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男「モテる代わりに難聴で鈍感なキミたちへ告ぐ 〆!」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/18(火) 23:24:07 ID:KppNpej6
ここが墓場だ



1、男「モテる代わりに難聴で鈍感になるんですか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1379798915/

2、男「モテる代わりに難聴で鈍感になりましたが」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1380372236/

3、男「モテる代わりに難聴で鈍感になった結果」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1385750291/

4、男「モテる代わりに難聴で鈍感になったけど質問ある?」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1397082375/

5、男「モテる代わりに難聴で鈍感になるのも悪くない」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1406541846/

6、男「モテる代わりに難聴で鈍感になるならどうする?」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1420921537

7、男「モテる代わりに難聴で鈍感だった日々より」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1446919295/l50

2以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/21(金) 19:32:16 ID:IXkA8quc
男(異常じゃないか?)

男(文化祭の期間は、授業が止められるとはいえ、出席確認はクラス担任として義務だぞ。何故いない、体調不良かも、OK、で簡単に済ませるのもらしくない)

先生「お昼のあとで煩わしい話してごめんねー。でも、先生たちはみんな君らに最高の思い出作って欲しいわけでして」

男子生徒「先生大袈裟すぎますよ、他がやらかしたからって俺たち速効右に倣えとか噛ましませーん!」

女子生徒「そうです、そうです! 私たちなんてクラス発表の練習で盛り上がっててそれどころじゃないです!」

男の娘「み、みんな、思いは一つになれてるんだよね! 男、素敵だよね!」

男(条件反射気味で斜に構えようとした俺を嗅ぎ取ったらしい男の娘、その笑顔は無理があっても埃被った人間に眩しすぎる癒しビーム)

転校生「不穏、って言うのかしら。こういう時……あってる?」

男「俺に訊いてるのか? いつでも勉強好きだな」

転校生「何なのかな。落ち着いてられない気分が続いてて、先が怖くなっちゃってる自分がいるのよ」

転校生「こんな辛い事が、また何度も繰り返されるなんてことがあったら、私……」

先生「はいはい! 気持ちはしっかり受け止めましたんで、その情熱は午後の準備に回すように! 以上、散れ!」

「急いで取りかかるよ! 体育館占領してられる時間なんて限られるんだから!」

男「少し先生に用がある。どこ行ったか訊かれたら適当に誤魔化しといてくれ、転校生」

転校生「えっ、う、うん?」

3以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/21(金) 20:04:06 ID:IXkA8quc
男(張り切るクラスメイトたちをしばし眺め、先生は教室から退出。そんな憂いを纏う美人教師をかけ足で俺は追い掛け、並び歩いた)

先生「おサボりが過ぎる子にはそろそろお仕置きが必要なんじゃないかな?」

男「いえ、歩きながらで構いませんので、先生にお尋ねしたいことがありまして……」

先生「次の期末試験で出そうな問題教えてとかだったら、承知しないよ?」

男「疑ってばっかりじゃ疲れますよ、先生」

男(ニッ、と含み笑いして返す彼女、ではあったが、こちらがこれから持ち出さんとする話題を完全に予測していなかったらしい、意外だと気抜けを見せられることになった)

男「名無しがどうして休んでいるのか本当に理由を聞いてないんですか?」

先生「えっ、うん、そうだけど……男くんこそ知らないの?」

男「でしたら、朝の時点でアイツがサボりだと決め付けて、じゃ おかしいですよね。先生もさっき指摘されて始めて気づいてましたから」

男「欠席取らないんですか? 嫌な事件が立て続いてるこんな時に、何か事件に巻き込まれたとか疑わないんですか、先生」

先生「ま、待ってまって! 質問攻めはパス! 私だって気に掛けてるわよ、それなりに!」

男「だったら尚更…… (目を泳がす先生に迫るしかなかった。不可解の影響が、名無しなのであれば、彼はまた“企み”があると推測できる)」

男(わざと登校しなかった意味を探る行動に移れる。……どうしたって、俺の中では今朝の彼が気掛かりに変わりはなかったのだ)

