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触手「転生先が触手とか詰んでね?」
1
:
◆k93Gc42qOc
:2017/07/13(木) 22:39:36 ID:WSjX3Y5s
触手「う……うぅ……? まぶしっ……えっ? なに? ここどこ?」
45
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 13:33:02 ID:aNiJunHY
・・・
触手「ふぅ……ようやく人心地ついたって感じだな」
触手(結構食ったけど虫がいなくなる気配すらないし、洞窟全体がこんな感じなら食料の心配は取り敢えず平気そうだな)
触手(食べてる間に千切れてた腕も治った……に留まらず、いつの間にか2、3本増えてるし)
触手(なんと言うか、この環境で生きる上ではこの上なく便利な体だよな)
触手「そもそも、元の体じゃ目が覚めた場所から出られないで餓死してたろうし……嘆いたところで仕方ない、よな」
46
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 13:43:17 ID:aNiJunHY
触手(しっかし、割と長いこと居座ってたってのに虫以外の生き物は全然通りかからないな)
触手(一応は身を隠せつつ逃げ道が確保できそうなところをと思って逃げ込んだ所ではあるけど)
触手「歩き回ってた時はやたら見かけたのに、こんなになんの気配も無いってことあるのか?」
触手(それとも、たまたまそういう安全地帯だったとか? ……分からん)
触手(でも、それなら敢えて移動しなくても、しばらくここにいるのもありか?)
触手(食事の仕方は分かったけど、この体なら出来るってことが他にも色々と有るかもだし……それを試してみるってのも悪くは) ソワワッ
47
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 14:21:47 ID:aNiJunHY
触手「……? なんだ、この感じ……空腹感? いや、少し違う……なんと言うかコレは」
触手(……美味そうな匂いを嗅いだ時の感じに近い……か?)
触手「そう言えば、この体って鼻とか無いけど呼吸とかどうなって……いや、それは後にして……あっちの方、か?」 ウゾウゾ
触手(この道の感じ、さっき来た方とは違うっぽいな)
触手(少しだけど上に向かって登っていってる感じが……おっ? 視界が開けて……っと!?)
触手「危なっ! いきなり崖かよ! ……下までは随分と……っていうか洞窟ってこんな広い空間もある物なのか?」
48
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 14:47:36 ID:aNiJunHY
触手(苔のお陰で視界もソコソコあるし眺めはかなり良いんだけど……こういう広い場所は何となく落ち着かないな)
触手(下に降りるにしても、この高さから落ちたりしたら流石に無事とはいかなさそうだし別の道を……ん? あっちの岩陰に何か)
大百足「……」 ギチギチギチ
触手(う、お……? 結構距離あるけど、デカイよなアレ……だけど、もしかして) ソワワッ
触手「さっきの感じ、ひょっとしてアイツから……え〜……いやいやいや」
触手(確かにサイズ感以外はさっきまで食べてた虫とほぼ同じだけど……それにしたって虫だぞ?)
49
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 15:01:24 ID:aNiJunHY
触手「多少は食い慣れた感こそあれ、幾らなんでも美味そうってことは無いだろ」
触手(この感じの正体を確かめたくはあるし……何とかして別の道を探して……ん?)
大百足「……!!」 ギチチチッ!
触手(なんだ? 動きが早く……何か獲物でもも見つけたの……は?)
女の子「……っ! 〜〜〜っ……〜〜〜〜!」 ズリ...ズリ...
触手「おいおいおい、えっ? 女の子、だよな? は? なんで? って、ちょっと待てよ、待て待て待てっ!?」
50
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 15:11:49 ID:aNiJunHY
触手(あの百足、女の子の事に向かって……それにあの子、みた感じさっきの人達と違って武器っぽいのを持ってない!)
触手「あのままじゃ、間違いなく……っ!」
触手(ど、どうする!? あの大百足の速さからして、女の子が逃げ切れるとは思えない!)
触手(誰か助けを呼んで……って! そんな都合よく人がいるわけ無いだろ! それに、居たとしてどうやって説明……それに、そんな時間ない!)
触手(俺、か? 俺がやるしか無いのか? でも、あんな所までどうやって? それに、あんなデカイのを相手にどうやって!?)
女の子「〜〜〜〜っ! 〜〜〜〜!! 〜〜〜〜〜〜!!!」
51
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 15:19:56 ID:aNiJunHY
大百足「……ッシィィィイィィ!!」 ギチギチギチチッ
触手「!?」
触手(あ……あぁぁ!! 知るか! 考えたって分かんねぇことばっかだ! だけど、だけど……っ!!)
触手「体が人間じゃなくっなったって……心まで人でなしになってたまるかってんだよぉぉぉおぉぉあああああぁぁぁぁあ!!」 ンバッ!
触手(う……うぉあぁあぁああぁ!? 跳んじまったぁぁ!! お、落ち! 落ちるぅぅ!! ) ギュオッ! ビチッ!
触手「ぬおわぁぁっ!? んおっ!? う……うおぉぉっ!!? 」 バチッ! キュリッ! ギュオンッ!
52
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 15:28:10 ID:aNiJunHY
触手「うおっ!? うおおぉぉっ!? んぎゃあぁぁっ!!」 グインッ! フワッ...ズゴロロロ
触手(ううう、腕がっ!腕が崖の取っ掛かりを掴んで? す、スゲェ!! あんな高さから降りたのにっ!!)
触手(よ、よし!よし!! 何はともあれかなりショートカットできたはず! これなら!)
...キャアァァァァァァ!!...
触手「!!」
触手(ヤバイもう時間が! くそっ方向は……アッチか!? 間に合え〜〜っ!) ズゾゾゾッ
53
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 15:34:47 ID:aNiJunHY
触手(くそっ! 上から見て思ってたよりも広い! それに高低差も! チクショウ! 方向が間違ってたとか無しだぞ!!)
ドゴォォン!! ガララララッ!
触手(っ! 近いっ! そっちか!!)
