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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」

1Mii:2018/08/04(土) 23:26:40 ID:Mx6gHZLQ
マリオ「隠しキャラ、もとい隠しゲストとして任天堂から依頼が来てる。
    ギャラクシーと連動して、ミステリアスな女性ドライバーとして
    ブレイクしてほしいとのことだが…どうする?」テガミポイー

ロゼッタ「…ふむふむ。
     レースごとに観客の皆さんの投票で参戦するか否かが決まって、
     その時点で少なくない給料が発生。
     上位に入ったり総合成績が良ければ更に追加給金。
     至ってシンプルな給料体系ですね」

マリオ「…………」

788Mii:2019/01/09(水) 23:58:41 ID:sdRYBs0.
それでも、ひたすら、脳筋スタイルで投げ続けます。
誰だって完璧ではありません、見誤るかもしれないし、足を滑らせるかもしれない。
それを願って、ただひたすら。

…しかし、その行動は、却って――投球のタイミングを、
プンプンに完全に盗ませることになった、ようでした。

20球くらい投げたところで。目を細め、ニタリと笑うプンプンが手裏剣を構える。
――構えを解かせられるタイミングでは、ない!

慌てて危険を察知し、手投げで応戦するも。一向に構われず、投げられる――っ!
力ないファイアボールなどあっさりと消し去られて、手裏剣が迫り来る――っ!





ファイアロゼッタ(今度は、頭狙いでは――ないっ!?)





身を屈めようとするのを読まれたか、あるいは単に先ほど屈んだからなのか。
眼を見開くくらいしかできない。――避けようが、ありません。

腹部に手裏剣は深々と刺さり――
勢い止まぬまま、すぐ後ろの壁に、私をグサリと縫い付けたのです。

789Mii:2019/01/10(木) 00:01:37 ID:xEk7nrJ6
ロゼッタ「か、はっ……あ、あ――」ティウン ティウン ティウン



激痛とともに、鮮血が口から、腹部から。



プンプン「はい、三度あることは四度あるー!」

ロゼッタ「………………………くぅっ!」ブシュッ



――私は、ただ必死にもがいて踏ん張って、手裏剣をお腹から抜くだけ。
それがかえって災いし、さらに血は勢いを増し、ドクドクと流れ出します。
乱暴に投げ捨ててカランと音を立てた手裏剣は、ほどなくプンプンの手元に戻ります。

顔はみるみる青白く。目は光を失っていくことでしょう。



ちびロゼッタ「――――だめ、だったかあ」フラッ

790Mii:2019/01/10(木) 00:04:07 ID:xEk7nrJ6
プンプン「また来なさいよ、挑戦はいつでも受け付けるからねー!」クルリ

糸が切れたように――小さな私の体が前に倒れ込もうとするのを見て、
プンプンは踵を返し、手をヒラヒラと振って見せて……。





――私の右手に、掴むもの、有り。





ボンッ……!!





ファイアロゼッタ「ストックフラワァーッ!!」ダタダダッ!!





ボンッという音に驚いて、こちらを振り向いたプンプンが見たもの、それは。
真紅の衣装を再び身に纏い、助走を付けて大きく振りかぶる私、でした。

791Mii:2019/01/10(木) 00:07:02 ID:xEk7nrJ6
ゴオオオオオオオオッ!!!  ズバアアアアァァン!!



プンプン「きゃあああっ!?」ガンッ!



ファイアロゼッタ(当たった……当たりましたっ!しっかりダメージも与えています!
           やった、助走も付けると威力が違いますね!)



そうです。やはり、間違っていませんでした!

ファイアロゼッタ(あと、少し!あと少し、速度があれば、届くっ!)

そのことが、私に勇気を与えてくれます。



プンプン「やったわね!騙し討ちみたいなこと、してくれちゃって!もう許さないんだから!」プンプン



プンプンの言葉には耳を傾けず、ただ、ただ、投げる!!

792Mii:2019/01/10(木) 00:09:49 ID:xEk7nrJ6
ファイアロゼッタ「はっ!!」ブンッ

ゴオオオオオッ!!   ズバアァーン!!

プンプン「だから、同じこと言わせないでよ、もー」ヒョイッ



――ファイアボールを、怖がるな。
――もっとしっかり、燃え盛る火の球を、握り締めろ。
――熱いだなんて、言わせません。全身全霊、注ぎなさい!

――今までで一番強く握りしめたファイアボールは…不思議と、熱く感じませんでした。



ファイアロゼッタ「フンッ!!」ギュルッ ブンッ

ゴオオオオオオッ!!   ズバアアァーン!!

プンプン「そんな攻撃、何回やったってねぇ」ヒョイッ



ファイアロゼッタ「ハアァッ!!」ギュルルッ ブンッ

ゴオオオオオオッ!!   ズバアアァーン!!

――――もっと、もっと、速く!
――――――――まだまだ、速く!相手にしかと、当たるまで!

793Mii:2019/01/10(木) 00:13:36 ID:xEk7nrJ6
プンプン「効かないって言ってるでしょ?スタミナが勿体ないわよ!」ヒョイッ







ファイアロゼッタ「ハアアアアァァーッ!!」ギュインッ!!









テーレッテレー!

ロゼッタの 基礎体力レベルが Lv. 20に 上がった!▼

794Mii:2019/01/10(木) 00:14:43 ID:xEk7nrJ6
ゴオオオオオオオオオオオオッ!!!!





ファイアロゼッタ「――!?」





私の手から離れたファイアボール…いえ、「弾丸」は。





プンプン「どこ狙ってるのよ、すっぽ抜けたわよぉ?」ニヤニヤ





明後日の方向に、飛んで行き――
壁にめり込んで、プシュー、と煙を上げました。

795Mii:2019/01/10(木) 00:17:17 ID:xEk7nrJ6
プンプンの笑いなど、耳に入ってきません。
まじまじと、投げた右手を見やります。
少し赤くはなっていますが、大してケガ・火傷の様子はなく。





私はたった今、何をした?





ファイアロゼッタ「……………………」

ファイアロゼッタ「は、ははははははははは……そういう、ことなのね。
          いよいよ最低限の筋肉が、体力が付いたから…投げろってことね。
          あとは任せて、今度からは――外さない」

左手で、ポンポン、と右肩を労います。

プンプン「はあ?何を言っているの?」



私は…おもむろに振りかぶる。

796Mii:2019/01/10(木) 00:20:50 ID:xEk7nrJ6
――体捌き、腕の振り、握り方、リリースポイントを微調整。



ゴオオオオオオオオッ!!! ズバアアアァァーン!!!



プンプン「……!?」ビクッ


プンプンが、ギギギ、と振り返り、壁にめり込む火の球を信じられないように見やります。



ファイアロゼッタ「今のは、調整がてら速度を抑えました。
          ――我ながら、いいコントロールです。
   
         さあ、次を躱せるでしょうか」

プンプン「な、なんなの、今の!?」

たちまちプンプンが慌てていますが、後の祭り。

私は、再度振りかぶる。……できる限りの速度をもって――っ!
さあ、倒される準備、できましたか――

797Mii:2019/01/10(木) 00:22:47 ID:xEk7nrJ6












ファイアロゼッタ「Gyro Fire《ジャイロファイア》――ッ!!」ギュインッ!!

―――――速度 +30%ボーナス!
――――減速度  50%軽減!

ゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

プンプン「きゃあああああああああああ!!」ドッカーン!!





「 2 回 分 」当たった!▼

798Mii:2019/01/10(木) 00:26:15 ID:xEk7nrJ6
ファイアロゼッタ「さ、さすがに肩が痺れますね…ですがっ!
          どうやら……時速208 kmくらい出ていますね。
          おまけに…凄く伸びています!」



――サヤカ。指切りした約束、どうやら守れたみたいですよ?
   そして…ありがとう。



天井がありますが、顔を上に向け、握りこぶしを小さく掲げてみせます。



ファイアロゼッタ「さあ、プンプン!
          ブンブンとの戦いで知っていますよ、3回ダメージを与えなければいけないことを!
          時計を気にしつつ、最後の1発も、当てて見せます!





          ……あれ?プンプンはどこですか?」キョロキョロ

799Mii:2019/01/10(木) 00:29:15 ID:xEk7nrJ6
こうして――私のWorld3の攻略は終了しました。



瓶詰になっていた妖精さんはまた逃げたので、
ジャイロファイアをお腹目がけて……投げるのは流石に可哀想だったので
普通のファイアボールを投げつけておきました。よかったですね。

…なんだか、1人目、2人目、3人目と経るに従って
黒焦げ度が格段に増している気がしますが、きっと気のせいでしょう。





1人目の悪戯妖精が「5人目あたりから死んじゃう…」とメソメソしていましたが
だったら普通に殴られればいいのに。うふふ。

800以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/10(木) 13:47:55 ID:QH5j22oU
ついにヒップドロップくらいの威力が出るようになったのか(3dワールドではヒップドロップでも1回分だった気がするけど)

801以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/10(木) 21:54:02 ID:vzhNs9Xw
2-6〜3-3はカット?

802Mii:2019/01/21(月) 23:02:31 ID:r7VXAmD2
さて。スマブラ会場に向かう前に。
当然一度は帰りましょう、私の…私たちの家へ。

…無責任な管理者に、みんな、愛想を尽かしていないことを祈って。
後ろめたい気持ちから、そーっと、そーっと。

でも、私の隠密行動はいい意味で終わりを迎えます。
ワープボックスをくぐって幾ばくも無いうちに…

ポスン、と頭に、胸に、背中に。どんどんチコたちが抱き着いてきます。



チコ「わあっ!ママだ!お帰りーっ!!」

チコ「おかえりー!!」

チコ「やったぁー!ママが、ママが帰ってきたぁー!!」

ロゼッタ「……ただいま。みんな、元気にしてたかしら?」

チコ「うんっ!」



感動の再会、いいものですね。
留守中、よくほうき星を守ってくれました。

803Mii:2019/01/21(月) 23:05:13 ID:r7VXAmD2
暫く抱き着いたチコを順番に撫でていると、チコたちがゆっくり離れていきます。
そんな、すぐに離れなくてもいいのに。クスクス…。



さぁて、久しぶりに、みんなに星くずパンをたくさん、たっくさん作ってあげましょう。
静かに微笑みながら、フェアリーランドに持ち込んでいたそれなりの量の手荷物片手に、
意気揚々とキッチンに向かおうとして――







チコ「ママ、ちょっと臭い」ススス

チコ「ほんとだ、なんか臭う」ススス

チコ「埃っぽいというか泥臭いというか。お風呂入ってた?」ススス

ロゼッタ「え゛」ガシャーン



荷物を手から滑らせるほどの…容赦ない言葉に襲われました。
え?ええ!?嘘ぉ!?
この格好で普通にテクテク歩いて帰ってきたんですけどぉ!?
そ、そういえば、すれ違う妖精たちが妙に顔を背けていたような!?

