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日本兵「例えこの身が朽ちようとも」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/22(日) 00:21:14 ID:9j.FBguY
レイテ島 沖
ゴン... ゴン...
大隊長「うーん...これはまたエライ霧ですね...」
航海士「はぁ、何度もこの海域を通ってますがこんな濃霧は初めてですよ、
その上通信機器の故障ときたモンだ」
大隊長「通信機の故障は結構痛手ですね、後続の輸送船は何とか着いて来れてますが...」
航海士「護衛の駆逐艦と巡洋艦に連絡が取れない限り、我々はいい射的の的ですからな...」
ゴン... ゴン...
大隊長「さっきから両舷から何かぶつかる音がしていますが...流木ですかね?」
航海士「はぁ、船員と船長が視察に行ってますからもうじき分かると思うのですがね、
まぁもっとも、ここいらの海域で沈められた味方の艦の残骸でしょう」
大隊長「ほぉ…無事にレイテまで着けるといいのですが...」
105
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:11:54 ID:/OTVlMGc
中尉「よし、一緒に司令部へ来い、大将さんにお前の事を話すんだ」
米兵「はい...行きます」
中尉「よし...」
_
__
106
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:13:04 ID:/OTVlMGc
__
_
『カミンボ海域』
「駄目です、オアフにもポートモレスビーにも連絡してみましたが...通じません」
「そうか...何か動きがあるまで続けろ」
「了解」バタン...
ブゥゥゥン!! ブゥゥゥン!!
「おっと…まーたホークの奴か…」
107
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:13:51 ID:/OTVlMGc
『リスカム・ベイ』飛行甲板
ブルルルルルルッッッ...
整備士「ホーク少尉!!また飛ぶんです?!」
ホーク「あぁ、海図と母艦の位置が合わないんじゃ飛んで確かめるしかないからね!!」
ブルンッ!! ブルンッ!!
整備士「お気を着けて!」
ホーク「あぁ!!」
ヴウウウウウウウウウウッッ!!!! ブウウウン...
「どうせ位置なんか分かりっこねえさ」
整備士「はは...航空機の燃料の燃料も無限にあるわけじゃないからいい加減飛ぶのは控えて欲しいな…」
108
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:15:10 ID:/OTVlMGc
ゼラバンカ王国上空
ホーク(やはりどこの海図にも載ってない地形...ニューギニアでもないしフィリピンでもない...我々が見た事も無い島、いや...島と言うより大陸だな)
ホーク(高度を下げて海岸線を飛んでみるか)
ブウウウウウン.....
109
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:15:54 ID:/OTVlMGc
日本兵「おーおーアメ公の物が沢山流れて着てやがる」
女騎士「前に攻撃してきた奴らか...どうする?」
日本兵「う〜ん...ほっとく訳にもイカンしな、病気とか怖いし」
女騎士「そうだな」
ブウウウウウウン...
女騎士「ん?何だこの音...?」
日本兵「いやーな音だな...こりゃ」
ブウウウンッッッ!!!!!
日本兵「ア、アメ公!!!?」
110
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:16:50 ID:/OTVlMGc
ブウウウウウウンッ...
ホーク(ん?あれは...日本軍兵士か?ならば中国大陸...いや...んん?!)
ブウウンッッ
ホーク「...中世騎士の...鎧?」
ブウンッ!!
111
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:17:22 ID:/OTVlMGc
日本兵「ヤベェ...敵さんの飛行機が...」ガクガク
女騎士「いっ今のは?!空を飛んでたぞ?!凄い速さで!?」
日本兵「米兵のお仲間さ...また来た!!」
ブウウウウンッッ!!!!!
112
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:17:52 ID:/OTVlMGc
ブウウンンッッ
ホーク「ありえない...」
ブウウンッッ...
