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雑兵の雑草記

1以下、名無しが深夜にお送りします:2018/04/22(日) 17:48:02 ID:D57wSHgc
ジャラララララララwwww リ-チ!! ザンネン...

男(ッチ…)

男(二万の負けか…)

男(今月に入って当たりは四、五回…あと一回やろ…)ッス...

男「泣きの千円だな…」

思えば産まれてこのかた、頑張るだの努力だのは一切したことが無かった
と思う、小学校の最初は勉強も簡単すぎてやるだけ無駄と思ってやってこなかった
し、遊び仲間も沢山いた、楽しかった。
しかし、学年が上がるにつれて勉強は難しくなり、遊び仲間は皆んな勉強をし始めた、
いや、勉強は最初からしていたのだろう、何もして無かったのは俺だけだ。

187以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/15(月) 22:24:22 ID:WDOLW7SI
厚生館
小さいながら売店や体育館がある場所だ、中には軍が経営してる銀行的なのもあって金利もかなりいいと専らの噂だ

雑兵「自分の給料って…」

「ちょっと待っててねぇ…でもダメだよ君、金銭関係のことはちゃんと自分で掌握しとかないと、教育隊の人言ってくんなかった?」

雑兵「あー…あんま聞いてなかったかも…」

「全く…雑兵…っと…うっわ、手付かず過ぎて教えるの憚られるわぁ」

雑兵「お、教えて下さいよぉ…駐屯地じゃほぼ缶詰だったんすから…」

「仕方ないなぁ…一月半だけど、実質二ヶ月分の給金で…知らないだろうけど入隊俸給もあるから…84万Gだね」

雑兵「84万…?」

「んでぇ…明日は何日だ」

雑兵「えーっと…18日?」

「そう、給料日で手取り16万…」

雑兵「リ、リアルっすか?」

「一般の新隊員にしちゃ持ってる方じゃないの?」

188以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 12:24:33 ID:FAliUmn.
「使いすぎんなよ」

雑兵「あざっす」

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189以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 18:44:39 ID:FAliUmn.
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雑兵「つっても美味い飯屋とかしらんなぁ...お、分屯地掲示板になんかはってある」


『今週遂に来航!プラニス皇国の御召艦『砲艦ニクルス』
来航にあたり我が国とプラニス皇国軍の市中パレードを行います
ぜひご覧下さい!』

雑兵「へえ、大変じゃないの」


「おかしいな、昨年来航したから2年後に来るもんかと思ってたが」

「なんでも皇国内で決起が起きたってよ、殿下と御付はなんとか亡命したらしいが...
皇帝は自決したってよ」

「亡命ねぇ...しかし決起で大変だってのになんて時期に来航すんのかね」

「さあね」


雑兵(ふ〜ん...この世界ってなかなか血気盛んなんだな)
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190以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 19:02:30 ID:FAliUmn.
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「しかしいきなりのパレードですからね、課業外も練習をしないと無理ですよ、
新隊員もいますし」

勇者「しかしなーんでこんな早くに来航しちゃったのかなぁ面倒くさい」

女騎士「あっちも大変なんだよ、きっと」

「では明後日フィッハーに出発で調整します、失礼しました」
バタン

女騎士「...たぶんだが...」

勇者「殿下来るね」

女騎士「あちらの国に恩はない、匿う必要もないだろう」

勇者「そうだね、まだ小さい子だけど...」

女騎士「...」

191以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 19:57:37 ID:v3jI9Nb.
勇者「…割り切れないのは分かるけどさ」

女騎士「いや…雑兵の奴、こんな時はどうするんだろうなとふと思ってな…」

勇者「ぞ、雑兵?なんで今?」

女騎士「分からん…本当にふと思ってな、深くは考えてないんだ」

勇者「雑兵ねぇ…どうするんだろうね、雑兵も見捨てるんじゃない?縁起もへったくれも無さそうだし」

女騎士「そうか、そう思うか…」
コンコン「騎士団長殿、今よろしいですか?」

女騎士「いいぞ」

「失礼します、実は昨日混成騎士団に入隊したエルフの娘が…」

女騎士「ああ、彼女か、どうしたんだ?」

「フィッハー分屯地に異動したいと…」

女騎士「フ、フィッハー??何でだ?」

「何でも恩人がいるとか…」

192以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 23:01:21 ID:s1Eeu7cw
女騎士「しかしそれは幾ら何でもな…騎士団は都にいなければ…」

「騎士団長殿から説得していただけませんか…?」

勇者「恩人ねぇ〜、話聞くだけなら聞いても良いんじゃない?」

女騎士「そうだね…その恩人とやらも気になる、よし、連れてきてくれ」

「ありがとうございます…」

193以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/16(金) 08:44:12 ID:O4LmN1P.


194以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 02:14:01 ID:elqldSYY
エルフ「失礼します」

女騎士「あぁ、君がフィッハーから来たエルフ君か」

エルフ「はい、初めまして騎士団長」

女騎士「積もる話もない...率直に聞こうか、なぜフィッハーに?」

エルフ「恩人に会いたいし、助けになりたいからです」

女騎士「助け...とは?」

エルフ「はい、彼はこの世界にきてまだ間もない...と言っていました、普通だったら意味が分からない話なんですが、
彼の日常にたいする不安が手に取るようにわかり、助けになれるのは私以外にいないと思いました」

女騎士「...はあ、やっぱり雑兵か」

エルフ「...っ、なぜ騎士団長が...?」

195以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 02:19:25 ID:elqldSYY
女騎士「そんなことはどうでもいい、君は立場というものを理解すべきだな、栄えある混成騎士団の団員とはいえ、訓練も
受けていない君ははっきり言って新兵以下だ、わかるね?」

エルフ「...」

女騎士「厳しいことを言うが...ここは軍隊だ、君の思い通りにはいかないこともある、特に初めのころはね...今はこらえてくれるか?」

エルフ「...はい、失礼しました」

女騎士「うん、先輩たちに謝っておくようにね、いきなり異動したいって言ってとても心配していたぞ」

エルフ「はい...」
バタン

勇者「こっわ〜」

女騎士「言わないで...はあ...雑兵ってホント不思議な奴...」

196以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 03:08:01 ID:elqldSYY
勇者「エルフの心情把握の結果見てみたけど、ストリッパーだったんだね」

女騎士「そんなこと関係ないさ、彼女も彼女なりに頑張って生きていたんだから」

勇者「いや、そうじゃなくて、雑兵ってそういう街に行ったってことだよね?」

女騎士「...彼のプライベートも尊重するべきだよ」

勇者「はぁい...」

勇者(フィッハーについたら弄り倒そっと♪)

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197以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 03:27:22 ID:0iFx66CQ
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雑兵「曹長、プラニスの船が来たら自分は何をするんですか?」

曹長「いつも通りの業務だよ、寄港日は週末なので週末の業務」

雑兵「つまり軍の事務所に荷物届けて、街の見回りっすね...詰所とかには行かなくていいんですか?」

曹長「あぁ、今回のはちょいとイレギュラーだな、ビギニングの大層な連中がくるだろ?そいつらについてくる木っ端部隊らが見てくれるってさ」

雑兵「分屯地は特になんもないんすねぇ」

曹長「そうでもないぜ?騎士団の連中がくるってんで分屯地の偉い奴らはりきってら」

雑兵「でもそうなったら今週末の休みが潰れそうで怖いっすよ」

曹長「我慢しろい、兵隊だろ」

198以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 14:04:53 ID:RIbmRdKg
「曹長、分屯地指令がお呼びです、今週末の件で...」

