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少女「私を忘れないで」

995以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/20(水) 23:02:46 ID:xJEh8Rbw
先生「それじゃあ、自己紹介をしてくれるかな」

女「はい」

女「……あの、初めまして。わたしは女と言います」

女「わたしは心臓の病気でずっと休学をしていたのですが、難しい手術が成功して学校に通うことが出来るようになりました。だけど、今も薬を飲み続けなければならなくて、生活面でも気を付けなければならないことがたくさんあります」

女「そのことで迷惑を掛けてしまうことがあるかもしれませんけど、わたしはみんなと一緒に卒業できるように頑張りたいと思っています。2歳年上だけど先輩ではなくて同級生なので、気軽に話しかけてもらえたらうれしいです」

女「そんなわたしですが、これからよろしくお願いします」


自己紹介が終わり、教室を見渡した。
少し戸惑っている表情の人が多いけれど、伝えたいことは言ったので、わたしから歩み寄る努力をすれば大丈夫だ。


先生「女さん、ありがとう。あそこの空いている席に座ってください」

女「分かりました」

996以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/20(水) 23:03:17 ID:xJEh8Rbw
わたしはこっそりとスマホを操作している友くんの脇を抜け、一番後ろにある自分の席に向かう。
もしかして、友香さんにメッセージを送っているのかなあ。
そんな事を考えつつ含み笑いをしていると、わたしの席のひとつ前に座っている女子生徒と目が合った。
しかも、その隣に座っている男子生徒も同じようにわたしを見ているようだ。

まだどんな人か知らないけれど、通りすがりに軽く会釈をして席に着く。
そして、教室の外に目を向けた。
どこまでも広がっている、夏の青空と住宅街から感じる人々の営み。
2年前と変わらない光景がそこにはあり、帰ってきたんだという実感が込み上げてきた。

わたしは今、たくさんの希望を感じて心が弾んでいる。
わたしの人生が今、ここから未来に向かって動き始めるんだ!


女「ふふっ、ただいま♪」


この気持ちを大切にしたくて、わたしはそっと声に出す。
するとそれを聞かれてしまったらしく、さっきの二人が困惑した表情を向けてきた。
そんな二人に、わたしは笑って誤魔化した。

997以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/20(水) 23:03:54 ID:xJEh8Rbw
少女「私を忘れないで」
―おわり―

998以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/20(水) 23:13:05 ID:xJEh8Rbw
ここまで読んでくださってありがとうございました!
機会があれば、またよろしくお願いします

こちらは過去に書いたSSです
http://binchan03.blog.fc2.com/

999以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/21(木) 08:17:01 ID:pfchqdnA
おつです
エッチなアプリの人だったんですね
過去作もほとんど読んでました
次回作楽しみにしてます


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