃ落ちてるのを拾うのもダメさ。人から手渡しにされるならセーフらしいが、重要アイテム以外でそんなのあるかねえ?」

商人「さあ…あ、階段がありますよ!」

戦士「っしゃあー!次はどんな…お!扉があるぜ!」

勇者「鍵は…掛かってるか。盗賊、開けられねーのか?」

盗賊「こいつはカギがないと無理だな。この階は他に何か…何も無さそうだな」

商人「上り階段もなければモンスターも出ませんね。どういう事なんでしょうか?」

勇者「さあな。この扉の中に入れれば何か分かるのだろうが…」

戦士「つってもどうやって入るんだよ?こじ開けるのか?」

盗賊「そんなヤワな扉じゃないだろ。もしかしたらだが、今上ってきた階段とは別の階段があるのかもな」

商人「ああ、そこから上れば中に入れるかもしれないですね!」

勇者「他の階段ってやつがあればだけどな。じゃあ1回戻るか、ここに居ても仕方ねーしな…しかし、面倒な造りの塔だな…」

35以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/09(日) 19:35:18 ID:1UQQ6uEc
ーー3F

盗賊「さて、俺らの考えが正しいかどうか…」

戦士「んな広い塔でもねーし、他の階段もすぐ見つかるだろ、モンスターも強くねーしな!」

勇者「あのハチの攻撃は少し効いたけどな…てか、あのハチの方こそ毒がありそうなんだが、ねーんだよな」

商人「さそりばち、でしたっけ?サソリにハチですもんね、凄い毒持ってそうですよね」

戦士「でもあの緑色のヤツの方が毒持ちなんだもんな、分かんねーもんだぜ」

盗賊「モンスターってのは、俺らの理解を超えてる存在なのかもな…現状まだスリルが足りないが、これからは…」

商人「恐ろしい敵に会うかもしれないですね…あ、階段ですよ!」

盗賊「やっぱりあったか。いや、上ってみない事にはなんとも言えんな。もっと階段がある可能性も…」

勇者「まあ、広さ的にそれも無さそうだけどな。なんにせよ、上ってみなけりゃ分かんねーな」

戦士「だな!おらおら、さっさと上るぞ!」ダダダ…

商人「ああっ、待って下さい!もっと慎重に…」

盗賊「言うだけムダだろうな。さて、仮にこの上にいるのがバコタさんからカギを奪ったじいさんだとして、すんなりとカギをくれるもんかねえ?」

勇者「どうだろうな。年寄りに手を上げるのは趣味じゃねーんだがな。まあ、何とかするしかねーんだがな…」

36以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 02:41:09 ID:7TqMdd32
地味に毒ヤバいな
ルーラのMPなくて町から遠いとこでなったら詰むやんけ

37以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 16:29:57 ID:rK9vQ81E
ーー4F

勇者「ここは…部屋の中?どうやら当たりのようだな。なら、あそこにいる年寄りが…」

商人「とうぞくのカギを持っているというご老人…!」

老人「おお、やっときおったか。わしは幾度となくお前にカギを渡す夢を見ていた」

戦士「夢?おいおい、じーさんの夢の話を聞きに来たんじゃねーよ!」

盗賊「しっ!ちょっと静かにしてなよ」

老人「だから、お前にこのとうぞくのカギを渡そう。受け取ってくれるな?」

勇者「…ああ」

商人「おお、とうぞくのカギが…!」

盗賊「ああ、やったな」

老人「では行くがよい、勇者よ。わしは夢の続きを見ることにしよう」

勇者「ああ、ありがたくいただくぜ。じいさんも達者でな」

とうぞくのカギを手に入れた!

38以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 16:47:38 ID:rK9vQ81E
ーー夜、レーベの村宿屋

戦士「なんだ、今日は勇者の家じゃないのか?」

商人「ええ、やっぱりお互いに気を使いますからね」

戦士「あ?俺は全然気にしてねーぞ!」ガハハ

盗賊「おめーはな。さて、カギが手に入ったらまほうのたまってのもあっさり手に入ったな」

勇者「ここまでは上手く行ってるな。いや、行きすぎてる位だ」

商人レベル10「ナジミの塔でレベルも上がったし、アイテム各種も一通り手に入りましたね」

盗賊レベル10「やくそう、どくけしそう、せいすい、キメラのつばさ…ま、我ながら上手く盗めたと思うぜ」

勇者レベル8「本当に一通りだけどな。心許ないが仕方ねー」

戦士レベル9「勇者が回復魔法覚えたんだ、行けるだろ!」

勇者「そう思いたいけどな、次のいざないの洞窟とやらが今まで通り行くものなのか…」

商人「不安はありますよね…」

盗賊「ま、行くしかないな。俺としては、そろそろスリルが欲しいからな」

戦士「おう!俺らが魔物なんかに負けるかよ!」

勇者「まあ、やるしかねーんだけどな。しかし、いよいよ海の向こうか…」

39以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/10(月) 17:24:51 ID:rK9vQ81E
ーー7日目夜、レーベの村宿屋

