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雑兵の雑草記

1以下、名無しが深夜にお送りします:2018/04/22(日) 17:48:02 ID:D57wSHgc
ジャラララララララwwww リ-チ!! ザンネン...

男(ッチ…)

男(二万の負けか…)

男(今月に入って当たりは四、五回…あと一回やろ…)ッス...

男「泣きの千円だな…」

思えば産まれてこのかた、頑張るだの努力だのは一切したことが無かった
と思う、小学校の最初は勉強も簡単すぎてやるだけ無駄と思ってやってこなかった
し、遊び仲間も沢山いた、楽しかった。
しかし、学年が上がるにつれて勉強は難しくなり、遊び仲間は皆んな勉強をし始めた、
いや、勉強は最初からしていたのだろう、何もして無かったのは俺だけだ。

68以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/02(土) 12:34:53 ID:IGfMFRa6
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女騎士「今回の訓練は盛大に頼むよ、勇者様」

勇者「その言い方はやめてよ、なんかむず痒いんだ」

女騎士「勇者なのは本当のことだろう?それに今の立場じゃ前みたいにはもう出来ないんだ」

勇者「だとしても...まあいいや、何人くらい連れてこようか?」

女騎士「そうだね...今回の新隊員が...597人だったから...2千人くらいがいいんじゃないか?」

勇者「マジでいってる?お金大丈夫なの?」

女騎士「あぁ、新隊員を育てられるなら痛くも痒くもないさ、国王もその方針だ」

勇者「変な国だね本当に」

女騎士「その国に私たちは救われたんだ、恩返しはしないと」

勇者「そうだね、おkなら盛大にやるよ、ではそろそろかき集めてくる」

女騎士「気を付けていけよ」

勇者「わかってるよ、姉さん」

69以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/02(土) 12:39:34 ID:IGfMFRa6
バタン

女騎士「お姉さん...か、久々に聞いたな」

女騎士「あんなに泣き虫だった妹が...」


『おねえちゃん!死んじゃダメだよ!』

『もう救助隊が来る!君も避難を...ん?』

『土砂崩れだ!!逃げろ!!!!』

『もうダメだ!!山全体が...
ゴゴゴゴゴゴゴ...

70以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/02(土) 12:54:47 ID:IGfMFRa6
『速報です、先ほど○○町一帯が大規模な土砂災害に見舞われました、県は自衛隊に派遣の要請をしました、
消防庁及び警視庁の情報によると、町の消防署並びに警察署への連絡は依然取れず、土砂災害の被害にあっている
可能性が高いと発表しました』

『最初は小規模だったんですよ、家一軒飲まれましたが...その後に山全体が崩れたんですよ』

『あの山は林業が盛んだったんですが、いかんせん植樹をしない企業が多くて...それに付随して頂上に大規模な気象観測所も出来たから耐えられん
かったんだと思いますよ』


女騎士「...っうわ、寝てた...」

女騎士「...小さい頃の...はぁ...」

女騎士「...まだ寝れる」
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71以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/02(土) 13:29:54 ID:IGfMFRa6
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雑兵「野営ってどこでやるんすか?」

上等兵「山ン中とかが定石だが、今回は違うっぽいな」

兵長「平原の演習場だとよ、どうしようもねえよもう」

雑兵「平原って、ここの城の周りマジの平原で隠れるとこまったくないじゃないですか」

上等兵「そうなんだよなぁ...」

兵長「俺らは近衛混成連隊の隣か...嫌味ばっか言われるんだろうなーバンダレイんとこ広くしようぜ」

上等兵「無理でしょ」

72以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/03(日) 20:03:15 ID:vjHkOHwQ
天使「自分たちはどんな動きをすれば…」

上等兵「あー…まぁ…焚き火囲んでる時に襲われれば良いんじゃないですか?」

天使「えぇ…」

兵長「いや、マジで野営ってもそれしかやることねぇんだ俺らの部隊って、初っ端の戦闘で撃破されなきゃいけない部隊の一員」

上等兵「悲しいけどな、確かに俺らが切り込みやっても意味ねぇし…」

雑兵「やられなきゃいけない…って事はやられなくても良いんすか?」

兵長「え?」

雑兵「やられなきゃいけないんですよね?って事は逆を言えばやられなくても良いって事でしょ?」

上等兵「え…お前何言ってんの」

雑兵「なんか命令でやられろって言われてんすか?」

兵長「それは無いけど…いてもあんま俺ら意味ねぇし」

73以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/03(日) 20:07:05 ID:vjHkOHwQ
上等兵「いいか、雑兵?俺らはな?野営で勲功をあげたら結構萎えられるタイプの部隊なんだわ、アレだ、テンション上がってる時に空気読めない奴が変な事言った感じの空気になる」

兵長「それにお前が優秀賞を取るのは無理だと思うぜ、こんなこと言ったらアレだが

74以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/03(日) 20:11:23 ID:vjHkOHwQ
上等兵「確かにお前らは頑張ってきて、慣れてきたけど、他部隊の新隊員達は最初から頑張ってきてな、基本中の基本の動きも出来る、コレらは俺らの教育の問題だが…」

兵長「何が狙いなんだ?まさかとは思うが…」

雑兵「騎士団長とやらに聞きたいことがあるので」

兵長「はぁ〜…やっぱり」

上等兵「何聞くんだよ、騎士団長相手によ」

天使「…」

兵長「頼むから面倒な気は起こさないでくれ…やる気出してくれるのはありがたいし、応援したいが…」

上等兵「身分差がヤバイんだよ」

75以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/03(日) 20:24:04 ID:vjHkOHwQ
天使「…それはおかしいです!」

上等兵「うおっ…」

天使「先程から黙って聞いていれば…何なんですか?!」

兵長「え?俺ら?」

天使「確かに雑兵はバカだし!空気読めないとこもあります!!」

雑兵「ンヴッ(即死)」

天使「でも!何もわからない所で一から始めて!!初めて挑みたい事が産まれたんです!!頑張りたいって思えた事が生まれたんです!!それをなんで!!」

上等兵「ご、ごめんって…でも俺らは…」

天使「独立雑兵大隊だからなんなんですか!!みんなと同じ兵隊でしょ!?雑用しかしないからなんなんですか?!剣を貰って軍服を貰ったんなら兵隊でしょ!」

兵長「…」

上等兵「た、確かに俺も最初はこの部隊を変えたいって思ったこともあったが…やっぱ一度ついたイメージはな…」

天使「何で応援できないんですか!?一度諦めて、挑戦したい後輩がいるのに何で!!」

76以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/03(日) 23:19:08 ID:vjHkOHwQ
上等兵「…」

兵長「…天使、そこまでにしろ」

天使「でもっ…!」

兵長「そこまでにしろって言ってんだ」

天使「っ…」

兵長「すまんな、天使、辛い気持ちにさせて、俺らも卑屈になってたんだ、努力したって所詮は雑用部隊…戦争に出ても後方支援のこの字にもいられなかったからな…だが今回のお前らを見て、俺ら独立大隊もちょっと挑戦してみようと思った、これは本当だから」

雑兵「…」

天使「…」

兵長「雑兵、騎士団長に会いたい理由はもう聞かねぇ、会いたきゃ勝手にしろ、ただ優秀隊員をとらねぇとまず会えねぇってことを分かってんなら…やるこたぁわかるな?」

77以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/05(火) 13:32:34 ID:qpvte2h2
雑兵「評支大隊をギャフンと言わせることっすか?」

兵長「えらくざっくりしてるが…まぁそんなところだ」

上等兵「お前一人で出来ることとは思ってないが、お前の頑張り次第では協力してくれる隊員もいるかも知れん、まぁ俺からも掛け合ってはみるが」

雑兵「死んでもやります」

兵長「いや死ぬなよ…まぁそんくらいの覚悟がありゃもう何も言わねぇさ、野営中は好きにやりな」

雑兵「はい、大将首勝ち取ってきます」

上等兵「それは…流石に無理だと思うが」

天使「傭兵団長誰だか分かってる?」

雑兵「じゃあ…ぼちぼちやります[

兵長「うーん…」

上等兵「諦めが早いというか…」

78以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/05(火) 13:34:37 ID:qpvte2h2
兵長「隊長にも言ってくるわ、多分好きにやらせてくれると思うが」