曹長「え?まさか俺らも出んの?」

「いやぁそういうことじゃなさそうっすよ、独立大隊が何人か来るってんで...」

曹長「あぁ、喫食と外出の件か行く行く」

「あざっす、そいやぁ雑兵君はなんかあんの?」

雑兵「自分はいつも通りの業務です、週末が潰れないか心配っすよ」

「はっは、地区警備隊は休み潰れそうだよ、代休付くけど」

雑兵「殿下とかくるんですよね?どんな人なんすかね」

「あぁ、子供だってよ、小さいながらに波乱な人生だよ、国が国民によって滅ぼされるって」

199以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 14:08:45 ID:RIbmRdKg
雑兵「へぇ、大事ないといいっすね」

「いや...もう結構な大事だと思うけど...」
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200以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 16:35:48 ID:nj3DY9eA
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「殿下、お気をつけて...」

「この港は我々で抑えます、事態の収拾が着くまでどうか息災で...」

殿下「...みんな、危なくなったら迷わずに逃げてくれ、僕との約束だ」

「大丈夫ですよ殿下、皇国騎士団が指揮をとって下さるんですよ、港湾守備隊は安泰でさぁ」

殿下「...」

「船が出ます、危険が及ばない内に...」

殿下「...」

事態が収拾するというは、この兵隊達はみな...
もうこの国の皇帝は、お父様はいない、お母様も...
大切な人たちは、みな民衆に殺された、お父様が愛していた民衆に...

殿下「...ッ」ギリッ

殿下「殺してやる...あの家畜ども...」

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201以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 16:41:39 ID:nj3DY9eA
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曹長「おお、来やがったか」

兵長「久しぶりです班長、俺が入隊した時に教育して下さった班長だ」

天使「は、初めまして!」

曹長「...なぁ」

上等兵「男っすよ」

曹長「し、知ってらぁ、伍長と一等兵はどうした?」

兵長「次の馬車できますよ、曹長がいるんすから、あいつらが来ないわけが無いっすよ」

曹長「っへ、問題児共が来るのか、外禁だな」

202以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 16:58:58 ID:nj3DY9eA
兵長「そう言えば...雑兵は?」

曹長「あぁ、あいつなら港の事務所にいるぜ、荷物届けに行ってると思うが...多分端末地の人とだべってるんじゃねかな」

上等兵「ぶ、分屯地に染まってますねぇ」

曹長「いいことだぜ、じゃぁ、お待ちかね...これがお前らの外出証な」

伍長「いっただきまーっす!」

一等兵「ごちっす!!」

曹長「うわあ!ビビったぁ!!」

兵長「おいおい...そういえば曹長、自分ら呼ばれたんすけど何すりゃいいんすか?」

曹長「騎士団の雑務だろ、詳しくは団長に聞いてくれ」

兵長「あ、あぁ...あの人っすか...」

203以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 17:43:54 ID:UcNk5UhU
曹長「まぁ言いたいこたぁわかるけども」

上等兵「雑兵の件で結構騎士団から目ぇ付けられましたからねぇ」

曹長「っはは、雑兵が帰ってきたら弄り倒してやれ」
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204以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 23:04:54 ID:DgH7KJvU
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雑兵「人多いっすよ外」

「そりゃぁねぇ、一国の殿下が来るんだよ?出店や観光客であふれるさ」

雑兵「見回り行きたくないっすよ」

「仕事しなさい仕事を」

雑兵「はーい...」
バタンッ

205以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/05(土) 23:24:32 ID:DgH7KJvU
雑兵「出店出てんなぁ...寄港前日だってのに」

「お!独立の兵隊さんじゃないの!今日も暇そうだね」

雑兵「うっす、魚屋のおっちゃん、儲かってる?」

「ぜーんぜん、出店とウチじゃぜんぜん違うからねぇ、そういえば首都の兵隊さん達みんな来てたよ、騎士団もね」

雑兵「き、騎士団もっすか...」

「綺麗さん揃いだねぇ騎士団って、おっと客だ、じゃあな」

雑兵「はい、お疲れっす」

雑兵(やっぱ騎士団くんのね...)

雑兵「まぁ相手にされないか、大丈夫だな」

206以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 15:21:07 ID:fQaps30U
雑兵「えーと...街を見回って事務所の火気点検...今回は港の見回りか、今日は遅くなりそうだな」

街の見回り、独立大隊分遣隊の恒常業務の一つで、毎日行っている、しかし週末は特別で港湾施設にある事務所の課業終了後の火気点検も
含まれている、しかし暗黙のルールで荷物を届けに行く際にこっそり印鑑を押している。
しかし独立大隊の火気点検簿を見る人は全くおらず、記入用紙がいっぱいになったら焼却処分している、こればかりは必要性が感じられない。

雑兵「やだなぁ、今日は何もないといいな...」


「てめぇからぶつかってきたんだろうが!!」

「だから謝ってんだろうがよ!!」


雑兵「はぁ、やれやれ」ソソクサ
「あ!独立の兄ちゃんじゃん!助けてよぉウチの店の前でやられちゃ困るんだ!」

雑兵「うへぇマジっすか...しゃあないっすね」

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207以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 15:37:14 ID:fQaps30U
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雑兵「うっわぁもう12時やんけ...観光客喧嘩起こしすぎやが...」

ガラの悪い街に祭り事があるといつもこうで、似た者同士しか集まらないのがこの町の欠点だ、国の大事な祭事なら何とかしてでも治安を
良くして欲しいものだ、いや待て、その仕事今の俺らに振られそうだから言うのやめよ。

雑兵「戸締りよし...ん?」

「ウィック...」

雑兵「雑貨屋のおじちゃん...どうしたのこんな所で」

「あ〜?お、いつものアンちゃんじゃないの...いやぁ...家内に逃げられてねぇ...」

雑兵「なんでです、仲良かったじゃぁないですか」

208以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 15:54:52 ID:fQaps30U
「いやぁ...近頃さぁ周りの村々に変な宗教出来たっていうじゃん、ずっとねぇ首都に移ろうって家内に言われたんだけど...
金なんかないしさぁ...無理なわけじゃんン?」

雑兵「...」

「それで俺っち喧嘩しちゃって...まあ見限られたわけよ、酒癖も悪かったのもあってかなぁ」

雑兵「あぁ...」

「それで...まぁ死のうかなって...水漬かって」

雑兵「何を言いよるんですか!死んじまったら元も子もないでしょうが!」

「そうだけどさぁ...」

雑兵「死ぬ言うてもおじちゃん、まだ仲直りもしてないのに死んじまったら奥さん悲しむよきっと」

「そんなこと...?なぁアンちゃん、寄港って...明日の予定だよな?」

雑兵「えぇ...明日の予定なんですけど...」


ッボーッッ!!!

雑兵「う、うるせぇ...!じいちゃん、ちょっともう帰ってくんない?」

「あ、あぁ、そうするわ...」
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209以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 16:05:34 ID:fQaps30U
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「殿下、小型艇の用意が出来ました」

殿下「ありがとう、君は...」

「ボイラーの機関が冷えるまで上陸は控えます...正直この船員はまだ信用なりません...」

殿下「...分かった」

「お気をつけて...」

210以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 16:23:55 ID:fQaps30U
殿下「...」
ッポンッポンッポン...