戦士レベル10「あー、今日はあっという間だったな!メシメシ!」

盗賊「今日は外で戦ってたからな、あっという間だったぜ」

商人「東側の魔物達は強敵でしたね。やくそうも1つしか増えなかったし、レベルが上がったのは戦士さんだけ…」

勇者「やっぱりこっから先はしんどそうだな。さて、明日はいよいよいざないの洞窟だが、現状俺らの準備はどんなだ?」

商人「はい、お金は3241ゴールド、これは明日銀行に預ける予定です」

盗賊「アイテムはやくそうが8つ、あとはどくけしそう、せいすい、キメラのつばさが1つずつ」

戦士「装備は先頭から盗賊がひのきのぼう、ぬののふく、かわのぼうし。俺がこんぼう、たびびとのふく、かわのぼうし。商人がこんぼうとぬののふく。勇者がどうのつるぎとたびびとのふくだな」

勇者「あとは、装備してないぬののふくが1着。これが貴重品を除いた俺らの全財産ってわけだ」

盗賊「分かっちゃいたが、少ないな。無駄遣いは出来ないな」

商人「そうですね。ここぞという時に使わないと。欲を言えば、使わずに済ませたいですが…」

勇者「それで死んだら意味ねーからな。ま、やってみるさ。明日を乗りきって、海の向こうへ辿り着いてみせるぜ…!」

40以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 18:15:57 ID:b.RVcYCQ
ーー8日目、アリアハン大陸東部

勇者「多分もうすぐいざないの洞窟につくはずだ、覚悟は良いな?」

盗賊「当たり前だろ。楽しみだな」

商人「ぼ、僕は不安だし怖いです…この辺でさえモンスターが強いのに…」

戦士「大丈夫だ、俺に任せとけ!…お?ほこらがあるぜ、寄ってかないのか?」

勇者「ほこらか…いや、寄らなくて良いだろ、むしろ寄らない方が良い」

盗賊「そういやレーベ南の茂みにも寄らなかったな。まあこの大陸でやる事はほぼ残ってないしなあ」

商人「やくそうはもっと欲しかった気もしますが…」

勇者「言ってもしょうがねーだろ。ほら、見えてきたぜ、あの泉の近くにーー」

戦士「いざないの洞窟とやらがあるんだよな!いよいよだな!」

盗賊「ああ。鬼が出るか蛇が出るか、1つ行ってみようじゃないか」

商人「そうですね。ああ、怖いなあ…」

41ーーいざないの洞窟、B1F:2018/09/11(火) 18:27:30 ID:b.RVcYCQ
勇者「ここが、いざないの洞窟か…いよいよだな…」

盗賊「ったく、洞窟ってのは湿っぽくていけねえや…お、誰かいるな」

老人「ここはいざないの洞窟じゃ。だが階段は石カベで封じられておる」

使者「…という訳なんだけど、まほうのたまは忘れずに持ってきたかしら?」

勇者「あんたは…!なぜここに?」

使者「何故って、貴方達はいつも王様に報告に来るでしょう?今日ここに来ることは分かってたわよ」

商人「わざわざ見送りに来てくれたんですね」

盗賊「嬉しいなあ、なあ勇者?」ニヤニヤ

勇者「お、俺は別に…まあ、わざわざ、どうも…」

使者「良いのよ、ここから先は今までみたいに会えなくなるでしょうし、最後位はね…ここからは大変よ?」

勇者「分かってる。でも行くしかねえ」

使者「そう…頑張ってね。幸運を!」

勇者「ああ、ありがとう…よし、行くぞ」

商人「はい!」

戦士「っしゃー!やってやんぜー!」

42ーーいざないの洞窟、B2F:2018/09/11(火) 19:14:46 ID:b.RVcYCQ
戦士「っしゃー!なんでも良いからかかってこいやー!」

商人「いや、静かに…」

ーーおばけありくいがあらわれた!

盗賊「なんだ?白いありくい?まあ良い、そらっ!」ガッ

勇者「行くぜ、おらっ!」ドゴッ

おばけありくいのこうげき!おばけありくいのこうげき!

