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善子「夜桜と白の堕天使」梨子「リトルデーモンの答え」

1 ◆32r/eU7DO2:2018/03/11(日) 16:31:15 ID:GBHNzwh.


善子「ここは…… 」


目が覚めると、まるで光の中にでもいるような、真っ白な空間の中にいた。
地平線は見えないし、どこが壁なのかも分からない。

床は……あ、さわれる。フローリングの床みたいにひんやりしてる。


「ゲームの世界に行ってみませんか? 」「夢世界を旅してお姫さまを救え」なんていう言葉、嘘じゃなかったのかも。


善子「ってか、なんでこの格好なのよ!! 」

なぜか、愛用しているサメの形をした寝袋を着ていた。


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259 ◆32r/eU7DO2:2018/11/15(木) 01:25:56 ID:YAHNZS5Q

梨子 ( よし、沢山勉強してきた成果を見せる時! )

梨子 ( でもいきなり天使とか悪魔の話すると、唐突すぎて変よね )

梨子 ( よっちゃんがそういう話をしてきた時に、良い感じに返せばいいかな )

梨子 ( じゃあまずは、そういうの以外から……えーっと )


梨子「あ、占い! 」

善子「!! 」

梨子「この前に二人で話した時に、よっちゃん私のこと占ってくれるって言ってたよね」

善子「え、えぇそうね」

善子 ( ヤバい……二人の今後とか聞かないでねマジで頼むわよ神様仏様ヨハネ様〜〜! )


梨子 ( これから恋愛モノ見に行くんだし、そういうムードにした方がいいよね )

梨子 ( よっちゃんとは、恋人になりたいから……そういう雰囲気にするのは大事!! )

260 ◆32r/eU7DO2:2018/11/15(木) 01:26:49 ID:YAHNZS5Q

梨子「その……よっちゃんと私って、相性どうかな」


善子 ( ウソでしょ、マジ!? )

梨子「あ、別にその、えっと」

梨子「これからそういう映画見に行くじゃない? もし私たちが登場人物だったら、どうなるのかなぁって」

善子「それは、えーっとつまり、二人の今後みたいな? 」

梨子「え、えぇ、まぁその、もしもね、もしも! 」


手遊びするリリー、多分結果を期待してるけど不安なんだ。


善子「それなら、もう占ってあるわよ」

善子「二人の未来は青空! 太陽のように眩しい結末が待ってるわ」

善子「私の占いは外れないわよ、安心しなさい! 」ドヤァ

梨子「良かった……!! 」

261 ◆32r/eU7DO2:2018/11/15(木) 01:27:32 ID:YAHNZS5Q






嘘をついた。






.

262 ◆32r/eU7DO2:2018/11/15(木) 01:28:21 ID:YAHNZS5Q

善子「あ、ごめん……急なんだけど、ちょっとトイレしてくるね」スッ

梨子「うん、ここで待ってるね」

善子「すぐ戻ってくる」



個室の中で、沢山泣いた。

涙が、止まらない。


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263 ◆32r/eU7DO2:2018/11/15(木) 01:28:52 ID:YAHNZS5Q
今回はここまでです

264以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/17(土) 03:53:13 ID:WODAqF/k
lcll ;.- ;ll 切ないですわ

265 ◆32r/eU7DO2:2018/12/12(水) 00:12:11 ID:poWg5mIk

『上映中』


俳優「あぁ、綺麗な夜空だね」

女優「ひとつ、ふたつ、流れ星が沢山見える」

俳優「僕達も、あの星々のように輝かない? 」

俳優「二人で」

女優「素敵……!! 」

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俳優「俺は毎日仕事で忙しいんだよ、帰ったら早く寝たいんだ! 」

女優「私だって疲れてるわ! 」

俳優「じゃあ早く寝ればいいだろ!? 」

女優「そういう言い方無いでしょ!! 」

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266 ◆32r/eU7DO2:2018/12/12(水) 00:13:40 ID:poWg5mIk