804Mii:2019/01/21(月) 23:06:46 ID:r7VXAmD2
ロゼッタ「…臭い、のね。自分じゃ分からなかったわ、そんなこと。
     そういえば…プンプンを倒してから今現在に至るまでの間は、
     1回も浄化の魔法で体を清めてなかったんだった…。
     女性として失格ね、あは、ははは…」ガクッ



浄化の魔法があれば野宿もへっちゃら!と偉そうにしていた過去の自分に
ジャイロファイアをクリンヒットさせてやりたい気分です。



ロゼッタ「…せっかくだし、お風呂、先に入ってくるわ」トボトボ

チコ「ボクもはいるー!」

チコ「ボクもー!」

ロゼッタ「別に構わないわよー……」トボトボ

805Mii:2019/01/21(月) 23:10:25 ID:r7VXAmD2
チャポン――

ロゼッタ「…ふう、浴槽の中はやはり違いますねー、休まります」

ひととおり体を洗い、湯に浸かる。眼を閉じて、こじんまりとした浴槽で鼻歌気分。
ピーチ姫の所有する湯船に比べれば大したものではありませんが、極楽です。



…おっと。変な描写でCEROは上げさせませんよ?ふふふふふ。



ロゼッタ「もう少し、熱くてもいいですね」

より心地よさを上げるため、ポチポチっと…設定温度を上げました。







ロゼッタ「……………………うーん」

チコ「おっふろー、おっふろー、おーふーろー……あれ?どうしたの?」

チコ「…??」

806Mii:2019/01/21(月) 23:11:46 ID:r7VXAmD2
ポチッ ポチッ ポチッ…。

ロゼッタ「…どうも、温度制御機能が壊れちゃったみたいだわ。
     あなたたちは触ったことがほとんどないから、よくわからないと思うけれど。
     ピーチ姫が導入してくれた機器がそうそう壊れるとは思えないのに」



――「人間はねえ、よりよい幸福を目指してこそ強くなるのよ!」
――以上、談:ピーチ姫でした。



チコ「お湯が熱くならないってこと?そんなに温いの?」

ロゼッタ「ええ、もうちょっと熱い方がいいのだけれど…我慢するしかないみたいね」チャプン

チコ「…へぇ――」チャプッ

チコ「どれどれ――」チャプッ

807Mii:2019/01/21(月) 23:16:17 ID:r7VXAmD2







ロゼッタ「表示だと『60℃』になってるのに…」






チコ「ぎゃー!?」ピョンッ

チコ「あっつぃ!?普通にあっつぃよ!?」ギャア

ロゼッタ「またまたー、そんなわけないじゃない」ウフフ

チコ「ホントにホント!!」

チコ「ただの熱湯だよこれ!?」





ロゼッタ「…………え?」

808Mii:2019/01/21(月) 23:18:13 ID:r7VXAmD2
お風呂から上がって、久しぶりの寝間着に着替えて、暖炉の元へ。

おっかなびっくり、手のひらを少しずつ近づけて――

静かに赤く燃えながらパチッとはじけている薪に、ピトッとタッチしてみます。



5秒。

10秒。

30秒。



ロゼッタ「……ちょっと、熱い」

――いつの間にか、炎耐性がちょっと付いたみたいです。
――ファイアボールを投げ続けたことからすれば、ある意味当然ではあるのでしょうか。

そんなこんなで、すこし嬉しくなりつつ、スマブラへの用意を着々と進めていくのでした。





ロゼッタ「……って、それでは今後どうやって熱いお湯に浸かればよいのですか!?
     私、もともと熱めのお湯が好きだったんですけど!?」

809Mii:2019/01/21(月) 23:20:27 ID:r7VXAmD2
〜9月1日   スマブラ開幕まで あと12日〜







さて 今日は・・・
『星へのねがい』のお話を しましょう

とお〜い とお〜い 空の上
その はるかはるか かなたに
ロゼッタという女性と星の子たちのすむ星が あるそうです

星のてっぺんの 天文台には
みんなのねがいを かなえる力をもった
『ロゼッタのつえ』という たからものがあり

ありがた〜い 7個のグランドスターによって
たいせつに たいせつに
まもられているといいます

810Mii:2019/01/21(月) 23:21:58 ID:r7VXAmD2
そして・・・おや!?
だれです? かってに はいりこんだのは!

クッパ「ハ〜イ ワガハイデース!ガッハッハッハッハッハッハ〜!!
    にっくき マリオを やっつけるため
    『ロゼッタのつえ』は ワガハイが いただくのだ〜!
    やれ〜!カメックババ!!」

ロゼッタ「あららら そんな!!」



クッパ「さっそく つえを つかわせてもらおうか!」

ロゼッタ「ああ! やめなさい クッパ!!
     つえを かってに つかわないでっ!」

クッパ「ガッハッハッハ!…む?」ピカッ…!



ドカーン!



クッパ「うわあぁぁっ!」

ロゼッタ「」

811Mii:2019/01/21(月) 23:23:49 ID:r7VXAmD2
クッパは すれちがいざま つえを ひったくったは いいものの
とりあつかいが ひじょうにむずかしく
ぼうはつさせて だいばくはつをおこしてしまいました



ロゼッタ「あっ・・・」



なんということでしょう
つえは クッパといっしょに おっこちて しまいました
ばくはつのせいで グランドスターまで ちりぢりばらばら
そして、ロゼッタほんにんも・・・



星の子が みんなのねがいを とどけにきましたが
もう ねがいは かなわなくなってしまいました

812Mii:2019/01/21(月) 23:26:12 ID:r7VXAmD2
いっぽう ここはキノコ王国
キノピオたちが せいかつしている 国です

1人の配管工が おさんぽ中
けさは とっても よい天気です



マリオ「んっ?」

ロゼッタ「ふぎゃっ!」ドッカーン



なんと そらから ロゼッタが
配管工の 目の前に おちてきました

星の子たちにまもられながらも まんしんそういでしたが
1 UPキノコのおかげでどうやら ロゼッタは ぶじなようす。
よかった よかった。

ロゼッタは 礼もそこそこに
起きたことをひっしに説明しはじめました。
どうやら これは“じけん”のようです。
みんなのねがいが かなわなくなってしまうかも?

だけど配管工、ちんぷんかんぷん。
なかまと そうだんすることにしました。

813Mii:2019/01/21(月) 23:29:40 ID:r7VXAmD2
なかまのところへ向かう配管工ですが
どうにかなるさと きらくなようす。

しかし クッパの手下のカメックたちは 王国じゅうで
つえの使い手であるロゼッタの ゆくえを追っています。

はたして配管工とそのなかまたちは
おたがいのきずなでたすけ合い とくちょうをいかしあって
ぶじ ロゼッタのつえとグランドスターを元のばしょに戻せるのでしょうか・・・

814Mii:2019/01/21(月) 23:32:17 ID:r7VXAmD2
(暗転)

「俺がいなくちゃ 始まらないでしょ!」
マリオ! ペラペラ、次元ワザ!           \MARIO!/

「高い壁でも ひとっ飛びさ!」
ルイージ! ビヨーン、ハイジャンプ!        \LUIGI!/

「浮いてりゃ どうにかなるものよ!」
ピーチ! フワフワ、宙浮遊!            \PEACH!/

「邪魔な敵は 排除しますね!」
ヨッシー! ペロリン、タマゴ投げ!         \YOSHI!/

「力こそが 正義だよな!」
ワリオ! バキボキ、ブルダッシュ!        \WARIO!/

「綺麗な薔薇には 棘があるのよ!」
デイジー! ヒラヒラ、花吹雪!           \DAISY!/

「悪いな 俺様アマノジャクで!」
ワルイージ! ジャジャーン、イリュージョン! \WALUIGI!/

「キラキラ落としを お返し致します!」
ロゼッタ! キラキラ、流れ星!         \ROSALINA!/

815Mii:2019/01/21(月) 23:33:18 ID:r7VXAmD2
仲間を増やして 先へと進め!

リーダーとサブは自由に選べる!

謎解き1人で、バトルは2人で!

28通りのタッグアタック!

勇気と知恵と優しさで 大魔王クッパに立ち向かえ!



〜PAPER MARIO GALAXY  20XX年12月3日発売予定!〜

早期購入特典は マリオストーリーとヨッシーアイランドのダウンロード版!









デイジー「…みたいなゲームがあったらバカ売れすると思わない!?」

任天堂スタッフ「…いきなり押しかけてきて何を言っとるんですかアンタは。
         ご丁寧に紙芝居まで作ってきて」

816Mii:2019/01/21(月) 23:36:03 ID:r7VXAmD2
デイジー「だってだってー!なんで、どうして!私、スマブラに出られないのよおぉぉ!
      もう…開き直って妄想して、貴方たち相手に時間を潰すくらいしかすることがないじゃない!!
      今回はしっかり仕事を終えてきたのよぉ!訴えてやる!」ジタバタ



スタッフ「3Dワールドで企画を蹴ったことに対するペナルティに決まってるでしょ」

デイジー「……やっぱり?」

スタッフ「ええ、やっぱり」





デイジー「あはは、そっかぁ……………………で納得できるかあ!!!!!」

スタッフ「自業自得でしょうに!」

デイジー「私、帰る!」ダダダッ

スタッフ「はいはい、さっさとお引き取り下さい」



デイジー(……こうなったら、何としてでも会場に潜り込んでやるんだから!)

スタッフ(…みたいなこと、どうせ考えてるんだろうなあ。やれやれだぜ。
     って、紙芝居は持って帰れよ!ワザとらしい主張しても捨てるだけだぞ!)

817Mii:2019/01/21(月) 23:38:00 ID:r7VXAmD2
〜サラサ・ランド〜

デイジー「……………………」モクモク

デイジー「……………………」チマチマ

デイジー「……………………」モクモク

デイジー「……………………」チマチマ



大臣「で、デイジー様が遊びにも行かず黙々と作業をされている、だと――」ガクブル

大臣「天変地異の前触れか……!?」ヒソヒソ

メイド「ただ――執務とは全然関係ないみたいですけれどね」

大臣「あ、やっぱりか。……いやいや、それでも!
   椅子に座っての集中力が5分と持たない今までに比べれば、大進歩だ!
   これを序章に、きっかけにして真面目に働いて頂けるかもしれん!」

メイド「そうでしょうか……?期待するだけ損なのでは…」

818Mii:2019/01/21(月) 23:42:40 ID:r7VXAmD2
〜3日後〜



大臣「デイジー様があれから一切お休みになられていないようだ」ガクガクブルブル

長官「」

占術師「」

料理人「」

教育係「」

庭師「」

医師「」

居合わせた泥棒「」

兵士「…サラサ・ランド、終わるのか?うそ、だよな!?
    なんだかんだ、俺、この国、好きだったのに……!ちくしょう……」ポロポロ

メイド「そうかもしれないわね…っ!私まだ、死にたく、ないっ…!」ポロポロ

819Mii:2019/01/21(月) 23:49:47 ID:r7VXAmD2
デイジー「くっくっくっくっく……フハハハハハ……!
     慣れない裁縫に四苦八苦し、苦難に苦難を乗り越え、完成した――
     正体を隠し、颯爽と登場できる、私の、私による、私のための衣装が…!」



ファサッ――



デイジー(覆面、奇抜な衣装、インパクトはバッチリ!観客の目を釘付けよ!)