雑兵「ありがとうございます」
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79以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/05(火) 13:38:52 ID:qpvte2h2
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隊長「骨ありすぎじゃね?」

兵長「そうなんです、どこでスイッチが入るか分からんで…中々困った奴ですよ、雑兵のやつ」

隊長「まぁ評支をぶち倒すのは面白そうだからいいけどさぁ…あいつ一人じゃ無理だろ」

兵長「はい…なので隊員にも軽く協力してもらおうかと…」

隊長「ウチの隊員たちになぁ…協力かぁ…うーん…」

兵長「まぁ難しいっすよね…協調のきの字もないっすから…」

隊長「ちょっと…雑兵と天使連れてきてくれねぇか?まだあんま話してなかったからこの機会に話してみてぇんだ、野営で何するかも」

兵長「はい、連れてきます」

80以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/10(日) 17:39:05 ID:7iqUfXjI
そして…

隊長「さぁて、教育期間も来週の野営で終わりだ、改めて挨拶をする、俺が独立大隊の大隊長だ、顔だしてやれんですまんな」

天使「い、いえ!大隊長とお話しできて嬉しいです!」

隊長「この前の救護の学習、いい成績だったな、衛生隊の新隊員よりもいい成績だったぞ」

天使「と、取り柄はそれしか無いもので…」

隊長「いや、素晴らしい隊員だ、ウチには勿体無いくらいにな…して雑兵」

雑兵「はい」

隊長「お前、今度の野営でブチかますらしいな?」

雑兵「その予定です」

隊長「結構、大いにやれ…たがな、途中で投げ出すんじゃねえぞ?どんな手を使って勝ち取ってもいいが…中途半端に投げ出されちゃお前の今後どんな事を言われるか分かったものじゃ無い…勝つか負けるかしか無いからな」

雑兵「分かってます、死ぬ覚悟でいく予定です」

隊長「うん、お前ら野営では俺らに構わず思う存分暴れてこい、これが俺の命令だ」

天使「はい」

雑兵「はい」

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81以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/10(日) 17:45:40 ID:7iqUfXjI
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天使「野営ドキドキするね…雑兵本当にやる気なの?」

雑兵「うん、なんか今までに無いくらい昂ぶってるからやろうかなと」

天使「なにそれ…でもこんなにやる気がある雑兵見たの初めて」

雑兵「そう俺も戸惑ってるんだよ、実は」

天使「ップ…何か手伝って欲しかったら幾らでも言ってね?」

雑兵「そうしたいが天使には天使の立場があるからな、なんとか頑張ってみるよ」

天使「ふーん?僕じゃ頼りない?」

雑兵「いやっそういうわけじゃ無いんですが」

天使「ふふっ冗談だよ、でも雑兵が困ってたら助けるから、これだけは譲れない」

雑兵「…あぁ、俺もお前の為に頑張るよ」

天使「じゃあ、おやすみ」

雑兵「あぁ」

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82以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/10(日) 18:05:20 ID:7iqUfXjI
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野営は三泊四日で行われる、初日から次の日の半日は各部隊は有事の際の基本的行動を学び、それが終了次第兵士としての基本的行動…まぁ大規模なチャンバラが始まる。独立大隊の有事の際の基本的行動は主に…本当に雑務ばっかりで各部隊に三名の隊員が配置され、それぞれの雑務を行う。トイレ掃除 厩の設置 馬に干し草をあげたりフンの処理…ただ部隊と一緒に死ねというわけでは無いらしく、戦闘が始まれば折を見てげんたいに帰るらしい。意味がわからない。

雑兵(俺と他2名は騎士団の新隊員と行動を共にする…隊長に感謝しないと)
伍長「なぁ坊主…おめぇなんかブチかますって本当か?」ヒソヒソ

雑兵「はい…まだ時期じゃ無いっすけど」

一等兵「いいねぇいいねぇ、おらそう言うの大好き、で、なにやんの?」

雑兵「騎士団の新教のチャンバラが始まったら自分たちは逃げてもいいじゃ無いですか」

一等兵「ん、そうだなや?」

雑兵「多分騎士団を狙うのは評支のお偉方部隊だと思うんですよ」

伍長「かもなぁ」

雑兵「そこで、逃げるふりして状況外になった傭兵の服を剥ぎ取って傭兵に化けるんです」

伍長「マジぃ?大丈夫かそれ?」

83以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/10(日) 18:08:28 ID:7iqUfXjI
雑兵「傭兵の格好はバラバラらしいんで、俺が傭兵に扮装してもバレんと思うんですよ」

一等兵「確かにそうだけんども…見つかったら大目玉だでや」

伍長「最悪営倉入りだな」

雑兵「俺はそれでいいんです、ただ騎士団長に聞きたいことがあるので」

伍長「はぁ〜おめぇ肝座ってるなぁ9…よっしゃ気に入った!俺らも手伝ったるわ!」

一等兵「んだすな!独立大隊にきて久々に楽しそうなことがあんだもんな!新隊員がやるなら俺らも立ち上がらにゃ!」

雑兵「ありがとうございます…」

伍長「…しかし傭兵になってどうするんだ?」

雑兵「そこなんです…」

一等兵「あたーそこだなや…」

84以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/10(日) 18:12:38 ID:7iqUfXjI
伍長「おいいたずら小僧、なんかないか?」

一等兵「そうだすなぁ…定石にいきゃあ傭兵の格好して、本陣までいって傭兵団長をブスリと…」

雑兵「それでいきましょう!」

伍長「はや!」


「おい!雑兵大隊!厩を綺麗にしとけ!」

一等兵「へいへいただいま!雑兵話しは後で固めるだ、行くど」

雑兵「はい…!」

雑兵(みんな俺のために…俺も頑張らねぇとな)
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85以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/10(日) 22:53:57 ID:7iqUfXjI
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「おい…聞いたか?傭兵団長ってあの勇者様らしいぜ…」

「嘘だろ?なんで勇者様が傭兵団なんかに…」

「んな事はどうだっていい…勇者様が指揮してるんだ…エライ精強な傭兵団だぜ…」


天使「…」

兵長「…雑兵が心配か?」

天使「はい…何をしでかすか判らないので」

上等兵「そっちか…しかし騎士団付きの雑務隊に行くとはなぁ…隊長のお陰だぜあのやろう」

天使「騎士団付きの雑務隊が良いって、どうしてなんですか?」

兵長「直接勲功を見てくれるしな働きようによっちゃあ優秀隊員…」

上等兵「しかし雑務隊は会敵したら帰隊するのが定石ですからね…伍長さんと一等兵が乗ってくれるか…」

86以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/10(日) 23:10:11 ID:7iqUfXjI
兵長「伍長さんと一等兵コンビなら多分のってくれると思うぜ…あのいたずらコンビなら楽しむかもな」

上等兵「一等兵のやつはこといたずらに関しては頭が軍師並みに切れますしねぇ、雑兵の作戦が何かは知らないが…」

兵長「大丈夫だろ…まぁ無理でも今は新隊員だし…」

天使「…」

上等兵「祈るしかないっすね」

「天使さーん、ちょっと救急キットの使い方を教えてあげて欲しいんだけど」

天使「は、はい!」


兵長「まぁ今は自分の心配だな」

上等兵「衛生部隊にはこんでしょう」

兵長「だといいが…?ん?」

上等兵「どうしました?」

兵長「あの丘…木茂ってたっけ」

上等兵「…て、敵襲!!!!」
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87以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/12(火) 23:29:50 ID:VPjdSs2s
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「衛生の新隊員教育隊の展開地が奇襲されたそうだ…」

「衛生って事は…俺ら展開地の近くじゃん」


騎士団長「いいなぁいいなぁあの狼狽っぷり」

副団長「趣味が悪いですよ騎士団長…まぁ楽しいですが…」

騎士団長「我々が新隊員の時を思い出すな、副団長?」

副団長「はい、自分もあの時は、あの子らみたく右も左も分からないまま展開地に入れられましたからね」

騎士団長「覚えてるか?当時の騎士団長が奇襲攻撃のため敵が集結してるのを気付いて無くて、我々も行軍してたら…」

副団長「あぁ、鉢合わせで傭兵団長も騎士団長も腰抜かして…あん時はほんと笑いを堪えましたねぇ」

88以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/12(火) 23:32:26 ID:VPjdSs2s
騎士団長「…ではそろそろ仕掛けてもらうかな…」