俳優「別れてからもう五年か……」

俳優「どうして素直になれなかったんだ……」

女優「あの時もっと優しく声をかけていたなら……」

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それから25年が経った。

俳優「1人で花見に来るのも、悪くは無いかな」

俳優「今夜は満月かぁ、散っていく桜との画が綺麗だな」

俳優「……あれ、もしかしてアイツじゃないか? 」

俳優「はぁ……はぁ……」タッタッタッ

女優「なんでここに……!! 」

俳優「ごめん! 」

俳優「ずっと謝りたかった、ごめん!! 」

女優「ううん、あたしの方こそごめん」

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267 ◆32r/eU7DO2:2018/12/12(水) 00:14:30 ID:poWg5mIk

女優「綺麗な夜桜……!! 」

俳優「あっ、あれ見て! 流れ星! 」

女優「流れ星……!! 」

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映画は流れ星と夜桜、そして満月をバックに、二人のキスシーンで幕を閉じた。

……

268 ◆32r/eU7DO2:2018/12/12(水) 00:15:23 ID:poWg5mIk

映画を観終えた。また涙が溢れ出てくる。

映画の影響で泣いたのか、梨子との将来が不安で泣いたのか、よく分からない。

でも今は映画のせいで泣いたってことにしよう。


善子「綺麗だったわね、流れ星」

梨子「うん、月も桜も綺麗だった」

善子「……」

梨子「……」

269 ◆32r/eU7DO2:2018/12/12(水) 00:16:58 ID:poWg5mIk
梨子「次はどこ行こっか」

善子「あ、えっと……」

善子 ( ……あれ、行くところ事前に考えたはずなのに、どこだったっけ? )

善子 ( ダメだ……早く思い出さないと…… )

梨子 ( よっちゃん…… )


その日のデートは、あまり話が弾まなかった。


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270 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:26:21 ID:wB6FVKSU

翌日、練習帰りのバス車内


曜「今日も練習疲れたねー」

善子「うん、そうね」

曜「そういえばさ、最近テレビでやってた……」

善子「……」

曜「大丈夫? 」

善子「……えっ」

善子「あーごめん!ちょっと魔界の眷属達と通信してた」

曜「そっか……」

曜「私で良ければ話聞くからさ、無理しないでね」

善子「うん」

善子 ( 曜にだったら、話しても良いかもしれない、リリーとの事 )

善子 ( 梨子と学年同じだし、千歌はリリーと近すぎるからリリーに相談内容バレるかもしれないし…… )

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271 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:27:36 ID:wB6FVKSU

また別の日、練習が終わってから、私は曜を呼んだ。


【教室】

曜「二人きりだね」

曜「もしかして告白!? 」

善子「違うわよ」

曜「あははー、だよね、分かってたよ」


善子「あのさ、相談があるんだけど」

善子「ほら、前にバスで言ってくれたでしょ? 」

曜「うん」

272 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:31:11 ID:wB6FVKSU


善子「その……梨子の最近の様子ってどんな感じ? 」

曜「あー……」

曜「最近はあんまり喋らないかも」

曜「悩んでるのかなと思ったんだけど、何も言ってくれなくて……」

曜「だから理由はよく分かんないんだ」

善子「そう……」

曜「もしかして梨子ちゃんと何かあったの? 」

善子「んー、まぁちょっとね」

273 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:33:02 ID:wB6FVKSU


善子「その……梨子の最近の様子ってどんな感じ? 」

曜「あー……」

曜「最近はあんまり喋らないかも」

曜「悩んでるのかなと思ったんだけど、何も言ってくれなくて……」

曜「だから理由はよく分かんないんだ」

善子「そう……」

曜「もしかして梨子ちゃんと何かあったの? 」

善子「んー、まぁちょっとね」

274 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:35:29 ID:wB6FVKSU

曜「梨子ちゃんへの愛があれば大丈夫、大丈夫だよ」

曜「梨子ちゃんのことが好きなら、真っ直ぐ好きって伝えれば良いと思う! 」

善子「……そうね」

善子「って、今なんて言った!? 」

曜「あっ」

275 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:37:21 ID:wB6FVKSU

善子「もしかして、私が梨子のこと好きなの知ってた!? 」

曜「……」

曜「うん」

曜「他のみんなも知ってるよ」

善子「え、マジ? 」

曜「マジ」

善子「……/// 」

曜「私も含めて皆、影ながら二人を応援してたんだよ」

善子「は、恥ずかしい!! 」

276 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:39:59 ID:wB6FVKSU

その頃、教室の外では


梨子 ( あ……善子ちゃんと、曜ちゃん……? )