「いやぁ殿下もお大変でしたなぁ、ささっエンジンは温まっていますから...」

殿下「ありがとう」

(ッチ、イケすかねえガキだ...本船の奴らも上手くやってくれると良いが...)

「皇帝も皇后も亡くなられちまってどうなるんですかねぇあの国は、まぁ尤も俺ら水夫にゃ国なんて関係ない話ですがね」

殿下「そう...」

「...」

(ッチ、顔だけはいっちょ前に皇后に似てらぁ、売り飛ばしゃいい値段するだろうになぁ勿体ねえ...まぁいい、桟橋に着いたら後ろからグサリだ
、そうすりゃあの皇国は完ぺきに滅亡だぜ)

211以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 16:24:28 ID:fQaps30U
「着きましたよ、ビギニング王国です...殿下」

殿下「...ありがとう、この純金のブレスレットしかないけど...売れば高くなる、受け取ってください
ここにはいないと思うけど、反乱軍のスパイに見つかればただじゃすみません...あなたも早く逃げてください」

「...あ、ど、どうも...」

(ん、んだよ...まぁいい、さっさと上陸してくれや...)

殿下「ここが...」

「殿下、すみませんが...!?」

雑兵「あ、あんたら何しとるんだ」

212以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 17:06:35 ID:fQaps30U
殿下「っき、君は何者だ...!」

雑兵「こっちのセリフだクソガキがぁ、おめえがだれか知らんが...寄港届けだしてんだろうな?おい水夫、どういうことだ
つーかそのナイフ仕舞えおい、怖いです」

「...ッ!」

雑兵「明日...ても日付跨いだから今日だな、隣の国さんの船が来る予定なんだよ、殿下かなんかを乗せてな、
で、ここに来る船はなんもこねえはずだ...じゃぁお前らはなんだ?」

殿下「ぼ、僕は...」

213以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 17:07:20 ID:fQaps30U
「ええい!クソッタレ!」

雑兵「うおっ!ナイフ仕舞えって言ったじゃん!!」シャキンッ

「お、お前何なんだよ!殿下の家臣か?!」

雑兵「あぁ?!殿下だか家電だか知らんがなぁ!こっちゃぁ遅くまで仕事してんだよ!それに付随してお前らの狼藉!許せんぞ!!」

殿下「...」

雑兵「こい坊主...坊主だよね?」

殿下「んな?!っこ、この無礼者!!」

「てめぇ!そのガキを俺に渡せ!」

雑兵「え?な、なんで?」

「い、いや...お、お守り...する義務的な...」

214以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 17:15:36 ID:fQaps30U
雑兵「...そのナイフただ事じゃなさそうだな、この子は渡せねえ、今すぐその面を...」

ッチュッドーーーン!!!!!!

雑兵「うっわ、沖の船が...」

殿下「っあ...あぁ...!」


『お気をつけて...』

『事態の収拾が着くまでどうかご息災に...』


殿下「み、みんな...そんな...」

「な、なんで爆発が...家臣殺しゃいい話だったんじゃ...?!」

雑兵「...」ッドスッ!!

「ウッ...」

215以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 17:27:58 ID:fQaps30U
雑兵(やべぇ、この子供殿下説が)

殿下「ッウ...ヒッグ...」

雑兵「...い、いきましゅかなぁ...ッ」ガシッ

殿下「...僕を...匿ってくれ」

雑兵「離してくれ、面倒事は嫌だ...見回りは異状なく終わったって言いたいんだ」

殿下「もう無理だよ...それともさっきまでの発言...」

雑兵「お宿はどちらにしますか?」

殿下「見たところ君は...この国の兵隊だね?」

雑兵「ん、んだよ...」

殿下「この町に駐屯地か何かがあるはず、そこへ連れてって」

雑兵「はぁ...分かったよ、今は騎士団なりなんなりが来てる、話しゃ分かるはずだ」

殿下「ありがとう」

216以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 17:47:53 ID:fQaps30U
雑兵(どうしよ...子供だしなぁ...うーん放っておいたらあれだしなぁ)

殿下「...」

雑兵「ちょっとこの事務所に入っててくれ、もうじき人が来始める」

殿下「ありがとう...」

雑兵「会えるか分らんが...騎士団長に話してみる、電気はつけないでくれ、温かいもんしかねえがなんか飲みたかったらそこの
薪をくべて...ねぇ、沸かし方...」

殿下「...え、えーと」

雑兵「ちょ、ちょっと沸かしちゃおっかなぁ...俺もコーヒー飲みたいし...はは...」

殿下「...ごめん...」

雑兵「いいんだよ、俺だって最初は分かんなかった、火つけるなんてコンロでしかなかったしな...」

殿下「コンロ...?」

雑兵「いや、こっちの話...いいか、薪はこう井の字に組んでだな...」

殿下「井の字...?」

217以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 18:03:23 ID:fQaps30U
雑兵「あ、こういう感じに組んだら火が上手く着くんだ、空気の流れができるからな、どこでも使えるテクだよ」

殿下「す、すごい...」

雑兵「で、木屑と多少の薪を置いて、この火打石で...」

ガチャ

「あれ、鍵が...あれ?雑兵君?」

雑兵「あ、どうも...ちょっと...個々の事務所の人だ、大丈夫」

殿下「...ッ」コソッ

「...なるほど、港の件の...雑兵、君はどうしたい?」

雑兵「じ、自分はっすか...?いやどうしたいっても自分ができることなんて無いっす...」

「そうかな...その子が今一番信用できる人間は今の時点じゃ君しかいない、そうですね?ニプラス皇国殿下」

殿下「...」

218以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 18:34:17 ID:fQaps30U
「わかるだろう、そのお方は殿下...君が動かないとどうしようもないんだ」

雑兵「...分かりましたよ...出来るこたぁやりますよ...でも」

「わかっている、初年兵に多くは求めないよ、これでも俺は中尉だ、何かあれば頼ってくれ」

雑兵「うっす、やってみますよ...殿下、見つかっちまった、もう分屯地に行こう」

殿下「う、うん...」

「い、一応敬語はつかってな?」

雑兵「あ、すいません」
_
__

219以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 19:34:37 ID:vemigt26
__
_
曹長「はい、はい...分かりました、ありがとうございます」

兵長「雑兵は...」

曹長「うーん、いねえなぁ、風俗街は粗方電話したんだが...」

上等兵「風俗街にゃいねえでしょ...」

曹長「...沖合で起きた爆発事故と関係は...いやまさか...」

兵長「...」


雑兵「う、うっす〜...」

曹長「おうコラ?!連絡もなしに風俗通いたぁ...ってわけでも無さそうだな」

殿下「...」

上等兵「よう、久しぶりだな」

220以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 20:52:39 ID:vemigt26
雑兵「うおっ、上等兵さん」

殿下「ぞ、雑兵、この人達は...」

雑兵「大丈夫っすよ殿下、自分の上司っす」

兵長「でででで、殿下ぁ?」

雑兵「あ」

上等兵「ほんっとこいつだきゃあ次から次へと...」

雑兵「さぁて...どうしましょうかね」

曹長「っははは...どうしよ」

雑兵「なんかアイデアある?」

殿下「え...うーん...」

221以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 21:11:57 ID:vemigt26
雑兵「...騎士団に売り渡しちまうか」