副団長「傭兵団長の所に打ち合わせに行くんですか?」

騎士団長「あぁ、盛大にやるぞ」



一等兵「だとよ…付いて行ってみるか?」

雑兵「しかしまだ会敵もしてないのに離れたら…」

89以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/12(火) 23:37:38 ID:VPjdSs2s
伍長「大丈夫、助っ人きたから」

兵長「よっ…ウチんとこはこてんぱんにやられてたよ」

上等兵「まーた悪さしようとしてるな?一等兵」

一等兵「うひぁあ勢揃いだすなぁ、おろ?もう一名の新隊員は…」

兵長「捕虜になっちまったよ、怪我人手当してる最中に」

上等兵「まぁ状況外だな…しかし最後まで怪我人の手当してたなぁあいつ」

雑兵「マジですか?今はどこに…」

上等兵「分からんが…大方傭兵団の展開地の近くだろ」

雑兵「…」

一等兵「ほら、行くど」

雑兵「はい」


兵長「雑兵…ありゃあ助けに行くかもな…」

伍長「どうさねぇ、目の前のことにいっぱいいっぱいって感じだったぜ」

上等兵「どうなる事やら…」

90以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/13(水) 22:04:03 ID:p8JjfBrI
傭兵団の展開地は城下町に近く、襲撃なんのそのと言ったテンションでどんちゃん騒ぎをしていた。

一等兵「剥ぎ取るにぁあ…あの外れで寝っ転がってるやつを剥ぎ取るべや」

雑兵「分かりました…一人しかいないっすね…」

一等兵「お前ならどうする?」

雑兵「もちろん自分が行きます」

一等兵「よし、おらはちょっくらいたずらしてくるべ…上手くやれや」ザッ...ザッ...


雑兵「ふぅー...よし」

91以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 00:37:56 ID:2AbNVJgs
雑兵「失礼っと…」 ガザゴソ...

「Zzz...」


雑兵「うっわ…汗でドロッドロ…まぁいいや…」

雑兵「一等兵さん…何するつも…


ズド----ン!!!!


「な!なんだぁ!?」

「オイ!燃料樽に引火してっぞ?!!誰だあそこで火焚いたの!!?」

「おい!みな燃えちまったら俺らの賃金向こう半年は燃料代に消えちまう!!」

「消せ消せ!」


雑兵「や、やるぅ…」

92以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 00:40:43 ID:2AbNVJgs
雑兵「よし、傭兵団が混乱してるうちに…」

「おい!そこのお前!」

雑兵「うへぃ!」

「団長に報告してこい!!燃料樽に引火!ダイナマイトで爆破された可能性アリと!!」

雑兵「り、了解!!」ダダダッ


「ん?なんかあったのかぁ…Zzz」

93以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 00:44:14 ID:2AbNVJgs
勇者「なんの騒ぎ?」

「まだ情報が…奴ら何してんすかねぇ」

雑兵「ほ、報告します!物資集積所の燃料樽がダイナマイトで爆破された模様!!」

「うっそ?!せっかく国からタダでくすねたってぇのに!!」ダダッ


雑兵「あ、行っちゃった…じゃあ自分も〜…」キョロキョロ


天使「…」ジトッ

94以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 00:57:29 ID:2AbNVJgs
雑兵『もうちょい辛抱してくれ!必ず助けるから!』(伝わってないハンドサイン)
天使「???」


雑兵「さ、さぁてとぉ火消しまくろっかなぁ…と」ソソクサ

勇者「ねぇ」

雑兵「ひゃい!?」

勇者「明日の合言葉って…何だっけ?」

雑兵(この子…心なしか騎士団長に似てる…てか誰?傭兵団長ってさっき走ってたやつだし…多分)

俺はこの時、傭兵団長の顔を知らない事に気づいてしまった。

雑兵(だが俺よりも小さいからな…多分子どもだろまだ)

雑兵「ここは子どもの来るとこじゃねぇぞ、早く家帰れよ」

勇者「こ、こ、子ども??」

雑兵「ダメだぞ?親が心配するから帰らない…とぉ?」

勇者「君…何者だ?」ゴゴゴゴゴゴ...

雑兵(素人の俺でもわかる…この覇気的なやつはヤバイやつだ…なんでキレてんの?)

雑兵「お、おい…落ち着けって、まだ小さいんだからこんな物騒な…キラキラした…Oトの剣みてぇな…???」

95以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 00:59:02 ID:2AbNVJgs
雑兵「…」

勇者「…」ゴゴゴゴゴゴゴ...

雑兵「よ、傭兵団長でございますよねぇ?」

勇者「曲者」

雑兵「っ!!」ダダダッ!!!

96以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 01:04:52 ID:2AbNVJgs
勇者「待て!!」


雑兵「やべぇって!!やべぇって!!」

勇者「逃げられると思った?!」

雑兵「う、うわぁ!!はや?!キショ?!」

勇者「ちょ!キショ?!って何?!なんで忍び込んてんの?!新隊員の野営でしょコレ!?」

雑兵「し、忍び込んでねぇし?!俺傭兵団だし?!」

勇者「じゃあ明日の合言葉 渡る世間は?」

雑兵「バネ秤?」

勇者「アホ」

雑兵「あ、アホって…まぁ頭悪いけど…」

97以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 01:11:09 ID:2AbNVJgs
勇者「見た所、君は新隊員だね?怒らないから何しにきたか言ってごらん?」

雑兵「ヤダよ、ガキ」

勇者「っうらぁ!」ッバッチィイン!!

雑兵「ア!(即死)汗で引っ付いて更に痛え!?!?背中ビンタはあかん!!」

勇者「怒らないから、ほんとに」

雑兵「ックソ…優秀賞取りに来たんだよ…」

勇者「ゆ、優秀賞?何でそんなものを…」

雑兵「ゆ、優秀賞取ったら騎士団長に会えるからな…少し話す時間あるらしいから…ちょっと聞きたいことが…」

勇者「…忍び込んで団長である僕を?」

雑兵「まぁ…大将やっつけたら終わるかな?って」

勇者「んん〜…多分組織的な動きをさせたいから…僕やっつけてもあんまり…意味無いんだよね…?基本君たちの動きに合わせるのが野営だから…」

98以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/25(月) 01:37:25 ID:2AbNVJgs
雑兵「は?じゃあ何で襲撃を…」

勇者「一応は演習という事で僕らもやってるから、ある程度の状況は必要だろ?だから襲撃するの」

雑兵「ってことはよ?俺がお前を倒しても大体は出来レースだから…」

勇者「まぁ僕の指示なしでも予めしめされた動きで動くよね?僕指揮官じゃないし…」

雑兵「」

99以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/26(火) 00:01:52 ID:t1hPT7Lo
雑兵「兵長ぉ!言ってること違うじゃないすかぁ!!」

勇者「その服は…ウチの傭兵団員の服だね?どこから拝借したか知らないけ…ど?」

雑兵「こうなりゃ評支の陣にダイナマイトでも投げ込んで…」カリカリカリカリ

勇者(とても物騒なこと考えてる…?!)