先生「そ、そうだ! 君 あの子の連絡先知ってる?」

男「はぁ?」

4以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/21(金) 20:41:58 ID:IXkA8quc
男(……何を、言っているのだ……連絡先? ……アイツの連絡先を、俺に尋ねた? 個人の? いや、まさか)

男「俺詳しい事はわからないんですけど、生徒に関する連絡先名簿とか持たされるんじゃないんですか」

先生「世の中最近じゃあ個人情報がどうとかで配布もほとんどで撤廃されてるんだよ。携帯電話流行ってから連絡網とか聞かないでしょ?」

男「だ、だとしてもアイツの住まいに連絡ぐらいは叶うでしょう!? 携帯の番号だって、俺、何かのプリントで書かされたことありますよ!」

先生「うん……で、でも名無しくんのだけ何でか本当にわからなくて……」

男「どうしてそれを本人に訊こうとしなかったんですか!? 大事な事でしょうが!」

先生「大事、そうね、とっても大事……何でかな……」

男(詳しくと、詰め寄りしつこく訊き出そうとすれば、ボロが出た。驚くべきというか、信じられないというか、あり得ない)

男(名無しの個人情報は一切学校側に知られていない。信じられるか? 住まい、戸籍等の、学歴から何もかもの情報が伝わっていなかったのである)

男「……そんな奴を学校に区別しないで置いておくなんて、どう考えたっておかしくありませんか?」

男(俺は勿論、美少女たちにでさえ細かな設定を与えられ、当たり前の情報は開示されている中、名無しのみが不揃い。実体が、無い)

先生「正直、男くんに今日問い詰められてようやく変だと感じてるのも否めないかもしれない……なんでだろう」

先生「そもそも“あんな男の子”、ウチのクラスにいたっけ?」

男「いやいや、担任がそんないい加減でどうするんですか」

男(……奴だけ この世界にぞんざいに扱われている、錯覚ではない、それ故に彼の浮いた雰囲気と透明感が本物だったと思わせられた)

5以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/21(金) 21:19:43 ID:IXkA8quc
先生「名無しくんは素行も悪くないし、優等生だと私も思うんだけど……」

先生「ごめん、今の聞かなかったことにして! 自分が受け持った生徒を変に疑うとか教師失格だしね、あははは」

男(合わせ笑いしてやれる余裕もなく、投げかけた世間話に頷きつつ茫然と廊下の角を曲がろうとした時だ。懐かしい感触が体に当たってきた)

「――――いたっ!」

男「おぐっ、大丈夫ですか!! って……お前」

後輩「もう、先輩って車に乗ったら良くないタイプなんじゃないんですか? 前方不注意の罰金です」

男(スカートの尻付近を払ってしれっとジョークを噛ます彼女こそ、今遭遇したくなかったランキング一位の美少女。というか この俺とぶつかっておきながら、無事だったのか)

先生「怪我は、なさそうだから安心していいかな。この子の言う通り、考え事しながら歩いてたら危ないっての!」

男「俺ばかりに非があるのは気に食わないんだが」

後輩「そうですね。私も少し考え事しながら歩いてたかもしれません、すみませんでした」

後輩「だけど、不幸中の幸いかもしれませんね。こんな所で先輩と会えるなんて、ふふっ!」

男(コイツが俺を探していた?)

後輩「先生、この人を借りて行って構いませんか? 丁度用事がありまして……ありますよね? せーんぱい」

先生「ほうほう、モテる男は罪だねぇー? 少年くん?」

男(罪が転じて罰とならない事ばかりを祈る誘いだがな)

6以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/21(金) 22:04:07 ID:IXkA8quc
男(別れ際にウィンクを飛ばした教師には溜め息で返すのが常套句にも変わろうか。溜め息からの深呼吸)

男(体を満たした酸素が、目の前の不気味で綺麗な少女へ睨みつける勇気を与えてくれた)

後輩「とっても怖い顔してますね?」

男(変わらぬ様子で答えると、顔を寄せて魅惑的な耳打ちである。「あの人が待っています」。その表情は悪戯に笑っていた、吐き気を催す邪気に染まって)