殿下「う、売り?!」

曹長「アホ...でもまぁ...なんとかしてくれる気がするな」

雑兵「じゃ、じゃぁ騎士団へは願います...」

殿下「え...ぞ、雑兵は...」

兵長「お前が行くんだよ、殿下直々に雑兵雑兵言われてんだぜ?一番信頼されてるお前がついて行ってやれなくてどうすんだ」

雑兵「クーン...」

殿下「だ、大丈夫だよ雑兵...ここはいい国だし...それに...」

雑兵「...わあったよ、行くぞ...乗りかかった船だ、とことんまで行くぞ」

222以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 21:19:40 ID:vemigt26
殿下「雑兵...!」

雑兵「騎士団はどこです?」

兵長「あぁ、分屯地の外来で寝てる、騎士団長は外来の貴賓宿だ」

雑兵「あぁあのデカいとこっすか?了解っす、行くか」

殿下「うん」


曹長「あいつ...変なところでリミッター外れるな」

兵長「そういう奴なんすよ」
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223以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 22:15:30 ID:vemigt26
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女騎士「先ほどの爆発は?」

「は、はぁ...先ほど使いを出したのですが...」

勇者「もう、今日の昼にはニプラス皇国の船が来るのになぁ」

女騎士「そういえば、殿下と知った仲だったな」

勇者「深くまでは知らないけどね...でも元気にしてっかな〜殿下」

「き、騎士団長...ちょっと...」

224以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 22:16:16 ID:vemigt26
女騎士「?」

「えー...ちょ、入ってくるな!まだアポは...」

雑兵「うるせえぞ、このお方をどなたと心得るかこの無礼者め、うし、行くぞ、もう大丈夫だ」

殿下「う、うん...」

「お、お前も相当無礼だぞ...」

女騎士「ぞ、雑兵?」

雑兵「おう、わざわざ儀仗にご苦労さん...殿下」

殿下「初めまして、ニプラス皇国の殿下です...久しぶりです、勇者様」

勇者「殿下?!うそ?マジで?!」

225以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 22:52:38 ID:vemigt26
女騎士「...雑兵、そこに座れ」

雑兵「ははぁ...(マジメ君)」

女騎士「す わ れ」

雑兵「...」

勇者「皇帝は...」

殿下「父も母も亡くなりました...宮廷になだれ込んだ民衆によって...」

勇者「うっそ...なんで...?」

女騎士「殿下、遠路はるばるお疲れ様です...しかし殿下の国内の情勢は...」

殿下「はい...」

226以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 23:08:05 ID:vemigt26
雑兵「...」

雑兵(へぇこの子、結構苦労したんだな)

女騎士「で...雑兵、殿下とどういった関係で?」

雑兵「え?いや〜港で...そのー...」

女騎士「今回ばかりは冗談では済まされんぞ...国家間の重大な事態に関与している自覚はあるのか?」

雑兵「勘弁して下さいよ、自分だって関与したくてした訳じゃ...」

殿下「ご、ごめん...」

雑兵「い、いや、いいんだよ、そっちの話はすんだのか?」

殿下「いや...まだ...」

227以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 23:17:18 ID:vemigt26
雑兵「自分の考え言えばいいんだからな、大丈夫だ」

女騎士「...」 ッバン!!

雑兵「...ッ」

女騎士「冗談で済まされないといっただろう?それに君の殿下に対する態度...どういうつもりだ?もう一度聞くぞ...
貴様はなぜ殿下と一緒にいる?」

雑兵「...港の見回りをしててな、したら桟橋にこいつと水夫がいてな...水夫については知らねえ、こいつに聞けや」

女騎士「...殿下、本当ですか?」

殿下「はい、恐らく...あの水夫に自分は殺されそうになっていたのを彼に助けられました」

勇者「あんた...やるじゃない」

雑兵「...」

228以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 23:39:43 ID:vemigt26
女騎士「...そうか、ご苦労だった。もう戻ってもいいぞ」

雑兵「はぁ、了解です」

殿下「ぞ、雑兵...?」

雑兵「もとから自分とあんたは...まぁ月と鼈の存在っすからね、この先の話をするんなら似た者階級の方ががいいだろう」

殿下「でも...まだお礼も」

雑兵「んなこたあどうでもいい、今は自分の置かれる立場ってのを確立させろ、いつまでも宙ぶらりんな立場だと困るのは
自分だ...俺も半年前まではそうだったからな」

女騎士「...はぁ、雑兵、もう少しここにいてくれ...殿下もその方が安心でしょう?」

雑兵「はぁ?何でです、もういいでヒデブ

女騎士「こ こ に い ろ」

勇者「こう見えて結構お姉ちゃん切れてるからね?」

雑兵「いや手に取るように分かるっす」

229以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/06(日) 23:50:25 ID:vemigt26
殿下「こんなことを言うのも烏滸がましい話ですが...国の事態が収拾するまで僕を匿って欲しいのです」

女騎士「か、匿って欲しい...ですか?」

殿下「はい」

勇者「そういう事は国王にだねぇ...そう思うだろ?」

雑兵「そ、そうっすねぇ」

勇者「なんで分かってて連れてきたの」

雑兵「いや、面倒にならないかなあって思って」

230以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 00:30:11 ID:X6OfLJDU
勇者「あんたねぇ...」

女騎士「...殿下、殿下は我々と共に首都に来てもらいます、出発は明後日、それまではどうぞ休息なさって下さい」

殿下「ありがとうございます」

女騎士「君、殿下をご案内してくれ」

「っは、かしこまりました、殿下、こちらへどうぞ」

殿下「...」チラッ

雑兵「後で顔だすから安心しろ」

女騎士「...はぁ、困るな、ホント...」

雑兵「すいません...なんか見捨てておけなくて...」

女騎士「エルフの子の時もそんな感じだったんだろう?」

231以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 13:45:24 ID:Gntq/5l.
雑兵「知ってるんすか?」

女騎士「何回か話したことがある、いい子だったよ」

雑兵「へぇ」

勇者「出発明後日って言ってたけどあたしたちはどうすんの?」

女騎士「っふ、休息だ」
_
__

232以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 14:15:22 ID:Gntq/5l.
__
_
「いきなし休みって言われてもなぁ...」

「寄港がいきなり取り消しって何だよなぁ、首都くんだりまで来た意味がないぜ」


雑兵「...」

天使「ひ、久しぶり...」

雑兵「お、おう...来てたんだな」

天使「うん...話聞いたよ、あんま大きな声でいっちゃいけない話だから言わないけど」

雑兵「偶然だから別に...」

天使「...あの、異動前の件...」

雑兵「あ、あぁ、どうしたの」

天使「その...いきなり怒ってごめん...」

233以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 14:42:12 ID:Gntq/5l.
雑兵「あぁ、別に...誰も悪いわけじゃねえし...気にしなくて良いんじゃね?」

