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日本兵「例えこの身が朽ちようとも」

54以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/14(火) 11:59:59 ID:H71gVRVw
__
_
女騎士「と、言う事だ」

エルフ「ほう、それはまた難儀な事だな」

賢者「君の世界から別世界へ来てしまったって事か...」

日本兵「何か知っているか?」

エルフ「原因は分からないが過去にも僕らの世界...まぁ所謂「異世界」へ飛ばされた、と言っていた者は何人か見たことがある」

米兵「その人たちは...?」

エルフ「みなこの世界で亡くなったよ、普通に仕事を見つけ普通に暮らして大往生さ」

日本兵「ふ〜ん」

賢者「でも君は...見た所あまり混乱しているように見えないね、きて日が浅いのに初めて見るよその落ち着きぶり」

日本兵「んまー俺が元いた所も異世界みてえな所だったしな」

55以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/14(火) 12:07:41 ID:H71gVRVw
賢者「ふむ...申し訳ないが僕らに出来る事は無さそうだ」

日本兵(この二人明らか迷惑そうな顔してるぜ)ヒソヒソ

女騎士(お、気づいたか...この二人はこの研究室に人を入れる事を嫌うんだ...私は
入っても良いと言われているが)ヒソヒソ

日本兵(日本人舐めんなよ?空気を読むことに関しては他の国の追随をゆるさねえぜ)

女騎士(なんだそりゃ)

賢者「もういいかな?そろそろ危険な実験をするので出て欲しいのだけど...」

日本兵「実験?」

エルフ「うむ、投擲して3秒後、周辺に爆炎と金属片を散らし敵を切り裂く...と言う兵器を開発しているのだが...火薬と言う物を使用するにあたって火薬の作製に手こずってな…やっとそれらしいものが出来たところだ」

日本兵(それ手投げ弾じゃね?)ヒソヒソ

米兵(多分手榴弾の事だね...)ヒソヒソ

エルフ「ではそろそろ出てくれないかな、危険な実験だからね」

女騎士「あぁすまん、もう出るよ」

56以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 17:15:58 ID:N3pw3Saw
バタン...

米兵「ふぅ〜二人とも綺麗な人だったね」

女騎士「二人ともか」

女騎士(賢者の奴は男なんだが…黙っておこう)

日本兵「いや〜あの二人のなんで来たのみたいな空気はキツイやな」

女騎士「っつーか殿下はどこへ」

ガチャ

賢者「危ないから退室してください!」ポイ

王子「うひゃっ」

57以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 17:17:17 ID:N3pw3Saw
女騎士「何しているんですか...」

王子「えへへ...実験場って広いから好きなんだ」
バンッ…
日本兵「お、実験大成功かな?」
ガチャ モクモク...
賢者「煙しか出ないじゃないか...ゴホッゴホッ」

日本兵「おう、発煙筒の開発か?」

賢者「違う...手で投げられる爆弾の開発...ゴホッ!」

女騎士「まぁ今回はまだ被害は少ない方だ、前は城全体が煙に覆われたからな」

賢者「またやり直しだ...」

日本兵「おや、耳の長い姉さんは?」

58以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 17:19:34 ID:N3pw3Saw
賢者「ん?...あれ?!ゴホッゴホッ!!」

女騎士「まさか...中にいるんじゃ...」

米兵「った、助けなきゃ!」

日本兵「防毒面は?」

米兵「あ...ガスマスク…テントの中だ…」

日本兵「ったく、兵士たるもの一つくらい持っときなさいよ...」ガサゴソ

日本兵「入ってくる」スチャ

女騎士「うわ...禍々しい被り物だな...」

日本兵「モゴモゴモゴモゴ…」『煙吸うよかマシだ、二人はこの人を頼む。こいつ煙吸ってるぞ』

女騎士「え?なんだって?」

賢者「っぼ、僕も行...ゴホッ!」

日本兵(マスク装着中)『モゴモゴ...』ッタッタッタ

賢者「な、何言ってるのか分からない...ゴホッ」

女騎士「分からんが…日本兵がなんとかしてくれそうだな」

59以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 17:21:41 ID:N3pw3Saw
シュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ.....
日本兵『ウーイ...!』

「エホッ!!ゴホッ!!」

日本兵『...ッ』

エルフ「ゴホッ!!ゴホッ!!」

日本兵『ウイ!!』

エルフ「っだ...誰...?ゴホッ!!ウエッ!!」

日本兵『ッチ...』スチャ

エルフ「ッハア...ゴホッお、お前はさっきの…」

日本兵「おい!これ着けろ!ゴホッ!くっさ!」

エルフ「っき、君は良いのか...ゴホッ!」

日本兵「ええい!さっさつけろゴホッ!!」

エルフ「んむ?!んぐっ!?」スチャ

エルフ(ガスマスク装着中)『ッハア...ハアハア...』

日本兵「担ぐぞ!」

エルフ『アア...』

60以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 17:22:19 ID:N3pw3Saw
日本兵(早めにでねえとな…)

エルフ『ゴホッ...!』
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61以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 17:23:24 ID:N3pw3Saw
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『医療室』

エルフ「スー...スー...」

医師「今回の事故は少々危険だったぞ、あと少しでも救助が遅れていれば…」

賢者「全く持って...申し訳ない...」

王子「日本兵に感謝しないとね」

賢者「彼は...?」

女騎士「彼も少し煙を吸ったそうだ、今は寝ているよ」

賢者「そうか...」

62以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/15(水) 17:24:49 ID:N3pw3Saw

日本兵「Zzz...」


「どこの馬の骨とも分からん奴を殿下専用の医療室にだと?」

「あぁ、殿下直々の命令だ...っへ、また殿下の発作さ…困ったもんだぜ」

女騎士「陰口なら人のいないところで...兵卒の頃に隊長に教わらなかったかな?」

「っき、騎士団長?!いっ...あーっと...見回りに行ってまいります!」ッダダ

「っじ、自分も!」ダダッ

女騎士「フンッ...」

日本兵「...あまり敵を作ると味方から流れ弾が飛んでくるぞ?」

女騎士「殿下からも注意をうけたよ」

日本兵「そりゃ結構だ...」

女騎士「もう平気か?」

日本兵「あぁ、ちょっと喉がイガイガすっが…まぁ大丈夫だろ」

63以下、名無しが深夜にお送りします:2017/11/16(木) 12:33:52 ID:GZg9GDuQ
女騎士「後日お礼に行くそうだ」

日本兵「そうか...無理するなって伝えといてくれ、俺は浜に戻るから」

女騎士「あぁ」

日本兵「ゴホッ...ふう、無茶はする物ではないなぁ」
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64以下、名無しが深夜にお送りします:2018/04/01(日) 23:25:29 ID:f4MVKxbM
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『グロスター海岸』
日本兵「...」


「上陸が済んだら本部へ打電しろ」

「っへ、列強だからってお高く止まった国も俺らモルトケ特殊部隊が潜入したが最期だぜ...」

「いいか、人は見つけ次第始末せよ、軍人兵士、民間人でもだ」

「っへ、了解しました...」


日本兵(重要な作戦ならもっと目立たず動けよな…) ッタン! ッタン!

「アッ!」

「」

65以下、名無しが深夜にお送りします:2018/04/01(日) 23:27:48 ID:f4MVKxbM
日本兵「...こちらの世界に来ても...俺のする事は変わらないのか...」

「アア...アア...」

日本兵「...まぁ悪いことではねえやな?」ッパン!!

