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勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)
454
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/20(月) 01:54:01 ID:f5arv6uk
乙
出会いに恵まれているあたり、名ばかりの勇者というわけでもなさそうだ
455
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/20(月) 10:55:29 ID:ceBJY.Ps
いい人(魔族)たちだなあ、どうにか戦争回避したいもの
寒い地方の温かい汁物って美味しいよね……
乙
456
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:26:03 ID:WzYnEYBs
一ヵ月後
勇者「おお……あれが魔王城」
勇者「かなり立派なもんじゃないか」
勇者「それに城下町も栄えているようだ」
勇者「しかし……」
勇者「この姿で街に入るのは勇気がいるなぁ」プゥーン
勇者「近くに水辺はないし、あったとしてもこの季節に水浴びは自殺行為だしなぁ」
勇者「何より、こっち側の貨幣を持っていない」
457
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:28:21 ID:WzYnEYBs
魔王軍野営地
E「うん?」
B「どうした?」
E「あの人間から連絡が来た」
A「へえ、まだ生きているんだな」
E「……」
C「ど、どうした?」
E「……」スッ
件名『助けてほしい』
458
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:30:29 ID:WzYnEYBs
勇者「お」
勇者「ふむふむ……南東に大きな池か」
勇者「……寒いがそこで体とか洗ってから行こう」
勇者「うー寒い寒い……」
勇者「早く魔王城に行って温まりたいなぁ」
勇者「あれ? また連絡が来てる」
伝達魔石『今日の門番、知り合い誰も勤務していないから力になれない。頑張れ』
勇者「うーん、出たとこ勝負か。まあ仕方がない」
459
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:32:11 ID:WzYnEYBs
勇者「ここの小道を行けば、比較的誰にも会わずに魔王城に……」
勇者「お、門が見えてきた」
門番A「何者だ」
門番B「……ちょっと待て。お前、人間か?」
勇者「はい、勇者と申します」
門番A「人、間……」
門番B「……」ザワッ
460
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:34:27 ID:WzYnEYBs
勇者「本日は」
門番A「……」ゴクリ
門番B「……」ジリ
勇者「こちらにいらっしゃいます、装飾師様へ商品の納品に伺いました」
門番AB「えっ」
勇者「こちらがその時のやり取りです」スッ
門番AB「えっ」
461
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:36:15 ID:WzYnEYBs
門番A「……本物っぽいぞ」
門番B「確認をしてくる。ここで待機してもらうぞ」
勇者「……分かりました」
勇者(寒いから中に入れてほしいんだけどなぁ)
門番A「お前……魔王様を暗殺とか企んでいないだろうな」
勇者「考えておりませんよ。むしろ今は……」
勇者「早く暖をとりたいです……」ガタガタ
門番A「……すまないが、もうしばらく待っていてくれ」
462
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:38:26 ID:WzYnEYBs
門番B「確認は取れたが」
兵士「監視として同行させてもらうぞ」
勇者「はい、どうぞ。というか早く中に入れてください」ブルブル
門番B「……この人間、なんでこんなに震えているんだ?」コソ
門番A「……寒いらしいが、そこまでじゃないんだけどな。人間側の領土は温暖な土地なのかもな」
勇者(若干濡れているからです)フルフル
463
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:40:45 ID:WzYnEYBs
魔王城内部
勇者(へえ……随分と装飾が)
勇者(やっぱり種族が違うとは言え、魔族も"ヒト"なんだな)
兵士「あまりきょろきょろとするな」
兵士「一挙手一投足を見張られていると思え」
勇者「はあ、そうですか」
勇者(言われても城内なんて今日の商談以外は観光気分だし)
勇者(和平……和平……うん、無理だな)
464
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:42:35 ID:WzYnEYBs
装飾師「ほ、本当に人間でしたか」
勇者「すみませんね、騙すような形で。ですが、商品は確かに」
装飾師「ふんふん、ええ、物は申し分なしです。本当にありがとうございます」
装飾師「御代はこちらの2000Gです」
勇者(こちら側はギルで、向こうはゴールド。材質はあまり違いはないみたいだけど、流石に絵柄は違うか)ジャラジャラ
勇者(こういうところ、昔は普通に交流があった感があるなぁ)ジャラ
勇者「はい、2000G、確かに受け取りました」
465
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:44:28 ID:WzYnEYBs
装飾師「それにしても、よくこんな所まで来る気になりましたね……」
勇者「稼ぎ時だと思いまして」
勇者「転移魔法が使えますので、今後はこちら側へも用意に来れます」
勇者「あちら側の物等、ご相談頂ければすぐに対応致しますよ」
装飾師「それはありがたいですが……て、転移魔法か」
勇者「人間側の転移魔法は定員が数人程度、基本的に魔方陣はその都度描く」
勇者「また、一日一回でこういった町など建物がないところへは転移できません」
装飾師「制約が多いのですか……まあ、安心しました」
勇者「ええ、要らぬ誤解で争いなんて、私も望んでいません」
466
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:46:36 ID:WzYnEYBs
装飾師「うん? もしかして、こちら側の転移魔法をご存知なのですか?」
勇者「かなり便利なものだとは。何度か命の危機に、こちらの方々に助けて頂いた時に聞きました」
装飾師「それはそれでどうなんでしょうか……まあ、私は軍属ではないし、貴方も似たようなものですし……」
装飾師「まあ、また何かありましたらよろしくお願いしますよ」
勇者「ええ、こちらこそ」
勇者「あ……」
装飾師「どうしました?」
勇者「城内で食事を出来るところってありますか?」
装飾師「ええ、食堂がありますよ」
兵士「……案内しよう」
勇者「よろしくお願いします」
467
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:49:16 ID:WzYnEYBs
食堂
「あれ……? 人間?」ザワザワ
「え? うそ」ザワ
「まさか、いやいやまさか……」ザワザワ
兵士「ここが食堂だ。こちらにある札を持って、あそこでお会計すればそのまま注文となる」
勇者「へえ、そういう仕組みですか」
勇者(しかし、結構メニューは変わらないもんだなぁ)
勇者(ミートサンド……魔王の国の肉って何を使っているんだろう)
勇者(豚肉野菜炒め定食もそそるなぁ)
勇者(カツ丼もあるのか。魔王の国ってパンと米が両方普及しているのかな。珍しいなぁ)
勇者(ふーん、アジの開き定食、魚料理もか。幅広いメニュー、流石は王城)
468
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:50:39 ID:WzYnEYBs
勇者(それにしても迷うなぁ。ご飯ものはあっちじゃそう多くはないし、ここは定食物でもいってみるか)
勇者(ほうほう、ラーメンにうどんにそばと麺類も豊富か、これは侮れない)
勇者(うん? ちゃんぽん? なんだこれ、初めて見るな)
勇者(うーん、列的には麺類か。ちょっと気になるな)
勇者(へえ、鶏の唐揚げ。単品もあるのか)
勇者(豚の角煮か。これもそそるなぁ)
勇者(困ったぞ……まるで袋小路だ)
兵士(凄い悩んでる……)
469
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:52:28 ID:WzYnEYBs
勇者(うーん、米……捨てがたいが)
勇者(ちゃんぽん。ここで聞くのは野暮な気もする)
勇者(ご飯物ってだけなら、これから先こっちを旅していればいくらでも食べられそうか……)
勇者(折角の魔王城での食事だ、ここは一つ冒険してみるか)カタ
ちゃんぽん 50G
野菜とエビやイカ等がたっぷりのった麺物。
白めの濁ったスープだが、味はあっさり。
豚の角煮 35G
ぶ厚めに切られた3切れの豚の角煮。
付け合せなのか、ほうれん草が添えられている。
カツカレー 60G
兵士の人が頼んだ料理。
かなり恐ろしくぶ厚いカツがのったカレーで、ニンジンはジャガイモもごろっと入っている。
グリーンドラゴンの肉らしい。
470
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:55:01 ID:WzYnEYBs
勇者「いただきます」
兵士「いただきます」
勇者(カツカレー、予想以上の大きさだ。早くも青い芝生に見えるぞ)
勇者(とは言え、このちゃんぽんも中々なものだぞ)
勇者(この野菜の量に負けないエビにイカ。これはアサリか。それに豚肉まで)
勇者(やっぱりごちゃ混ぜって意味合いのちゃんぽんなのかな)フーフー
勇者(! なんだ、この味。予想以上にさっぱりだ)ズゾゾゾ
勇者(もっと大味かと思ったけども。しかし、これは中々、いやとっても美味いぞ)モグモグ
471
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:56:36 ID:WzYnEYBs
勇者(何ていうか、野菜にもよく合う味だ。いい、これとってもいいぞ)パクパク
勇者(シーフードかと言えば、そうでもないし、本当に不思議な美味しさだ)モグモグ
勇者(ちゃんぽん、かなりやるじゃないか)
勇者(おっと、角煮を疎かにはできないな)パク
勇者(ほほう、うんうん、とっても柔らかくて美味しい)モグモグ
勇者(しっかり味が染み渡っている。これはいい角煮だ)
勇者(となると、このほうれん草も期待しちゃうぞ)パク
勇者(ほうほう、そう来ましたか。豚と一緒に煮込んでいるんだな)モグモグ
勇者(豚の旨みをすっかり吸ってらっしゃる。このほうれん草も強敵だ)パク
472
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 20:58:12 ID:WzYnEYBs
勇者(これはどれも箸が止まらないぞ。なんならほうれん草だけでもいいぐらいだ)パク
勇者(魔王国、侮れないぞ)モグモグ
勇者(ああ、美味しいな。ここが魔王城で本来敵国だなんて、どうでもよくなってしまう)パク
勇者(ふふ、食事中にそんな野暮な事考えちゃ、料理に失礼だな)モグモグ
兵士「……」モグモグ
兵士(この人、敵地のど真ん中だってのに、すっげえ美味しそうに食べるなぁ)
兵士(うーん、今日はちゃんぽんにしておけば良かったなぁ)
473
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:00:32 ID:WzYnEYBs
勇者「ふう……美味しかった」
兵士「この後はどうするつもりだ?」
勇者「そうですね……こちらの貨幣も得られましたし、少し城下町で面白い物がないか見て行こうかと思います」
兵士「あ、いや、そんな直近の話でなく……」
勇者「地図が手に入れば、少し近隣を観光していこうかと」
兵士(観光って言い切っちゃったよ、この人)
勇者「面白い土産物や特産が売っている町とか知りませんかね?」
474
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:02:15 ID:WzYnEYBs
……
勇者「お世話になりました」
兵士「あ、ああ……」
勇者「また機会がありましたらよろしくお願いしますね」
門番A「行った、か」
門番B「様子はどうだったんだ?」
兵士「商人、かな……」
門番A「え……マジか」
門番B「何だったんだ、本当に」
475
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:04:16 ID:WzYnEYBs
勇者「それにしても2000G……予想以上の高値で取引されたな」
勇者「うん、やっていけそうだな。魔王の国」
勇者「それにしても魔王の国の物かぁ。出来るだけ、バレないものを探さないとなぁ」
勇者「まあ、何とでもなるだろう」
勇者「それよりも、少しこちらの国の料理について学んでおきたいな」
勇者「ふふ、食った傍からもう次の料理が楽しみになってきている」
勇者「魔王の国、満喫できそうだ」
476
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:08:30 ID:WzYnEYBs
戦乱の世を一人旅する勇者がいたという。
その者は戦乱を止める役を与えられていたものの、終ぞ直接的に貢献する事はなかったという。
ただ、分け隔てる事無く敵国の者にも接し、更には自らその地に赴いては自らの目的を果たす。
利する事もなければ、害する事もなく。
恐れはすれど臆することはなく。
闘争こそはないものの、別の形の勇気ある者として、永く永く語り継がれたという。
勇者「へえ、このパン屋、外からも見えるようにPOPを書いているのか」
勇者「『当店オススメ、カヌレ・ド・ボルドー』……このカップケーキ、みたいのかな」
勇者「……」
勇者「うん、食後の甘い物はまだだし、食べてみるか」カランコロン
477
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 21:13:13 ID:WzYnEYBs
ちゃんぽん
ちゃんぽんと言えば長崎ちゃんぽん。
語源は色々と諸説があり、中国の福建語の挨拶やそこの言語での混ぜるという意味合い。
はたまた、沖縄のチャンプルーやマレー語・インドネシア語のチャンプルとか。
福建省の料理をベースにしているらしく、明治時代中期に清国人留学生向けに考案されたらしいが、
異説として明治初年に支那饂飩をちゃんぽんの名で売り出していたともいう。
カヌレ・ド・ボルドー
フランスのボルドー女子修道院で古くから作られているお菓子で、カヌレという名で親しまれている。
蜜蝋を入れる事とカヌレ型と呼ばれる小さな型で焼く事が特徴。
カヌレは溝のついたという意味で、底の形は違うけどプリンの容器が円柱状になっていると思えばイメージし易い。
ボルドーではワインの澱を取り除くのに、鶏卵の卵白を使うため卵黄が大量に余る。
その利用法がこれという話だとか。
卵白卵黄使い道繋がりで。
日本のOTC医薬品でよく使う抗炎症や去痰の効果のある塩化リゾチーム。
これは卵白から作られていて、マヨネーズ工場で余る卵白を利用しているとか。
カヌレの逆バージョン。
478
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/26(日) 22:58:47 ID:tt55uHoo
乙
479
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/27(月) 01:34:30 ID:/ITKdSGI
完結?
まだまだ勇者の食べ歩きを見ていたいんだが…
480
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/28(火) 05:00:24 ID:hmWKXTLU
魔王城の日本感w
この勇者にあるのは勇気というか食い気と商売っ気だな
続き期待
481
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/28(火) 11:10:03 ID:Vkp2.qnY
完結した感あるけどもしかして終わり?