勇者「と、とにかく君は捕虜になってもらうよ?色々聞かないといけないからね」

雑兵「捕虜…あぁ、あの鉄格子ん中に入れられてた奴らか?」

勇者「君も入るんだよ、話はそこで聞こうか?」

雑兵(そいやぁ天使の奴もあんなかにいたなぁ…捕虜…逃したら…うーん)

100以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/26(火) 00:18:09 ID:t1hPT7Lo
雑兵「…わかったよ、つかまりゃいいんだろ」

勇者「話が早くて助かるよ、じゃあ戻ろうか」

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101以下、名無しが深夜にお送りします:2018/06/27(水) 02:12:43 ID:iIVeRM6Y
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雑兵(さぁて…どう天使を助けて逃げ出すか…相手は勇者…)

雑兵(無理ゲじゃね?これ、普通に詰んでる気がする)

勇者「ねぇ」

雑兵「なんすか?」

勇者「なんでお姉…騎士団長と話したいの?」

雑兵「あぁ…まぁ、色々つもる話しがありまして…」

勇者「へー…好きなの?」

雑兵「全っ然?あんま知らねぇし」

102以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/07(土) 20:35:55 ID:JyscVFz.
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勇者「騎士団長にあってなに聞くの?」

雑兵「別に、お前には関係ない…かな?」

勇者「いや、知らないよ」

雑兵「…お前ってさ、前世的な記憶ある?」

勇者「前世?いや無いけど…」

雑兵「なんかさ、突然目が覚めたような感じでこの世界に来たとかさ」

勇者「うーん?保育園の年少組の記憶がないとかそんな感じのやつ?」

雑兵「言ってることわかるけど違げぇよ…なんか…こう言っちゃアレだけど前世で死んでさ、目が覚めたらここにいた的な」

103以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/08(日) 21:17:05 ID:5g2WHWiw
勇者「し、知らないよ…普通に育ってきたつもりだよ…」

雑兵「じゃ、じゃあ騎士団長…あの女はどっから生まれた?いや知ってんだよ、お前がどうやってこの世界へ来たかってのは、お前も自分のことだ、何か知ってんだろ?」

勇者「え…?え…?分からないって…本当だって…」

雑兵「この世界へ来て魔法とかエライ強くなったんだろ?元からあった力じゃねぇんだろ?教えてくれって!なぁ!俺にもなんか力とかあるんだろ?!」ガシッ

勇者「ひぅ…し、知らないよぉ…」

雑兵「こんなトコに来てまでなんもねぇ俺じゃいられねぇだろ!?ここまで協力してもらってなんもねぇままじゃ申し訳がねぇんだよ!頼むからどうすればお前みたいな力が貰える?騎士団長みたいな強さを得られるんだ?」

104以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/08(日) 21:37:26 ID:5g2WHWiw
勇者「ど、努力すればいいじゃん…!僕だって姉ちゃんだって努力したんだよ…!女の子なのに血反吐吐くまで…!何もかも捨てて努力したんだよ!!!」

雑兵「っ…」

勇者「何なんだよいきなり!!おかしいよお前!!」

雑兵「…クソが…やってらんねぇやマジで」

勇者「何なんだよ…知らないよ…」


騎士団長「…」

副団長「あの新兵…!」ッダ

騎士団長「待て副団長」

副団長「しかしあの新兵にあるまじき態度は…」

騎士団長「私が話をする、このことは内密にしていてくれ」

105以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/09(月) 22:07:38 ID:Mj.02n5c
副団長「…わかりました、隊を引かせます」

騎士団長「後で合流する」


雑兵(うわー恥ずかしっ…年端も行かねぇ女の子に必死こいてた…どうしよ)チラッ

勇者「…」ムッス-

雑兵「そ、そんな怒るなって」

勇者「うるさい」

雑兵「ってぇか、騎士団長とお前姉妹なのな、確かに軽く面影あると思ったが」

勇者「うるさい」

雑兵「クゥ-ン...」

106以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/14(土) 15:13:28 ID:iFfk.m1Q
雑兵(果てし無く怒ってんな、どうしましょう…)

勇者「…君の前世の記憶ってさ、なんなの?」

雑兵「え?前世の…あぁ、大した人生じゃ無かったなぁ、小さい頃から勉強もせずブラついて、パチンコ屋出た時に脱水症で死んだ」

勇者「パチンコ屋…?」

雑兵「博打ミテェなもんだよ、結構面白かったが…ハマるほどになったら運の尽きだな」

勇者「ふぅーん…なんか逆にリアリティないね」

雑兵「俺の人生の説明にリアリティなんか求めてたら紙切れ一枚で終わるぜ、本当に何もしなかったからなぁ」

勇者「じゃあ今の方がアグレッシブなの?」

雑兵「まぁそうだなぁ、今ならお前の尻もしばける気がするくらいだからなぁ」

勇者「キッショ、て言うか僕勇者なんだけど何その口の聞き方、この世界を災悪から救ってあげたんだよ?」

雑兵「俺はその災悪とか知らねぇから救われてねぇ、無関係だ」

107以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/14(土) 21:07:20 ID:iFfk.m1Q
勇者「変な奴…」

雑兵「

108以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/16(月) 18:07:48 ID:K2863yjk
いいね
続きはよ

109以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/17(火) 21:12:14 ID:vIumYvU.
勇者「変な奴…」

雑兵「うるせぇ、そんな歳なのに死ぬ気で努力した人間に言われたかねぇや」

勇者「は?つーか野営どうすんの?もうそろそろ評支の部隊が教育隊にぶつかる頃だよ」

雑兵「そうだった…うーん…紛れ込むのももう遅いよなぁ」

勇者(ていうか優秀隊員貰えるの?めっちゃ単独行動してるけど…まあ言わないとこ)

雑兵「よし、ここは一等兵さんに習って宿営地燃やすか」

勇者「だからなんでそうなるのさ!!」

雑兵「敵どうにかしねぇとダメだろ!?他になんかあんのかよ!!」

勇者「ないけど!?あっても言うわけないじゃん!」

110以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/17(火) 21:16:08 ID:vIumYvU.
雑兵「しょうがねぇな…よし、ついてこい勇者」

勇者「は?」

雑兵「は?」

勇者「いや…君捕虜じゃん?」

雑兵「いやそんなん知らんし」

勇者「…はぁ〜あぁもう!めんどくさ!いいよ!ついてってあげるよ!」

雑兵「よし、評支の部隊んとこまで俺を送り届けてくれ」

勇者「はぁ?…もう勝手にすれば」

111以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/17(火) 21:20:04 ID:vIumYvU.
騎士団長「あいつら何してんだ…」コソコソ


雑兵「まぁ優秀隊員取るまでの辛抱だからさぁ、そんな怒るなよ」

勇者「そんなこと言って姉ちゃんにあんな変なこと言わないでよホントに」

雑兵「優しく聞くから」

勇者「聞くなっつってんの!」


騎士団長(私の何を聞くんだ…?力を得るとか言ってたが…)

112以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 21:41:55 ID:WQy8SuiY
勇者(てか…常識的に考えて…エラい単独行動してる隊員が優秀なんか取れないんだけどね…)

雑兵「あー疲れたぁ…まだ二日目だぜ、あんな大量の敵さんがまともに突入したらヤベェよな、一気に過労死するわ」

勇者「する訳ないじゃん…実戦じゃないんだから、まだヌルい方だよ、天幕建てれる時点で」

雑兵「天幕なんかねぇよ、いろんな部隊に派遣されてっから、邪魔だしたてねぇんだと」

勇者「ふーん」

雑兵「木っ端にゃ興味なしですか、まぁ俺も上の人間にゃ興味なしだからいっか」

113以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 21:54:13 ID:WQy8SuiY
雑兵「ってか、評支次どこ攻めんの?」

勇者「言うわけ無いジャン」

雑兵「ってか勇者って何が目的でそんなど偉い力手に入れたの?魔王?」

勇者「いや...特にこだわりとかはなかったけど...」

雑兵「へぇー、いいんちゃう?」

勇者「そんだけ?敬意の念とか無いの?」

雑兵「ねえよ、自分のやりたいことできりゃそれで良いんじゃね」

勇者「ほんっと捻くれたやつ...」



騎士団長(そろそろ評支の部隊にぶつかる...何をするつもりなんだ...)

