[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
女神「私の声が聞こえますか?」
378
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/18(金) 02:34:13 ID:EcXzBWfM
魔王「…もう一度聞く。離れなければ本当に死にかねんぞ。それでも良いのか?」
女神「構いません…!この人を…この森を…命を、救う為なら…!」
魔王「……そうか」
魔王「ならば、何も言うまい。処理に集中しろ」
女神「…!ありがとう、ございます…!」
魔王 (命を救う為に、自らの命を捨てるか。……我には、理解できぬ)
379
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/18(金) 02:35:09 ID:EcXzBWfM
続く
380
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/18(金) 03:59:11 ID:wKb0wXok
おお…!続け!乙!
381
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/18(金) 17:05:54 ID:b4ozrHQA
他人のために命を捨てる これを自己犠牲と笑う輩が居たら俺はそいつを殴る
382
:
:2016/11/18(金) 21:07:53 ID:WTpKrCb.
ヒイロ=ユイ…?
383
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/19(土) 14:17:56 ID:loaM8fCs
まぁこの場合は賭けてるのは自分の命だけだからな
好きに賭ければいい
女神の都合に巻き込まれてる魔王は代償一つ位要求してもいいけど
384
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:13:35 ID:tgXlc8c6
_____________
__________
______
女神「……ア…ガ…」ピシッ…ピシッ…
魔王「…………」
異形体「_____」ビクン…ビクン…
女神 (苦しい……苦しイ……)
女神 (デも、コノ人の痛ミは、きっとこんナモのではナかっタはず…)
女神 (我慢……我マん……)
385
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:15:55 ID:tgXlc8c6
女神「……………」
女神 (よシ…バグ化……完リョう…)
女神 (次は…ばグを、私ニ、移し変エテ、ばイ体トシての、役割ヲ、私が完全、に受け継グ……)
女神「……………」ピシッ…
女神 (かかンリョう)
異形体「___」
異形体「__________」
386
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:18:46 ID:tgXlc8c6
女神 (最、ゴ、に……コの、ばぐを、私を経テ異次元、へ飛バす)
女神「…………」
魔王「………」
女神「……………」
女神 (完了)
387
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:21:41 ID:tgXlc8c6
女神 (後は、自己シュう復だケ…)
女神 (アー、あー、あー)
女神 (私は女神、23歳独身です)
女神 (よし…完了…)
388
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:25:48 ID:tgXlc8c6
女神「………っはぁッ!」プハ
女神「はぁ……!はぁ……!…はぁ………!」
魔王「終わったのか?」
女神「…はい…これでもう、大丈夫です…」クタ…
魔王「そうか。ご苦労だったな」
女神「ありがとうございます…」ニコ
魔王 (全く…僧戦士といい、どいつもこいつも無茶ばかりしおってからに…)フゥ
389
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:28:33 ID:tgXlc8c6
魔王「ひびは入ったままだが、それは放っておいて良いのか?」
女神「あぁ、これなら多分平気です。暫くすれば元通りですから」
女神「あ、でもワレモノ注意ですからね!優しく丁寧に扱って下さいよ?」
魔王「ふっ…調子の良い奴だな」
390
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:31:36 ID:tgXlc8c6
異形体「………ぁ……う……」
女神「!」
魔王「…!」
異形体「…私は…………」
女神「大丈夫ですか!?私の声が聞こえますか!」ギュ
異形体「……そこに誰か…いるのか……?」
女神「はい!ここにいます!私はここに!」ギュッ
異形体「………誰かいるのなら…伝えてくれ…」
異形体「草原の村の……家族に…すまなかったと……」
魔王 (こいつ…草原の村の民か…)
391
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:34:15 ID:tgXlc8c6
女神「そんな…!駄目です!貴方が自分の口で伝えるんです!だから__」
女神「………!!」
異形体「______________」
女神「…………」
魔王「……」
魔王「…死んだ、か」
392
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:36:41 ID:tgXlc8c6
女神「………………」
女神「………」ポロポロ…
魔王「…女神…」
女神「助けられなかった……!魔王さん……私…ッ!」ポロポロ
魔王「………」
魔王「お前さんは良くやった。人事は尽くしたのだ」
魔王「…余り、自らを責めるなよ」
393
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:40:04 ID:tgXlc8c6
女神「…うっ……ひっぐ……」ポロポロ…
ギュウッ
女神「うわあぁぁぁ!あぁぁぁ!」ボロボロ…
魔王「……」
魔王 (まあ…こんな時ぐらいは、抱きつかせてやるか…)
394
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:44:26 ID:tgXlc8c6
異形体「____________」
魔王「………」
魔王 (やはり女神の言い分を肯定することはできない)
魔王 (一つの命を助ける為に自らを滅ぼせば、他の多くの命に対して何の施しもできなくなる。明らかに不合理だ)
魔王 (……だが合理主義に偏れば、助ける命と切り捨てる命を選別することになり、そこに格差が生じてしまう…)
魔王 (全ての命を救う為にはやはりどこかで身を削らねばならなくなる)
魔王 (その点に関して言えば、女神は神として正しい行動を取ったことになる訳か。……難儀なものだな)
395
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 20:45:41 ID:tgXlc8c6
また後で投下します
396
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 23:38:29 ID:tgXlc8c6
_____________
__________
______
ーーー帰還直後、草原の村ーーー
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
僧戦士「勇者様ー!女神さーん!」タッタッタッ、ギュッ
女神「わっ僧戦士さん!」ポフッ
女神「もうお身体は大丈夫なのですか?」ナデナテ
僧戦士「はい!バッチリです!」エヘヘ-
魔王「そうか。ひとまずその言葉を聞けて安心した」
魔法剣士「お二人の方こそ、どこか悪くなされたりしていませんか?」
魔王「まあ紆余曲折あったが、この通り五体満足でいられている」
魔法剣士「そうですか…良かった……」
397
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 23:44:03 ID:tgXlc8c6
女神「それにしてもびっくりしました。まさか村の方全員に出迎えて頂けるなんて…」
村長「申し訳ございません。私共も気が気でなかったもので…」
魔法剣士「僧戦士が負傷して帰ってきちゃいましたからね」
僧戦士「…ごめんなさい」シュン…
村娘「い、いえいえ!こうして無事に戻って下さったのですから、お気になさらないで下さい!」
398
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 23:51:12 ID:tgXlc8c6
村娘「それよりも……」チラ
村長「……」コクリ
村娘「…あ、あの、勇者様。少し宜しいでしょうか…?」
魔王「ぬ、どうかしたか」
村娘「…森の怪物は……どうなりましたか?」
女神「……!」
399
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 23:55:23 ID:tgXlc8c6
魔王「依頼通り、討伐させて貰った」
村娘「…そう……ですか……。…ありがとうございます」
村長「…………」
400
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/22(火) 23:58:40 ID:tgXlc8c6
女神「……………」
女神「………彼からの言伝を、預かっています」
村長「…!?」
村娘「え…それって……!」
村長「や、奴は…奴は何と言っていましたか!?」
401
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/23(水) 00:05:38 ID:GHu7O8g2
魔王「………」
女神「………」
女神「家族に、済まなかったと……そう、仰っておられました」
村長「……そうですか………そう、ですか……」グッ…
村娘「……っ……」ポロ…
魔王「…勝手ながら我らで弔わせて貰った。今は、森の奥で眠っている」
402
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/23(水) 00:08:47 ID:GHu7O8g2
女神「……私が、力不足なばかりに…」ギュッ
村娘「そんな…!父を苦しみから救って頂いたのです!感謝の言葉もございません!」
村長「村娘の言う通りです。…これで奴も漸く報われるでしょう」
403
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/23(水) 00:11:25 ID:GHu7O8g2
村長「勇者様、御一行の皆様…本当にありがとうございました…」ペコリ
村娘「……」ペコリ
女神「……」
魔王「…」
僧戦士「え…?ど、どういうこと?」オロオロ…
魔法剣士「…いや…分からない…。けど、あのお二人のご家族が、亡くなったんだと思う」
僧戦士「………そっか…」
404
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/23(水) 00:24:34 ID:GHu7O8g2
草原の村の件はこれで終了です
需要があれば続きます
405
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/23(水) 01:58:25 ID:uMDu6mXI
乙
406
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/23(水) 07:30:43 ID:fed9lFXI
乙!