482
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/06/28(火) 20:44:30 ID:s6cY3DPE
保存技術が進歩してるからシーフードもあるのか
483
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/01(金) 17:53:10 ID:py4zIGVM
魔王城行ったから終わりなのかな
もうちょっと見たかった
484
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:40:03 ID:TVrLzWiw
二年後 魔王城下町
勇者「60万ゴールドに23万ギル……随分と稼いだもんだなぁ」
勇者「しばらくのんびりしてもいいぐらいだけど、動ける内に稼ぎたいしなぁ」
勇者「さて、納品を済ませてどっかで食事でも取るか」
勇者「それにしても」
勇者「随分と賑やかだな。お祭りでもあるのかな」
485
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:41:36 ID:TVrLzWiw
装飾師「おお、これが一角兎の皮……まるで宝石のような輝きですね」
勇者「いやぁ、中々大変でしたよ」
勇者「でもまあ、二ヶ月で獲れたのは運がいい方でしょうね」
装飾師「そんなにですか……」
勇者「あ、いえ、自分の能力での話です。狩人の方とかでしたら1,2週間も篭れば大抵は済むらしいですよ」
装飾師「なるほど。しかし何にせよ貴重な物、本当にありがとうございます」
装飾師「こちらが御代の5000Gです」
486
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:42:55 ID:TVrLzWiw
勇者「それにしても、今日は何かあるんですか?」
装飾師「え? ご存知ではないのですか?」
装飾師「今日は、こちらと人間側との和平が結ばれる日ですよ」
勇者「えっ!」
勇者「全然知らなかった……」
装飾師「人間側では話題になっていないのですか?」
勇者「ここ最近は一角兎の情報集めたりだったんですよ。基本的に辺境の町や村ばかりなので」
装飾師「あーそうでしたか」
487
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:44:40 ID:TVrLzWiw
装飾師「ここ魔王城で人間側の国々の王が集まるんですよ」
勇者「へー」
勇者「……」
勇者「あ、あの、それって聞いたりする事はできますか?」
装飾師「まあ、秘匿する内容ではないですので、ある程度の権限を持つ者なら傍聴できますが」
勇者「出来れば王達に気づかれないところで」
装飾師「あー……」
装飾師「うーん、それでしたら」
488
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:45:56 ID:TVrLzWiw
会場隣の部屋
魔王軍騎士「装飾師さん? どうなさったんですか?」
装飾師「ええ、彼が聞きたいそうなので」
勇者「どうも」
騎士「特に面白い話題はないと思いますよ?」
勇者「……いえ、ちょっと気がかりがありまして」
装飾師「というのは?」
勇者「え、ええと、立場的に、とか?」
装飾師「?」
489
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:47:34 ID:TVrLzWiw
魔王「では、これらの条件の下に和平を結ぶという事で相違はないだろうか」
剣「問題ない」
丘「ああ」
火「相違ない」
商「ええ」
魔王「ではこれにて、人間側七ヶ国並びに魔王国の和平を取り結ぶとする」
魔王「……」
剣丘火商「……」
魔剣丘火商(ふー……)
490
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:48:35 ID:TVrLzWiw
魔王「しかし、お前達も解せんものだな」
魔王「斥候なのか何なのか知らんが、送り込むだけ送り込んでアクションなし」
魔王「こっちはずっと警戒をしっ放しだったぞ」
丘「なに?」
剣「は?」
火「ほほう、うん?」
勇者「」ゾォッ
装飾師「あ、そういう……」
491
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:49:57 ID:TVrLzWiw
商「それは一体どういう事でしょうか?」
魔王「勇者という職位の者を送り込んでいるのだろう」
火「ええ、確かに。だが、誰一人として魔王城はおろか、魔王の領土を越えたという話は聞いていないぞ」
魔王「なに? ああ、飽くまで代表としてだからか。この場に出席できなかった三ヶ国の人間という事か」
火「いや、多少なりとも勇者についての情報は交換し合っている」
火「それだけの事を成した者がいるのならば、周知されているはずだ」
魔王「……どういう事だ?」
剣「こちらが聞きたい」
492
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:51:38 ID:TVrLzWiw
丘「捕らえたりはしていないのですか?」
魔王「現状の法では、その者を捕らえる事が出来ん」
魔王「ごく普通に違法性のない物を取引していくだけだからな」
商「……? 勇者? 商人の間違いでは?」
魔王「いや、勇者であると報告を受けている。此処でそのような嘘を言うメリットはなかろう」
剣「確かに……では一体何者が? しかも何の報告もなしに……商売をしていただけだと?」
商「微妙なラインですね。今こそ和平を結んだとは言え、当時は敵国へのルートを得た訳ですから」
火「それを隠していたとなると、最悪は反逆罪となってもおかしくないな」
493
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:53:15 ID:TVrLzWiw
勇者「……」
装飾師「……」
勇者「ここから遥か西の土地についてお伺いしてもいいでしょうか?」
勇者「出来れば、長期的な滞在、あるいは移住を受け入れている町とか」
装飾師「ええと……はい。すぐに調べさせます」
勇者「うーん、人間側で商売出来るのは何年後かなぁ」
装飾師「え? そこなんですか?」
勇者「元々孤児なんで、故郷らしい故郷もないんですよ」
494
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:54:36 ID:TVrLzWiw
装飾師「1,2時間ぐらい時間を頂く事になるかと思います」
勇者「分かりました」
勇者「その間、城下町にいますね」
装飾師「大丈夫でしょうか?」
勇者「まだ人相は割れていませんからね」
装飾師「なるほど、分かりました。ごゆっくりしてきて下さい」
勇者「はい、よろしくお願いします」
495
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:55:59 ID:TVrLzWiw
城下町
勇者「しかし本格的に和平が結ばれるとなると、これから先、競争相手も出てくるだろうなぁ」
勇者「少し考えなくちゃいけないな」
勇者「まあ今は生活の基盤が先になるのかな」
勇者「何にせよ情報待ちか……」
勇者「さあて、何を食べようか」
496
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:57:23 ID:TVrLzWiw
勇者「うん?」
看板「本日、海産物仕入れ!」
勇者「普通の料理屋に見えるが……海産物か」
勇者「ここまで大々的にするって事は普通の魚とかじゃないのかな」
勇者「どんな料理なんだろう」
勇者「ここ最近はずっと山だったし……よし、ここにしてみるか」
497
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/02(土) 23:58:55 ID:TVrLzWiw
「いらっしゃい」カランカラン
勇者「あの、外の看板って」
「入荷したのはタカベ、きびなご、あとタコだね」
勇者「へえ、タコってあのデビルフィッシュですか?」
「ああ、そうだよ。そんな事を聞くなんて……あんたまさか人間か?」
「人間側はタコを食わないって聞いた事があるが、本当なんだな」
勇者「ええ、まあ……あの、タカベも聞いた事がないんですが、どういったメニューなんですか?」
498
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:01:21 ID:6bSLoIw2
「タカベは小さめの魚でな。塩焼きで出している」
「きびなごは天ぷらだな。海よりの地域なら刺身で食うのも中々イケるんだがな」
「タコは刺身と水軍鍋だな」
勇者「……それじゃあ」
水軍鍋 90G
白身魚にしいたけ、白菜や水菜と里芋にエビ。
何と言っても丸々と入っているデビルフィッシュが凄い。
勇者「ほほう……これがデビルフィッシュ。何という存在感だ」
499
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:02:56 ID:6bSLoIw2
勇者(まずは汁から……)ススゥ
勇者(うん、美味いっ。思いの外、味はあっさり目なんだな)
勇者(魔王の国の鍋物って味噌が多いイメージだけど、これはしょうゆか)パク
勇者(うんうん、いいぞ。この白菜、実にいい)モグモグ
勇者(それにこの抜かりないしいたけの量)パク
勇者(やっぱり鍋と言ったら欠かせないな)モグモグ
勇者(この魚は何だろう?)パク
勇者(うーん、何の魚かは分からないが上等上等)モグモグ
500
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:04:29 ID:6bSLoIw2
勇者(しかし、勢いで頼んだとは言え)
勇者(このデビルフィッシュの量は想定外だった)ツンツン
勇者(あ、足が一本ずつ切ってあるのか……それにしてもでかい)
勇者(ええい、ままよっ)ガブ
勇者(……)モギュモギュモギュモギュ
勇者(ほう、ほう……デビルフィッシュ、面白い食材だ)モギュモギュモギュ
勇者(デビルフィッシュの味は分からないけど、これは多分食感を楽しむ食材なのかも)モギュモギュ
勇者(しかし、足一本。食べ辛いな)モギュモギュ
501
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:06:01 ID:6bSLoIw2
勇者(うん、でも悪くないな、デビルフィッシュ)ゴクン
勇者(魔王の国の海辺の町ならもっと、デビルフィッシュを使った料理があるんだろうか?)
勇者(少し興味が湧いてきたぞ)パク
勇者(新たな発見だ。凄いぞ水軍鍋)モグモグ
勇者(しかしあと七本の足か。一人だと中々腹にくるなぁ)
勇者(けど残すのなんて勿体ないな。ここは勇者の見せ所だな)グッ
502
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:07:17 ID:6bSLoIw2
……
勇者「うう……腹がはち切れそうだ」
勇者「しかし、中々だったな。恐るべし水軍」
勇者「さて……宿屋を取っておくか。食休みしたら魔王城に行って」
勇者「大まかでもこれからの事、考えないとだなぁ」
しかし、彼の事が風の噂でなく、実在した者として広く伝わったのは、
和平が結ばれてから数年たった後であったという。
勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな) 終
503
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:08:41 ID:XNR/DBJI
ああ……終わった……終わってしまった
乙乙
504
:
明日役立たない雑学
:2016/07/03(日) 00:10:57 ID:6bSLoIw2
きびなご
西日本でよく食べられる魚。
小魚で痛みやすく、遠方への流通は少なめ。
薩摩料理において、きびなごの刺身を酢味噌で食べるのが有名。
タカベ
ベントウやベットウとも呼ばれる魚。
名前の由来は、漁師用語で岩礁を意味するたかに、魚を意味する接頭辞のべを付けたと考えられている。
背部の中心から尾鰭全体にかけて特徴的な黄色をしており、中々目立つ魚で岩礁に近くに群生する。
日本固有種の夏の魚で、茨城あたりから西の太平洋に生息。
市場では高値がつく為、高級魚の扱いを受けている。関東圏内に卸される物は大抵伊豆産。
脂が多く塩焼きが絶品らしい。
観光激戦区、伊豆の中木でもよく見る。
スキンダイビング中に見かけては、よく喉を鳴らしている。
食べてみたい。今年の目標である。
海軍鍋
広島の郷土料理の一つ。
室町から戦国にかけて因島を拠点とした村上水軍が、必勝祈願に食べたと言われる。
瀬戸内海の魚介類と海草をふんだんにいれ、八方の敵を食らうという意味でタコを丸々入れるのが特徴。
昆布で出汁をとり、醤油などで味を調える。
505
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 00:28:18 ID:cgfDZ9QU
蛸料理といい勇者がデビルフィッシュ呼びすることといい…魔王は第六天魔王的な人なんかい?
そして完結おめでとう&お疲れ様でした!楽しかった
506
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 01:35:11 ID:6bSLoIw2
あああああああ!
ああああああああああ!!
タコ!
普通にタコって知ってるじゃん!マルミタコォォォ!
しかもタコを普通に食材として認識してるじゃんんうううう!!
507
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 01:40:14 ID:yezu6Z0c
最後まで抜かりなく旨そうだった
また新しい地へ旅立つんだ勇者
508
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 08:48:53 ID:vQb6cams
乙といいたいけど
ここから勇者が世界を代表する商人になるまでの話は?
509
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 10:43:35 ID:mQPn6ApM
鱗のない魚が聖書で罵られてるから、デビルフィッシュなんだっけか
この勇者のブレなさ、ほんと好き
タコ初見でも普通に食材と思いそうだしw
毎度のメシテロありがとう、面白かったよ乙!
510
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 11:11:42 ID:68wAbImY
URL教えてくれよぉ…消えたサイトにたどり着けねぇよぉ…(号泣
511
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/03(日) 21:43:00 ID:If28.oUk
終わってしまったか面白かった
乙
512
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/06(水) 10:19:47 ID:liYyOQn.
乙
513
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/06(水) 20:28:14 ID:bTFfVqZo
>>510
すまんね、前に晒したら色々と面倒があったから、直接的にはちょっとね
あと、調べたら何故か検索に引っかからなかった。ほんとすまん
今はちゃんとロボット検索に拾われるけど
ってだけだと、申し訳ないから
使ってた鯖の公式はまだ存在していて、最後の方に更新された情報の中に
ちゃっかりサイトの名前が入っている
移転先も同じ名前だからそれで見つけてくれ
514
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/07/06(水) 22:20:25 ID:8Vpm2fcw
>>513
上から順番にググって見つけました
砂漠の砂の中から一粒だけ違う砂を見つけるくらい大変だった…(号泣
515
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/14(水) 15:58:31 ID:NKxp1ZmI
>>513
乙
自分のブクマ漁ったらdから始まる方のが残ってて驚いたわー
516
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:06:07 ID:HyVW2UOQ
二ヶ月程前 魔王領北部 山岳地帯
勇者「ふー寒い寒い……」ハー
勇者「この町を越えたらしばらくは山篭りか」
勇者「一角兎、捕まえられるといいなぁ」
勇者「出発は明日にするとして……今日はもう必要な物だけ買って休んでしまうか」
勇者「うひゃあ」ビャァァァ
勇者「うーこの風、堪えるなぁ」
517
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:08:03 ID:HyVW2UOQ
道具屋
勇者「これとこれと……あとこれも買っておこうかな」
「お客さん、山にでも入るんかい?」
勇者「ええ、一角兎を捕まえに来ました」
「普通に卸されるんじゃダメかい?」
勇者「中々、毛皮までしっかりしているのは珍しいですからねぇ」
「あーそうだな。どっちかつーと角の方がメインだからな」
「しっかしあんたに捕まえられるんかね」
勇者「まあ、生態などは調べてきましたので」
「ほー。まあ遭難や凍死しない程度に頑張んなさいな」
518
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:10:34 ID:HyVW2UOQ
勇者「ふー……凍死か。本当に気をつけないとだなぁ」ビュウウウ
勇者「うーきついなぁ」
勇者「どっかで食べて休んでしまわないと。明日からは長丁場だ」
勇者「何処か食べられるお店はないかなぁ」ザッザッ
勇者「うん? なんだろう、このお店」
勇者「酒場って雰囲気でもないけど、普通の食事できる店とも違う……」
勇者「魔王領にある居酒屋ってやつかなぁ」
勇者「うーん、ちょっと入るのは躊躇うが……良い匂いだ」ゴクリ
勇者「うん、きっと美味しい料理もあるはずだ。勇気を出してみるか」ガララ
519
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:12:41 ID:HyVW2UOQ
「いらっしゃい」
勇者「ここ、食事出来ますか?」
「旅人さんかい。暖かいおでんがあるよ。食べてきな」
勇者「おでん?」
「なんだ、おでんを知らんのか。鍋物料理だよ」
勇者「へえ……それじゃあそれを」
「はいよ。うちのは新鮮じゃない大根を使ってんだ。よーく味わいな」
勇者「えっ?」
520
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:14:41 ID:HyVW2UOQ
おでん 60G
暖か〜いおでんで、種はお任せで注文。
入っていたのは大根、ゆで卵、ちくわ、昆布、巾着、じゃがいも、がんもどき。
味は昆布を出汁にした薄い醤油味。大根の色が茶色い。
勇者(ほほう、これがおでんか)
勇者(随分とそそる匂いじゃないか)
勇者(それにこの大根の色の濃さ。なるほど、確かに新鮮じゃない。
勇者(新鮮じゃないがとっても美味しそうじゃないか)
521
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:18:03 ID:HyVW2UOQ
勇者(それにしてもこの油揚げっぽい袋はなんだろう……始めてみる食べ物だ)
勇者(よし、まずはこいつだな)パク
勇者(うん? おお)ミョーン
勇者(中にお餅が入っているのか。面白いなぁこれ)モグモグ
勇者(うんうん、このおでんの汁、結構好きな味だ)ススゥ
勇者(ますます大根が楽しみになるが、これはメインディッシュだな)
522
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:20:32 ID:HyVW2UOQ
勇者(こういう風に昆布を食材として使うのって結構珍しいなぁ)パク
勇者(うん、美味しいけど普通に昆布だな)モグモグ
勇者(しかし、この量で丸々一個のゆで卵はちょっとくどい気がするが)パク
勇者(この値段でこの量は文句なんて言っちゃあいけないな)モグモグ
勇者(これは……がんもどきって言うんだっけか。食べるのは初めてだな)パク
勇者(ほほう、これもおでんの汁を吸っていっていい感じじゃないか)モグモグ
523
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:22:27 ID:HyVW2UOQ
勇者(ちくわも)パク
勇者(うんうん。それにしてもおでん、変わっているな)モグモグ
勇者(汁を吸う種ばかりじゃないし、何ていうか、このお任せ種の種類が原因かもしれないけど)パク
勇者(重たい物が多いんだな)モグモグ
勇者(じゃがいもも大き目のが半分か。中々腹に来るなぁ)パク
勇者(んん? ほうほう、このじゃがいも甘いぞ)モグモグ
勇者(これはおでんの汁と馴染んでいていいじゃないか)
勇者(そういう品種なのかな。とんでもないダークホースだ)
524
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:24:21 ID:HyVW2UOQ
勇者(さて、最後に大根だ)パク
勇者(ほほぉ、これは。うん、美味い美味い。噛む度に染み渡った汁が口の中に広がる)モグモグ
勇者(これだけ味の染みた大根って中々食べられないぞ)パク
勇者(ただのおでん味と思わせておいて、奥深い味だ。きっと他の具の味も染みているんだろうな)モグモグ
勇者(うーん、これは大根だけでも何切れか欲しくなるが、流石に追加するにはきついな)サスサス
勇者(一角兎を獲った帰りにまた寄るかなぁ)
勇者(おでんか。ふふ、いい料理を知ったぞ)
525
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:26:32 ID:HyVW2UOQ
「まいど。また来いよ」
勇者「ああ、満腹だ」カララ
勇者「体もぽっかぽか。本当に魔王領も美味しい物が多くて良い所だなぁ」
勇者「魔王領も色んなところを回ってみたいな」
勇者「だいぶお金も貯まったし、しばらくのんびり旅をするのもいいなぁ」
勇者「兎にも角にもまずは一角兎だ」
勇者「よーし、明日から頑張るとするかなぁ」
526
:
明日役立たない雑学
:2016/09/16(金) 22:28:56 ID:HyVW2UOQ
おでん
漢字で書くと御田で、煮物・鍋料理に分類され、様々な種を長時間煮込む。
おでんは元々、田楽を意味する女房言葉で、室町時代では串刺しにして焼いた焼き田楽、種を茹でた煮込み田楽とがあった。
江戸時代になってからはおでんは煮込み田楽を指すようになったそうな。
種や味付けは地域によって差があり、特に静岡おでんなんかは有名どころ。
色んな変り種があるけども、ご当地おでんが出てくるようになって、色々と出てきた感じなのかなぁ。
昔はじゃがいもも変り種の扱いだったそうな。
思いついたらまたなんか書くー
527
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/16(金) 22:31:17 ID:QC2BUZuA
ッヒョー再開とは嬉しい
乙
528
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/17(土) 01:48:18 ID:GCl64l1E
え?完結したと思ったら時期に合わせた料理で再開だって!?
最高かよ!!
529
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/17(土) 20:00:06 ID:g6pOnD7w
なんで上がってるんだと思ったら再開か!
530
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/09/20(火) 18:11:08 ID:NlaQtd6U
つ、続いた!?
やった!!