114以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 22:15:03 ID:WQy8SuiY
勇者「で?そろそろ...ぶつかっちゃうよ?ウチの部隊に」

雑兵「お、いいねぇ...じゃあちょっと失礼して...」ガサゴソ

勇者「?」

雑兵「ちょ、ちょっと縛らして...」

勇者「アホ!?」

雑兵「いや、そういうのいいから...」シュルシュル

勇者「よくねえよ!」

雑兵「ええい!頑固者めが!」ガシッ

勇者「ッヒイ?!どっからこんな力...」

雑兵「ウヘヘヘ...徹底的にやるんだよオ...」

ドスッ

雑兵「う...」ドサッ

騎士団長「ったく...会った時から変な事しか...」

勇者「ね、姉ちゃん?」

騎士団長「騎士団の新隊員は壊滅だよ、さすが評支...いや、傭兵団」

115以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 22:26:29 ID:WQy8SuiY
勇者「まぁ、いつもどうりだよ、こいつどうするの?」

騎士団長「原隊に返すさ、兵一人にこの演習をむちゃくちゃにされたら示しが付かない」

勇者「確かに」

騎士団長「傭兵団の指揮はいいのか?」

勇者「あらかじめ動きは示しているから良いと思うよ」


雑兵(ん?俺の首取れた?首から下の感覚がねえ)


騎士団長「お灸をすえないといけないな...このトンでも新兵にゃ...」

勇者「一生タダ働きでいいんじゃない?」


雑兵(うっわ、怖っツートップがそろってら)

116以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 23:45:14 ID:WQy8SuiY
雑兵(あーあ、優秀賞は無しかぁ…どんな顔して戻ろっかなぁ…)

騎士団長「おい、起きているんだろ?体もそろそろ動くはずだ、起きろ」

雑兵「っへ、お見通しって感じか」ムクッ

騎士団長「まったく…とんでもない新兵だよお前は…所で原隊へ帰すまえに聞きたいんだが…」

雑兵「…分かってんなら俺から言うよ、騎士団長…いや女騎士、勇者…お前らはどこの世界の人間だ?」

勇者「ま、またそんなこと聞いて…!」

女騎士「…お前と同じ世界だと思う、ただ私たちがこの世界に来たのは本当に小さい頃だ」

雑兵「理由っつうか…死因は?」

女騎士「平成入ってすぐ位か…大規模な土砂災害があったのは知っているか?」

雑兵「あー…なんか夏にワイドショーとかでやってた気がする…なんとか町大規模土砂災害とかってやつ…」

117以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/11(土) 23:51:28 ID:WQy8SuiY
女騎士「そう…私とこの子はあの土砂災害で死んだ、と言っても最初に起きた小規模な土砂崩れに巻き込まれて死んだんだけどね」

雑兵「…」

勇者「…知らないよ、そんなこと」

女騎士「一瞬だったからね、でも私の名前ずっと呼びかけてたよ、何が起きたかなんて小さかった君にはまだ分かんないよね…」

勇者「…」

雑兵「そうか…んで、その二人の力ってぇのはこっちに転生した時に?」

女騎士「それは違うね、勇者なんか特に死ぬほど努力して…今の地位があるんだよ」

雑兵「勇者なんか死ぬほど努力すりゃ誰にでもなれる、俺が聞きたいのはお前のことだ女騎士、お前だって並大抵の努力なんかじゃ敵わねぇ地位じゃねぇかよ」

118以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/12(日) 01:31:26 ID:RbLhLfCE
雑兵「なんか不思議な力とかねぇのか?」

女騎士「魔法の類はまったく使えないな、ウチから湧き上がるものはやる気だけだ」

雑兵「…」

女騎士「確かにこの様な世界に来てしまったら…不思議な力が欲しくなるね、特に強い力が…でも何もなかったよ、私たちは死ぬ程努力したんだ、それだけ」

雑兵「…そうかい、やっと諦めがついた気がするよ…」

女騎士「諦め?」

雑兵「俺が今まで見て来たラノベやネット小説みたいな事はねぇってことさ、不思議な力とかエグい魔法とか…」

女騎士「その…ラノベやネット小説っていうのは良くわからないが、その作品の中ではどんな書き方をされているんだ?」

雑兵「主人公は元の世界で死ぬかひょんな事からファンタジーの世界へ飛んで来た、その世界へ行ったら不思議な力とかエグい魔法がで初期設定で備わってましたとさ…的な?」

女騎士「ふーん、欲望を素直に表すのはいいことだと思うぞ」

119以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/12(日) 22:19:35 ID:QGyijy9o
雑兵「面倒クセェなぁ、兵隊辞めよっかな」

女騎士「何でそうなる、軍隊は頑張れば頑張る程上に上がれるぞ?」

雑兵「えー?無理だって、無理」

女騎士「大隊長だって最初は下っ端だったんだぞ?お前も努力すれば…」

雑兵「どっからそのやる気バロメータだせってんだよ、身寄りもねぇし目標もねぇのに」

勇者「うーん、じゃあ今からここで目標設定すれば?金貯めるとかなんかで賞取るとか」

雑兵「賞?しょうなら…」

女騎士「悪いが優秀賞はもう無理だぞ…分からないと思う新隊員

120以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/12(日) 22:21:32 ID:QGyijy9o
雑兵「面倒クセェなぁ、兵隊辞めよっかな」

女騎士「何でそうなる、軍隊は頑張れば頑張る程上に上がれるぞ?」

雑兵「えー?無理だって、無理」

女騎士「大隊長だって最初は下っ端だったんだぞ?お前も努力すれば…」

雑兵「どっからそのやる気バロメータだせってんだよ、身寄りもねぇし目標もねぇのに」

勇者「うーん、じゃあ今からここで目標設定すれば?金貯めるとかなんかで賞取るとか」

雑兵「賞?しょうなら…」

女騎士「悪いが優秀賞はもう無理だぞ…分からないと思うがな、新隊員の部隊の全てを指揮する総司令部も一応あるからな?そいつらの指揮系統を無視した動きをしたらな…」

勇者「大隊長も分かってると思うけどね、そこらへんは」

121以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/16(木) 15:16:44 ID:cFcTm.26
雑兵「やっぱ?」

勇者「やっぱ?ってあんた...」

雑兵「どうやって辞めようかなぁ〜、何かいい手無い?」

女騎士「無いよ、観念して原隊へ帰れ...」

雑兵「うへぇ...」
_
__

122以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:07:35 ID:ujo3oyZQ
__
_
隊長「クックックッ....」

兵長「…」プルプルッ...

上等兵「…ッブッ」

伍長「まぁ…これが独立大隊だな…ンフッ」

雑兵「分かってたんスか?…」

一等兵「わかるに決まっとるがな、新兵訓練でガチる奴なんか初めて見たわいや…」

雑兵「…ッ」

天使「ざ、雑兵…?」

雑兵「んほぉぉおぉぉ!!!恥ずかしいぃぃぃぃい?!」

隊長「んなぁっは!ぶふぅ!?」

上等兵「リアルな話…っぶふっ…優秀賞なんかもう最初から出来レースで決まってたんだよ…あの入隊式では端っこに変なの集まってただろ?あいつらは特殊な力を持っててな、魔法やらなんやらなんでもござれで…まぁ謂わば将来の幹部コースだな」

雑兵「やっぱりっすか…」

隊長「いやぁでも騎士団長の話聞いてて面白かったなぁ…勇者様を縛りあげようとするなんて…」

123以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:34:56 ID:ujo3oyZQ
雑兵「んぬぅっ!(憤死)」

天使「もう…ホントにバカ…」

兵長「なかなか濃い教育期間だったなぁしかし…お前らうちに来れると思うが」

雑兵「え?他にもあるんすか?」

天使「独立大隊にも分派があるんですね…」

上等兵「あぁ、ここから東にあるフィッハー港の分屯地に独立大隊の分遣隊、南東の国境地帯にある街の駐屯地に分遣隊があるんだ、南東は人が充足してるから多分フィッハー分屯地かもな、行くとしたら」

雑兵「へぇ〜初めて知りました」

天使「ここにいたいなぁ…」

隊長「まぁそこらは上の人事の気持ちひとつだからな、気持ちの準備はしとけや」

124以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:52:57 ID:ujo3oyZQ
雑兵「じゃあ自分達は営内の後片付けしてきます、いくか」

天使「うん」

バタン...