「」


賢者「...ッ」

エルフ「一体何を...?」

女騎士「また手柄を立てたな...」

日本兵「手柄ったってこんな事ガキでもできらぁ、モルトケ何とか部隊だとよ、そりゃ一体なんだ?」

66以下、名無しが深夜にお送りします:2018/04/01(日) 23:29:20 ID:f4MVKxbM
賢者「今のは一体何を?」

日本兵「小銃弾を奴らにぶち込んだのさ、それとこれ、お前らが開発していた手榴弾だ」

エルフ「ちょ、ちょっと触ってみても...」

日本兵「いいが、この麻紐外すなよ」

エルフ「あぁ...」ニギニギ

日本(ちょっと触り方いやらしくないすか)

67以下、名無しが深夜にお送りします:2018/04/01(日) 23:32:55 ID:f4MVKxbM
女騎士「モルトケ...ドライゼ第3帝國の部隊か」

賢者「ドライゼ...ちょっと厄介な事になるかもね...」

エルフ「ちょっとで済めばいいな...」

日本兵「ほぉ、因縁の相手と言う奴か?」

女騎士「我が国の敵ではない...が、相手にするとなると結構な戦費と人員を
動かさないといけなくなる...」

日本兵「どの戦争もそんな物じゃねえか?」

エルフ「周辺国はみな弱小国家が多いからな、あまり苦労はしていないさ」

日本兵「ほ〜ん」

賢者「ドライゼ帝國は兵の訓練は疎かではあるが...武器や兵器の性能は
我が国の兵器の性能を超えているんだ」

米兵「地味に脅威になる国って結構面倒だよね〜」

日本兵「あ?やるか?」

米兵「お?」

68以下、名無しが深夜にお送りします:2018/05/11(金) 08:49:38 ID:jANvUjss
続き楽しみにしてる

69以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:00:51 ID:.9xa6myQ
女騎士「喧嘩をするな、まずは国王に報告だ」

日本兵「国王って...」

女騎士「わが国の国王に決まっているだろう、ゼラバンカ王国国王 ラエ陛下、陛下もお前に興味を
持っている」

日本兵「いや...興味ったって」

女騎士「いいから行くぞ」
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70以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:03:31 ID:.9xa6myQ
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日本兵「っても礼服なんて海の底だしなぁ」

米兵「パヴヴに置いて来ちゃった...」

女騎士「大丈夫だ、ラエ陛下はそこらへんはあまり...それにそこまで
汚れてないだろう。では扉開けるぞ」

日本兵「...」

米兵「...」

女騎士「陛下!入ります!」

「どうぞ」

ガチャコンッッ ゴゴゴゴ...

日本兵(おぉ、引き戸)

71以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:06:43 ID:.9xa6myQ
ラエ「うむ、謁見の間の扉はやはり引き戸に限る」ウンウン

女騎士「何を仰られていますか、工事費用五千万を使う程の物ではありませんよ?」

ラエ「っで、でも趣があって...それに瀟洒で良いではないか?」

女騎士「よくないです」

日本兵(おい陛下ってまだ子供じゃねえか?)ヒソヒソ

米兵(お父さんの代理かな?)ヒソヒソ

女騎士「ご紹介が遅れました、この二名は昨晩申した『大日本帝国』と...君はどこから来たか聞いてなかったな」

米兵「はい、僕は『アメリカ合衆国』、生まれはアーカンソーのコンウェイと言う町です」

ラエ「大に?アメ?」アタマノナカグルグル

日本兵「あー...とても遠い所から飛ばされたと解釈して頂きたい」

ラエ「ええっと...飛ばされたと言うのは?」

女騎士「それは私が説明します」

72以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:09:17 ID:.9xa6myQ
ラエ「うむ、さっぱり分からん」

女騎士「そうだったぁ...私もまだ良く分からないのに説明なんか出来ないよ...」

日本兵「あ〜...端的に言うと、自分ら2人は別の世界から飛ばされて来た」

ラエ「ふぅむ...その手の話は賢者たちに聞いた、で...君達は同じ世界の、同じ時代の人間であるのか?」

日本兵「あぁ、互いに敵さんだがな」

米兵「と、言う事です」

ラエ「益々君達に興味が湧いてきたぞ!うん、君達は今日から騎士団の隊員だ!」

日本兵(オイどういう事だ貴様!)

女騎士(陛下に興味を持たれた以上は、逃げられんぞ)

日本兵「自転車には乗れるが馬は乗った事無いぞ」

米兵「僕はハーレー...」

ラエ「大丈夫!騎士団の中にも馬乗れない奴いるから!!」

日本兵「いやそれ大丈夫なのかよ」

女騎士「私は乗れるぞ?」

73以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:12:12 ID:.9xa6myQ
王子「姉上!やりましたね!」

ラエ「当たり前よ!こんな貴重な人材を手放す筈が無いわ!」フンヌッ

日本兵(いつの間に)

女騎士「はぁ...また黙ってこんな事を...」

ラエ「ごめんねー、でも喋ったら絶対止めるでしょ?」

女騎士「当たり前じゃないですか」


米兵「衣食住は揃ったね」ヒソヒソ

日本兵「俺は野営地の方が...」ヒソヒソ

女騎士「話はついた、あとは自由にしていいぞ」

日本兵「なぁ世界地図貸してくれないか?」

女騎士「お?いいぞ、後でテントに届けるよ」
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74以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:17:08 ID:.9xa6myQ
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日本兵(世界地図を見た所この世界はゼラバンカ王国を含め3つの列強国がある。西にドライゼ第3帝國、北にエンフィールド大帝国
だ。列強の周りに小国が多数、南にはでかい島も書いてある、その島はコクンボナ公国という国が納めている様だ)

日本兵(東の海域には大小の島々が無数にあり、とても小さな島にも王国がある様だ)

日本兵(仏さんになった彼らはドライゼ第3帝國の特殊部隊で、あのくっちゃべりようから見ると兵一人一人の練度はあまり高く無いのかも)

日本兵「うーん...今の所この国の脅威はドライゼ...奴らが持ってた武器は...石弓か」

日本兵(我が世界ではどこの弱小国でも銃はあったが...この世界は火器は無いのか)

日本兵「また地理の勉強が必要かなこりゃ...」ポリポリ


「入るぞ」

75以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:19:38 ID:.9xa6myQ
エルフ「勉強の邪魔だったかな?」

日本兵「いんや、丁度訳わかんなくなったトコだ」

エルフ「わからない?どこがだ?」

日本兵「この世界は広いなぁ、この真っ白なのは...」

エルフ「未開の地だ、その世界地図も来年には役に立たなくなるかもな」

日本兵「マジ?まぁいいか...で、どうかしたか?手榴弾は適当に持ってってイイぞ?」

エルフ「あぁ、君にお礼も兼ねて手料理を振舞おうと思ってね。調理場を借りるよ」

日本兵「え?いいのぉ?すまねぇな」

エルフ「料理は嫌いじゃないし、今の私に出来る事はこの程度のものさ」

76以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:21:41 ID:.9xa6myQ
女騎士「よ、日本兵、邪魔するぞ…お。エルフ、もう来てたのか?」

エルフ「やぁ、遅かったね」

日本兵「ん?なんか約束でもしてたのか?」

エルフ「うん、女騎士に君に夕飯を作ってあげたいと相談したんだ、それで女騎士も調理を手伝うと」

日本兵「えーいいのぉ?」

女騎士「な、なんだその喋り方は...まぁいい、私も加勢するか」

エルフ「焦げないよう混ぜててくれ」
女騎士「あぁ」


日本兵(何か…春が来た気分だなぁ)

77以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:23:51 ID:.9xa6myQ
女騎士「ん?どうした?」

エルフ「もうちょっと待ってくれ、じきに出来る」

日本兵「あ、何でもない…水汲んでくるわ」

女騎士「あぁ」

エルフ「気を付けてな」
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78以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:31:51 ID:.9xa6myQ
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日本兵「いやー…何だこの胸の鼓動は…」

日本兵(昔、近所に住んでた八百屋の姉さんに会った時と同じ感覚だなぁ…)

日本兵(ちょっと…頭冷やそう)

ビ-!!ビ--!!

『甲板にいる兵に告ぐ!砂浜にいるJAPを狩れ!!繰り返す!!』

日本兵「?!く、駆逐艦?!アメ公の?!」
ダンッ!! パァン!
ヒュンッ! シュッ!

日本兵「やっば!やっば!!」

79以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:34:54 ID:.9xa6myQ
ヒュンッ チュインッ
日本兵「イテッ...!!クッソが!!」ッタッタッタ


女騎士「っな、何だ?!何かあったのか!?」

エルフ「おい怪我しているぞ?!何が...」

日本兵「いいから逃げるんだ!!」ヒョイッ ヒョイ

女騎士「っちょ///!降ろせ///!!」
エルフ「わ、ワイルドだね...///」
ッドン! ッドン! ッドン!
日本兵「駆逐艦まで来てるとか聞いてねえぞぉ!!」 ズドンッ ッドオン!!