梨子 ( 二人で何を話しているんだろう )

梨子 ( 練習後に二人きりって、余程特別なお話なんだよね、多分 )

梨子 ( 善子ちゃんが顔を赤らめて……曜ちゃんは笑顔…… )

梨子 ( もしかして、もしかするのかな )

277 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:41:05 ID:wB6FVKSU

梨子 ( 前のデート、私、ダメダメだったもんね )

梨子 ( もしかして善子ちゃん、私より曜ちゃんのことが好きだったりして )

梨子 ( 最近、善子ちゃんから軽く無視されてる気がするし )

梨子 ( やっぱり私じゃダメなのかな……善子ちゃんを、幸せに、出来ないのかな…… )

梨子 ( 泣いちゃダメだよ、二人にバレちゃう……うぅ…… )

梨子 ( もし善子ちゃんが、曜ちゃんのこと好きなら、じゃ……邪魔しちゃいけないよね )

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278 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:42:55 ID:wB6FVKSU

【梨子の家】


梨子「転校する前に、音ノ木坂の友達が話してた気がする」

梨子「恋心を諦める時は、新しい恋を始めた方が良いって」

梨子「私も、新しい恋を始めた方が良いのかな」

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279 ◆32r/eU7DO2:2018/12/22(土) 23:45:57 ID:wB6FVKSU
今回はここまでです

280以下、名無しが深夜にお送りします:2018/12/23(日) 03:20:30 ID:DrrkzLdY
待ってました🐺

281 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:07:29 ID:05AK/eUE

それから数ヶ月後、夏祭り当日


千歌「みんな金魚すくいやったー? 」

花丸「マルは9匹取ったよ」

曜「えっ、すごい!! 」

ルビィ「花丸ちゃんにそんな特技があったなんて、ルビィびっくりだよ! 」

花丸「えへへ」

千歌「私は1匹も取れなかった……」

千歌「あれ、でも花丸ちゃん取った金魚は? 」

花丸「返したずら」

282 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:08:37 ID:05AK/eUE

曜「ねぇ、ちょっといい? 三年生は? 」

千歌「それならあそこに……」

千歌「あれ、いない!? 」

ルビィ「お姉ちゃん達なら、善子ちゃん達と一緒に射的しに行ったよ」

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283 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:09:41 ID:05AK/eUE

果南「……」

パァン!


鞠莉「果南、また腕上げたんじゃない? 」

ダイヤ「幼い頃から上手かったですけど、何か練習とかしてましたの? 」

果南「お父さんが射的上手くてさ、一緒に練習してたんだ」

果南「射的、カッコよくて憧れてたから」

鞠莉「なるほどねぇ〜」

284 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:10:38 ID:05AK/eUE

鞠莉「今は何を狙ってるの? 」


果南「ぬいぐるみ」


鞠莉「……」ニヤッ

ダイヤ「ふふ」

果南「ん、どうかした? 」

ダイヤ「なんていいますか、その」

鞠莉「果南のそういうとこ可愛いなぁって、ね? 」

ダイヤ「ふふ、えぇ」

果南「……/// 」

果南「それ、どういう意味!! 」

285 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:11:33 ID:05AK/eUE

善子「三年生、盛り上がってるわね」

梨子「あ、うん……」

鞠莉「盛り上がってるわよ〜! 」ガバッ

善子「わあっ!! 」ビクッ

鞠莉「私たち、もうちょっとだけ射的やってたいから、二人は先に戻ってて! 」

善子「えぇ、分かったわ」

善子「行こ」

梨子「うん」


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286 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:12:40 ID:05AK/eUE

二人は人混みに揉まれ、川沿いへと迷い込んでしまう。

そこでは、夜空の星々とホタルが風景を彩っていた。


善子「うぅ、まさか迷ってしまうとは」

梨子「道、混んでたもんね、迷っちゃうのも無理ないよ」

梨子「早く皆のところに戻らないと、もう打ち上げ花火始まっちゃうよ」

梨子「善子ちゃん、戻ろ」

善子「待って」ガシッ

善子 ( こ、告白するなら今がチャンス、よね…… )ゴクリ

287 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:13:50 ID:05AK/eUE

梨子「……なに? 」

善子「えっと」



鼓動が大きくなる。



頭が真っ白になる。



善子「その……!! 」



息が詰まる。



.