隊長「…天使は間違いなくうちに来るだろうな」

兵長「はぁ、自分もそう思います、患者に対する対応が衛生隊の現役隊員よりも確実でした、上が移動させる訳が無いですよ…」

隊長「問題は雑兵だな」

上等兵「命令不履行、単独行動…上からの評価は正直…」

兵長「無茶苦茶言われてたよ、素行不良の烙印ときたらもう…」

一等兵「素行不良でしたら自分も異動っすかね」

隊長「大丈夫、まだ上にゃ燃料爆破したのバレてねぇからほっとけ」

125以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/19(日) 23:57:26 ID:ujo3oyZQ
隊長「両方手放したかぁねぇが…仕方ねぇな…焚きつけた俺にも責任がある」

兵長「ただの部隊配置としての異動なので文句も言えませんよ」

伍長「しかし最近のフィッハー港近辺の良い噂は聞きませんな、なんでも変な宗教が…」

兵長「あぁ、あの世界終末論がどうこうって言ってたブルジョワの?」

伍長「はい、まだ港には直接的な影響は無いですが、近辺の村や町には洗脳された住民が多数いるそうですよ」

隊長「過激じゃねぇと良いがなぁ」
_
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126以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:02:01 ID:L.5EZYIo
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修了式当日…

女騎士「諸君、この一月半の新隊員訓練、誠にご苦労であった、実は国王も諸君らの訓練を陰から見ていたが…今年の新隊員は精鋭揃いと太鼓判を貰った、誇りを持って各部隊へ配置されたい!以上!」

「それでは、只今から配置部隊を達する!王国騎士団!…」

127以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:04:57 ID:L.5EZYIo
「ど、独立大隊…?天使!独立大隊 ビギニング駐屯地へ!」

天使「はい!」

「同じく 雑兵! 独立大隊分遣隊! フィッハー分屯地へ!」

雑兵「は、はい!!」


女騎士「…」

勇者「やっぱあいつ飛ばされるんだね」

女騎士「仕方ないよ、人事発令は上からの評価もある」

勇者「ま、良いけどね、あんな変態」

128以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:21:45 ID:L.5EZYIo
女騎士「しかしフィッハーか…今の情勢で…」

勇者「あぁ、あの世界終末なんたらの?…どうなんだろう、あの人達って」

女騎士「あぁ…何人か諜報員を送り込んでいるが、皆…」

勇者「結構ヤバ目なトコだね…でも分屯地だから大丈夫だと思うよ?」

女騎士「いや…あのバカなら風俗街に行くだろうなと思って…そこから問題が起こりそうだ」

勇者「あー多分行くね…」


雑兵「ッイックシ!」

129以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/20(月) 00:25:50 ID:L.5EZYIo
隊長「まさか本当に行くとはなぁ…」

兵長「単独で行くことになるが大丈夫か?」

雑兵「馬車で一本なら多分平気だと思うんすけどねぇ」

上等兵「フィッハーの風俗街でハメ外しすぎるなよ?あそこマジでハマるから、な?一等兵」

一等兵「独立大隊でハマらん人はいないっすからねあそこ、ヘルスで我慢しとけよ」

雑兵「風俗街ってでかいんですか?」

伍長「うーん…大きさ的にはこっちとどっこいどっこいかなぁ…」

上等兵「ただ選べる種類が豊富なのはフィッハーだな」

130以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 22:52:16 ID:NQI9RqXM
一等兵「出発は明後日か?」

兵長「荷造りが早く済むんなら明日でもいいけどな、早く行ったらそこの部隊のことも早く知れるぞ?」

雑兵「そうっすね、荷物もそんなないんで明日でも良いっすかね?」

隊長「そんな早く出たいのか…なら一応フィッハー行きの馬車切符渡しとくぞ」

雑兵「ありがとうごさいます」


天使「…」

_
__

131以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:15:15 ID:NQI9RqXM
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雑兵「っしゃあこの生活も明日までだなぁ」

天使「…」

雑兵「……んだよ」

天使「あっさり行っちゃうんだね、と思ってさ」

雑兵「そりゃあ移動ならシャーないんじゃないのか?」

天使「でもさ…今までの思い出とか振り返らないのかなって…ずっと二人で頑張ってきたじゃん…」

雑兵「えー…そこ行くか天使…」

天使「だって…」

132以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:20:38 ID:NQI9RqXM
雑兵「…この異動の理由だって分かってんだよ、いろいろ好き勝手やったからな」

天使「だからってそんなあっさり…」

雑兵「仕方なかろうて、独立大隊だって厄介払いできてよかろうもん、天使だって俺と絡むよりももっと別の人間と絡んでだな…」

天使「うるさい!!バカ!!」

雑兵「うっおっと…ンダてめぇ…?」

天使「雑兵の中で僕は何だったのさ!ただの同期?!僕は違う!家族みたいなものだと思ってた!!」

雑兵「し、知らんがな、どう泣いても足掻いても異動するんだから…俺だって…寂しいけどもさぁ、考えちまったらなんか果てしなくね?」

133以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:25:14 ID:NQI9RqXM
天使「果てしなくても良いじゃん!もっと思い出とか噛み締めてよ!!僕との思い出とか!」

雑兵「…俺のこと好きなの?」

天使「家族としてだよ!!?」

雑兵「じゃあもっと知らんが、ん10年近くもまともに会話せずに金だけむしり取ってただけの仲だ、元の家族とはな、普通の家族なんか知らん」

天使「…サイッテー…」タタタッ...ガチャ!バタン!

雑兵「…あいつはロマンチストなんだな」
_
__

134以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:29:58 ID:NQI9RqXM
__
_
チュンチュン...
天使「ん…」

天使「…アレ…雑兵は…」
ガチャ
上等兵「うーっす、独立大隊点…呼?雑兵の奴は?」

兵長「あー雑兵は員数にはもういれなくていい、朝早くに出発したらしい」

天使「え…」

兵長「隊長叩き起こされて報告されたってよ」

上等兵「そんなにここ嫌だったのか?」

天使「…」

雑兵『考えちまったらなんか果てしなくね?』

天使「それはないと思います…」

上等兵「…?」

135以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:40:39 ID:NQI9RqXM
ガラガラガラガラガラ...

雑兵(おっそ)

馬主「フィッハー行きに兵隊さん乗せるなんて何年振りかねぇ、しかしこの時勢にフィッハー地方に行くなんざぁ運がないよアンちゃん」

雑兵「なんかあるんす?」

馬主「カルトだよ、カルト教団…フィッハー港と港町フィッハーにはまだ来ちゃいねぇが…フィッハー地方の町村は既に洗脳済みと来たもんだ…」

雑兵「カルトって、なんの宗教っすか?」

馬主「さぁてなんだったかなぁ…確か世界終末生存論とかなんとか…終末が近いから世界終末後の秩序の維持…だったかなぁ?」

雑兵「うっへぇ、終末なったら死にたいっすねぇ」

馬主「そうさねぇ、何でも町村民のあいだじゃ…世界終末に向けての間引きやら…訓練という名の弱者排除…所謂殺しでさぁね…」

雑兵「…」

馬主「兵隊さん、あんたが最後の客だね、あっしはこの運航を最後にフィッハー地方から離れるよ…馬車主達はみんなそうしてる…フィッハーの港町は孤立するけど」

136以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/21(火) 23:51:20 ID:NQI9RqXM
そりゃそうだ、自分の命を投げ出してまで客を運ぶ人間なんか人として信用できない、自分を大切しない奴になんで人を大切にできるのか、つまりそういうことだ。カルトの名前は最終章 世界…なんとも厨房が考えそうな名前である、しかしこの最終章は中々に侮れない教団である、私設軍もあるとか。

雑兵「いいんだよ、おっちゃん…それで」

馬主「ん?なんか言ったかい?」

雑兵「どれくらいで着きそうっす?」

馬主「あと半日さね」

雑兵(長いわアホ)
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137以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/26(日) 23:52:08 ID:bIooe4RU
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『フィッハー港 フィッハー分屯地について』

曹長「早かったな若造、独立大隊は俺とお前だけだぜ」

雑兵「え?じゃあずっと曹長一人で…?」

曹長「前任の一等兵が…本隊にいる奴じゃないぞ?そいつがトンズラこきやがってな、独立大隊ってんで補充兵の話も相手にされなかったもんだからよ、新隊員から一人貰ったってわけよ」

138以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/27(月) 00:15:11 ID:zg2nes7A
雑兵「そうなんすか」

曹長「んじゃあ軽く説明するわ、ここは知っての通りフィッハー分屯地…ビギニング駐屯地の分屯地って訳だ、部隊は警備隊と業務隊、分屯地業務隊と輸送業務隊とを兼任してる、以上」