しかし早速のメシテロリズムが空腹に辛い生唾やばい……なんかあったけ
531
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:07:43 ID:QHunbiOs
和平後しばらく後 ソードフォレスト
勇者(うーん、この辺りはまだ情報が出回っていないみたいだな)
サキュバス「や、久しぶり」
勇者「ああ、どうも」
勇者「あのー出来れば今後しばらくは呼び出しとかは……」
サキュバス「あーその件で連絡したのよ」
勇者「と、言いますと?」
サキュバス「まあ、立ち話もなんだし」
532
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:10:19 ID:QHunbiOs
喫茶店
勇者「ここも久しぶりだなぁ……」
サキュバス「ソードフォレストの南側でね、ちょっとした作物作っていて」
サキュバス「最近、供給されるようになったのよ」
サキュバス「おじさん、例のアレを二つとコーヒーもね」
「あいよ」
勇者「えーと、とりあえず話のほうを」
サキュバス「ああ、うん。とりあえずあんたの情報をね、各国が調べまわってんのよ」
勇者「」
533
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:13:21 ID:QHunbiOs
勇者「……」ダラダラダラ
サキュバス「だから売っといた」
勇者「はいぃっ!?」
サキュバス「そー驚かないの。ちゃんと偽の情報よ」
サキュバス「聞けば結構手広く商売していたみたいじゃない」
サキュバス「あたし達はサキュバスだからねー、夢を通じて色々と動いたのよ」
サキュバス「かなり偽情報が出回っていて、各国混乱しているみたいよ」
勇者「あ、ありがとうございます」
サキュバス「こちらとしては、今後も利用したいからね」
サキュバス「あんたも助かる。あたしも助かる。他のお客も助かる。ついでにその人から精液貰える。ウィンウィンね」
勇者「あぁ……なんか納得したというか」
534
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:17:09 ID:QHunbiOs
勇者「それでも、あまり足繁く戻ってくるのは控えた方がいいんでしょうね」
サキュバス「まあねぇ……真実流す人もいるし、どうやっても偽情報で隠蔽し切るのは無理があるわね」
サキュバス「もしかしたら一部じゃ、気づいているかもだし」
勇者(超怖い)
サキュバス「まあ、色々と融通してくれるって事なら、行き先の状況を調べてあげるわよ」
勇者「融通、とは?」
サキュバス「割引とかサンプルとか何か色々欲しいわねー」チラッチラッ
勇者「まあ、その程度ならご期待に沿えるかは分かりませんが、勉強させてもらいますよ」
535
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:19:24 ID:QHunbiOs
「はい、お待たせ」
サキュバス「お、きたきた」
コーヒー 10G
相変わらず普通のコーヒー。
紫芋のタルト 35G
タルトにモンブランのような紫芋のクリームと栗。
中にはカスタードと生クリーム、更に小さく切られた栗が入っている。
勇者「紫芋……聞いた事はあるが、見るのは初めてだなぁ」
サキュバス「もっと熱い地域の作物らしいしねぇ」
536
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:21:06 ID:QHunbiOs
勇者(……どれどれ)パク
勇者(ほうほう……何と言うか、独特の甘みだ。しかしそれでいてくどくない)モグモグ
勇者(中にも栗が入っているのか。中々贅沢じゃないか)パク
勇者(うんうん、クリームとカスタード……油分の甘みが加わってより一層、紫芋の甘みが引き立っているぞ)モグモグ
勇者(これは中々クセになる甘みだ。油断ならないな、紫芋)パク
サキュバス「〜〜でね〜〜〜なのよって聞いてんの?」
勇者(熱い地域か……ヴォルケイノ領に産地があったはず。これは是非とも広めたい味だな)モグモグ
サキュバス「こ、この男は……」
537
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:23:08 ID:QHunbiOs
……
「まいどー」
勇者「ああ、美味しかった。今日は美味しい物を紹介して下さってありがとうございます」
サキュバス「目的が挿げ替えられてるっ」
サキュバス「まー……あんたがそれでいいんなら、こっちも構わないけども」
サキュバス「何にせよ、協力はするけど気をつけなさいな」
サキュバス「と言っても聞く感じ、あんまり心配する必要なさそうだけどもね」
勇者「いえいえ、そんなそんな」
サキュバス「ま、一応は元気でね」
勇者「ええ、そちらこそ」
538
:
明日役立たない無駄知識
:2016/10/19(水) 23:26:27 ID:QHunbiOs
紫芋
文字通り紫色をした芋。紫色のアントシアニンを多く含む。
サツマイモ属の紫芋の一種でアヤムラサキが、一般的に流通している紫芋と言える、と思う。
他にもヤマノイモ属のダイジョと呼ばれる種類の芋がある。
これは品種によって白いものもあり、紫色をしたものをベニヤマイモ(紅山芋)やベニイモ(紅芋)と呼ぶ。
当然ながらサツマイモとは近縁ではない。
熱帯地域で栽培され、沖縄で広く栽培されていて、九州なんかでも栽培しているところがあるとか。
沖縄の御菓子御殿の紅いもタルトなんかは特に有名。
539
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/19(水) 23:28:48 ID:QHunbiOs
訴訟される事も辞さない覚悟
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8718.jpg
540
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/20(木) 00:09:32 ID:tbhygaz2
夜中になんつー飯テロだ訴訟
乙
541
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/20(木) 04:52:37 ID:zyPJpkgw
栗と芋の美味い季節よなぁ
しかし相変わらず花より団子な勇者だね
542
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/10/21(金) 13:28:28 ID:rU/8/A/k
勇者さん安定の食い気w
……画像は、画像は卑怯だろうがぁ!?
乙
543
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:12:29 ID:S6NtbNc2
魔王領の町
「ではこちらがご契約の物件となります」
勇者「ありがとうございます」
「ご契約は一年。以降は更新という形となりますので、契約終了は契約日一ヶ月前までにお知らせ下さい」
勇者「分かりました」
「それでは失礼致します。貴方が良き暮らしをお送りできるよう祈っております」
勇者「中々いい家じゃないか。凄くいい物件だぞ、これは」
勇者「さて……色々と片してしまおうか」
544
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:13:49 ID:S6NtbNc2
勇者「大金叩いたこの魔石」
勇者「一定の空間を生成し、そこへ通じる穴を開けていない間は時間が止まっているという」
勇者「幅600、奥行き450、高さ1100で40万ゴールド……開ける為にも魔石が必要で10回分で5万ゴールド」
勇者「うーん、高いな。家も含めて、残金は10万ゴールドに7万ギルか」
勇者「まあ、これからまた貯めていけばいいか」
勇者「とりあえず、初回だけ使用者の登録でタダで空けられるっていうし」
勇者「鮮度のある商品は全部しまってしまおうかな」
545
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:14:51 ID:S6NtbNc2
……
勇者「後は荷物をちょちょいと整理して……」ドサドサ
勇者「こんなものか。しかし、普段は外にいる事を考えると」
勇者「貸し倉庫でもよかったかもしれないな。賃貸住宅、失敗だったかな」
勇者「まあ、たまにはちゃんと帰る場所を作っておくのもいいか」
勇者「ん〜〜〜」ググー
勇者「一仕事終わったし、昼食がてら町を見て回るか」
勇者「思いがけず大きめの町な訳だし、しっかりと満喫しなくちゃ勿体ないな」
546
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:15:52 ID:S6NtbNc2
勇者「道具屋、結構充実しているなぁ」
勇者「しかし道具屋か。中々、こちらから卸せる物がないな」
勇者「ちょっとした個人商店は充実しているし、関連のある物をピックアップしておこうかな」
勇者「おや……」スン
勇者「カレーかな。良い香りだ」グー
勇者「どうやら腹将軍様も仕事始めのようだし、今日はこれに決まりだな」
547
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:17:02 ID:S6NtbNc2
カレー専門店
勇者「へえ……カレー専門店。人間側の領土じゃ結構珍しいよなぁ」
勇者「さてさて、どんなものだろうか」キィ
「いらっしゃ……あんた、人間か」
「そういえば、今日やってくるって役場で言っていたな」
勇者「噂されてましたか」
「そりゃ珍しいからな」
勇者「……意外と敵視されないものですね」
「まあ、このあたりは魔王城から見たら地方だからなぁ」
「戦争していたって言っても、遠い土地での話みたいなもんよ」
548
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:18:55 ID:S6NtbNc2
「うちは種族差別をしないんでね。思う存分食ってってくれ」
勇者「ええ、そうさせて頂きます」
勇者(どれどれ……ほほう、結構種類あるんだな)
勇者(へえ、ライスかナンか選べるのか。こりゃ見た目以上に本格的だな)
勇者(ランチはサラダや飲み物セットか。飲み物にラッシーまであるのか。いいじゃないか、この店)
勇者(となると、俄然辛い物が食べたくなるな)
勇者(辛さも指数がついていて親切だ。細かい配慮、嬉しいじゃない)
勇者(牛か豚か鶏か、はたまた野菜か。お、スパイシーチキンカレー?)
勇者(このスパイシーってだけで、美味しそうな感じは卑怯だな。全くもってけしからん)
549
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:19:56 ID:S6NtbNc2
スパイシーチキンカレー 55G
野菜のないカレールーに大きな骨付きの鶏肉が二つ。
ライスを選択。
サラダ
ごくごく普通のサラダ。ドレッシングが甘め。
ラッシー
ヨーグルトとミルクを混ぜた飲み物。
魔法道具のミキサーで混ぜてあるのか少し泡立っている。
勇者(これは予想外だ)
勇者(スパイシーチキン、まさかの骨付き。しかも大きい。どうやって食べればいいんだろう)
勇者(しかもあるのはスプーンとフォーク。ますます食べ方が分からないぞ)
550
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:21:57 ID:S6NtbNc2
勇者(とは言え、この香りは食欲をそそる)パク
勇者(うんうん、美味いぞ。辛さも程よい。ご飯がすすむ)モグモグ
勇者(サラダは……ほうほう、こうきたか。意外と甘め。全体的に辛いカレーが多いからか?)パク
勇者(更にカレーを一口)パック
勇者(からのラッシー)グビ
勇者(このラッシーもいい甘さだ。しかもさらさらタイプ。飲みやすくいい)
勇者(さて……)
勇者(チキンをどうするか)
551
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:24:24 ID:S6NtbNc2
勇者(ルーがついているのに手掴みというのも気が引ける。本場のカレーは手ですくって食べるとは聞くが)チラ
勇者(誰もしていない中、やるのは勇気がいるな)サスッ
勇者(とりあえずフォークで刺して持ち上げてみたが……やはり齧りつくしかないのか)バク
勇者(うん、チキンもいい感じだ。カレーの辛さに押されてスパイシーさがあまり感じられないけども)モグモグ
勇者(しかしこれは、骨の置き方も悩むな)カブ
勇者(スパイシーチキンカレー。美味しいが中々向け玄人向けだな)モグモグ
552
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:26:05 ID:S6NtbNc2
勇者「ふう……」
勇者(結構、量があったな……)
勇者(しかしまだ入るな)ペラ
勇者(デザートは……オーソドックスにアイスか)
勇者(うん? キール? なんだろう、カクテル……な訳ないよな)
勇者(ミルク粥……へえ、面白そうじゃないか)
勇者「すみませーん。このキールを一つ」
553
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:27:55 ID:S6NtbNc2
キール 30G
お米をミルクで甘く煮たお粥。
かなり粒が粗めでどろりとしている。干したココナッツを細かくしたものも入っている。
勇者(これまた予想を超えてきたな)
勇者(ちょっと抵抗があるけども……)パク
勇者(焚いたお米って訳じゃないしこれはなんとも)モグモグ
勇者(ちょっと粒々しているのが、人によってはダメそうだけど)パク
勇者(これはいいデザートだ。どろりともったりしているが、ガンガンいけちゃうぞ)パクパクパク
勇者(ちょっと粒が大きいけどもなんだろう。ナタデココとも違うし……うーん、面白美味しいな)パクパク
554
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:29:20 ID:S6NtbNc2
「まいど。また何時でもきなよ」
勇者「ふー食べた食べた」
勇者「今度は豚あたりを攻めてみるか」
勇者「ここでの暮らし、先は長いんだ。のんびりやっていこう」
勇者「それにしても……」
パン屋「」
ステーキ屋「」
喫茶店兼バー「」
勇者「充実しているなぁ……これはますます、帰るのが楽しみになってくるな」
勇者「さて、しっかり稼いで美味しい物を食べないといけないな」
555
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:30:32 ID:S6NtbNc2
魔王城
魔術師「へえ、これが例のか」
勇者「と言っても、大きさ的には品質は中の下ほどですが」
魔術師「いやいや、十分に魔法の触媒になるよ。いやあ良い物だ」
魔術師「因みに、これって入手し易いものなのかい?」
勇者「そうですね、大量に買い付ける人がいない限り、常時入手できるかと思いますよ」
魔術師「そうかそうか。やはり、他国の物の取引ができるのは強いな」
魔術師「こちらではこの大きさともなると、早々手に入らないよ」
魔術師「装飾師に君の事を聞いて正解だったな」
勇者「はは、ありがとうございます」
556
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:31:45 ID:S6NtbNc2
魔術師「それじゃあ……2万ギルでいいかな?」
勇者「はい、では2千ギルのお返しに」ゴソゴソ
魔術師「取っておいてくれ。今度は大量に購入したりするだろうし」
魔術師「結構色んな注文もするだろうし、まあ、その時はその時で色を、ね」パチッ
勇者「そういう事でしたら有り難く頂戴しておきます」
勇者「早急でなくても、ご要望がありましたら、各地を回る際に探しておきますがどうでしょうか?」
魔術師「今のところはないかな。ま、何かあったらその時によろしく頼むよ」
勇者「ええ、分かりました」
557
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:33:24 ID:S6NtbNc2
勇者「いやはや、中々の儲けだった。おまけに大口のお客さんになりそうだし」
勇者「よし、少し奮発でもしてみるか」
勇者「城下町は店が多いからなぁ。何度来てもその度に、新しいお店が見つかるから全く飽きないな」
勇者「お、ここにもカレー屋があるのか」
勇者「とは言え、この間食べたばかりだし、今日は……おや?」
『ごつ盛り! ミノタウロスカレー!」
『大人気! スジ肉ビーフシチュー!』
『女性に人気! ヘルシーカレー!』
勇者「スジ肉……そういえば昔食べたスジ肉の煮込みは美味しかったな」
勇者「ビーフシチューだしカレーとは被らないが……」
勇者「いかんなぁ、煮込みを思い出したら涎が出てきたぞ。……えい、ここにしよう」
558
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:34:30 ID:S6NtbNc2
店内
勇者(ちょっと遅かったかな。ほぼ満席だ)
「いらっしゃいませ、一名様ですか?」
勇者「はい、ちょっと待ちますかね?」
「カウンター席でよろしければ、すぐにご案内いただけますが」
勇者「ではそちらで」
「かしこまりました」
559
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:36:43 ID:S6NtbNc2
勇者(うーん、ゆっくり落ち着いて食べたいが、仕方がないか)
勇者(目的の物を食べたらさっと出てしまおう)
勇者「あ、注文いいですか」
「はい、どうぞ」
スジ肉のビーフシチュー 700G
野菜のないスジ肉たっぷりのビーフシチュー。
スジ肉はごろごろと塊で入っていて、ご飯も大目。
勇者(ほーこれは)
勇者(ちょっと割高かな、なんて思ったけどこの肉の量)
勇者(いいじゃないか)
560
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:38:31 ID:S6NtbNc2
勇者(さて、どんな具合だろうか)パク
勇者(うんうん、いいぞ。これはいいスジ肉料理だ)モグモグ
勇者(この噛むと解れるような赤身! おまけにぷるっぷるのゼラチン)パク
勇者(下手なスジ肉だと、ゼラチンが餅っぽくなってくどいけど、これは花丸二重丸だ)モグモグ
勇者(美味しい、美味しいんだが……ちょっと単調だな)パク
勇者(ランチもやっていない、サラダもつかないなら、もうちょっとこう何か欲しいな)モグモグ
勇者(ちょっと惜しいなぁこの店)パク
561
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:40:21 ID:S6NtbNc2
勇者(ふう……美味しかったが、ちょっと物足りなかったな)
勇者(うーん、デザートもアイスとか普通なものばかりだ)
勇者(ここは思い切って切り上げるとするか)
「ありがとうございましたー」バタン
勇者「んん〜〜〜」
勇者「この後はどうしようかなぁ」
勇者「城下町南の市場でも見てから帰るとするか」
勇者「そういえば獣人の人に、そろそろ食料を持ってこいって言われていたなぁ」
勇者「少し、見繕っておこうかなぁ」
562
:
明日役立たない雑学
:2017/01/08(日) 00:41:27 ID:S6NtbNc2
ラッシー
インドの飲み物でダヒー(ヨーグルト)をベースにする。飲むヨーグルト。
そのまま水を加えたものや、砂糖で味付け。
ミルクをいれたものや、薄塩味の他、フルーツやハーブを入れたものと様々。
これらはそれぞれに○○・ラッシーと名前がつけられている。
キール
カクテル、ではなくインドのデザートで、ミルクで煮るお粥。
お釈迦様が断食の苦行中に、少女がキールを捧げた事でお釈迦様が悟りを開かれたって話があるとか。
砂糖を加えたミルクとお米を煮るだけだが、カシューナッツやアーモンド、
レーズンにドライフルーツやドライココナッツにハーブ等も入れたりする。
インディカ米を使った方が合うらしい。
牛スジ肉
牛のアキレス腱や腱のついた肉をスジ肉という。
独特な臭みで固い肉質。「棄てられる部位なんだろ? めっちゃ安いんだろ?」とか意外とそうでもない。
解体した牛をまるっと持ってくるような精肉の市場とかならもしかしたら。あるのかすら知らないけども。
赤身とゼラチン質のお肉で、大量のコラーゲンを含んでいる。
563
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:42:54 ID:S6NtbNc2
牛スジを下ごしらえしようの会 ―クリスマス―
まずはお肉を準備。せめて交雑和牛と思ったけども、輸入牛しかなかった。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8774.jpg
お鍋に水を入れて沸騰させる。水が多いほうが早く熱が伝わるのでお好みで。
スジ肉をそのまま投下し、15分ほど茹でる。
灰汁が出まくるので小まめに取り除く。臭みなど飛ばす工程なので、蓋などしない事。
ある程度、灰汁取りが終わったら茹で汁は捨て、冷水を流して粗熱をとる。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8781.jpg
そしたら一口大ほどにカット。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8782.jpg
脂肪っぽいのは全部ゼラチン。この時はまだまだ弾力のある筋という感じ。
564
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:44:32 ID:S6NtbNc2
再度、水を張って沸騰させたら切ったスジ肉投下。
一時間程は煮込むので水は多めに。これでも少なかったぐらい。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8777.jpg
スジ肉を投下したら弱火にして、じっくりコトコト。
初めは少し灰汁が出たりもするんでそれを取り除く。
浮いてこなくなったら蓋をして、後はひたすら煮込む。
時間がかかるので何かをする。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8778.jpg
コラーゲンたっぷりのお肉だし、いっぱいプチ肉食べて気分を盛り上げるもよし。
565
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 00:45:31 ID:S6NtbNc2
一時間後。と言ってもお肉が固ければ更に。
逆に一時間未満で柔らかくなればその時点で、火を止めても問題なし。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8779.jpg
めっちゃ白いけど、この茹で汁にもゼラチンが大量に含まれてるわけで、小分けに冷凍して使うのも手。
後はお好みで料理するだけ。
自分はここで更に細かく切ったのだけども、ゼラチンが包丁に張り付いて、お湯でないと落とせない惨事に。
あれあれこうしてクリスマス料理完成。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8780.jpg
※ 残りのお肉はスタッフが美味しくハヤシライスでいただきました
566
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 01:41:55 ID:sghGMYrI
乙
ついに家借りちゃったのかよ勇者…
567
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 01:45:50 ID:2jcH7hJ2
飯テロ乙
568
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 02:08:29 ID:KecPv7Mk
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
今回も良い飯テロ乙乙
569
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/08(日) 10:25:29 ID:sk8kx3FI
拠点できたから、商売も食べ歩きもより充実しそうだなw
恒例テロリズム乙!