賢者「जादुई विस्फोट!!」

ブオンッ!ブオンッ!ブオンッ!

ドゴオオオオオンッ!!バシャーンッッ!!ドゴオオンッッ!!!

 ビーッ!!! ッビッー!!


日本兵「...」

賢者「沈んだよ、後は沖の海獣が食ってくれると思うよ」

日本兵「っす、すげえな...」

80以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 14:38:01 ID:.9xa6myQ
賢者「爆発魔法は簡単だよ、君も学んでみるかい?」

日本兵「いや…やめとく」

賢者「つれないなぁ」

日本兵「俺が俺じゃなくなるようで怖いんだよ...しかし駆逐艦の野郎しっちゃかめっちゃかに撃ちやがって…こりゃここでじゃあ
寝られんかなぁ」

女騎士「そっ、そろそろ降ろしてくれるとありがたいのだが…///」

エルフ「右に同じく///」

日本兵「おっと、すまねぇ」ヨイショ 

女騎士「ふぅ…///どうも」キリッ 

エルフ「と、とてもワイルドだったね…///」

賢者「どうやらまた命を救われたらしいね」

日本兵「いや、今回は俺が原因だ…アメ公がまだいやがったとは...」

81以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 16:13:01 ID:.9xa6myQ
エルフ「いや、私達を真っ先に助けてくれた事にはかわりないよ、ありがとう」

女騎士「あぁ、感謝するぞ」

日本兵「あぁ…」

日本兵(駆逐艦まで飛ばされてきやがったか…敵の主力艦隊が飛ばされて来た日にゃ
この国はどうなるのか…)

日本兵「今日は野宿だなぁ」

女騎士「城に来れば良いじゃないか、部屋なんてたっくさん空いてるぞ?」

日本兵「部外者を泊まらせていいのか?」

女騎士「お前はもう部外者ではない、それにわざわざテントなんか張らずにずっと城で過ごした方がイイだろう?」

日本兵「それもそうだが…天幕暮らしも好きなんでね」

日本兵「それに…前見たく間諜が上陸して来たらこの国にとっても面倒だろう?」

女騎士「まぁ...それは我々の仕事なんだが...」
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82以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 16:18:32 ID:.9xa6myQ
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『太平洋艦隊総司令部』

ニミッツ大将「...行方不明 駆逐艦1隻 輸送艦3...護衛空母もか...」

「はい、護衛空母はギルバート諸島攻略の後で行方不明となりました。気になる事は…行方不明艦は全艦通信が途絶える前に、「とても深い霧が出てきた」
と周辺の基地に打電していました」

ニミッツ「ハルゼーはなんて言ってる?」

「ハルゼー大将は「見つけ次第艦長のケツを蹴り上げる」と」

ニミッツ「つまりいつも通り…まだ戦力的には大した損害は無いが、これが続くとちょっと厄介だな」

「大統領も原因の返答を急いでおります」

ニミッツ「こちらでも原因解明に戸惑っているのに無茶を言うな」

「大統領は無傷の状態での艦の損失はありえん事なのに大将は何を...と激怒しているようで...」

ニミッツ「そりゃそうだ、ホワイトハウスの連中に指図されんでも分かる...もうちょっと待てと打電しとけ
あぁ、後大統領直通の電話の線も切っとけ」

「はっ、了解」

ニミッツ「っはぁ...ホントに切って欲しいな…」

83以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 16:20:14 ID:.9xa6myQ
ニミッツ(深い霧…か、確か噂じゃあ海兵隊の方でも行方不明の話があったな…)

ニミッツ(太平洋は広いが...すべて我々が掌握済みだ)

ニミッツ「これは…真珠湾以上の大問題になりそうだぞ…」
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84以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/08(月) 16:21:07 ID:.9xa6myQ
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米兵「え?!駆逐艦が?!」

日本兵「あぁ、一隻だけだったがな…」

米兵「そっか…」

日本兵「まぁ…良い気持ちでは無いよなぁ…仲間が死んじまったんだから」

米兵「うーん…まぁ攻撃してきたのはあちらからだからねぇ、戦争だし
仕方ないっちゃあ仕方ないんじゃないかな?」

日本兵「そうか…しかしえらく達観してるのな」

米兵「だって日本兵も撃たれたんでしょ?駆逐艦の兵も撃たれる覚悟があって
撃ってきたと思うよ」

日本兵(いや…あれは狩猟してる気分だったろうが…)

日本兵「そう言ってくれると気が楽だ」

米兵「でも見事に野営地やられちゃったね」

日本兵「あぁ、建て直すまでは城で世話になるよ」

米兵「最初からそうしなよ」

85以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:21:55 ID:/OTVlMGc
日本兵「まぁそうなんだけどさぁ、あまり世話になっても…この国に思い入れないし…世話になりまくったらなんかなぁ…」

米兵「まぁ…確かにそうだけど」

日本兵「そいえば、城には図書館はあるか?」

米兵「図書館…あぁ確か王室の近くに書庫があったよ、まぁ僕らが入れるかどうかは
分からないんだけどね...」

日本兵「成る程、いっちょ行ってみっか」
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86以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:24:37 ID:/OTVlMGc
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日本兵「ふ〜ん...」

日本兵(ここゼラバンカ王国は九百年もの歴史があり初代国王が今の領土を統治して以来、この国は大規模な領土の拡大も縮小も無くおおよそ平和に暮らしている...しかし、隣国では紛争や内乱、そして小国同士の併合や戦争で他国の領土は目まぐるしく変わっており、今日現在の地図の国境の線はほぼ書き直さないといけない位に意味を成さないようだ...)


米兵「へぇ〜この国ってそんなに歴史あるんだ〜凄いな〜」

日本兵「アメリカだって歴史はまだ短いが、結構ゴチャゴチャしてるだろ」

米兵「うん」

日本兵「んなこたぁどうでもいいんだ...異世界への転生?神隠し?の類の本はどれだ...」

米兵「そんなマニアックな本あるかなぁ〜...奥探してみるね」トコトコ

日本兵「おうよ」


女騎士「私達に黙って勉強会かな?」

日本兵「うおっとぉ?!いきなり出てこないでくれよ...」

87以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:26:11 ID:/OTVlMGc
女騎士「いきなり出てくるも何も、勝手に書庫へ入られては困るぞ?重要書類もあるんだからな」

エルフ「まぁまぁ、この国の歴史を学んでくれるってことは悪い事ではない」

女騎士「私は勝手に書庫へ入った事の問題を指摘しているのであってだな…」

日本兵「あぁすまねぇ、ちょっと暇だったもんでよ…」

女騎士「べ、別に…次は一声掛けてくれたら一緒に…」モシモジ

エルフ「女騎士よりも私の方が知識は豊富だぞ?」

女騎士「な、何を?!」

日本兵「わ、わかった!わかったから!次は二人に声かけるから!」

女騎士「フン…まぁそれでもいい…」

日本兵「な、拗ねる事はないだろ…」

米兵「口下手な男ですこと」

日本兵「…」

米兵「じゃあ許しも得た事ですから改めて奥の方見てくるね〜」

88以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:38:18 ID:/OTVlMGc
日本兵「しっかしまぁ...随分と国境の移り変わりが激しい時代なんだな」

女騎士「あぁ、各国では民衆が決起だのなんだので…まぁ国の統治の仕方にも問題はあったのだがな」

日本兵「大変な時代だな、まさに歴史の転換点的な」

女騎士「そうだな、歴史の移り変わりだ…私達もうかうかしてられない…」

日本兵「…?」
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89以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:41:07 ID:/OTVlMGc
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米兵「う〜ん...書庫っても結構広いなぁ…ん?この…肉が腐ったような臭い...霧…?」

ッパシュンッッ!! ッパシュウウウン!!