???「アタシは サラサ・ランドに忠誠を誓う 期待のニューフェイス
    『ユズ色の貴婦人』こと…」





ミスD「『ミスD』ィ!」ババーン!





ミスD「おっと このキュートな名前を覚える必要はなくてよ?
     なぜなら貴方たちはここで宇宙のもずく…じゃなくて
     もくずになっちゃうんだからね! お覚悟をっ!」 シャキーン!

ミスD「……正直言って恥ずかしいけど、ばれなきゃいいか」

820Mii:2019/01/21(月) 23:52:07 ID:r7VXAmD2
ヌギヌギ…。



デイジー「…ぷはぁ、とりあえず仕舞って、会場で着替えようっと。
     いやあ、楽しみだなあ!



     ……にしても、3徹はちょっと……やりすぎた…かも……眠い…………

     ああ、寝過ごしなんて嫌だから出発しないと…向こうで寝よっと…
     今頃、会場には強者どもが続々と…………ふわぁ…………」ウツラ ウツラ





――間もなく、ゴングが、鳴らされる。

821以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/22(火) 12:48:37 ID:/k1IAlmU
そろそろ仲間増やしたマリオRPG、ペパマリ系がやりたいなあ…
熱いお湯は自分の感覚操作しかなさそう

822以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/23(水) 16:59:30 ID:HKGuy7Fk
デイジー…

823以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/29(火) 13:19:00 ID:cDbRSdXc
そもそも招待状なきゃつまみ出されそう

824Mii:2019/02/01(金) 06:19:53 ID:5I3.SDfA
〜天界〜



ジリリリリリリリ… カチッ。



ピット「……んー、朝かぁー!へへ、目覚まし時計を使うのも久しぶりだなー!」ノビー

ピット(いよいよ、スマブラの時期がやってきた!よーし、頑張るぞ!
    それに、今回はなんと!とうとうパルテナ様も参戦されるんだから…!
    これはもう、カッコいい所をお見せするためにも…燃えるっきゃないね!

    面倒くさいことに冥府軍がこんな時に攻めてきて、夜通し戦ってたけど!
    まさか、大事な時に寝過ごすわけにもいかないよ!目覚ましがあってよかった――」チラッ





目覚まし時計「午後8時です」

ピット「」

825Mii:2019/02/01(金) 06:22:13 ID:5I3.SDfA
ピット「パパパパパルテナ様―っ!?大変です!出発予定時刻を大幅に過ぎちゃってます!
    いいい急いでキノコ王国に向かわないとっ!」

パルテナ「あらあら、慌ただしいですね、ピット。慌てる天使は貰いが少ない、ですよ」

ピット「ノンビリ構えている暇、無いんですよ!?ご存知ですか!?
    パルテナ様が『ギリギリに到着すればいいでしょう?』って仰ったから、
    いつの間にか開幕30分前に到着する移動プランを立てざるを得なかったんですよ!?

    今日の昼前には出発しておかないと行けなかったのに!
    大変なことになりました!こんな時に限って目覚まし時計が壊れてるだなんて!」

パルテナ「あ、それ私です」

ピット「……へ?」

パルテナ「ピットは昨晩、浄化戦を本当によく頑張ってくれましたからね。
      ゆっくりぐっすり眠れるよう、目覚ましの時刻を12時間ずらしておきました。
      いわば『時の奇跡』ですね」

ピット「」

ピット「その気遣いは流石に要らなかったっ!?なんてことをしてくれたのですかーっ!?
    おまけにパルテナ様の初陣ですよーっ!?」

826Mii:2019/02/01(金) 06:25:19 ID:5I3.SDfA
パルテナ「まあまあピット、実は今回…私はあまり目立たない方がいいのです。
      せっかく参戦を許可してもらっておいて、図々しいかも知れませんが」

ピット「え、それは初耳です……な、何か深い理由が……!?」ゴクリ









パルテナ「だって、丁寧神々しい系のおっとりお姉さんだなんて、
      このSSの主人公のロゼッタと思いっきり被っちゃうでしょう?
      主人公の役を食う訳にはいかないのですよ」

ピット「……はい?」

パルテナ「純粋ミステリアスの元祖ロゼッタならまだしも、このSSのロゼッタは
      マリオカート系やらマリオパーティ系やらスポーツ・オリンピック系やらの…
      はっちゃけた要素を足して、更には主人公としてうっかりさん要素も継ぎ足されて…
      私の性格に近しくなってしまいましたからね。
      まあ、私のような素晴らしいネーミングセンスは持ち合わせていないようですが」

ピット「メタい!いつにも増してメタいですよパルテナ様!?
    ……ハッ!?そうか、読めたぞ……謎が全て解けた……!」テンッ!

パルテナ「ど、どうしたのですかピット?
      まるで体は子供、頭脳は大人の名探偵になったような口ぶりになって……?」

827Mii:2019/02/01(金) 06:27:42 ID:5I3.SDfA
ピット「スレ主は、ちょっと前の『新・光神話 パルテナの鏡』における私たちの会話が
    ことごとくメタ要素満載だったことをいいことに…





    パルテナ様と私を、このスマブラ編におけるメタ要素発言キャラかつ
    『○○の奇跡とか言っておけばなし崩し的になんでも解決してくれる的な事後処理キャラ』として
    姑息にも扱おうとしているんじゃないですか!?」







パルテナ「…………それはそれで、差別化を図れておいしいですね!」ワァ

ピット「そう言うと思ってましたよ、もうー!
    で・す・が!私は手抜きなどしませんからね!

    パルテナ様も、あのマリオを倒すくらいの意気込みで頑張ってくださいよ!
    ある程度は目立つことも大事です!」ガオー

828Mii:2019/02/01(金) 06:31:54 ID:5I3.SDfA
パルテナ「…マリオに勝つのは、無理じゃないでしょうか」

ピット「そんなことないですよ!パルテナ様の神の力、奇跡なら――」

パルテナ「そうじゃなくてですね。ちょっとスレ主について分析してみたのですが。

      このSSのキャラの純粋戦闘力は、大雑把に言って、
      『初登場作』発売から経過した時間に比例するらしいのです」

ピット「相変わらずメタいことを…!?で、でもそれならば私たちも決して引けを――」



パルテナ「あともう一つ。
   
      『冒険したor仲間になったor悪役になったor悪役に攫われた回数』をA、
      『レース、パーティなどのバラエティゲームにプレイアブルとして出演した回数』をBとしたとき
      『A×2 + B』をさっきの時間評価に掛けているっぽいですよ。

      もちろん、作品中のキャラの立場・強弱や努力補正、そして残機消費補正で色は付けるみたいですが。
      ロゼッタは努力補正や残機消費補正を大きく受けている期待の新人といったところですね」

ピット「キノコ王国のヒイキが酷いっ!?
    もうちょっと、なんとかならなかったんですか!?」

パルテナ「まーまー。その分、沢山苦労して沢山経験を積んできたということなのですから、
      不満を垂れるのは不謹慎という物でしょう?」

ピット「えーっと、そういうことになるのでしょうか…?」

829Mii:2019/02/01(金) 06:34:20 ID:5I3.SDfA
パルテナ「さーて、改めまして問題です。
     『光神話 パルテナの鏡』から『新・光神話 パルテナの鏡』の間の25年間…
     国内販売ソフトで、私たちの出演回数は何回でしょーうか?

     …はいっ!ピットのスマブラXへの出演が1回あるだけです!
     もっとメデューサに暴れてもらえばよかったですね!」ピンポーン

ピット「うがあああああああ!!?確かにマリオに全然歯が立ちませんでしたけど!?
    あ、いや、海外のみ販売されたGB版がごく最近にバーチャルコンソールで出たような…?
    更に前には、まわるメイドインワリオ……?うっ、頭が…」

パルテナ「そんなわけで、遅刻してもいいくらいの気持ちでのんびり構えましょう。
      何物にも縛られず囚われず。それが女神というものです」フフン

ピット「…………僭越ながらパルテナ様。残念ながら任天堂には女神だろうと縛られるし囚われちゃうんですよ」

パルテナ「…………マジなのですか?」

ピット「下手をするとスマブラ界で永久除名処分を食らいます」

パルテナ「……………………コホン。では、ちょっと慌てましょうか。
      『飛翔の奇跡』っ!」パアアアアア

ピット「いくらなんでもキノコ王国までは飛んでいけませんよ!
    ああ、急がなきゃ急がなきゃ急がなきゃ――!」アタフタ

830Mii:2019/02/01(金) 06:36:31 ID:5I3.SDfA
ピット(パニックになり掛けた、まさにその時。
    
    一機…いや、二機の戦闘機が、
    派手な音を立てて窓ガラスを割り、突如として滑り込んでくるっ!?

    操縦者の腕が素晴らしいのか、瞬時に減速を掛けて――
    僕とパルテナ様がいる石畳の広間に、フワッと穏やかに着陸したぞ。
    いやまあ、窓ガラスは割ってほしくなかったけど。
    あれ、見覚えのある、あのシルエットは……!?)