407
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/23(水) 09:27:27 ID:2z9WRes6
イチ=サン、読んでます。乙!
閣下と仲間たちの更なる活躍に期待。
408
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/24(木) 15:47:27 ID:W09UWVAU
23歳...面白い冗談を言う女神だ
409
:
レスありがとうございます
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 18:39:44 ID:U.TjA92g
おまけ1
ーーー数日後、旅の道中ーーー
テクテクテク…
僧戦士「ねぇねぇ勇者様、次の…海洋国でしたっけ?そこまで後どれくらいで着くんですか?」
魔王「ぬ、そうだな…このペースだとあと1日前後といったところか」
魔法剣士「あと少しですね」
魔王「ああ、もうひと頑張りだ」
僧戦士「外国かぁ…楽しみだなぁ…♪」ワクワク
410
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 18:43:20 ID:U.TjA92g
女神「………」
女神「…あ、そうだ!皆さんちょっと宜しいですか?」
僧戦士「?」
魔王「何だ、藪から棒に」
女神「実はですね……」
女神「私、火炎魔法が使えるようになったんです!」ジャジャ-ン
411
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 18:50:54 ID:U.TjA92g
魔法剣士「へ、へぇ…」
僧戦士「へー!凄いですね!女神さんおめでとー!」パチパチパチ
女神「ありがとうございます///」テレテレ
魔王「…………」
魔王「………ん?それだけか?」
女神「はい!」ニコニコ
魔王「…お…おう……」
412
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 18:52:31 ID:U.TjA92g
おまけ2
女神「えっと、それでですね…早速お披露目しても宜しいでしょうか?」チラッチラッ
僧戦士「何をですか?」
女神「火炎魔法です!」
魔王「まだその話を引っ張るのか…」
413
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 18:59:58 ID:U.TjA92g
女神「一回だけ!一回だけですから!ね!?」
魔王「お前さんは子供か」
魔法剣士「良いじゃないですか。魔法を覚えて嬉しくなる気持ちは俺にも分かります」
僧戦士「魔法剣士も昔は通りすがりの人とかに自慢してたもんね〜」ニヤニヤ
魔法剣士「そ、その話はやめろよ…」
414
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 19:01:58 ID:U.TjA92g
おまけ3
魔王「……まあ、一度くらいなら良いか。やるならさっさとやれ」
女神「はい!ありがとうございます!」
女神「行きますよ〜……!」ゴゴゴゴゴ…
僧戦士「おお!何だか凄そう!」
魔王 (ほう…魔力量は流石といったところか……)
415
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 19:03:49 ID:U.TjA92g
女神「火炎魔法!」
ボスン………
魔法剣士「………」
僧戦士「………?」
女神「…………あれ……?」
416
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 19:06:55 ID:U.TjA92g
女神「か、火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ボスン、ボスン、ボスン
魔法剣士「女神さん、大丈夫ですか…?」
女神「……お、おかしいなぁ…あはは…」
魔王「…散々自慢しておいてそれか」
女神「う…」
魔王「期待外れにも程があるな」
女神「う゛っ…」グサッ
417
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 19:13:01 ID:U.TjA92g
魔王「無駄な時間を食った。さあ、先を急ぐぞ」ザッザッ
僧戦士「あ、勇者様!え、えっと…女神さん!諦めたら試合終了ですからねっ!頑張ってください!」
女神「う〜……」シクシク
魔法剣士「………」
魔法剣士 (今の火炎魔法…見たことない予備動作だった…)
魔法剣士 (……どうやって習得したんだろう…)
418
:
◆ZGyEu7mBgw
:2016/11/30(水) 19:17:46 ID:U.TjA92g
続く
419
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/30(水) 20:55:40 ID:Ok0C60rU
待ってたぜェい!乙。
420
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/11/30(水) 21:47:52 ID:e4ET2pVA
http://ssks.jp/url/?id=854
421
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/14(土) 09:47:30 ID:Nobh0M7Y
続け
422
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/22(日) 20:12:17 ID:JqkjflBQ
続きはないのかな?
待ってるぞ。
423
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/03/27(月) 01:12:14 ID:pkz9U70.
このSSなんでエタってんの…楽しみにしてたのに
424
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/08/05(土) 04:34:39 ID:wOBt.ymw
まだかな
425
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/21(土) 03:48:29 ID:/6wSgEnw
まだか
426
:
◆ZGyEu7mBgw
:2017/10/21(土) 07:10:44 ID:mNDVqXjY
テスト
427
:
◆ZGyEu7mBgw
:2017/10/21(土) 07:12:18 ID:mNDVqXjY
レスくれた方ありがとうございます
今書き溜めてるのでじき再開します
428
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/21(土) 12:19:50 ID:wOARDFHI
おお、生存報告ありがたい
429
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/22(日) 17:55:13 ID:5Rc0h8IM
セリフしかなくて読みにくい
430
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/11/14(火) 22:24:58 ID:KZOFFIKQ
楽しみに待ってる
431
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 00:34:58 ID:sbeuS6qI
覚えてくれている方がいるか分かりませんが続き書いていきます
432
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 00:40:10 ID:sbeuS6qI
ーーー海洋国ーーー
僧戦士「わぁ…!」
ザァァァ…ザァァァ…
僧戦士「海だ……!」
僧戦士「海だぁ〜〜っ!!」
433
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 00:44:21 ID:sbeuS6qI
魔王「ほぅ、街と海が一望できる。これは中々良い眺めだな」
女神「潮風も気持ち良いですね〜」サラサラ
僧戦士「見て見て魔法剣士!海!海が見えるよ!」
魔法剣士「はしゃぎ過ぎだよ僧戦士、少し落ち着けって…」
僧戦士「だって、こんなに広いんだよ!?これ全部水なんだよ!?驚かない方が__むぐ!」
魔法剣士「はいはい、少し静かにしてなさい…」ギュッ
僧戦士「…む?……むぐっ!?///」
434
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 00:48:34 ID:sbeuS6qI
女神「お二人は海は初めてなのですか?」
魔法剣士「はい、実際に見るのは初めてです」
僧戦士「むぐー!///」
魔王「それにしては随分と落ち着いているな、魔法剣士よ」
魔法剣士「まぁ、こいつが俺の分まで喜んでくれたので」ナデナデ
僧戦士「むぐぐ〜!><」ジタバタ
魔法剣士「あ、ごめん」パッ
435
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 00:52:33 ID:sbeuS6qI
僧戦士「ぷはぁ!ぜー…ぜー…」
僧戦士「もー!窒息するところだった!魔法剣士のバカ!///」
魔法剣士「ごめんって」ナデナデ
僧戦士「う〜!///」
436
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 00:55:53 ID:sbeuS6qI
女神「ふふっ…。それにしても、こんなに綺麗な場所ならみんなで海洋国を見て回りたくなりませんか?」
魔王「見て回る…?」
女神「つまり観光ですよ!」
魔王「お前さんという奴は…」
437
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:00:35 ID:sbeuS6qI
僧戦士「!いいですね!私も観光したい!ねぇねぇ魔法剣士も行こ!」グイグイッ
魔法剣士「うお、だからはしゃぎ過ぎだって…」
魔王「待て待て…お前さん達、まずは王に謁見して船を取り付けさせる方が先だぞ。その為にここへ来たのだからな」
僧戦士「はぁーい!」
テクテク…
魔王「…やれやれ、好奇心が強過ぎるのも困りものだな」
女神「微笑ましくて良いではありませんか」ニコニコ
魔王「…魔王の手が迫りつつあるやも知れぬというに、このような心構えで良いのか…?」
女神「時には休憩も必要ですよ。…それに、魔王の手なんて最初から迫りませんしねっ」クルッ
魔王「ふ……呑気なものだ」
438
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:04:31 ID:sbeuS6qI
_____________
__________
______
ーーー海洋国市場ーーー
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
<ラッシャッセエェェェェ!!