米兵「う、うあ!!?」

「射撃用意!!」

「ま!待て!!ありゃ味方だ!!」

「あぁ?!おいお前バカか?!んなとこいたら重機関銃の餌食になっちまうぞぉ!こっち来い!!!」

米兵「え?え?」

曹長「頭イカれるにはまだ早いぜ!!こっちこい!!日本兵がこっち来るぞ!!」

米兵「え...?っは、はあ...?」

90以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:42:57 ID:/OTVlMGc
中尉「今はネコの手も借りたいんだ!!バズーカ使えるか?照準は細かくやらなくて良い、日本兵は密集してくるから適当に撃っても当る!!」

曹長「中尉!敵が来た...!」ジャキンッッ

米兵「ここは...一体...」

中尉「はぁ?!もうイカれちまったのか?まぁいいさ!いいか!!ここはこの世の地獄...オキナワだ!」

曹長「ようこそ新兵さん!」ッドドドド!!!ッドドドドドド!!!!

テンノウヘイカバンザイ!!! バンザーイ!!!! ウオオオオオオオオオ!!!!!!
米兵「オ、オキナワ...?」

ッダン!! ッドオオン!!

91以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:43:41 ID:/OTVlMGc
バシュウウウウウウウウウウンン... バシュウウウウウウウウウウウウンン...
「きゅっ!!臼砲!!!化け物臼砲だぁ!!!」
ドゴオオオオオオオオオオオンンンンンッッッ!!!!!! ゴオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!
米兵「...今何年?」

曹長「1945年だ新兵!!JAPの芸者ガールは目の前だぜ!!」ズドドドドドッッ!! ズドドドドドッッ!!
ドオオンッッ!! ズドオオンッッ!!
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92以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:46:11 ID:/OTVlMGc
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ッターン...  ドオン...
中尉「さぁてと...被害は?」

曹長「さっきの臼砲で第一防衛線の重機関銃中隊が全滅、迫撃砲の陣地も兵ごと吹っ飛ばされました」

中尉「そうか、ご苦労…お前しかしよくやったなぁ」

米兵「っど、どうも...」

曹長「あのバズーカ捌きはすごかった」

中尉「日本軍の小隊がまとめて吹っ飛んで行ったのは壮大な光景だった」

曹長「お陰で戦利品が粉々だぜ、カタナもナンブも価値がなくなっちまったぜ!はっはっは!」

米兵「…」

中尉「?どうした」

米兵「あ、何でも無いです...」

米兵(...ずっと日本兵といたからなんか複雑だなぁ...)

93以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:48:37 ID:/OTVlMGc
ウウッ... アー...アアー...
ッタン!! ッタンッタン!!
「おい衛生兵!JAPに包帯は要らねえぞ!7.62mm弾で事足りるぜ!」ッタンタン!!


米兵「...ッ」

中尉「あぁ、あんま難しい事は考えるな、あいつの弟は日本軍に殺されたんだ」

曹長「刀ねえなぁ...っお、んだ写真かよ...」

中尉「ゲイシャか?」

曹長「いえ、家族の写真です。この日本軍将校良いとこの生まれですよ多分」ッポイ

米兵「...?」ヒョイ

米兵(...右端の人の顔...日本兵に似てるなぁ)

中尉「マスカワ...」

米兵「え?」

中尉「その死んだ将校の名前はマスカワ、下の漢字はわかんねえ」

米兵「え…分かるんですか?」

中尉「こう見えても俺は大学の講師だったんだ、今じゃ見る影もないがな」

米兵「マスカワ...」

94以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:54:16 ID:/OTVlMGc
中尉「お前...そのワッペン第一騎兵師団だろ?どうしてココに居るんだ?」

米兵「あ...えーっと...」

中尉「...話してみろ」

米兵「...はい...」
_
__

95以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:55:22 ID:/OTVlMGc
__
_
ッザザーン... ザザーン...
日本兵「...」

女騎士「...見つからなかったな、米兵」

日本兵「あぁ、元の時代に戻れてたらいいがな…いや…でも戦闘はしたくねぇか…」

女騎士「だな...」

日本兵「...」ッス

女騎士「?なんだそれは」

96以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:57:47 ID:/OTVlMGc
日本兵「俺の家族の写真だよ...兄が配属される前の日に撮ったんだ」

女騎士「...ふーん、右端が日本兵か?」

日本兵「あぁ、唯一俺の事を可愛がってくれた兄だ、一緒に写ろうって言ってくれてな、右端に追いやられたが...まぁ俺も一緒に写りたかったしいいかな」

女騎士「兄はどこへ送られたんだ?」

日本兵「言ってもわかるのかぁ?...確か最初はハルビンってとこで何年か国境警備してて...その後...なんかどっかに移動するみたいな話があったが…」

女騎士「ほお...さっぱりだな」

日本兵「当たり前だ、俺もさっぱりなんだから」

女騎士「っははは...」

日本兵「っはは...でも...イキナリどこかに飛ばされるのは怖いな」

女騎士「...お前も行くのか?どこかへ」

日本兵「んなもん知らんがな」

女騎士「..お前だけにはどこにも行って欲しくない...」

日本兵「え?な、なんで?」

97以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:58:48 ID:/OTVlMGc
女騎士「お、お前...私の口から言わせるのか...///」

日本兵「え?え?」

女騎士「ったっく...///」

日本兵「ん、んだよ…やっぱ俺テントで寝てて良いかな」

女騎士「駄目だ、もう部屋を用意したんだぞ」
_
__

98以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 00:59:22 ID:/OTVlMGc
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リーン.. リーン...
日本兵「...ンッ...ウウッ...」

日本兵「...布団...あぁ、城かぁ...ここ」

日本兵「...便所」ノソッ

日本兵「...場所聞いてねえや...」

99以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:00:42 ID:/OTVlMGc

日本兵「...」チョロロロロ...

日本兵「...裏庭で立ションしてんのバレたら怒られるかな」


「おい、例の漂流者が城にいんだって?」

「あぁ、騎士団長様の別室に寝てるらしいぜ」

「へ?あの鬼騎士の騎士団長ぉ?何でまた今更になって色気付いてんのかねえ」

「さあな、もう一人の奴はどっかに姿くらませやがったし、もっぱらどこぞの国のスパイだって噂もあるぜ」

「っへ、間抜けそうなツラしてたがな...」


日本兵「...まぁ普通に考えていい顔はしねえやな...」

_
__

100以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:03:16 ID:/OTVlMGc
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『城下町』
ヤスイヨー!! トレタテダヨー!! 
日本兵「...城下町は広いなぁ」

女騎士「あぁ、この国で一番デカイ町だ、国中の産物から外国の特産物も安く買えるんだ」

エルフ「まぁ関税かかちゃって割高なのもあるけどね」

日本兵「ふーん、さすが首都」

「おっ!兄さん外国人かい?今日朝方砂浜で拾ったもんだ!古の貨幣かもしれねぇ!」ッス

『歩2-9-3 大川 清』

日本兵「...」

101以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:06:26 ID:/OTVlMGc
エルフ「ん?これは?」

日本兵「認識票、死んだ俺の戦友だ…おやっさん、コレ幾ら?」

エルフ「え…」

「30Gってとこさね」

日本兵「30...」ガサゴソ

女騎士「そ、その位金額なら私が出そう」チャリン

エルフ「わ、私も出すよ」

「お!金を女性に出させるたぁ憎い男だねぇ!まいど!」

日本兵「どうも」

女騎士「日本兵、いいのか?アレは君の仲間の者だろう?他にも沢山…」

エルフ「ここら辺の出店にも出回ってるんじゃないか?商人にこれを死者の物と説明すればこちらに引き渡してくれる筈だ」

日本兵「商人も生きてくにゃ金が必要だろうしな、仕方ないよ」

女騎士「しかしな...」

日本兵「こんなことでクヨクヨしてたって仲間が生き返る訳じゃねぇし、なにより大川の認識票を取り返せたんだから満足だよ」

102以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:07:22 ID:/OTVlMGc
女騎士「...出来る事があるなら手伝うよ、ずっと」

エルフ「あぁ、私もそのつもりだ」

日本兵「...ありがとう」
_
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103以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:09:23 ID:/OTVlMGc
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中尉「その日本兵とやらはどんな奴だ?」

米兵「階級は確か...伍長でした...頼りがいがあって...とてもいい人でした」

中尉「...そっか、実はなココ最近兵の失踪が相次いで発生しているんだ」

米兵「兵の失踪?」

中尉「あぁ、兵だけじゃなく、噂では護衛空母と駆逐艦もだな」

米兵(駆逐艦...そう言えば...)