男(きっと 先を行き出す後輩を追うこの体はバキバキに固まっていたかもしれない。あんなに距離が近づいたと喜べていた美少女が、ただただ遠く離れて去って行きそうな危うさを醸し出している)

後輩「私が怪しく見えるのなら正直にそう答えてくださっても構いませんけれど、先輩」

男「……」

後輩「あはっ、お喋りのあなたがダンマリですか? 何だかちょっぴり寂しいです」

後輩「文句もなさそうなので私のあとを着いて来てください。心配しなくても騙す気なんてありませんので」

男(心配などあるものか。怖いぐらい辺りは人の気配を感じさせず、特別、を意識させていた)

男(ここは、俺が先程までいた学校の中なのだろうか。異世界に落とされたように周りの背景はモノクロに見えて、視界に写るどれもが無感情であった)

後輩「お待たせしました。どうぞ、中へ入ってください」

男「お前は入らないのか?」

後輩「“主”はあなたとの一対一をお望みです。私に任されたのは道案内だけです、以上以下もなく」

後輩「さぁ、中へお入りください――――――」

7以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/21(金) 22:45:58 ID:IXkA8quc
男(――――散々、中へ入れと催されてはみたが そこが自分の居場所である教室であるとは思わなんだ)

男(窓の外は無。白に近く 一切合切視覚を楽しませる背景もなく、闇のような白が広がっている、なんてカッコつけた表現が思い付けど、彼が先に嘲笑ってくれた)

名無し「wwwwwwwww」

男「何だって?」

名無し「え、この表現じゃもう古いの? 恍けた面がお似合いだな、主人公気取り」

名無し「安心してくれ、この部屋の中なら完全にオレと男だけの世界だよ。邪魔な手出しもされずに、二人だけの時間を過ごせる」

男(座れ、と言わんばかりに元々の俺の席にあった椅子が動いてくれた。名無しは無礼上等で教卓に腰掛けて、手の中の物を遊ばせて見せた)

名無し「さぞかしオレが気に食わないんだろうな。お前にとってオレは不要だろうさ」

男(ふてぶてしく教卓にいた彼の姿が消え、周りを見渡すと、座った自分の席の机の中から憎らしく顔が覗いていた)

男「悪趣味だ……」

名無し「オレがいなければ、オレさえ現れなければ。お前が楽しめていた理想は音を立てて崩れてしまったな」

名無し「お前が繋げた想いが重たくなる日々はどれほど居心地悪いんだろう……共同のデメリットだな……」

名無し「ぶっちゃけ面白くなくない? こんなの?」

男「煽りたいなら、この程度とか生ぬるいんじゃないか?」

名無し「草草草草草草だ・・・w」

8以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/21(金) 22:46:31 ID:IXkA8quc
来週火曜日に続く

9以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/22(土) 01:19:38 ID:J1Y9fm0M
乙乙乙乙乙乙だ

10以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/22(土) 09:45:13 ID:poq9U5Q6
名無しうぜぇwwww

11以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/23(日) 20:33:13 ID:tQZyqF9E
人減ったなぁ。ssも下火なんだね

12以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/24(月) 15:57:15 ID:cOno9HVg
乙乙乙乙乙です
長いこと追いかけてたからこのスレで最後かと思うと悲しい

13以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/24(月) 19:21:41 ID:xumrXxWw
前スレぐらいからROMってた
リあタイ追うのは時間なくて社会人にはつらいわ

14以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/25(火) 08:27:36 ID:bURd3rjU


15以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/25(火) 20:35:35 ID:1l9UWWKY
名無し「やー! 鬱陶しくてごめん。やっとオレたちだけになれたのが嬉しくて、つい!」

男(狂気は無邪気から来るものか、さぁ、甲乙付けがたい。席を退き、彼から距離を置こうとすれば、背後から肩に手がトン、と。ホラー演出最高だな、ド最低だ)

