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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」

1Mii:2018/08/04(土) 23:26:40 ID:Mx6gHZLQ
マリオ「隠しキャラ、もとい隠しゲストとして任天堂から依頼が来てる。
    ギャラクシーと連動して、ミステリアスな女性ドライバーとして
    ブレイクしてほしいとのことだが…どうする?」テガミポイー

ロゼッタ「…ふむふむ。
     レースごとに観客の皆さんの投票で参戦するか否かが決まって、
     その時点で少なくない給料が発生。
     上位に入ったり総合成績が良ければ更に追加給金。
     至ってシンプルな給料体系ですね」

マリオ「…………」

456Mii:2018/11/21(水) 06:49:45 ID:Jyf9E9g2
5年後。
神さまは、暇だったのか、ほうき星に様子を伺いにきてみました。


女の子はすこし成長していましたが、『その魔法』は失敗してばかり。
いえ、形になる予兆すらみられません。
当然だ、とため息をつきました。



10年後。
再び、神さまはやってきました。

女の子は、あいかわらず特訓を欠かさないようでしたが、
得られるものは特になかったようでした。

「もう、やめたらどうだ。力の差がありすぎる。同じように真似しようとしても、
できるわけがないのである」

多少冷たい言い方になってしまいましたが、神さまはそう諭しました。



「…そうよね。そんなこと、できっこないのよ」

女の子は、力なく肩を落としました。

457Mii:2018/11/21(水) 06:51:24 ID:Jyf9E9g2
100年後。

みたび、神さまはやってきました。
今度は、特訓のほどを見に来たわけではありません。
なんと、隕石がまたもや降ってくることを察知して、助けてやろうとしたのです。
…それだけのはずでした。



ところが、神さまは驚きました。



必死の形相をした女の子のまわりに、数えきれないチコが群がり、
同じく必死に女の子に力を送っています。

そして、女の子が杖をひと振り。

すると、ほうき星全体が、はるか上空含めて、女の子の制する空間となったのです。


女の子は、杖をふた振り。


前回ほどではないとはいえ、ほうき星よりはるかに大きい隕石は、
さらにおおきい『空間』に包まれました。

458Mii:2018/11/21(水) 06:52:53 ID:Jyf9E9g2
女の子が…杖をみ振り。



女の子の頭上に、バチバチと、目がつぶれそうなほど輝く光の剣が作られていきます。
その大きさは、2メートル…5メートル…10メートルを超えました。



そして、最後に。




女の子は、杖を持っていない方の手で剣を握り、杖に見立てて、えいやっと振り下ろしました。
魔法で動かしているらしく、剣は滑らかに振り下ろされました。



剣の先から出た衝撃波は、かつて神さまが女の子に見せたものにそっくりでした。
その衝撃波は、隕石を包む空間ごと、隕石を消し去ってのけたのです。



チコたちが大喜びする中、女の子は力を使いすぎて、バタリと倒れてしまいました。

459Mii:2018/11/21(水) 06:54:52 ID:Jyf9E9g2
女の子が目を覚ましたのは、七晩過ぎたときでした。

女の子は神さまに気付くなり、興奮冷めやらんようすで話しました。

「私には、神さまみたいに一瞬で隕石を消すことはできなかったわ。
どうやっても、力がなさすぎるもの。

でも、いったん自分の制御する空間で切り取ってから、その空間ごと崩壊させるっていう手順を踏めば、
なんとかなることがわかったの!」


神さまは、なんともいえない気持ちになりました。

460Mii:2018/11/21(水) 06:56:18 ID:Jyf9E9g2
去り際に、神さまは言いました。

「大したものだ。手間は違っても、お前のやったことは私と同じ。
…そのチカラ、弱きを助け、悪を挫くために使う限り、
私の魔法と同じ魔法名を使うことを許そう」



魔法使いにとって、上級の者から魔法名を借り受けられることはとてつもない名誉です。

女の子は、飛び上がらんばかりに喜びました。

そして、より一層、空間魔法を極めていこうと、心に誓ったのです。

461Mii:2018/11/21(水) 06:58:16 ID:Jyf9E9g2
私は、『絵本』の物語を語り終わる。

そしてその頃には。
物語と同じく、光り輝く巨大な剣が、左手にしっかり、握り締められている――!



ディメーンたちに、私の物語が聴こえたかどうかは定かではありませんが。
私の作った空間から逃げられない彼らは、今度こそ本当に危険であることを理解し、
叫びながら遮二無二暴れようとしています。


剣を天空に向けたまま、すこし、後ろを、振り向く。


マリオもピーチも、固唾をのんで見守ってくれているよう。

ルイージはただひたすら、あわわわわ、と驚いています。

ヨッシーは、勝ちを確信できたのかガッツポーズ。

クッパは、むすっと腕組みをした状態で…静かに、頷く。

そして、微笑んだデイジー姫とナスタシアに促されて――
サヤカが、満面の笑顔で叫びました。

サヤカ「ママ、いっけー!!」

462Mii:2018/11/21(水) 07:00:17 ID:Jyf9E9g2
――「では、私の魔法の、魔法名を伝えようか。その名は…」
――「……っ、その名は…!」




ロゼッタ(一気に、空間に、振り下ろすッ!!!!)






ロゼッタ「    Spacial Rend《亜 空 切 断》っ!!    」






衝撃波が、ディメーンたちを閉じ込めた檻に、当たる。
空間は、一気に、ディメーンを逃がすことなく、轟音とともに収縮崩壊し始めます。

ディメーン「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

ディメーンの断末魔が、聞こえた気がしました。
そして……空間が、砂粒よりも小さくなった後。
パァン、と小さくはじけて、光の粒とともに消えていきました。

同じく消えゆく光の剣を満足そうに眺めて…私は、意識を落としたのです。

463以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/22(木) 00:23:58 ID:6BzF9llQ
まさかのクロスオーバー

464以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/24(土) 21:38:11 ID:qvTWrikU
神様ってティアルガかな?

465以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/25(日) 08:52:21 ID:.AnKWnx6
「デ」ィアルガじゃなくてパルキアでは

466以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/27(火) 17:32:35 ID:3KAW6mBc
スマブラとかいう異世界の英傑勢揃いの超人レスリングの新作に参戦決まったからなぁロゼッタ…

467Mii:2018/11/30(金) 06:14:51 ID:ccoR/GVA
――――ぽたり。ぽたり。



閉じていた目を、すっと、開く。
何もない空間、何も見えない空間に、かすかに水滴の落ちるような音が聞こえる。

…ここは、夢の中でしょうか。きっとそうに違いありません。
杖はどこかに行ってしまいましたが、フヨフヨと浮遊感があるのですから。
ドレスに付いていたはずの赤色も、見る影もありませんし。


…あ、ちなみに。
おたすけウィッチ状態はとっくに解除されています。
まあ、あの超大技にはFPを 5000 くらい消費するので
これだけでは夢の中かどうかは判断できないんですがね。
自分が締めたばっかりにFPの無駄極まりない?き、聞こえません聞こえません。

キョロキョロと周りを見やっても、暗い空間がただただ広がるばかり。
夢なら、もう少し明るくて楽しいものが好みなのですが。

468Mii:2018/11/30(金) 06:16:10 ID:ccoR/GVA
そう思っていたら、急に、周りの景色が様変わりして、色鮮やかになりました。


ロゼッタ(あ……とても澄んだ空がどこまでも…)



遠くに見える、いくつもの浮遊島。
風そよぎ、思わず背伸びしたくなるような秘境の地。
いい演出ではないですか!


ところが。
体の自由が、急に利かなくなりました。夢だからでしょうか?
意思に反して、勝手に視線を足元に向けてしまいます。

そして、どこからともなく、誰かがすすり泣く声が聞こえてきます。
こんな最高の気分を味わえないなんて、一体どなたなのでしょう?

469Mii:2018/11/30(金) 06:17:30 ID:ccoR/GVA
ぽたり。ぽたり。



ロゼッタ(…………ん?何か、滴が足元に?)



そういえば…目元に違和感があるような…。



ロゼッタ「……ひぐっ、ひぐっ!死にたくない、死にたくありません…っ!誰か、助けてぇ……!!」

ロゼッタ(……………………私ですか!?)



これは驚きました。自分が泣いている夢など、見たくもなんともないですが。

状況を理解すると、たしかに「私」が泣いていることが知覚できます。
理由はさっぱりわかりません。…まあ、夢の出来事に因果を求めるのはナンセンスかもしれませんが。
あと、当然ながら私はちっとも悲しくありません。ややこしいですね。

470Mii:2018/11/30(金) 06:20:45 ID:ccoR/GVA
夢は、醒めることなく、まだまだ途切れず続きます。



ロゼッタ「マリオが私を助けに来る、助けに来ない、来る、来ない…」



死んだ目になっているのでしょうか、抑揚のない、蚊の鳴くような声で呟きながら、花占いを始めました。
助けとかなんとか、よくわかりませんが、「来ない」で決着するたびに絶望度が上がったような顔の強張り方をして、
嗚咽を漏らしつつ、次の花に移ります。次の花へ、また次の花へ…。

ロゼッタ(いやいや、ちょっと待ってくださいよ私!ここに咲き誇ってる花、同じ花ばっかりのせいで
      どれもこれも花びらが偶数枚しかないんですけど!気付きなさいよ!)



自分の体の中にいて、自分の周りを冷静に観察できるのに。
行動だけが自分の思うようにいかない。もどかしいったらありません。



ロゼッタ「…………はは、駄目、ですかあ」ポロポロ



ロゼッタ(なんと、結局何時間もかけて、確認できる限り全ての花びらをちぎってしまいました。
     暇人ですね!というより見ている私の身にもなってくださいよ、クタクタなんですけどっ!
     ほら、ちぎられた花びらも、風でどこかに飛んで行って…………)

471Mii:2018/11/30(金) 06:23:22 ID:ccoR/GVA
視線が、「足場」の外へ、下へと向けられます。

ロゼッタ(……!?ひっ!な、なんですか、ここ!?)



奈落の、底。いえ、景色的には青い青い空間が広がっているのですが、とにかく地表が見えません。


これは、落ちたら一巻の終わりでしょう。なるほど、どうあがいても生き延びる手立てが探し当てられずに、
絶望していたということですか。

「ロゼッタ」は、何分間くらい涙を流して放心していたでしょうか…おもむろにゴシゴシと涙をぬぐいました。
涙の跡は、きっとくっきり残ったまま。

そのまま空元気全開で、明るい声で叫び始めます。



ロゼッタ「……なーんて、ね。大丈夫です、早々に絶望して飛び降り自殺するなんてことをせず、
      何日でも何週間でも足場にへばり付いて、齧りついて…待って、待って、待ち続ければ!
     絶対に、マリオやピーチ姫が助けにきてくれるはずですっ!