雑兵「す、少なくないっすか?」

曹長「俺ら入れても15人くらいか?警備隊も一個小隊くらいだし、業務隊なんか片手で数えられるくらいだ」

雑兵「そんで…自分ら独立大隊は…その人らの雑務をと…」

曹長「表向きはそうだな…だが実際の所そいつらと同じ仕事してるな、警備業務に輸送業務…ん?まてよあいつらより仕事あるくね?」

雑兵「あ?気付きました?」

139以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/27(月) 23:07:10 ID:oDv91Kmw
曹長「まぁ本隊よか仕事の幅はあらぁな、俺はここ気に入ってるし」

雑兵「へぇ、そういえば輸送業務の方は何をするんす?」

曹長「フィッハー港に陸軍の施設があるんだわ、クソ小さいとこだけどな、そこに文書届けたり荷物を届けるんだ」

雑兵「なかなか大変そうっすね」

曹長「慣れりゃ楽だぜ、仕事は明日からだ、今日は休みな」

雑兵「はい、ありがとうございます」
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140以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/27(月) 23:28:55 ID:HfqKjIyQ
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フィッハー分屯地、フィッハーの港町の入り口にあり、城門の役割も担っているとか、フィッハー分屯地は港の開港とともに設立され、最初期は駐屯地並みの規模で、別大陸との戦争中にはビギニング駐屯地の臨時司令部も置かれた。

雑兵「食堂の飯は美味いな」


「見ない顔だな…」

「独立大隊の新隊員だってさ」

「珍しいな…」

141以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 00:22:35 ID:z/tsaack
年齢層は若干や高めで、なんか定年前の掃き溜め感がある。

雑兵「ごっそさんでした〜」

「あいよー」


人数も少ないし、個人的には好きなトコかもしれない。

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142以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 01:05:44 ID:Ti5BjGho
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雑兵「港町の地図の受領に参りました〜」

事務員「あらぁ?!新しい子?んまぁ〜なん年ぶりかしらね!」

雑兵「はぁ…?」

事務員「おばちゃんね、この分屯地ができてからずうっとここで働いてるのよ!駐屯地の時は若い子たくさんいたんだけどねぇ、分屯地になってからは、おじさんしか来なかったのよぉ!」

雑兵「そ、そうなんすね」

事務員「あ!ごめんね!?地図よね!はいどうぞ!」

雑兵「ありがとうございます」

143以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 22:26:43 ID:f5FT3jQo
ヤスイヨ-!!

雑兵(やっぱヨーロッパの港町って感じだな、ご丁寧にフォークリフトまでありやがるからファンタジーの世界観ねえけど)

雑兵「ここがメイン通りで…漁港の横が旅客ターミナルって感じか?」

「おう!?アンちゃん兵隊さんかい!?」

雑兵「うおっ…は、はい、昨日に移動して来ました」

「若い兵隊さんなんか久々だねぇ!ほれ!祝いに魚でも持ってけ!」

雑兵「うえっ!?こんなに!?いいんすか?!」

「いいってことよ!出世払いな!」

雑兵「あざっす!」

雑兵(大らかすぎんだろ…先に持って帰ろ…)

144以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 22:29:21 ID:f5FT3jQo
雑兵「ってことなんすけど…」

「んまぁ!こんなに沢山?!」

「やるわねぇあんた!」

糧食班長「いやぁありがたいなぁ!晩飯は魚の煮付けだな!」

雑兵「じゃ、じゃあ見回りに戻ります…」


雑兵(アットホームっちゃあアットホームなのか…)

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145以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 22:40:56 ID:f5FT3jQo
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雑兵「で…ここが噂の風俗街ですか」


『手コキのみ!30分一万G!』

雑兵(手コキだけで一万!?)

『異種族の子集まってます!』
雑兵「あっ…///ん?」
『(すごい小さい字)ドワーフ、オーク♀含む』

雑兵「なーるへそ…いつか世話になろっと」

「兵隊さん、見ない顔っすね?どうです?」

雑兵「うーん」チラッ
『ハズレなし!90分5000G!』

雑兵(この安さが逆に怖い…)

雑兵「今回は手持ちないんでいいっす…」

146以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:18:40 ID:f5FT3jQo
雑兵(しかし生臭せぇところだな、魚の匂いがヤベェわ…ん?)

「離してって!!」
「貴様!命の恩人に楯突く気か?!」
「襲われた村にハイエナしに来ただけじゃない!!」
「ストリッパーならタッチショーの1つや2つはできるだろう!!」
「好きでやってんじゃないわよ!」


雑兵「うへぇ…やっぱあるんだねぇそういうの…くわばらくわばら…」

「ッチィ!使えん女だ!!貴様はもう奴隷商に売りに出してやる!!外のカルトにでも売り払ってやるわ!」
「っ…!!あのカルトだけは…!!」
「両親を殺したカルトにケツでも振っておくんだな!この売女めが!!」

147以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:23:19 ID:f5FT3jQo
雑兵「…」

『恨むなら死んだ親を恨め、それが嫌なら誰も恨まずなにも考えず生きろ、身勝手に人恨んで迷惑かけんじゃねぇぞマジで』

『腐っているな、貴様は…』

『これだから独立大隊は…』


雑兵「…」

『ただ償いなんてことはしない、これは私の自己満足からくる行動だ、私たちが一端を作ったのなら私たちで収集をつけねばいけないんだ』

雑兵「カルトの蔓延も…俺らが発端なのかな…」

148以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:27:47 ID:f5FT3jQo
「こい!!オラァ!」

雑兵「うーっす、喧嘩っすか?」

「?!…なーんだ兵隊さんかい…いやねぇ?ちょーっと仕事のことで揉めてただけでして…な!」

「っ…」

雑兵「へぇー大変っすねぇオーナー側も色々あるっすもんねぇ」

「そ、そうなんでさぁ…へへっ…」

雑兵「で?その仕事の話の流れで…カルトに売り飛ばすってなぁどういう了見で言ったんだ?」

「いっ!いや!言葉の綾ってやつで…」

雑兵「話を聞くにゃぁ…カルトってぇのは国様に楯突いてる団体だよなぁ?そのカルトどもにこの娘っ子売り飛ばすってことは…お前国様に楯突いてんのか?」

149以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:38:30 ID:f5FT3jQo
「っいやぁ!そんな!!兵隊さんたちゃあいい客でさぁ!!」

雑兵「知らんわ初耳じゃ、てめぇがこの街にどれだけ居座ってたか知らんがよ、次その面ァ見せてみろ、守る体面もねぇ人間が何するか…おめーが一番よぉく知ってんだろぉ…」

「…っ!き、貴様!!」

雑兵「い、いや、殺しゃしねぇよ?流石に」

「今更日和っても遅いわ!!!こんの…!!」

雑兵「うひぃ!怖い!」バッ

「คลื่นกระแทก!!!」ッシュパァン!!

「っがぁ!!?!」ズゥン...

雑兵「うへぇ…?や、やるぅ…」

「あんた…この街から逃がしてくれるの…?」

雑兵「いや…逃げるか逃げないかはお前の自由だけど…」

150以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:42:25 ID:f5FT3jQo
「はぁ?助けてくれた訳じゃないの?」

雑兵「いや…おれ煽っただけだし…カルトがこの国に楯突いてるのもしらねぇ…し?」

「な、なによ…」ピョコ

雑兵「お前…俗にいうエルフってやつ…?」

エルフ「じゅ、純粋なエルフではないけど…人間とのハーフで、寿命は人間より」

雑兵「へぇ受け継いだのは耳と魔法だけか、まぁいいや、治安悪そうだしさっさと家に帰れよ」

151以下、名無しが深夜にお送りします:2018/08/28(火) 23:50:02 ID:f5FT3jQo
エルフ「んあんた…話聞いてなかったの…?」

雑兵「あ、あんま」

エルフ「ほんっっと人間の男ってサイッテー…」

雑兵「いやそんなこと言われてもなぁ」

エルフ「は?なんか文句言える訳?」

雑兵「いや、だってさあ、なんらかの原因で帰る家が無くなったのとここに連れてこられた理由ってあんま関係なくないって思って…」

152以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 19:09:32 ID:ASoDJwkM
エルフ「…は?」