触手「っ! この岩の向こう側、にっ!! ……っ!?」
女の子「」 クタッ
大百足「……キシィィィ」 ギチギチ
54
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 15:40:27 ID:aNiJunHY
触手(女の子が倒れて……い、いや! 大百足と距離がある! まだ死んでるとは限らない! )
触手(だけど……だけど、待ってくれよアレ……遠目に見てたより、ずっと……デカイ!!)
大百足「……」 ギチチッ
触手(さっきの大蠍と同じ……いや、下手したらコイツのが……)
触手(こんなデカブツを……どうしろってんだよ!)
大百足「……シイィィィッ」 ギギッ
55
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 15:47:49 ID:aNiJunHY
触手(マズイ! 女の子の方に! くそっ……やるしか、ねぇ……やるしかねぇんだ!!)
触手「こなくそぉぉぉっ!! やったらああぁぁぁ!!!」 ンバッ! ギュルルルッ!
触手(よ、よし! 後ろから胴体を掴んだ! ……これで!……これ、で……ここからどうすれば?)
大百足「シイイッ!? シ……イィィィィイイィ!!!」 ギュオッ!!
触手「ん、なっ!? わ、わ、わ……のォワアァァァァアァ!!?」 グンッブンッグワッ
触手(な、何だってんだ!? め、メチャクチャに暴れやがる! 俺を、引き剥がそうってのか!?)
56
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 16:05:47 ID:aNiJunHY
ドガン!ズガガッ!ゴガァンッ!!
大百足「キキイイイィイイィイイ!!」 ギチチチチチッ!!
触手「うおおぉっおっお!? ぐかっ!? ぎ……がああぁっっ!!?」
触手(地面も岩もお構い無しのなりふり構わず、かよっ! くっ、ヤバイこのままじゃ、弾き飛ばされ……っ)
女の子「」
触手(……今更、引き下がれるかよ! クソォッ!! 何とか、何とかするんだよくそっくそっくそぉっ!!)
57
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 16:32:02 ID:aNiJunHY
触手(でもどうすりゃ良い! コイツ、岩に体当たりしてもビクともしてねぇし! 力も強いし、動きも……っ)
触手(ああぁ!! せめて何か武器があれば! そうすりゃ、さっきの人みたいに硬い甲羅が有ろうが貫いて、それで……)
触手(………………硬い、甲羅? なら、ひょっとして)
大百足「キィイィィシィィィイィィィィイイィッ!!」 ブオンッ!ガガガガッ!!
触手「んおわぁあぁあああ!!?」
触手(それしか、無いのか? チャンスは一度、失敗したらそれこそ……だけど……やるしか、ない!!) シュルルルッ! パッ
58
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 16:40:20 ID:aNiJunHY
大百足「!!」 ギチチチチチッ‼︎
触手「いでっ!? あだっ! んがぐっ!?」 ゴロゴロゴロ
触手「くぅぅ……いってぇ……けど、腕は千切れて……ない!!」 グググッ
触手(さて、どうする? 背中に張り付いてたのは剥がれたぞ? そうしたらどうする? さっきの得物を食べるか?)
触手(いいや! 食事をする無防備な状態を、こんな所で晒す訳がない)
触手(ここで、アイツが逃げるなら、それはそれで良い……けど、多分……トドメを、刺しに……っ!)
59
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 16:45:24 ID:aNiJunHY
大百足「……キィイィィシィィィイィィィィイイィッ!!!」 ギチチチチチィィッ
触手(来た! 真っ正面! 体当たり? 違う!!)
大百足「!!」 グワッ
触手(あの大顎で俺を、嚙み殺す!! だけど、それを!)
触手「待ってたんだよぉぉっ!! うぅわああああぁあぁあぁ!!!」 ギュオオッ!!
大百足「ギシイィィィイイィイ!!」 ガツンッ!!
60
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 16:51:59 ID:aNiJunHY
触手「ぎっ!? がっ……アアアァァアアァアァ!!?」
触手(イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイアアアァァアアァアァ!!!)
触手「こ……っの! "食う"のは……俺の方だああぁあああぁぁぁ!!!」 ドクンッ
大百足「」 ズモモモモモッ!...パアァァンッ!!
触手「んどわあああぁああ!!?」 ガラガガガガッ!
触手「………………い……ってぇ……は、はは……いってぇ……ははははっ」 ヘタッ
61
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 17:00:04 ID:aNiJunHY
・・・
触手「……っ……あ〜……シンドイ」 グデリ
触手(硬い甲羅はどうにもなら無さそうだったけど、内側からなら何とかなるかもってほとんど博打な思いつきだったけど)
触手「何とかは、なったかな……っ、ヤバイ全身ボロボロだ」
触手(……噛みちぎられないようにほぼ全部の腕を口にぶち込んだからな……それでも、残った本数のが少ないんだから本当にギリギリだったな)
触手「そうだ、女の子を……っ、あ、うおっ?」 ヨテテ
62
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 17:06:01 ID:aNiJunHY
触手(ヤバ……体の動きが鈍いし……感覚も、無くなって……これってマズッ) ズクンッ
触手(ぁ……? なんだ? からだが……? ぃ……し、き……ぅ)
・・・
触手「…………ん……ん?」
触手「あれ……おれ、なにして……ここ、は……ん? ……おおぉっ!!?」
触手(な、な……何だこりゃあ!? コレ……あの大百足の、残骸……か?)
63
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 17:13:17 ID:aNiJunHY
触手(この状況……俺は気を失ってた……ってことだよな? 気を失ってる間に何が……)
触手「あんだけデカかった大百足がほとんど無くなってやがる……千切れた足が何本か落ちてるくらいとか」
触手(これは……誰かが持っていった……? いや、それにしたって、あんなデカイのどうやって……ん?)
触手「体が痛く……ない……って言うか、怪我が無くなっ……んんんっ?」
触手(あれ? 気のせいじゃなきゃ……俺の体……明らかに、デカくなってない?)
触手「腕の本数もメチャクチャ増えてるし、微妙に色合いも赤黒く……何と言うか……さっきの百足の色っぽくなってる、よな」
64
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 18:11:16 ID:aNiJunHY
触手(この状況から考えられるのは……要するに、あの百足を俺が全部……)
触手「って……ああっ! そうだ、そんな事をノンビリ考えてる場合じゃ……っ!」
触手(え〜っと、 気を失う前に見た時は確か……そう! あっちの岩陰にっ!)