      あと数日もすれば、マリオたちがほうき星に到着して事情を把握します!
      きっと即座に、このコースのスタート地点へのスターリングに飛び込み、
      『待たせたな』と声をかけてくれるに…そうに違いありません!

      他力本願ですが…彼らを信じて待ち続けましょう!そうすれば、私は100%助かるのですからっ!」

472Mii:2018/11/30(金) 06:25:18 ID:ccoR/GVA
間違いなく、自分に言い聞かせている。
確かに、彼らならこんな私をいつまでも放置はしないでしょう。
じきに助けに駆けつけてくれるはず。

最後の最後で、頭を冷やすことができたようで…最悪の決断をしなかったようで何よりです。



ロゼッタ(よかった。いくら夢だからといって、
      流石に自分が死ぬところは見たくありませんよ、絶対に。ふふ)



――――しかし、この状況。どこかで、マリオやピーチ姫に聞かせてもらったことが、
あるようなないような…。


「私」は空元気のまま、すっくとおもむろに立ちあがって、



ロゼッタ「エイエイ、オーッ!」



と拳を突き上げる。柄にない振る舞いをしてのけます。

ロゼッタ(私らしくないですが…中々カッコいいじゃ、ないですか)

473Mii:2018/11/30(金) 06:26:55 ID:ccoR/GVA
…ええ。本当に、本当に私にとって、柄にない振る舞いでした。



その結果。



ロゼッタ「あっ、急に立って立ち眩み」フラッ

ビュゥウウウウウ!!

ロゼッタ「あ、しまっ…」ヨロッ ツルッ

風にも煽られ、足場から足を滑らせました、まる。



ロゼッタ()

ロゼッタ()

ロゼッタ(ええええええええええええええ!?超絶にカッコ悪いですよぉ!?
      超低体力の癖にこんな足場の端で急に立ち上がらないでくださいよ馬鹿ぁっ!?
      
      落ちてる、落ちてるんですけどーっ!?)

474Mii:2018/11/30(金) 06:28:36 ID:ccoR/GVA
落ちる。

落ちる。

ひたすら、頭を斜め下にして、落ちる――っ!



ロゼッタ(あ、れ)

加速する風圧で、呼吸が、できない。どんどん、体が、苦しくなる。



ロゼッタ(夢じゃ、ない?)



え、もしかして、このまま、死ぬ?



ロゼッタ「ああああああああああああああああああ!!!!!!」ボロボロ

ロゼッタ(風圧と涙で酷い顔になりながら泣き叫ぶあなたは本当にうるさいので黙っておいてくださいっ!?
      いや私ですけどっ!?どこまで落ちていくんですか、これぇーーーっ!?)

475Mii:2018/11/30(金) 06:32:27 ID:ccoR/GVA
1分くらい、落ち続けたでしょうか。

きらり、と。
視界一面、はるか下が、光った気がします。

ハッと目を見開くと、相変わらずの無限の奈落。
……気のせい、と思いかけました。


きらり、と。また光り輝く。
その光景に…私は目を疑い――知識の棚を引っ掻き回し…状況を把握します。

――ああ、空間の果てにある「特異面」、というものですね。知っていますよ。
存在を理解していただけで、実物を見るのは初めてですが。

――当たると粉々になって消えてなくなります。
生命体なら当然死にます。いやあ単純明快ですね。

ロゼッタ(……………………)ヒュウウウウウ

ロゼッタ「じーにーだーぐーなーいーでーすぅーーーーー!!」ポロポロ

ロゼッタ(死にたくなーーーーいっ!?)



グシャッ…………………

476Mii:2018/11/30(金) 06:34:04 ID:ccoR/GVA
ロゼッタ「」ガバッ!



ピーチ「あ」

マリオ「おっ」

デイジー「ロゼッタが起きたわ!!そろそろ起きる頃合いと集まってて大正解だったわね!」

ルイージ「よかったよかった!心配したよ!」

クッパ「ふん、ワガハイに心配を掛けさせるとはいい度胸なのだ!」



ロゼッタ「………………………」

ロゼッタ「………………………」ウプッ

ピーチ「はい、袋。男性陣、回れ右ぃ!!」

477Mii:2018/11/30(金) 06:35:55 ID:ccoR/GVA
マリオ(それもそうだ)クルッ

クッパ(紳士だからな)クルッ

ヨッシー(まあ男性陣ってことで)クルッ

ルイージ「え、なんd」

デイジー「回せ右ぃ!」バチコーン

ルイージ「」チーン





〜しばらくお待ちください〜






ロゼッタ「……もう、大丈夫、です。お水、いただけますか」ゲッソリ

ピーチ「はい」サッ

ロゼッタ(ゴクゴク)

ロゼッタ(……なんとか、戻って、来られた、みたい、です)

478Mii:2018/11/30(金) 06:37:40 ID:ccoR/GVA
ピーチ「吐けるもの全部吐いたわね…お疲れさま。気は確か?4+8は?」

ロゼッタ「…12」

デイジー「64÷4は?」

ロゼッタ「……16です」

マリオ「マリオカート参戦時、最初に選んだコースは?」

ロゼッタ「ルイージサーキットです……………ハッ?」

マリオ「……よしっ!!記憶、戻ってるな!!」ハイタッチ

ルイージ「やったね、兄さん!」ハイタッチ

デイジー「やったぁぁああああああ!おめでとぉーーー!!」ガバッ

マリオとルイージがハイタッチの後ガッツポーズをし、デイジー姫が泣きながら抱き着く現状。
もちろん、誠に嬉しいのですが、どうして…!?
なんというか、こう、大事な、大事な場面が飛んでいる気がするのですが!

ロゼッタ「え、どうしてですか!?私、あの超難関コースを一人でいつクリアしたというのですか?
      その記憶が全くないのですが!?…まさか、これも副作用の一環…!?」

ピーチ「あ、あはははは…」

マリオ「実は、だなー…」

479Mii:2018/11/30(金) 06:39:30 ID:ccoR/GVA

・・
・・・
ロゼッタ「すぴぃ」スヤァ



デイジー「ディメーンを完全消滅させて万事解決っと!!
      …ロゼッタの過去語りが本当なら、一週間ばかり目を覚まさないのよね?」

ピーチ「そのようね…とりあえず、キノコ城で寝かせておきましょうか」



マリオ「あ、いや。今のうちに、とっとと242枚目のスターを取って貰いに行こう」



ピーチ「…………は?」

マリオ「サヤカちゃん、だっけ。世界平和に大変貢献してくれたお礼に、特別に一週間後のパーティにご招待しよう。
    それまでの滞在費、およびパーティ後予定より遅れての帰り旅のお金も全て出そうじゃないか(出すのはピーチだけど)。

    その代わりと言っては何だが、一週間ばかりママと離れ離れになってしまうことを許してくれないかな?」ニコッ

480Mii:2018/11/30(金) 06:42:21 ID:ccoR/GVA
サヤカ「あ!そういえばうっかりしてたけど、もしかして、マリオ!?すっごい!マリオに会えるなんて!!
     …わかった!一週間ね!きっと大事な用事がママにはあるんだよね!パパに伝えてくるよ!
     あんまりよくわかってないけど…パーティ楽しみだぁ!」

マリオ「ははは、追って連絡するよ!じゃあ…行くぞー!ロゼッタ運搬役はピーチかデイジーに任せた!」ダダダッ

ヨッシー「はーい!」ダダダッ

クッパ「仕方がないのだ!」ダダダッ

ピーチ「説明、してくれるんでしょうね!?(ロゼッタ背負いつつ)」ダダダッ

デイジー「ちょ、どういうことよー!付いていくけどさーっ!」

ロゼッタ「」スヤァ

481Mii:2018/11/30(金) 06:44:50 ID:ccoR/GVA
ブロタロウ「…あれ?言ってませんでしたっけ。
       何人もコースに入ったり、下手にアイテム持ち込んだりってのはイレギュラー扱いになって
       記憶奪還とやらの支障になるでしょうが…

       ステージ仕様として、チャレンジャー1人に加えて ヨッシーの手助け までなら
       確実に正規挑戦・正規クリア扱いになりますよ?」

マリオ「な?」

ピーチ「」

マリオ「241枚目のスターゲット時におっかしーなー、怪しいなーってと思ったんだよ。
     241枚目および242枚目のスターってヨッシー前提じゃないと『普通は』クリア不可コースじゃね?って」

ピーチ「…ロゼッタとヨッシーのペアでクリアすれば、ロゼッタの記憶回復条件を満たせるってこと!?」

マリオ「そゆこと」コクコク

482Mii:2018/11/30(金) 06:47:16 ID:ccoR/GVA
ピーチ「…ヨッシー、クッパの誕生会のケーキの取り分、10倍にしてあげるから…
    簀巻きにしたロゼッタ背負って、ゴールまで無限踏ん張りジャンプで駆け抜けなさい。
    最後に、スターをロゼッタに触らせてクリアすることを絶対に忘れちゃ駄目よ?」

ヨッシー「その使命、確実にこなして見せましょう」キリッ

ロゼッタ「くー…」グルグルマキー
・・・
・・




マリオ「という訳なのさあ。あ、行き帰りの時間は十分にあったから、ここはまたキノコ城だけどな」



ロゼッタ「色々と台無しじゃないですかーーーーーっ!!!感謝はしますけどっ!しますけどっ!!
      なんだか色々と思い出してきましたけどっ!!」

というより、筋トレしても効果が実感できなかったのって、
力不足を魔法で補おうとする私の特異体質のせいってことですよね!?
むしろ1年近く逆効果なことをやってしまっていたのですか!?頭を抱えたくなります!