日本兵「...ふう」
女騎士「お前は一体どんな国と戦争していたんだ...?」
日本兵「あぁ?さぁな、多分化け者じゃねえか?」
女騎士「はぁ...怖かった...」
113
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:19:25 ID:/OTVlMGc
__
_
『リスカム・ベイ』 司令室
ウィルトジー「...終わりか?」
ホーク「はい」
ウィルトジー「...中世の騎士...ねぇ、中国大陸だったとしたらそこに住むブルジョアの変態趣味じゃないか?」
ホーク「であるならば良いのですが」
ウィルトジー「だが、まさかとは思うが...君にこの情報を喋るのは初めてだったかな」
ホーク「?」
ウィルトジー「ココ最近太平洋方面で、艦船の行方不明が相次いでいるんだ」
ホーク「...潜水艦で沈没させられたのでは」
ウィルトジー「俺も最初はそう思ったよ、詳細はこうだ『突如深い霧が現れ、船団を包み込んだと思うと輸送艦が何隻か姿を消した』だ」
ホーク「...」
ウィルトジー「そして、俺らも霧に呑み込まれ…現在地不明、行方不明艦の一隻になったんじゃないかってのが俺の考えだ」
114
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:20:17 ID:/OTVlMGc
ホーク「そんな...有り得ない」
ウィルトジー「まぁ有り得んって思うよな...普通は」
ホーク「だったら」
ウィルトジー「その中世の騎士様も...変態趣味であれば良いが、もしかしたら、俺らはそう言う世界へ着ちまったのかもしれん」
ホーク「ではあの日本兵は...」
ウィルトジー「そいつも同類かもな、一人で流されたか、部隊が丸ごと流されてきたか...それを解明させるぞ、いいな」
ホーク「了解」
_
__
115
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:21:33 ID:/OTVlMGc
__
_
日本兵「...ッチ」
日本兵(駆逐艦まで来てんだから...敵さんの空母もいるわなぁ...)
日本兵「それが一つか二つか...まぁ分かったって俺に勝ち目はねえが...どうやって過ごすか...移動するしかねえかな...」ブツブツ
エルフ「なに独り言言ってるんだ?」
日本兵「あ...あぁ、ちょっとのっぴきならねえ事態になっちまってさ...」
エルフ「例のヒコウキって奴か?」
日本兵「あぁ、味方のなら良いんだが、敵の航空機でなぁ...どうしよ」
エルフ「お前が怯えるなんて...そんなに強いのか?」
日本兵「怯えるなんてって、俺を何だと思ってんだ...ただの歩兵だぞ」
エルフ「だ、だっていつものお前は強いから...」
日本兵「...」
116
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:22:12 ID:/OTVlMGc
日本兵「...いや...大丈夫だ、心配ねえよ」
エルフ「ッホ、ホントか?」
日本兵(アイツらの目的は...おそらく我が軍の部隊の有無...こいつらに直接影響は無い筈...俺が居なければ、だが...)
日本兵「移動するしかねえか...」
エルフ「え?」
日本兵「いいか、女騎士達に伝えてくれ」
エルフ「...?」
日本兵「あのヒコウキは俺が居なければお前達に危害は加えない、だから俺はこれから移動する」
エルフ「い、移動って...どこへ?」
117
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:23:41 ID:/OTVlMGc
日本兵「どこへでもだ、この国に危害が加わらないトコ」ガサゴソ
エルフ「え…いきなり過ぎるだろ」
日本兵「伝言伝えたいんだが、エルフから頼めるか?」
エルフ「なぁ考え直せ、殿下も陛下も日本兵の事を大層気に入っておられる...」
日本兵「それは嬉しいが...この国に危害が加えられては遅い」ガサゴソ
エルフ「...勝手すぎるぞ...」
日本兵「...」
エルフ「いきなり現れていきなり消えるのか...?」
日本兵「いいだろ、俺は別にこの国に思い入れはねえし」
女騎士「...どこへ行こうと言うんだ?」
日本兵「うおっ...」
118
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:26:38 ID:/OTVlMGc
女騎士「話は大体聞いた、あのヒコウキがこの国を攻撃するかも知れないから...か」
日本兵「そこを聞いていたなら安心だ、じゃぁな」
女騎士「...行くのか...」
日本兵「あぁ行く」
女騎士「逃げるのか...?私達を置いて」
日本兵「あぁ逃げるね、あの飛行機にやられたくねぇんだ、俺がいなけりゃあいつらも手は出さねぇ」
女騎士「もし戦争をふっかけられたら…」
日本兵「米兵のいた国だぞ?大丈夫だろ」
女騎士「あいつらは知らんがお前は信用できる、お前の国は知らないが...お前は信用できるんだ」
日本兵「おい、その安易に信用する癖はどうにかした方がいいぞ、悪い癖だ」
女騎士「...ッ」パアンッッ!!!