天使「う、うん」

雑兵「今日どうすんの?風俗?」

天使「い、行かないよ!伍長さんたちは行っちゃったけど...」

雑兵「勿体ねぇ、一度は行ったほうがいいぜ?」

天使「雑兵は行ったの?」

雑兵「実は行ったことはない、看板とかは見るけど、なんか怖いんだよ」

天使「行ってないんじゃん...」

雑兵「でもストリップは良いぜ?綺麗な姉ちゃんが踊ってんだけどなかなかどうして...」

勇者「へ ん た い ♡」

雑兵「うっわぁ!!!耳くすぐった?!」

234以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 15:05:47 ID:Gntq/5l.
勇者「なーに話してんのよ公衆の面前で」

雑兵「公衆の面前でいきなし耳元で話しかけんなマジで、ちょ、ちょっとヤバかったぞ」

天使「ゆ、勇者様!お疲れ様です!」

勇者「おっす〜、ねぇ雑兵?ストリップって何?」

雑兵「え?知ってて俺に変態って言ったんじゃないのかよ」

勇者「いや、あんたはどうあがいても変態でしょじゃなきゃここに飛ばされないわよ」

雑兵「ンヌウ(即死)」

勇者「ねぇ連れてってよ?ストリップ」

雑兵「お、お前まだ子供だろ...いや、待て...」

勇者「?」

天使「ど、どうしたの?」

雑兵「おれ...そういやぁまだ未成年だった」

勇者「え?」

雑兵「俺まだギリ17歳やった...うわすっごビビったわなんか...」

235以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/07(月) 15:16:09 ID:Gntq/5l.
天使「え...ちょっと待ってよ、僕18なんだけど」

雑兵「あ、お、お疲れ様です」

勇者「あんたって...」
_
__

236以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/08(火) 23:53:20 ID:1w2FVOwQ
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_
雑兵「俺のプライベート干渉して楽しいのか…」

勇者「あら、いいじゃない?一度こういうトコ行って見たかったんだよねぇ」

雑兵「旅してりゃ嫌でも目につくだろ、パーティーの仲間はそういうトコいかねぇのか?」

勇者「な、仲間がどうこうなんて別にどうでもいいじゃないそんなコト...」

雑兵「...なぁ、もしかしてだけど」

勇者「は?」

雑兵「何でもない」

雑兵(まさかのボッチ旅だったのか...)

237以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/08(火) 23:59:00 ID:1w2FVOwQ
雑兵(辛くなかったのかな、いや、でもこの反応から察するに...)

雑兵「まぁDQ1の勇者もボッチ旅だったからな」

勇者「は、はぁ...?な、なんですって...?」プルプル...
 
雑兵「しかしよく考えるとお前凄いな、一人で旅して魔王倒したんだろ?ぼっちとか辛くなかったの?」

勇者「ぼっちぼっちいうなぁ!!僕だって...っ!仲間とか欲しかったんだよ!!」


「ストリップ劇場の前で喧嘩してるぞ!」

「兄妹か?」

238以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:03:56 ID:m8WBCeLQ
雑兵「そ、そんな大声出すなって...ごめんって早く劇場入ろ?ね?ね?」

勇者「うるさい!この変態!!」


「け、警備隊呼ぶか?」

「やめとけやめとけ...この街が使いづらくなるだけだ」


雑兵「へ、変態じゃねぇよこの野郎!俺のプライベートここまで干渉しやがって!!意地でも入れてやるからな!オラッ!」

勇者「は、離してよ!」


伍長「お、お前それは洒落にならん!!」

一等兵「雑兵!流石にその子の手ば離すだ!!犯罪はいかん!」

239以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:10:43 ID:m8WBCeLQ
雑兵「あーもう!演習の時といいおめぇといるとロクなことにならねぇ!!第一お前は自分勝手なんだよ!」

勇者「う、うるさい!つーか兵卒の癖になんだよ!!」

雑兵「うるせぇ!ぶらりぼっち旅!!俺ぁ厄災から解放されたなんて恩恵これっぽっちも受けてねぇんだよ!!お前の活躍なんて知るか!!」

勇者「う...うゥ...グズッ...な、何なんだよぉ...あ、相手してくれてもいいじゃん...なのにそこまで言わなくたって...ズズッ...」

雑兵「えあっ、な、泣くなよぉ!」

勇者「ぼ、僕だって...ズズッ...一人は嫌だったんだ...友だちも欲しかったし...」

240以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:19:44 ID:m8WBCeLQ
勇者「でも...お姉ちゃん頑張ってるから...僕も頑張らないとって...僕だって
普通の女の子として生きたかったんだよ...!でも...退魔の剣抜いちゃったから...」

雑兵(ヤバ、退魔の剣の下りちょっと面白い)

勇者「でも...魔王倒す旅なんて誰が付いて行くんだよ...痛いの治したくても
薬草苦かったし...辛い所でも一人だったし...」

雑兵「...」

勇者「魔王倒したかと思えば英雄扱いで...街に出てもろくに買い物も出来ない...
可愛い小物も欲しいのに...友だちなんてそんな状況でどうやって作るんだよ...」

雑兵「で、でも傭兵団はお前の方慕ってたじゃねぇか...」

勇者「もう慕われるだけじゃ嫌だ...」

241以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:28:24 ID:m8WBCeLQ
雑兵「...」

女の子を泣かしたとかの後悔はなく、俺なんかよりもずっと努力している普通の女の子
がどうしてこんなに辛い思いをしているのか、いやまぁ泣いたのは俺が発端だけど、
少なくとも年頃の女の子に対する世間の扱いに対して疑問を抱いた、退魔の剣を抜いた
からと死ぬ気で努力させ、ロクな仲間も付けずぼっち旅を押し付け魔王討伐に赴かせた
世間は今のこの子を見てどう思うのか、そんな疑念が頭の中をぐるぐる駆け巡った。

雑兵「...」

勇者「もうお前なんか...嫌い...?!」ガシッ

242以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:32:15 ID:m8WBCeLQ
雑兵「...いますぐ分屯地に帰るぞ」

勇者「ちょ、なんだよ...!離してよ...!ほっといて!」

雑兵「黙ってついてこい」

勇者「な、なんだよ...」


伍長「あいつ何がしたかったんだ」

一等兵「一先ずおおごとにならんかったということで」

伍長「いやおおごとだろ」
_
__

243以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:37:11 ID:m8WBCeLQ
__
_
「いや、全額下ろすの?!」

雑兵「はい、残す金額指定してないから降ろせるっすよね」

勇者「ちょ、何してるの?」

雑兵「後でわかる、降ろせるんすよね?」

「お、降ろせるけどさぁ...一気に降ろしたら部隊長に報告行くぞ...」

雑兵「構わないっす、お願いします」

「わ、わあったよ...ほんと、お金は大事につかぇ グワシャッ

雑兵「ありがとうございます!行くぞ!」

勇者「ちょ!ちょっと!」

「お、おう...なんで勇者様の手ずっと握ったまま...」

244以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:43:12 ID:m8WBCeLQ
雑兵「ここがフィッハーの街だ、色んな店が揃ってる」

勇者「だ、だから何?」

雑兵「一緒に見て回って、お前の欲しいもの、買いたいものをなんでも言え、
俺が買ってやる」

勇者「え...?え?」

雑兵「そこの雑貨屋は女性向けの雑貨も売ってある、そこは
女性向けの服屋さんだ、見てみるか?」

勇者「ちょ...待ってよ...」

雑兵「いいか、お前は今日から普通の女の子だ、それをお前にも
周りの人間にも分からせてやる、良いな?」

勇者「...」

雑兵「パフェもある...ね、ねぇ反応してくれないとそろそろこのキャラ恥ずかしくなるから...」

245以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:46:03 ID:m8WBCeLQ
勇者「...分かった、さっきの店全部回る」