483Mii:2018/11/30(金) 06:50:07 ID:ccoR/GVA
ピーチ「ま、まあまあ。全てが無事に済んで万々歳なのだから、喜びましょう。ね?
     さ、さあ!ロゼッタも起きたことだし、明日はいよいよクッパの誕生日を祝うわよ!
     メインゲストとして、精一杯おめかししてもらうからね!」アセアセ

ロゼッタ「はぁ、もうそれでいいですよぉ…
      あれ?私が寝入ってしまったおかげで、一週間も過ぎてしまったはずなのですが。
      まだ開催されていないのですか?」

デイジー「うふふ。クッパがね。
    
      『ワガハイのせいで参加できるはずの者が参加できなくなるというのは頂けないのだ。
       涙を飲んで日程を先送りにしてやるから、精一杯ワガハイを崇め奉るがよい』

      って、ロゼッタが目を覚ますのを待っててくれたのよ。クッパ城にも帰らずにね」コソコソ

クッパ「何か言ったか?」

マリオ「ツンデレめ」ニヤニヤ

ピーチ「ツンデレね」ニヤニヤ

クッパ「……ピーチ姫はともかく、殴るぞマリオ」

ロゼッタ「それは、ありがとうございます!クッパ、心より感謝申し上げますね」

クッパ「う、うむ」

デイジー(まー、そのせいで結局『巨大ケーキ』の存在をまだ知らないんだけどねー。
      明日、どんな顔をするのやら。ご愁傷さま……)

484Mii:2018/11/30(金) 06:52:23 ID:ccoR/GVA
〜キノコ城、城下〜

ロゼッタ「う、うーん…」

ドタバタ騒ぎもひと段落…なのでしょうか。

一応、空間をちょっと探って、ディメーンの気配を念のため確認。
…どうやら、完全に征伐できた模様。めでたしですね。

あと、道行く人々の中には、びしっと改まって深々と頭を下げる方がちらほら。
すごく…心がくすぐったいです。

ほっと一息ついた私に、絶賛降りかかっている難題が、こちら。



デイジー「さあさあ、選びましょう!ピーチも太鼓判を押す、最高級のドレスたちよ!」



超高級ブティックに連れて行かされて、デイジー姫に急かされて、あれやこれやと服を選び試着し始めたはいいのですが。
恥ずかしながら雰囲気に飲まれてというか、服に着られてというか、全然落ち着くことができません。


…この値札、桁を一つか二つか、間違えていませんか…?
あとで試着代とか請求されないでしょうか?
そして、こんなものを購入してしまったら、汚すのを怖がり過ぎて逆に着られなくなってしまいそう。

ピーチ姫やデイジー姫には理解してもらえないでしょうが、心の中はいつもいつでも庶民なのです。

485Mii:2018/11/30(金) 06:54:53 ID:ccoR/GVA
デイジー「これとか、どうかな。ロゼッタのイメージカラーの青色を基調にした、
      とてもいいカラーとデザインだと思うんだけど!」

ロゼッタ「こ、こんなに背中が露出したドレス、私には着られませんよ!」

デイジー「このくらいどうってことないじゃない。背の高いロゼッタ向きだと思うよ。
      …言っておくけど、いつものドレスとは違ったドレスを最低一着用意するまで、開放してあげないからね。
      早めに音を上げた方が身のためだよー!」



頼みます。どうか、指先でヒラヒラさせている、その未記入の小切手をしまってください。



デイジー「さあさあ、次はどれを着てもら――」キョロキョロ

ロゼッタ「…あ、これにしますっ!まだ他より安いですから!これにてノルマ達成です!
      さあさあ買って帰りましょう!」サッ

デイジー「子供かっ!?音を上げろとは言ったけど、そんな決め方やめてよぉ!?」

486Mii:2018/11/30(金) 06:56:20 ID:ccoR/GVA
デイジー「信じられない…ドレスに対する冒涜よ…」ズーン

ロゼッタ「信じられません…このドレス一着買うお金で、何千年分の紅茶が買えるのでしょうか…勿体ない…」ズーン

デイジー「時間がないから仕方がないけど…本当はオーダーメイドで一から作ってもらうべきなんだよ。
      そのドレス含めて、最高級とはいえど出来合いがゆえに格安なの、わかってる?」

ロゼッタ「わかりたくありません」

デイジー「頭が痛いわ…ところで、試着もせずに買っちゃったけど、ちゃんと着られるの?
      私もあんまり確認できなかったよ?」

ロゼッタ「ふふっ、私の空間把握能力を信じていませんね?」

デイジー「あー、それもそうかぁ」

487Mii:2018/11/30(金) 06:58:54 ID:ccoR/GVA
ロゼッタ「…………」

まずい、です。

キノコ城に宛がわれた個室に戻ってきましたが…
ドレスの背丈が全く足りません。

なんだかもう、誤魔化しようのない大きさのズレです。
展示状態の地形で段差一つ、見過ごしたという感じでしょうか。

ロゼッタ「なるほど、本当にどうでもいいや状態で、全然能力が発揮されていなかったのですね、てへ☆」

ロゼッタ「………………………」ダラダラ

即刻店に舞い戻ればよいのですが――。

ロゼッタ(お店の注意書きに

      『当店は、最高級の品質をお客様に提供し続けます。
      そのため、お客様のご都合による商品の返品・交換には一切応じられませんのでご了承ください』

      ってあったような…)



ピーチ姫かデイジー姫に頭を下げ、ドレス一着分のコインを無駄にして次のドレスを買えと?
…お二人なら大笑いして許してくれそうですが、できませんよそんなこと!!?
自分自身を許せません!

488Mii:2018/11/30(金) 07:00:21 ID:ccoR/GVA
ロゼッタ「ええと、ええと。とにかく、明日までにドレスを調達しないと。
      この際、ピーチ姫にお借りして…って、サイズの問題が解決しないじゃないですか!」アワアワ



ロゼッタ「いっそ、いつもの私のドレスを着こなして…でも、お二人ともガッカリしてしまいそうですし…」アタフタ



考え、考え、考え抜いて。



その晩、私は、キノコ城を抜け出して、『ある場所』へ向かったのでした。
ピーチ姫の衣装棚から拝借した…血濡れのドレスを、抱きしめながら。

489Mii:2018/11/30(金) 07:01:46 ID:ccoR/GVA
〜クッパ様誕生パーティ、クッパ城〜

ワーワー!
クッパサマ―!
タイヘン オメデタイコトデ ゴザイマスー!

クッパ「」

ピーチ「ふふふ、クッパったら。皆に祝ってもらって、感無量と言ったところね!」

マリオ「ケーキ、でけぇー!!城の中に入れることもできないなんて、何十メートルあるんだ一体!?」

ルイージ「すっごーい!!もう見ただけで美味しそうだけど、全く持って食べ切れる気がしないよ!?」

ピーチ「フフン♪」ドヤァ





デイジー「最善を尽くした結果がこれだよ!」

ナスタシア「もう意味不明の領域ではないですか!?」

ロゼッタ「ほ…本当に、大きなケーキですね…ふわぁ……!感激です!」

ヨッシー「ゴクリッ(大量の涎)」

490Mii:2018/11/30(金) 07:05:04 ID:ccoR/GVA
クッパ「…………ピーチサン、ナニコレ?」

ピーチ「ご所望のスーパーサイズのケーキに決まってるじゃない!!
    私の実力じゃ、この程度の大きさが限界だったけど…許してね。
    美味しくできたと思うから、ぜひとも味わって食べてほしいの!
    …というか、残しちゃダメヨ?私が死に物狂いで作ったケーキなんだからウフフ。
    全体の0.01%を大多数のみんなが、5%をヨッシーが。残る94.99%をあなたが食べるって感じかしら」

クッパ「」

ヨッシー「ちょっと待ってください!私の取り分は10倍になるはずです!」フンス

ピーチ「あ、ごめんなさい。じゃあ、50%をヨッシーが、残る49.99%をあなたが食べる、が正しいわね。
    残念ね、ヨッシーより少ない量で」

クッパ「」



ロゼッタ(そうして始まった誕生パーティ。
      開会スピーチも人任せにして、涙を流しながら黙々とケーキを頬張り始めるクッパの姿がありました。
      『美味しいぞ、ほっぺたが落ちる位…美味しい、けどさあ…涙が止まらないのだ…』とつぶやきながら。
      その傍らで、触れたもの全て消し飛ばす勢いで、いヨッシーがケーキを平らげていきます。舌の動きが見えません…!
      まるで幸せ一杯で無敵になっているかのようです。

      なお、クッパのお触れで、基本量の3倍以上のケーキを食べて経費削減…いえケーキ削減に貢献したクッパ軍団員は、
      臨時ボーナスが出るそうです。良かったですね、頑張ってください!
      私は、間違っても白羽の矢が立たないように隠れてこそこそ食べていきます!)

491Mii:2018/11/30(金) 07:07:30 ID:ccoR/GVA
ピーチ「ロゼッタ、楽しんでるかしら!…でも、結局いつものドレスを着てきたのは大減点ね…
     ドレスを買いに行かせたのは無駄になったのかしら」

ロゼッタ「す、すいません…ちょっと間に合わなかったもので…」

ピーチ「…間に合わない?どういうこと?」

あまりつつかれても答えようがないので、しどろもどろに笑って誤魔化します。



ピーチ姫はため息を付いて、ようやく許してくれました。

ピーチ「それにしても、大きさはともかく、立派なケーキね。自画自賛しちゃうわ。
    …私もいつか、あんなケーキで祝われてみたいわね」ボソッ

ロゼッタ「……ほほう。それは」キラーン

おもむろに耳元に近づき。

ロゼッタ「マリオとの結婚式で、ということですか?」コソッ

ピーチ「ごふっ!?ち、違うわよ!……そ、そうよ。誕生日にって意味だから!」カアァ

ロゼッタ「…………」キラキラ

ピーチ「……ロゼッタの癖に生意気よ、何よその目は!」ヒソヒソ

492Mii:2018/11/30(金) 07:09:25 ID:ccoR/GVA
ロゼッタ「あ、マリオ、ちょうどいい所に!ちょっと来ていただけますか!」ヒラヒラ

ピーチ「ちょっ!?」

マリオ「おー、ロゼッタ。俺ですらビシッと決めてきたって言うのに、
    相変わらずの服装だが楽しんでるかー?俺は絶賛楽しんでるぞ。
    で、何をニヤニヤしているんだ?ロゼッタにしちゃあ珍しい(ワイン片手)」

ロゼッタ「いえいえ。実はですね、ピーチ姫がさきほど『こんなケーキで結婚式を祝われたい』と零していたので。
      マリオとしては気になる情報じゃないかなぁと」ニヤニヤ

ピーチ「そ、そんな事言ってないわよ!そ、それにマリオは関係ないでしょ!?」



――なんだか、ピーチ姫に対して押せ押せモードになるのは初めてかもしれません!
すごく新鮮です!頭の中を、イケイケトラックが鳴り響きます!
……はて、イケイケトラックってなんでしょう?