日本兵「ッツ...ってぇなぁ…!」
119
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:27:11 ID:/OTVlMGc
日本兵「...じゃぁな」
女騎士「...ッフグゥ...ウグッ...ヒッグ...」
日本兵「...」ッザッザッザ
_
__
120
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 01:44:09 ID:/OTVlMGc
__
_
日本兵「っはぁ…っはぁ…ここの山傾斜きっつ!」
日本兵「…」チラッ
日本兵「結構離れたな…一休みすっか…」
日本兵(女騎士…なんで泣いてたんだろう、そこまで深い間になった覚えは無い…この国に必要?ポッと出の俺が必要ってんなら多分俺じゃなくても平気な奴だ)
日本兵「…あークッソ…行くか」
日本兵「山を越えたら大休止だ…っと」
121
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 23:15:21 ID:v4gCH8Vs
数時間後…
日本兵「っはぁ……頂上だ…」
日本兵「今日はここで野営だな…ちょっち風強いが…もう無理、動けん」
日本兵「…城下町があんな遠くになぁ、よく歩いたもんだな…っと…?」
ザッ....ザッ... ウウッ...
日本兵「…」ッサ
日本兵(…)
兵長「あと少しで頂上じゃあ…!気張れぇ…!」
「っはぁっはぁ…」
日本兵(み、味方…?)
日本兵「お、おい」
兵長「え…もう味方が…?」
「み、味方でありますか…?」
日本兵「おまえら…ガリッガリに痩せてっが…どこの部隊だ?」
122
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/09(火) 23:24:50 ID:v4gCH8Vs
兵長「は、はぁ…?歩兵第144連隊所属 山砲中隊の第2小隊であります…ご、伍長殿は…どちらの?」
日本兵「歩144…南海支隊か?」
兵長「は、はぁ?伍長殿も144連隊じゃ…」
日本兵「俺の所属部隊はレイテに運ばれる途中に沈められちまった…」
兵長「レ、レイテでありますか?では生き残っているのは…」
日本兵「俺だけさ…で、お前ら無事にサワラケットを越えられたように見えるが…何か気付かないか?」
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/11(木) 10:05:35 ID:6E.SAmF.
兵長「…可笑しいとは思いました、ついさっきまで山砲中隊は寒風吹き荒ぶ山を越えていたのですが…」
日本兵「霧が晴れたらお前らだけだったと…」
兵長「はい、中隊長も小隊長もどこかに消えて…滑落したのではと思ったのですが…」
上等兵「他の中隊も全部どこかに行ったんですよ、元からいなかったように」
日本兵「…分かった、兵長以上の階級を持つ者は…?」
兵長「おりません…正直どうしたらいいか…」
日本兵「ではこの中隊は自分が指揮を取る、大丈夫か?」
兵長「は、はぁ…」
上等兵「飯が食えればなんでもいいですよ…なぁ?」
「はい、もうヘトヘトだ…」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/12(金) 23:36:34 ID:NITzslPQ
日本兵「じゃあ先ずは飯だ、火起こすから薪を持って来てくれ」
「へい…」
_
__
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/12(金) 23:40:16 ID:NITzslPQ
__
_
兵長「肉なんて久しぶりに食いましたよ…」
日本兵「干し肉で悪いが、腹を膨らますには丁度いいだろ…さて、お前らに話す事がある」
上等兵「?」
日本兵「ここはもうニューギニアでは無い、別の場所だ」
兵長「…仰っている意味がよく」
日本兵「眼下に見える街の光…そこはポートモレスビーじゃないんだ」
上等「…」
兵長「変なこと言わんで下さい…ここがサワラケットじゃなくて…あの街の光がポートモレスビーじゃなきゃ我々は何の為に…」
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/13(土) 23:51:22 ID:5hmLR9Yg
日本兵「何のためかなんて聞かれても、お前らは必死こいて登った頂上はサワラケットじゃねえってことだ…残念な話だが」