570
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/11(水) 11:48:57 ID:7l2iRVcs
>>1
はお兄ちゃんでもあったのか…
571
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/12(木) 15:05:02 ID:Vl/6E/kc
なんで上がったんだろうと思ったら新作来てたのかww
572
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/01/22(日) 22:04:50 ID:Dne0Ryj.
>>562
個人のアジア旅行記みたいな本にバング・ラッシーってあったけど確か大麻入りで気持ちよくなるそうだなw
573
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:49:31 ID:QE08UcEE
ウォーターサーフェス
勇者「へえ、こりゃ良さそうな魚だ」
勇者「しかしあの魔法倉庫、入れて出すだけで1万Gか……」
勇者「そう考えると普段の取引程度じゃ活用するには、よほど高価な物でないといけないなぁ」
勇者「うーん、中々思いつかないなぁ」
勇者「それこそ大型の生き物の肉とかだろうか……」
勇者「それだって小出しで売ったら意味がないし」
勇者「ちょっと無計画だったかな」
574
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:51:52 ID:QE08UcEE
勇者「宝石類の保管という意味ではいいか?」
勇者「でも石や金属の目利きが出来るわけじゃないからなぁ」
勇者「本当に運用を考えないと宝の持ち腐れだな」
勇者「うーん……考えても仕方がないか」
勇者「一先ず仕入れる物も仕入れたし、納品しに行くとしようかな」
ヴォルケイノ領 老舗旅館
板前「達者そうだな」
勇者「ええ、色々とありますが何とか」
板前「正直に聞くが……各国のお触れ、君だろ?」
勇者「」
575
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:54:11 ID:QE08UcEE
勇者「各国ですかー……」
板前「まあ、やっていた事がやっていた事だからな。でもまさか、本当に魔王国まで行って商売していたとは」
勇者「やっぱり自分だって分かっちゃいます?」
板前「俺の知る限り、単身で旅をして魔王国まで行ってしまいそうなのは君だけだからな」
板前「ただ、出回っている情報を見る限り、皆デマばかり流しているようだけどな」
勇者「え……?」
板前「心当たりがある人間は皆、君がいなくなると困る人ばかりというわけだ」
板前「無論、私もね」
勇者(取引しながら旅して本当によかったなぁ……いやそれを主軸にした為の、現状な訳だけど)
576
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:57:18 ID:QE08UcEE
勇者「で、こちらがご注文の品と」
勇者「良い魚が入ったんで仕入れてみたんですが、こちらはどうでしょうか?」
板前「ほう、あまり見ない魚だな」
勇者「割と足が早いそうで、少し内陸に持っていくだけでも、酢漬けにしたりしてしまうそうです」
板前「ふうむ……うーん、流石に使い辛いかな。因みにいくらだろうか」
勇者「1尾60Gですね」
板前「2尾貰おうか。今晩のおかずと賄いにしてみようかな」
勇者(残りは1尾か。自分で食べてしまおうかなぁ)
577
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 11:58:52 ID:QE08UcEE
板前「そうだ、この後は空いているだろうか?」
勇者「大丈夫ですが、どうかされましたか?」
板前「昼は?」
勇者「まだですね」
板前「なら、午後にちょっと頼まれごとをしてくれないだろうか。その代わり、昼はご馳走しよう」
勇者(買うのか作るのか……むしろ作る方がありがたいなぁ。何させられるか分からないけども)
勇者(この人なら信頼できる美味しい話でしかないよなぁ)
勇者「はは、それでしたら遠慮なく頂かせてもらいます」
板前「おお、良かった良かった。食べる者もどうしようかと思っててな」
勇者「へ?」
578
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:03:14 ID:QE08UcEE
板前「ちょっとした肉をお裾分けしてもらったんだが、家内は嫌がってな」
勇者「特殊なものなんですか?」
板前「ジビエ肉」
勇者「あーなるほど」
勇者「因みにどんなのですか?」
板前「レッドボアだ。フレイムアナコンダの所為で、奴らもだいぶ降りてきているみたいでな」
勇者「まだ落ち着かないんですか……」
板前「アナコンダの方はだいぶ上に行ったみたいだが、猪はまだうろついている、といったところだ」
579
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:05:07 ID:QE08UcEE
勇者「けれども猪肉なら、そこまで抵抗のあるものでもないと思うのですが」
板前「まあ、家内は商業都市の出だからな。ちょっと特殊な肉は中々抵抗があるみたいだ」
勇者「そうだったんですか。確かに、あそこでジビエ肉と言うと、物好きしか寄らない雰囲気ではありますもんね」
板前「何でも揃うとは言え、何でも受け入れられるという訳ではないからなぁ」
板前「おっと無駄話が過ぎたな。ちょっと早いが昼の準備をしてしまってもいいだろうか?」
勇者「はい、よろしくお願いします」
580
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:07:12 ID:QE08UcEE
豪華? 猪尽くしセット
猪カツ
かなりボコボコとしたカツ。薄切りの肉を重ねて揚げた物。
カラっと輝く小麦色のカツは職人ならでは。
猪の生姜焼き
生姜多目。これだけで見ると豚肉に見えなくもない。
ミニぼたん鍋
根菜やキノコ、里芋がたっぷり入ったぼたん鍋。
飽くまで二人前なので鍋は小振り。
勇者(ほほう、これは中々豪勢だ)
勇者(しかもこの人が作ったとあれば外れなんかないだろうし)
勇者(うんうん、もう口の中が涎でいっぱいだぞ)
581
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:08:05 ID:QE08UcEE
勇者「いただきます」
板前「いただきます」
勇者(さて、ここは生姜焼きから……)ガブ
勇者(へえ、意外と臭くない。これは臭みが消えているのか、元からそんなでもないのか?)モッギュモッギュ
勇者(それにしても、肉の厚みの割に中々の硬さだ)
板前「……」モグモグ
板前「随分と硬い肉だな」
勇者「ですね。しかし脂は良い感じですし美味しいですね」
板前「そこは間違いないな」
582
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:11:05 ID:QE08UcEE
勇者(さて、次はこの見た目が凄いカツからだ。このボリューム、中々お目にかかれないぞ)ザクリュ
勇者(うん? これは)モッギュモッギュ
勇者(薄い肉? 重ねた物を揚げているのか)モッギュモッギュ
勇者(しかしこれは……)モッギュモッギュ
板前「……」モグモグモグ
板前「カツは失敗だったな」
勇者「……」モッギュモッギュ ゴックン
勇者「硬さが際立ちますね。薄切りの肉なのに」
板前「切られた物を貰った訳だが、これは塊で渡されなくて正解だったかもしれないな」
583
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:13:28 ID:QE08UcEE
板前「熱すれば熱するほど柔らかくなると聞いたのだがな」
勇者「ではぼたん鍋は期待できますね」
板前「だといいが」パク
勇者「……」パク
板前「……」モギュモギュ
勇者「……」モギュモギュ
板勇(硬い)
584
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:15:56 ID:QE08UcEE
勇者(美味しいんだけど、これはちょっと顎にくる肉だなぁ)
勇者(しかし食べ応えは抜群だ)
勇者(割といい肉なんじゃないか?)
板前「家畜ではないから個体差が激しいのかもしれないな」
板前「昔食べたぼたん鍋はもっと、柔らかかったと記憶しているが……難しいものだな」
勇者(とは言え、カツは美味しいのだけども何個も食べるには体力がいるなぁ)
板前「ふむ……残りのカツは君が食べるか?」
勇者「えっ」
585
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:16:40 ID:QE08UcEE
午後
板前「個人的な事でな。他の者に任すのも忍びないし、午後から忙しい事もあってな」ポン
勇者「木箱……でしょうか。しかし穴があったり不思議な作りですね」
勇者「運べばいいんでしょうか?」
板前「いや、これは燻製器でな。燻すから番をしていてほしい」
勇者「へえ。旅館で出されるんですか?」
板前「満足のいく出来が難しくてな。まだまだ個人的な使用の範囲だ」
板前「お陰で家内からはあまり良い目をされんよ」ハハハ
586
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:18:51 ID:QE08UcEE
板前「そうは燃える事などないが、万が一火災を起こそうものなら洒落にならんからな」
勇者「ですよね」
板前「そんな訳だから、一時間ほど見ていてくれないか?」
板前「今回燻すのはベーコン。一ブロック分けるから頼む」
勇者「そんなそんな。こちらは既にご馳走になっていますし、お安い御用ですよ」
板前「いやあ助かるよ。すぐに準備するから待っていてくれ」
587
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:21:05 ID:QE08UcEE
勇者「とはいったものの」
木箱「」モォ
勇者「隙間から昇る煙を見るだけって言うのも苦痛だなぁ」
勇者「魔王領で何かないかな」
文字伝達魔石「」ポゥ
勇者「これ、意外といい暇つぶしだなぁ」スッスッ
588
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:23:28 ID:QE08UcEE
しばらく後
勇者「うん……?」
勇者「煙が止まった? もうチップが燃えきったのかな」
勇者「これ、どうするのかな。伝えに行ったほうがいいのかな」
板前「調子はどうだ?」
勇者「あ、丁度いいところに。煙が出ていないのですが」
板前「頃合だろうと思ってきてみたが、正解だったな」
板前「どれどれ」ガチャガチャ
板前「うむ、見た目は良い感じだな」
589
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:25:11 ID:QE08UcEE
板前「どうだ? 試食していかないか?」
勇者「いいんですか? では遠慮なく」
ベーコンステーキ
自家製ベーコンを惜しみなく豪快に焼いたもの。
特に味付けはなし。
勇者(この香り……)ゴクリ
勇者(なんてこった、さっき昼食をとったばかりなのに、どんどん腹が減っていくぞ)
勇者(しかもこの大きさ、多分1ブロックを断ったから、焼いてくれたんだろうな)
590
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:27:22 ID:QE08UcEE
勇者(いざ……)モグ
勇者「おぉぅっ」
勇者(美味い! そこらの高級なベーコンと、引けをとらないぐらい美味い!)モグモグ
勇者(これで旅館に出さないって、どんなレベルを求めているのか)パク
勇者(やっぱりある程度、ちゃんと準備ができるだけでここまで本格的な燻製が作れるんだな)モグモグ
勇者(ヴェノムドラゴンの時の燻製とは大違いだっ! 豚、竜に勝ってるぞっ)パク
板前「……」モグモグ
板前「これは……随分と上出来だ。正直驚きだな」
板前「これが安定して、作れるようになればいいんだがなぁ」
591
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:29:50 ID:QE08UcEE
勇者「ご馳走様でした」
勇者(ああ、美味しかった。こんなに美味しいベーコン、そうは食えないぞ)
板前「今日はつき合わせてしまってすまなかったな」
勇者「いえいえ、むしろ役得ですよ」
板前「そう言ってもらえると助かるよ。また頼むよ」
勇者「火の番ですか?」
板前「はは、発注の方だよ。だが、上手くできる様になったら、良い豚肉なんかも注文するかもしれないな」
勇者「その時の為に、今からリストアップしておきますね」
板前「ああ、よろしく頼むよ」
592
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:34:30 ID:QE08UcEE
勇者「ふう……今日はなんて充実した一日なんだろう」
勇者「燻製かぁ……」
勇者「ちょっと自分もやってみようかな」
勇者「せっかく家も借りているんだし、挑戦してみるのも楽しそうだな」
勇者「よし、次に家に帰る時はちょっと考えてみようかな」
勇者「それにしても良いベーコンだった。豚肉調査、早めにしておこうかな」
593
:
雑談
:2017/02/13(月) 12:38:06 ID:QE08UcEE
一日早いメリーメリーバレンタイン(チョコの話題があるとは言っていない)
あと谷口ジローさんの追悼も兼ねて
言う割にゴロー成分薄めの話なってしまったけども
>>570
1.安定版→カオスシェイプで始めるも操作になれずゴミ箱
2.ゴミ箱から出して同データで再開するも、配達護衛+雷雨+初エーテルの風のコンボでゴミ箱
3.安定版DLし直して、再度カオスシェイプ、農場始めて妖精さんと旅し始めたらなんか満足して終了
4.3データで遺伝子残してOOプレイ、ペットに本腰入れ始め+信仰リレー中になんか満足して止まっている
なお兄ちゃんでおじゃる
でも妹はまだペットにした事がないでおじゃる
>>572
バング・ラッシー、マジかよ、と思って調べたらマジだった
バングはガンジャの事で乾燥大麻(マリファナ)なんだとか
インドじゃ宗教と密接にかかわりがあって、瞑想に使われたりもするそうな
インドの州によっては合法なところもあるんだとか
すげえなと思ったけど、薬の捉え方は人や国によって様々だしね
日本だって弱体覚せい剤みたいな成分が、誰でもドラッグストアで買える訳だし
594
:
明日役立たない雑学
:2017/02/13(月) 12:41:37 ID:QE08UcEE
ジビエ
最近よく聞くジビエ。狩猟によって得られた野生動物の肉を指し、猪等に限らず鳥類なんかも含まれる。
語源はフランス語で、狩猟できるような領地をもった上流階級の貴族しか味わえないものだったとか。
その為、フランス料理界隈では今でも高級食材として扱われている。
イノシシ
もとはアジアやヨーロッパに生息し、家畜化したものが豚。
で、この豚を輸入し再度野生化したものがアメリカやオーストラリアにいるイノシシなんだとか。
縄文時代からシカと共に大切なタンパク源として重宝。
山梨県の遺跡からは幼いイノシシの骨が大量に出土しており、飼育されていたと考えられているんだとか。
多産でもある事から豊穣の象徴とされていたそうな。
獣肉食を避けた名残もあり、肉の硬さから山鯨という別称もある。
ぼたん鍋
日本の猪料理の代表例。
牡丹の花のように猪肉を盛り付けるのが特徴的な鍋。
野菜や根菜、きのこ、芋にコンニャクや豆腐などを入れるのが一般的で、昆布や鰹節の出汁に、味噌や醤油っていうのがスタンダード。
十年ほど前に郷土料理百選にも選定されたり、観光資源化が進んでいる。
ベーコン
豚肉を塩漬けにして燻製にしたもので、ゲルマン語とかからきた英語なんだとか。
本来のベーコンは背中やわき腹の肉で、ヨーロッパはその傾向。反面、北アメリカではばら肉で、日本もその影響を受けている。
自家製ベーコンは難しくないものの、一週間の漬け込みや半日ずつ塩抜き水抜きしたり、燻製で1,2時間と時間の手間が大きい。
595
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:42:29 ID:QE08UcEE
と、言うわけで、自家製ベーコンを作ってみよう(だいぶ昔)の会
材料
豚のばら肉
各種調味料
今回は塩、ローズマリー、オレガノ
お好みでなんか野菜も
今回は薄切りにした玉ねぎを適量
予めフォークで何回か刺しておくと、味がしっかり染み渡るとか何とか
よおくまぶしたらジップロックとかに入れて冷蔵庫へ
ハーブ類なんか使った事なかったからドバドバかけた真性のバカです
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8793.jpg
596
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:44:26 ID:QE08UcEE
燻製するタイミングもあって、5日ぐらい漬けて塩抜き
始めの塩の量と、この水抜きの時間で塩加減を調整
不安なら途中でちょこっと切って焼いて食べてみてもいい
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8794.jpg
やり方は忘れたけどネットで調べた結び方を見てベーコンをタコ糸で縛る
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8795.jpg
これを適当に吊るしてしばらく乾燥させる
自分は時間がなくて、ある程度表面が乾いてきたら燻製し始めた
597
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 12:46:21 ID:QE08UcEE
でダンボール燻製器へ
ほどよいダンボールに、フックがかけられるように施工
針金を巻きつけた割り箸を、設置位置の割り箸両端付近の天井に穴
穴から針金の端を出して、適当な木の枝に巻きつけて、割り箸が落ちないように固定
箸に巻いてある針金にS字フックをかけて、ベーコンをセット
下には石材を置いてチップを燃す場所を確保
チップだと跳ねて、ダンボールに火が移る可能性があるので、スモークウッドというブロック型の木を購入
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8796.jpg
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8797.jpg
チップ類はベーコンの直下に置くと脂が落ちて、非常に不味い煙となるので注意
598
:
キョウハココマデ
:2017/02/13(月) 12:47:55 ID:QE08UcEE
あとは時間つぶし
のんびり荒川作品を読んで腹を減らすもよし
筋トレして腹を減らすもよし
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8798.jpg
量が多かったのか、スモークウッドが燃え尽きるまで約3時間してこんな感じ
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8799.jpg
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up8800.jpg
燻製室とかでやっている訳でもないので中は生
食べる時は加熱絶対
と、この程度でお高いベーコンを彷彿とさせる味
味とのコスパで手間と思うかどうかといったところ
599
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 14:04:05 ID:ScEAXGV2
乙乙
昼食べてなければ即死だった……ベーコン食いてぇ
600
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 14:49:38 ID:SFQzxvU2
相変わらずの勇者節とメシテロ乙
って銀の匙w
あー昔、親戚が作ってた燻製もらったの思い出した
自家製って美味いよなぁ
ジローさん訃報びっくりした
孤独のグルメはやっぱりあの画があってこそだったなあ……合掌
601
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/13(月) 16:10:02 ID:peHGdpHA
乙
手作りベーコン旨そう!