中尉「何か知ってるか?」

米兵「駆逐艦が一隻、沈められるのを見ました」

中尉「な、何だって?!」

104以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:10:35 ID:/OTVlMGc
中尉「駆逐艦が...日本軍か?」

米兵「いえ...アレはなんと言うか...魔法?」

中尉「...」

米兵「海軍の方が先に撃ってきたらしいです、日本兵めがけて...」

中尉「駆逐艦がやられた所は…」

米兵「遠巻きからだったので最初はわかりませんでしたが、あとから日本兵に...」

中尉「クッソ...何てこった...」

米兵「...」

中尉「いや...仕方ない事だ...うん...」

105以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:11:54 ID:/OTVlMGc
中尉「よし、一緒に司令部へ来い、大将さんにお前の事を話すんだ」

米兵「はい...行きます」

中尉「よし...」
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106以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:13:04 ID:/OTVlMGc
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『カミンボ海域』

「駄目です、オアフにもポートモレスビーにも連絡してみましたが...通じません」

「そうか...何か動きがあるまで続けろ」

「了解」バタン...

ブゥゥゥン!! ブゥゥゥン!!
「おっと…まーたホークの奴か…」

107以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:13:51 ID:/OTVlMGc
『リスカム・ベイ』飛行甲板
ブルルルルルルッッッ...
整備士「ホーク少尉!!また飛ぶんです?!」

ホーク「あぁ、海図と母艦の位置が合わないんじゃ飛んで確かめるしかないからね!!」
ブルンッ!! ブルンッ!!
整備士「お気を着けて!」

ホーク「あぁ!!」
ヴウウウウウウウウウウッッ!!!! ブウウウン...

「どうせ位置なんか分かりっこねえさ」

整備士「はは...航空機の燃料の燃料も無限にあるわけじゃないからいい加減飛ぶのは控えて欲しいな…」

108以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:15:10 ID:/OTVlMGc
ゼラバンカ王国上空

ホーク(やはりどこの海図にも載ってない地形...ニューギニアでもないしフィリピンでもない...我々が見た事も無い島、いや...島と言うより大陸だな)

ホーク(高度を下げて海岸線を飛んでみるか)
ブウウウウウン.....

109以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:15:54 ID:/OTVlMGc
日本兵「おーおーアメ公の物が沢山流れて着てやがる」

女騎士「前に攻撃してきた奴らか...どうする?」

日本兵「う〜ん...ほっとく訳にもイカンしな、病気とか怖いし」

女騎士「そうだな」


ブウウウウウウン...


女騎士「ん?何だこの音...?」

日本兵「いやーな音だな...こりゃ」

ブウウウンッッッ!!!!!

日本兵「ア、アメ公!!!?」

110以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:16:50 ID:/OTVlMGc
ブウウウウウウンッ...

ホーク(ん?あれは...日本軍兵士か?ならば中国大陸...いや...んん?!)

ブウウンッッ

ホーク「...中世騎士の...鎧?」

ブウンッ!!

111以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:17:22 ID:/OTVlMGc
日本兵「ヤベェ...敵さんの飛行機が...」ガクガク

女騎士「いっ今のは?!空を飛んでたぞ?!凄い速さで!?」

日本兵「米兵のお仲間さ...また来た!!」
ブウウウウンッッ!!!!!

112以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:17:52 ID:/OTVlMGc
ブウウンンッッ
ホーク「ありえない...」
ブウウンッッ...


日本兵「...ふう」

女騎士「お前は一体どんな国と戦争していたんだ...?」

日本兵「あぁ?さぁな、多分化け者じゃねえか?」

女騎士「はぁ...怖かった...」

113以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:19:25 ID:/OTVlMGc
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『リスカム・ベイ』 司令室

ウィルトジー「...終わりか?」

ホーク「はい」

ウィルトジー「...中世の騎士...ねぇ、中国大陸だったとしたらそこに住むブルジョアの変態趣味じゃないか?」

ホーク「であるならば良いのですが」

ウィルトジー「だが、まさかとは思うが...君にこの情報を喋るのは初めてだったかな」

ホーク「?」

ウィルトジー「ココ最近太平洋方面で、艦船の行方不明が相次いでいるんだ」

ホーク「...潜水艦で沈没させられたのでは」

ウィルトジー「俺も最初はそう思ったよ、詳細はこうだ『突如深い霧が現れ、船団を包み込んだと思うと輸送艦が何隻か姿を消した』だ」

ホーク「...」

ウィルトジー「そして、俺らも霧に呑み込まれ…現在地不明、行方不明艦の一隻になったんじゃないかってのが俺の考えだ」

114以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:20:17 ID:/OTVlMGc
ホーク「そんな...有り得ない」

ウィルトジー「まぁ有り得んって思うよな...普通は」

ホーク「だったら」

ウィルトジー「その中世の騎士様も...変態趣味であれば良いが、もしかしたら、俺らはそう言う世界へ着ちまったのかもしれん」

ホーク「ではあの日本兵は...」

ウィルトジー「そいつも同類かもな、一人で流されたか、部隊が丸ごと流されてきたか...それを解明させるぞ、いいな」

ホーク「了解」
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115以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:21:33 ID:/OTVlMGc
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日本兵「...ッチ」

日本兵(駆逐艦まで来てんだから...敵さんの空母もいるわなぁ...)

日本兵「それが一つか二つか...まぁ分かったって俺に勝ち目はねえが...どうやって過ごすか...移動するしかねえかな...」ブツブツ

エルフ「なに独り言言ってるんだ?」

日本兵「あ...あぁ、ちょっとのっぴきならねえ事態になっちまってさ...」

エルフ「例のヒコウキって奴か?」

日本兵「あぁ、味方のなら良いんだが、敵の航空機でなぁ...どうしよ」

エルフ「お前が怯えるなんて...そんなに強いのか?」

日本兵「怯えるなんてって、俺を何だと思ってんだ...ただの歩兵だぞ」

エルフ「だ、だっていつものお前は強いから...」

日本兵「...」

116以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:22:12 ID:/OTVlMGc
日本兵「...いや...大丈夫だ、心配ねえよ」

エルフ「ッホ、ホントか?」

日本兵(アイツらの目的は...おそらく我が軍の部隊の有無...こいつらに直接影響は無い筈...俺が居なければ、だが...)

日本兵「移動するしかねえか...」

エルフ「え?」

日本兵「いいか、女騎士達に伝えてくれ」

エルフ「...?」

日本兵「あのヒコウキは俺が居なければお前達に危害は加えない、だから俺はこれから移動する」

エルフ「い、移動って...どこへ?」

117以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:23:41 ID:/OTVlMGc
日本兵「どこへでもだ、この国に危害が加わらないトコ」ガサゴソ

エルフ「え…いきなり過ぎるだろ」

日本兵「伝言伝えたいんだが、エルフから頼めるか?」

エルフ「なぁ考え直せ、殿下も陛下も日本兵の事を大層気に入っておられる...」

日本兵「それは嬉しいが...この国に危害が加えられては遅い」ガサゴソ

エルフ「...勝手すぎるぞ...」

日本兵「...」

エルフ「いきなり現れていきなり消えるのか...?」

日本兵「いいだろ、俺は別にこの国に思い入れはねえし」


女騎士「...どこへ行こうと言うんだ?」

日本兵「うおっ...」

118以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:26:38 ID:/OTVlMGc
女騎士「話は大体聞いた、あのヒコウキがこの国を攻撃するかも知れないから...か」

日本兵「そこを聞いていたなら安心だ、じゃぁな」

女騎士「...行くのか...」

日本兵「あぁ行く」

女騎士「逃げるのか...?私達を置いて」

日本兵「あぁ逃げるね、あの飛行機にやられたくねぇんだ、俺がいなけりゃあいつらも手は出さねぇ」

女騎士「もし戦争をふっかけられたら…」

日本兵「米兵のいた国だぞ?大丈夫だろ」

女騎士「あいつらは知らんがお前は信用できる、お前の国は知らないが...お前は信用できるんだ」

日本兵「おい、その安易に信用する癖はどうにかした方がいいぞ、悪い癖だ」

女騎士「...ッ」パアンッッ!!!