兵長「…」
日本兵「はっきり言おう、お前らは別の世界にた飛ばされて来た…ここゼラバンカ王国にな」
「ゼ、ゼラバンカ王国?」
「聞いたことねぇ…」
兵長「…つまり自分たちは…仲間を見捨てて安全な場所に来てしまったと…」
日本兵「お前らは誰も見捨ててなんかいない、これだけははっきり言える、今は戦う必要はない」
127
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/13(土) 23:54:41 ID:5hmLR9Yg
兵長「戦う…必要はない…」
「上にバレたら…自分らは…どうなるのですか?」
日本兵「…分からない、軍法会議かも知れないが…今は俺もそれは考えたくない」
兵長「…自分らは何をすれば良いのですか?」
日本兵「いいか、先ず俺のこれからの行動を話す、指揮を取ると言ったが…まぁ俺の行動如何で抜けたいと思ったら抜けていい」
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/13(土) 23:57:58 ID:5hmLR9Yg
日本兵「ここにゃ多分だがアメ公の空母も来てる、昨日飛行機に追っかけられた」
兵長「く、空母?!」
日本兵「俺はあのゼラバンカ王国に恩があってな…俺が見つかっちまった事によってアメ公があの国にちょっかいかけるかも知れねぇから、最悪の事態にならねぇように昨日抜けて来たって訳だ」
兵長「あ、あの距離を一晩で?」
日本兵「ニューギニア歩いてたお前らに比べりゃみそっかすだ」
129
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/14(日) 20:34:25 ID:9RstfeqY
日本兵「
兵長「先ほど恩があると言われてましたが…そのゼラバ…?王国で伍長殿は何をなされていたのですか?」
日本兵「輸送船が沖でやられてな、砂浜で寝っ転がってたトコを助けて貰ったんだ」
「正直にわかには…」
日本兵「まぁ言いたいことはわかる、いきなり過ぎるしな…だが現実の事で、俺たちはこの世界で生きなきゃならんのだ」
兵長「行く当てなどは…」
日本兵「ないな、兎に角あの国に危害が及ばない場所とか…とにかく山を下って行くつもりだが」
兵長「下る…ですか?」
「確かに傾斜は緩くなってますが…頂上まできた自分らにこの山砲をまた…」
日本兵「大丈夫だ無理強いはさせん、兎に角いまは飯を食って休め」
130
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/19(金) 00:35:18 ID:FAliUmn.
日本兵「...」
突拍子もない話にこの山砲小隊の連中が信じきったとは到底思えない、だが指揮官のいない
統率の取れない隊の行く末は破滅以外有り得ない...山賊と化した彼らがゼラバンカ王国に命を狙われ、無駄に
命を散らしてしまうなんて事も考えられる。
だから今は彼らに指揮官が必要なのだ...
兵長「伍長殿はどちらからレイテに?」
日本兵「北シナ方面から、レイテ島に敵さんが来るって情報があったらしくてな...休暇が終わったようなもんだよ」
兵長「そうでありますか...もうレイテにまで...」
日本兵「...わかってたのか」
兵長「はい、なんの補給もない...上から出された指示で撤退すればもう敵が回りこんでいる...後手後手の現状をみて...
到底勝てる戦とは...」
131
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/03/22(金) 21:42:17 ID:DPEzSTP6
日本兵「そうか...そうだな」
兵長「しかし山砲をどうするかですね...正直、自分たちにもう一度こいつを山から下す気力は...」
日本兵「無理強いはさせないさ、今は皆無事に山を下りなければ意味がない」
_
__
132
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/06(月) 23:23:08 ID:fy5KgJQc
__
_
数週間後
ウィルトジー「この度は我が護衛空母「リスカム・ベイ」に起こし頂誠にありがとう御座います」
ラエ(デカイ...)
王子(デッカ)
ウィルトジー「ははっ、最初は驚くものです、しかし我がアメリカ合衆国にはこの船を上回る...