493Mii:2018/11/30(金) 07:12:20 ID:ccoR/GVA
マリオ「おいおい、マジかよ。流石に、ピーチが祝われる立場だったら、
    ピーチに作らせるわけにいかないしな…その時は、俺がキャシーさんやナンシーさんを雇うとするか」

ピーチ「か、彼女たちなら安心できるわよね。任せて、適正な対価を用意させてもらうわ」

マリオ「いやいや、だから祝われる立場のピーチが負担するなって。
     いくら無尽蔵にお金が湧き出るとはいえ。俺に任せとけって」

ロゼッタ「ふふ、その理屈なら、新郎のマリオが負担するのもおかしい話じゃないですか?」

ピーチ「ちょ、ちょっとロゼッタ!?いや、え、ちょっと!」カアァ



おとめな ロゼッタは ちょうしに のってしまった!▼
ロゼッタの かいしんの いちげき!▼

494Mii:2018/11/30(金) 07:13:27 ID:ccoR/GVA
マリオ「…へ?なんで俺がピーチと結婚することになってんの?
    全然そんな気ないんだけど、ひょっとして厨二病期間延長中か?
    ピーチにも失礼だぞ、あはは」



ロゼッタは いきおいあまって じらいげんを ふみぬいた!▼



クッパ「えっ」

キノじい「えっ」

キノピオ達「「「「「えっ」」」」」

クッパJr.「えっ」

デイジー「えっ」









ピーチ「……えっ」ガッシャーン

495Mii:2018/11/30(金) 07:14:52 ID:ccoR/GVA
ロゼッタ「…………」ダラダラダラダラ

マリオ「で、結婚相手って誰?……まさかクッパ?
    全否定する気はないが、あんまり趣味がいいとは言えないなあ。
    流石に違うよな?」

ロゼッタ「い、いやいやいや!ちょっと待ってください!」

マリオ「どうどう、なんだかよくわからんが落ち着け」

ロゼッタ「この上なく落ち着いていますよ!誰もが認める相思相愛、
     救い救われ続けた仲なのでしょう!?
     公式でもベストカップルズってよばれているじゃないですか!」

ルイージ(メタいよロゼッタ…)

マリオ「なんだ突然。うーん…。
    そりゃ、初めてクッパから救い出した頃は満更じゃなかったよ?
    ピーチ姫といえば、容姿端麗で頭脳明晰、キノコ王国の住民だれもが
    頭を垂れるような立派なお方…って俺だって思っていたし。
    『うわ、一国の姫、憧れのピーチ姫を救い出しちゃったよ。
    結婚して自分が次期の王になるフラグ立ったな!』ってさ。
    
    …でも、実際は『これ』だぞ?
    やんちゃはするし、遊びのために仕事をするスタイルだし、
    案外我儘な所はあるし、しっかりしているようで程よく手を抜くし」

ピーチ「」

496Mii:2018/11/30(金) 07:16:27 ID:ccoR/GVA
キノピオ「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!結婚する気、ないんですか!?
     今更、それは酷いんじゃないですか!?」

マリオ「いや、お前らが言うなよ…自分たちがやってきたこと、忘れたん?」


・・
・・・
ルイージ「へえ、8-4まで進んで、とうとうクッパを倒して、ピーチ姫を救い出したんだね!
      凄いや兄さん!きっと、ものすごい褒賞が貰えるよ!生活も楽になるかな!」

マリオ「ああ、そうだな。そしてお前は、たまには外に出ろよ」

ルイージ「…だって、出歩くたびに言われるんだもん。『兄と違って出来損ないの弟』って。
      配管工としてコソコソ生きていけるなら、ボクはそれでいいや」

マリオ「そんなことを言う奴は俺がぶっ飛ばしてやるからさ」



ガサッ



マリオ「ん?誰かが手紙を入れていったか?」

ルイージ「きっと、褒賞を与えるから城まで来たれしってことだよ!行ってきなよ!」

マリオ「どれどれ…ほう、本当に城に来いと書いてあるな!よし、行ってくる!」

497Mii:2018/11/30(金) 07:17:50 ID:ccoR/GVA
〜スーパーマリオブラザーズ2〜
キノピオ「ピーチ姫がまた攫われました!すぐに助けに行ってくださいマリオさん!」

マリオ「」



キノピオ「どうしたのです、早く、早く!」

マリオ「…ちょっと待ってくれ。俺にも時間をくれ。一旦家に帰って落ち着いて考えてから回答する」

キノピオ「何を悠長なことを!」

マリオ「…じゃあ、せめて前回の冒険の褒賞を先にくれよ。
    こちとら、『土管に詳しい、ちょっと強い男』ってだけで招集されて、
    そのおかげで配管工として殆ど働けなかったんだぞ。
    貯金を切り崩して持ちこたえている現状…生活が崩壊しかけてるんだけど」

キノピオ「姫様を救える役目を担えるというだけで大層名誉なことではないですか。
      これ以上何を望むのです?」

マリオ「」イラッ

498Mii:2018/11/30(金) 07:19:25 ID:ccoR/GVA
キノピオ「だいたい、コインなら前回の冒険の道中で散々拾ったはずでしょう?
     冒険の終わりに王国に渡すものだから、お金には困っていないとばかり思っていました」

マリオ「…へ?あれ、王国に返さなくていいの?不労所得になるかなーって思って律儀に返したんだけど。

    …ふーん、へぇー。よし了解、そういうことなら助けに行くよ」

キノピオ「そうでしょう、そうしてください」

マリオ(そういやピーチ姫にも、キスしていただいたくらいでその後一切ご無沙汰無しだな。
    普通、感謝の手紙とか謁見許されるとか…いや、王国の危機を救ったんだから位を貰ってもいいくらいじゃね?
    なーんか軽く見られてるなー…それならこっちも、コイン稼ぎのついでに助けるか。
    自分の食い扶持は自分で稼ごう。それがいいそれがいい)アッケラカーン

499Mii:2018/11/30(金) 07:21:08 ID:ccoR/GVA
マリオ「99コイン貯まったか。あと1コインでなぜか残機に変換されちゃうから、一旦家に戻ろう。
    どうせ残機はピーチ姫に管理していただいているし。
    なにより、敵を踏み続ける方法で残機増やせるからな。…なんでだろう」ダッ

マリオ「99コイン貯まったか。あと1コインでなぜか残機に変換されちゃうから(ry」ダッ

マリオ「99コイン貯まったか。あと(ry」ダッ





ピーチ「マリオさん、遅いですね…」グズッ




ピーチ「また助けてくれてありがとうございます!」

マリオ「いえいえ、お気になさらず。光栄でございます。そして、ありがとうございます」ホクホク

ピーチ「…???」クビカシゲ

500Mii:2018/11/30(金) 07:22:23 ID:ccoR/GVA
〜スーパーマリオブラザーズ3〜
マリオ(自国じゃないとはいえ、友好国のピンチにアイテム出し惜しみするなよ…。
    せめて、宝箱のアイテム全部くれよ、どうせお前たちアイテム使えないだろ…。
    自分でどうにかしろってか、酷い扱いだなあ)

キノピオ「どうかしましたか?」

マリオ「なんでもないっす。出張ご苦労様っす。それと、今回はピーチ姫を誘拐されないよう気を付けてる?」

キノピオ「あったりまえです!三度目の正直ですよ!失礼ですねえ」

マリオ「ほーん」





――二度あることは三度ある。ピーチ姫は暗黒の国に攫われました。

501Mii:2018/11/30(金) 07:23:44 ID:ccoR/GVA
〜スーパーマリオワールド〜
マリオ「むむむ………ほいっ!!」ザンッ



Mario ×99 → 5
Luigi ×5 → 99



マリオ「よし、大成功!」

ルイージ「な、何をやったの、兄さん!?」

マリオ「お前の残機を増やした。これでまず安全だ。
    さあ、しっかり鍛えるから覚悟しとけよ!」

ルイージ「う、うん!兄さんがここまでやってくれたのなら…頑張ってみるよ!」

マリオ「まずはこの甲羅を頭上100 メートルの高さまで放り投げます」ブオォォ!

ルイージ「えええええ……」





ピーチ「マリオ、おーそーいー」ジタバタ

クッパ(ヨースター島で1か月もうろちょろして…何やっとるんだろうなぁ)

502Mii:2018/11/30(金) 07:25:16 ID:ccoR/GVA
〜クッパ城〜
ピーチ姫「これで四度目…あなたに助けられてばかりですね。
      何か、望みの物はありませんか?可能な限り叶えて差し上げたいと思います」

マリオ「…では一言。クッパから聞いたんですが、猫かぶりやめてください。いや、やめろ。
    こっちもピーチって呼び捨てにして、ため口で話すんで」



ピーチ「えっ…はい、構いません。じゃなくて、構わないわ」

マリオ「うんうん」



ピーチ(私と馴れ馴れしくしたいだなんて…も、もしかして)ドキドキ

マリオ(お偉いさんを助けるんじゃなくて、『友人を助ける』って建前なら納得もしやすいよな、気持ちが楽だわ。
    あと、やっぱり攫われても楽しそうじゃん。今度はもうちょっと助け遅らせても大丈夫そうだなあ)

503Mii:2018/11/30(金) 07:26:34 ID:ccoR/GVA
〜スーパーマリオRPG〜
大臣「マリオどの、ピーチ姫を救って頂いてありがとうございます!
    それでは、この後もスターピース集めに勤しんで下され!」

キノピオ「応援します!」

キノピオ「応援します!」

キノピオ「応援だけしておきます!」

ピーチ「お願い致しますね。それでは私は部屋に戻ります」ニコッ

マリオ「…………」



ガシッ



ピーチ「!?」

マリオ「いつもいつも頼りっぱなし…たまには自分で動いてみないか。
    マグマに落ちたりして、ちょっとは体力あるだろ!さあ、冒険に出発だお姫様!」

ピーチ「きゃああああああああ!?」ズルズルズルッ

大臣「」

キノピオ「」

504Mii:2018/11/30(金) 07:28:22 ID:ccoR/GVA
数か月後――
ピーチ「…フライパン片手に、なんとかなったわ」パンパカパーン!

大臣「えええ!?」

ピーチ「冒険も、案外悪くないわね!」

・・・
・・


キノピオ「…………」ダラダラダラダラ

マリオ「お前ら、事あるごとに尻拭いだけ押し付けて、その対価を貰おうとしたらしたで
    『姫様に取り入ろうとしている、けしからん』ってスタンスで動いたじゃん?

    その結果、『じゃあ絶対に取り入らねえよ、こっちは勝手に稼ぐから』ってスタンスをとることになるじゃん?
    まあ、最近はちょっとは落ち着いてきたみたいだけど」

キノピオ「…ええ、と。あの頃はまだどのキノピオも若かったもので…」

マリオ「いや、別にそれが悪いとは言ってない。
    おかげでwin-winの関係に落ちつけたわけだし」シレッ

505Mii:2018/11/30(金) 07:29:36 ID:ccoR/GVA
ロゼッタ「は、初恋は大事にしましょうよ!」

マリオ「その理屈だとポリーンと付き合うべきじゃないか?」

ロゼッタ(誰ですかそれ!?)