女の子「」 クタッ
触手「い、いた……良かっ……いや、安心するのはまだ早いっ」
触手(呼吸は、ある! けど、意識は無いみたいだな……パッと見で出血は無さそ……ん? これ、は……何だ頭に何か) ツンッ
65
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/20(日) 18:19:02 ID:aNiJunHY
女の子「」 ピクン
触手(これ……頭に刺さって…………いや、刺さってると言うより……生えてる?)
触手(それに……俺自身の体が変わってサイズ感が狂ってるのかとも思ったけど……何だかこの子……デカくね?)
女の子「」 ヒクッ
触手「顔立ちとか頭身は子どもだけど……うん、間違いない……身長は多分、大人と変わらない位だな」
触手(頭に角っぽいものが生えてて、デカイ体の、女の子、か……ひょっとして、この子って人間じゃなくて……鬼、だったり)
66
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/20(日) 18:31:53 ID:l0yV9U2w
きたい乙。
67
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/20(日) 21:49:49 ID:YxpgVGV2
はよ
68
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/20(日) 21:50:25 ID:YxpgVGV2
あ、こっち深夜か
とりあえず支援
69
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/21(月) 00:13:43 ID:ql6J7Y86
こういうのメッチャ好き!頑張れ!
70
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/21(月) 06:17:39 ID:.QzMxiCU
どんどん続けて
71
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/21(月) 23:47:12 ID:S.Y6YPE.
・・・
触手「よ、いっ……しょ! と……ふぅ〜……こ、この辺りなら大丈夫、かな?」 グググッ...ソッ
女の子「」 ...クテッ
触手(まだ目が覚めない、か……あの場にあまり長居したくなかったから、碌な確認もできなかったけど)
触手(この窪み、少し高いところに入口があるから通路からはあまり見えなさそうな感じだし、多少は安全……だと思う)
触手(まぁ、この状況じゃ出来ることなんて限られるけど……やれるだけの事は、やっておきたいよな) スッ
72
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/21(月) 23:59:25 ID:S.Y6YPE.
触手(先ずは……頭だな、これだけ目を覚まさないとなると強く打った可能性もあるし)
触手(……多少時間も経ったけど流血は無い……頭のは、やっぱり角だよな……まぁ、いまソレは置いとくとして)
触手(視診じゃこれが限度だし……次は触診、なんだけど……)
触手(この体になって、色々と元の体と感覚が違ってる訳で……果たしてマトモに触診出来るだろうか)
触手(触診してるつもりで、いつの間にか食べちゃってたりなんか……いやいやいや、流石にそれは無い!)
触手(ここまで運ぶ間だって、問題なかったんだ……生き物なら何でもかんでも手当たり次第にって事はない)
73
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 00:07:16 ID:UpTAKRag
触手(今までの経験からして、"食べる"事を意識してさえいなければ大丈夫な筈)
触手「……念の為、これは触診だって事を常に思い続けておこう」
触手(…………よし!)
触手「さっき倒れてた時の感じからして……ぶつけてるなら、多分このあたr……ふおおぉぉっ!?」 ソッ...チリリッ!
触手(お、お……ふおおぉぉぉおぉっ!!? な、のん……なんだあぁぁぁあ!!?) キィィィィィッ
触手(なんだ、この感覚っ!? さ、触ってる所から流れ込んでくるコレは……この子の、体の状態か!?)
74
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 00:41:29 ID:UpTAKRag
触手(後頭部は軽い打撲、脳の損傷なし、気絶は恐怖による一時的な失神、右前腕の尺骨に軽度の亀裂、右足関節は捻挫、その他、全身に軽度の擦過傷多数、軽度の空腹状態、自律神経の乱れあり)
触手(す……スゲェ! ほんの少し触っただけで全身の状態が隈なく分かりやがる!! 骨やら脳やらの状態までバッチリとかレントゲンやエコーどころか下手すりゃCTも要らないじゃん!!)
触手「こ、これは便利すぎるだろ……! うっわ〜! この体に初めて有り難みを感じたわ!」
触手(い、いかんいかん!! こうして今の状態が分かったんだ、なら……次は処置をしないとだ)
触手「頭の方は大丈夫な訳だし先ずは腕の処置をして、それから……」
・・・
75
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 00:57:00 ID:UpTAKRag
触手「……ふぅ、これで応急処置は完了っと」
触手(この子が持ってた荷物の中に救急キットっぽいのがあって助かった……最悪、この子の服を破くなりしないとダメかと)
触手(添え木にはさっきの大百足の足を活用……うん、何となくで持ってきたけど良い仕事するじゃないの)
触手(足の捻挫は少し腫れてるし、水場なりが有ったら冷やしておきたい所だな)
触手(満足な治療とは言えないけど……いま出来るのはこんな所か)
触手「さて、と……応急処置な終わったとなると、目を逸らしていた問題について考えなきゃ……かぁ」
76
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 01:05:12 ID:UpTAKRag
触手(即ち……この子、これからどうしよう) ズーン
触手(あの場で見捨てるなんて選択はあり得なかった、それは間違いじゃないし後悔していない)
触手(だけど……あの時はしょうがなかったとは言え、"その後"の事をまるで考えてなかったよなぁ)
触手(差し当たって、この子に命の危険はない……でも、それだけだ)
触手(右腕のヒビに足の捻挫……とてもじゃないけど、あんな化け物が彷徨く場所を歩き回れるとは思えない)
触手(かと言って、ずっと身を潜めているのも現実的じゃない……化け物もだけど、この子は"空腹"を感じてたみたいだ)
77
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 01:14:41 ID:UpTAKRag
触手(救急キットと一緒に食べ物らしいものも有ったけど、この子の体のサイズからして量はほんの僅かだ)
触手(怪我の事もあるし、栄養はしっかり摂るべきなんだけど……う〜ん)
女の子「……っ」 モゾッ
触手(……虫、か? 虫……いや、虫だぞ? 女の子に……いや、もし鬼なら平気だったり? ……いや、どうだぁ?)