男「よし、提案っちゃなんだが……遊んでもらいたいなら、素直にお願いしてみるべきなんじゃないか?」

名無し「どーせ、オレが誘っても心の底から男が楽しんでくれないだろ。無理強いするのが友だちかな?」

名無し「いまこの時でさえお前は、オレが何をしでかすのか、何を考えてるのか、ずーっと探っているんだ。落ち着かないよ」

男「はてしなく面倒臭いな、お前」

男(聞く耳持たずいつのまにやら窓の外でラジオ体操やっている名無しを放置し、見覚えある室内を見渡す。席の数も俺のクラスと変わらない)

男(“名無し”という男の存在意義を糺す前に、彼の影は現状極めて朧げだ。あの先生にまで拒絶を仄めかされてしまった具合である)

男(名無しの席は、確かにここにある。して、新たな疑問が浮かぶのだ。元々彼にはオリジナルとなった男子生徒がいた筈だろう)

男(初めこそモブの扱いではあったが、ある日急変して……だのに、何故情報は一切無いと聞かされるのか)

名無し「知りたいか?」

男「えっ!?」

名無し「だから、オレのことだろ? 気になってるなら別に教えても構わないのさ。男」

男(というか、この場所に呼び付けてどうしたいのかを先に教えてくれないのか、コイツ)

名無し「ポテチ食べるか? 美味いぞ、コーラもある。やー、コイツは格別だなぁー」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/25(火) 21:19:16 ID:1l9UWWKY
名無し「遠慮しないで食えってば! 毒なんか盛ってないの食べてるオレが保障してるモンだろう」

男「分け与えられた物を口に運ぶって抵抗あるんだよ、信用置けない奴からは特に」

名無し「そっか、美味いのに残念だな……ぶっちゃっけ細かいこと気にしすぎだろ、男は」

名無し「オレが他の奴らやお前と違って不都合ある? オレが何者でもない、十分じゃないか、聞いてるんだろう?」

男(あの胡散臭い神との会話もどこかで盗み聞きしていたと? だからこそ、また接触して来た?)

名無し「オレは、オレがここに在る為に、どうでも良い一人の体を借りただけだよ。設定だって全部書き換えてるし、ソイツとイコールになる点もない」

男「オリジナルである俺の知る本人と繋がらない部分が多いのは、みんなだって同じだろ。でも、お前だけは」

名無し「お前がオレと深く関わる予定ある?」

男「は…… (深く、関わるだと。言葉の意味を、深層が一瞬にして巡った。巡って、一周回って、薄らと理解へ辿り着く)」

名無し「やー、男の娘みたいのならまだしもオレとどうこうなりたいって思うのか? 両方行けちゃうワケ?」

男「NO!! お前はダメだ、絶対ダメ!!」

名無し「だよなぁ〜、安心した。言葉足らずだったけど、何となく納得したんじゃないか?」

名無し「別に親友・悪友ポジがいたって同姓なら“チマい設定”要らねーだろ、お前らの色恋沙汰物語に何ら影響ないんだから」

名無し「作る意味もない。でも傍に立ち易くて、男の周りを動く意味に一々苦労しない。何より、変態からケツ追い掛けられずに済む」

男(美少女狂いには痛かった)

17以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/25(火) 21:47:13 ID:1l9UWWKY
男(だが、名無しよ。お前は爽やかイケメンという武器を持っているだけで、俺から相当危険視されたであろう事を忘れるなよ)

男(立ち回り易いだと。愚か、裏で何かされるのではと常に注意を払われて、い、いた筈なのだ)

名無し「確かに。もう少しぶっっっサイクな面に作り直すべきだったかもと後悔してる、でも」

名無し「お前に嫌悪感を与えられたのは、それはそれで気分が良かったから良しとしてるんだ!」

男(思い切りがいい、俺を気に食わない事実は変わらないという改めた宣戦布告だった)