戦士「うおお?!すげえ力だ!」

盗賊「くっ、今まではほとんどダメージなんて食らわなかったんだが…へっスリルが出てきたな!」

商人「は、早く終わらせないと…それー!」ゴンッ

ーーおばけありくいたちをやっつけた!

勇者「ふう、終わった…が、確かにここからはきつそうだな…」

盗賊「いよいよ始まったって感じだな。さあ、どんどん行こうぜ」

商人「ええ、もたもたしてると大変そうですからね…」

43以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 19:28:14 ID:b.RVcYCQ
まほうつかいはメラをとなえた!まほうつかいはメラをとなえた!

勇者「あっち!っのやろー!らあっ!」ドゴッ

盗賊「ははっ、言ってやれよ勇者、同じ呪文食らうなら美人の方が…」

まほうつかいはメラをとなえた!

盗賊「あちあちあち!こっちかよ、くそっ!」ガッ

勇者「無駄口叩いてんじゃねーよ!らあっ!」ドゴッ

戦士「うらうらうらー!」ゴンッ

ーーまほうつかいたちをやっつけた!

商人「はあ、呪文攻撃は厳しいですね…」

勇者「少し回復するか。ホイミ欲しい奴は?」

戦士「あー、俺良いか?」

勇者「ああーー我が指に宿る仄かな光、死と穢れを遠ざけよーーホイミ!」パアア…

戦士「おおー!サンキュー勇者!」

勇者「隊列の一番後ろに置かせてもらってるからな、この位はしねーとな。他は大丈夫か?」

盗賊「ああ、まだ大丈夫だ。やっとスリルが出てきた所だしな。さ、進もうぜ」

44ーーいざないの洞窟、B3F:2018/09/11(火) 19:36:31 ID:b.RVcYCQ
戦士「気持ちわりーイモムシ野郎が!おらあっ!」ゴッ

ーーキャタピラーをやっつけた!

盗賊「悪い勇者、ホイミくれ」

勇者「ああ、ホイミ!」パアア…

盗賊「サンキュー。流石に攻撃が苛烈になってきたな」

商人「勇者さん、魔力は持ちそうですか?」

勇者「ああ、お前らのバカ体力のおかげでな」

盗賊「戦士がHP80台で他は60台だからな。そうは死なないだろ」

戦士「守備力はねーけど体力は負けねーぞ俺は!」ガハハ

勇者「体力が高いと相対的に呪文には強くなるんだな。物理相手の盗賊と呪文相手の戦士って感じか」

商人「いざとなったら僕が前に出ても良いですよ」

戦士「まだまだ大丈夫だぜ俺はよお!」

勇者「回復出来るうちはこのままで良いだろ。さあ行くぜ。結構進んだからな、そろそろーー」

盗賊「ああ、俺の勘でもそろそろのはずだ…お?何か見えてきたぜ」

商人「な、なんでしょうかあれは…?空間が…行ってみましょう!」

45以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/11(火) 20:25:11 ID:vi1FGHSE
危なげなくてちょっともの足り…イヤイヤ順調で何より

46以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 13:34:51 ID:Eyl4u53E
盗賊「なんだろうな、こいつは…?景色が歪んでるぜ」

商人「というか、これって別の場所の景色でしょうか?こことは雰囲気が…」

戦士「なんでも良いだろ、入ってみようぜ!」ズカズカ

商人「ま、待って下さい!危険かも知れませんし…」

勇者「…いや、ここはいざないの洞窟で、かつてはいざないの洞窟の旅の扉から多くの勇者が旅立ったって話だったはずだろ?ならここが、こここそが旅の扉で、ここから海の向こうに行けるって考えるのが自然じゃないか?」

商人「それは…確かに…」

戦士「決まりだな、行くぜ!」

盗賊「待てよ、こういう面白そうなのは俺が先に…」

勇者「いや、俺に行かせてくれ」スッ

商人「ゆ、勇者さん…!だいじょ…ゆ、勇者さんが、空間の歪みに入って、消えて…!」

盗賊「よし、勇者に続くぜ」スッ

戦士「おう、行くぜー!」ズカズカ

商人「み、みんな凄い…ぼ、僕も…それーっ!」スッ…

47以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 13:47:51 ID:Eyl4u53E
勇者「ここは…何だか空気が違うな…ここが、海の向こうなのか?」