日本兵「ッツ...ってぇなぁ…!」

119以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:27:11 ID:/OTVlMGc
日本兵「...じゃぁな」

女騎士「...ッフグゥ...ウグッ...ヒッグ...」


日本兵「...」ッザッザッザ
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120以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 01:44:09 ID:/OTVlMGc
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_
日本兵「っはぁ…っはぁ…ここの山傾斜きっつ!」

日本兵「…」チラッ

日本兵「結構離れたな…一休みすっか…」

日本兵(女騎士…なんで泣いてたんだろう、そこまで深い間になった覚えは無い…この国に必要?ポッと出の俺が必要ってんなら多分俺じゃなくても平気な奴だ)

日本兵「…あークッソ…行くか」

日本兵「山を越えたら大休止だ…っと」

121以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 23:15:21 ID:v4gCH8Vs
数時間後…

日本兵「っはぁ……頂上だ…」

日本兵「今日はここで野営だな…ちょっち風強いが…もう無理、動けん」

日本兵「…城下町があんな遠くになぁ、よく歩いたもんだな…っと…?」


ザッ....ザッ... ウウッ...

日本兵「…」ッサ

日本兵(…)


兵長「あと少しで頂上じゃあ…!気張れぇ…!」

「っはぁっはぁ…」

日本兵(み、味方…?)

日本兵「お、おい」

兵長「え…もう味方が…?」

「み、味方でありますか…?」

日本兵「おまえら…ガリッガリに痩せてっが…どこの部隊だ?」

122以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/09(火) 23:24:50 ID:v4gCH8Vs
兵長「は、はぁ…?歩兵第144連隊所属 山砲中隊の第2小隊であります…ご、伍長殿は…どちらの?」

日本兵「歩144…南海支隊か?」

兵長「は、はぁ?伍長殿も144連隊じゃ…」

日本兵「俺の所属部隊はレイテに運ばれる途中に沈められちまった…」

兵長「レ、レイテでありますか?では生き残っているのは…」

日本兵「俺だけさ…で、お前ら無事にサワラケットを越えられたように見えるが…何か気付かないか?」

123以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/11(木) 10:05:35 ID:6E.SAmF.
兵長「…可笑しいとは思いました、ついさっきまで山砲中隊は寒風吹き荒ぶ山を越えていたのですが…」

日本兵「霧が晴れたらお前らだけだったと…」

兵長「はい、中隊長も小隊長もどこかに消えて…滑落したのではと思ったのですが…」

上等兵「他の中隊も全部どこかに行ったんですよ、元からいなかったように」

日本兵「…分かった、兵長以上の階級を持つ者は…?」

兵長「おりません…正直どうしたらいいか…」

日本兵「ではこの中隊は自分が指揮を取る、大丈夫か?」

兵長「は、はぁ…」

上等兵「飯が食えればなんでもいいですよ…なぁ?」

「はい、もうヘトヘトだ…」

124以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/12(金) 23:36:34 ID:NITzslPQ
日本兵「じゃあ先ずは飯だ、火起こすから薪を持って来てくれ」

「へい…」
_
__

125以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/12(金) 23:40:16 ID:NITzslPQ
__
_
兵長「肉なんて久しぶりに食いましたよ…」

日本兵「干し肉で悪いが、腹を膨らますには丁度いいだろ…さて、お前らに話す事がある」

上等兵「?」

日本兵「ここはもうニューギニアでは無い、別の場所だ」

兵長「…仰っている意味がよく」

日本兵「眼下に見える街の光…そこはポートモレスビーじゃないんだ」

上等「…」

兵長「変なこと言わんで下さい…ここがサワラケットじゃなくて…あの街の光がポートモレスビーじゃなきゃ我々は何の為に…」

126以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/13(土) 23:51:22 ID:5hmLR9Yg
日本兵「何のためかなんて聞かれても、お前らは必死こいて登った頂上はサワラケットじゃねえってことだ…残念な話だが」

兵長「…」

日本兵「はっきり言おう、お前らは別の世界にた飛ばされて来た…ここゼラバンカ王国にな」

「ゼ、ゼラバンカ王国?」

「聞いたことねぇ…」

兵長「…つまり自分たちは…仲間を見捨てて安全な場所に来てしまったと…」

日本兵「お前らは誰も見捨ててなんかいない、これだけははっきり言える、今は戦う必要はない」

127以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/13(土) 23:54:41 ID:5hmLR9Yg
兵長「戦う…必要はない…」

「上にバレたら…自分らは…どうなるのですか?」

日本兵「…分からない、軍法会議かも知れないが…今は俺もそれは考えたくない」

兵長「…自分らは何をすれば良いのですか?」

日本兵「いいか、先ず俺のこれからの行動を話す、指揮を取ると言ったが…まぁ俺の行動如何で抜けたいと思ったら抜けていい」

128以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/13(土) 23:57:58 ID:5hmLR9Yg
日本兵「ここにゃ多分だがアメ公の空母も来てる、昨日飛行機に追っかけられた」

兵長「く、空母?!」

日本兵「俺はあのゼラバンカ王国に恩があってな…俺が見つかっちまった事によってアメ公があの国にちょっかいかけるかも知れねぇから、最悪の事態にならねぇように昨日抜けて来たって訳だ」

兵長「あ、あの距離を一晩で?」

日本兵「ニューギニア歩いてたお前らに比べりゃみそっかすだ」

129以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/14(日) 20:34:25 ID:9RstfeqY
日本兵「

兵長「先ほど恩があると言われてましたが…そのゼラバ…?王国で伍長殿は何をなされていたのですか?」

日本兵「輸送船が沖でやられてな、砂浜で寝っ転がってたトコを助けて貰ったんだ」

「正直にわかには…」

日本兵「まぁ言いたいことはわかる、いきなり過ぎるしな…だが現実の事で、俺たちはこの世界で生きなきゃならんのだ」

兵長「行く当てなどは…」

日本兵「ないな、兎に角あの国に危害が及ばない場所とか…とにかく山を下って行くつもりだが」

兵長「下る…ですか?」

「確かに傾斜は緩くなってますが…頂上まできた自分らにこの山砲をまた…」

日本兵「大丈夫だ無理強いはさせん、兎に角いまは飯を食って休め」

130以下、名無しが深夜にお送りします:2018/10/19(金) 00:35:18 ID:FAliUmn.
日本兵「...」

突拍子もない話にこの山砲小隊の連中が信じきったとは到底思えない、だが指揮官のいない
統率の取れない隊の行く末は破滅以外有り得ない...山賊と化した彼らがゼラバンカ王国に命を狙われ、無駄に
命を散らしてしまうなんて事も考えられる。
だから今は彼らに指揮官が必要なのだ...

兵長「伍長殿はどちらからレイテに?」

日本兵「北シナ方面から、レイテ島に敵さんが来るって情報があったらしくてな...休暇が終わったようなもんだよ」

兵長「そうでありますか...もうレイテにまで...」

日本兵「...わかってたのか」

兵長「はい、なんの補給もない...上から出された指示で撤退すればもう敵が回りこんでいる...後手後手の現状をみて...
到底勝てる戦とは...」

131以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/22(金) 21:42:17 ID:DPEzSTP6
日本兵「そうか...そうだな」

兵長「しかし山砲をどうするかですね...正直、自分たちにもう一度こいつを山から下す気力は...」

日本兵「無理強いはさせないさ、今は皆無事に山を下りなければ意味がない」

_
__

132以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/06(月) 23:23:08 ID:fy5KgJQc
__
_
数週間後

ウィルトジー「この度は我が護衛空母「リスカム・ベイ」に起こし頂誠にありがとう御座います」

ラエ(デカイ...)