フォックス「呼ばれた気がしたから急遽ルートを変えて飛んできたぞ」シュゥゥ

ファルコ「一体何の騒ぎだあ?ははーん、さては会場までの乗り物を決めかねてやがるのか?
      しゃーねーな、乗ってけ」シュゥゥ

ピット「!?」

パルテナ「これぞ飛翔の奇跡!」ドヤア

ピット「フラグ立てって意味じゃなかったはずですよね!?」

831Mii:2019/02/01(金) 06:38:22 ID:5I3.SDfA
ガサッ。

ブラックピット「おう、出迎えご苦労。オレも乗せて行ってもらおうか」ニヤニヤ



フォックス「悪い、予約客のことも考えると、これ以上乗られると定員オーバーだ」

ピット「私などよりよほど優秀なブラピ様はどうぞ自力で会場まで飛んで行ってください」

ブラックピット「」



パルテナ「ふふふ。やはり、持つべきものは友ですね。助かりました」

ピット「友以前に、まともに会ったこともないじゃないですか…ま、まあいいや。
    ありがとうフォックス!もうダメかと思ったよ」

ファルコ(通信)『フォックスの方のアーウィンは一杯だな、じゃあ残りはこっちか』

フォックス「そうだな。…悪いなピット、もともとハイラル勢を送ってやる約束だったんだ。
       もうちょい、回り道していくことになるけど構わないな?」

ピット「僕たちは乗せてもらえるだけで御の字さ。
    それに、いくらハイラル王国が地球上でキノコ王国と真逆の位置にあるといっても、
    アーウィンの速度なら全然問題ないよ!」

フォックス「はは、そう言ってもらえると助かる」

832Mii:2019/02/01(金) 06:42:19 ID:5I3.SDfA
フォックス「…………よし、ハイラルの大地を目標に捉えた。
      お、幸先がいいことに早速向こうから通信を投げて来てくれたぞ!
      これで『時に迷わずに済む』な!」

ピット「そっか、最近は『時間振動が激しい』んだっけ。入国するのも一苦労だね」

ファルコ『……ちょっと待て。これは、唯の信号じゃあ、ねえ。
     …救援要請信号っぽいぞ!どうなってる!』

フォックス「なんだと!?」






〜ハイラル城〜

トゥーンリンク「大変だよ!ガノンドロフが、ゼルダ姫を攫って行ったんだ!」

フォックス「まさか!?」

ファルコ「こんな時にか!?……ったく、なんて太ぇ野郎だ!
     おい、リンクを急いで探すぞ!」

パルテナ「あらあら、何やら大変な所にお邪魔してしまったようですね♪」

ピット「パルテナ様、ワクワクするのは流石に不謹慎ですよ…」

833Mii:2019/02/01(金) 06:44:29 ID:5I3.SDfA
ハイラル王国。

地球において、キノコ王国のほぼ裏側にあり。
クッパシップは規格外として…アーウィンのような高速戦闘機でもなければ、
1日足らずで両王国を跨ぐことは難しい。

その規模はキノコ王国よりもさらに大きく、世界最大とされる。
文明にしても、キノコ王国に引けを取らない近代王国として有名である。

しかし、来るもの全てウエルカム、貿易も人の行き来も大盛況、のキノコ王国と異なり。
ハイラル王国は外部とのやりとりが極めて少ない、閉鎖的な王国である。
ただし、国民性などという感情的なものが理由ではサラサラない。



ハイラル王国は、世界でも極めて稀な「時間がブレる」領域なのである。



ハイラル王国には、トライフォースという聖三角に関わる英雄の物語…すなわち「勇者伝説」が、
定期的に紡がれ…そのたびに「伝説ごとの平行世界が生まれる」という、
理解しがたいトンデモ事象が発生しているのだ。

834Mii:2019/02/01(金) 06:48:33 ID:5I3.SDfA
平行世界という概念自体は他の国や地域にもあるが…大抵は
「未来は些細な行動の違いで無限大に分岐するね」といった、
意味があるようで何も実証していない机上理論に過ぎない。

ところがハイラル王国でいう平行世界は、こんな感じになってしまう。

    「今の世界から○○年経ち、あるいは△△年遡り、更には□□というイベントが起こり、
     明らかに異質として区別できる状態の『歴史』が突然誕生して重なってきたよ!」

具体的極まりない。そして、条件さえ整えば、狙った『歴史』にピンポイントで行ける、干渉できるのだ。
たとえば。ハイラル王国が栄えている歴史の裏側に、既に廃墟となったハイラル王国の歴史があり、
遊びに行けたりするのである。…やっぱり意味が分からない、と嘆く人も多いが。

正直な所、ハイラルの住人自体には、大して影響はない。
大多数の人間は時間移動…いや歴史移動の術を持たず、一つの歴史の中で生まれて死ぬ、それだけだ。

外部の人間はそうはいかない。
歴史移動の術を持たずに外界と内界との境界を潜った時、狙った『歴史』のもとに降り立てるかは基本的に運である。
貿易の交渉に来たら100年も文明がずれていた、とかでは交渉にも商売にもならない。

…いや、単に運が悪かったで済んで、愚痴を零しながら帰れるならまだいい。
ハイラル王国は戦乱の時期も割と長い王国だ。
いざ上陸してみたら歴史上の戦乱期間に特攻してしまい、
魔獣に襲われました、言葉通り流れ矢に当たりましたで命を落とすのではお粗末すぎる。
まあ、最近はそのような事象も「勇者」によって速やかに鎮圧されるけれども。

835Mii:2019/02/01(金) 06:50:58 ID:5I3.SDfA
そんなわけで、相互通信などで目標の歴史を特定できるだけの技術力ならびに信頼関係、
時間軸調整手段を持ちつつ、万が一の非常事態にも難なく対応できる屈強なファイターしか、
自ら好んで訪れようとはしない。

…言わずもがな、ハイラル王国のまともな関係を持つのは――
スマブラ関係者ならびにキノコ王国だけである。







なお、具体的にキノコ王国と交流がある「歴史」はどこかというと……
その時その時のご都合主義になってしまうのであしからず。

836Mii:2019/02/01(金) 06:53:41 ID:5I3.SDfA
〜トアル村〜

リンク「……………………」ジッ

自慢の装備を持ち、ただひたすら集中している、青年が一人。
神経を研ぎ澄ませ、いつ事態が急展開しても対応できるように覚悟している。

敵と対峙すること、かれこれ1時間。



リンク「――――っ!!!」グッ

いよいよ、試合の幕が今開かれ――



リンク「――フィーーッシュ!!」ザバァン

一瞬にして、けりが付いた。

リンク「来た来たぁっ!全長6メートル超え、ついに来たっ!
    ヌシかな!?ヌシだな!きっとそうに違いない!」ガッツポーズ

無邪気にも、取れた戦果に大喜びする、こちらの青年。
緑の衣、光る剣、王国の象徴の盾を身に纏う。
…剣と盾については、今は地面に置いているが。奪える者など、そうはいない。

名をリンク。「勇者」として数奇な運命を辿っている男である。

837Mii:2019/02/01(金) 06:56:31 ID:5I3.SDfA
数多くの伝説に登場するこの男について、ハイラル王国で噂を聞けば、
ある程度の知識を持ち合わせた人なら間違いなく、こんな感じに答えるだろう。

    「お会いしたことなどあるはずもないが。
     勇気のトライフォースを司る、三傑の1人である」と。

一方で。キノコ王国で噂を聞くとどうなるか。
ある程度の知識を持ち合わせた人ならおそらく、スマブラの戦績を見て、こう答えるだろう。

    「いつ見てもカッコいいお方ですね!
     マリオ、クッパと共に並び立つ、三強の1人です」と。



そう。見かけによらず…いや、見かけ通りというべきか。
この男、恐ろしく強い。今もなお、マリオ達と切磋琢磨する中で強くなり続けている。

よりにもよって、ハイラル王国ではあまり知られていないが…
あまりに強くなり続けすぎて、ハイラル王国で実質「一傑」状態になっている。
歴史間移動パトロールまでやってのけ、最近はどの歴史もすべからく平和そのもの。
王国民にとっては非常に幸せなことである。

…ただし、一部お姫様にとっては不幸かもしれないが。

838Mii:2019/02/01(金) 06:59:31 ID:5I3.SDfA
リンク「さってと、魚はお土産に持って行くか。
    ヨッシーかな、カービィかな、ははは……っと、トゥーンリンクから連絡?…もしもし?」

トゥーンリンク『あ、よかった、連絡取れた!』

リンク「…何っ!?ゼルダ姫がガノンドロフに攫われた!?
    今、こっちに俺を回収しにアーウィンで向かってるだって!?
    わかった、すぐ時間軸移動の支度をする!」

リンク「…………面倒くさいなあ」イソイソ



リンク「いやあ、ハイラルのゴタゴタに巻き込んじまって、本当に申し訳ない」ペコッ

ファルコ「いいってことよ。さあ、早く乗った乗った。
     …それにしても、なんで釣りなんかしてたんだ?勇者っぽくないな。
     食べるためとかではなく、本当にただの趣味なんだって?」

リンク「それは違うぞ、ファルコ。
    『俺の趣味である釣りが勇者として似合わない』んじゃない。
    『勇者らしさを失うために俺が趣味にしたものの1つに釣りがある』んだ」

ファルコ「はあ??」

フォックス『こら、ファルコ。失礼なことをリンクに言うなよ。
      …リンク、今回こそは勝ちをもぎ取って見せるぞ!
      正々堂々、勝負しような!』

839Mii:2019/02/01(金) 07:01:46 ID:5I3.SDfA
リンク(無線の声だけで、フォックスの喜々とした顔が容易に思い浮かぶ。
    そうだ、今の俺は、他のファイターから憧れられ挑戦を望まれる立場。
    なんでも、三強の一人…とか呼ばれてるんだっけな。





    ほんと、感慨深いな。
    というか、その昔『最弱』と呼ばれた頃からは考えられないよ。
    そう、あれは…15年、いや…もっと、前だったか――)シミジミ





今となっては、笑い話にもなるだろうか。
遥か昔に、想いを馳せる――。

840Mii:2019/02/01(金) 07:03:04 ID:5I3.SDfA

・・
・・・

――アリガトウ リンク アナタハ
――ハイラル ノ エイユウデス

リンク(…………)スヤスヤ



――たすけて… …
――たすけてください…
――私は、お城の地下ろうに
――捕えられています。

リンク(……………………)スヤ・・・



――おねがいです リンク
――その手で 闇をふりはらい
――この世界を まもってください!

リンク(………………………………)

841Mii:2019/02/01(金) 07:04:12 ID:5I3.SDfA
――わたし、夢を見たのです。
――このハイラルがまっ黒な雲におおわれて
――どんどん暗くなっていくのです…

リンク(…………やめろ)



――ネエ、サッキカラドウシタノ?
――ワタシノコトガ、ワカラナイノ?

リンク(……………………やめろ…!)







――ネエ、アナタッテ
――ナニモノナノ、ユウシャサン?

リンク(…………………………………やめて、くれ――――!)

リンク「うわあああああああああああぁぁ!!!」ガバッ!

842Mii:2019/02/01(金) 07:06:15 ID:5I3.SDfA
リンク「ハァッ、ハァッ、ハァッ――――」ガクガク

冷や汗だくだくになりながら、ひったくるようにして水の入った壺を机から掠め取り、
ひたすらに喉に流し込む。



既に幾度か世界を救った勇者リンク、もとい俺は――
満足に睡眠をとることすらままならず、疲弊しすぎた毎日を送っていた。



というのも、俺が、勇者という存在が――ハイラルで唯一。
伝説を紡ぎ終えるたびに、別の歴史へ…伝説の始まりへ転生する存在らしいからだ。

『ははーん、ハッピーエンドになったそばから歴史から追い出されるから、
 幸せを享受できずに人生に嫌になっちゃったんだな?』

――違う。そんな、ただの不満感程度が原因なら、全然大したことはなかったさ。

『幾度となく危険と巡り合わせて、戦いにウンザリしてきたんだろ?』

――違う。人の為になったならば、そのくらいの危険、屁でもない。



単純に、そう、非常に単純明快なことに。
転生するたびに記憶がどんどん重なって…脳がパンクし、精神崩壊しかけている。
自分でも現象を理解できていて、一切対策が分からないから性質が悪い…!