ロゼッタ「ほ、ほら!救い救われたというのも評価点!」

マリオ「…だとすると、デイジーやロゼッタまで対象になっちゃうんですが」

ロゼッタ「よ、世継ぎ!どうせいつかはピーチ姫も結婚して子を残す以上、
      ヒーローのマリオが伴侶となるのが至極当然かつ妥当かと!」

マリオ「ロゼッタ、今のキノコ王国の政治状況知らないな?
    ピーチの王国運営力舐めんなよ、8〜9割を動かしてるんだぞ。
    そのせいでキノピオ達の手腕が一向に育たんというデメリット効果付きだ。

    いま、ピーチが出産や育児で数年鈍ってみろ。この王国潰れるぞ?
    幸い、俺たちって老化を止めておけるからな。このまま何百年と頑張ってくれ。
    もちろん俺も協力させてもらう」

デイジー「これはひどい」

506Mii:2018/11/30(金) 07:31:42 ID:ccoR/GVA
ロゼッタ「き、キスされたって相当なことでしょう!?社交辞令だなんて酷いでしょう!
     キスされた回数は断トツで」

マリオ「『応援キッス』のクリスチーヌ、次点で『お姉さんのキス』のネールだぞ。
     1シリーズで1回こっきりのピーチ姫なんか3位に入れたらいい方だぞ。

     おまけに、彼女たちの場合は魔法効果を込めるために頑張れって想いも伝わってくるし、
     そういった情熱面でも負けてるんじゃないかな」

ロゼッタ「」

ピーチ「」

マリオ「あ、言っとくがピーチが酷いやつだ、と言いたいんじゃない。むしろ逆だ。
     友人として、腐れ縁として付き合うと、ピーチは凄くいい奴なんだ。
     金銭面だなんて下世話な話だけじゃなく、統率力は高いし人を飽きさせないし、
     戦闘力としても背中を預けるに値する女性なんだ。…なんか恥ずかしいな。

     ま、ともかくこれからもずっと親友でいような、ピーチ!
     …じゃ、俺はあっちの料理を堪能してくるよ」トンッ

ロゼッタ「……………………」

デイジー「……………………」

ピーチ「ふえぇ…」グズッ

クッパ「ワガハイはケーキを片づける人形、人形っと」ソソクサ

ルイージ「…あれ、もしかしてみんな、知らなかったとか?」

507以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/30(金) 13:29:51 ID:Oa3UCVPc
かなしいなあ

508Mii:2018/12/02(日) 16:50:14 ID:IZCffDa2
ロゼッタ「……ちょっとお花を摘みに参ります」フッ

デイジー「元凶が逃げるなあ!」ガシッ

ロゼッタ「ごめんなさいごめんなさいっ!それでも逃げますー!」タタタッ

デイジー「くぉらぁあああ!!」ガオー!



デイジー姫も、全くもって本気で怒っているわけではないようで。簡単に撒くことができました。
…私にとっては全力疾走で、呼吸困難に陥っておりますが。

巨大ケーキの置かれた敷地から、建物の中へ…ではなく、
出口にあたるクッパ城の正門まで、一目散に駆けてきてしまいました。

ハァハァゼェゼェと息を乱しながら、パンドラの箱を空けてしまったことを後悔。
さあ、どうしたらよいのでしょう…!この空気!







会場の空気を一変させる、起爆剤なんて、どこかに転がっていないですか――

509Mii:2018/12/02(日) 16:52:04 ID:IZCffDa2
スイマセーン!ダレカ モン アケテクダサーイ!



ロゼッタ「…え?…あ!」

つい昨日、聞いたばかりの声に気付けたのは、とても幸運でした。





――これはこれは、ロゼッタ様でしたか!
――なんとか、最高の出来で仕上がったので…
――はっちゃけて、クッパ城まで持ってきちまいやした!!









ありました、起爆剤。
…私がそう思っているだけかもしれませんが。

510Mii:2018/12/02(日) 16:54:13 ID:IZCffDa2
デイジー「ほらほらー、元気出して元気出してー」



ピーチ「…………(テーブルに突っ伏している)」ジワァ



デイジー「だいじょーぶだいじょーぶ、
      とりあえず一番チャンスがあるのがピーチってのは動かぬ事実だしさ。
      いつまでもめそめそしてたら、周りにクッパ軍団員がいくらでも湧いてきて
      誰が泣かした出てこいやーって大騒ぎになっちゃうよ」

ピーチ「…………」

デイジー「泣く暇あったら、キノピオ達の折檻…じゃなかった、再教育でもしたほうが有意義じゃないかな。
      …それはもうテッテーテキに」

キノピオ「!?」

ピーチ「…………」ムクッ

ピーチ「…ソウネ、ソレハジュウヨウネ。ワタシトシタコトガ、アマヤカシスギタカシラ」ユラァ

デイジー「いっそのこと、マリオに連行してもらって冒険でもさせればどうかな、にひひ」

キノピオ「冒険しましたよ!もうあんな目に遭うのはこりごりです!!」

511Mii:2018/12/02(日) 16:56:08 ID:IZCffDa2
デイジー「…そうなの、ピーチ?」

ピーチ「…ウフフフ、キノピオ〜?」

キノピオ「(ビクッ)な、なんでございましょう姫様」

ピーチ「一応は、いつものごとく攫われた私を助ける冒険だったはずなのよ〜?
    なのに、マリオとルイージから聞いた話じゃ、ほとんど役に立たないで
    シャボンの中で高みの見物をしていただけって、本当なの〜?」

キノピオ「え、えっと、あの」

ピーチ「せっかくパワーアップの機会を得られたというのに……私は悲しいわ。
     これまでの分も含めて…すこーし、お話が必要みたいね〜」

キノピオ「」ガクガクブルブル

デイジー「あ、あんまりやり過ぎちゃ駄目だからね、ピーチ?」

デイジー(これはアカン、焚き付け過ぎた。ピーチに有るまじき負の感情がキノピオに向けて爆発しそう。
     自業自得だからいいのかな…うーん、ちょっとやりすぎになっちゃうかも…!)

512Mii:2018/12/02(日) 16:58:21 ID:IZCffDa2
――姿見の前で、着替え終わって。
――くるりと、一回転。

――思いの外、ゆっくりとした回転になりました。

ロゼッタ「…………うう、なんだか重くなっていますね…スピンの勢いが弱まっている気がします。
      ――まあ、いいでしょう」

――ふたたび、姿見に映る自分を眺めて。
――あともう一つくらい、アクセントが欲しいですね。



ロゼッタ「アクセサリー類の手持ちなど当然ないので…
      まあ、いじるとすれば髪形くらい、ですか」シュッ



――うん、できました。
――あとは野となれ山となれ…ですね!



ロゼッタ「では、杖もありますし華麗に空間転移で…!
      じ、自分1人くらいの体重なら…FP補助なしでもできます…えいっ!」キラッ

513Mii:2018/12/02(日) 17:00:32 ID:IZCffDa2
デイジー(と、そのとき!)



シュンッ!!

ロゼッタ「あ…へぶっ!」ドンッ!

ピーチ「!?」

キノピオ「!?」

デイジー「わっ!?」

デイジー(ロゼッタが、空間転移を使って、戻ってきた。

      酷く体勢を崩して、2メートルくらいの空中から降ってきて、
      地面に叩きつけられたっていうのが正しい、かな。
      むなしく手から離れてカランと音を立てた杖がシュール)



ロゼッタ「あいたたた…以前やった時は平然とできたのですが…!
      私としたことが、ドレスの重量増加、計算に入れていませんでしたっ……!」サスリ

デイジー「突然出てくるなんて、ビックリさせないでよ!


      ……って、あれ?なんというか…いや、明らかに服装、変わってない!?
      ど、どうしたのそのドレス!?」

514Mii:2018/12/02(日) 17:02:22 ID:IZCffDa2
ロゼッタ(ピーチ姫含め、周囲の皆さんは、まずは私のインパクトある登場に驚き…
      続いて、私の姿に驚いている模様です。

      予定外のアクシデントはありましたがっ!…まあ、いいでしょう。
      埃を叩いて、ちょっと間を取って)



ロゼッタ「――ようやく、この誕生パーティにふさわしい格好になりました。

     改めまして。私、彷徨えるほうき星からやってきました、ロゼッタと申します。
     お招き下さり、誠にありがとうございます――」ペコリ



ドレスの裾を持って、時間をかけてお辞儀して見せます。
…こんな感じでよかったでしょうか。あんまり作法を知らないのですが。



最初からいた、ピーチ姫、デイジー姫、ルイージ。

クールに軍団員たちと談笑しながら、舌鼓を打っていたナスタシアにキノじい。

ケーキをひたすら食べていた、クッパにヨッシー。

案外の大食漢で、あちこち回って食べて飲んで笑っていたマリオ。

みんなみんな、何事かと私に駆けよってきました。

515Mii:2018/12/02(日) 17:04:30 ID:IZCffDa2
さすがのピーチ姫も先ほどのことなど忘れたかのように、私に詰め寄ります。



ピーチ「ど、どうしたのロゼッタ!?結局、新しいドレス持っていたの!?」

ロゼッタ「いえ…奇跡的に先ほど、親切な染物屋の店員さんに、届けていただきました」

ピーチ「……染物屋?」



ロゼッタ「…ピーチ姫。――あの『血染めのドレス』、ありましたよね。
     あのときピーチ姫は言いました。

     『キノコ王国の技術を以ってしても、元の状態に戻せない。
     強引に漂白しようとすれば、元の透き通る青い色まで台無しになる。
     とりあえずの固定化で、これ以上ボロボロにならないように…
      不衛生にならないようにはしておいた』と」



ピーチ「え?――ええ、あったけれど――!?ま、まさか!」

516Mii:2018/12/02(日) 17:06:41 ID:IZCffDa2
そう。

私の今、身に付けているドレスは、いつものドレスと…ある一点を除いて、全く同じ。

特に豪華になっているわけでも、派手になっているわけでも、
ましてや色気が増しているわけでもありません。ただ…。

赤い…いえ、『紅い、朱い』のどちらかの表現の方が、よろしいでしょうか。
あの青空の色は一切なく、真紅に染まっているのです。



ロゼッタ「キノじい殿にお尋ねして、手当たり次第に城下の染物屋に打診してみたのです。
      ――さすがはキノコ王国ですね、すぐに見つかりました。

      『ひっでえ血濡れのドレスですねぇ、元の青色を取り戻すなんて土台無理な話さね。
       ――でも逆に、赤黒さを目立たなくしつつ真っ赤に染めることくらいなら
       お安い御用ですよ』

       って回答してくれる、腕の立つお店が。
       ドレスを1日で染めてしまえるだなんて、本当に驚きです」



キノじい「いやはや、こういうことだったのですか。聞かれたときは何事かと思いましたぞ、ロゼッタ殿!」

517Mii:2018/12/02(日) 17:08:26 ID:IZCffDa2
ピーチ「…!!」

ピーチ姫は、またもや驚いているみたい。

ロゼッタ「…ええっと。一応私のドレスということで、断りもせずこんな色に染めてしまいましたが……
     できれば許して頂けると嬉しいのですが」

ピーチ「え、あ、それは大丈夫よ?……へえ、不思議なものね!
     見れば見るほど、中々に似合っているじゃない!

     ロゼッタと言えば青色ってイメージが先行していたのは盲点、迂闊だったわ!」

ルイージ「うんうん、すっごく似合ってるよ!いつものロゼッタが美しいなら、
      こっちのロゼッタは凛々しいっていうかなんていうか!」

デイジー「そうだね!(あれ?今更だけど、買った服は…じゃあいずこに?あっれー?)」

ロゼッタ(コインの代わりになればと、染物屋さんに対価として渡しました。
      なんだか受け取った瞬間に泡を吹いてひっくり返りそうになっていましたが)

デイジー(いつぞやの仕返しで直接脳内に…!?)