王子(デッカ)

ウィルトジー「ははっ、最初は驚くものです、しかし我がアメリカ合衆国にはこの船を上回る...

女騎士「この度はお招き頂き誠にありがとう、ゼラバンカ王国家臣一同を代表しお礼いたします」

ウィルトジー「...勿体無いお言葉」


ホーク(...美しい)

133以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/06(月) 23:25:04 ID:fy5KgJQc
(あちゃーホーク中尉の目に止まっちまったぜ)
(こうなりゃ俺らにはお零れも貰えやしねえな)
(陸に上がれたらいっくらでも居るぜ)

ホーク「お初にお目にかかります、ホーク・ギルバートと申します」

女騎士「ん?初めて?何時だったか君が、あのヒコウキとやらで空を飛んでいる所を見たのだが」

ホーク「ま、まさか顔を覚えられていたとは...」

女騎士「奇怪な物に乗っている奴の顔はイヤでも忘れられないものだ」

ホーク「っはは、手厳しいなぁ」

女騎士「今日はこの船の乗員の上陸許可だけですのであまり長く話は出来ませんね、また機会があれば」

ホーク「ええ、その日を楽しみに待っています」


整備員「振られましたね」

ホーク「っはは、強気な女性だったよ」

整備員「また乗員から総スカン食らいますよ?前にもプレイガール達を手篭めにして大尉から恨みを
買ったばっかでしょ」

ホーク「今回は気をつけるさ」

134以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/06(月) 23:27:21 ID:fy5KgJQc
ウィルトジー「逢引もいいがその日本軍の情報を聞いてもらわなければな」

ホーク「っす、すいません」

ウィルトジー「まだ安心はできん、彼奴らに空母をどうこう出来るとは思わんが、そうでもせんと俺もお前らも、オチオチ上陸も出来んからな」トコトコ


整備員「ははっ最後も本音ですね」

ホーク「気をつけないとね」

整備員「どうでもいい情報でしょうが」

ホーク「ん?」

整備員「カッセル少尉もあの女性を気に召している様子ですよ」

ホーク「ッゲ、カッセルもかよ...」

整備員「あの女性が勇猛な男が好きなんだったら、カッセル少尉のスカーフェイスでいちころでしょうね」

ホーク「あれ掃除用具で出来た傷だぞ?航空兵学校でフザケテ遊んでて出来た奴だぞ?」

整備員「っはっはっは、分かってますよ、でもカッセル少尉の戦績聞いたら驚くでしょうね」

ホーク「なるたけ会わせないようにするか...」
_
__

135以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/06(月) 23:29:51 ID:fy5KgJQc
__
_
『スタンレー古道』

日本兵「...」

兵長「伍長、ありゃあなんです?」

日本兵「俺もチラッと聞いただけだが...所謂奴隷商売ってやつだな」

兵長「あ、あんな...小さい子どもを...?!」


「イクラデ買ウ?奴隷イイモノソロッテル」

「まずは品定めだ、アッチ行ってろ」

「イソイデモニゲナイネ」


日本兵「奴隷の売買ねぇ...」カチャ...

日本兵(...ん?撃っていいのか?ちょっと待てちょっと待て)
カサッ
日本兵(なんで撃とうとしたんだ...撃って、後の奴隷達の始末はどうするんだ...)

136以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/06(月) 23:37:01 ID:fy5KgJQc
日本兵「...兵長、自分は今迷ってる...ここで撃って...あの奴隷商らを殺しても残った奴隷たちは...」

兵長「...貴方の性格じゃ殺すことも出来ないでしょうし、逃すことも出来ないでしょ?」

日本兵「...」

兵長「伍長、自分は...いや、ワシぁこう見えても卸問屋を営んでましてね...常に損得を考えるんですよ、例えば...あの大きな馬車を見てください、馬を生かしておけば山砲を引いて、尚且つ自分らも乗れる...お得じゃねぇですか」


「コドモ、異種族、イッパイハイッテル」

「ふうむ、上玉そろいだな」


兵長「それに自分らは4人...上等兵の奴なんか馬の扱いが上手でしてね、ああ見えて」

上等兵「そりゃ心外ですよ兵長」

日本兵「...みんなを信用し切れてなかったのは俺みたいだな」

兵長「直ぐにはそりゃ無理ですよ、ですが我々はあなたを今誰よりも信頼してます、あの山で救ってくれたアンタを...あの奴隷商を殺して...あの子どもらを助けるなら今じゃありませんか」

137以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/06(月) 23:44:09 ID:fy5KgJQc
日本兵「...」チラッ


子ども「...」ブルブルブル


日本兵「...」

日本兵「アーくそ、ダメだ、かたっ苦しい喋り方...めんどくせえな、みんな、すまん、この喋り方飽きた」

上等兵「やっぱ違和感ったんすよその喋り方、そうこなくっちゃ」

兵長「よし、指示を」

日本兵「一等兵、二等兵を連れて山砲を据えてくれ、おまえが背負っている砲弾は何発ある」

一等兵「やっと聞いてくれました、徹甲弾二発と、二等兵が背負ってるのに榴弾一発と榴霧弾が一発です」

二等兵「手持ちがこれしか無くて...弾薬隊もどっかいっちまって」

138以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/06(月) 23:48:10 ID:fy5KgJQc
日本兵「よし、山砲は最後の切り札だ、基本は小銃射撃で敵を殲滅する、一等兵は二等兵を連れて山砲の設置及び周囲の警戒だ、盗られても使いきれなぁとは思うが、愛する山砲が賊に使われるとか夢見悪いだろ」

一等兵「そうですね、わかってらっしゃる」

日本兵「兵長、自分とついてきてくれ、俺とアンタが主として攻撃をする、質問」

兵長「なし」

一等兵「なし」

二等兵「なし」

日本兵「...助けるぞ」

139以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/07(火) 00:20:27 ID:WqIWFo2s
日本兵(敵の数はひぃふうみぃ...6人か。誰も警戒をしてるそぶりも見せてない、武器を持ってるやつと言えば奴隷を繋いだ鎖を持ってる奴だけ...)

日本兵(兵長、おまえは手前にいる...あの毛深い...犬かな...あいつをやれ、アイツをやれば直ぐ隣)

兵長(あの喋ってる犬っころとおっちゃんを殺せば良いんですね)

日本兵(俺奥で抜刀してる奴を撃つ、合図は俺の射撃命令の後すぐ、良いな?)

兵長(了解、いつでも良いですよ)


「この量の女に子ども、どこで手に入れたんだ」
獣人「村オソウ、国境ノ村ハ楽」
「危ない橋を...」

「撃てぇ!!」

140以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/07(火) 00:20:58 ID:WqIWFo2s
ッダ-ン!!

獣人「ッ...!」
バタンッ
「な?なんッダ-ン!!

「お、おい!!逃げ
カシャンッ ッタ-ン!


日本兵「...馬は無事だな」

兵長「何もかも無事でさ」

日本兵「一等兵、二等兵!山砲を町まで下ろせるか!?」


「余裕でーす!」

141以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/20(月) 14:38:32 ID:kvzQkbKA
日本兵「よし兵長と俺で砲を牽引できるようにしよう」

兵長「それもいいんですが...伍長、あの子らどうします?勿論アテなんかないでしょう」

日本兵「そうなんだよなぁ...怪しくねぇような宗教施設に預けるんが1番いいと思ったんだが」

兵長「怪しいか否かはワシらにゃ見当も尽きませんぜ」

日本兵「だよなぁ...いやしかし...戻るのも一つの手か...」

兵長「戻る...あぁ、伍長が言ってた城の事ですか...うーんケツ捲って逃げてきたのにまた迎えてくれるんですかね、話聞くだけだったら相当不利ですよ」

142以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/20(月) 21:57:59 ID:kvzQkbKA
日本兵「...しゃあねぇ、戻るか、なりふり構ってる暇はねぇな、チョットガキども集めてくるから砲の牽引は頼む

兵長「了解です、おーい一等兵!この位置まで持ってきてくれ!」


日本兵「さぁて...みんなはどこから来たのかな?」

子ども「...」ガタガタ...