女騎士「この度はお招き頂き誠にありがとう、ゼラバンカ王国家臣一同を代表しお礼いたします」
ウィルトジー「...勿体無いお言葉」
ホーク(...美しい)
133
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/06(月) 23:25:04 ID:fy5KgJQc
(あちゃーホーク中尉の目に止まっちまったぜ)
(こうなりゃ俺らにはお零れも貰えやしねえな)
(陸に上がれたらいっくらでも居るぜ)
ホーク「お初にお目にかかります、ホーク・ギルバートと申します」
女騎士「ん?初めて?何時だったか君が、あのヒコウキとやらで空を飛んでいる所を見たのだが」
ホーク「ま、まさか顔を覚えられていたとは...」
女騎士「奇怪な物に乗っている奴の顔はイヤでも忘れられないものだ」
ホーク「っはは、手厳しいなぁ」
女騎士「今日はこの船の乗員の上陸許可だけですのであまり長く話は出来ませんね、また機会があれば」
ホーク「ええ、その日を楽しみに待っています」
整備員「振られましたね」
ホーク「っはは、強気な女性だったよ」
整備員「また乗員から総スカン食らいますよ?前にもプレイガール達を手篭めにして大尉から恨みを
買ったばっかでしょ」
ホーク「今回は気をつけるさ」
134
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/06(月) 23:27:21 ID:fy5KgJQc
ウィルトジー「逢引もいいがその日本軍の情報を聞いてもらわなければな」
ホーク「っす、すいません」
ウィルトジー「まだ安心はできん、彼奴らに空母をどうこう出来るとは思わんが、そうでもせんと俺もお前らも、オチオチ上陸も出来んからな」トコトコ
整備員「ははっ最後も本音ですね」
ホーク「気をつけないとね」
整備員「どうでもいい情報でしょうが」
ホーク「ん?」
整備員「カッセル少尉もあの女性を気に召している様子ですよ」
ホーク「ッゲ、カッセルもかよ...」
整備員「あの女性が勇猛な男が好きなんだったら、カッセル少尉のスカーフェイスでいちころでしょうね」
ホーク「あれ掃除用具で出来た傷だぞ?航空兵学校でフザケテ遊んでて出来た奴だぞ?」
整備員「っはっはっは、分かってますよ、でもカッセル少尉の戦績聞いたら驚くでしょうね」
ホーク「なるたけ会わせないようにするか...」
_
__
135
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/06(月) 23:29:51 ID:fy5KgJQc
__
_
『スタンレー古道』
日本兵「...」
兵長「伍長、ありゃあなんです?」
日本兵「俺もチラッと聞いただけだが...所謂奴隷商売ってやつだな」
兵長「あ、あんな...小さい子どもを...?!」
「イクラデ買ウ?奴隷イイモノソロッテル」
「まずは品定めだ、アッチ行ってろ」
「イソイデモニゲナイネ」
日本兵「奴隷の売買ねぇ...」カチャ...
日本兵(...ん?撃っていいのか?ちょっと待てちょっと待て)
カサッ
日本兵(なんで撃とうとしたんだ...撃って、後の奴隷達の始末はどうするんだ...)