女の子「……〜〜」 ムクッ
触手(何か食糧になりそうなものを確保する……って言っても今のところまともに食えそうな生き物なんか……あ)
78
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 01:23:31 ID:UpTAKRag
女の子「〜〜……〜〜? ……?」 キョロキョ...
触手「キミ! 気が付いたんだね! あ〜〜、良かっt」 ウゾウゾ
女の子「ッ!? ッ……ヤアァアァアアアァアァッッ!!!」
触手「ひっ!? ちょっ! ま、待て! 落ち着いっ!! あまり大きな声を出さn」 ワタワタ
女の子「〜〜〜〜〜!! 〜〜! 〜〜〜! ヤアァアァアア!!」
触手「っぐ、わわわかった! 近づかない! 近づかないから! だから静かに、頼むから!! マジでっ」 ゾザザッ
79
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 01:33:48 ID:UpTAKRag
・・・
触手(参った……こいつは、ホントに参ったぞ) ソローッ
女の子「〜〜……ッ……〜〜〜……ッ」 ヒック...ヒック
触手(宥めようにも近づくとメチャクチャに泣き叫ぶから、下手に近付けないし)
触手(離れたところからコミュニケーション取ろうにも、やっぱり言葉は通じないし)
触手(かと言って姿が見えないようにすると、無理に立ち上がって逃げようとするから目も話せないし)
80
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/22(火) 01:46:31 ID:UpTAKRag
触手(それに何より……予想はしてたけど……してはいたんだけども)
触手(あの、表情……言葉がわからなくたって、それこそ一目瞭然だ)
触手(……怯え、恐怖、忌避、拒絶、嫌悪……)
触手「人間じゃなくたっていい……せめて、もう少し……マトモな見た目の生き物、だったらなぁ」 ウゾリ
触手(……嘆いてみたところで、状況が良くなるわけじゃない……なら、いますべきは……)
触手「あの子と、何とかしてコミュニケーションを取らないとだ……その為には、まず……」
81
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/23(水) 16:21:49 ID:eue2O.1.
触手「……」 ソローッ
女の子「……ッ」 グスッ
触手(さっきより少しは落ち着いてくれたかな……さて)
触手「は……はろ〜」 ウネウネ
女の子「ッ!」 ビクッ
触手「……あ〜……ナイストゥ〜ミ〜チュ〜……なんて」
82
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/23(水) 16:29:27 ID:eue2O.1.
女の子「……ッ」 フルフル
触手「え〜っと……に〜はお? ナマステ〜……グ〜テン、タ〜ク?」
女の子「ッ……」 カタカタ
触手(う〜……日本語がダメでも外国語なら或いは、なんて思ったけど……やっぱダメそうだな)
触手(まぁ、万が一に通じたとして、俺の語学力じゃ会話できないことに変わりはないんだけども)
触手(それでも、せめて俺が意思疎通可能な存在だって事を分かってもらえれば、コミュニケーションの可能性も見えそうなんだけど)
83
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/23(水) 17:01:09 ID:eue2O.1.
触手「まぁ言葉が通じないってのは予想通りだ、となれば次は……」 ウゾウゾ
触手(落ちてる石で、壁をこう……ガリガリっと……くっ、結構固いな……このっ) ガリッ...ガリリッ
女の子「……ッ…………?」 チラッ
触手(ここを、こう……あ〜! くそっ! 自分の絵心のなさが憎いっ) ガリガリ...ガリッ
女の子「…………」
触手(……よ、よし……取り敢えず、これで……) ガリガリ
84
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/23(水) 17:20:00 ID:eue2O.1.
触手(ふぅ……思いつく限り色々と描いてはみたけど……画力も合間って子どもの落書き帳っぽいな)
触手(だけど相手も子どもなんだし、このくらいの方が親しみを感じて貰える可能性も……流石にそれは望みすぎだけども)
触手「何はともあれ、コレをあの子に見て貰わないことには……って、あれ?」
女の子「…………」 ジィーッ
触手(め……メッチャ見てる!)
触手「あ……あははは〜……」 フリフリ
85
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/23(水) 17:31:23 ID:eue2O.1.
女の子「ッ……!」 ビクッ
触手「あ……っと、そっか……この体じゃ手を振っても威嚇してるみたいに見える、か?」
触手(とは言え、さっきの反応は悪くなかったんじゃないか? このぶんなら何とかなるか……?)
......キュルルゥ......
触手「ん? いまのは……何かの生き物の鳴き声……か?」
女の子「……ッ」 モジッ
86
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/23(水) 21:32:10 ID:NXmvalSA
乙はよっ!
87
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/24(木) 22:37:50 ID:JkR7YGzM
触手「……いまのって、キミのお腹の音?」 ウネウネ
女の子「……ッ……」 ジリッ
触手(……話しかけても警戒されるだけ、か……でも、そうか……食べ物なぁ)
触手(虫ならそれこそすぐにでも確保できるけど、いまはまだそのタイミングでは無いな)
触手(むしろ、あの子の持ってた食糧が尽きるまでに何とかして食べれそうなものを手に入れないと)
触手(……その為には) ウネリ
88
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/25(金) 20:24:42 ID:nr6oPKlg
触手「え〜っと……ここら辺に引いておけば……よし」 ガリガリガリガリ
触手「お、お〜い?……ホラ、こっち見て、こっちこっち」 デチデチ
女の子「……ッ……?」 ジッ
触手「よし、え〜っとだな? キミはこの線より、そっち! こっちの方には、来ない! お〜け〜?」 ウネウネデチデチ
女の子「…………?」
触手(言葉は通じなくてもジェスチャーを交えれば多少はと思ったんだけど……やっぱり無理かな?)