518Mii:2018/12/02(日) 17:11:12 ID:IZCffDa2
マリオ「いやあ、本当に似合ってるな!正直驚いたぞ!」

キノじい「それに、私はその髪型もいいと思いますぞ!
      ロゼッタ殿の快活さが見事に表現されておりますのじゃ。

      頑張ろうと意気込みなさるロゼッタ殿…
      いわば、『がんばロゼッタ』といったところですな!」

クッパ「その表現はどうかと思うんだが…」







マリオ「んー、俺だったら素直に『ファイアロゼッタ』って名前の方がしっくりくるんだけどなあ…」







ピーチ「もう、何言っているのよ、こんなときに――――」

ピーチ「……………………」

ピーチ「……………………」ハッ

519Mii:2018/12/02(日) 17:14:38 ID:IZCffDa2
ピーチ「ひ ら め い た!ひらめいたわ!!

    ……ごめん、私とクッパ、ちょっとパーティ抜けるわ!!
    今日は一日、お疲れさまぁっ!!」ダダダダダダッ!!!

クッパ「ぬおおおおお!?な、なにをするのだぁー!
    (あ、ケーキ食べなくていいことになるなら逆らえないフリしとこ)」ズルズル

ロゼッタ「え?え?ええーっ!?」

デイジー「なんで!?」

ルイージ「」

ヨッシー「ということは私が99.99%…
      あ、クッパが食べた分を考えて99.97%を食していいということですね?
     まったく、仕方がありませんねー」キリッ





マリオ「…俺、何かしたのか?」

520Mii:2018/12/02(日) 17:18:58 ID:IZCffDa2
結局、ピーチ姫は、パーティに戻ることはありませんでした。
何処に行ってしまったのでしょうか。

一方の私は、真っ赤なドレスに包まれて、最高にパーティを堪能しました。
きょろきょろ探し回って、サヤカ親子を見つけたときはほっと一息。

ロゼッタ「…どうされたんですか?こんな隅っこで」

サヤカ父「ロロロロゼッタさん!?いや、ロゼッタ様!?なんですかこのパーティ!?
     連れられて来てみればクッパ城で、おまけにお偉いさんばっかりで!?
     私らなんか、場違いにも程があるんですけれども!」

サヤカ「ママ!わたしはママの所にはやく行きたかったんだけれどね、
     パパがちょっと待てちょっと待てって震えて言うばっかりで…
     あんまり料理を取りにも行けないし…

     あ、ママのドレス、シンプルだけどとっても似合ってるよ!」ニパー

サヤカ父「サヤカ、失礼一つで言葉通り首が飛ぶかもしれないんだぞ!」ガクガク

ロゼッタ「…ま、まあ、気持ちは分からないでもありません。
      でも、クッパ軍団員含めて、皆さん親切にしてくれていませんか?」ウンウン

サヤカ父「それが却って怖いんですよぉ!
      こっそり死の宣告までの無礼ポイントとかカウントされてるみたいで!」

521Mii:2018/12/02(日) 17:20:34 ID:IZCffDa2
サヤカ「綿飴売ってる、いつものパパはどこに行ったの?」

サヤカ父「状況が全然違うじゃないか…!」

ロゼッタ「あ、それいいですね。そのフォーマルな姿恰好でも綿飴って作れますか?
     ここで皆さんに振る舞うというのはどうでしょう」

サヤカ父「あ、ははは。面白い冗談です、ねえ」ビクビク

ロゼッタ「ねえ、サヤカ。綿飴機も、クッパシップに乗せているのね?持ってこられるのかしら?
      砂糖なら一杯…いえ 無尽蔵 にあるのだけど」

サヤカ「全く問題ないよ、ママ!やってみようか!」パァァ

サヤカ父「」

522Mii:2018/12/02(日) 17:22:09 ID:IZCffDa2
ロゼッタ「おひとつ綿飴、どうですかー?」

サヤカ「どーですかー?」



クリボー「おお、これが綿飴ってやつか!もふもふじゃないか!」

ノコノコ「いやー、ケーキも美味しいけど、これもなかなかイイっすね!
     こっちは割と作りやすいみたいだし、カメック様に製造機を導入していただきたいな!」

トゲノコ「むう、防具が邪魔で食べにくいな…親方、すこし食べやすく加工してもらえないだろうか」

ハンマーブロス「いやあ、一仕事終えた後の甘いものはいくらでも食べられる」

マリオ「ううむ、キャシーさんに作ってもらうとしたら…お菓子のもと、は要らないな。
    一体何があればいいんだ…?さっぱりわからん…!」

ルイージ「いや、普通に砂糖でいいんじゃ」

マリオ「それはピーチ専用のアイテムだからなあ…」



ロゼッタ(サヤカのお父さんのHPをゴリゴリ削りながらも…とても好評でした)

523Mii:2018/12/02(日) 17:25:57 ID:IZCffDa2
すっかり天は暗くなり、宴も幕引きの時を迎えます。

そんななか、すこし抜け出して――
朱いドレスの私と、可愛らしい白いドレスのサヤカは、
敷地の隅っこで、最後の…最後のキャッチピースをすることにしました。



ぱしっ。ぱしっ。



小気味よいキャッチの音が、小さく響き渡ります。



サヤカ「…………」

ロゼッタ「…………」

このスターピースのように。伝えたい気持ちは、おのずと伝わったかしら。
サヤカは徐々に涙ぐんでいきますが…あえて、見て見ぬふりをしてあげます。

524Mii:2018/12/02(日) 17:27:16 ID:IZCffDa2
サヤカ「……本当に、本当に楽しかったよ。――忘れない」パシッ

ロゼッタ「……ええ。ママも――楽しかった。絶対に忘れないわ」パシッ

サヤカ「……いろいろ、言いたいことが、あったはずなんだけど。
    言うと、本当にお別れになっちゃいそうだから、やめとく。
    またいつか、会えるって信じてるもん」

ロゼッタ「そうね。じゃあ、また会うこと、指切りしましょうか、サヤカ?」

サヤカ「……うんっ!」

指切り、げんまん。
2人の指が、しっかりと結ばれます。

サヤカ「ジャイロボールの方も、しっかりものにしてね!ママならきっとできるよ!」

ロゼッタ「そ、それはちょっと、指切りできないかな…?」アセ

――あれから、一球たりとも投げられていないので。
ズルと奇跡が重なっただけの代物のような気が、しないでもありません。

サヤカ「…………」ウルウル

ロゼッタ「わ、わかったから!それも、指切りげんまん、ね!」

サヤカ「えへへ…」

525Mii:2018/12/02(日) 17:28:45 ID:IZCffDa2
そうして。抱きしめ合ったあと。
特別に用意された、小さな飛行船に乗せられて。
サヤカとサヤカの父親は…この地を、離れていきました。



私は…パーティ会場から、いつまでも、いつまでも飛行船を見上げ続けます。



デイジー「ロゼッタ……大丈夫?」

ロゼッタ「悲しくない…と言ったら、大嘘になってしまいます、が。
     ほんの少しは、涙が滲むかもしれませんが。
     ――大丈夫ですよ。

     今世の別れではないと、信じていますから!」

デイジー「…そうだよね!それでこそロゼッタだよ!

     ささ、まだまだケーキは残ってるよ!
     ちょっとはクッパを助けてあげるとしようか!」

ロゼッタ「…正直、割とお腹は一杯なのですが。
     仕方ありませんね、お供いたしましょう」フフ

さあ、また新しい「私」の……スタートです。

526Mii:2018/12/02(日) 17:31:20 ID:IZCffDa2





ジャイロボールの コツを つかんだ!▼

ハイスピンジャイロボール習得に必要な基礎体力レベル・・・Lv.50
       ジャイロボール習得に必要な基礎体力レベル・・・Lv.20

                 【現在の基礎体力レベルは Lv.1 です】





ロゼッタ「…?デイジー姫、何か言いましたか?」

デイジー「???何も言ってないよ?」

ロゼッタ「……???」

527Mii:2018/12/02(日) 17:35:28 ID:IZCffDa2
〜とある暗い一室〜

任天堂スタッフ「……なんですと!?
          貴方を、更にはデイジーとロゼッタをプレイアブル…じゃなくて冒険に参加させろ、と?
          突然呼ばれてみてみれば…どういうことです?」

ピーチ「冒険は最高の経験値ですから。
     マリオとルイージは固定として、キノピオ…彼だけだと手を抜きそうなので監視役に私も付けて、
     そして更にデイジーとロゼッタを差し込みたいのですが。

     男性3女性3、バランスは取れているでしょう?
     必要なシナリオのプロットは、クッパと相談してなんとかしますから」

クッパ(そういうことか。ピーチ姫、面白いことを考えたな)

任天堂スタッフ「ううむ…ふむぅ。
          確かに、ロゼッタ姫がしっかり力を付けてくれるのならば有意義ではある、のかもしれません。
          そこまで希望するなら、一応上には声をかけておきますか。

          しかし、それだと『クッパがピーチを攫う』いつものシナリオが使えないわけですが」

クッパ「シナリオって言わんでください」

528Mii:2018/12/02(日) 17:37:51 ID:IZCffDa2
ピーチ「そこで……ゲストを連れてきたわ」

任天堂スタッフ「……むむ?」



妖精「なんなの、なんなのよ!いきなり呼び出して、こんなところに連れて来て!」



ピーチ「あなたがメールを送ってきたわけじゃないでしょうけど…
     あなたたち妖精が送ってよこしたメールに対する返答、返事よ。
     代表として、案をしっかり理解して持ち帰ってね。

     フェアリーランドに、クッパ軍団員によるステージ作成、および継続の許可を。
     あと、一時的に代表者数人に囚われ役として拘束されてもらう、くらいかしら。

     見返りは、向こう99年間、ステージで得られたコインの50%を。
     あとは、副次効果で得られた観光業利益…というのでどうかしら」

529Mii:2018/12/02(日) 17:39:15 ID:IZCffDa2
妖精「……拘束っていうのが腑に落ちないけど…私たちは、何もしなくてもいいの?
   土地を貸せばいいだけ?」

ピーチ「ええ、すべてキノコ王国によるサポートとクッパ帝国による建設で賄えるわ」

妖精「言ってみれば、各地にテーマパーク作って貰って、それを維持するだけでコインざっくざくってことよね。
    うーん、うますぎる話のような…まあ、いっか!私は支持するわ!」

任天堂スタッフ「やれやれ…しんどい仕事になりそうだ」

クッパ「いつもお疲れ様です」




一体、どうなることやら。

530Mii:2018/12/02(日) 17:41:00 ID:IZCffDa2
〜ほうき星〜

貰ってきた重力補正済体重計「54 kgですね」



ロゼッタ「…………」ダラダラ

ロゼッタ「……12 kg増えてる…ほ、本当に適性値はもっと上なんですよね!?
     し、信じていいんですよねぇ!」





……本当に、どうなることやら。

531以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/02(日) 20:58:47 ID:3S8AdVBg
wii(U?)と3dワールドの間だったのかあ

532Mii:2018/12/06(木) 22:11:56 ID:XUi5qVu.
〜第3章〜




      ロゼッタ、変態になる

533Mii:2018/12/06(木) 22:15:06 ID:XUi5qVu.
クッパの誕生日から、さらに8か月ほど過ぎたころ。
私、ロゼッタは、今日も今日とて……



ロゼッタ「あと、すこしっ……!」ブロロロロロ

キイイイイイィィィン!!