名無し「騙されるんじゃないか? いや、有益じゃないが実はそんなに悪い奴でもないのでは? ……サンキューな、お前は後者を信じてくれた」

名無し「笑うしかないwwwwwwwww」

男「名無し……」

名無し「アイツ使って呼び出せばのこのこ大人しく着いて来て? 何か期待して待っててもオレからコケにされたままと?」

名無し「wwwwwwwwwwwwwww」

名無し「思わせぶりな真似してごめんwwwwww別に何でもないwwwwww」

男「……名無しよ…………」

名無し「やー、細かいこと気にしすぎだろ、男は」

名無し「なんつってwwwwwwやー、なんつてwwwwwwwww」

男「……窓の外で倒れてるあの子、何だよ…………おい……」

18以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/25(火) 22:16:03 ID:1l9UWWKY
名無し「えー?」

男(声を荒げるより先にこの外道の胸倉を掴み掛かっていた。次に「あ」でも「う」でも言葉を漏らした瞬間、貧弱でも拳を叩き込んでやる。二度と、口を聞けなくさせてやる)

名無し「……鼻息荒くしてどうした? “あの子”扱いじゃ他人行儀だろ、男」

名無し「生意気で可愛い世界に一人だけの、お前の兄妹じゃないか――――ん?」

男(振り上げた拳が空で制止され、頬が二、三と痙攣した。勢い凄んで捉えた糞は、悠々と目前で心ない言葉で煽るに煽りたてて来る。そんな、何でだ、あ)

男「……う」

名無し「ウソだと思うのは手前勝手、好きにしなよ。他人の空似って場合もあるし」

名無し「ただ、オレはこれからあそこの女子をどうにかしようと思っていて……男も楽しむか?」

男「卑怯だろ……お前っ、自分が何やってんのか分かってるのか!?」

男「妹!! 起きてくれ、すぐに目覚まして逃げろ!! ヤバいッ!!」

妹『         』

名無し「聞こえちゃいないよ、あの通りぐったりしてるんだから」

男「くそ、くそくそっ、どうして開かないんだよ! おい、名無し開けろ! アイツに何かしたらタダじゃおかないんだからなっ!?」

名無し「情けないと自分でも思わないのか? 虚像相手に夢中になって。恋愛の駆け引きだけ楽しんで報われていればこうもならなかったよ」

名無し「全部お前のやり放題の報いなんだぜ、男」

19以下、名無しが深夜にお送りします:2016/10/25(火) 23:04:11 ID:1l9UWWKY
男(報い、報い、報い。無意識の内に膝を着いていた俺は、窓の外へ移動を終えていた名無しを虚ろな目で捉えていたであろう、か)

男(さぞ満足なのだろう、ニンマリとした名無しが俺から離れて妹へ歩み寄って行く。叩けどたたけど窓はビクともせず、強固な牢の役割を果たす)

名fbん『どうしてこうなったんだ? ここまでに至ったお前が悪いのは分かり切ってる』

#n7無/『お前が悪い、お前がだらしないからこんなザマだ。お前が、悪いな』

男「!! (倒れた妹の制服を、見せつけるようゆっくりと上着から脱がしていく名無し。その光景に、反響する罪を認めさせようとする声に引っ張られ、頭の中が白に汚染されていく)」

sあf4#『さぁ、貴様の更生を続けよう……』

男(耐えろよ、俺。ここが踏ん張りどころだ)

男(奴が俺をあざけ笑い、緩やかであったモテモテ学園ライフを破壊しようとする動きは明確だ。ならば、破壊に意味があるとしか思えない)

男(今朝あのオカルト研が、と唆して来たというに、ここでまた二重に“絶望”の罠を仕掛けてくるのが謎である。絶望とは、俺にとっての絶望なり得る要素)

男(では、回避できたからこそ名無しは新たに手を打って来た……そういう見方がある)

男(……名無し、アイツ最初に自分で話していたが、どうなのだ? 『この部屋の中なら完全にオレと男だけの世界』って)

男(あの豹変振りからすべて信じろというのも難しいが、奴はやけに“この俺と二人のみ”を強調して聞かせてきた。何故?)

男(この場で、二人切り、を喜べるのはアイツの演じる名無しだけじゃないか。奴の言う通り、俺は一部例外を除き男色好まず――――)

男「やっぱり、あの子扱いで間違いなかったかもしれないな、名無し」

名無し「ん?」


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