136
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/06(月) 23:37:01 ID:fy5KgJQc
日本兵「...兵長、自分は今迷ってる...ここで撃って...あの奴隷商らを殺しても残った奴隷たちは...」
兵長「...貴方の性格じゃ殺すことも出来ないでしょうし、逃すことも出来ないでしょ?」
日本兵「...」
兵長「伍長、自分は...いや、ワシぁこう見えても卸問屋を営んでましてね...常に損得を考えるんですよ、例えば...あの大きな馬車を見てください、馬を生かしておけば山砲を引いて、尚且つ自分らも乗れる...お得じゃねぇですか」
「コドモ、異種族、イッパイハイッテル」
「ふうむ、上玉そろいだな」
兵長「それに自分らは4人...上等兵の奴なんか馬の扱いが上手でしてね、ああ見えて」
上等兵「そりゃ心外ですよ兵長」
日本兵「...みんなを信用し切れてなかったのは俺みたいだな」
兵長「直ぐにはそりゃ無理ですよ、ですが我々はあなたを今誰よりも信頼してます、あの山で救ってくれたアンタを...あの奴隷商を殺して...あの子どもらを助けるなら今じゃありませんか」
137
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/06(月) 23:44:09 ID:fy5KgJQc
日本兵「...」チラッ
子ども「...」ブルブルブル
日本兵「...」
日本兵「アーくそ、ダメだ、かたっ苦しい喋り方...めんどくせえな、みんな、すまん、この喋り方飽きた」
上等兵「やっぱ違和感ったんすよその喋り方、そうこなくっちゃ」
兵長「よし、指示を」
日本兵「一等兵、二等兵を連れて山砲を据えてくれ、おまえが背負っている砲弾は何発ある」
一等兵「やっと聞いてくれました、徹甲弾二発と、二等兵が背負ってるのに榴弾一発と榴霧弾が一発です」
二等兵「手持ちがこれしか無くて...弾薬隊もどっかいっちまって」
138
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/06(月) 23:48:10 ID:fy5KgJQc
日本兵「よし、山砲は最後の切り札だ、基本は小銃射撃で敵を殲滅する、一等兵は二等兵を連れて山砲の設置及び周囲の警戒だ、盗られても使いきれなぁとは思うが、愛する山砲が賊に使われるとか夢見悪いだろ」
一等兵「そうですね、わかってらっしゃる」
日本兵「兵長、自分とついてきてくれ、俺とアンタが主として攻撃をする、質問」
兵長「なし」
一等兵「なし」
二等兵「なし」
日本兵「...助けるぞ」
139
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/07(火) 00:20:27 ID:WqIWFo2s
日本兵(敵の数はひぃふうみぃ...6人か。誰も警戒をしてるそぶりも見せてない、武器を持ってるやつと言えば奴隷を繋いだ鎖を持ってる奴だけ...)
日本兵(兵長、おまえは手前にいる...あの毛深い...犬かな...あいつをやれ、アイツをやれば直ぐ隣)
兵長(あの喋ってる犬っころとおっちゃんを殺せば良いんですね)
日本兵(俺奥で抜刀してる奴を撃つ、合図は俺の射撃命令の後すぐ、良いな?)
兵長(了解、いつでも良いですよ)
「この量の女に子ども、どこで手に入れたんだ」
獣人「村オソウ、国境ノ村ハ楽」
「危ない橋を...」
「撃てぇ!!」
140
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/07(火) 00:20:58 ID:WqIWFo2s
ッダ-ン!!
獣人「ッ...!」
バタンッ
「な?なんッダ-ン!!
「お、おい!!逃げ
カシャンッ ッタ-ン!
日本兵「...馬は無事だな」
兵長「何もかも無事でさ」
日本兵「一等兵、二等兵!山砲を町まで下ろせるか!?」
「余裕でーす!」
141
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/20(月) 14:38:32 ID:kvzQkbKA
日本兵「よし兵長と俺で砲を牽引できるようにしよう」
兵長「それもいいんですが...伍長、あの子らどうします?勿論アテなんかないでしょう」
日本兵「そうなんだよなぁ...怪しくねぇような宗教施設に預けるんが1番いいと思ったんだが」
兵長「怪しいか否かはワシらにゃ見当も尽きませんぜ」
日本兵「だよなぁ...いやしかし...戻るのも一つの手か...」
兵長「戻る...あぁ、伍長が言ってた城の事ですか...うーんケツ捲って逃げてきたのにまた迎えてくれるんですかね、話聞くだけだったら相当不利ですよ」
142
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/20(月) 21:57:59 ID:kvzQkbKA
日本兵「...しゃあねぇ、戻るか、なりふり構ってる暇はねぇな、チョットガキども集めてくるから砲の牽引は頼む
兵長「了解です、おーい一等兵!この位置まで持ってきてくれ!」
日本兵「さぁて...みんなはどこから来たのかな?」
子ども「...」ガタガタ...