89
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/25(金) 21:35:30 ID:nr6oPKlg
触手(とは言え、現状じゃこれが精一杯……後は、できるだけ早く戻ってくる位しかないか)
触手「本当に、頼むから……大人しく待っててくれよ?」 ウネリ
女の子「……」 フイッ
触手「……それじゃあ、行きますか」 ウゾウゾ
触手(まぁケガしてる訳だし、あまり無茶な事はしない……筈)
触手(迷ったりしない為にも、あまり遠くまで行かないで済めば良いんだけど) ウゴウゴ
90
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/25(金) 23:17:40 ID:Zsv35ff.
おっつおっつ
91
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/27(日) 10:52:13 ID:Y4VJqp0.
もっと大量に更新してくれてもいいのよ
92
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 11:45:43 ID:Zx52J3uk
・・・
触手(参ったなこりゃ……まともに食べれそうな奴どころか生き物に全く出くわさない)
触手(あまりあっち行ってこっち行っては、したくないんだけどなぁ……ぶっちゃけいまの時点でもかなり記憶が際どい)
触手「あの子のことも気掛かりだし、一旦あそこまで戻っておくか」
触手(この調子じゃ、虫を食べてもらうって話も最終手段とか言ってられないかもだなぁ)
触手(あの百足の時みたいに気配なりが分かれば……と言うか、あの時は何で分かったんだ? 空腹だったから、とか?)
93
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 12:05:19 ID:Zx52J3uk
触手(敢えて腹を減らして、またあの感覚で獲物を探すとか? ……でも上手くいく保障も無いしなぁ)
触手(そもそも、俺の方だってわざと空腹になっていられる余裕なんて……ん?)
キィッ キィッ キィッ キィッ キィッ
触手(なんだ? 騒がしいな……いや待て、この方向……それにコレって……まさかっ!) ウゴゴゴッ
キィッ! キィッ キキィッ! キキィッ キィッ! キィッ! キィッ! キキィッ!!
触手(なんて数の声だ! クソッ! 頼む……間に合ってくれっ!!)
94
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 12:20:19 ID:Zx52J3uk
大群蝙蝠「キィッ! キィッ キキィッ! キキィッ キィッ! キィッ! キィッ! キキィッ!!
」 バサバサバサ
触手「っ! なん……って数だよ、どこから湧いて来やがった……!」
女の子「〜〜〜〜ッ!!」 バタバタ
触手(げっ!? あの子まさか、あのケガであの窪みから降りたのか!? ザッと見ても10mは有ったのにっ)
触手(あぁもう! そんなこと考えてる場合かよっ! 兎に角、あいつらを追っ払わないと!!)
触手「おらぁぁぁぁぁっ! その子から、離れやがれぇぇぇぇぇっ!!」 ブンッ! ブォンッ!!
95
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 12:59:12 ID:Zx52J3uk
大群蝙蝠「キィッ!! キィッ キキィッ キキィッ!! キィッ! キィッ キキィッ キィッ! キキィッ!」 バサバサバサササッ!!
触手(量に怯むな! 一匹一匹は、精々が小型犬……って、コウモリの割にはデケェっての!!)
女の子「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」 ジタバタ
触手「〜〜っ! こ、な……くそぉぉぉぉ!!」 ググッ...シュバババッ!!
触手(落ちろ! 落ちろ!! ……落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ!落ちろよぉぉぉぉ!!)
大群蝙蝠「キィッ!? キィッ! キキィッ!? キィッ! キィッ! キィッ! キキィッ!!
」 バササササササッ!
96
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 15:04:23 ID:Zx52J3uk
触手「はぁ、はぁっ、はぁ……追っ払えたか」
蝙蝠「」 ピクピク
触手(何匹かをはたき落した後は割とあっさり逃げてってくれて助かった……けど)
女の子「〜〜ッ、〜〜〜〜」 グスッ...ヒック...
触手(……あんな大量の蝙蝠に襲いかかられたんだ、無理もないよな)
触手(全身キズだらけだし、化膿しない様に手当てしないと……だけど)
97
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 15:15:09 ID:Zx52J3uk
スルルッ...ソッ
女の子「ッ! …………?」
触手「……怖かったよな、もう大丈夫だからな」 ナデナデ
女の子「…………」
・・・
触手(……これは、どういう事なんだろうか)
98
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 15:47:29 ID:Zx52J3uk
女の子「…………」 ジィーッ
触手(やけにこっちをジロジロ見てくる……窪みに運んでる間も含めて抵抗する感じが全くなかったし)
触手(もしかして、少しだけど……警戒心が薄れてきてるのか? それなら……)
触手「あ、あ〜……悪いけどちょっと良いかい?」 ウネウネ
女の子「……ッ」 ビクッ
触手(……いや、まぁ……気味悪い見た目は変わってないし軽く驚く位は、うん……怯えてる感じはかなり減ってるし、うん)
99
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 15:55:33 ID:Zx52J3uk
触手「気を取り直して……いまから、触るけど、キズを、見るだけだから、安心、して」 ウネウネクネクネウネリネリ
女の子「……?」 ヒキッ
触手(ジェスチャーを交えて見たけど、逆効果だなこりゃ……メッチャ顔が引き攣ってる)
触手「だけど、放って置くわけにもいかないからな……ホント、大丈夫だから、頼むからジッとしててくれよぉ」 ソロソロ
女の子「…………ッ」 ギュッ
触手(……もう少し……あと、ちょっと……っ、触れ、た!) ピトッ...キィィィィッ
100
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 16:21:19 ID:Zx52J3uk
女の子「〜〜〜ッ!?」 ゾワワッ! ベチッ!!
触手「あだっ!? ご、ごめん! ビックリさせちゃったか? 大丈夫、大丈夫だから!」 ウネウネウネ
女の子「〜〜ッ、〜〜……〜〜〜……〜〜?」 オロオロ
触手(な、なんだ? 触られ所……だけじゃない、身体中を触って確かめ始めたぞ?)
女の子「…………〜〜、〜〜〜……」 ホッ
触手(……落ち着いた、か? なんだか慌ててる感じがしてたけど何だったんだ?)