288 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:14:56 ID:05AK/eUE





好き。




善子「私と、恋人になってください!! 」





静寂に、花火の音だけが響く。


.

289 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:16:07 ID:05AK/eUE


梨子「え」



善子 ( ダメだ、怖い )


善子「リリー、私のリトルデーモンにならない? 」


梨子「待って、リトルデーモンって言われても、分かんない……」

290 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:17:13 ID:05AK/eUE

善子「貴方の喉から奏でる旋律は、私の魂への鎮魂歌」

善子「貴方なら、まだ見ぬシャングリラへ連れて行ってくれると、冥界から御告があったのです!! 」

梨子「待って」

善子「リトルデーモンの中でも、リリーは特別」

善子「そう、俗に言う恋人……!! 」


梨子「待って!! 」


善子「!! 」

291 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:18:30 ID:05AK/eUE

梨子「わたし、そういうのはちょっと……今は違うっていうか……その……」

梨子「ごめんなさい!! 」

善子「えっ」


走り去る梨子の背中を追いかける気にはなれなかった。

この手は、きっと届かないと思ったから。

涙が乾くまでは、みんなの所には戻れないや。

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292 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:20:36 ID:05AK/eUE

梨子は一人、泣いていた。


梨子「どうして……どうして今になって……!! 」

梨子「善子ちゃんは曜ちゃんのことが好きなんじゃ無かったの!? 」

梨子「今の私は! 千歌ちゃんが好き! 善子ちゃんよりも! 」

梨子「いまさら告白されても、善子ちゃんを本気で愛せないよ……!! 」

梨子「私の方からもっと早く告白してれば、こんな事には……」

梨子「なんで!! なんで今!! 」

梨子「うぅ……」

293 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:21:53 ID:05AK/eUE

梨子「ごめんなさい、善子ちゃん……」

梨子「ごめんなさい……!! 」


梨子「……あれって、流れ星……だよね」


梨子「こんな私の願いでも、叶えてくれるかな」

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294 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:23:18 ID:05AK/eUE

善子「グスッ……」


善子「あ、流れ星……」

善子「神様、堕天使のわがまま、叶えてよ」



『 どうか、私のことを嫌いになってくれますように 』




.