僧戦士「うわぁ〜!すごぉぉい!」キラキラ
女神「に、賑やかですね〜!自分の声も聞こえなくなりそうです!」ア-ア-!
魔王「ここは貿易の盛んな国らしいからな。人の往来もまた相応なのであろう」
女神「え!?なんですって!?」キコエナイ-!
魔王「だから貿易が盛んな国だと言うておる」
女神「防壁がお魚の国!?」
魔王「……………」(^ω^#)ピキピキ
女神「……あ、あれ?勇者様?どうしてそんなに先を急いで……あの…勇者様〜?」
439
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:07:11 ID:sbeuS6qI
僧戦士「見て見て魔法剣士!この装備すっごく可愛いよ!この食べものも美味しそう! 」グイグイ
僧戦士「あ、あっちにも!ほらほらこっちにも〜!」グイグイグイグイ
魔法剣士「う゛わっ、ちょ……僧戦士、もう少しゆっくり__」
僧戦士「わぁ〜っ!うわぁ〜っ!!」キラキラ
魔法剣士「……」
魔法剣士「…全く、しょうがないな僧戦士は」ニコ
440
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:11:38 ID:sbeuS6qI
僧戦士「?どしたの魔法剣士?疲れちゃった?」
魔法剣士「お前が元気過ぎるんだよ…」
僧戦士「ふ〜ん、全くしょうがないな〜魔法剣士は」
魔法剣士「あ、あはは…」
441
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:15:36 ID:sbeuS6qI
?「…失礼、横通るぞ」ザッ、ザッ
魔法剣士「あ、すみません」サッ
僧戦士「………?」
僧戦士 (あれ…なんだろう…この声どこかで聞いたことあるような…)チラッ
?「……」ザッ、ザッ
僧戦士「……ッ!?」ドクンッ
魔法剣士「…?どうした、僧戦士?」
僧戦士「……あ………ううん…何でもない…」
僧戦士 (…今の人…まさか…)
442
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:20:26 ID:sbeuS6qI
魔王「…む、そこにいたのか、魔法剣士」ザッザッ
魔法剣士「あっ勇者様。すみません、僧戦士がぐいぐい引っ張るもので…」
魔王「はっはっは、僧戦士はああなると止まらぬからな」
魔法剣士「少しは落ち着いて欲しいですね…」グッタリ
443
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:25:19 ID:sbeuS6qI
魔法剣士「……あれ、そう言えば女神さんはどこです?」
魔王「…あぁ、あいつか?」
<ゆ、勇者様〜!置いてかないで〜っ!アッスミマセン…
魔王「………」
魔法剣士「………」
魔王「…いや、知らんな」
魔法剣士 (ひ、ひどい…)
444
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:28:27 ID:sbeuS6qI
魔王「お前さんこそ僧戦士と一緒ではないのか?」
魔法剣士「えっ…?僧戦士ならここに…………あれ?」
魔法剣士「僧戦士?」キョロキョロ
445
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:32:54 ID:sbeuS6qI
_____________
__________
______
僧戦士「はあ…!はあ…!」タッタッタッ
僧戦士 (どこ…!?どっちに行ったの____)
僧戦士 (______お父さん…!!)
タッタッタッ…
446
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/09(金) 01:33:46 ID:sbeuS6qI
続く
447
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/02/09(金) 01:45:40 ID:7Qf9J3q.
生きてたのか...あんたが来るのを待ってたんだよ!
448
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 01:40:58 ID:gP2ZsNGE
>>447
ありがとうございます
覚えてくれていた人がいて嬉しいです
449
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 01:46:11 ID:gP2ZsNGE
僧戦士「………」テク、テク…
僧戦士「…………っ!」ピタ
?「……」
僧戦士 (いた…!やっぱりお父さんだ…!)
?「…」チラ
?「……」ダッダッダ
僧戦士「…っ!?ま、待って!」タッタッタ
450
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 01:49:36 ID:gP2ZsNGE
_____________
__________
______
ーーー海洋国市場ーーー
魔法剣士「僧戦士ー!僧戦士ー!」
女神「僧戦士さ〜ん!…う〜ん…見つかりませんね…」
魔法剣士「あいつ、どこまで遠くに行ったんだ…?」ソワソワ
451
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 01:52:14 ID:gP2ZsNGE
魔王「こうなると既に商店街から離れている可能性も有り得るな」
女神「もしそうなら探すのは難しいかもしれませんね………あっ」
魔法剣士「あぁあぁぁ…俺が付いていながら……俺が……」ズウゥゥン
女神「だ、大丈夫ですよ!ただの迷子ですし、その内ひょっこり戻ってきますって!」アセアセ
魔法剣士「…だと良いのですが…」
452
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 01:55:17 ID:gP2ZsNGE
魔王「…しかしただ呆けている訳にもいくまい。取り敢えずは王城へ向かうとしよう」
魔王「その後、手分けして僧戦士を捜索する。二人はそれで構わぬか?」
女神「あ、はい!了解ですっ」
魔法剣士「はい…」
魔王「……」
魔王 (……杞憂であることが好ましいが…)
453
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 02:00:15 ID:gP2ZsNGE
_____________
__________
______
ーーー海洋国の路地ーーー
?「…」ダッダッダ
僧戦士「はぁッ、はぁッ、待って!待ってってば!」タッタッタ
僧戦士「__っ!?」ズザザッ
僧戦士 (え…見失った…?こんなに細長い路地で…?)ハァ…ハァ…
454
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 02:04:04 ID:gP2ZsNGE
僧戦士「…はぁ………ふぅ……」
僧戦士「………」
テク、テク、テク…
僧戦士 (さっきの人は…本当にお父さんだったのかな…?)テク、テク…
僧戦士 (それに、何で私から逃げたりしたんだろ…)
455
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 02:08:15 ID:gP2ZsNGE
僧戦士 (……もしかして…引き返した方が__)
<そっちに行ったぞ!逃すな!
僧戦士「!」ビクッ
<回り込んで捕らえる!二番隊は北西、三番隊は東を塞げ!
<<<了解ッ!!
ダダダダダ…
僧戦士「……?何だろ?」タッタッタ
456
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 02:09:19 ID:gP2ZsNGE
今日はここまでです
457
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 22:49:14 ID:SYGkaQ1Y
_____________
__________
______
ーーーその頃、海洋国王城、玉座の間ーーー
海洋国王「_ほう、そなたが勇者か。そなたらの話はこの国にも伝わっておるぞ。別国のこととはいえ、誠に大義であったな」
魔王「はっ、光栄であります」
魔法剣士 (………)
女神 (き、緊張する……)カチコチ
458
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 22:52:24 ID:SYGkaQ1Y
海洋国王「城の者から話は聞いている。船が欲しいのであったな?」
魔王「はい。中央国へ向かう上でどうしても欠かせぬもの故、こうしてお願いに参った次第でございます」
海洋国王「うむ、他ならぬ勇者一行の頼みとあらば断るわけにもいくまい。すぐに手配させよう」
海洋国王「__と、言いたいところだが、船はこの国の宝でもある」
海洋国王「相手が勇者といえど、タダで渡すわけにはいかぬ……そうは思わぬか?」ジロ
女神「…っ?」ビクッ
魔法剣士 (…脅迫…?)