602
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/14(火) 00:23:20 ID:rng1LPg.
ちきしょー!夜に読んでしまった
今度燻製チャレンジしてみようかな
603
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/02/15(水) 14:34:01 ID:VOF.Va5o
前助けた兵士とかとの絡みをまた見たいな
604
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/03/22(水) 19:29:38 ID:lMd9F1NE
サキュバスさん直飲m…何でもない支援
605
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/04/25(火) 12:45:47 ID:Rf4w0r3Y
勇者はまだか…
606
:
人妻
:2017/04/26(水) 10:11:22 ID:9k8sAJ72
エッチに興味深々な女性達と欲望のままにセックスできます。
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607
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/05/26(金) 09:23:28 ID:mJrH.cVM
終わってしまったのか…
608
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/05/26(金) 19:07:28 ID:.Rj2hqiI
忘れた頃に更新来るから大丈夫大丈夫
609
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:41:56 ID:QXY/WUk.
服屋「これはいい生地ですね。やはり、貴方にお願いしてよかった」
勇者「こちらこそ、ご満足頂けたようで何よりです」
服屋「装飾師君の紹介だから間違いはないだろうと思ったが、いやはや人間の見る目を侮っていたよ」
服屋「ではこれが代金の1万ギルだ。必要な物があったらまたお願いするよ」
勇者「分かりました。こちらが連絡先となっていますので」
服屋「うん、ありがとう」
610
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:44:09 ID:QXY/WUk.
服屋「そういえば君は色んな商売を手がけているって話だね」
勇者「殆ど仕入れて売るだけですが、種類で言えば一般的な商人とは違いますかね」
服屋「ここの土地は無数の川が流れているのは知っているだろう?」
勇者「ええ、見ました。中々凄いですね。迷ったら海まで出ないと分からなさそうですよ」
服屋「地元の者でも隅々まで知っている人はいないぐらいだからね」
服屋「あのあたりは薬草も多く生えている。土地の所有者もいませんから、乱獲でなければ採っていって大丈夫だよ」
服屋「話じゃ薬も調合しているのだろう?」
勇者「まあ、そこそこに程度ですがね」
服屋「ボートは貸し出しをしているんで気が向いたらどうぞ」
611
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:46:14 ID:QXY/WUk.
勇者「流石、魔王城勤め。あの人、ほんと人脈多いなぁ」
勇者「思いがけず大きなおこぼれだ。うーん、魔王国目指したの、やっぱり間違いじゃなかった」
勇者「それにしても薬草か」
勇者「うん、試しに行ってみるか」
「ボート? ああ、一時間100ギルですよ」
勇者「それじゃあ……」
「ああ、戻って来た時に払っていただきますので。こちらに貸し出し書を書いて下さい」
612
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:48:34 ID:QXY/WUk.
一時間後
勇者「ふう……だいぶ来たな」
勇者「それにしても随分と流れがゆっくりだ。これは楽でいいなぁ」
勇者「だけど、あまりいい薬草は見つからないな」キョロキョロ
勇者「もう少し登って……お、あれはヒールリーフ。まあ、悪くないか」
勇者「ええとこうやって繋いで留めれば……うん、これでいいか」
勇者「お、よく見たらハイヒールリーフも自生しているじゃないか。これは当たりだぞ」
勇者「うん? あれ? これって確か……」
勇者「間違いない! 竜治草だ! 竜による傷を瞬く間に治すとも、瀕死の竜を瞬く間に回復させるとも言われる……」
勇者「凄い、初めて見た! 採るとどんどん薬効が消えていく、超高価な薬草……これは異次元収納魔法で収めないと」
勇者「う、うーん、根も欲しいけどそれはそれで惜しいな」
勇者「ここは葉だけにしておこう」
613
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:50:35 ID:QXY/WUk.
勇者「ここまでの地図を記しておいてよかった……しかも、これぐらいの距離なら見失わずに来れる、はず」
勇者「それにしても竜治草がこんなところに生えているなんてなぁ。知られたら乱獲間違いない」
勇者「こりゃあ絶対に知られないようにしないと」
勇者「お、毒食み草……ここは本当に豊かだなぁ」
勇者「あまりここでばかり採る訳にはいかないか」
勇者「よし、少し移動してみるか」
614
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:52:06 ID:QXY/WUk.
……夕暮れ
勇者「うーん、とっぷり暮れてしまった」
勇者「このまま帰ろうとしても迷子ちゃんだな」
勇者「仕方がない。今日はここで野宿するか」
勇者「ご飯持ってこなかったのは痛かったなぁ」
勇者「早く寝ちゃって、早朝に帰ってご飯を食べよう……」
615
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:54:11 ID:QXY/WUk.
翌朝
勇者「やっと帰ってこれた……にしても、あのまま帰ろうとしなくて本当に正解だ」
勇者「日の出前から動いてみたけど、かなり危なかったぞ……」グー
勇者「あー帰ってきたのいいけども、食べるところなんてないよなぁ」
勇者「空腹は最高の調味料とは言うけども、それで食べるのが携帯食料ってのも味気ないな」
「おや、今お帰りですか」
勇者「ええ、日が傾いてしまったので、無理せず野宿してきたんです」
「それはお疲れ様です。おまけして1200ギルでいいですよ」
勇者「う……いえ、ありがとうございます」グー
「ははは、あそこにある喫茶店、朝からやっているんで行ってみるといいですよ」
616
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:56:58 ID:QXY/WUk.
喫茶店
勇者「ここかぁ。本当にやっているんだ」グー
勇者「うん、もう腹の虫が大暴れ。悩み必要なし、ここにしようっ」カランコロン
「いらっしゃい、今コーヒーを淹れますね」
勇者「え?」
『朝食サービス。コーヒー一杯目は無料!!』
勇者「へえ、ありがとうございます」
617
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 20:59:07 ID:QXY/WUk.
勇者(朝食メニュー、トーストとサンドイッチか)
勇者(トースト、よく分からないものが多いな)
勇者(カヤ? マスコバド?)
勇者(うーん、特に説明もない。けど朝食メニューって事は、この辺りじゃ普通のメニューなのかも)
勇者(とは言え物が分からないし、保険もかけようかな)
カヤトースト 15G
カヤジャムという緑色のジャムが塗られている。
ジャムではあるけども、イチゴジャムのような物に比べて随分と水気が少ない。
マスコバドトースト 15G
黒蜜がかけられたトースト。完全にスイーツ系トースト。
三角柱の立てるタイプのメニュー案内に、マスコバドブラックハニートーストと書かれているのに後で気づく。
ハムチーズトースト 20G
炙った大きいハムとチーズの乗ったトースト。
かなりのボリュームでいい香り。シンプルながら食欲をそそる。
勇者(うーん、これは予想外だ)
618
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:00:42 ID:QXY/WUk.
勇者(このカヤジャムってなんだろう。淡い緑色だ、初めて見る)
勇者(なんかちょっと舌触りが白餡子っぽい感じもするなぁ)サクッ
勇者(ほほう、甘い)モグモグ
勇者(なんだろう、ミルクと蜂蜜かな)サクッ
勇者(これは新しいな。素朴な甘みだ。素朴だけど、中々飽きないぞ)モグモグ
勇者(にしても、マスコバドブラックハニー、まさかの黒蜜とは)
勇者(マスコバドっていう何かで作った黒蜜? 砂糖の種類なのかな、マスコバド)サクッ
勇者(うん、美味しい。美味しいけど、普通に黒蜜だな、これは)モグモグ
勇者(流石にこの甘さ、朝から食べる物でもないような。ここらじゃ珍しくないのかな)サクッ
619
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:02:51 ID:QXY/WUk.
勇者(この甘さ、最後に食べたら相当残っていたな)
勇者(順番はおかしいけども、悪くない判断だ)
勇者(さてさて、このハムとチーズの香りが堪らない方を)サクッ
勇者(うん! いいぞ! シンプルでこんなに美味しいトースト、久々だ)モグモグ
勇者(これはいいハムだ。噛む度に肉の旨みが溢れるのに、全くくどくない)サクッ
勇者(このチーズもハムに負けない味だ。実に完成度が高いぞ)モグモグ
勇者(最高の調味料に最高のトースト。頑張った甲斐があったなぁ)サクッ
620
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:06:25 ID:QXY/WUk.
……
勇者「ああ、美味しかった。他のトースト、今度試してみようかな」
勇者「けどカヤジャム。何処かで売れなくもないな。メモしておこう」
勇者「それはいいけども……」
勇者(竜治草。どうしようかな)
勇者(タイミングが合えば、あれだけで3,40万はするぞ)
勇者(問題はそのタイミングかぁ、何よりやんごとなきお方でないと早々……)
勇者(まあなるようになるか。竜治草の使い方、調べておこうかな)
621
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:09:16 ID:QXY/WUk.
田園風景
勇者「はー……こりゃあ長閑でいいや」
勇者「板前さんに美味い米を見つけたら欲しいって言われていたから寄ってみたけど、中々いいところじゃないか」
勇者「水も綺麗でちょっとした山も多い。息抜きで来るには贅沢な土地だぞ、ここ」
勇者「急ぎの注文もないし、久々に仕事とか忘れて骨休めでもするかなぁ」
勇者「釣竿とか作ってみようかなぁ。ふふ、なんだか少年時代を思い出してきて、わくわくしてきちゃうな」
622
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:10:55 ID:QXY/WUk.
勇者「この水田、色んな生き物がいるな。無農薬農法かな」
勇者「無農薬を神格化するつもりはないけども、それはそれで美味しいからなぁ。食事が楽しみだなぁ」
勇者「山とか入っていいのかなぁ。山菜とかいっぱいありそうだなぁ。山菜鍋、いいなぁ」
勇者「あけびとかもありそうだ。久々に食べたいなぁ。秋になったら来てみようかな」
勇者「あれは……米蔵かな? ちょっと見にいってみようかな」
623
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:12:30 ID:QXY/WUk.
勇者「これまた立派だなぁ」
「うん? あんた、他所もんかい。珍しいなぁ、こんなとこまで」
勇者「どうも。ここは米蔵ですか?」
「おうよ。こいつは去年の米入れてんのさ。なんだ兄ちゃん、興味があるのか?」
勇者「行商の真似事をしてまして。ある板前の方より、美味しいお米を見つけて欲しいと言われているんですよ」
「そりゃあいい。後でそこらで飯食ってけよ。村の米はうめえぞ!」
勇者「はは、そうさせてもらいます」
624
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:14:23 ID:QXY/WUk.
勇者「いやあ、あの様子だと二つ返事で卸してくれそうだなぁ」
勇者「他所への出荷ってあんまりしていないのかな」
勇者「まあ何にせよ、食べてみてからだな」
勇者「小腹が空いた程度だけど、少し食べてみようかなぁ」
勇者「そこらって言っていたけど、何軒もあるのだろうか」
勇者「うーん、規模からして二軒はないか……」
625
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:16:25 ID:QXY/WUk.
勇者「ここ、かな」ガララ
「いらっしゃい、適当に座って」
勇者(うーん、村と同じく静かで落ち着いたところだ。きっと料理も期待できるぞ)
勇者(メニューは……やはりご飯物が多いな)
勇者(お? ドジョウ鍋? あの水田にもいそうだし、飼育もしているのかも)
勇者(聞いた事はあるけども食べた事ないんだよなぁ)
勇者(うん、ご飯もついてくるみたいだし、頼んでみようかな)
626
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:18:30 ID:QXY/WUk.
ドジョウ鍋 50G
開いておらずドジョウが丸々入った鍋。ご飯と漬物がセット。
ニラと卵、ネギが入っており、醤油ベースの割り下で煮込まれている。
視覚的にかなりの破壊力を持つ。
勇者(これは……中々衝撃的だ)
勇者(開いたものだと聞いていたけど、それは別の料理なのかな)
勇者(う、ううん……これはちょっとやらかしたぞ)
627
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:20:26 ID:QXY/WUk.
勇者(しかしここで食わねば罰当たり。食って供養だ、全力で味わうほかない)パク
勇者(う、ん、凄いヌルヌルだ……味はあまり……小魚感だなぁ)モグ モグ
勇者(ちょっと苦味があるのは内臓かな……何ていうか、別にそんなに美味しいとも……)パク
勇者(昔の貴重なタンパク源としての、歴史ある郷土料理って感じかなぁ)モグ モグ
勇者(豊かになって色んな食材が手に入る今となっては、好んで食べる人は相当稀だろうなぁ)パク
628
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:22:15 ID:QXY/WUk.
勇者(ご飯は……)パク
勇者(うん、美味しい!)モグモグ
勇者(これ、新米なのかな? うんうん、焚き方も絶妙だ)パク
勇者(これどうなのかな。試供って事でちょっと買って板前さんに見てもらうか)モグモグ
勇者(さてさて、この漬物は……)パリ
勇者(うんうん、これもいい漬かり具合だ。これとご飯だけで十分じゃないか)モグモグ
ドジョウ鍋「」ゴゴゴ
勇者(……思いがけないラスボスを頼んでしまったなぁ)
629
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:24:10 ID:QXY/WUk.
……
勇者「ふう……腹がはち切れそうだ……」
勇者「……ドジョウ鍋はともかく、ここのお米は逸品だったなぁ」
勇者「うん、板前さんのお土産にしよう」
勇者「しかし……」
勇者「ドジョウ鍋はもう、食べる事はないかなぁ……」
630
:
雑談
:2017/06/05(月) 21:27:33 ID:QXY/WUk.
正直に白状しよう
前回の話を投下した後にぼたん鍋を食べてみたけど、驚くほどに柔らかかった
煮れば煮るほどで柔らかくなるとは聞いたけども、ああも違うものなのかぁ
柔らかいのに確かな弾力で恐ろしく美味なりぼたん鍋
カツと生姜焼きは固かった
弾力のある美味い固さだったけど顎が疲れた
尚、ドジョウ鍋はダーウィンが来た、でドジョウ特集の後に機会があって頼んだけど、激しく後悔した模様
にしてもなろうであれこれやってる内に、深夜の過疎化が凄い加速している感じ?
結構驚いた
631
:
明日役立たない雑学
:2017/06/05(月) 21:29:58 ID:QXY/WUk.
マスコバド
フィリピンなどで栽培されている。
黒砂糖。
カヤジャム
単にカヤと呼ばれる事もある、ペースト状で淡い緑色のスプレット。
ココナッツミルクや卵、更に甘くする為に砂糖や蜂蜜なんかも入れる場合がある。
マレーシアやシンガポール等、ココナッツミルクの産地でよく食べられる。
カヤトーストは朝食の定番なんだとか。
ドジョウ
日本などの東アジアに分布し、食用魚として養殖もされている。
雑食性でユスリカなどの幼虫を食べる。
体を覆う粘膜は粘膜自体に空気を取り込み、皮膚呼吸の助けをしている。
水田時期以外の田んぼの土の中では、大量のドジョウが玉となり粘液の塊の中で(ドジョウにとっての)乾季を凌ぐ。凄い生態だ。
老舗的だとどぜう鍋、とか言うけれども、 旧かなづかいでは「どじよう」「どじやう」と呼ばれるが、
四文字は縁起が悪いとどぜうになったそうな。
ドジョウ鍋
ドジョウを使った鍋の総称。
生きたドジョウを使い、甘辛い割下で煮込み大量のネギや山椒などで頂く丸鍋。
背開きしたドジョウとゴボウと一緒に煮込むぬき鍋。
開いたドジョウをゴボウと一緒に卵とじした柳川鍋。
等があるらしいけども、柳川鍋しか知らなかった。
632
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 21:46:25 ID:2fwbH.72
乙!
今回も勇者が勇者してない飯テロでした。
確かに昔に比べたら過疎化進んだねー。
それでも書いてる人いるし楽しみに読むけど
633
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/05(月) 22:36:02 ID:qKb.AJWo
乙乙待ってた!!……腹減った…
634
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 01:28:34 ID:rYFDs7pg
乙
勇者の商売が順調でなによりw
635
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 03:54:24 ID:aSmeTlj.