295 ◆32r/eU7DO2:2018/12/26(水) 23:24:52 ID:05AK/eUE
今回はここまでです

296 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:12:16 ID:iYRv3IEo

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【アパレルショップ】

嫌いになって欲しい、口ではそう願っていても、梨子のことはどこか諦めきれていない。

だけど


善子「梨子、あのさ」

梨子「……」

善子「あの時は変なこと言ってごめんっていうか、なんていうか、その……」

梨子「え、いや、私の方こそ……」

善子「わがまま言ってもいい? 」

梨子「うん」


善子「あのことは、もう気にしないで欲しい! 」

297 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:13:29 ID:iYRv3IEo

善子「梨子、私と居るとあんまり笑えてないっていうか」

善子「もしかしたら夏祭りのこと、気にしてるのかなって思ってさ」

梨子「……気になるよ」

善子「やっぱりむずか」


梨子「だって、善子ちゃんの事が好きだった!! 」


善子「……! 」

298 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:15:10 ID:iYRv3IEo

善子「じゃあどうしてあの時」


梨子「曜ちゃんと善子ちゃんがずっと仲良くしてたから、私が勝手に勘違いしてしまって」

梨子「事実を確認せずに憶測だけで善子ちゃんは曜ちゃんが好きなんだと決めつけてしまった」

梨子「善子ちゃんの事は諦めようって」

梨子「他の人のことを好きになれば、この恋は忘れられると、そう思ったの」


善子「そう……そういうことだったの」

299 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:16:55 ID:iYRv3IEo

梨子「夏祭りの時には、もう他の人が好きになっていたから……だから」

梨子「善子ちゃんに嘘をつきたくはなかったの……!! 」

梨子「……ごめんなさい」


善子「謝らないで」

善子「私がもっと早く告白していたら良かった」

善子「ただそれだけの事だし、勇気が足りなかった故の結果よ」

善子「もう一度告白して、梨子とお付き合いしたいだとか、今はそういう事はいいの」

梨子「……」

300 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:18:03 ID:iYRv3IEo

善子「このゲームに入ったのだって、作詞作曲だけが目的じゃない」

善子「梨子と二人きりで話がしたかった」

善子「……」


善子「ほら、私達がギクシャクしたままだったら、Aqoursの活動にも支障でるでしょ……? 」

梨子「……うん」

善子「だから、仲直りしたくて」

善子「私も梨子のこと、しっかり諦めたいからさ」

善子「このゲームの中で、最後のデートをして、それでもう諦めるつもりだった」

301 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:18:51 ID:iYRv3IEo

善子「騙すような形になっちゃって、ごめんね」

梨子「謝ることじゃないよ」

善子「……ごめん」

善子「あ」

梨子「制服に着替えてくるね」

善子「うん」

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302 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:19:51 ID:iYRv3IEo

善子「梨子? 」

おかしい、10分くらい待っているけれど梨子が出てこない。

呼びかけても返事が無いし、だからって更衣室を勝手に開けてもいいのかな……


善子 ( えぇい焦れったい! ) シャーッ


善子 ( 誰もいない……!? )

善子 ( スンスン……何、この匂い )

善子 ( 梨子の残り香……!! )

善子 ( いやいや、ふざけてる場合じゃないわ )

善子 ( 頭がクラクラする……催眠ガス……? )フラッ

善子 ( はっ、寝ちゃダメ! ) ザッ

303 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:21:02 ID:iYRv3IEo

善子 ( 梨子はログアウトしたのかしら )

善子 ( いやいや、簡単にゲームから出られないから私たちは困ってるんだわ )

善子 ( じゃあ、考えられることは…… )


善子 ( 更衣室になんかある!! )


ポンッ!

ハンカチを創った。

304 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:22:53 ID:iYRv3IEo

善子 ( 更衣室の中には全身を写す鏡と、洋服を置く台だけ…… )

善子 ( 全身を写す鏡…… )

善子 ( そっか、この世界で私は堕天使なんだった )

改めて、折れた翼が生えてるのを見ると、なんかこう、テンションが上がる。


善子 ( ん、なんか……私の翼が風になびいてる気がする )

善子 ( 床? )

善子 ( 微妙にだけど、床に隙間がある )

305 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:23:40 ID:iYRv3IEo

善子 ( じゃあ可能性があるなら、こう )


善子 ( 梨子が着替えている時に催眠ガスが放出、梨子は眠ってしまう )

善子 ( 床が何らかのキッカケで開き、梨子は下へと落とされた )


善子 ( 流石に妄想が過ぎるかしら…… )

善子 ( いや、可能性があるなら確かめる! )


ポンッ!

バールが現れた。

306 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:24:28 ID:iYRv3IEo

ガンッ!

善子「テコの原理ィィィィィィィ!! 」ググググ


少し床が開く。ひんやりとした風が、下から吹いてくる。


善子「やっぱり開いた! 」

善子「ぬぬぬぬぬぬぬ!! 」ググググ

善子「開けェェェェェェェェェ!! 」ググググ

ガコッ!!


苦戦の末、何とか床を開けることが出来た。

307 ◆32r/eU7DO2:2019/01/23(水) 20:25:20 ID:iYRv3IEo


善子 ( 待っててね、梨子 )


善子「ヨハネ……」




善子「堕天!! 」ピョンッ




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

308以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/23(水) 21:37:45 ID:9HWS6cws
続ききた!


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