459
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 22:56:37 ID:SYGkaQ1Y
魔王「…なれば、如何致せば宜しいでしょうか?」
海洋国王「…………」
魔王「…………」
女神「…」ゴクリ
海洋国王「……ふっ、そう構えずとも良い。一つ厄介事を頼まれてはくれまいかと思ってな」
魔王「…と仰られますと?」
海洋国王「なに、些細なことではあるのだが…実は娘が城を抜け出していてな。船の対価としてその捜索に協力して欲しいのだよ」
魔王「はっ…そういうことでしたら、我々も尽力させて頂きます」
海洋国王「うむ、助かる。私にはあれが必要なのでな」
魔王「心中お察し致します」
460
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 23:00:23 ID:SYGkaQ1Y
魔王「……ところで、差し支えなければ姫様のお名前と特徴を伺っても宜しいでしょうか?」
海洋国王「おお、そうであったな。名前は海姫、歳は13、黒い長髪に翠の瞳が特徴だ。もし何かしら情報を入手することがあれば城の者に伝えてくれ」
魔王「承知致しました」
海洋国王「うむ。では下がって良いぞ」
魔王「はっ、失礼致します!」バッ
461
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 23:02:20 ID:SYGkaQ1Y
魔法剣士 (…女神さん、終わりましたよ)ツンツン
女神 (あ…は、はいっ)カチコチ
テクテク…
ギイィィ………バタァン
海洋国王「…………………」
462
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 23:07:15 ID:SYGkaQ1Y
_____________
__________
______
ーーー海洋国王城前ーーー
テクテク…
女神「…ぷはっ!き、緊張しました〜…」
魔王「肝の小さい奴だ。まるで小魚だな」
女神「ゔっ…そこまで言わなくても…」シクシク
魔法剣士「…………」ソワソワ
463
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 23:10:07 ID:SYGkaQ1Y
女神「…?魔法剣士さん、どうかしたのですか?」ゴシゴシ
魔法剣士「…え、あ…いえ、何でもありません」
魔法剣士「それより、海姫様の御身が心配です!急ぎましょう!」
魔王「…ああ、そうだな」
女神「…魔法剣士さん…」
464
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 23:14:24 ID:SYGkaQ1Y
おまけ
女神 (魔法剣士さん…本当は僧戦士さんのことで頭がいっぱいなのですね…)
女神 (こんなときこそ、私がしっかりしないと…!)フンスッ
魔王「やめておけ、どうせろくなことにならん」
女神「なぁ!?し、失礼な!…………え?あれ?」
魔王「………」
魔王「フッ」
女神 (読まれている…!?)ガガーン
465
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/10(土) 23:15:14 ID:SYGkaQ1Y
後日また投下します
466
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/02/11(日) 07:42:56 ID:rLnDNZmA
乙
467
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/02/14(水) 00:47:49 ID:ol0QHAmw
楽しみだのう
468
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/02/14(水) 00:52:02 ID:ol0QHAmw
楽しみだのう
469
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 20:45:19 ID:CwEsliVY
_____________
__________
______
ーーその頃、海洋国の路地裏ーー
僧戦士「確か声はこっちから…」テクテク
僧戦士「……あっ!」
少女「…………ッ、く……」グッタリ…
僧戦士 (酷い怪我…!もしかしてこの子が追われてたの…!?)
470
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 20:49:51 ID:CwEsliVY
僧戦士「だ、大丈夫ですか!?」タッタッタッ
少女「…!」ガバッ
僧戦士「今治療します、じっとしてて!」
少女「よ、寄るな…!!」ジャキッ
僧戦士「…っ!?で、でも怪我をして__」
少女「来るなぁッ!!」ブンッブンッ
471
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 20:53:21 ID:CwEsliVY
僧戦士「わっ!ちょっ…!待って!私はただ__」
兵隊長「_そこまでです!!」
少女・僧戦士「!」
ダダダダダッジャキ!
僧戦士「えっ、な、何…?」
兵隊長「もう逃げ場はございません。貴方様には大人しくしていただきます」
少女「ッ…囲まれた…!」ギリッ…
472
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 20:57:21 ID:CwEsliVY
僧戦士「ち、ちょっと待って下さい!何が何だか分からないけど、怪我してる人にそんな乱暴なこと…!」
兵隊長「……何だ貴様は?邪魔立てするならば反逆行為と見なすぞ」
僧戦士「違います!私はこの人の手当てをしたいだけです!」
兵隊長「このお方には指名手配がかかっている。拘束が最優先だ」
僧戦士「でもこのままじゃ死んじゃう!お願いします!!」
473
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 20:59:32 ID:CwEsliVY
兵隊長「…………………」
兵隊長「…これより反逆者二名を拘束する」スッ…
僧戦士「!そんな……!」
474
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 21:05:36 ID:CwEsliVY
兵隊A「二人にはご同行願います」
少女「嫌っ…!お前達に国は渡さない…!このッ、化け物共め…ッ!!」
兵隊A「……ご同行願います」
僧戦士「………」
475
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 21:10:56 ID:CwEsliVY
僧戦士「…ッ」スチャッ…
兵隊達「!!」ジャカジャカッ!!
兵隊長「…ほう、その戦斧で抵抗するか?」
僧戦士「良く分からないけど、大人しく捕まる気はないです」
僧戦士「それに、目の前の人を見殺しにするつもりもないです」
兵隊長「…この兵量差で勝てると思うのか?」チャキ
兵隊達「……」ジリ…ジリ…
476
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 21:14:18 ID:CwEsliVY
僧戦士「…戦うとは、一言も言ってないですよ?」
兵隊長「何?…………!まさか__」
僧戦士「でぇぇいッ!!」ブォンッ!
ドゴオオォォォ
兵隊B「なッ!?」
兵隊C「か、壁をブチ抜いただと!?」
<ひいいい!命だけはご勘弁を〜!!
<ご、ごめんなさい〜!ちょっと通るだけなんです〜!