雑兵「よ、よし」

勇者「欲しいもの全部買ってもらう、何から何まで」

雑兵「そうだ、買えなかったものはなんでも買え...あでもちょっと手加減...」

勇者「僕はね...一度も手加減したこと無いんだ」
_
__

246以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:49:50 ID:m8WBCeLQ
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_
勇者「このワンピース...」

雑兵「いい感じじゃねえか?着てみろよ」

勇者「で、でもノースリーブ...」

雑兵「うるせぇ関係ねぇ、それにとても似合うと思う」

勇者「分かった、雑兵が言うなら買う」

雑兵「か、買うんすね」
_
__

247以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:52:38 ID:m8WBCeLQ
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勇者「このネックレス...似合う?」

雑兵「ごめん、すっごい似合う、ボーイッシュ系のアイドルかと思った」

勇者「じゃあコレも...後このブレスレットも...」

雑兵「ぶ、ブレスレットは金額的に似合わないんじゃないかなぁ」

勇者「僕が付けたら可愛くないの?」

雑兵「クッソ可愛い」
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__

248以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/09(水) 00:56:39 ID:m8WBCeLQ
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_
勇者「パフェ初めて食べる...」

雑兵「お、俺も...」


「はい、あーん♡」
「あーん♡」


雑兵「張り倒してや...」チラッ  
勇者「あ、あーん...///」
雑兵「は、恥ずかしかったらやらなくても」
勇者「た、食べて...///」
雑兵「...」パクッ 
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249以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/11(金) 00:37:55 ID:1wD8iGSg
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_
雑兵(金ねンだわ)

勇者「う″〜〜ん″...っはぁ、楽しかった...」

雑兵「もういいのか?」

勇者「もう雑兵お金ないでしょ」

雑兵「う、うん、もう勘弁して欲しい」

勇者「安月給のウチに無理しすぎるからだよ、まさか軍の共済まで下ろすなんて...」

雑兵「いや、別にいいよ、俺も楽しかったし、この世界来て初めて沢山遊んだわ」

勇者「僕はずっといたつもりだったけど...うん、初めて沢山遊んだ」

雑兵「次は自分の金で目一杯楽しめよ?楽しみ方分かっただろ」

勇者「うん、分かった...雑兵といると楽しい」

雑兵「うん、うん?」

250以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/11(金) 00:49:04 ID:1wD8iGSg
雑兵「いや、俺と遊ぶのはやめとけって」

勇者「エッチな店行けないから?」

雑兵「いや、そ、まぁそれもあるけど、いや他にも理由はあるからな?!」

勇者「ふーん?雑兵は遊んでくれる女の子よりもエッチな店を選ぶんだぁ?」

雑兵(そ、そんなワンピース姿で質問を投げかけないでくれ...)

雑兵「いや、あの、プライベートの節調は大事なんだよ、わかるか?」

勇者「あーあ...残念だなぁ」

雑兵「...わあったよ、呼んてくれりゃ遊ぶから...」

251以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/11(金) 23:51:43 ID:1wD8iGSg
勇者「じゃ、約束ね?」

雑兵「あぁ、どこでも駆けつけてやらぁ」
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252以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 00:59:07 ID:EvgnaMsY
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雑兵「うーっす...って」

殿下「あ、雑兵...」

雑兵「おう、気分どうだ?」

殿下「ちょっと休んだら楽になった...ありがとう」

雑兵「これからどうなるんだろうな...お前の立場わかんねぇから...」

殿下「うん...皇国に戻れるようにしたいけど...」

雑兵「戻るったって...大丈夫か?戻ってったって民衆の奴らが...」

殿下「...分かってるよ、でも戻らないといけないんだ...」

253以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 23:20:57 ID:GgB.Yypg
雑兵「戻ってどうするんだ、正直言って国建て直すのはもう...」

殿下「建て直さなくたっていいよ...でも、僕なんかの為に死んでいった部下達に...」

雑兵「弔合戦的なやつか」

殿下「...」

雑兵「無理だな、現時点のお前にゃ...何もかもが足りねぇよ」

殿下「足りないって...雑兵に何が分かるのさ...!父さんも母さんも...大切な人達を失った僕の気持ちも...」

雑兵「知らん、苦労したのは分かるがそこまで興味ねぇ、恨むなら自分の境遇を恨め、勝手に恨み辛みの延長線上で人に当たるな」

殿下「...ッ」

254以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 23:25:02 ID:GgB.Yypg
雑兵「お前に足りないのは今の状況を自分でどうにかするって思考だ、こりゃ俺の考えだが国のトップ殺して、あの民衆らがどうなるかなんて...」

殿下「ど、どうなるの?」

雑兵「互いの足引っ張りあって自滅さ、それか木っ端共を集めた集団なんて飲み込まれるだけさ、飲み込まれたら最期、その国というのは完全に無くなる、つまりニプラス皇国はパーペキに終わりだ」

255以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 23:28:07 ID:GgB.Yypg
雑兵「あいつらがどこまで国を愛してたかが見ものだな」

殿下「それじゃあ...僕の居場所なんて...」

雑兵「さぁ、どうなるんだろうなぁ、そこは騎士団長の腕一つだ」

殿下「...」

雑兵「...まぁ、もし本当にどうしようもなくなったら俺んとこに来い、ここにずっといるからさ」

殿下「雑兵...優しいのかそうじゃ無いのか分からないね」

雑兵「や、優しい方じゃないか?」
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256以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 23:33:36 ID:GgB.Yypg
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勇者「雑兵も殿下と来ればいいのに」

雑兵「俺ぁ分屯地の方が合ってるからな、デケェとこはどうも苦手だ」

勇者「そんなんで本当にすぐ駆けつけられるの?言っとくけど来なかったらサイテーだからね」ツ-ン

雑兵「う、うーん...」

勇者「...嘘だよ、雑兵、雑兵と離れるの嫌だけど、また遊びに来るし、たまには来てね」

雑兵「あぁ、行けたら行くわ」

勇者「それ来ないやつじゃん」

257以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 23:37:09 ID:GgB.Yypg
上等兵「うっす、俺らも帰るわ」

雑兵「あんま話せなかったっすね、たまに行くんでお願いしまし」

兵長「来るんじゃねぇ、厄介ごと持って来るつもりだろ」

雑兵「た、たまにゃあ良いじゃないっすかぁ」

伍長「ほんっと恐ろしい男だよお前は、勇者様手篭めにするたぁ...でもまだ手は」

雑兵「出さないっすよ」

天使「ぞ、雑兵...」

258以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 23:54:38 ID:GgB.Yypg
雑兵「お、おう、お前も元気でな...」

天使「...他になんか無いの」

雑兵「いや、その...あんまり...」

天使「あっそ...この変態」

雑兵「えぇ〜何どういう事ぉ」

天使「僕に抱き付いてきた癖に、色んな人にちょっかいかけて...」

雑兵「え、あぁ、え?!それ今出す!?」

天使「いつ出すのさ」

259以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/14(月) 23:58:25 ID:GgB.Yypg
雑兵「ご、ごめんって、いやその、移動したから何言えばいいのかわかんねぇし...喧嘩別れしちまったし」