843Mii:2019/02/01(金) 07:08:09 ID:5I3.SDfA
ちょっと、たとえ話。

誰かの人生における過去の記憶の中で時を指定して、二択問題を出すとする。
その二択は、必ずどちらかが起きていて…同時に起こることはない出来事にしておく。
別に、人生を左右するほどの出来事じゃなくていい。
たとえば、「何年何月何日に、パンを食べたか食べなかったか」としよう。

日時が昨日とかなら、間違える人はまずいない。
1週間前なら、パンを食べるのが不定期な人は間違えるかもしれない。
1か月前なら、記録でも付けていない限り厳しいだろう。



さて、この場に100人の人間を用意して、こんな質問を出してみる。

「1年前はどうだった?」



さあ、回答を出してくれるのは何人だろうか。
50人?10人?もしくは2、3人いたらいい方だろうか?

844Mii:2019/02/01(金) 07:10:59 ID:5I3.SDfA








……正解は「100人」だ。なぜなら――

覚えていなくても、適当に答えるか、「わからない」とギブアップすればいいからだ。
屁理屈?いや、立派な理屈だよ。

誰でも、「どちらかは忘れたが、とにかく論理的にどちらかが起きただろう」ということは容易にわかる。
そういうふうに選択肢を作ったのだから。

1つしかないはずの思考結果を2つ以上持つと、脳ってのは混乱する。
だから、速やかに結論を収束させて――不確定要素を飲み込んででも、
結論を1つに修正する、あるいは棚上げすることで心の安定を図る。
それが自然の摂理って言う奴らしい。



――じゃあ、もし。
――どうしても否定できない、2つ以上の思考結果が脳に残り続けたら?
――それも、人生のあらゆる出来事において。

はい、俺という存在のできあがり。

845Mii:2019/02/01(金) 07:13:03 ID:5I3.SDfA
様変わりする、ダンジョン内容や攻略順、入手アイテム。



毎度変わっていく、生まれ故郷。



同じものなどない、ゼルダ姫との邂逅。



果てには、親代わりの人たちや、幼馴染すら……。





どんどん情報が変化する。
その全てが正しくて――同時に起きることなど、有り得ない。
そのことを受け入れられなくて…頭がどうにかなりそうだ。

846Mii:2019/02/01(金) 07:15:56 ID:5I3.SDfA
実は、2回目の「歴史」で苦しみ始めた俺は…ゼルダ姫に会って、淡い期待を持ったことがある。
細かい仕草の一致などから、姫も俺と同じく転生している確信がなんとなく持てたんだ。

    「『リンク』…!?まさか、あのときのリンク、なのですか!?
     ああ、なんということでしょう。あなたも運命に弄ばれている1人なのですね……」

みたいに反応してくれれば。
不幸なのは俺だけじゃなかったんだ、お互い頑張ろうってことで心を保てたかもしれない。



…だが、現実は非情だった。
リンクという名前に、僅かに反応されたとはいえ――それで終わり。
世界を脅かす存在に憂いている様子こそあれど、日常生活に支障、一切なし。
俺が修羅の道を辿って世界を救った後は、困ったことなど何にもないという満面の笑顔。

ハイラル家としての力が彼女を守っているか何かで、昔の歴史の記憶を
深層心理の更に奥底に沈み込ませていられるらしい。なるほど、ただの勇者には縁遠い話だなあ。
…まあ、このあたりは俺の憶測なんだけど。

藁にも縋る気持ちで…この際、愚痴を零し合えるならガノンドロフでもいいやと一瞬思ったが――
アイツの場合は封印と復活を繰り返す同一人物…いや同一魔物らしいから、
比較対象と言えるのか、そして精神負荷への耐性が同じなのか大層怪しい所だ。

結局、俺はまた一人になった。

847Mii:2019/02/01(金) 07:18:09 ID:5I3.SDfA
必死に医者を探してみたが、意味が分からないと首をひねられるばかり。

脳の負担を極力減らそうとするあまり、少なくなる持ち物に行動範囲。

幼馴染なんか、「おい」とか「ちょっといい?」で誤魔化し続けて
名前で呼ばなくなって久しい。悲しそうな顔をされるたび、俺の闇は広がっていく。



誰でもいいから、助けて、くれ。このままだと、俺は――――!



ゼルダ姫から、招集が掛かったのはそんな折だった。






〜ハイラル城〜

ゼルダ「リンク、よく来てくれました。
    ――あら?顔色が優れないけれども、大丈夫ですか?」

リンク「……大丈夫ですよ、ゼルダ姫」

リンク(全然、大丈夫じゃ、ないけどな…
    さて、このゼルダ姫とお別れするまで、あとどの位かな…
    前兆もなんにもなく、フッと違う歴史へと飛ばされるからな…)

848Mii:2019/02/01(金) 07:19:57 ID:5I3.SDfA
ゼルダ「実は、キノコ王国という遠い遠い王国で、
    歴戦の強者同士でその武を競い合う祭典が開かれるそうなのですが…。
    王国のトップであるピーチ姫というお方から、招待状を頂いたのです。

    『世界一を決めるという文言を使ってしまったので、
     もしも腕に自信のある者がいるのならばぜひ参戦してほしい。
     もちろん公平なジャッジを保証する』…とのことでした。

    問題なければ、ハイラル王国としてリンクを推薦したいのですが、どうでしょう。
    惜しむらくは、王国の安寧を取り戻したばかりで政務に追われていて…
    誰も応援に行けないことなのですが…」シュン

リンク「武を競い合う…祭典、ですか」



――俺の存在意義は、勇者としてその勇気を、強さを示す事。
――それだけは、譲るわけにはいかない。



リンク「……わかりました。ハイラル王国の名に恥じないよう、全力で挑ませて頂きます」

ゼルダ「ありがとう、そう言ってもらえると思っていました!」

ゼルダ(……最近、リンクの笑顔がめっきり減りましたね。
    これで少しは、元気になってくれるとよいのですが)

849Mii:2019/02/01(金) 07:22:10 ID:5I3.SDfA
俺は、ハイラルが認める勇者なんだ。どんな相手だろうと、負けるはずがない!

招待状片手に、キノコ王国が用意してくれた船に乗り、初めての王国外への旅。
ほんの少しだけ士気が上がって、会場に通されて。
ザンキシンセイとかいう、変な手続きがあって。
さっそく、バトルロイヤルが始まって。







リンク「あ…………れ…………?」

全然、勝てない。



むしろ、負けしかない。
自慢の剣捌きが、身のこなしが、一切通じない。
幾度となく、バトルフィールドから落とされる。撃墜される。



特にあの、マリオとかいう配管工は化け物だ。
マスターソードを真剣白羽取りされたときは目を疑った。
観客は大層湧いていたが、なんたる屈辱。実力の差がありすぎる。
俺が10人いても勝てないんじゃないかという絶望感をもたらしてくれる。

850Mii:2019/02/01(金) 07:24:22 ID:5I3.SDfA
開催期間内の勝敗数から順位付けを行うルールだったが、俺は突出して酷い成績。
0勝のまま、黒星だけが10個、20個、30個と増えていくんだから当たり前だよな。

司会者から、「初めての試みのせいで、人選を間違えちゃいましたかね」と毒を吐かれるほど。
俺のなけなしのプライドは、ズタズタになった。





マリオ「ようリンク、これで0勝99敗だな」

リンク「…………」



俺が絶望に打ちひしがれて、関係者用の食堂で昼食をとっているところに、マリオがやってきた。

リンク「……なんだよ。優勝まっしぐらのお方に話し掛けられていいような大層な人間じゃないぞ、俺は」





自虐しているだけで、涙が出てくる。
女々しいもんだ。こんな所…くるんじゃなかった。

851Mii:2019/02/01(金) 07:27:25 ID:5I3.SDfA
マリオ「…あ、いや。気を悪くしたならすまん。実は、お前に1勝くらいはさせてやろうと思ってな」

リンク「――っ!ふざけるなっ!!そんなお情けで俺が喜ぶとでも思ってるのか!」ドンッ

マリオ「いやいや、手を抜くっていう意味じゃなくて」

周りの選手たちもギョッとして思わずこちらを見る中、構わず俺は激昂する。

リンク「ちくしょう…ちくしょう!所詮、俺は井の中の蛙だったんだよ!
    ハイラルの勇者なんて、キノコ王国からしてみれば屑同然だったってことだろ!
    こんなに弱かっただなんて…あんまりだ……っ!!」







マリオ「ピーチ曰く『魂の混濁』が見られる上に、
    残機制度使わず『セーブ制度』だけに頼ってたんだから当然ですがな」

リンク「………………………はい?」



マリオ「ようしリンク。この祭典、その日ごとの参戦するか否かの判断は個々の自由だ。
    というわけで、3日…いや1週間ばかり参戦は置いといて、ちょっくら俺とピーチのカウンセリングを受けろ」

リンク「……???」

852Mii:2019/02/01(金) 07:29:37 ID:5I3.SDfA
さっぱり訳が分からないまま、会場を離れて、どこかの病院へ。
医者の姿のマリオと、ナース姿のピーチ姫が出迎えてくれた。一体、何が始まるんだ?