乙
ずっと来ないもんだからてっきりアジアのどこかでバング・ラッシー探しの旅に出てたと思ったぞww
636
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 12:52:10 ID:emkiwS4g
待ってた
637
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/06/06(火) 13:18:32 ID:HRkKiqJ6
うあああ……また空腹のときに読んでしまった……
相変わらずの勇者節w
やっぱ人がいるとこに流れるよね
でもSS形式は掲示板ならではだと思うし、少なくても続いて欲しいもんだ
乙
638
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:47:03 ID:JoL8RVXg
ヴォルケイノ領
勇者「ふー、あっついなぁ」
勇者「けども……うんうん、今日も野菜がいい感じだな」
勇者「ここの夏野菜って結構イイと思うんだけど、他所だと飽くまで暴れ軍鶏のイメージ強いからなぁ」
勇者「まあ、野菜の種類自体は珍しいわけじゃないし、仕方がないのか」
勇者「さて、板前さんの納品も終わったしどうしようかなぁ」
勇者「何か面白い商品とか開拓できないかな」
639
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:48:04 ID:JoL8RVXg
勇者「うん? なんだろう、これ」
勇者「湯の花か……ううん、なんで今まで忘れていたんだろう」
勇者「しかし、金属とか腐食するんだよなぁ。ちょっと使い道が難しそう……」
勇者「でもここの温泉を味わえるとなると、中々良さそうに思えてくる」
勇者「卸し先……卸し先かぁ。装飾師さんの伝手でも当てにしてみようかなぁ」
勇者「城内でも美容を気にする人っているだろうし、かと言って忙しくて満足にスキンケア出来ない人もいるだろうし」
勇者「試供って事でちょっと買っていってみるか」
640
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:50:51 ID:JoL8RVXg
勇者「そうか……各地の温泉の湯の花買って、詰め合わせってていう手もあるのか」
勇者「お風呂が好きだけど、中々温泉に入れない人もいるだろうし……」
勇者「なんだか面白くなってきたぞ。魔王城での反応を見て試してみようかな」
勇者「そうとなったら早めに寄ろう」グゥゥ
勇者「おっと、お腹が減ってきたな」
勇者「このぐらいにして、何か食べようかな」
641
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:52:16 ID:JoL8RVXg
勇者「どこか、まだ行った事ない店がいいなぁ」
勇者「……この香り、カレーかな」スンスン
勇者「ヴォルケイノ領でのカレーかぁ。きっと夏野菜たっぷりなんだろうな」
勇者「うんうん、夏野菜カレー。決まりだな」
勇者「そうと決まれば、お店は何処にあるのかな」
勇者「近いところにあるんだけども……」キョロキョロ
勇者「お、あそこかな。近づくとより一層いい香りだ」
勇者「これは期待しちゃうなぁ」
642
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:54:17 ID:JoL8RVXg
「いらっしゃい」
勇者(なんていうか、喫茶店っぽい雰囲気だ。香り以外)
勇者(お、やっぱり夏野菜カレーがあるな。よーし、今日はもう迷わずいっちゃうぞ)
勇者「すみませーん」
夏野菜カレー 55G
チキンカレーに夏野菜を盛り込んだ感じのカレー。
一般的な具にトマトやナス、かぼちゃが具沢山。
643
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:56:12 ID:JoL8RVXg
勇者(よっ、待ってました)
勇者(流石は全て地元産。この量でこの価格はお目にかかれないぞ)パク
勇者「おっふっ!」ホフホフ
勇者(熱っ、旨っ、辛っ、辛旨っ!)モグモグ
勇者(思った以上に辛い! けど旨い!)パク
勇者(それでいて、何処か甘いっ! トマトとかぼちゃのハーモニーかな?)モグモグ
勇者(止まらない。これはスプーンが止まらないぞっ)パク
644
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 20:58:11 ID:JoL8RVXg
勇者(うひゃー汗が吹き出てくるぞぉ)モグモグ
勇者(しかしこれは凄いぞ。こんなの食べてしまったら)パク
勇者(そんじょそこらの夏野菜カレーが食べられなくなってしまう!)モグモグ
勇者(ひー、水がいくらあっても足りないんじゃないか)グビグビ
勇者「っぷはぁ」
勇者(けどもスプーンが止められない、魔性のカレーだ!)パク
645
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:00:19 ID:JoL8RVXg
勇者「ふぅ……」
勇者(美味しかったなぁ。ここのお店、大正解だ)
勇者(今度は他のメニューも頼んでみようかな)
勇者(うん? マンゴーゼリー? へえ、美味しそうなデザートがあるじゃないの)
勇者(頭がカレーでいっぱいで、危うく見落とすところだった。これは是非とも食べないと)
マンゴーゼリー 35G
完熟マンゴーを使った大きなゼリー。
惜しみなく入れられてる果肉を果汁入りゼリーで包んでいる。
646
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:02:20 ID:JoL8RVXg
勇者(ふんふん)パク
勇者(普通にマンゴーだ。普通にマンゴーだけど旨い)モグモグ
勇者(そういえば、マンゴーってまだあんまり流通しているイメージないなぁ)パク
勇者(収穫量低いのかな。まだ栽培が軌道にのっていないのかな)モグモグ
勇者(とは言え、マンゴーとなると自分が流通させるには、乾物とかにしないとかな。二日で一往復だし)パク
勇者(むしろ情報を売って、行商とか商人ギルドに流通させた方がいいかも)モグモグ
勇者(この手の物だと、数日とか毎日仕入れたいとかあるからなぁ……自分じゃ手が回らないや)
647
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:04:13 ID:JoL8RVXg
勇者「ああ、美味しかった」サスサス
勇者「思いがけず面白い物も見つかったし、いいタイミングで注文があったなぁ」
勇者「とりあえず、今のところ急ぎの依頼もないし」
勇者「よし、次は魔王城だな」
勇者「これで新規顧客が出来たら嬉しいな」
勇者「商品開拓にも繋がるし、他にも何か掘り下げられそうだ」
勇者「はは、流石にこれは取らぬ狸の皮算用かな」
648
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:06:05 ID:JoL8RVXg
魔王城
装飾師「あー……」
勇者「え、何ですかその反応……」
装飾師「湯の花ですかぁ」
勇者「イケると思ったんですけど……」
装飾師「というよりも、警備の仕事ってそれなりに入れ替わりがあるんですよ」
勇者「へえ?」
装飾師「やっぱり地元に帰りたいとか、都会で暮らしたいとかありますんで」
勇者「なるほど。しかしそれとこれとの関係は……?」
649
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:08:23 ID:JoL8RVXg
装飾師「結構、温泉地が多い……いえ、人間側の領土はどうか分かりませんが、あるんですよ」
装飾師「まあそんな所なんで、警備任務地としては人気でして。基本的にそこの生まれでもなければ」
装飾師「結構な頻度で交代があるんですよ。仕事兼休暇みたいな扱いでして」
勇者「……まさか」
装飾師「その度に湯の花を持って帰ってくるもんで、温泉好きの王城勤めの人でも大満足な環境がですね……」
勇者「ああぁぁぁ……」
装飾師「ただ、温泉の種類という意味ではまだまだ開拓の余地があると思いますよ?」
勇者「問題はその人達が温泉に何を求めているかですよね……ただ温泉がいいだけならあんまり余地が……」
装飾師「そ、それは私も分かりませんねぇ」
650
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:10:10 ID:JoL8RVXg
装飾師「まあ、ちょっと知人に聞いてはみておきますよ」
勇者「お願いします。助かります」
装飾師「その分、今度の仕入れはちょっと多めに見てもらいたいですねー?」ニコニコ
勇者「いやいやそんなそんな。だいぶ助けて頂いておりますので、それはもう期待して下さい」
装飾師「……君は本当にサービス精神旺盛だね。ここまで良心的な価格なのに」
勇者「富を築き上げたいわけではないですからね。これでも十分な利益なんですよ」
装飾師「ふふ、それならこれからもご贔屓しようじゃないか」
勇者「ええ、これからもご贔屓致します」
装飾師「御主も悪よのぅ」ニヤニヤ
勇者「いやいやお代官様もぉ」ニタニタ
651
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:12:59 ID:JoL8RVXg
装飾師「まあ、何にせよまた連絡しますね。湯の花の件もありますし」
勇者「分かりました。それでは私はこれで」
勇者「うーん、あまり当たりが期待できそうにないなぁ」
勇者「まあ、そんな事もあるかな」
勇者「今日のところは飯を食べたら休んでしまおうかな」
勇者「魔王城城下町、まだまだ知らないお店がいっぱいだし、今から腹の音が止まらなくなりそうだなぁ」
652
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:14:48 ID:JoL8RVXg
小道
勇者「うーん、ここら辺は料理屋はないのかな……」
勇者「しかしどこもしっかりしていて、町を歩くだけでも気持ちがいい」
勇者「建物の作りにしてもこの小道にしてもいい雰囲気だ……おや、良い香りもしてきたなぁ」スン
勇者「しかし商店すらもない小道……これはもしや穴場かもしれない」
勇者「さあてどこかな」ワクワク
653
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:16:07 ID:JoL8RVXg
勇者「ここかな。なんか普通に家っぽい。看板や香りがなければ絶対にスルーしてるぞ」
勇者「しかし何の店だろう。ちょっと勇気がいるなぁ」
勇者「……」
勇者「えい、物の試しだ。入ってしまえ」ガチャ
カランコラン
魔王軍兵士達「」ワイワイ
勇者(うーん、兵士の人が多い。ちょっと気まずいというか肩身が狭いなぁ)
A「うん? おっ! お前、生きてたか!」
B「よー久しぶりじゃないか!」
C「相変わらずな食道楽って聞くが本当か? まあヴェノムドラゴンを食うぐらいだし変わらないか」カラカラ
D「お前、ちょっとした時の人だからな」
E「噂凄いぜ、聞いた事ないのか?」
勇者「お久しぶりです。噂ってどんなですか?」
E「まあ、とんでもない行商って話だ。鎧も着てるし人間だし、まあバリバリ目立つよな」
654
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:18:10 ID:JoL8RVXg
勇者「そういえば、まだ人間との商売って始まっていないんですかね? 全く見かけないんで不思議なんですよ」
A「自国の事でもあるだろ……」
B「相当荒れてるらしいぞ。国家間や商人達で意見が割れてるって話だ」
勇者「へえ?」
C「どの国が何を輸出するのかとか、あとそっちの商人の協会かなんかだっけか?」
D「そもそも魔王国との取引なんてって話もなぁ」
勇者「あーなるほど」
E「向こうには行っていないの?」
勇者「行ってるんですけども、そういう話を聞いて回ってるわけでもないので」
A「おい商人、それでいいのか」
勇者「勇者なんです、これでも」
B「自国の事に無関心な英雄……」
C「それはそれでアウトだな」
勇者「あ、こちらだと勇者ってそういう英雄扱いなんですね。実際は粗末にされてましたけど」
655
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:20:09 ID:JoL8RVXg
A「何にせよ、そっちも変わりなさそうで何よりだ」
B「だなぁ」
勇者「お陰様で好調ですよ」
C「そりゃあいい」
D「おっと。ほれ、メニューだ」
勇者「ありがとうございます」
E(そういや、城内での食いっぷりも噂の的だったな)
A(それは言うのは野暮だろ?)
B(しかし、城内でも俺らと食った時と変わらずって凄い度胸だよな。敵地のど真ん中だぞ)
656
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:21:41 ID:JoL8RVXg
勇者(肉やらスープやら、結構普通めのお店だなぁ)
勇者(ここは一つ人気メニューで様子を見るか)
勇者「すみません」
「はい、お決まりですか?」
勇者「このカルトッフェル・ズッペとソーセージとパンのセット、それから……」
A「待て、一先ずそこまでにしておくんだ」
B「だなぁ」
勇者「え?」
E「まあまあ、足りなければまた追加すればいいじゃないか」
勇者「は、はあ……」
657
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:23:04 ID:JoL8RVXg
カルトッフェル・ズッペ 40G
ジャガイモのポタージュで、ニンジンや玉ねぎなども入っている。
物凄くドロリとしていて、一見シチューをも思わせる。
ソーセージとパンのセット 35G
長いソーセージ二本とパンのセット。パンは斜めに輪切りカット。
ソーセージは焼きで僅かに皮が弾けている。脂の匂いが食欲をそそる。
勇者(ほほう、カルトッフェル・ズッペ。かなり重たいスープだ)
勇者(なるほど、確かに他の料理を注文しなくて正解だったかも)
勇者(まずは一口)スス
勇者(うんうんいけるいける。これにパンを浸せば)パク
勇者(いいぞぉ、カルトッフェル・ズッペパン。これだけで十分満足できる)モグモグ
勇者(なんならカルトッフェル・ズッペとパンのセットメニューがほしいぐらいだ)
658
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:25:10 ID:JoL8RVXg
勇者(とは言え、このソーセージも馬鹿にはできないはずだ)ガブッ
勇者(うーんっ吹き出る脂が旨い! やはり、ソーセージはこうでないと!)モグモグ
勇者(こうなってくるとパンをスープで食べるか、ソーセージで食べるか迷ってくるな)
勇者(よーし、ここはスープに浸してソーセージを乗っけて)ガブリ
勇者(ほほう、これは、うん美味しいぞ。むしろ、なんでソーセージをスープに入れなかったんだろ)モグモグ
勇者(けど困ったな。明らかにパン不足。単体でも美味しいけども、どれもパンと合わせる事で二役も三役もこなすポテンシャルなのに)パク
勇者(パン単体は……ちょっと割高だな。これは巧妙な罠だっ恐るべし城下町)
659
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:26:30 ID:JoL8RVXg
パン 45G
セットに比べれば随分と多いパン。そして高い。
A(いった)
B(いきやがった)
C(こいつ躊躇なく単品のパン追加した)
D(美味いんだけど単品だと高いんだよなぁここのパン)
E(こいつ、やっぱやるなぁ)
660
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:28:09 ID:JoL8RVXg
勇者「ああ、美味しかった……」
A「本当に相変わらずそうで何よりだ」
E「暇な時は連絡してくれよ。今度は飲もうぜ」
勇者「そうですね……次、城下町に来る時は予め連絡しておきます」
B「暇でなくても連絡してこいよ」
C「まあ、そのうち俺らも何か注文するかもしれないしなぁ」
勇者「はは、その時は遠慮なくご相談下さい」
D「はは、営業スマイル」
E「やっぱ商人だわお前」
661
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 21:32:23 ID:JoL8RVXg
>>632
やっぱそうなのかぁそうだよなぁ
スレの下がる勢いのなさとか世紀末近そうで恐怖
>>635
凄い言われ様だ!
でも日本人の旅行記的なものだと、飲んでもあんまり変わりなかったって話もあるし量とかはマチマチなんだろうね
というか、瞑想として大麻を使っている事考えたら、言うほどラリラリするほどの量じゃない、と予想
>>637
なろうでも書き始めた身としては耳が痛い
いやそれでもSSも書くからっ
遅筆だけど書き溜めたら投下するからっ
662
:
明日役立たない無駄知識
:2017/07/12(水) 21:35:23 ID:JoL8RVXg
マンゴー
言わずと知れたフルーツ。日本で流通するマンゴーの殆どはアップルマンゴーという品種。
国内産だと沖縄や宮崎鹿児島と南に集中している。が生産量5位は北海道だとか。カオス。
とか思ったけども、北海道はコンピューター制御の特殊なハウスで栽培されてるそうな。北海道産マンゴーテラハイテク。
あんら、あんまらとも言い、仏教では聖なる樹、ヒンドゥー教では万物を支配する神「プラジャーパティ」の化身とされている。
そういう事もあって、非常に価値ある供物としても扱われてきたそうな。
アステカのカカオみたいな。あそこまで高価ではないだろうけども。
フリゲの『夜明けの口笛吹き』では回復アイテムとして登場。中々考えさせられる。
カルトッフェル・ズッペ
ジャイガモのスープ。めっちゃドロっとしたポタージュだったり、澄んでいたり様々らしい。
あんまり語源とか調べていないけども、カルトッフェルがジャガイモでズッペがスープという意味、だと思う。
塩茹でジャガイモをザルツ・カルトッフェル、皮付き茹でジャガイモはペル・カルトッフェルと言うんだとか。
ドイツと言ったらソーセージとかよくあるけども、土地柄食糧難を抱えていて保存の効く食品が発達してきた。
その一つがソーセージであり、マリネやザワークラフトなんかも主戦力らしい。
で、南米からもたらされたジャガイモは、その辺りに大きな貢献をしたそうな。
ジャガイモは痩せた土地で育つから相当重宝されたに違いない。主食がジャガイモって事ではないけども。
とは言え、ジャガイモのフルコース料理が出来るまではお嫁にいけない、なんて言葉もあるらしい。それ程根付いた作物なんだろう。
Wiki調べだから本当かは分からないが、ジャガイモ料理が得意な嫁が欲しければドイツ人女性というわけかぁ。
663
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/12(水) 23:26:50 ID:rD5GmrJY
なぜか暑いときって熱いものか辛いもの食いたくなるよね
664
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/13(木) 00:34:31 ID:Lv2Akr/Q
乙
腹減った
665
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/13(木) 07:17:58 ID:OhkAI0YM
だから、なんで毎回腹ペコなタイミングでテロるんだよぉ!(逆ギレ)
ソーセージとジャガイモの組み合わせって至高だよね
666
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/16(日) 16:53:56 ID:cPPOwVOY
ブラジャーパンティーの化身マンコーとか卑猥すぎるだろう
667
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/16(日) 20:16:47 ID:Vmu46l4g
>>666
言ってみろ、どこへ誤爆した?
668
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/17(月) 01:38:53 ID:rde4fEwU
マンゴーの説明見て書きたくなったんだろうw
夜中に読むもんじゃ無いね…お腹すいた
おつー!
669
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/17(月) 02:09:25 ID:Uok65f3U
https://is.gd/DR5blP
670
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/08(金) 22:13:18 ID:45GLqi7I
和平のとこで終わりと思ってたけど続きがあって凄く嬉しい!
こういう食べ物系の話ってホント好き
671
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/09/08(金) 23:47:25 ID:Rel5FDQ2
サキュバスさんのおっぱいプリンください…乙
672
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/13(金) 21:53:18 ID:HQKSJ4/o
まだかな
673
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/12/09(土) 19:02:13 ID:yT5UoeUs
まだかな
674
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/12/27(水) 23:29:12 ID:wnl380VQ
まだかな?
675
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/02/18(日) 07:58:15 ID:.At5r98M
まだかな!
676
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/04/30(月) 22:57:19 ID:Yy00L0WU
まだ?