兵隊A「…ゴホッゴホッ…なんて馬鹿力だ…!」
477
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 21:16:56 ID:CwEsliVY
兵隊長「お前達何をしている!早く追わんか!」
兵隊達「…!はッ!」
ダダダダダ…
兵隊長「…あのガキ…やってくれたな…」ギリリ…
478
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/14(水) 21:17:54 ID:CwEsliVY
明日また投下します
479
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/02/14(水) 22:06:46 ID:zKx7zWMU
乙
480
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:22:44 ID:K2uYfXQU
こんな時間ですが投下します
481
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:26:16 ID:K2uYfXQU
_____________
__________
______
ーーーどこかの廃教会ーーー
パアアァァァ…
僧戦士「…うん、傷はこれで大丈夫。追っ手も来てないし、もう安心だよ」ニコ
少女「……そう…」ツ-ン
482
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:30:29 ID:K2uYfXQU
僧戦士「…あ、あれ?もしかして怒ってる?」クルッ
少女「…怒ってない」プイ
僧戦士「ホント?」クルッ
少女「ホント」プイ
僧戦士「ホントにホント?」クルッ
少女「しつこい。ウザい」キッパリ
僧戦士「ご、ごめんなさい…」
483
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:35:08 ID:K2uYfXQU
僧戦士「…私、もしかして余計な事しちゃったかな…?」
少女「……」
少女「…助けてくれたことには感謝してる」
少女「でも、当分は人と関わりたくないの。…ごめんなさい」
僧戦士「…?何かあったの?」
少女「……貴方には、関係ない…」
484
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:38:44 ID:K2uYfXQU
僧戦士「そんなことないよ、もしかしたら力になれるかも…」
少女「…無理だよ…。貴方じゃきっと何もできない」
僧戦士「そ、そんなこと…」
少女「…とにかく、もう私に関わらないで」
僧戦士「………………」
485
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:43:13 ID:K2uYfXQU
僧戦士「……ううん、やだ…」
少女「………。貴方、いい加減に__」
僧戦士「私もね」
少女「…っ」
僧戦士「…人に見捨てられて、誰も信じられなくなったときがあるの」
少女「…」
486
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:48:05 ID:K2uYfXQU
僧戦士「そのときね、色んな人が私を助けてくれて…凄く励まされたから…だから…」
少女「……だから、今度は私を助けるの?」
僧戦士「…」コクリ
少女「……何それ、馬鹿みたい」キッパリ
僧戦士「う゛…」グサ
少女「………」
487
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:51:51 ID:K2uYfXQU
少女「……ねえ」
僧戦士「…?なあに?」
少女「貴方、人に見捨てられたって言ってたわよね」
僧戦士「……うん」
488
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 06:56:47 ID:K2uYfXQU
少女「……誰に、捨てられたの?」
僧戦士「…………」
僧戦士「……私の…お父さん…」
少女「……そう」
僧戦士「……っ」ギュッ
489
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 07:01:17 ID:K2uYfXQU
少女「……はぁ」
少女「お互い苦労してるのね…取り敢えずお疲れ様」
僧戦士「あ、あはは…私が励まされちゃったね…」
490
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 07:05:20 ID:K2uYfXQU
少女「……自己紹介」
僧戦士「えっ?」
少女「してなかったわよね」
少女「海姫よ…私の名前。貴方は?」
僧戦士「あ…僧戦士…」
491
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 07:06:23 ID:K2uYfXQU
少女→海姫「…そう…。短い間だと思うけど…宜しくね、僧戦士」スッ
僧戦士「…!!」パアッ
僧戦士「うん!うん!宜しくね〜っ!!」ムギュウゥッ
海姫「ぐ……苦しい…」
492
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 07:10:47 ID:K2uYfXQU
ーおまけー
僧戦士「ねーねー、海姫ちゃんって大人びて見えるけどいくつなの?」
海姫「…私?この前13になったばかりだけど…」
僧戦士「じゅっ…!?」
僧戦士 (私と同い年!?)
海姫「…?どうかしたの?」
僧戦士 (私と同い年なのに、私より大人っぽくて…私より……)
海姫「ねえ、大丈夫?」ポヨン
僧戦士「……」ペッタンコ
僧戦士「負けた……」ズウゥゥゥゥン…
海姫「え……な、何…?」
493
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/17(土) 07:12:01 ID:K2uYfXQU
後日また投下します
494
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/21(水) 18:39:37 ID:CcwY8B6c
ーーーどこかの廃教会ーーー
僧戦士「ねぇ海姫ちゃん、これからどうすればいい?」
海姫「……取り敢えず、今は人手が欲しいの。一人じゃできることが限られるから」
僧戦士「んもー何言ってるの!一人じゃなくて私もいるじゃん!」エッヘン
海姫「…逆。貴方のことしか数えてないの。私じゃ戦力にすらならない」
僧戦士「あ、そ、そっか…」オロオロ
495
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/21(水) 19:10:17 ID:CcwY8B6c
僧戦士「……って、戦力?そんなもの集めてどうするの?」
海姫「…この国から、膿を取り除くのよ。海洋国王に代わって…私が」
僧戦士「……えっ、それってクーデター…?」
海姫「…似たようなものね」
僧戦士 (も、もしかして凄いことに足を突っ込んじゃったのかな……)ダラダラ…
496
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/21(水) 19:43:48 ID:CcwY8B6c
海姫「ねぇ僧戦士、貴方の知り合いに協力してくれそうな人はいない?」
僧戦士「え!?………えっとぉ…」
僧戦士 (きっと怒られちゃうけど…)
僧戦士「…勇者様なら、話を聞いてくれるかも…」
海姫「…!!?」
497
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/21(水) 19:47:09 ID:CcwY8B6c
海姫「あ、貴方!」ガシッ
僧戦士「ふぇっ!?」ビクッ
海姫「貴方っ…伝説の勇者と知り合いなの…!?」
僧戦士「う、うん。勇者様の旅にお供させて貰ってるの」
海姫「………」ポカ-ン
僧戦士「…えと、海姫ちゃん…?」オロオロ…
498
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/21(水) 19:54:25 ID:CcwY8B6c
海姫「…僧戦士ッ!!」グワシッ
僧戦士「むぎゅっ!?」ビクゥ
海姫「お願い、貴方達に頼みがあるの!」
海姫「私の…私達の国を、どうか救って…!」
僧戦士「う…海姫ちゃん?」
海姫「王城の者は頼れない…!もう貴方達しかいないの、お願い…ッ!」ギュウッ
499
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/21(水) 20:03:24 ID:CcwY8B6c
僧戦士「ち、ちょっと待って!海姫ちゃんって、一体何者なの…?」
海姫「…私はこの国の第一王女よ」
僧戦士「……第一…王女?」
海姫「ええ」
僧戦士「……つまり、お姫様?」
海姫「…」コクリ
僧戦士「…えっ?……えっ!?」
僧戦士「えええぇ__」
海姫「しッ叫ばないで…!」カポッ
僧戦士「むぐぐ〜…」
500
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/21(水) 20:04:27 ID:CcwY8B6c
続く
501
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/02/22(木) 10:35:58 ID:YBzFDITQ
乙
502
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/22(木) 19:38:41 ID:o1m66yXc
_____________
__________
______
僧戦士「__じゃあ、海姫ちゃんはお父様を止めようとして逃げてきたんだね」
海姫「ええ…。昔から国王のやり方には納得いかなかったけれど、今回のは度が過ぎている」
海姫「………国王は…魔族と取引しているのよ」
僧戦士「ま、魔族…!?」
僧戦士 (神父様から聞いたことある…確か、『一日で国一つ滅ぼせるような恐ろしい魔物』をそう呼ぶって言ってた…)
503
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/22(木) 20:04:27 ID:o1m66yXc
海姫「それだけじゃない……既に要人の一部が魔物にすり替わって、この国を動かしてるの」
僧戦士「…!じゃあ、この国は魔物に乗っ取られてるってこと…!?」ゾク
海姫「…悔しいけど…過言じゃないわ…」グッ…
僧戦士「そんな…」
504
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/22(木) 20:11:40 ID:o1m66yXc
海姫「だからお願い、勇者様にこのことを伝えて…!もう一刻の猶予もないの…!」
僧戦士「…っ、わ、分かった。海姫ちゃん、一緒に勇者様の所へ行こ!」
海姫「ええ…!」
505
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/22(木) 20:27:14 ID:o1m66yXc
?「…それは困るな」
海姫「!?」クルッ
僧戦士「…!誰!?」ジャキッ
僧戦士「………っ!?」ドクン
?「…久しぶりだな、我が娘よ」
僧戦士「……戦士お父さん…?」
?→戦士「………」
506
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 20:18:04 ID:lgUBrgns
海姫「娘……じゃあ、この人が…」
僧戦士「お父さん?本当にお父さんなの?」
戦士「ああ。そうとも」ナデナデ
僧戦士「…ぁ…!」
僧戦士 (この感触、覚えてる…!ごつごつしてて、力強くてっ…!)