101
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 16:36:57 ID:Zx52J3uk
女の子「………………」 ジィィーッ
触手(かと思えばまたこっちを……気になるけど、当初の目的を済ませないとな)
触手(一瞬だったけど必要な情報は読み取れたし、ケガに関しては直ちに危険ってことは無さそうで安心した)
触手(だけど、やっぱり消毒と化膿止め位はしておきたい所だな……救急キットにそれっぽいのが有ればそれを……)
触手(それに、無理にしたせいで足の状態が少し悪くなってた……キズの洗浄と水分補給も合わせて水場も探さないと)
触手(となると、順序としては包帯の巻き直し、水場探し、キズの洗浄、水分補給、足の冷却、かな……あ、いやその前に)
102
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 16:42:52 ID:Zx52J3uk
触手「これに関して、確認しておかないとだよなぁ……うぇ」 ゴゾリ...ベチョ
女の子「……? ……ッ」
蝙蝠「」
触手(予想外とはいえ、やっとこさ見つけた生き物……虫に比べれば、まだ……いや、でもなぁ)
触手「でも確認は必要だ……え〜っと……よし、それじゃあコレで」 ガリガリガリッ
女の子「……?」
103
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 17:02:53 ID:Zx52J3uk
触手(全部を絵で伝えるのは俺の画力じゃ無理だけど、絵とジェスチャーと併せてなら) ガリガリッ
触手「……これで、どうだ? 口に見えるかな……ちょっと牙でも足しとくか?」 ガリガリ
女の子「……」 ジッ
触手「よしっ、それじゃあ……蝙蝠を指して、絵を指して、この子を……」 ウネッ...ウネッ...ウネッ
女の子「……?」 キョトン
触手「もう一度……コレが、これで、こう」 ウネッ...ウネッ...ウネッ
104
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 17:15:44 ID:Zx52J3uk
女の子「…………」 ジィーッ
触手「…………」 ウネッ...ウネッ...ウネッ
女の子「………………!」 ハッ
触手(おっ……おぉっ? この反応は……もしかして)
女の子「……」 スィッ...スィッ...スッ
触手(絵を指して、蝙蝠を指して、自分を指した……これは……これは……っ)
105
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 17:25:37 ID:Zx52J3uk
触手「ぃよっしゃぉぁぁぁああぁあぁぁあ!! 通じた! 通じたあぁあぁぁ!!」 ウネウネウネネッ!!
女の子「!?」 ビクーンッ
触手「ははははぁっ!! あ、ゴメンゴメン! 脅かしちゃったよな! いっやぁ〜俺としたことが何をこんな……あ〜、バッカみてぇ」 ウネネッ
触手「こんなバカみたいにはしゃいだのいつぶりだ……? ははは……はぁ……なんか、泣きそ……涙とか出ねぇけど」 ウネリ
女の子「…………」 ジッ
触手「おっと、話の途中だったな! あ〜……文字はアレだけど、図形……◯くらいなら、どうだ?」 ガリリッ...トントンッ
106
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 18:14:43 ID:Zx52J3uk
女の子「! …………」
触手(ん? なんだ? 何か、考え込んでる……?)
女の子「……〜〜〜、〜〜……〜〜〜……」 スィッ...スィッ...ブツブツ
触手(蝙蝠を指して、口を指した、それで……? 指を立てて、なんだ?)
女の子「……〜〜〜、〜〜〜……〜〜!」 ...シュボッ!
触手「う、うおおっ!!?」 ズゾゾゾッ
107
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/27(日) 18:58:47 ID:Zx52J3uk
女の子「……」 キョトン
触手(び……ビックリしたぁぁ……火の魔法、か……この世界じゃ子どもでも魔法が使えるものなのか?)
女の子「……〜〜〜?」 ソローッ
触手「あ……こ、コホン! 大丈夫、大丈夫! 怖くない、怖くないハハハハ」 ブンブン
触手(あんな指先大の火の魔法に激しくビビるとか……流石にちょっとなぁ……はぁ)
女の子「…………」 ジィーッ
108
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/27(日) 23:10:30 ID:YpB6kUYk
④
109
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/28(月) 09:40:24 ID:G7MT9zrc
これ好き
110
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/30(水) 19:19:10 ID:GIkdOCuI
触手「あ、あ〜……気を取り直して……」 ウゾウゾ
触手(いまの魔法、俺のことを脅かそうとしてやったんじゃ無いはず……となると、このタイミングで見せたのは)
触手「…………! 火が使える、だから……焼けば食べれるって事か?」 ウネッ...ウネッ...ウネッ
女の子「! 〜〜!」 コクコクッ
触手(おおっ! 合ってた! そうかそうか、まぁ確かに生のままって訳にはいかないよな普通は)
触手(考えてみたら、この体になってその辺の問題を丸っとスルー出来たのも運が良かったって言えるかもだ)
111
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/30(水) 19:29:41 ID:GIkdOCuI
女の子「……ッ、〜〜……」 ...フッ
触手「ん? あれ、火が消えて……どうしたんだ? 焼いて食べないのか?」 ウネッ...ウネッ...ウネッ
女の子「……〜〜」 フルフル
触手(顔を横に……さっき頷いてたのからしても、その辺りの意味は俺の思ってるのと同じはず……ならなんで)
触手(……そう言えば、さっきより少し表情に疲れが……あ、もしかして火を出すのにも体力を使うって事か?)
触手(指先に小さな火を灯すので体力を消耗するなら、あの蝙蝠を丸焼きにする火力は出せそうに無いなぁ)
112
:
◆k93Gc42qOc
:2017/08/30(水) 19:55:24 ID:GIkdOCuI
触手(となると、火を燃やすための薪なりが無いと難しいか……洞窟にそんなもんあるかなぁ)
触手「まぁ探してみる他ないか……この蝙蝠どうすっかな、ここ涼しいし2、3日ぐらいなら保つかな」 グチッ
女の子「……〜〜〜?」 スッ...スッ...スッ
触手(なんだ? 蝙蝠、口、俺……あ〜……俺が蝙蝠を食べないのかって事かな?)