日本兵(仕方がないと言えば...だな、信用できる大人がおらんもんなぁ)
日本兵「お兄さん達ね、王都へ行こうと思ってんだ、そこへ行ったら王様や王子様にお話しして、君たちを助けてあげれるんだよ、どうかな、一緒に来ない?」
子ども「...」
日本兵(しくった、何一つ信用に足る証拠もねぇのに...)
兵長「...」
一等兵「どうするんすかね」
143
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/20(月) 22:12:53 ID:kvzQkbKA
日本兵「...仕方がないな」ガサゴソ
子ども「...?」
日本兵「まだ使えるか...恥ずかしいが...」
二等兵「ありゃなんすか?」
兵長「まさか伍長...」
日本兵「二等兵、手拍子頼むは」
二等兵「?は、はい」
日本兵「さぁさぁお立ち会い、此処で会ったが何の因果か、姓はマスカワ名は○○よろしくお願いします」
子ども「??」
日本兵「此処にあるのは不思議な不思議なすだれ、歌に合わせれば勝手に形を変えてしまう魔法のすだれにございますれば、私が歌を歌いこなすだれを見事変身し続けて差し上げましょう、二等兵、手拍子」
144
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/20(月) 22:16:56 ID:kvzQkbKA
日本兵「さて、さて、アさてさてさてさてさては南京玉すだれ、チョイと伸ばせば、チョイと伸ばせば、浦島太郎さんの 魚釣る竿にさも似たり、浦島太郎さんの魚釣り竿がお目に止まればおなぐさみ、魚釣る竿がお目にとまれば元へと直す、さて、さて、アさてさてさてさて さては南京玉すだれ」
子ども「わぁ!」
子ども「凄い!」
兵長「あの人ぁ底無しだな」
一等兵「凄いですね」
145
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/27(月) 21:27:03 ID:feGXb4Z2
日本兵(あー恥ずかしかった...)
日本兵「さて、今回はネタがこれしか無いから...」
子ども「お兄ちゃん凄い!」
子ども「まだなんかあるの!?」
日本兵「ごめんよ、今回はこれっきりだ、それはそうと君達はどこから来たのかな?」
子ども「アウステン村!」
日本兵「アウステン村?ここから遠いのかな」
子ども「知らなーい」
子ども「なんか村が夕日で染まってたの!」
二等兵「夕日で...?」
兵長「...燃やされたって事だろうよ」
146
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/05(水) 21:33:17 ID:raDUMGGc
日本兵「...」
兵長「この子らをどうするか、話に聞いた王都ってぇのが近いなら...」
日本兵「そこに行くべきなんだろうな...分かったよ、行こう」
一等兵「牽引準備できました、後は出発するだけです」
日本兵「よし、出るぞ」
_
__
147
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/05(水) 21:37:18 ID:raDUMGGc
__
_
ワイワイ... ヤスイヨー!!
ホーク「ココが首都ですか...」
女騎士「はい、交易の中心地で、関税は免除されているから各地の特産品がここで買えます」
カッセル「っほお〜!!こりゃすげえ!!なあ!?」
ホーク「カッセル、やかましいぞ」
カッセル「サンディエゴよりもでけえ街だぜこりゃ!ウヒョ〜!」
ホーク「すいません、彼はちょっと単純で...」
女騎士「いえいえ」
ホーク「...誰か、遠くに居る人を考えていますね」
女騎士「え?」
ホーク「そういう顔ですよ」
148
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/05(水) 21:38:46 ID:raDUMGGc
女騎士「そうですか、そうかも知れませんね」
ホーク「...前に海岸で見かけた日本軍兵士を見かけませんが、どちらへ?」
女騎士「知りません、どこへでもと...私達に危害が加わらない場所へ行きました」
ホーク「危害...そういう事ですか、彼は我々の攻撃を恐れ...」
女騎士「それは違う、彼は勇敢だ!彼は怖い物知らずで...何時も私達を助けてくれて...」
ホーク「しかし私が初めて彼を見たときは、そうだな...何処にでもいる普通の日本兵でした、制空権を失い我々の攻撃を恐れコソコソと隠れる
何処にでもいる日本兵だ」
女騎士「...っ」