戦士「大きくなったな、僧戦士」
僧戦士「………本当に、お父さんだ…」ウルッ
507
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 20:25:16 ID:lgUBrgns
戦士「僧戦士、家に帰ろう。また二人でやり直そう」
僧戦士「…え…でも、勇者様や魔法剣士が……」
戦士「みんなには俺からちゃんと言っておくさ。付いてきてくれるね?」ナデナデ
僧戦士「……………」ポ-
僧戦士「……うん…わかっ__」
海姫「待って、僧戦士…」
僧戦士「!」
戦士「…」
508
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 20:42:07 ID:lgUBrgns
海姫「…貴方…私達が勇者と会ったら"困る"と言っていたわね」
海姫「つまり、勇者にこの国のことを覚られるのが嫌だったんでしょう?」
戦士「……」
僧戦士「え……それって…」
海姫「…この男も海洋国側の人間ということよ」
僧戦士「!!」
509
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 20:55:46 ID:lgUBrgns
僧戦士「そんな…嘘だよね、お父さん?……お父さん!」
戦士「…………」
戦士「…チッ」プスッ
僧戦士「!?」サッ
僧戦士 (今何か刺された…?っ…眩暈が…)グラリ
510
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 20:59:28 ID:lgUBrgns
戦士「姫様がここにおわせられるとは存じておりませんでした。お久しぶりでございます」
海姫「…生憎だけど、私は貴方を知らない。頭の悪い男ということを除いてはね」
戦士「元からこのような問答は得意でないのです」
戦士「…やはりこちらの方がしっくりくる」ブオン、ブオンッ
海姫 (…あの戦斧、僧戦士のものより大きい。それを片手で…)
511
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 21:16:33 ID:lgUBrgns
戦士「……さて、僧戦士。お前にも来てもらおう。秘密を漏らされると厄介だからな」
僧戦士「…はぁ…はぁ…」ヨロヨロ…
僧戦士「……ッ、はぁ…」スチャ
戦士「…その状態で戦うか。流石は俺の娘だ」
戦士「…だが」ブンッ
僧戦士「くぅ…ッ!」ガキィン
戦士「はッ」ブオンッ
僧戦士「きゃあ!」ドゴォ
ドガシャアァンッ
戦士「流石に相手にならん」
海姫「僧戦士!…っ!コイツ、自分の娘を躊躇いもなく…!」ギロ
512
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 21:32:40 ID:lgUBrgns
戦士「…おや…。姫様、どうやらお時間のようです」
海姫「?何…?」
<いたぞ!海姫様だ!
海姫「!」
ダダダダダッ
兵隊長「姫様、見つけましたぞ!もうお諦め下さい!」
海姫「ッ…!こんな時にッ…!」ギリリ…
513
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 21:40:46 ID:lgUBrgns
兵隊長「!これは戦士殿、お勤めご苦労様であります!後は私共にお任せ下さい!」
戦士「ああ、頼む。二人とも生かして捕らえろ」
兵隊長「は…二人とも、でありますか?」
戦士「そうだ。もう片方には個人的な用がある。やれるな?」
兵隊長「はっ!ご命令とあらば!」
514
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 21:54:54 ID:lgUBrgns
ーーーーーー
兵隊A「…さあ、姫様、今度こそはご同行願います」
海姫「…………」
海姫「一つ条件がある」
兵隊A「…なんなりと」
海姫「あの子を…僧戦士を、治療してあげて…」
僧戦士「……はっ………はっ……」ググ…
兵隊A「…彼女の命は命令により保証されております。ご安心を」
海姫「……そう」
海姫「いいわ…。どこへなりと連れて行って頂戴…」
兵隊A「…失礼致します」
515
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/23(金) 21:56:24 ID:lgUBrgns
続く
516
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/24(土) 22:56:31 ID:nJVkMdBk
_____________
__________
______
ーーその頃、海洋国の路地裏ーー
ザワザワ…
魔王「__して、この壁はいつ頃壊されたのだ」
青年「小一時間くらい前かなぁ。誰かが兵隊の人達に追われてたみたいでさ」
魔王「ふむ…その逃げた人物の特徴などは分からぬか?」
青年「さあ?俺は居合わせてなかったから何とも」
魔王「…そうか。時間を取らせたな」ザッ、ザッ
517
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/24(土) 23:32:08 ID:nJVkMdBk
老人「おぉ、そこの兄ちゃんちょいと待ちなされ」チョイチョイ
魔王「む…?もしや我のことか」
老人「そうじゃそうじゃ」
魔王「我に何か用か?」
老人「今兄ちゃんが話しておった壁ェ壊した娘さんのことだけんども、わしがし〜っかり覚えとるよお」
魔王 (……娘?)
魔王「その話、詳しく聞かせろ」
518
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/25(日) 00:08:19 ID:iqR0HOtE
老人「あんれはウチの孫娘よりも歳若い娘さんじゃったよ」
老人「大きィ斧と海姫様を担いだそれは奇妙な娘さんじゃったのう」
魔王「……何だと!?今なんと言った!」
老人「はんれ、聞こえんかったかのう。じゃからの?あんれはウチの__」
魔王 (よもや僧戦士がこの件に関わっていたとはな)
魔王 (それに姫の方はただの家出とばかり思っていたが…この状況を見るにかなり切羽詰まっているようだな)
魔王 (この一件、我の想像以上に根が深いのやもしれぬ)
老人「けんど、婆さんの若い頃はそれはもう綺麗でのお__」
519
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/25(日) 00:44:36 ID:iqR0HOtE
_____________
__________
______
ーー海洋国の宿屋ーー
魔法剣士「__何ですって!?つまり二人は武力行使された可能性があるってことですか!?」
魔王「そこまでは言っておらぬ。証拠がない以上はあくまで仮定に過ぎん」
女神「で、ですが、もし本当なら一刻も早くお二人を見つけ出さないと…!」アワワ…
520
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/25(日) 00:53:22 ID:iqR0HOtE
魔王「落ち着け。闇雲に探しても恐らく二人は見つからんだろう」
魔法剣士「ではどうすれば!」ガタン
魔王「…落ち着けと言うておる。いつものお前さんらしくないぞ」
魔法剣士「…!俺は、別に……」グッ
女神 (……やはり、僧戦士さんのことが…)
521
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/02/25(日) 01:34:33 ID:iqR0HOtE
魔王「考えてもみるが良い。軍が僧戦士たちと接触したということは、何らかの情報を持ち帰っているということだ」
女神「…!なら王城に直接向かえば良いということですね!」
魔法剣士「!」
魔王「左様。後手に回らざるを得なくなる点は癪だが、最も確実な方法のはずだ」
魔法剣士「……ッ」
魔法剣士「俺、先に王城に行ってきます!」バタバタ
魔王「…何!?おい、だから落ち着けと…!」
女神「魔王さん、私たちも急ぎましょう!」クイクイッ
魔王「……こやつらは…」
522
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/03/09(金) 07:01:29 ID:8A2F9QGo
王道、鬱展開、薄い本ルート
どれかな〜
523
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/04(土) 02:37:34 ID:J6/pxjdM
続きが読めるとはおもわなんだ
期待
524
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/02(日) 15:01:19 ID:IeSgB/sM
まってる
525
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 20:45:23 ID:Jw1uytr.
再開します
526
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 21:01:43 ID:Jw1uytr.
_____________
__________
______
ーー海洋国王城、地下牢ーー
…ポチャン…ポチャン…
僧戦士「…っ」パチ
僧戦士「う…ここは……?私、どうなって…」
527
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 21:06:40 ID:Jw1uytr.
カチャッ
僧戦士「えっ……手枷?…ここ牢屋なの…?」カチャカチャ
僧戦士「…なんで私、牢屋なんかに…」オロオロ
コツ…コツ…コツ…
戦士「___気が付いたようだな」
僧戦士「…ッ!?お父さん!!」
528
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 21:59:05 ID:Jw1uytr.
僧戦士「ねぇお父さん!私どうなっちゃったの!?お父さん助けて!」ガシャガシャンッ
戦士「…………」ジロリ
僧戦士「…お父、さん……?」
戦士「お前を監禁することにした」
僧戦士「…………………」
僧戦士「え…?」
529
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:05:53 ID:Jw1uytr.