Dr.マリオ「とりあえず、そこの椅子に座って。じゃあ始めるぞ。

      目を瞑って、俺やピーチが出す質問に、素直にありのまま答えていってくれ。
      もちろん、答えたくない質問は飛ばしてもらって構わないからな」



とりあえず納得して、色々と答える。
複数の解を持つ質問には、頭と胸が苦しくなりながらも全部の解答を示す。
それをピーチ姫が書き留めているのか、静かに響くペンの音。





目を瞑っていたため時間がよくわからないが、1時間くらいは経っただろうか。

Dr.マリオ「ふむ、もう2時間も経ったか。色々と分かってきたぞ、お疲れさん。
     じゃあ、ちょっと踏み込んだ話をする。目を開けていいぞ」

リンク(そんなに経ってたのか)パチッ

853Mii:2019/02/01(金) 07:32:06 ID:5I3.SDfA
Drマリオ「リンク、お前は勇者として色々な歴史を冒険してきた。
      そのたびに記憶が上書きされるならまだよかったのに、
      どんどん同時存在するようになって脳がパンクしている。
      自分でも、非常に危険な状態だと感付いている」

リンク「だから、そう言ってるだろ」

Dr.マリオ「強さだけは譲らないと縋っていたのに、案外弱くて自身に幻滅した」

リンク「『案外』じゃなくて『恐ろしく』だけどな」

Dr.マリオ「強さに関しては、さっきチラッと言った通り残機制度を利用していないのがデカすぎるな。
      …基本、勇者ってセーブ制度なんだよな?キノコ王国でもほんのちょっと導入が進んでるが」

リンク「残機制度?セーブ制度?」

Dr.マリオ「死の極限まで追いつめられたとき、『命をストックしてあるから死んでもいいや』と
      開き直るのが…キノコ王国が編み出した残機制度。
      それに対してハイラル王国が編み出したとされるセーブ制度は、
      『自動発動型の招喚魔法で、自身を過去に同期させる』ものだな。
      それぞれにメリットとデメリットがあると、俺は睨んでいる。

      苦痛が圧倒的に少なくて済むのがセーブ制度なんだけど…
      同時に、せっかく得たはずの経験値を蒸発させてしまうのが痛すぎるよなあ。
      戦闘勘を鍛えるくらいならなんとかなるけど。    
      まあ、制度の違いについては後々、もっと詳しく教える。
      要するに、両方の制度を使い倒せってことさ」

リンク「はあ……」

854以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/01(金) 09:09:33 ID:VYPqJh02
スマブラ編?楽しみ

855Mii:2019/02/01(金) 23:35:58 ID:5I3.SDfA
Dr.マリオ「で、だ。本題の『魂の混濁』とやらに入るぞ。
      …もっとも、専門的なことは俺もお手上げだから…解説よろしく、ピーチ」

ピーチ「オッケー。リンクは、『魂と思考の一対一対応』っていう原則、知ってる?」

リンク「…いや、知らない」

全く知らない。キノコ王国だと常識なのだろうか。
それとも、博識なゼルダ姫なら知っているのだろうか。

ピーチ「通常状態なら、思考回路は1つのみ。
    誰かの魂に憑依されているなら、思考回路は2つまで。
    魔物同士が融合体を象ったとしたら、思考回路は構成要素の魔物の数まで。

    要するに、魂の数より思考の数が多くなることはありませんねっていう、
    それだけの原則よ」

リンク「……でも、俺は」

ピーチ「魂1つに対して思考回路が複数あるって思ってるなら、間違いよ?
    原則を破るわけには行かないから、疑うべきは魂の数。
    思考回路の数だけ、魂は『区別できる、分離できる』はずなの」

リンク「魂が…分離できる!?」



驚天動地とはこのことだろう。なんだか付いて行けなくなってきた。

856Mii:2019/02/01(金) 23:41:25 ID:5I3.SDfA
ピーチ「歴史1の自分がいて、対応する魂1がある。

     歴史2の自分がいて、対応する魂2がある。

     歴史3の自分がいて、対応する魂3がある。



     歴史4の今現在の自分がいて、対応する魂4がある。



     その都度その都度、1つの歴史にて生きているから、貴方は魂を1つに束ねようとしてる。無意識にね。
     でも思考回路は増えていくばかりだから、パンクするのは当たり前。

     

     リンク――。各々の歴史の自分を認めなさい。
     そして、歴史の数だけの独立した魂として扱ってあげるの。
     それが達成された瞬間、『1つのごちゃごちゃな塊』から
     『綺麗に折りたたまれた冊子』へと魂は変貌するわ。

     時間軸移動の手段があるなら、懐かしい歴史をちょっと訪れて当時を振り返るのもいいかもしれないわね」

リンク「……!!」ハッ

857Mii:2019/02/01(金) 23:47:44 ID:5I3.SDfA
ピーチ「始まりの町が複数あったっていいじゃない。
     ダンジョンが複数パターンあったっていいじゃない。
     それが貴方の世界の立派な『常識』なんだから。

     それに、言い換えれば…知識量が、戦闘経験が何倍もあるってことよ?
     これからだって、魂の分離さえできれば、魂ごとに経験値が入っていくの。
     成長曲線ぼろ儲けよ?

     あと、魂を慎重に、慎重に移し替えながら懐を探ることができるならば…たとえば。
     各々の歴史で使ってきた装備品やアクセサリーを好き勝手に…
     どこからともなく取り出せたりもするんじゃないかしら。
     勇者の特権ってことでワクワクしてこない?」

リンク「本当か!?」ババッ

ピーチ「…いきなりは無理よ。それができるようになるのを目指して頑張るんだって」

リンク「あ、ああ」ボウゼン




なんだろう。この気持ち。急展開にも程があるが…。
光明が見えてきた、のだろうか。

858Mii:2019/02/01(金) 23:50:47 ID:5I3.SDfA
Dr.マリオ「そうそう。あと、リンク自身の思考パターンについてちょっと思う所がある。
      簡単なテストをしよう。



     冒険でダンジョンに潜っているリンクの目の前に、宝箱が現れた。
     ちょっと特殊な宝箱で、キューブ状の箱に対して鍵穴が6つある。
     前にも後ろにも、右にも左にも、上にも…そして、地面に接した下にもだ。

     持っている鍵を使えば、どの鍵穴からでも一面開放して、宝物を回収できる。
     さて、リンクなら…どの鍵穴を開ける?」

リンク「そんなの、最短距離で到達できる前面の鍵穴に決まってるじゃないか」





Dr.マリオ「……本当に、そうか?」ニヤリ





リンク「え…まさか、前面あたりに留まっていると上からキースが襲ってくるとかの特殊条件があるのか?」

859Mii:2019/02/02(土) 00:01:40 ID:/.lNxzM6
Dr.マリオ「いや、そういう隠された条件はないぞ。ただ――
      最適解だけを妙に絞り出して他の選択肢を除去するのは…
      色々と勿体ないだろってことだ」

リンク「え……」

Drマリオ「気まぐれ、気分で横の鍵穴から開けてもいいじゃん。
      回り道して、後ろの鍵穴から開けてもいいじゃん。
      ひねくれて宝箱を持ち上げて、下の鍵穴から開けてもいいじゃん。
      いや、そもそも1つしか開けてはいけないとも決まってないぞ。
      全部開けて、我に返って『ブフォ、何やってんだ俺!』って笑い転げてもいいんだ。

      選べる自由があるうちは、選択肢は残しておいた方が人生楽しいぞ?
  
      勇者は休憩も娯楽もナシに世界を救うため奔走しなきゃならない?
      困った人がいたら、我が身を犠牲にしてでも助けなきゃならない?
      そんな押しつけがましい常識なんて捨てちまえ。

      自分と、自分に近しい人についての命と生活を、まずは最優先に守る。
      余裕が有ったら、現状維持するくらいには世界の為に戦う。
      更に余裕ができて初めて、世界の平和のために一気に攻め立てる。
      そんなもんで十分じゃないのか?」



リンク「…そんな考え、したこともなかった」

860Mii:2019/02/04(月) 22:22:37 ID:ARfOst1w
それから1週間みっちりと、カウンセリングは続いた。
何も謎解きを出されるだけ、質問されるばかりではない。

リラクゼーションの為に音楽を聴いたり。
座禅を組んで瞑想したり。
特効薬とはいかないまでも、自分で実践できる療法を座学で学んだり。

少しずつ、体がほぐれていくのを実感する。
手荒に扱っていた装備を、ふと手入れしてみて、愛着を思い出す。
まだまだ悪夢は見るけれど、吐き気に対して、打ち勝つ勇気が湧いてくる。



俺は、長いようで短い、カウンセリングを通じて、
自分のルーツの探求を行っていった――。








そして――。

861Mii:2019/02/04(月) 22:24:43 ID:ARfOst1w
リンク「体力満タンの復活し立てに…ソードビーム――ッ!」ブンッ

マリオ「おっとと!?なんだこの射程距離っ!?」

リンク「距離を取られたところを…ロングフックッ!!」シュルルルル

マリオ「げ、しまっ…」ガチャリッ

リンク「引き寄せて…メガトンハンマー!!」ゴオォッ!

マリオ「ぶっ!?」バビューン



実況「リンク選手、マリオ選手をまたもや撃墜!並んだ、また並びましたっ!
   ここにきてリンク選手、信じられない変貌っぷりです!
   開幕早々、優勝させまいとマリオ選手が周囲から狙われたという事情もあるとはいえ…
   リンク選手、大健闘の状況だ!」

マリオ「これならどうだ、ファイアボールを食らえっ!」

リンク「――――っ!」ビュン

実況「リンク選手、ファイアボールのほとんど全てを
   咄嗟のマジカルブーメランで撃ち落としたぁ――!」




ウオオオォォォォォ――!!

862Mii:2019/02/04(月) 22:26:37 ID:ARfOst1w
マリオ「やるじゃないかリンク、やっぱり見込み通りだな!
    道具の豊富さなんてものじゃない、見違えるくらい動きが良くなったぞ!」

リンク「ああ、マリオとピーチ姫のおかげさ!心の迷いがだいぶ消え失せたうえに、
    滞納されていた経験値が遅ればせながらまとめて入ったみたいなんだ!
    反則すれすれの装備ありきで拮抗している感じで悔しいけど…今は勘弁してくれな!
    とりあえず1勝して2人に感謝の気持ちを表すことにするさ!」

マリオ「言ったな?こちらもそうやすやすとは負けないさ!」ダッ

実況「観客の興奮も最高潮に達しているぞー!結果は如何にっ!」



ワアアアアアアアアアアアァァ――。

863Mii:2019/02/04(月) 22:27:56 ID:ARfOst1w
〜ハイラル王国〜

ゼルダ「…そう、ですか。1勝99敗…断トツの最下位に、終わった、と」

リンク「はい。ハイラル王国の名に泥を塗ってしまい…大変、申し訳ございません。
    罰は如何様にも…」

ゼルダ「…いえ、それは構いません。ですが、リンク。
     辛い思いをさせてしまい…こちらこそ大変、申し訳ありません」ウツムキ

リンク「そのことなら、大丈夫です。
    非常に有意義な遠征であったので」ニコッ

ゼルダ「え……?」





リンク(分かってる。最終戦で…やっぱりマリオは、手を抜いていた。
    でもそれは、俺を嘲り笑うための手抜きじゃない。
    おれを後押ししてくれる、反撃の狼煙を祝ってくれる最初で最後の餞別だ。
    これから俺は、本当の意味で強くなって見せる)



ゼルダ(ああ…こんなにリンクが穏やかな笑みを見せるのは、初めてかもしれないわ)

864Mii:2019/02/04(月) 22:29:52 ID:ARfOst1w
それから数年の月日が流れ。

悪夢に苛まれることなど、ほとんどなくなっている俺がいた。
マリオとピーチには感謝してもし足りないな。
今日もせっせと――





ハイラル城にお百度参り中。





リンク「お願いします、ゼルダ姫!
    ハイラル王国でも、大々的に強者を集めて競い合う祭典を設けるべきです!
    レースでも、ミニゲームパーティをするのでも、ジャンルは問いませんから!」