ホーク「...い、いや、この話はやめにしましょう」
カッセル「んお?例のJAPの話か?」
149
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/05(水) 21:44:10 ID:raDUMGGc
女騎士「JAP?」
ホーク「あ、いえ、こちらの話です」
カッセル「あそうだ、JAPといやあガルヴァニック作戦の時によぉタラワのJAP共を攻撃したんだ!」
ホーク「やめろカッセル」
カッセル「作戦中は俺ぁ18回程出撃したんだが、最後の攻撃は特別にナパーム弾積んでてよ!俺が投下したナパームが敵の火薬庫に引火したんだ!!」
ホーク「やめろ」
カッセル「そしたらBOOOOM!!!島を揺るがすほどの大爆発だ!!ふと見たらJAP達が天高くまで吹っ飛んでた!!面白かったぜあんときゃぁ!サルのアホ面はそうそう拝めるモンじゃねえ!!あ、そうだ!ここに居るらしい例のJAPも俺が殺してやるよ!ッハッハッハ!!!!」
女騎士「ッ...!!」
ホーク「お、おい!!いい加減にしろ!」
カッセル「なんだようっせえな...お前だって桟橋のJAPを撃ちまくってただろ...?笑いながら...」
ホーク「も、申し訳ありません姫君、不快な思いをさせてしまった」
女騎士「...私は姫君ではありません、この街は広いので迷わないように注意して下さい」ツカツカツカ
カッセル「あ、行くのか?」
女騎士「仕事がありますので」ツカツカツカ
150
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/06(木) 20:23:58 ID:pF.cuWV6
その頃
『城下町郊外』
兵長「馬車を走らせてから二日位ですが、あんな山を一から越えてたんですね」
日本兵「あーそんな高かったんだなあ...」
兵長「しかし...伍長を含めて四人...武器も」
日本兵「弾の互換性だろ、騎兵銃と俺の武器はなぁ...」
兵長「歩兵と砲兵じゃ違いますからね、参ったなぁ」
日本兵(浜辺になら...もしかしたら)
151
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/06(木) 20:28:34 ID:pF.cuWV6
日本兵「...ん?」
挺身兵「オイ重すぎだろこの重機関銃!捨てちまえよ」
機銃兵「捨てられる訳ねぇだろ、コレがなきゃ俺ぁ遂に丸腰だぜ?」
日本兵「ありゃあ...」
兵長「友軍ですね」
152
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/03(日) 22:49:36 ID:2BcoA6lU
挺身兵「あ!ちょうど良かった!」
機銃兵「伍長殿!いい馬乗ってますね!」
日本兵「重機関銃か、二人じゃ重かっただろうに」
機銃兵「そうなんですよ、よろしければ何ですけども...」
日本兵「あぁ、載せとけ載せとけ、ついでにお前らも来いよ」
挺身兵「いやぁ有難いです、飛行場に強行着陸したと思ったら濃い霧で何も見えなくて...」
153
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/06(日) 21:34:08 ID:NRbwu5GY
日本兵「飛行場に着陸って...どこの飛行場だ?」
挺身兵「沖縄の読谷飛行場ですよ、敵前に強行着陸した瞬間に霧が出てきて...」
日本兵「沖縄...そんな所にまで連合は来ているんだな...」
挺身兵「酷いもんですよ、見ただけでも3機の重爆が対空砲にやられました...信頼していた上官も戦友が乗っていた機体も...」
機銃兵「自分は豊原防衛の為、熊笹の峠でソ連を迎え撃つ用意をしてました...樺太ってとこにいた筈なんですがね」
日本兵「...やっぱ未来の日本は負け込んでるんだな...そうか、二人とも疲れただろう、荷台で休め」
挺身兵「ありがたいです」
機銃兵「やっと休める...」
154
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/06(日) 23:29:14 ID:NRbwu5GY
日本兵「...」
日本兵(沖縄、樺太、日本の目と鼻の先にまで敵が来ている、日本の戦争はどのような道を辿り、どこまで行き着くのだろうか、もっとも故郷に愛着は一つとして無いから、前途などどうでも良いのだが)
兵長「伍長も少し休んでくださいよ、先は長い」
日本兵「あぁ...ありがとう、少し休むか...」
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