戦士「もうここからは出せない。悪いな」
僧戦士「……どうして…?なんで…?」ヘナ…
僧戦士「ようやく会えたのに…こんな……」
戦士「…………」
僧戦士「…ねぇ、何か言ってよ………」
僧戦士「お父さん……」ウル…
530
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:10:27 ID:Jw1uytr.
戦士「…」
戦士「条件次第で出してやれんこともない」
僧戦士「…?」
戦士「お前も海洋国に協力しろ。そうすれば出してやる」
僧戦士「……………」
僧戦士「何、それ…?」ワナワナ
531
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:19:46 ID:Jw1uytr.
僧戦士「どうして…?魔族と手を組むなんて普通じゃないよ…!」
戦士「…お前が知る必要はない。死にたくなければ無駄口を叩くな」ジャキッ
僧戦士「……ッ…!お父さん、昔はそんなじゃなかったのに…!」
戦士「……」
僧戦士「ねえ、お父さん!……お父さん!!」
532
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:25:11 ID:Jw1uytr.
戦士「……御託はいい。協力するのか、しないのか__」
僧戦士「ッッッ!!!」ギリッ
僧戦士「そんなのしたくないよッッ!!!」ガシャァァンッ
シーーン…
戦士「………そうか」
僧戦士「ひっく…う…う…」ポロポロ…
533
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:29:46 ID:Jw1uytr.
戦士「良いだろう。ならばお前の好きにしろ」
僧戦士「………」ポロポロ
戦士「…ではな」
コツ…コツ…コツ…
戦士 (……お前は、昔から何も変わっていないな)ボソリ
ギイィィィ……バタァンッ
534
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:40:02 ID:Jw1uytr.
僧戦士「……お父さん……寂しい…寂しいよ…」ポロポロ…
僧戦士「………………」ポロ…
僧戦士「…そうだ、今は魔物たちを止めないと…!」ムクリ
僧戦士「しっ…しっかり、しなきゃっ…!こんなことしてる場合じゃないっ…!」ゴシゴシ
535
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:46:57 ID:Jw1uytr.
僧戦士 (まずはこの牢屋を何とかしないと…!)
僧戦士「すぅー…はぁー………せーのっ!」
僧戦士「ふんぬ゛う゛ぅぅぅッ!!」ギギイィ、ギギギイィィィッ
僧戦士「はぁ、はぁ…よし、これで通れる!」ポロポロ…
僧戦士「…っ!」ゴシゴシ
僧戦士 (負けるもんか…!絶対、負けるもんか…!!)ギュウッ
タッタッタッタッタッ…
536
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/04(火) 22:50:30 ID:Jw1uytr.
続きは後日投下します
海洋国編が終わったら物語の大筋が動くので、気の長い方はお付き合いいただけると幸いです
537
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/04(火) 23:42:53 ID:HYcC0G4o
マッテタヨー
538
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/05(水) 06:11:44 ID:tCD6m4qo
乙
539
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:05:52 ID:RA366OTM
_____________
__________
______
ーー海洋国王城、正門ーー
門番「___駄目だ。入城は許可できない」
魔法剣士「何故です!?さっきは何の問題もなく入れたのに…!」
門番「事情が変わったのだ。現在は国軍兵と一部の要人を除いた全員の通行が禁止されている」
魔法剣士「……そんな…」
540
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:17:39 ID:RA366OTM
魔王「…一つ聞く。それは我を勇者と心得た上での"狼藉"か?」
門番「……」
門番「私の言葉は国王の命によるものに過ぎない。申し訳ないが、ここはお引き取り願おう」
魔王「……そうか」
魔王「已むを得ん。今は諦めるしかあるまい。…行くぞ」ザッ、ザッ
女神「そんな!もう行かれるんですか!?まお…勇者様!」トテトテ
魔法剣士「……」テクテク
541
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:27:20 ID:RA366OTM
女神「勇者様!簡単に諦めすぎです!もう少し粘れば入れてもらえる可能性だって…!」
魔王「いや、無理だ。このタイミングでの入城制限…流石に偶然ではあるまい」
魔王「公にできぬ何かがあると見て間違いなかろう」
女神「っ!なら尚のこと…!」
魔王「まあ待て。お前さんは物事を愚直に捉え過ぎだ。まだ手段は残されているではないか」
542
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:31:41 ID:RA366OTM
女神「え?他に何か………………!!」ハッ
女神「まさか、その手段って……」タラリ
魔法剣士「…潜入、ですね?」チラ
魔王「左様」ニヤリ
543
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:40:49 ID:RA366OTM
女神「だ、ダメですそんなこと!不法侵入は悪行なんですよ!?」
魔王「だが僧戦士を救う為には必要なことであろう?」
女神「やっ、それはそうですが…」
魔法剣士「女神さん、僕からもお願いします…!僧戦士の為にも…!」ペコリ
女神「ええぇ!?そんな、頭を上げて下さい!」アタフタ
544
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:43:35 ID:RA366OTM
魔王「…ではするのか?"不法侵入"」ズイッ
女神「へっ!?」ビクッ
魔王「答えよ女神」
女神「……えっと…えっとぉ…」オロオロ
女神 (うぅ…私の立場的にそれは…)
545
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:51:18 ID:RA366OTM
<__オーーイ!ダレカーーー!
魔法剣士「……?」
<ダレモイナイノーー!?
魔法剣士「………」
魔法剣士「勇者様、女神さん。何か声が聞こえませんか?」
546
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/06(木) 23:56:01 ID:RA366OTM
魔王「…む?声だと?」
女神「…?……いえ、私には何も__」
<ダレカーーーーッ!!タスケテーー!!
女神「……」
女神「確かに聞こえますね…」
547
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/07(金) 00:12:47 ID:pqSJ7PxI
<オーーーイ!!
女神「どこから聞こえるのでしょう…?」キョロキョロ
魔王「…これは地下から響いているな。……丁度そこの辺りか」チラリ
魔法剣士「もしかして、この大きなタイルの下ですか?」テクテクテク
魔法剣士「あのー、誰かいるんですかー?」
<…!良かった!お願い、ここを開けてっ!!
魔法剣士「……勇者様」チラ
魔王「…」コクリ
魔法剣士「……」
548
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/07(金) 00:17:44 ID:pqSJ7PxI
魔法剣士「今開けます、離れていて下さい」
<ええ、頼んだわ
ガコンッ…ゴゴ、ゴゴゴゴッ
パラパラパラ…
<うっ!けほっ、けほけほっ!
女神「わ……凄い埃…」ツーン…
549
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/07(金) 00:23:48 ID:pqSJ7PxI
海姫「__けほ、けほ…ふう……ありがとう。おかげで助かったわ」
魔法剣士「あぁ、いえ、お礼なんて___」
海姫「……?」キョトン
魔法剣士(黒の長髪に翠の瞳…!?)
魔法剣士「お二人共!!」クルッ
魔王「ああ…特徴と一致しているな」
女神「……あのー…もしかして、海姫様ですか?」
海姫「…!!」
550
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/07(金) 00:24:39 ID:pqSJ7PxI
続く
551
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/07(金) 00:27:25 ID:pqSJ7PxI
ーおまけー
魔王「で、するのか?女神よ」
女神「ふぇ?…何をですか?」
魔王「不法侵入」ニヤニヤ
女神「ばっ…!?しつこいですよ!?」
魔法剣士(今日も遊ばれてるなぁ)ウンウン
552
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/09/07(金) 00:28:07 ID:pqSJ7PxI
後日また投下します
553
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/07(金) 07:41:30 ID:.Mkzz2bY
乙
そう言えば善行それなりにしてるけど加護ついたっけ?まだ足りないのかな...
