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少女「私を忘れないで」
993
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/20(水) 23:01:44 ID:xJEh8Rbw
廊下を歩き、わたしの教室に向かう。
そこは休学をする前に使っていた教室だった。
きっと、わたしの不安が軽くなるように校長先生が配慮してくれたのだと思う。
そう考えると、とても幸せだなと感じた。
もう大丈夫。
わたしは立ち止まったりしない。
その表情に気付いたのか、先生がわたしに目配せをして教室のドアを開けた。
まずは先生だけが入り、今日から戻ってくる生徒がいることを話す。
そして教室に入ってくるように促され、わたしは新しい世界に一歩を踏み出した。
女「ええっ!」
教室に入ってすぐ、知っている人がいたので思わず声が出てしまった。
彼もわたしの顔を見て、驚いた表情をしている。
まさか友くんが同じクラスだったなんて、これってもしかして運命の出会いだったりするの?!
994
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/20(水) 23:02:15 ID:xJEh8Rbw
友くんは今年の3月に病室に現れた不審人物のひとり。
それから4月に退院して、夏休みに夏を感じたくて水着売り場に行ったときに偶然出会った人だ。
そのときに驚いたのは、わたしが心臓移植をしたことを知っていたことだ。
彼は霊感が強いらしくて、そういったものを感じることが出来るらしい。
そして彼には友香さんという看護師志望の彼女がいて、二人が水着を買ったあとにしばらく3人で話をすることになった。
その日は聞かなかったけど、いや、これからも聞くつもりはないんだけど……。
友香さんの雰囲気から察して、少女さんという人がわたしのドナーさんなのかもしれない。
そう考えると少し気まずいけれど、この二人との出会いはきっと偶然ではない何かがあるのだと思う。
先生「女さん、こっちに」
女「あっ、はい」
わたしは友くんに軽く手を振って、先生の隣に移動した。
みんなからの視線を感じる。
だけど、知っている人がいるのは心強い。
995
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/20(水) 23:02:46 ID:xJEh8Rbw
先生「それじゃあ、自己紹介をしてくれるかな」
女「はい」
女「……あの、初めまして。わたしは女と言います」
女「わたしは心臓の病気でずっと休学をしていたのですが、難しい手術が成功して学校に通うことが出来るようになりました。だけど、今も薬を飲み続けなければならなくて、生活面でも気を付けなければならないことがたくさんあります」
女「そのことで迷惑を掛けてしまうことがあるかもしれませんけど、わたしはみんなと一緒に卒業できるように頑張りたいと思っています。2歳年上だけど先輩ではなくて同級生なので、気軽に話しかけてもらえたらうれしいです」
女「そんなわたしですが、これからよろしくお願いします」
自己紹介が終わり、教室を見渡した。
少し戸惑っている表情の人が多いけれど、伝えたいことは言ったので、わたしから歩み寄る努力をすれば大丈夫だ。
先生「女さん、ありがとう。あそこの空いている席に座ってください」
女「分かりました」
996
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/20(水) 23:03:17 ID:xJEh8Rbw
わたしはこっそりとスマホを操作している友くんの脇を抜け、一番後ろにある自分の席に向かう。
もしかして、友香さんにメッセージを送っているのかなあ。
そんな事を考えつつ含み笑いをしていると、わたしの席のひとつ前に座っている女子生徒と目が合った。
しかも、その隣に座っている男子生徒も同じようにわたしを見ているようだ。
まだどんな人か知らないけれど、通りすがりに軽く会釈をして席に着く。
そして、教室の外に目を向けた。
どこまでも広がっている、夏の青空と住宅街から感じる人々の営み。
2年前と変わらない光景がそこにはあり、帰ってきたんだという実感が込み上げてきた。
わたしは今、たくさんの希望を感じて心が弾んでいる。
わたしの人生が今、ここから未来に向かって動き始めるんだ!
女「ふふっ、ただいま♪」
この気持ちを大切にしたくて、わたしはそっと声に出す。
するとそれを聞かれてしまったらしく、さっきの二人が困惑した表情を向けてきた。
そんな二人に、わたしは笑って誤魔化した。
997
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/20(水) 23:03:54 ID:xJEh8Rbw
少女「私を忘れないで」
―おわり―
998
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/20(水) 23:13:05 ID:xJEh8Rbw
ここまで読んでくださってありがとうございました!
機会があれば、またよろしくお願いします
こちらは過去に書いたSSです
http://binchan03.blog.fc2.com/
999
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/21(木) 08:17:01 ID:pfchqdnA
おつです
エッチなアプリの人だったんですね
過去作もほとんど読んでました
次回作楽しみにしてます
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