触手「まぁ今はそこまで腹減ってないし……この辺にいる虫で十分だよ……っと」 ...ウジャラウジャラ...バクンッ
女の子「…………」 ジッ
113
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/30(水) 21:17:44 ID:HoqcWjik
意志疎通が出来るようになって良かったね
114
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/01(金) 23:12:38 ID:qf0F8JqY
触手(あれ? ワサついてる虫を丸呑みとかドン引きされるかと思いきや、案外動じないな)
女の子「………………」 チョンチョン
触手「ん? 割れ目……なに? もう一回やれって事かな? ……ほいよっと」 ウジャラウジャラ
女の子「……〜〜〜……〜〜」 ...チョンッ スッ
触手(……? コイツを下に? ……これ見た目からしてあの大百足のミニチュア……まんま百足な訳だけど、どうする気だ?)
女の子「……〜〜〜〜」 ゴソゴソッ...チャキッ
115
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/02(土) 04:07:44 ID:stvzCj6E
えらく刻むね、乙。
116
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/06(水) 00:35:19 ID:wSH2EQSc
はよはよ
117
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/06(水) 17:21:20 ID:v1TFBaCo
触手(石ころと……包丁? いや、包丁と言うよりナイフか? 何でそんな物を……まさか)
女の子「……〜〜〜」 スッ...
触手(……左腕で石を振りかぶって)
女の子「……ッ!」 ブンッ! グシャッ!!
触手(うぉぉぉ!……え? 潰した百足の頭をナイフで切り取って……これって……マジでか? マジなのか?)
女の子「………………ッ!」 ......アグッ
118
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/06(水) 17:32:07 ID:v1TFBaCo
触手(く……食ったぁぁぁっ!? な、生で……生でいったぞあの子)
触手(い、いや待て? ひょっとすると、この世界じゃ割と虫を食べるのも普通だったりするのかも?)
女の子「ッ……〜〜ッ……ッ」 ウプッ...オプッ
触手(いや、メッチャ吐きそうな顔してるし違うっぽいな)
触手(でも、わざわざ俺に虫を捕まえさせた上で何種類かいる虫の中からアレを選んだって事は、だ)
触手(あの百足が食べられる虫だって知ってた……って事になるのか?)
119
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/06(水) 17:40:16 ID:v1TFBaCo
女の子「ッ……〜〜〜〜〜ッ」 ...ゴクン
触手(おぉぉ……完食したよ、スゲェなこの子)
女の子「…………………」 ...チラッ
触手(微妙に顔から血の気が引いてる辺り、割とマジで嫌だったんだろうに……?)
女の子「……」 チョンチョン
触手「…………えっ、まだ食うの!?」 ウネネーン!
120
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/06(水) 20:36:07 ID:zGu9Em7w
うおえぇ…
121
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/07(木) 07:01:20 ID:pBsbHTtc
ムカデとか食べるの余裕だろカメゴロウでさえ食べてたのに
122
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/13(水) 17:35:21 ID:uknJcO/g
・・・
女の子「……」 グッタリ
触手(……結局、全部で5匹は食べたか……途中から目が虚ろになってたから少し心配だったけど)
触手(荷物の中に食料があるって忘れてるのかと思ったけど、そういう感じでも無いし……ん?)
女の子「……」 スッ...スッ...スッ
触手「……? これは……俺があの蝙蝠を食べろ、ってことなのか?」
123
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/13(水) 17:55:58 ID:uknJcO/g
触手(確かにこの蝙蝠を焼く手段がない現状、食べられない蝙蝠を放置しておいても腐るだけ)
触手(それに、この場所も安全じゃない……いつ迄も留まっていられない以上、移動する上での荷物は少ない方が良い)
触手「そう考えると俺がアレを食べておくのが無難か……よし」 ウネッ...ウネッ...ウネッ
女の子「……!」 ジッ
触手「俺が、蝙蝠を、食べる、っと……んで、あ〜」 ウネリ
女の子「……?」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/14(木) 08:12:07 ID:I2frGZPM
期待
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/14(木) 16:47:34 ID:Gi5dB9RU
面白いからもっと書け
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/17(日) 06:30:54 ID:Czo9oH8M
はよー
127
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/22(金) 00:22:44 ID:bI2GApUM
触手(……さっき俺が考えたようなことをこの子が考えた上で、俺に蝙蝠を食べろって言ったのかは分からない)
触手(ひょっとしたら、何かもっと別の理由があるのかもしれない………………だけど)
触手「……ありがとうな」 ウネッ...ナデナデ
女の子「……!」
触手(こんな姿の俺を気遣おうとしてくれている……そう思えるだけで、俺は……)
触手(……救われたのは、俺の方だ)
128
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/22(金) 00:28:55 ID:bI2GApUM
女の子「………………」 ソッ...キュッ
触手「……! あ、っと! スマン! 急に頭なんか触って悪かった! すぐ退け……?」
女の子「……ッ、〜〜〜……〜〜?」 ポロポロ
触手「えっ、な……泣いて……なん、で?」
女の子「……ッ……〜〜〜……ッ……」 ...ギュウッ
・・・
129
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/22(金) 00:37:49 ID:bI2GApUM
女の子「」 スゥ...スゥ...
触手(……よし、手当て終了……っと)
触手(慎重にやってるとは言え、包帯巻き直されてても起きる気配は全く無しか)
触手(まぁ、極限状態の連続だった訳だし無理もない……か)
触手(しっかし、アレだな……離してくれる気配も全く無いとはなぁ)
女の子「」...ギュウッ
130
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/22(金) 00:48:58 ID:bI2GApUM
触手(……ほんのちょっと前までの怯え様が嘘みたいな寝顔だ)
触手(正直に言って悪い気は……いや、自分のとは言え小さな女の子が触手を抱きしめて寝てるってのは非常に目に優しくない光景だな)
触手(……なんて言いながら、抱かれるがままにしてる辺り俺って……何だかなぁ……)
触手(いやいやいや、この状況なら普通だよな? むしろ変に意識する方がおかしい筈だ、そうだ、そうに違いない、うん)
女の子「」 ...モゾ...スゥ...スゥ
触手「…………はぁ」 ウネリ
131
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/22(金) 01:03:05 ID:bI2GApUM
『……ッ、〜〜〜……〜〜?』
触手(あの時、この子は……なんて言ってたんだろうなぁ)
触手(あの涙は、どんな気持ちで……どんな意味が……)
触手「……何だかなぁ」
触手(…………俺も少し、疲れたな……あの大きさの蝙蝠をまるまる食べて腹もいい感じに膨れたし)
触手(……少しだけ……眠……)
132
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/22(金) 07:03:56 ID:vRrr92i.