554
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/25(火) 14:09:24 ID:aXOt6oR2
続き待ってますよー
555
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/05(金) 02:43:53 ID:X2bRY2LU
まうまう
556
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 01:12:21 ID:HMUwZ0X6
>>553
一応蓄積されてはいます
557
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 01:32:01 ID:HMUwZ0X6
海姫「私を、知っているの…?」ジリ…ジリ…
女神「やっぱり!私たちは貴女様を探していたのですよ!」ニコ
海姫 (探していた…!?)
海姫 (ッ…城を抜け出したことがもう勘付かれたのか…!)バッ
女神「……?あの…その手は一体?」
魔法剣士「…!」
558
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 01:38:33 ID:HMUwZ0X6
魔法剣士 (二本の指を突き出す構え…!)サッ
魔王「来るぞ女神!」ガシッ
女神「わ゛ッ!勇者様、何を__」
バチイィィィッ
559
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 01:41:37 ID:HMUwZ0X6
女神「ッ!?で、電撃!?」ビリリ…
海姫「今のは警告よ。…次は当てるわ」スッ…
魔法剣士 (この子、魔道の心得があるのか…!)
560
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 01:52:04 ID:HMUwZ0X6
女神「ま、待ってください!これはどういう__」
海姫「黙って」ギロリ
女神「ひッ」ゾク…
海姫「死にたくなければ大人しく言うことを聞きなさい」バチバチッ…
魔法剣士 (……勇者様、何か俺たち勘違いされてませんか?)ボソボソ
魔王 (…その可能性はある)ボソボソ
561
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 02:09:11 ID:HMUwZ0X6
魔王 (ここは我が説得を図ろう)ボソッ
魔法剣士 (お願いします)ボソボソ
魔王「…あー、待て。まずは落ち着いて話を__」
海姫「黙れと言った!」バチイィッ
女神「ひえぇ…」ガタガタ…
海姫「次はないわ」
魔法剣士 (……無理そうですね)
562
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 02:19:58 ID:HMUwZ0X6
魔王 (…………まあ、姫と行動を共にできることを考慮すれば好機とも取れる)
魔王 (ここは大人しく従うが良かろう)ボソボソ
魔王「分かった、言うとおりにす__」
海姫「ならさっさと降りて来なさい。そのまま私の前を歩くのよ。いい?抵抗の意思を見せたら一瞬で炭にするわ。長生きはしたいでしょう?」
魔王「………」
魔法剣士 (……好機…なのかなぁ……)ハハ…
女神「怖いよぅ…怖いよぅ…」ビクビク
563
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/14(日) 02:21:07 ID:HMUwZ0X6
後日また投下します
564
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/14(日) 08:26:30 ID:m85mT/jQ
続きが読める幸せよ
565
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/16(火) 22:12:47 ID:ZVLMEcYw
_____________
__________
______
ーー王城、地下通路ーー
海姫「__全く……勇者一行だったなら始めからそう言いなさいよ」
魔法剣士「いや、そっちが聞き入れなかっただけじゃ…」プスプス…
魔王「同意見だ」ビリビリ…
女神「私もです…」ホカホカ…
海姫「そんなことはどうでも良いわ」キッパリ
566
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/16(火) 22:26:44 ID:ZVLMEcYw
海姫「…さて、単刀直入に聞くけれど…………貴方達の目的は僧戦士ね?」
魔法剣士「!!」ハッ
女神「…!」
魔王「…やはり僧戦士を知っていたか」
海姫「ええ。私の為に"身を呈して"戦ってくれた、大切な恩人よ」
魔法剣士「………そうですか…」
女神 (……また、酷い目に遭ったのでしょうか…)ギュ
567
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/16(火) 22:45:19 ID:ZVLMEcYw
魔王「彼女の居場所に心当たりはないか?」
海姫「…あるわ」
魔法剣士「…!教えて下さい、お願いします!場所さえ分かればすぐにでも僧戦士を…!!」
海姫「………………」
女神「…姫様…?」
海姫「……教えても良いけど、条件がある」
568
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/16(火) 22:52:31 ID:ZVLMEcYw
魔法剣士「っ…?条件、ですか…?」
海姫「そうよ」シレッ
女神 (うわ…この急いでいるときに…)ドンビキ
魔王 (いや、だからこそだ。時間が惜しい今現在は、承諾するのが一番手っ取り早い)
魔王 (…親子揃って抜け目の無いことだな)
569
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/16(火) 23:08:13 ID:ZVLMEcYw
魔王「で、その条件とは何だ?」
海姫「……私の国を救う手伝いをして欲しいの」
魔法剣士「…救う……?やはり、この海洋国で何かが起こってるんですか?」
海姫「ええ。…結論から言うわ」
海姫「…この国は魔族に乗っ取られつつあるの」
魔王「………………なんだと…?」
570
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/16(火) 23:10:57 ID:ZVLMEcYw
明日また投下します
571
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/17(水) 19:47:29 ID:FP/BilDg
乙
魔王がいない間に部下がやらかしたか!?
572
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/17(水) 22:41:07 ID:7k2N9QPA
女神 (魔族って…!魔王さん、どういうことですか!?)クルッ
魔王 (…知らん。我を見るな)
魔法剣士「魔族…強大な力を秘めた魔物のことですよね?」
海姫「ええ、一晩で国を滅ぼし去っていく"生きた天災"よ」
573
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/17(水) 22:46:21 ID:7k2N9QPA
女神「…それは確かな情報なのですね?」
海姫「この目で見たから間違いないわ」
女神「…………」チラ
魔王 (知らんと言うておる。…情けないが我は一切関与していない)
574
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/17(水) 23:03:26 ID:7k2N9QPA
女神 (?なら、今回の件は…?)
魔王 (何者かの独断である可能性が高い)
女神 (……つまり、一種の裏切りということですか…?)
魔王 (…………………)
575
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/17(水) 23:30:35 ID:7k2N9QPA
魔法剣士「…かなり逼迫しているみたいですね」
海姫「否定しないわ。……さあ、条件を呑むかしら?嫌なら私一人で__」
魔王「引き受けよう」
魔法剣士「!」
魔王「二人共、異論は無いな?」
女神「あ…はい…」
魔法剣士「勿論です、ありがとうございます…!」
海姫「………即答とは恐れ入ったわ。正直期待していなかったのだけれど」
魔王「勇者として見過ごす訳にもいくまい」
海姫「…流石ね」
576
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/17(水) 23:59:26 ID:7k2N9QPA
海姫「良いわ。僧戦士のもとへ案内してあげる。付いてきて頂戴」クルッ、テクテク…
魔法剣士「行きましょう、お二人共」テクテク…
魔王「ああ」ザッ…ザッ…
女神「は、はい…」トテトテ…
577
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/18(木) 01:09:29 ID:C.nNY87A
女神 (魔王さん、大丈夫ですか…?)
魔王 (…心配するな。反逆者は我が何とかする)
魔王 (お前さんは魔法剣士が先走らぬよう、見守っていてくれ)
女神 (はい…あの、でも……魔王さんも…)オロオロ
魔王 (…………)
578
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/18(木) 01:37:23 ID:C.nNY87A
魔王 (お前さん、我まで冷静でなくなったと考えてはおらぬか?)
女神 (…!)
魔王 (安心しろ。お前さんには我がついている。…最初にそう言った筈だ)ニヤリ
女神 (……しっ…信じてますからねっ?どこにも行っちゃ嫌ですよ?)ウル…
魔王 (…大袈裟な奴だ)
579
:
◆ZGyEu7mBgw
:2018/10/18(木) 01:37:59 ID:C.nNY87A
後日また投下します
580
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/01(月) 03:35:36 ID:pn4JJxoA
まつぞ
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板