天使「...そういうとこだけ鈍いのホントズルイ、でも変わってなかったからいいや」

雑兵「えぇ...」


一等兵「雑兵ってスケコマシでさぁね」

上等兵「いや天使に迄とは思わなかった」
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260以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/15(火) 00:02:59 ID:XjIGNPTg
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雑兵「行ったなぁ」

曹長「寂しいか?いっちょまえに」

雑兵「一丁前とか関係ないっすよ...」

曹長「まぁ感慨に耽るのも昼までだ、ごめんちょっと首都と地方の境界線にある分屯地のに荷物届けてくんないすか」

雑兵「え?!嘘でしょ」

曹長「いやホントホント、たまに行くんだよ、荷物の輸送」

雑兵「えぇ...絶対首都帰る連中に会うじゃないっすか...途中でキャンプするでしょあいつら」

261以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/15(火) 00:05:49 ID:XjIGNPTg
曹長「大丈夫だって、ロバだからあんま暴れねぇよ」

雑兵「いやんなこたぁ聞いてないっすよロバなら安心すけど」

曹長「境界線っても北上するから防寒用意しとけよ、あと糧食は食堂で受け取ってくれ」

雑兵「了解です、早めに言って欲しかったっす」

曹長「ごめんって」
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262以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/15(火) 00:11:32 ID:XjIGNPTg
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フィッハー地方と首都の境界線には街や村は無いが、少し北上した場所にフィッハー補給処があるらしい、
付近の村々は長閑な村らしく、フィッハー補給処も分屯地と同様地元が近い定年間際の人たちがいる場所だ。

雑兵「フィッハーから外出るの初めてだなぁ、この道通るのも来た時に通っただけだから二ヶ月近くぶりかぁ、なぁロバ吉」

ロバ吉「ンア"ア"...」

雑兵「馬の声と違うんだな」

263以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/15(火) 00:18:59 ID:XjIGNPTg
雑兵「馬車あって良かったけど重くないかロバ吉、重くても我慢してくれよ」

ロバ吉「...」

雑兵「なんとか言って...まぁいいや」

荷物の中身は書類と返納する被服、あとは土産くらいだ、なんと長閑な仕事だろうか。

雑兵「独立大隊っぽい仕事だなぁ、まぁまだ仕事内容よう知らんけど」

首都へ帰還する連中とは顔をあまりあわせたくないが、仕事なので仕方がない、キャンプしてるとこを追い抜かそう。
そろそろ夏も本番となり、季節的には7月中盤だろうか、元いた世界の季節感覚はニート中に狂ってしまったが、やはり季節感は本能なのかだいぶ外の気候にも慣れた。

264以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/15(火) 00:26:48 ID:XjIGNPTg
雑兵「しかし...勇者のワンピ可愛かったな...エルフもああいうの着るのかな」

エルフと離れてもう2ヶ月近く、自分が初めて街の見回りをしていた時に会った、
飛び級的な奴で混成騎士団に入ったが上手くやれているだろうか。

雑兵「みんなとじっくり話ししてぇなぁ...」

天使からは部隊はどうか聞きたいし、女騎士からは前世で何をしていたかも聞きたい、
勇者からはお金返してもらいたいし、エルフは今の状況を聞きたい、この世界へ来て
友人が増えて来たし、物事に対する興味もある程度湧いて来た。

雑兵「俺ずっと分屯地勤務なのかなぁ、それも良いけど別のとこも行ってみたいなぁ」

265以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/24(木) 23:05:31 ID:ijyolZeQ
雑兵「しかしフィッハーの補給処なのになんで郊外に建てるかなぁ、港の外も土地有り余りすぎだろうに...ん?」

?「...」

雑兵「行き倒れってやつか...?おばあちゃん、大丈夫?」

老婆「ううっ...み、水を...」

雑兵「ほら、しかしいつから...」

老婆「はぁ...早朝にフィッハーを出たのですが...急に胸が苦しくなり...」

雑兵「早朝?マジで?先に出た騎士団連中はど真ん中に倒れてたばあちゃんシカトしたの?」

老婆「え、あぁ、騎士団ですか...?」

雑兵「うん、でもまぁ良かったよ、馬車に乗りなよばあちゃん、俺も暫く道なりに行くから楽になるまでは休んでな」

老婆「ありがとうございます...」

266以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/24(木) 23:11:18 ID:ijyolZeQ
雑兵「しかし騎士団連中も薄情だよ、おばあちゃん無視るなんて罰当たりなねぇ」

老婆「そうですねぇ...この国を守ってくださる方々と思ったのですが...老いぼれ一人も...」

雑兵「ロクな連中じゃないからねホント、そいえばおばちゃんどこまで行くの?」

老婆「首都までですよ、息子夫婦が一緒に暮らそうと...お爺さんも亡くなったので孤独でしたが...」

雑兵「そっかぁ、じゃあ境界までは連れてってあげるよ」

老婆「本当ですか?ありがとうございます...」

雑兵「いいんだよ、この辺もへんな宗教がのさばってるって話だしねぇ、最終章世界だがなんだか忘れたけど...」

老婆「えぇ私の村にも教祖様が来ましたよ...それはもう神々しい...」

雑兵「え?なんか言った?」

老婆「い、いえいえ...」

267以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/26(土) 20:08:25 ID:wz2CJhIo
雑兵「先行った連中にガツンと言わなきがすまんですねばあちゃん、なんなら言ってやりましょうか?」

老婆「い、いえいえ...お気持ちだけでも嬉しいですよ」

_
__

268以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/26(土) 20:23:24 ID:wz2CJhIo
__
_
「今日はここで休止します、よろしいでしょうか」

女騎士「うん、だが不寝番はつけるようにして...不寝番につかせる者は直ぐに休息をとらせろ」

「っは」


勇者「〜♬」

女騎士「どうした、ご機嫌だな」

勇者「このペンダント雑兵に買って貰ったんだ、綺麗でずっと見てられるよ...」

女騎士「へぇ、あいつにもそんな甲斐性がねぇ」

勇者「姉ちゃんも何か頼めば?弱みに付け込んだら...」

女騎士「っはは、今は金欠だろうから俸給が入った時に頼んでみるよ」

行商「酒につまみはいらんかねぇ、フィッハーの特産だよ〜」

269以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/26(土) 20:29:00 ID:wz2CJhIo
「お、行商だ」

「鼻がいいなぁおっちゃん」

行商「っへへ、あっしは金の匂いがする所は直ぐにわかる性質でして、おっ!これは
騎士団長様!それに勇者様もいらっしゃるじゃないですか!どうです?お酒など...」

女騎士「私は遠慮しておく、酒に弱いからね」

勇者「僕は未成年」

行商「つれないですなぁ...あ、そう言えば、この地方にのさばってる宗教についてご存知です?」

女騎士「あぁ」

行商「あいつら...今度は軍人を狙うと言い出してます、フィッハーの港にも信者が何名か紛れ込んでいました...しかしニプラスの船
爆破とは関係はありませんでした」

270以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 16:23:29 ID:YU9Oc/P2
女騎士「ではニプラス皇国の船舶の爆発は事故か或いは...まぁいい」