日本兵(仕方がないと言えば...だな、信用できる大人がおらんもんなぁ)

日本兵「お兄さん達ね、王都へ行こうと思ってんだ、そこへ行ったら王様や王子様にお話しして、君たちを助けてあげれるんだよ、どうかな、一緒に来ない?」

子ども「...」

日本兵(しくった、何一つ信用に足る証拠もねぇのに...)


兵長「...」

一等兵「どうするんすかね」

143以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/20(月) 22:12:53 ID:kvzQkbKA
日本兵「...仕方がないな」ガサゴソ

子ども「...?」

日本兵「まだ使えるか...恥ずかしいが...」


二等兵「ありゃなんすか?」

兵長「まさか伍長...」

日本兵「二等兵、手拍子頼むは」

二等兵「?は、はい」


日本兵「さぁさぁお立ち会い、此処で会ったが何の因果か、姓はマスカワ名は○○よろしくお願いします」

子ども「??」

日本兵「此処にあるのは不思議な不思議なすだれ、歌に合わせれば勝手に形を変えてしまう魔法のすだれにございますれば、私が歌を歌いこなすだれを見事変身し続けて差し上げましょう、二等兵、手拍子」

144以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/20(月) 22:16:56 ID:kvzQkbKA
日本兵「さて、さて、アさてさてさてさてさては南京玉すだれ、チョイと伸ばせば、チョイと伸ばせば、浦島太郎さんの 魚釣る竿にさも似たり、浦島太郎さんの魚釣り竿がお目に止まればおなぐさみ、魚釣る竿がお目にとまれば元へと直す、さて、さて、アさてさてさてさて さては南京玉すだれ」

子ども「わぁ!」

子ども「凄い!」


兵長「あの人ぁ底無しだな」

一等兵「凄いですね」

145以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/27(月) 21:27:03 ID:feGXb4Z2
日本兵(あー恥ずかしかった...)

日本兵「さて、今回はネタがこれしか無いから...」

子ども「お兄ちゃん凄い!」

子ども「まだなんかあるの!?」

日本兵「ごめんよ、今回はこれっきりだ、それはそうと君達はどこから来たのかな?」

子ども「アウステン村!」

日本兵「アウステン村?ここから遠いのかな」

子ども「知らなーい」

子ども「なんか村が夕日で染まってたの!」

二等兵「夕日で...?」

兵長「...燃やされたって事だろうよ」

146以下、名無しが深夜にお送りします:2020/02/05(水) 21:33:17 ID:raDUMGGc
日本兵「...」

兵長「この子らをどうするか、話に聞いた王都ってぇのが近いなら...」

日本兵「そこに行くべきなんだろうな...分かったよ、行こう」

一等兵「牽引準備できました、後は出発するだけです」

日本兵「よし、出るぞ」
_
__

147以下、名無しが深夜にお送りします:2020/02/05(水) 21:37:18 ID:raDUMGGc
__
_
ワイワイ... ヤスイヨー!!
ホーク「ココが首都ですか...」

女騎士「はい、交易の中心地で、関税は免除されているから各地の特産品がここで買えます」

カッセル「っほお〜!!こりゃすげえ!!なあ!?」

ホーク「カッセル、やかましいぞ」

カッセル「サンディエゴよりもでけえ街だぜこりゃ!ウヒョ〜!」


ホーク「すいません、彼はちょっと単純で...」

女騎士「いえいえ」

ホーク「...誰か、遠くに居る人を考えていますね」

女騎士「え?」

ホーク「そういう顔ですよ」

148以下、名無しが深夜にお送りします:2020/02/05(水) 21:38:46 ID:raDUMGGc
女騎士「そうですか、そうかも知れませんね」

ホーク「...前に海岸で見かけた日本軍兵士を見かけませんが、どちらへ?」

女騎士「知りません、どこへでもと...私達に危害が加わらない場所へ行きました」

ホーク「危害...そういう事ですか、彼は我々の攻撃を恐れ...」

女騎士「それは違う、彼は勇敢だ!彼は怖い物知らずで...何時も私達を助けてくれて...」

ホーク「しかし私が初めて彼を見たときは、そうだな...何処にでもいる普通の日本兵でした、制空権を失い我々の攻撃を恐れコソコソと隠れる
何処にでもいる日本兵だ」

女騎士「...っ」

ホーク「...い、いや、この話はやめにしましょう」

カッセル「んお?例のJAPの話か?」

149以下、名無しが深夜にお送りします:2020/02/05(水) 21:44:10 ID:raDUMGGc
女騎士「JAP?」

ホーク「あ、いえ、こちらの話です」

カッセル「あそうだ、JAPといやあガルヴァニック作戦の時によぉタラワのJAP共を攻撃したんだ!」

ホーク「やめろカッセル」

カッセル「作戦中は俺ぁ18回程出撃したんだが、最後の攻撃は特別にナパーム弾積んでてよ!俺が投下したナパームが敵の火薬庫に引火したんだ!!」

ホーク「やめろ」

カッセル「そしたらBOOOOM!!!島を揺るがすほどの大爆発だ!!ふと見たらJAP達が天高くまで吹っ飛んでた!!面白かったぜあんときゃぁ!サルのアホ面はそうそう拝めるモンじゃねえ!!あ、そうだ!ここに居るらしい例のJAPも俺が殺してやるよ!ッハッハッハ!!!!」

女騎士「ッ...!!」

ホーク「お、おい!!いい加減にしろ!」

カッセル「なんだようっせえな...お前だって桟橋のJAPを撃ちまくってただろ...?笑いながら...」

ホーク「も、申し訳ありません姫君、不快な思いをさせてしまった」

女騎士「...私は姫君ではありません、この街は広いので迷わないように注意して下さい」ツカツカツカ

カッセル「あ、行くのか?」

女騎士「仕事がありますので」ツカツカツカ

150以下、名無しが深夜にお送りします:2020/02/06(木) 20:23:58 ID:pF.cuWV6
その頃
『城下町郊外』

兵長「馬車を走らせてから二日位ですが、あんな山を一から越えてたんですね」

日本兵「あーそんな高かったんだなあ...」

兵長「しかし...伍長を含めて四人...武器も」

日本兵「弾の互換性だろ、騎兵銃と俺の武器はなぁ...」

兵長「歩兵と砲兵じゃ違いますからね、参ったなぁ」

日本兵(浜辺になら...もしかしたら)

151以下、名無しが深夜にお送りします:2020/02/06(木) 20:28:34 ID:pF.cuWV6
日本兵「...ん?」


挺身兵「オイ重すぎだろこの重機関銃!捨てちまえよ」

機銃兵「捨てられる訳ねぇだろ、コレがなきゃ俺ぁ遂に丸腰だぜ?」


日本兵「ありゃあ...」

兵長「友軍ですね」

152以下、名無しが深夜にお送りします:2020/05/03(日) 22:49:36 ID:2BcoA6lU
挺身兵「あ!ちょうど良かった!」

機銃兵「伍長殿!いい馬乗ってますね!」

日本兵「重機関銃か、二人じゃ重かっただろうに」

機銃兵「そうなんですよ、よろしければ何ですけども...」

日本兵「あぁ、載せとけ載せとけ、ついでにお前らも来いよ」

挺身兵「いやぁ有難いです、飛行場に強行着陸したと思ったら濃い霧で何も見えなくて...」

153以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/06(日) 21:34:08 ID:NRbwu5GY
日本兵「飛行場に着陸って...どこの飛行場だ?」

挺身兵「沖縄の読谷飛行場ですよ、敵前に強行着陸した瞬間に霧が出てきて...」

日本兵「沖縄...そんな所にまで連合は来ているんだな...」

挺身兵「酷いもんですよ、見ただけでも3機の重爆が対空砲にやられました...信頼していた上官も戦友が乗っていた機体も...」

機銃兵「自分は豊原防衛の為、熊笹の峠でソ連を迎え撃つ用意をしてました...樺太ってとこにいた筈なんですがね」

日本兵「...やっぱ未来の日本は負け込んでるんだな...そうか、二人とも疲れただろう、荷台で休め」

挺身兵「ありがたいです」

機銃兵「やっと休める...」


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