677
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/07(月) 23:39:39 ID:nKkspI0k
保守age
678
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:30:39 ID:mIKzqKX6
魔王領南部 山地
勇者「ほー……ヴォルケイノ火山も見事なものだがこっちも中々だなぁ」
勇者「都会の華やかさなんてないけども、これはこれでいいものだ」
勇者「お、市場があるな」
勇者「この辺り、酪農しているのか? 野菜や乳製品の種類が豊富だな」
勇者「しかし、特別な品種のものは見当たらないとなると、商売にはあまり使えないなぁ」
679
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:32:34 ID:mIKzqKX6
勇者「お? 色んな燻製を扱ってる……工房があるのかな」
勇者「ベーコンに……ペッパーにガーリック? へえ、面白いものを作ってるなぁ」
勇者「ハーブ入りソーセージ! つい食べたくなってしまう魔力を持ったソーセージだ」
勇者「スモークチキン? 鶏肉の燻製? これもペッパーにガーリックの味付けしたものがあるのか」
勇者「これはよさそうだけど……」
勇者「ベーコンはkgで300Gかあ。中々微妙な金額設定だ。安い部類だろうけども卸しで扱うには……」
勇者「そもそもこれ利益出てるのかな? 飼育から加工まで持ってるからこその強み? ちょっと割ってはいるのは
難しそうだ」
勇者「スモークチキンも買う分にはいいけども、商品としてはきつそうだ」
680
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:34:19 ID:mIKzqKX6
勇者「うーん……今回はとりあえず見送るかなぁ」
勇者「一番買いそうなのは板前さんのところだけども、あの人もう自分でベーコン作りしているしなぁ」
勇者「多分、自分で作るほうが早い安いってなりそう」
勇者「まあ帰りにでも買って食べるか」
勇者「さあて。ここの特産も見たことだし、そろそろ昼食とするか」
勇者「このあたり、美味しい麺類があると聞いたし楽しみだ」
681
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:36:55 ID:mIKzqKX6
勇者「……」キョロキョロ
勇者「……?」キョロキョロ
勇者「うーん? なんかこじゃれた……バーのような店があるだけだ」
勇者「あ、そうか……この辺りってあまり行商のルートじゃないんだっけ」
勇者「飽くまでここでの販売と周辺へ直接出荷、みたいな形って話か」
勇者「だとしたら他所向けの店ってそんなに充実してなくて」
勇者「ある程度、近隣を生業とする商人向けの一風変わったもの、あたり?」
勇者「このこじゃれ具合、ちょっと不安だが他に選択肢もなし、か」
682
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:40:38 ID:mIKzqKX6
カララン
勇者「ほう」
勇者(内装は綺麗だ。実にいい。が、ある意味不安度はアップだ)
勇者(メニューを開くのも緊張してくる……)パラ
勇者(この辺りはほうとうが有名と聞くが……)
勇者(ぐわー。ゴールデンほうとう! やっぱり妙なこだわりを持ってる店だ)
勇者(しかもほうとうだけで150G! これはお高い)
勇者(しかしそれでも店で一番安いのか。これは覚悟を決めるしかない)
683
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:42:23 ID:mIKzqKX6
ゴールデンほうとう 150G
量は普通のほうとう。
幅広の麺に大根や白菜、カボチャやシメジなどが入っている。
汁は少し濁っている程度。あわびの肝が入っているらしい。
勇者(うーん……ほうとう。初めてだがそこまで特別製に見えない)
勇者(汁はしょっぱめ。あまり好きな味ではないな)スス
勇者(麺は……すごいもちもち、て聞いていた分よく分からないな)チュル
勇者(芯が残っているわけじゃないけども妙な歯ごたえ)モグモグ
勇者(先入観が邪魔してあまり美味しいとは思えない)チュル
勇者(あわび効果。よく分からず。舌が肥えていたら分かるのかなぁ)モグモグ
684
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:45:27 ID:mIKzqKX6
勇者(む、このカボチャ)パク
勇者(甘くて美味しい! ちょっと煮た物を入れているのかな?)モグモグ
勇者(このほうとうの中でアイドルのような存在だ。このカボチャの味、大好きだ)パク
勇者(しかし、やはり高級感はよく分からないな)モグモグ
勇者(他の具もちゃんとしているんだけど……しているんだけどなぁ)パク
勇者(完全に判断を誤ったなぁ)モグモグ
勇者(初ほうとう)チュル
勇者(もっと素朴で普通のを食べたかったのに。どうしてこうなってしまったんだ)モグモグ
685
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:46:57 ID:mIKzqKX6
勇者「ふう……腹には貯まったがなんだろう」
勇者「ぽっかり腹に穴が開いてしまったような気分だ」
勇者「……」
勇者「牧場プリンでも買って宿に行くか」
勇者「今回は色々と噛み合わなかったなぁ……」
勇者「まあ、そんな時もあるか」
686
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:50:53 ID:mIKzqKX6
魔王領 勇者宅
勇者「ふう……雑貨品の片付けはこんなものか」
勇者「借家とは言え初めての家。もっと華やかかな、なんて思ったけども殆ど倉庫状態だ」
勇者「うーん、拠点あるのはいいけども、ここまで行くともう倉庫にベッドを置いた方がいいかもしれない」
勇者「さあて、一息入れるとしますか」
勇者「お腹もぐーの介だ。ここはガッツリといくとするか」ガチャ
勇者「あれ? 随分と明かりのない家が多いな」
勇者「しまった……もうこんな夜更けだったか。完全にやらかしたぞ……」
687
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:52:30 ID:mIKzqKX6
勇者「ここまでくるとやっているのは酒場ぐらいなものか」
勇者「こんな時間の酒場、入るのは度胸がいるな。とてもじゃないが無理だ」
勇者「買出し、明るい内にやっておいて正解だ。あやうく腹と背中がくっつくところじゃないか」
勇者「……それほど買い込んだわけじゃないけども。なにがあるんだったかな」
勇者「買ってきたのは野菜と牛乳か。あとはあの町で買ったベーコンにチーズ、スモークチキンか」
勇者「なにか備蓄はないかな。あったとしても乾物ぐらいか?」
勇者「お、パスタがある……これはまだいけそうだ」
勇者「よし。簡単に作ってしまうか」
688
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:54:06 ID:mIKzqKX6
勇者「ピーマンと玉ネギを小鍋で軽く炒めて」ジュー
勇者「細かく切ったベーコンを投入」ジュアァァ
勇者「いい感じになったら水を入れて半分に折ったパスタとコンソメを投入」グツグツ
勇者「水が少なくなったら牛乳を入れて軽く煮詰めて」クツクツ
勇者「本来チーズを入れるらしいが、皿に盛る事を考えるともったいないな」
勇者「麺を少し皿に移してチーズを乗せて更に麺と熱々スープをかけて黒胡椒を振れば」
スープパスタ
高めのチーズとちゃんとした燻製ベーコンを使った無駄に豪華なスープパスタ。
でも他の具は適当。
689
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:56:15 ID:mIKzqKX6
勇者「いただきます」
勇者「……」パク
勇者「はふはふ」
勇者「うんうん、このチーズのコクが絡むと途端に本格的なスープパスタになる感じ」ゴクン
勇者「とってもいい。ミルクスープパスタ、八割はチーズでできているんじゃないか?」パク
勇者「このベーコンも……スープパスタに入れるとあまり味が分からないな」モグモグ
勇者「折角の燻製の感じもあまり味わえない」パク
勇者「ちょっと軽率だったかな?」モグモグ
勇者「けど厚切りベーコン入りスープパスタ。攻撃力高し」パク
勇者「会心の一撃間違いなしだ」モグモグ
690
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/06(月) 22:58:21 ID:mIKzqKX6
勇者「もっと具の種類も多くした方が食べ応えがあるんだろうけども」パク
勇者「自分にはこれだけでもご馳走だ」モグモグ
勇者「ふう……麺を半分にしていると、食べやすいけれどもちょっと物足りなく感じるなぁ」
勇者「だけどもちゃんと食べるには食べたんだ」
勇者「少し休んだら片付けの続きを始めるかな」
勇者「しばらくしたらまた長期間空けるんだ」
勇者「今のうちにやっておかないと注文かかった時に絶対に後悔する」
691
:
雑談
:2018/08/06(月) 23:01:53 ID:mIKzqKX6
気づけば前回から一年経ってた!驚き!
ネタがあったらちょこちょこ書く、程度なのでもしかしたら続くかも
ぐらいに考えていてもらえたらと思います
ドラゴン料理で一つネタがあるので最低もう一回はやるつもりですが
さてどう話を持っていこうものか
692
:
明日役立たない無駄知識
:2018/08/06(月) 23:05:00 ID:mIKzqKX6
ほうとう
山梨県を中心とした地域で作られる郷土料理。
山間部で米作りが難しい地域は小麦を作る為、よく食べられていたらしい。
季節の野菜と一緒にもちもちの幅広の麺を味噌で煮込む事で有名だが、厳密な決まりはないとか。
麺ではなくすいとんであったり、細い麺であったりする地域もあるそうな。
語源に関してはそれらしいものが奈良時代にはあったようで、武田信玄の宝刀由来は後付けだとかなんだとか
。
スープパスタ
コッヘル一つでできるなら小鍋でも簡単にできるやろ?
て事で某キャン方式(を超手抜きした)スープパスタ。
ベーコンの脂、黒胡椒、チーズ。
これがミルクスープパスタの味の九割を占めると言っても過言ではない。(感じ方には個人差が云々)
693
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/07(火) 01:14:34 ID:c2RDGpww
乙!
この勇者なら蕎麦鵜丼までたどり着けるに違いない
694
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/07(火) 01:33:51 ID:Sp18URoY
うまそー!
695
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/07(火) 23:16:43 ID:ffVO1Rp6
1年待ってた甲斐があったよ
696
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/08(水) 00:10:47 ID:oznKaw26
きてた
乙
697
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/11(土) 04:58:02 ID:sSdk9.IA
更新乙乙
698
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/11(土) 20:11:18 ID:WVITdRjw
きたか
699
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/20(月) 01:42:12 ID:ldItKQU6
おお更新乙!
このss何回読んだかわからないくらい好き
700
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 14:31:41 ID:smHqL8Fc
自分はベーコンを先に投入して脂搾り出してそれで野菜炒めて食うな
701
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/27(火) 11:04:26 ID:FzfTJ4/w
読むだけで腹減るわ
702
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:38:05 ID:oCqhwEHc
勇者「魔王領に来る時は死にかけたけども……」
勇者「真冬の前ならと思って来てみたけども。この山、既に一面雪景色じゃないか」
勇者「確かこの奥にも町があったはずだけど……」
勇者「お、あれかな」
勇者「しかし今がこれだと、この辺りって完全に雪に閉ざされるんだろうなぁ、きっと」
勇者「生活するのも一苦労だ」
703
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:38:58 ID:oCqhwEHc
勇者「思ったとおりというか、小さな町、いや村に近いか」
勇者「あまり物産とか期待はできないんだろうな」
勇者「まあ、行った先で仕入れだけのわけもなし」
勇者「なにか売れそうな物のリサーチを中心にしていくかな」
町人「おや、旅人さんかい? こんな時期に珍しい。北に行くのかい?」
勇者「いえ、特にそういうわけでは」
町人「竜探しでもないのにこんなところへ? 物好きだねぇ」
勇者「竜?」
704
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:40:03 ID:oCqhwEHc
町人「この先の、っていっても山脈自体別なんだけど、険しい山があってね」
町人「そこで言葉を理解する竜がいるって伝説さ」
町人「その血が不老不死ってもんだから時折、それを目当てにやってくる人達がいるんだよ」
勇者「へえ……実際にいるんですかね?」
町人「さあてね。そんな話は聞かないし、その山まで行って帰りに立ち寄る人も少ないからなぁ」
勇者「それって……」
町人「まあそんな場所だし、強靭な魔物も多く生息しているだろうからそういう事だと思うよ」
勇者「恐ろしい話ですね」
705
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:41:02 ID:oCqhwEHc
勇者「あ、私は商いもしているのですが、この町で卸されたら嬉しい物とかありますか?」
町人「へえ、あんた商人かい。でもこれといってなぁ」
町人「やっぱ一番は火系の魔石とかかな。この雪もまだまだ序の口だからね」
町人「兎角暖の確保が最優先される町さ」
勇者「魔石ですか……中々難しいですね」
町人「だろうね。やってきた商人の人達皆そう言うよ」
町人「ま、普通に美味しい食べ物とかあれば皆買うと思うから、次来る事があったらよろしく頼むよ」
勇者「ええ、分かりました」
706
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:42:02 ID:oCqhwEHc
勇者「竜……竜? ドラゴンじゃないのか……」
勇者「しかしそういう伝説、というか伝承ってあるもんなんだな。物語の中だけだと思ってた」
勇者「とは言え強い魔物が多い地域。とてもじゃないが行く気にはなれないな」
勇者「卸す商品もこれといってめぼしい当てもないしなぁ。今回はあまり収穫がなさそうだな」
勇者「うーん、昼食は我慢してここで取ればよかったかなぁ」
勇者「中途半端な時間に腹が空いてきてしまったぞ」
707
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:43:03 ID:oCqhwEHc
勇者「軽くなんか食べられる……喫茶店、なんてないよなぁ」
勇者「料理屋……よく分からない店があるが今は休業中か。昼と夜だけかな」
勇者「お、パン屋もあるのか。町の大きさの割りに充実しているじゃないか」
勇者「暖かい物を腹に入れたいが贅沢は言えないな。よし、ここらで小腹に詰めておこう」カランコロン
勇者(へえ、ケーキなんかも扱っているのか。パンと洋菓子店って感じか。この寒い中よくやるもんだ)
勇者(しかしこうなってくると迷うな)
勇者(惣菜パン、と思っていたけども菓子パンやケーキが魅力的に見えてくる)
708
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:44:08 ID:oCqhwEHc
勇者(とは言え流石に小さな町の普通のお店。メニューは定番どころって感じだな)
勇者(うん? なんだこれ? シュトレン? フルーツのパウンドケーキかなにかか?)