勇者「何人か諜報員送り込んだのが仇になったのかな、みんな優秀だったけど...」

女騎士「助けられる奴は助ける、私が送り込んだ手前見捨てる訳にはいかない」

行商「ま、そこら辺は貴方方の管轄なので知った事ではありません、自分もそろそろ遠くへトンズラしますよ、あいつらも鼻がいい」

女騎士「あぁ、ありがとう。報酬は副団長に頼んでくれ、色をつけるよう頼んでおいた」

271以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 17:00:10 ID:YU9Oc/P2
勇者「早めに戻って準備しなきゃダメだね、傭兵団呼びもどそうかなぁ」

女騎士「あぁ、味方は多い方が良い...再来週まで我々騎士団に休みは無さそうだな」
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272以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 17:11:09 ID:dfO7d3DU
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雑兵「おばあちゃん、そろそろ暗くなるから近くの村に泊まろうか、村あったよね」

老婆「そうですねぇ...この近くなら...ラング村があります、村長のラング様なら兵隊さんを温かく迎えてくださるでしょう...」

雑兵「じゃあその村にしようか」

273以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 17:20:25 ID:dfO7d3DU
『ラング村』
村長 シュトゥル・ラングの祖先が首都から現村付近を開拓した事により村が誕生した、首都とフィッハー港を結ぶ街道から少し外れた場所にあり、旅人の憩いの村でもある。

雑兵「...」

雑兵(何でだろう、村入った途端道行く人たちに見られてる気がする...ばあちゃん載せてるの珍しいのかな)


「反乱者だ...教祖様を連れ出しに来たんだ...」

「殺すか...?」

「まだだ...」


雑兵「...?」

274以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 17:26:49 ID:dfO7d3DU
雑兵「ばあちゃん、この村静かだね」

老婆「そうですねぇ、とても良い村ですよ...誰にも邪魔されない村で...」

雑兵「...」

このばあちゃん...村に入ってから眼つきが鋭くなってきた、村の人達も大きい家に近づくにつれ...なんだろう敵意の様なものを剥き出してきた。

275以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 17:32:20 ID:dfO7d3DU
雑兵「よいしょ...ちょ、ちょっと村長さんの所に挨拶に行ってくるからばあちゃんは宿でも取って休んでてよ」

老婆「はぁい...お言葉に甘えてぇ...」ニタァ...

雑兵「...ッ」ゾクッ


雑兵「...こ、こんばんわぁ」

ッダン ッドンドンッ!! ガシャン!!

雑兵「...?!」

ア...アア バタン!!!!

276以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 17:35:41 ID:dfO7d3DU
ガチャ
ラング「いやぁすいません、家内がちょっとびっくりして鍋を...」

雑兵「い、いやこちらこそ夜分遅くに申し訳ありません...奥様怪我ありませんか?」

ラング「大丈夫ですよ、今奥で手当てしてますので...腕利きの家政婦がいるのでね」

雑兵「そ、そうですか」

ラング「それはさて置き...兵隊さん如何なさいましたか?」

277以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 17:55:59 ID:dfO7d3DU
雑兵「はい、ちょっと仕事でフィッハーの補給処へ行く途中で...夜も遅くなったのでこの村で宿泊させていただこうと思いまして...」

ラング「あぁ、そういう事ですか、お疲れ様です兵隊さん、どうぞ我が家でお休み下さい、ささっ、どうぞ」

雑兵「いやそんな..悪いですよ」

278以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 18:02:17 ID:dfO7d3DU
ラング「いえいえ、若い兵隊さんは我が王国の宝ですから...」

雑兵「で、ではお言葉に甘えて...」


雑兵「...うっ?!!?」

雑兵(な、何だこの匂い...?!汗?!いや違う...糞尿の香り...それ以上に、まさか?!)

雑兵「ラ、ラング...てめぇ」

ラング「...っ」ドスッ

雑兵「うっ...ぐ」バタ...

279以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 19:33:02 ID:hiyxoSP2
ラング「一人で兵隊を捕まえて来るなんですごいね」

老婆「他愛ないですよ、無法者共なんてこんなもんです」

ラング「十分休んで、また異端者狩りをお願いしますね、教祖様の祝福を...」

老婆「はい...教祖様の仰せのままに...」
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280以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 22:17:21 ID:hiyxoSP2
ラング「一人で兵隊を捕まえて来るなんですごいですね」

老婆「他愛ないですよ、無法者共の扱いにはなれておりますから」

ラング「十分休んで、また異端者狩りをお願いしますね、貴方に教祖様の祝福を...」

老婆「はい...全ては教祖様の仰せのままに...」
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281以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 22:25:58 ID:hiyxoSP2
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?「兵隊を捕まえたか...でかしたぞラング、我が教団の活動を邪魔される前に人質を取れば常に先手を打てる」

ラング「はっ、その兵隊を捕まえたのは老婆で御座います...お褒めの言葉はアイツに...」

?「ふむ、分かった...して兵隊はいまどこへ?」

ラング「はっ、例の部屋へ...」

?「例の...あぁ『身籠部屋』か、そこへ置いてどうするつもりなのだ」

282以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 22:27:36 ID:hiyxoSP2
ラング「はっ、少々ばかり王国へ罠を仕掛けようと思い...」

?「罠...っふ、何を考えているか分かったぞ...恐ろしい奴だ」
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283以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 22:38:14 ID:hiyxoSP2
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「特別警務隊!人員50名!編成完結!」

「特別騎馬隊!人員60名編成完結!」

「混成騎士団 総員100名集合完了!」

女騎士「休ませ」

「「「休め!」」」

女騎士「みな、先日のフィッハー港への遠征から帰還して、またすぐに出発させる羽目になって本当に申し訳なく思う、皆も既に聞いたと思うが、フィッハー地方でのさばっている宗教団体が遂に我々に牙を剥いた」

284以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 22:43:23 ID:hiyxoSP2
女騎士「既に混成騎士団や警務隊から何名かの諜報員を差し出して来たが...皆連絡が取れなくなっている事態になったのは私の責任だ、本作戦は宗教団体の信者達に捕まった諜報員の救出を主たる任務とする、しかし作戦遂行中に信者から攻撃を受けた場合はいかなる措置をもってしても脅威を排除せよ、必ずみんな生きて帰るぞ、以上」

「作戦本部長に対し敬礼」

「かしらー!なか!」
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285以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 22:50:30 ID:hiyxoSP2
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雑兵「っ...うっ...」

雑兵「こ、ここは...?」

頭がガンガン痛む...周りは真っ暗、手足は縛られてないのが幸いだが...ダルすぎて動かすのもままならない。
だんだん頭が回り出し各感覚が正常になりだした...
雑兵「っうぶっ!?んだこの臭い...!?」

何かの腐臭、排泄物のアンモニア臭に

286以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/03(日) 22:52:58 ID:hiyxoSP2
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雑兵「っ...うっ...」

雑兵「こ、ここは...?」

頭がガンガン痛む...周りは真っ暗、手足は縛られてないのが幸いだが...ダルすぎて動かすのもままならない。
だんだん頭が回り出し各感覚が正常になりだした...
雑兵「っうぶっ!?んだこの臭い...!?」

何かの腐臭、アンモニア臭に混じって大便に似た匂い...言葉にするのもはばかられるくらい不快な臭いが充満していた。

雑兵「ん、んだよ...肥溜めに捨てられたのか...?」


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