おつおつ
133
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/22(金) 12:14:38 ID:DbH0/4GI
おつ
134
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/23(土) 20:09:07 ID:S4lH5kJ6
・・・
触手「……ぅ……っと、寝ちゃってたか……いま何時……って、そうか時計なんて無……あれ?」
触手(…………………あの子が、いない?)
触手(まさか逃げ……いや、荷物が置いてある……他の生き物に? いや、それは流石に気がつく筈)
触手(それじゃあ一体どうして………………………………ぁ)
触手(…………………………まさか、おれ……が?) ゾクッ
135
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/23(土) 20:25:07 ID:S4lH5kJ6
触手(違う、ちがう……ちがうちがうちがうちがうちがうちがう!!)
触手(そんなはずない! ありえない! そんなことが、あっていいはずがない!!)
触手(じゃああのこは!? あのこはどこにいったんだ!! どうしてかってにいなくなった!!?)
触手(どうしたらいい? どうやって、なにを? なんで どこに どんな? あ、あああ、あああああ)
触手( たのむ だれか お し え て く れ !!) リィィィィッ
触手(!! なん……い、ま……あの、岩のかげ……っ!!) ウグリュッ!
136
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/23(土) 21:23:43 ID:S4lH5kJ6
女の子「!?」 ビクッ!
触手「……っ…………よ、よか……なん……ほん」 プルプル
女の子「?? ……? ……???」
触手(良かったああぁぁぁああっ! なんだよ!岩陰にいただけかよ! あ〜もうほんっと良かったぁぁぁ)
触手(マジで、本気で、寝てる間に食べちゃったのかと……あ〜もうホント心臓に悪い!!)
触手(はぁぁ〜……ったく、何でまたこんな所に隠れるみたい……に……?)
137
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/23(土) 21:31:22 ID:S4lH5kJ6
女の子「……」 モジモジ
触手(……俺が寝てた所から少し離れた岩陰……この子がいるのは俺からはちょうど死角になって見えない所)
女の子「…………」 チラッ...モジモジ
触手(それに、しゃがみ込んで隠れてるのかと思ったけど……よくよく見ればズボンがずり下ろして……これって)
女の子「…………〜〜〜……〜〜」 ゴニョゴニョ
触手「……し、失礼しました」 スルル
138
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/23(土) 22:47:54 ID:S4lH5kJ6
・・・
触手「……」 ウネウネ
女の子「……」 ソワソワ
触手(……き……気まずい……昨日とはまた違った感じで気まずい)
触手(いや、結果的に覗き?になったのは、まぁ……悪いとは思うけど別に子ども相手だし、そこはそれほど)
触手(だけど、少しトイレに行くのに離れたってだけであんなに取り乱したっていうのが……うぁぁぁぁ)
139
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/24(日) 19:20:13 ID:cZ/T6UDM
今後触手を活かしたエロはありますか
140
:
◆k93Gc42qOc
:2017/09/25(月) 01:12:58 ID:NdVg.Txo
触手(お前は起きて母親がいないことに気づいた時の子どもかっ! っての……ぅぅぅぅ)
触手(とはいえ、何事もなかったから良かったけど、想像したみたいなことに今後もならない、とは言い切れない訳で)
触手(……俺が寝る時はあの子に触れないようにしよう) ウネネ
触手(……それはそれとして、さっきのアレは何だったんだ?)
触手(完全に俺から見えない位置にいたあの子が、あの一瞬だけハッキリとそこにいるように見えた)
触手(いや、見えたって言うと少し違う……か? うまく言えないな)
141
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/30(土) 08:33:52 ID:dRLcykpg
いつエロが出てくるのか
142
:
◆k93Gc42qOc
:2017/10/04(水) 13:42:39 ID:oPEVFqhk
触手(……考えてても分かる訳じゃなし、ここはもう一回試してみた方が早いかもだな)
触手(あの時は……確かこう……いや、違うか? こんな感じに、こうだったかな?) ...ィィ
触手(あ、今のが近かったな……やっぱりこう……うん、こんな感じに……っ) ...リィィィッ
触手(おっ、おっ? ……おぉぉぉっ!? 何だこれ! スゴイぞ!!) リィィィィッ
触手(苔の光が届いてない所とか死角になってて見えない所までこう……しっかり感じとれる!!) リィィィィッ
触手(不思議な感覚だ……でも何でこんなこと急にできるようになったんだ?)
143
:
◆k93Gc42qOc
:2017/10/04(水) 13:44:08 ID:oPEVFqhk
触手(元々できたけど、それに気付いてなかっただけとか? ……あり得るけど何かしっくりこないな)
触手(……! そういえば、ムカデを食った後で体の色が変わってたよな? 今は……あの時より少し、黒っぽい)
触手(これは……もしかして、蝙蝠を食べた影響って事なのか?)
触手(だとしたら、あの感覚……エコーロケーションって事か?)
触手(いやいやまさか、そんな蝙蝠を食ったからって、そう簡単に身に着く訳が)
触手(……無い、とは言い切れないか……魔法なんてものがあって俺みたいな生き物?がいる世界だもんなぁ)
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◆k93Gc42qOc
:2017/10/04(水) 13:59:36 ID:oPEVFqhk
触手(まぁその辺りは、それこそ考えたところで仕方がない……か)
触手(エコーロケーションっぽいことが出来るようになった、それは紛れも無い事実なんだし)
触手(それに何より、これを上手く使えるようになれば洞窟の探索がもう少し楽になるかも)
触手「よし! それじゃあ早速、探索に出発しy……ん?」 ウネッ
女の子「……」 チョンチョン
触手「あ……っと、俺としたことが考え事に夢中になってこの子の事すっかり……えっと、どうしたのかな?」 ウネウネ
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