チコ「ゴーール!」

チコ「ごーる!!」

チコ「ごおおおおる!!」

……観客に満員のチコを収容し(改めて考えると滑稽かもしれませんが)、
ひとり『ロゼッタプラネット』のタイムアタックをおこなっておりました。
ようやく…最近、完成させてのけたのです!!

カートはピーチ姫に送って頂きました。
また、コースアウト用にメカニカルジュゲムさんを1体貸して頂きました。
本物のジュゲムにくらべて救助が遅いけれども、最悪の事態を免れる程度には使えるらしいです。

…なんでもありですね、キノコ王国の技術力。

このコースに限っては、チコたちも…えっさほいさと私を拾ってくれる、
緊急時は体力を分けてくれるので、万全の態勢です。

こ、怖くなんてありませんよ!?
谷底に落ちて救助されないまま冷たくなるとか…危惧していませんから!

534Mii:2018/12/06(木) 22:16:57 ID:XUi5qVu.
さて。さすがに、ここ2か月の間ひたすら走り続けただけのことはあります。
もう、ほとんどコースアウトはしない状態にまで持ってくることができました。
コース取りも安定、ふらついたりなどいたしません。

チコたちにダミーの置き石を設置してもらって、
障害物を想定した咄嗟のコース変更も練習してきました。努力のたまものですね!

そして、本日はピーチ姫とデイジー姫が遊びに来るそうです。
なんでも、このコースを見学しにくるのだとか。

そして、なんとこれは視察も兼ねているそうなのです。
極端なショートカットがない、問題なく周回できる、技量の差を順位に反映できる…などの
項目をすべて満たす出来ならば、既に白熱の模様を見せているシーズン…
「マリオカート7」の正式コースとして認定されるよう、申請して頂けるそうです!

あの会場に…「ロゼッタプラネット」が呼び出されるところを想像すると…胸が熱くなりますね!

535Mii:2018/12/06(木) 22:18:50 ID:XUi5qVu.
ワクワクドキドキを隠さずにそわそわしていると…とうとう来てくれました!
あのクッパシップがそうでしょう!やはり、1日で到着とは相変わらず速いですね!
さっそく出迎えに参りましょう!



…ケーキの材料費、結局折半したんですよね。
もちろん設備費は、カメック達がそれなりに使い込んでいたのですが…
材料費には到底及びませんでした。

おまけに、カメック部隊の全消費MP<ピーチ姫の消費MPだったらしく
「MP消費も金銭評価してください」という主張も通りませんでした。

代金の代わりに、一番小さいクッパシップを格安で貰い受けたピーチ姫は…
ちゃっかりしてます。…ピーチシップと呼んだ方がいいのでしょうか。
まあ、それはさておき。



ピーチ「元気にしてた?ロゼッタ!」

デイジー「おひさー!どんなコースが誕生したのか、ワクワクが止まらないよ!
      さっそく見せて見せて!」

ロゼッタ「はい!喜んで案内させて頂きます!」

それでは、私の走りとともに、このコースをくまなく見て頂くことに致しましょう!
3人だけの…まだアイテムボックスは置かれていない、純粋な勝負です!

536Mii:2018/12/06(木) 22:21:47 ID:XUi5qVu.
〜レース結果〜

ピーチ    1st × 7回 2nd × 3回 3rd × 0回
デイジー  1st × 3回 2nd × 7回 3rd × 0回
ロゼッタ   1st × 0回 2nd × 0回 3rd ×10回

ピーチ「知ってた」

デイジー「…ごめん、手抜くのはどうかと思って。で、でもいいコースだね!
      とくに、ロゼッタらしからぬ後半のダッシュ板配置!最後まで気の抜けない戦いができそうだよ。
      問題なく申請は通ると思うよ、うんっ!」

ロゼッタ「……試走すらされていないお二方に、まるで歯が立たないなんて」ズーン



ピーチ「…あのね、いくらロゼッタの基準では安定して走れている気になっても、
    私たちが最低限とする安定度にまだまだ及ばないの。
    ダッシュ板に向かうにしろ、位置を『置きに』行ってるでしょう?
    それじゃあ、周りへの警戒も出来ないわ。

    おまけに、刻一刻と動くコース状況は、ついついパターン化されがちな
    チコたちの障害物だけじゃ練習しきれないわ。
    私たちにぶつかられただけであたふたして、いとも簡単にコースアウトしたもの。

    これがアイテム飛び交う実戦になったらどうなることか…。
    まだまだ修行の余地あり、よ」

ロゼッタ「…身に、染みております…」ショボン

537Mii:2018/12/06(木) 22:24:03 ID:XUi5qVu.
ピーチ「というより、やっぱり基本体力のなさは如何ともしがたいわ。
     走りの安定性に如実に表れてくるもの」

ロゼッタ「はい…」

ピーチ「…うん。このコースの申請は、問題なく出しておくけど。
     というより、本当にいいコースね。早速使わせてもらいたいくらいだわ。

    …でも、ロゼッタの復活戦は、まだまだ先みたいね。ある意味、予定通り」



ピーチ姫の宣告に、悲しみが溢れてきます。
まだまだ、先が遠すぎる。一体、いつになったら…!



ピーチ「焦らないで、ロゼッタ。
    私には、計画があるの。ロゼッタのための面白い計画が、ね」



そう言って、ピーチ姫は悪巧みの顔をして笑ってのけます。
その、計画とは…?

538Mii:2018/12/06(木) 22:25:45 ID:XUi5qVu.
ピーチ「おそらく、『マリオカート7』シーズンは2年ちょっと続く。
     そして、あなたは…最終節に、参加しなさい」

ロゼッタ「最終節…?」

ピーチ「とうとう忘れられそう、予想だにしていないという誰もが驚くタイミングで颯爽と登場し、
     好成績を収めるの。華麗な復活デビューを果たして観客のスタンディングオベーションを浴び、
     次のシーズンを貫禄を持って意気揚々と迎えるのよ。ステキだと思わない?」

ロゼッタ(確かに、その通りに事が運べば素晴らしいことですが…)



そんな自信、全然ありません。2年先のことだろうと。…いえ、たった2年程度では。
絵に描いた餅、ではないでしょうか。

539Mii:2018/12/06(木) 22:29:32 ID:XUi5qVu.
ピーチ「そういえば、体力づくりの方は、どう?」

ああ、やはり確認しておきたいだろうな、とは思っていました。



ロゼッタ「…なんとか、自分の意志で魔法の力を抑制できるようになりました。
     今はほぼ、自分の筋肉だけで動いています」

デイジー「おお、ようやくスタートラインに立ったってところかな」

ロゼッタ「…頑張ります!」グッ

拳を握りしめ、気合いを入れ直します。
経験上、気合いを入れておかないと死ぬような気がしたので。

ピーチ「じゃあ話は早いわ。さあ、クッパシップに乗って乗って!
     キノコ王国までとんぼ返りよ!
     …あ、あの朱いドレスを忘れずにね!」

ロゼッタ「え?…わわっ!毎度毎度、クッパシップ使いが荒くないですか!?」ズルズル

チコ「ええー、もう帰っちゃうのー?」

540Mii:2018/12/06(木) 22:31:48 ID:XUi5qVu.
ロゼッタ「ここ、は」



キノコ城の隅の方。一般の方も含め、列をなして、なにかの手続きを行っています。
そういえば、この辺りは近付いたことがありませんでした。
一体、何をやっているのでしょう。
私もピーチ姫に促され…最後尾に並びます。

前の人が何気なしに私の方を振り返り、



ロゼッタ「あ、どうも」

前の人(コクリ)



軽く会釈をして再び前を向いた彼は、3秒ほど後にピシッと固まり、
ギギギ、とぎこちない動きで再び私の方を振り返りました。
…もしかして、私って有名人になってしまっているのでしょうか。
不本意です。せめて悪い噂ではないことを祈ります。

541Mii:2018/12/06(木) 22:34:00 ID:XUi5qVu.
ロゼッタ(というより、これってピーチ姫を見てしまって驚き慌てているのでは?
      そうですよね、それならこの驚き方も納得です)クルッ



メガバッテン軍団員「わたくしは名もない軍団員です」



ロゼッタ「」

ロゼッタ「」

ロゼッタ「ピーチ姫がいない!?」キョロキョロ

デイジー「ほんとだ!?いつの間に!」

軍団員「ピーチ姫なら、ロゼッタさんのことはデイジーさんに任せると言ってどこかに行きましたよ?
     なんでしたら、私もお供しましょう。ここのことは詳しいですから」

ロゼッタ「本当ですか!何処のどなたか存じ上げませんが、ありがとうございます!」

デイジー「ありがとうね!」

軍団員「ふふ、気にしないでください」

542Mii:2018/12/06(木) 22:36:45 ID:XUi5qVu.
ロゼッタ「…『残機申請窓口』?」

確かに、看板にはそう書かれています。



デイジー「うふふ、懐かしいなあ…私もだいぶ前に来たっけ。
      …申請こそ通ったものの、残機制度を利用しないまま今に至るけど」ズーン

ロゼッタ「残機申請…ああ、以前聞いたことのある、あれですか。
     ここで申請を受け付けているのですね。
     なるほど、並ばれている皆さん、活き活きとしています。
     根っからのチャレンジャーたちなのですね」

デイジー「私たちくらい強くなると、そのチャレンジもなっかなかできないのよ。
     他の人たちが委縮、遠慮しちゃうから、原則、古くなったステージへの挑戦はナシってことらしいわ。
     冒険者として招集されたステージしかチャレンジできないのよね…」

ロゼッタ「それで、私がここに並ぶのはなぜなのですか?」



デイジー「またまたぁ、分かってる癖にー。
      いや、分かってなかったとしても、いい加減察しなさいよ!

      …そりゃ、冒険者の資格を得たからに決まってるじゃない!」

ロゼッタ「……え?」

ど、どういうことですか!?青天の霹靂です!