ゼルダ「…リンク。スマブラDXに参戦して、キノコ王国での戦いから醒め止まないのは分かりますが…
     繰り返しますが、私含めて王国の主要メンバーは日々忙しいのです。
     そのような無茶を言ってはなりません。第一、なんの意義があるというのですか?」

リンク「ですから!冒険がそうそう転がっているわけではないのですよ!
    王国が主導して、多くの人が経験を積むことのできるイベントを用意するべきなのです!
    キノコ王国では有効性が十二分に実証でき、積極的に取り入れている施策です」

865Mii:2019/02/04(月) 22:31:53 ID:ARfOst1w
暖簾に腕押し、糠に釘。
今回のゼルダ姫は…いや今回のゼルダ姫も、中々に真面目体質みたいだ。
それが災いして、俺の主観を語る程度では中々動いてくれない。
むしろ、「そんなことを考えている暇が有ったら鍛錬をした方がよいのでは」という思いすら、
ジト目から伝わってくる。

…いやまあ、ハイラルの常識からすればまるで素っ頓狂なことを言っていることは自覚している。
いきなり突っぱねられないだけマシなんだろう。

スマブラDXも、せっかく個人的に招待されておきながら
「別に戦いを好まないし、忙しいからパス(要約)」という内容の連絡をピーチ姫に送って…とうとう参加しなかった。
緊急時以外で殴り合いなんて以ての外、と考えるのはまあ分かるんだけどさあ。
…ちなみにピーチ姫は若干不満そうにしながら自分の参加登録をしていましたが何か?
行動派のお姫様は違うね。

なんとガノンドロフまで招待を受けたのだが、
「見知らぬ国のお祭り騒ぎに参加しろ、だと?くだらん!」と切り捨ててしまったらしい。
結局、ハイラル王国から参加したのはまたもや俺一人だ。酷くない?ねえ、酷くない?



え?俺の戦績?五分五分って程度までは力を付けたぞ。
強くなっていくことが実感できるって、本当に素晴らしいね。

866Mii:2019/02/04(月) 22:33:58 ID:ARfOst1w
ゼルダ「…リンク、王国を救って頂いたことには本当に感謝していますが。
    これ以上頻繁に嘆願に来られていると、要らぬ噂まで呼び込みます。
    政策の邪魔をしているのでは、とか。図に乗っているのでは、とか。
    私としても庇いきれなくなります。

    再考してもらえませんか、お願いします」ペコリ

リンク「…………はい、差し出がましい真似をしました。申し訳ありません」

ゼルダ「分かって貰えればよいのです。ふふ…。
     今のあなたはハイラル王国の誇れる勇者であって、
     キノコ王国の一介の戦士ではないのですから」

リンク「…………!!」ハッ!!



リンク「ありがとうございます、ゼルダ姫。
    おかげで、目が醒めました!」


ゼルダ「いえ、お気になさらず」ニコニコ

867Mii:2019/02/04(月) 22:40:34 ID:ARfOst1w
マリオ「さてと、明日のレースも頑張らなきゃなーっと。
    コースのおさらいをやっておくか……うん?」テクテク





リンク「おっす!久しぶりだなマリオ!」

マリオ「えっ」





〜キノコ城〜

ピーチ「『キノコ王国でアパート借りてしばらく生活する』ですって!?」

リンク「ああ。よくよく考えてみると、どのみち何処にいようと
    伝説が紡ぎ始めるたびに問答無用で転生するんだ。
    だったら環境が整っている上に、事情を把握してくれる人たちが揃っている所に
    住居を構えた方が絶対賢いだろ?」

868Mii:2019/02/04(月) 22:42:22 ID:ARfOst1w
ピーチ「あ、あのね!ハイラル王国の勇者を普通のアパートなんかに住まわせるわけにいかないでしょ!
     こっちでしっかり、ちゃんとしたところを手配するわよ!
     全く、急なんだから…!ゼルダは把握しているんでしょうね!?
     内政干渉とか言われるのはまっぴら御免なんだけれど!」

リンク「ゼルダ姫も背中を押してくれて、

    『今のままハイラル王国にいるとどうしても鍛錬しにくいと言うのなら、
     キノコ王国で初心に帰って一戦士として鍛えることが貴方のためになるということですね』

    みたいなことを言われたぞ?」

ピーチ「あ、そ、そうなの?…へえ、意外ね。まあ、それならいいけど…」

デイジー「あはは。ピーチ、対応間違えてゼルダと口論にならないようにねー」

ピーチ「頭が痛いわ…」

869Mii:2019/02/04(月) 22:44:33 ID:ARfOst1w
ピーチ「と、いうわけで!突然ですが、リンクの歓迎パーティを開きたいと思います!」バンッ

マリオ「よしきた」

ルイージ「賛成!」

リンク「……へ?」

マリオやルイージに連れられて、城下町を散策し。
キノコ城に戻って来てみれば、豪勢な料理がテーブルにビッシリ。

ピーチ「公務扱いにはできないから、楽団演奏とか下手に予算を使ったイベントにはならなかったけど。
     内々のお祝いで御免なさいね」

リンク「って、これピーチ姫が全部一人で作ったのか!?召使に作らせたとかでもなくて!?」

ピーチ「ざっとこんなもんよ」ドヤァ

マリオ「おお、あいかわらず美味そうだな!」

ルイージ「ヨッシー連れてきたよ!…全部食べたりしちゃ駄目だからね?」

ヨッシー「分かってますって」ジュルリ

ルイージ「すこぶる不安だ」

デイジー「ハイラル王国の土産話とか聞かせてほしいなー」ワクワク

リンク「…………」

870Mii:2019/02/04(月) 22:47:22 ID:ARfOst1w
歓談しながら、早速食べ始める。どれもこれも、本当に美味しい。
語られる話も、趣味のことやら専門的な話やら、失敗談やら暴露大会やら何でもありだ。
笑い、怒り、慌てる光景がそこにはあった。



リンク「…なあ、マリオ。割とこんな感じに、冒険や政務と関係ナシに集まることって多いのか?」

マリオ「割と多いぞー?そもそも、冒険からして、個人的な繋がりで食事会なり旅行なり誘ってもらって、
    遂行してたところを事件発生ってパターンが多いからな」

リンク「…………」

ピーチ「直接会ったことがほとんどないけれど、ゼルダってお堅いからねえ。
    100の仕事をテキパキと110の実力でこなすっていうか。
    
    余力はないが無難にこなせる現状に満足してしまっているがために、
    端折れるところを端折って娯楽要素を手掛けようなんて発想は
    持ち合わせているようには思えないわね。
    …あ、気を悪くしたかしら」

リンク「…いや、俺も分かる気がする」

871Mii:2019/02/04(月) 22:49:47 ID:ARfOst1w
デイジー「ピーチは遊びの時間をやりくりするために
      超パワーで仕事をするって感じだもんねー」

ピーチ「遊びの時間第一で仕事をしないアナタにだけは言われたくないのだけれど」ピキピキ

デイジー「イダダダダダダ!」

リンク「…………」

ピーチ「あ、でもね。お堅いおかげでゼルダは、
     パーティでリンクに踏みつけられることもなければ、
     カートでクラッシュさせられてマグマに突き落とされることもないのよ?
     ある意味で威厳を保ててるのよ?

     私とマリオはしょっちゅう、踏み合ったりハンマーで叩き合ったり、
     カート同士ぶつかり合ったりしてるけど」

リンク「…………」





何だろう。すっごく羨ましい。そうとしか言えないです。

872Mii:2019/02/04(月) 22:52:20 ID:ARfOst1w
キノコ王国で、マリオ達と特訓の日々。
1人より2人で、2人よりみんなで。やっぱり修業効率が違う。



しかし、今の俺は遊ぶことの大切さも忘れてない。



草原の国に遊びに行って、見覚えのある縦笛を紹介されて驚いたり。
マリオカートを観客席から観戦して、エキサイトしたり。
運も絡んで刻々と順位が入れ替わるパーティを観て大笑いしたり。
遊ぶネタはまるで尽きない。

――しかし、流石にそろそろ…。
――思った頃にドンピシャで、体が光に包まれた。
――げっ、転生を示す怪現象だ。

体が少しずつ、光に融けて消えていく。
新たな歴史を、新たな魂を感じ取る。





リンク(そういや、ここで増えようとする魂を分離…いや剥離するとどうなるんだ?
    …ペリッとな。我ながら器用な真似ができるようになったもんだ)ペリッ

873Mii:2019/02/04(月) 22:55:15 ID:ARfOst1w
ボンッ!

トゥーンリンク「やあ!僕、勇者リンク!さあ、冒険頑張るぞ!」

リンク「!?」

トゥーンリンク「あ、もしかして僕の本体さん?
        何故だかその情報と魂に関する知識だけは頭の片隅に持ってるよ。
        魂1つのときの本体さんと同じくらいの強さしかないから
        冒険は苦労すると思うけど…行ってきまーす!
        終わったら…じきに、本体さんの所に自動帰還するからねー!」シューン…

リンク「」

俺の体は再び実体を完全に取り戻し――
俺の分身…?が代わりに転生させられました。

リンク「…あ、でも。転生させられずに済むならちょうどいいのか。
…責任とって、帰還後に面倒見るくらいはしてやろう」ポンッ



――俺、今日…ちっこい分身を作ったよ。

図書館で座学を教わっているときに何気なく状況を説明したら、
教師役のピーチ姫がたちまち真っ青になって
『二度としないで』と肩をガクガクされました。…首がマジでもげそうです。
キノコ王国でハイラルの勇者の数を勝手に増やす(?)なんてことをしたら。
下手をすれば外交問題になりかねない、とのことです。そんなものなのか。
やっぱり勇者って面倒くさいな。

874Mii:2019/02/04(月) 22:58:20 ID:ARfOst1w
〜ふしぎのぼうし〜

ゼルダ「リンク、一緒にお祭りに行きましょうよ!」ワクワク

リンク(今回は幼馴染設定で始まるのか、なんか新鮮。
    …変装とかしなくていいんだろうか)ゴロゴロ

ゼルダ「…ちょっとリンク、どうして前転で進んでいくの!?
     …え、この方が速いって?嘘よね!?あれ、追いつけない!?待ってー!」





グフー「光の力を持つ姫…ハイラルの王女が持っているといわれるふしぎな力というヤツですか…
    そんな力を持った者をほうっておいて後々じゃまをされたら大変ですね…
    ワタシの魔人の呪いで石になるがいい!」ブウゥンッ

リンク「表彰式を使って律儀に正面から乗り込んでくるのは評価点だったけど
    そんなことさせないぞ…!」ワリコミ

875Mii:2019/02/04(月) 23:00:18 ID:ARfOst1w
ゼルダ「いけない、リンク!その小さな盾なんかじゃ防ぎきれない!
     私のことはいいから、よけてっ!」







リンク「時オカミラーシール…(小声)」







ゼルダ「えいっ!」ドンッ

リンク「え、ちょ」フラッ



ゼルダに おもいっきり つきとばされて
のろいのまほうを はねかえすことに しっぱいした!
ゼルダは いしに なった!▼



リンク(構えておけば跳ね返せたのに――っ!?)