盗賊「勇者、無事か?」

戦士「おお、何だここは?どこだ?」キョロキョロ

商人「み、皆さんまって…と、ここはどこでしょう?建物の中みたいですけど…」

盗賊「まあ、慌てんなよ。ほら、そこに階段がある。まずは上ってみようぜ」

勇者「そうだな、行くか…くっ、眩しいな…」

商人「夕陽が強烈ですね…ただでさえずっと洞窟にいて目が慣れてないのに…」

盗賊「森の中だからそんなに明るくないはずなんだがな。さて、西があっちだとすると、道は北に続いてるようだな」

戦士「行ってみようぜ、何があるか楽しみだな!」ダダダ

勇者「ちっ、あいつは洞窟歩いてきて疲れてないのか?」

商人「はは…僕達も行ってみましょう。歩いてもすぐに抜けられ…あ!あれは?!

盗賊「城、だな。アリアハンのとは違う、見たことのない城。勇者…」

勇者「…行くぞ」

戦士「おう!海の向こうの城、海の向こうの町、どんなだろうな!」ワクワク

48以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 15:55:12 ID:TZ7uMKuA
昔のゲームのそれも縛りプレイって上手く理由付けできないと
サガ1の邪神みたいな奴のご機嫌取りのために動く話になっちゃってなんかな

勇者の死亡時の精神保護の手段が他になかったから呪いで代用して
売買禁止一人旅みたいなDQ二次創作は割と良かったけど

49以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 19:33:45 ID:Eyl4u53E
勇者「…ちっ、着く前に夜になっちまったな」

商人「あとちょっとなんですけどね」

戦士「なあ、夜になっちまったんなら夜明け前までモンスター退治しないか?どんなモンスターがいるか確認しないとな!」

商人「え、でも一旦町に行ってからの方が…」

盗賊「だな、こっちの魔物はきっとスリルあるぜ」

商人「え、ちょっ…」

勇者「よし、じゃあちょっと戦ってから町に行くか。良いな?」

商人「…はい」

ーーポイズントードがあらわれた!

戦士「カエルかよ!おらあっ!」ドゴッ

盗賊「そらそらっ!」ゴンッ

ポイズントードのこうげき!ポイズントードのこうげき!

勇者「くっ、らあっ!」ガギン

ーーポイズントードたちをやっつけた!

勇者「ふう、やっぱり攻撃力はかなり強くなったが…なんとかなりそうだな」

50以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 19:43:18 ID:Eyl4u53E
戦士「確かにあっちよりは強い奴もおおいけどよ、まほうつかいやらキャタピラーやら見たことあるやつらも結構…お?」

さまようよろいがあらわれた!

盗賊「おっと、こいつは強そうだ、そらっ!」ガキン

ミス!ダメージをあたえられない!

商人「全然効かない!?このおっ!」ギンッ

ミス!ダメージをあたえられない!

さまようよろいのこうげき!

戦士「ぐっ…お!?すげえ攻撃力だぜ…!」

勇者「盗賊と商人は防御に徹してろ!ったく、呪文は得意じゃねーんだが…安堵と脅威の申し子よ、我が掌より敵を討て!めら!」ゴウッ

さまようよろいにはきかなかった!

勇者「くそったれが!効かねーのかよ!」

さまようよろいのこうげき!

商人「ひっ…!防御してても凄い威力…!」

戦士「早く倒すしかねーだろ!おらあっ!」ドゴッ

勇者「そう思って呪文唱えたんだよ!地道にやるしかねー!」

51以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 19:50:47 ID:Eyl4u53E
盗賊「くそっ、俺らじゃ歯が立たねえし…頼むぞ二人とも!」

戦士「そのつもりだぜ!だらあぁっ!」ゴンッ

さまようよろいのこうげき!

戦士「ぐあっ…い、今のは効いたぜ…」

商人「た、大変です!回復を…」

戦士「まだ大丈夫だ!それよりあと一息のはずだ、攻撃しろっ!」

勇者「くっ、だらああああっ!」ザンッ

ーーさまようよろいをやっつけた!

盗賊「…やったか?へっ、なかなかのスリルだったじゃねえかよ」

勇者「良く言うぜ、歯が立たなかった癖によ」

商人「いや、でも、今回はダメかと思いました…1体で良かったですね!」

盗賊「まあな。しかし、新大陸は楽しそうだぜ」

戦士「うおおー!勝ったぞー!」

勇者「うるせー!いちいち叫ぶな!しかし、少し油断してた所はあったかもな。やっぱりこっちは厳しい戦いになりそうだな…」

52以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/12(水) 20:57:47 ID:1gxCScUg
どうのつるぎとこんぼうでよく頑張ったw


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