543Mii:2018/12/06(木) 22:39:37 ID:XUi5qVu.
デイジー「喜びなさい、ロゼッタ。私とあなた、なんと次の冒険に内定もらったんだって!
      ピーチがかなり動いてくれたらしいわよ!やったね!これで強化ばっちり!」

ロゼッタ「え、ええっ!?いつの、まに!?」



喜べ、と言われても。正直、寝耳に水過ぎて、何が何やら。



…というより、けたたましいくらいの「死へのカウントダウン」警告が
頭の中を鳴り響いているのですがっ!?

544Mii:2018/12/06(木) 22:42:24 ID:XUi5qVu.
受付「はい、次の方―」

ロゼッタ「は、はい」



とうとう、私の番が回ってきました。
待っている間に必要事項を記入した紙を、受付の人に渡します。
…記入し切るのに30分掛かりました。物凄く疲れました。厳格にも程があります。

ついでに言わせてもらうと、物騒な質問が多かったです。
「これまで死にそうになった回数は何回くらいですか?」みたいな質問には、
あんまり答えたくありませんでしたよ、目が点になりました。
でも正直に「100回以上。1000回を超えているかもしれません」と回答しておきました。
受け取った係の人が、今度は目が点になりました。わぁい。



――それでもこの人気ぶり、凄いですね。



まだまだ、終わりではありません。

親切な軍団員さんに促され、先へ進みます
身長、体重、肺活量、握力、血液検査、聴力検査、そして…。

545Mii:2018/12/06(木) 22:44:55 ID:XUi5qVu.
受付「はい、続いて視力検査でーす。ではこちらの機械を覗いてください…
    あ、右目が隠れているので髪は払ってくださいね」

ロゼッタ「…え」



付き添いのデイジー姫が、私が終わるのを待っています。…待っているのですが。

ロゼッタ「…えっと――なしということには、できませんか」

デイジー「何言ってるのよ、ロゼッタ?」

受付「別に、視力が悪いから審査不合格というわけでは全くないですよ?
    合格時のアドバイスが変わってくる、くらいに思って頂ければ」

ロゼッタ「そ、そういうことではないのですが…あの、その、ええと」オロオロ

デイジー「そういえば、ロゼッタの右目ってなんだかんだ見た事なかったっけ?
      お風呂に一緒に入った時でさえ、絶妙に髪に隠れてたもんね。
      なになに!?邪気眼!?それとも写○眼でも持ってたり!?
      あの黒歴史に関係あったり!?」

ロゼッタ(――あの黒歴史には関係ありませんよ!)

ロゼッタ「………………………わかりました。覚悟を…決めます」

そうです、ここでデイジー姫を信用しないで、どうするというのです。
醜さに…嫌われることなんて、あるはずがないのですから。

546Mii:2018/12/06(木) 22:46:51 ID:XUi5qVu.
スッと、手を右目にやります。



長らく掛かり続けていた髪の房が…今、退けられました。



デイジー「……えっ」

デイジー姫が、驚きの余り…両手で口を覆います。




ロゼッタ「…………これで、よろしいですか?」





デイジー「ど、どうした…の、その…眼」

私の右目は…まるで人工物かのような、無機質で冷たい色をしています。
光など…宿っておりません。

547Mii:2018/12/06(木) 22:48:40 ID:XUi5qVu.
震える声で、デイジー姫に尋ねられ――
できるだけ、できるだけ心を落ち着かせて、返します。



ロゼッタ「ふふふ…怖いくらいに、光を失っているでしょう?
      恥ずかしくて…見せたくなかったのですけれどね。
      …ほとんど見えていないのですよ、これ。

      …何百年前になりますか…不慮の事故で、酷く傷ついてしまいました。
      回復も手遅れで、腐らないだけ御の字という状態です。
      我ながら、泣きたくなります…」
    


デイジー姫が、たちまち涙模様。

デイジー「ごめん…ごめんなさい!ごめんなさいっ!」

受付の人まで、一緒になって泣き始めてしまいました。



ロゼッタ「具体的には……………………」

548Mii:2018/12/06(木) 22:53:59 ID:XUi5qVu.

・・
・・・

女の子「ああ、とうとう望遠鏡が壊れてしまったわ。
     もう、遠くの星を観察することはできないのかしら?

     …そうだわ!目に魔力を込めたら、視力が上がって
     もっと遠くの星を肉眼で見ることができるんじゃないかしら!」

チコ「そんなことをして、大丈夫?」

女の子「大丈夫よ、痛くなったらやめればいいのだもの!いくわよ!」



女の子「…わあ、見える、見えるわ!思ったとおりね!」ググッ

チコ「すごい!何が見える!?」

女の子「そうねえ、あの星の表面の、山と谷の数までわかるわ!」

チコ「なあんだ、岩の形まではわからないんだ」

549Mii:2018/12/06(木) 22:56:26 ID:XUi5qVu.
女の子「そのくらい、見えるわよ。まかせなさい…うん、岩だって見えるわ!
     なんだったら、小石の形だって説明できるわよ!」グググググ

チコ「あ、ママ?そろそろ、右目に魔力を込めるのをやめた方がいいんじゃあ」ビクビク

女の子「わあ、凄い凄い!どんどん拡大していけるわ!!
    もっともっと速く!もっともっと遠くまで!!」ググググググ

ブシュッ!

女の子「あ」

チコ「」

女の子「いやああああああああああ!!!目が、目がぁーー!!」

チコ「回復、はやく回復っ!!」

・・・
・・


ロゼッタ「あまりにもあんまりな自業自得といいますか、
      思い出すたびに馬鹿さ加減に泣けてくるのです…」ウルウル

デイジー「結局は黒歴史だったんかーい!?
      ごめん、なんだかあんまり可哀想に思えなくなったっ!!」ビシィッ!

550Mii:2018/12/06(木) 22:59:34 ID:XUi5qVu.
ロゼッタ「あ、でも完全な失明状態じゃないですよ!
      というより、まさに魔眼に近いですね。魔力を注げば注いだだけ、
      遠見効果を発揮するのです!デイジー姫のFPを貸して頂ければ、
      視力10000.0も夢じゃありませんよ!」

デイジー「…あー、FPが勿体ないのでやだ」

ロゼッタ「あ、はい」ショボン



ロゼッタ「右」

ロゼッタ「左下」

ロゼッタ「上」

ロゼッタ「下」

ロゼッタ「右上」

受付「左目2.0。
    …右目は10.0ですね」


ロゼッタ「よし。…まあ、自分のFPだけなのでこのくらいにしておいてあげましょう」ググ

デイジー「右目が怪しく光っとる…
      秘密を教えてもらったのにあんまりうれしくない…」

551Mii:2018/12/06(木) 23:02:36 ID:XUi5qVu.
――結局。申請に丸一日、掛かってしまいました。
私も、付き添いのデイジー姫も…疲れ気味。建物を出て、ググッと伸びをします。

デイジー「今日は色々とありがとうね、軍団員さん!」

軍団員「いえいえ、お気になさらず」

ニヒルに笑って、彼は一礼して去っていきました。ステキな方ですね。



デイジー「あっとは、招集がかかるのを待つばかりー!楽しみだなー!」

ロゼッタ「それで、いつ頃になるのでしょうか?」

ピーチ「はっきりとしたことは言えないけれど、数か月以内ってところじゃないかしら。
     あ、集合場所も含めてメールで教えるから、メールチェックは毎日欠かさずすること。
     
     特にロゼッタ、この冒険は貴方を鍛えるためのもの、と言っても過言ではないのだから…
     集合に遅れたら、私、怒るわよ?気を付けなさい」

ロゼッタ「ぴ、ピーチ姫。い、いつのまに背後に…ホッ。ある程度の猶予はあるということですね。
      ええ、わかりました。ご心配なく、最近は日課になっていますから」

ピーチ「デイジーもね?ようやく冒険参戦となったことに喜び過ぎて、確認を怠らないように」

デイジー「そんなヘマはしないよーだ!」

ピーチ「不安だわ…」

552Mii:2018/12/06(木) 23:04:33 ID:XUi5qVu.
その他、いくつかの注意事項をピーチ姫から教わり…クッパシップで、ほうき星へ帰りました。
…さて、ますます体力づくりに励む必要がでてきましたね。頑張らなければ!



…あ。大事なことを忘れていました。



望むなら、パワーアップ状態の服装を登録してもよいそうです。
登録すると、アイテムを取った瞬間に早着替えできるとか。どういう原理なのでしょうか。

当然、ファイア状態に…持ってきた、朱いドレスをしっかり登録しておきました。
あとは、デフォルトで勝手に執り行ってくれるそうです。

553Mii:2018/12/06(木) 23:06:59 ID:XUi5qVu.
〜11月19日〜



『各位

初霜の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。


さて、 私が妖精の国を侵略し(形式的に)
ワールドステージを展開するという『例の』準備が一通り完了致しました。

つきましては、11月21日、各ステージを開放致します。
急なこととなりましたが、皆様の参加、挑戦を心からお待ち申し上げております。


                                クッパ城城主     クッパ』



ピーチ「……来たっ!!よし、マリオとルイージには届いているだろうし、
     デイジーとロゼッタにメールを…!」カタカタカタカタッ!

554Mii:2018/12/06(木) 23:08:56 ID:XUi5qVu.
メールダヨ!メールダヨ!

デイジー「…よし!よし!来た来た来たぁー!!待ってましたぁ!
     それでは、さっそく準備しなくっちゃ!!」ガバッ



デイジー「フンフンフフーン♪荷物は手提げ一つでじゅうぶーん!
      集合場所は割と遠そうだし、早めにしゅっぱーつ!」タッタッタッ

大臣「これはこれは、デイジー様。そんなに軽い足で、一体どちらへ?」

デイジー「これから、初冒険に行ってくるわ!後のことはよろしくね!」

大臣「ほっほっほ、それはそれは…」

デイジー「それじゃ!お土産一杯買ってくるね!」






大臣「是が非でも止めなければなりませんな」ピッ

デイジー「!?」ピョン!

555Mii:2018/12/06(木) 23:11:15 ID:XUi5qVu.
デイジー「…うひゃあ!?急に足元の床が無くなった!なにこれ!?」トンッ

大臣「ちっ、無駄に勘が鋭いですな。しかし、まだまだ参りますぞ!」

デイジー「ちょちょちょ、なんでこんな事するのよ!酷いじゃない!」

大臣「その言葉、そっくりそのままお返し致しますぞ!
   最近のデイジー様ときたら、碌に政務を執っていらっしゃらないではないですか!」

デイジー「…うぐっ、そんなに怒らないでよ金融大臣さん」

大臣「私は防災大臣ですぞっ!どこぞの姫様の不手際で、
   何故か警務大臣と復興大臣も兼ねていますがね!
   役職すら把握していないとは嘆かわしい!

   既に今年も10か月経ちましたが…
   一体、何日サラサ・ランドでお務めを果たしたというのです!」ピキピキ


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