雑兵「は?」

エルフ「どう言う意味よ…それ!!」

「な、なんだ…?」

「痴話喧嘩か?」


雑兵「なんでここ来たかしらねぇけど、家が無くなったからここに連れてこられた訳じゃねぇんだろ?自分の意思で来たんなら最終的にゃ自分でなんとかしろよ、俺はお前に逃げるきっかけを与えただけだ。残るも逃げるもお前次第で、お前が今できるのはそれだけで、それ以外は何もないぞ」

153以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 19:11:14 ID:ASoDJwkM
雑兵「人のせいにするにゃ今は随分楽な身分だとは思うがよ、今はそれどころじゃないだろ?どうすんだ?」

エルフ「…げるわよ」

雑兵「ん?」

エルフ「逃げるに決まってるじゃないの…」

雑兵「よし、ついてこい」

_
__

154以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 19:21:17 ID:ASoDJwkM
__
_
エルフ「…あんた、兵隊なの?」

雑兵「あぁ、今年入隊したばっかだ」9

エルフ「兵隊、ね…人間の兵隊は嫌いだわ…小さい時からいい話を聞かないしね…侵略した村の略奪…女たちをレイプ…そればっかよ…」

雑兵「いや俺知らんし、モンスターの兵隊たちだって略奪もレイプもすっだろ、脳みそがある生き物はみんなそうなんじゃねぇかな、知らんけど」

エルフ「そう…なのかな」

雑兵「さぁ?ついたぞ、分屯地だ」

エルフ「ちょちょちょ…私は入っていいの?」

雑兵「いや、分からんす…」

155以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:50:13 ID:ASoDJwkM
事務員「あらぁおかえりなさい!街はどうだった?」

雑兵「あの〜すいません…」

事務員「ん?…あらま…」

エルフ「…」

事務員「その格好…ううん、言わなくてもいいわ、こっちへ来なさいな、お着替えしましょ、ね?」

エルフ「え、でも…」チラ...

雑兵「その格好でうろつきたくないだろ」

エルフ「あ、あぁ…」

事務員「ささっ、奥の部屋へ…後で分屯地司令に報告しておくわ、明日くらいに呼び出しがあると思うから綺麗な服をね?」

雑兵「はい、ありがとうございます」

156以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:50:56 ID:ASoDJwkM
事務員「あらぁおかえりなさい!街はどうだった?」

雑兵「あの〜すいません…」

事務員「ん?…あらま…」

エルフ「…」

事務員「その格好…ううん、言わなくてもいいわ、こっちへ来なさいな、お着替えしましょ、ね?」

エルフ「え、でも…」チラ...

雑兵「その格好でうろつきたくないだろ」

エルフ「あ、あぁ…」

事務員「ささっ、奥の部屋へ…後で分屯地司令に報告しておくわ、明日くらいに呼び出しがあると思うから綺麗な服をね?」

雑兵「はい、ありがとうございます」

157以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:56:20 ID:ASoDJwkM
雑兵「いやぁ…カルトってのも考えものだな…」
ガチャ
雑兵「戻りましたー…」

曹長「うーっす、聞いたぞ坊主、ハーフエルフの嬢ちゃんを助けたんだってなぁ」

雑兵「え、あぁ…助けたと言うか…」

曹長「あーあー細かぁことはいいんだ、お陰でストリップ劇場は暫く閉鎖だよ」

雑兵「す、すいません…」

曹長「いやいや、人助けて責めるバカなんかこの分屯地にゃいやしねぇよ、よくやったな」

雑兵「あ、ありがとうございます!」

158以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 22:58:37 ID:ASoDJwkM
曹長「お陰でビギニングの隊に話す内容が出来たぜ、新隊員のくせに体はりやがって」

雑兵「ははっ…まぁ…」

曹長「明日は町の軍施設を案内するからな、よく使うから場所は覚えとけ」

雑兵「はい」
_
__

159以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 23:03:36 ID:ASoDJwkM
__
_
隊長「はぁ、はぁそんなことが…いや私としても嬉しい話ですよ、はい、はいそれでは…」チン

兵長「どうかしたんですか?」

隊長「雑兵の奴が風俗街で絡まれてたエルフの娘さんを助けたそうだ」

兵長「マジっす?風俗街ってトコが気になりますが…やりますね」

隊長「分屯地司令直々に電話して来たからな、ここのお偉方にも話は行くだろうぜ」

兵長「まぁ…話が行ったところで、ですがね…」

隊長「いいんだよ、あいつが元気ならそれで」


天使「雑兵…すごいなあ…」

160以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 23:12:13 ID:ASoDJwkM
一等兵「雑兵が行く前にまーた喧嘩したんだってな?」

天使「は、はぁ…」

一等兵「あいつも不器用だからなぁ

161以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/02(日) 23:14:00 ID:ASoDJwkM
一等兵「雑兵が行く前にまーた喧嘩したんだってな?」

天使「は、はぁ…」

一等兵「あいつ不器用だからなぁ、あっちでも変なことに首突っ込まなきゃいいが…今度こそは助けられんからなぁ…」

天使「はい…」

_
__

162以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/17(月) 00:02:06 ID:tI04yI9U
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曹長「ここが港湾詰所、デケェ船の出入港時に割り当てられた人員でここの出入を監視するんだ、まぁあまり使わねぇな」

雑兵「この街デカいっすけど…この分屯地の人数で守ってるんすか?」

曹長「いんや、この港のすぐ下に南フィッハー地方との境界線があってな、その境界線の街にある駐屯地が有事の時は来てくれるんだ」

雑兵「へぇ」

曹長「ってもここ何年も来てねぇからな、実質俺らが治安維持してる感じだ」

雑兵「正直いっていいすか…」

曹長「言うな何も、俺も思ってはいるが治安がいいのが救いだ」

163以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/20(木) 16:54:39 ID:wn7pC86s
乙?

164以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/25(火) 23:45:50 ID:hUPnnA5M
雑兵(そんな治安良い訳じゃねぇと思うけどなぁ…)

曹長「あのエルフの娘っ子さんの件で治安なんてどう見たって悪く見えるが…まだマシな方なんだよ」

雑兵「まぁマシってレベルが一番安定してるんすかね…」

曹長「そうさな、あんなエルフの娘っ子さんみたいな境遇の人間はこの町にゃ沢山いらぁ、正直ビギニングの貧民街よりも闇は深いぜ」

雑兵「まぁみんながそれで良いなら自分は特になにも…それよりもあのエルフは?」

曹長「いま面接を受けてるよ、もしかしたら昨今のカルトのパトロンかも知れねぇからな」

雑兵「ふーん…」

165以下、名無しが深夜にお送りします:2018/09/26(水) 22:10:18 ID:0ITO2Olo
曹長「気になるか?」

雑兵「あー、あの若さで両親亡くしてこの先どうするんかなぁと思って…」

曹長「まぁ大体だったらエルフの国の団体さんが身柄を引き取りに来てくれるが…なんせハーフだとなぁ」

雑兵「魔法は使えてましたよ」

曹長「じゃあ…もしかしたらだがビギニング駐屯地にいる部隊に引き取られるかもな、混成騎士団とかに」

雑兵「そんなんあるんすか?」

曹長「まぁ異種族の集まりだわな、エルフは勿論…ドワーフや獣人やらなんやら…」

雑兵「うっへぇ、ごちゃ混ぜっすね」

曹長「知能がある種族が集められた騎士団だわ、王国騎士団と同じくらいの立場だぜ*

166以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/02(火) 20:10:08 ID:D6ufMqDM
おつ

167以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/06(土) 23:26:34 ID:5Ejd.6w6
雑兵「まぁ安泰ならそれで良しっすね、自分は駐屯地の方には戻りたくないっすけど」

曹長「お?なんかやらかしたのかい?」

雑兵「やらかしたと言うか自爆したと言うか…とにかく自分は分屯地の規模が性に合ってるっすね」

曹長「若い兵隊が珍しいなぁ…まぁお前がそれでいいなら別にいいけど…そいじゃあ明日から早速仕事だ、これを港の事務所に届ける仕事な」

雑兵「


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