876Mii:2019/02/04(月) 23:02:39 ID:ARfOst1w
グフー「それでは、フォースを探すことにしましょうか、フッフッフッフ――」シュンッ

リンク「……………………」

ゼルダ「」

リンク「これ、最後の最後まで石になったままってパターンじゃないか…
    いや、パターンなんて言っちゃいけないか…
    石の密度の相場が2〜3 g/cm3だから…100 kgはあるかな?
    うん、ちょうどいいハンデだな」





ハイラル王「こうなったら、リンクに全てを託すしか…!
      スミス、リンクはどうしたのじゃ!」

スミス「そ、それが…そのまま『ちょっくらグフーを倒してくる』と言って
    飛び出して行ってしまい…」

ハイラル王「折れたピッコルの剣も、戦闘用の剣もまだ与えていないのにか!?
      そ、そういえばゼルダはどうしたっ!見当たらんが!」

スミス「『ここに放置してたら、どうせグフーが隙を見計らって攫うだろうから
    連れていく、もとい背負っていくよ』とのことです」

ハイラル王「」

877Mii:2019/02/04(月) 23:04:28 ID:ARfOst1w
エゼロ「たすけてくれーい!」

ダダダダダッ…。
ドウシタ ドウシター?

エゼロ「ふう、やっと助けがきたよう――」



リンク「マスターソードの錆になりたい奴は出てこーい!
    …うーん、まだハンデが足りないかな。
    コキリの剣あたりに変更するかな」ズババババ

ゼルダ「」

エゼロ「何コイツヤバイ」

リンク「そこの…帽子?でいいのかな?石化した人の呪いを解くために、
    なんとかして聖なる力を秘めた聖剣を手に入れたいんだけれど、
    色々と試練を乗り越えなきゃいけない代物だと思うんだ。
    どうすればいいか知っていたりするか?教えてくれ!
    
    …あ、他の人には俺がマスターソードを持っていることは内緒な?」

エゼロ「お前は何を言っているんだ」

878Mii:2019/02/04(月) 23:06:16 ID:ARfOst1w
〜トワイライトプリンセス〜

ウルフリンク「……!」ガルルルルル

ミドナ「あ〜あ、残念だな〜。
    オマエの態度によっちゃあ助けてやろうと思ったのに――」
    


ウルフリンク(なにこれ凄いな!?獣になって戦闘力アップか!?
        うおぉ、ダッシュ速い!(鎖ブチッ!)当たり判定小さい!
        …あ、でも魔物に噛みつき攻撃はやだなあ。
        ちょっと剣を招喚して(ガラン)、前脚で…くそっ、厳しいか。
        グローブ系なら何とかなるかな?
      
        おーい、そこの獣人。
        何か獣専用のアクセサリとか持ってたりしないか!?
        爪の攻撃力が30%アップする、みたいなやつ!)ガルルルル

ミドナ「怒りじゃなくて感動してただけ!?適応速いなっ!?
    おまけにテレパシーに武器招喚って、いきなり何やってくれてるの!?」

879Mii:2019/02/04(月) 23:10:41 ID:ARfOst1w
〜キノコ城〜

ゼルダ「…………早速ですが本題に移りましょう」

ピーチ「……………………ど、どうしたのかしら、ゼルダ」

ゼルダ「いえ。なんでも最近、リンクがもっぱらキノコ王国で生活しているという噂を偶然耳にしたもので。
     興奮しずぎて、私自ら遠路はるばるやってきてしまいました」ピキピキ

ピーチ(怒ってる!物凄く怒ってる!何よリンク、全然許し得てないじゃないっ!?
    …あ、歴史が移ってゼルダも変わったから仕方ないのかあ)



※リンクが早合点しただけで、もとから許されていません。



リンク「あれ?ゼルダ姫じゃないですか。これは珍しいですね。
    キノコ王国まで来て、一体どうしたのですか?なにか事件ですか?」

ゼルダ「どうしたのですか、ではありませんっ!リンク、何をやっているのですか!
    貴方は、キノコ王国の勇者ではないでしょうっ!」

リンク「しかし、一向にハイラル王国がイベントを催してくれないじゃないですか…。
    強くなるためにも、精神面でも、キノコ王国の方がずっと環境がいいんですよ…
    それに、警備がてら自分の意志でハイラル王国には度々戻ってますよ?」

ピーチ(火に油を注がないでー!)ビクビク

880Mii:2019/02/04(月) 23:12:35 ID:ARfOst1w
リンク「…あ、そうです!そんなに疑うなら、今度のスマブラXで証明して見せますよ!
    いい加減、ゼルダ姫にも参戦していただければ、私の戦闘力の上がりっぷりを示すことができるはずです!」

ゼルダ「私に、そのような遊戯に参加する時間などありません」

リンク「…では、私もハイラルに戻ると時間がもったいないので戻りません」プイッ

ゼルダ「いい加減にしてください、リンク!
    何をピーチ姫に吹き込まれたのか知りませんがっ!
    ハイラル王国とキノコ王国、どちらが大切なのですかっ!」

リンク「それはもちろんハイラル王国に決まってるでしょう」

ゼルダ「そうでしょう、そうでしょう!
    …そ、その。私と、ピーチ姫とでも、どちらが大事かくらい、
    わかりきっていることでしょう」





リンク「……………………………………………………………………………………
    ゼ、ゼルダ姫に、決まってるでしょう」ピクッ ピクッ

ピーチ「」

ゼルダ「」ブチィ

881Mii:2019/02/04(月) 23:14:39 ID:ARfOst1w
ゼルダ「いいでしょう…こうなったら、私自ら、お灸を据えてあげましょう…
    スマブラXとやら、参戦しようではありませんか」

リンク「本当ですか!では、何度でも挑戦を受け付けるので、
    一度でも、素手の俺に『参った』と言わせたらゼルダ姫の勝ちということで!」

ゼルダ「フンッ!」ガチャッ・・・



ピーチ「…一応聞いておくけど、私のことが好きになった、とかではないわよね?」

リンク「はは、まさか。でも、親しい友人とは思ってるぞ」

ピーチ「…ゼルダのことは?」

リンク「私生活では取っ付きにくいけど有能な上司」

ピーチ(リンクのゼルダ好感度の低さのせいで私のストレスがマッハ!)ガクブル

882Mii:2019/02/04(月) 23:16:49 ID:ARfOst1w
スマブラXで、俺の実力は遂にマリオに並んだ、と思う。
観客の拍手を受けるのは、やっぱり気持ちがいい。



そうそう。ゼルダ姫に言われるままに、非公式戦でタイマン勝負することになった。



腕を大きく引っ張られながらも、光の弓矢を素手で掴み取って――
弱攻撃だけで100回ほど丁重に倒してみせたら



ゼルダ「リンクの馬鹿アアアアアアァァァァ!!」



と叫んで泣きながら去っていきました。
その後、ハイラル王国に戻って来いと言われることもなくなってめでたしめでたし。





ゼルダ「どうして、こんなことになってしまったの…」グスン

ゼルダ「私はリンクに、ハイラル王国に…傍にいてほしい、だけなのに…」

ゼルダ「何もかもが、ちぐはぐね…」ジワァ

883Mii:2019/02/04(月) 23:19:28 ID:ARfOst1w





「きゃあああああっ!」ドゴォッ

「ゼルダっ!!」

「ゴホッ…リンク、私の、ことは、もう、いいので、す…!
私の最後のお願いを、きいてください。
あの魔物を、たおし、て。ハイラルに、平和を、とりもど、し、て……
貴方なら、私の聖なる力がなくても、きっと――」ドクドク



「…………嫌だ」



「……リン、ク?」

「ハイラル王国とゼルダ、どっちかなんて…選ぶことなんか、できないっ!」



紫の薬が 緊急発動!
ハートが8個 回復して 一命を取り止めた!▼

884Mii:2019/02/04(月) 23:21:04 ID:ARfOst1w
「ああっ!何を、やっているのです!
 最後の薬は――貴方のために取っておいてほしかったのに!」





「海に、一緒に泳ぎに行くんでしょ?」

「えっ…」





「ゼルダを犠牲にして、世界平和なんて嘘だ。
 最後まで、2人であがいてみようよ」

「……!!」

「…なーんて、本来ならゼルダと一緒に遊びに行けるような身分じゃないけどさ、ははは」

「リンク……!はい。…はいっ!わかりました!
2人で、必ず生きて帰りましょう!そして、絶対に遊びに行きましょうね!」ウルウル

「ほんとに!?嬉しいなあ。…そうさ、僕たちは、最高の――」

「パートナー、なのですからっ!それでは、参ります!これが――――」

885Mii:2019/02/04(月) 23:23:05 ID:ARfOst1w












〜大地の汽笛〜

トゥーンゼルダ「最後のセッションです――――っ!」

トゥーンリンク「最終決戦だ――――っ!」

886Mii:2019/02/04(月) 23:24:51 ID:ARfOst1w
マラドー「小賢シイ真似ヲシテモ 無駄ダア!」

トゥーンゼルダ「リンクはマラドーを引きつけてください!
         わたしはその隙にこの光の弓矢でマラドーの光の紋章を狙います!」

トゥーンリンク「わかったっ!!」



――トゥーンリンクの果敢な動きに、魔王マラドーの注意が逸れる!



トゥーンゼルダ(今ですっ!……っく!?)ズキン

トゥーンリンク「外しちゃっても、まだチャンスだ!次の矢を放って!」

トゥーンゼルダ(こんな、ときに…!怪我、緊張、そして恐怖で狙いが定まってくれない!
         あ、ああああ!?)ブルブル

トゥーンリンク「やばいっ!……ぐっ!」ダッ

トゥーンゼルダ「リンク!私を、庇いに入ったせいで……ごめんなさいっ!
          私、最後の最後で、勇気が…」ボロボロ

トゥーンリンク「なーに、こんな怪我、舐めてりゃ治るって!気にしない気にしない!」テヘヘ

887Mii:2019/02/04(月) 23:27:47 ID:ARfOst1w
トゥーンゼルダ「…………リンク、お願いがあります。
         最後の最後の、お願いです。

         汽車の旅路で、貴方が聞かせてくれた数々の昔語り。
         その中で出てきた、『あれ』を。私に――」

トゥーンリンク「…え、いい、の?」

トゥーンゼルダ「はい。私はリンクを、信じます」ニコッ





マラドー「エエイ チョコマカト目障リナ!」グオォ

トゥーンゼルダ「…………」ジッ



トゥーンリンク(よし、ゼルダがフリーになった!
ここまで信用してくれたんだ、想いを、風に乗せて――!)


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