勇者(この辺りではそう呼ぶのかな)
勇者(うーん、ちょっと気になるな)
勇者(よし、物の試しにシュトレンなるものに挑戦してみようかな)
シュトレン(二切れ) 65G
カマボコ状のパンで様々なフルーツが入っている。
中央にはまん丸の黄色系の具が見える。
表面は砂糖で真っ白にコーティングされていて、見るからに甘そうだ。
ココア 5G
パンなどを購入した人には5Gというありがたいサービス。
普通のココアとビターココアがあり、ビターを選択。
勇者(勢いで買ってしまったけども、二切れで65Gは高いな)
709
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:45:01 ID:oCqhwEHc
勇者(真ん中の丸いのはなんだろう。栗かな? 珍しい)パク
勇者「むぐうっ」
勇者(なんだこれ、めちゃくちゃ甘いぞ)モグモグ
勇者(表面の白いの、粉砂糖をまぶしているのかと思ったけども)ゴクン
勇者(まぶすなんてとんでもない。砂糖のメッキじゃないか)パク
勇者(甘い。恐ろしく甘い)モグモグ
勇者(今、雪深くなる山で自分の血糖値はマグマのように滾っているぞ!)ゴクン
710
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:46:01 ID:oCqhwEHc
勇者(しかしビターココアの選択は、天下分け目の戦いを収めた軍師の名采配だ)ズズ
勇者(甘い物にとってもよく合うしこの暖かさ、身に沁みるなぁ)
勇者(それにしても栗かと思ったけどもなんか餡っぽいな)パク
勇者(まあ栗でなくても珍しいか)モグモグ
勇者(一体なにで出来ているんだろう)ゴクン
勇者(しかし、これはついつい食べ続けてしまう美味しさだ)パク
勇者(間違いなく、食べすぎはダイレクトに体にきそうだけども)モグモグ
711
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:47:02 ID:oCqhwEHc
勇者「ふう、中々の満足感だ」
勇者「シュトレン……侮っていた」
勇者「むしろ都市部辺りなら女性に人気が出そうだな」
勇者「思いがけない収穫だ」
勇者「遠くの伝承より身近な食べ物だな」
勇者「少し調べておくか。これ、城下町で企画できたら美味しそうだ」
712
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:48:01 ID:oCqhwEHc
魔王領城下町
勇者「ふう……すっかりクリスマスシーズンだ」
勇者「卸しも上々。シュトレンも町で大人気。まさかこんなに懐が暖かくなるだなんて」
勇者「装飾師さんへの納品も終わったし、今日はもうゆっくりしていこうかな」
勇者「しかし、この辺りはあまり通らなかったとは言え、だいぶ店が変わっている気がする」
勇者「意外と世知辛い時代なのかなぁ」
713
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:49:01 ID:oCqhwEHc
勇者「お、ここは大々的に開店を謳っているな。料理屋っぽいけど、どんなメニューなんだろ」
勇者「あれ、こっちは裏か。表、表……」
勇者「うわぁ、すごい行列だ」
勇者「うーんそれだけ注目の高い店なんだろうけども、この寒空の下これに並ぶのはなぁ」
勇者「どんな店かも分からないし、もうちょっと手堅く入れる店がいいけども……」
A「うん? お、久しぶりだな。早速聞きつけてきたのか?」
B「よう、久しぶりだな! って毎回言っている気がするな」
C「相変わらず息災なようでなによりだ」
勇者「どうも、お久しぶりです」
714
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:50:02 ID:oCqhwEHc
勇者「あれ? 今日は三人なんですか?」
A「二人は別の仕事でしばらくここを離れているんだよ」
勇者「なんだかいつも五人で行動していたので、ちょっと不思議な感じですね」
B「いや、配置とかは結構変わっているんだよ。ただ時間が合えば一緒に飯食ったりしてるのさ」
C「これから並ぶのか? 良かったら一緒にどうだ?」
勇者「え……それは流石に他の人達に悪い気が」
A「おーい皆! こいつ、噂の人間商人だけど入れてやってもいいかー?」
「え? その人が?」
「あ、だから魔力が違うのか」
「へええ、その人が。案外普通だな」
「おー初めて見た。いいよいいよ」
B「な?」
勇者「有り難いですが、ここまで噂されているとは……」
715
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:51:02 ID:oCqhwEHc
勇者「そういえばここ、何の店なんですか?」
A「知らずに来たのか……」
勇者「通りがかったら行列があったのでどうしようかと」
B「まあ、お前あたりは喜びそうなところだから安心しろよ」カランコロン
勇者(へえ、中は随分とオシャレだなぁ。けどこの人達がいるって事はそれなりの量も出るのだろうし)
勇者(これは僥倖かもしれないな)
C「スペシャルランチ四つで」
勇者「えっ」
A「まあまあ、絶対に気に入るから今日のところはまずそれを食べてみろって」
716
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:52:00 ID:oCqhwEHc
勇者(うーん、メニューすら開けなかった……こういうのはちょっと、あれだなぁ)
B「そういえばシュトレン、だっけ。あんな菓子、一体どこから見つけてきたんだ?」
勇者「北の山のほうですね」
C「あんなところにも足を運んでいるのか。なんだ? 探し物でもあるのか?」
勇者「え?」
A「なんだ、ドラゴン伝説の話は関係ないのか。それであそこまで足を運ぶなんて相変わらず物好きだな」
勇者「それ、どちらも町の人にも言われましたね。不死の竜ですよね」
B「不死? この辺りじゃ北の山に棲むドラゴンは人の言葉を理解し、全てを知るモノという云われがあるんだ」
C「探し物や未来予知、そうした願いを叶えてくれるって伝説だな」
勇者「へえ、町では血が不老不死の力を持つって話でしたが、別の形で伝わっているんですね」
717
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:53:01 ID:oCqhwEHc
勇者「実際にいるんですか?」
A「さあなぁ。遥か過去に何度か魔王様の命で捜索隊が編成されたそうだが、一度も成功しなかったって話だ」
C「強い魔物もいるらしいしな」
B「お、来たな。話もそのくらいにして食おうじゃねえか」
クリームシチュー 90G
真っ白なシチュー。
ごろごろとしたジャガイモやニンジン、ブロッコリーが見え中々ボリューミー。
大きな鶏肉が入っているのもポイントが高い。
パンとサラダがついていて、パンはおかわり自由。
勇者(ほほう……これは中々)
718
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:54:02 ID:oCqhwEHc
勇者(この大きな具の頼もしさ。贅沢じゃないか)パク
勇者(うんうん、このまろやかな甘さ。実にシチューって感じだ)モグモグ
勇者(パンも香ばしくって実によく合う。非常にいいぞ)パク
勇者(これ、パンじゃなくて白米とかで食べられないのかな。絶対にご飯でも美味しいはずだ)モグモグ
勇者(鶏肉のこの大きさにしてこの柔らかさ。結構いい肉使っているんじゃないか?)パク
勇者(ふー、体が暖まってきた。この時期にこのシチューは反則的美味さだ)モグモグ
719
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:55:06 ID:oCqhwEHc
勇者(サラダも)ムシャ
勇者(うん、シャキシャキしててとっても新鮮だ)モグモグ
勇者(少し控え目の味のドレッシングも丁度いい)ムシャ
勇者(勝手に注文された時はどうかと思ったが、この店を知るメニューとしては素晴らしい)モグモグ
勇者(いやはや、止められない美味しさだ)パク
勇者(シチュー専門店なのかな。だとしてもこのレベルは中々お目にかかれない)モグモグ
勇者(是非とも繁盛してほしいものだ)パク
A(相変わらずもくもくと食うなこいつ)
B(あ、やっぱりパンをおかわりしたな)
C(おかわり二回に100G)
720
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:56:01 ID:oCqhwEHc
勇者「ふうー満腹だ」
A「パン三回おかわりにシチューもおかわり……」
B「久々に化け物っぷりを見た気がする」
C「まあお気に召したようでなによりだ」
勇者「こちらこそありがとうございました」
A「じゃあ俺らは午後の仕事があるからな」
721
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:57:00 ID:oCqhwEHc
春先 山の中
勇者「……」
勇者「参ったなぁ。少し軽率だったなこりゃ」
勇者「完全に遭難だ。しかもとても危険地帯……」
勇者「うーん、この辺りはどうなんだろ。転移魔法を準備する余裕はあるかな」
茂み「」ガサ
勇者(逃げよう!)ダッ
勇者(それにしても困ったぞ、これ助からないんじゃないか?)ダダダ
722
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 20:58:10 ID:oCqhwEHc
数時間前
勇者「多分、あの山が例のドラゴンがいる場所かな」
勇者「流石に深くまでは行けないけども、周辺の地図だけでも作っておけば」
勇者「目指す人の拠点作りに役立つかもしれない」
勇者「過去の捜索隊も昔なんだし、変わっている部分も多いだろうし」
勇者「情報に価値はあるはずだ」
勇者「まあ、この辺りの生息する薬草類の調査も兼ねてだし、小遣いになればいいかな」
723
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:00:01 ID:oCqhwEHc
勇者「意外と開けたところが多い。この辺りはまだまだ安全なのかな」
勇者「山も緩やかでどちらかといえば林って感じだ」
勇者「しかしその分、見通しがいいからちょっと怖いな」
勇者「んー……それらしい大きさの魔物の足跡も痕跡もない」
勇者「もうちょっと奥までいけそうだな」
勇者「? ここら辺は折れた枝が多いな。嵐でもあったのかな」
724
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:01:00 ID:oCqhwEHc
勇者「……へえ、結構薬草が豊富だな。これは珍しいのもあるかもしれないな」
「ルルル」
勇者「!」バッガササ
勇者(何の声だ。どこにいる? 見つかった?)
「ルルルルル」
勇者(木の上?!)
ホッピングドラゴン「ルルルルルル!」
勇者「ま、まずい!」ダッ
725
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:02:31 ID:oCqhwEHc
勇者(は、初めて見た! 木から木へと飛び移り移動するホッピングドラゴン!)
勇者(ここらの落ちてる枝は彼らが当たって折れたものだったのか!)
ザシッ ザシッ ザシッ
勇者(せ、迫ってくる音が後頭部の方から聞こえる恐怖!)
勇者(背に腹は……火炎の魔石!)ゴァァァァ
ホッピングドラゴン「ロロロオオオ!!」
勇者(よし、今のうちにって斜面がっ!)
726
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:03:17 ID:oCqhwEHc
……
勇者「うーん、上に戻ろうにもどんどん離れていくぞ……」
勇者「とにかく帰還する事だけを考えなくちゃ」
勇者「うん……? この香り……」
勇者「無毒化したヴェノムドラゴンの毒か……あんなのまでいるとは」
勇者「流れ毒で死にそうだ」グニ
横たわったヴェノムドラゴン「」
勇者「うわあ踏んだぁ!」
勇者「って死んでるか……」ハアア
727
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:04:16 ID:oCqhwEHc
勇者「? すごい損傷だな。なにと争っていたんだろ」
勇者「よく見たら他に死体があるな……」
勇者「しかしヴェノムドラゴンの毒も効かない魔物……遭遇したら終わりだ」
勇者「うーん、風もあるし不確かだけども、残り香のない方へ進むしかないかな」
勇者「……」
勇者(あそこ洞窟がありそうだな)
勇者(怖いが、もしも争っていたものがいないのなら、今この辺りは比較的安全地帯)
勇者(転移魔法の準備をしようかな)
728
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:05:07 ID:oCqhwEHc
巨大な金色のドラゴン「……」
勇者「」
勇者(終わった……多分、これがヴェノムドラゴンをなぎ払った奴だ)
金ドラ「……人間とは珍しい」
勇者「喋っ!?」
金ドラ「ほう? 私を目当てに来たのではないのか。更に珍しき事よ」
勇者「え? あ、あー……」
勇者(割と絶体絶命の状態だったからすっかり存在を忘れていたなぁ)
729
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:06:00 ID:oCqhwEHc
金ドラ「なにをしにここまで来た」
勇者「えっと、薬草採取と地図作り、ですかね」
金ドラ「ふん、我が身を欲した者達の為、か」
勇者「ええまあ、地図は稼ぎになればいいな、と」
金ドラ「カカカ、正直な奴だ」
金ドラ「だが、止めておけ。仮に成功したとて逆恨みを受けよう」
勇者「自分も生きているのが不思議なぐらいですからね」
金ドラ「いや、もうじきこの命も終わる」
勇者「えっ」
730
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:07:02 ID:oCqhwEHc
金ドラ「見たであろう。毒竜の死体の山を」
金ドラ「あれだけの毒、我が身を以ってしても耐えれるものではない」
勇者「……不老不死の血を持つのに、ですか?」
金ドラ「そんなもの世迷い事よ。確かに人の身ならば永き命も得られようが、永久などありはせん」
金ドラ「それに私も年だ。元より老いたる血にどれほどの効果があるか……」
勇者(うーん、毒食み草はあるけども、解毒には向かないしなぁ)
勇者(ヴェノムドラゴンの毒に効くものって他にないよなぁ。そもそも人間だとほぼ即死だし)
731
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:07:59 ID:oCqhwEHc
金ドラ「……この洞窟は山の南西に通じている。ここを抜ければ生きても帰れよう」
金ドラ「次はその強運、望めはせんぞ」
勇者「あ、はい……」
勇者「……」
勇者「あ、そうだ。どうせだし、とある薬草を食べてみる気はありませんか?」
金ドラ「既に全身を侵された今、効きなどせんだろう……」
金ドラ「しかし折角だ。戯れに道案内の礼として受け取ろう」
732
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:09:01 ID:oCqhwEHc
……
金ドラ「……これほど力が漲るとは。己の身で解毒もできた」
金ドラ「心から礼を言うぞ、人間よ」
勇者「いえ、助かってなによりです」
金ドラ「しかし……竜治草など本当によかったのか? 千年以上生きてきた私とて二度しか目にした事がないぞ」
勇者「どの道取り扱いが難しいですからね」
金ドラ「このような老いぼれ如きに、かたじけない」
金ドラ「私からも礼がしたい。可能なものならば血でもなんでも望みを叶えよう」
733
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:10:02 ID:oCqhwEHc
勇者(血……確かに話を聞く限り、竜治草クラスの薬にもなりそうだけども)
勇者(これも周囲の目って意味の取り扱いが大変そうだしなぁ)
勇者(かといって知りたい事も別にないし)
勇者(うーん、困ったな。メニューが決められない時よりも困ったぞ)
勇者(……)
勇者(……そういえば、腹が減ったな)
734
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:11:03 ID:oCqhwEHc
勇者「あの、尾とか再生するものなんですか?」
金ドラ「おお、今のこの身ならば長さにもよるが一月とかかるまい」
金ドラ「竜鱗か? 尾のものなどとは随分と謙虚な事を言う」
勇者「あ、いえ、尾の先のほうの肉を頂けないかと思いまして」
金ドラ「む?」
735
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:12:19 ID:oCqhwEHc
勇者(流石に血抜き不十分はきついけども、時間的に仕方がない)
勇者(水でしっかりと洗い軽く茹でる)
勇者(お湯を捨て肉を洗い、臭みとりの薬草と共にもう一度煮込む)
勇者(これも捨てて、調味料の薬草と一緒に煮込む)
勇者(プレッシャーポット、とか言う超高温化できるらしい鍋を買ってみたけども)
勇者(本来長時間煮込むところを短縮できるこの鍋、いい買い物をした)
勇者(煮込んだら氷魔法の魔石で冷まし、脂を取り除いて再び火にかけて暖め、塩コショウで味を調えたら)
ドラゴンのテールスープ
尾の先とは言え尾肉を贅沢に使った一品。
ただし下拵え不十分で、その真価は発揮されないだろう。
736
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:13:03 ID:oCqhwEHc
勇者(うんうん、香りはよし)パク
勇者(肉、硬し。流石に時間が足らなさ過ぎたか)モグモグ
勇者(少し血生臭いけども、食べられない事はないな)ズズ
勇者(スープもちょっと血生臭いけども、それなりに美味しいな)パク
勇者(これ、ちゃんと料理するだけで絶品だろうなぁ)モグモグ
勇者(まあ、余ったお肉は魔法倉庫に入れてあるし、家でチャレンジするのも悪くない)パク
金ドラ「よもや我が肉を食べたいと言われようとは夢にも思わなかったぞ……」
737
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:14:03 ID:oCqhwEHc
勇者「ご馳走様でした」
金ドラ「少々複雑な気持ちではあるが、喜んでもらえたのならば結構だ」
金ドラ「それにこの程度の事ならばいつでも引き受けようぞ」
勇者「え? また頂いてもいいんですか?」
金ドラ「あの薬草のお陰だ。数百年は若返ったようなものよ。この程度、安いものだ」
金ドラ「しかし……謙虚かと思ったが遠慮を知らぬな」
738
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 21:15:01 ID:oCqhwEHc
金ドラ「道中、気をつけるのだぞ」
勇者「いえ、出た先で魔物がいても困りますので、ここから転移魔法で帰ります」
金ドラ「ほう、使えるのか。優秀ではないか」
勇者「能力的に誇れるのはこれぐらいなんですけどもね」
金ドラ「面白い人間だ。またいつでも来るがいい」
勇者「ちょっと大変な場所ですがいずれまた」
勇者(場所的においそれと来れないし、町がないから転移魔法の標も作れないからなぁ)
739
:
明日役立たない雑学1
:2018/12/22(土) 21:17:51 ID:oCqhwEHc
シュトレン
ドイツの菓子パンでオランダでも食べられる。シュトレンはドイツ語で坑道を意味し、オランダではストルという。
最古の記録では14世紀のナウムブルクにて、当時の市況へのクリスマスの贈り物であるそうな。
トンネルのようなカマボコ状の形をしている。
レーズンやレモンピールやナッツが練りこまれており、焼いた後に表面を大量の粉砂糖でまぶす。
ドイツではクリスマスを待つ四週間のアドヴェント(待降節)という期間の間、少しずつスライスして食べる習慣がある。
日ごとにフルーツの風味がパンへ移り、美味しくなるシュトレンにクリスマスを待ち遠しくなるそうな。
ナッツを中心に練りこんだり、チーズを練りこんだりとバリエーションは幅広いらしい。
本編中の餡のようなのはマルチパンで、オランダではマルジパンシュトレンと呼ばれるこれが殆どらしい。
マルチパン
マジパンとも。でもシュトレンだとマルジパン。まあどっちでもいいか。
スペインのトレドやドイツのリューベック。シチリアなんかでも名物とされる洋菓子。
アーモンドと砂糖を挽いて練り合わせて作られる。
中世にアーモンドと砂糖が入手しやすくなった中東で開発されたり、飢饉の時に編み出されたりしたらしい。
詰め物の具に使ったり、フルーツ状や人形にかたどって売られたりしている。
祝い事で食べたり、特定の形のものを食べる、贈るなど様々な文化を持つ。
740
:
明日役立たない雑学2
:2018/12/22(土) 21:18:56 ID:oCqhwEHc
クリームシチュー
ホワイトシチューとも呼ばれる。
牛乳や生クリームをベースにカレー系材料で煮込むのがスタンダードか。
個人的にマッシュルームやブロッコリーカリフラワーが入っていると、ぐっと本格感が増す気がする。
牛乳を使ったシチューは世界中でもあるが、小麦粉などでとろみをつけたものを珍しいらしい。
外国だとシチュースープって感じだろうか。
名前自体日本での造語なので、クリームシチューは和製洋食として海外では紹介されるんだとか。
テールスープ
日本におけるテールスープは仙台牛タンと深い繋がりがあるそうで。
考案された牛タン焼きと共にテールスープが開発。
その後、牛タン定食として食べられるようになったりなんだり。
そういえば向こうで食べると必ずつくね、テールスープ。
741
:
キョウハココマデ
:2018/12/22(土) 21:20:36 ID:oCqhwEHc
ちょっと早いがメリーシングルベル
雑学が長くなって二つに分けることになるとは
まあいいかとココア項捨てたのに
742
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/22(土) 22:16:29 ID:p9ThzrJs
おかえりー
テールは、ストーブの上で時間かけて作るな
743
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/23(日) 02:16:33 ID:xXG2/A8Q
あなたの肉をくださいって言って、目の前で調理して食べるとか怖いw
勇者軽くサイコパスよな
744
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 02:09:13 ID:Lde4bJKM
いつの間に再開してたのか
また常駐スレが増えた
745
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/28(金) 15:09:51 ID:joRimDMM
なんでいつも腹減ってるときにかぎって読んでしまうのか……
魔物に化け物と呼ばれ、竜を呆れさせる、相変わらずの勇者っぷりw
乙乙
746
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/12(土) 02:31:52 ID:uIl3zmOs
おおおお、更新乙
目の前で食べたのかwww
747
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/02(土) 20:31:18 ID:T8uURAsk
更新乙です
てか、血抜き不十分で食ったって事は無自覚に竜の血を肉ごと食ってるから寿命が伸びたり肉体強化されてね……?
748
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 18:14:16 ID:tvXyt0Ls
更新じゃねえのかよ、と言われそうだけど
ねんがんの タカベをてにいれたぞ!
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up9056.jpg
ていうかもう少し小さい魚だと思ってた
しかも予約がいっぱいで三枚に卸してもらえなかった
749
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 18:19:30 ID:tvXyt0Ls
三枚に卸して
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up9057.jpg
普通に塩焼き
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up10/source/up9058.jpg
味そのものは淡白だが、やはりというべきか皮近くの脂が非常に美味
中落部分は……どうなんだろう
いっそムニエルとか、塩焼き以外のほうがよかった気がしなくもない
750
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 02:19:30 ID:Xmp/XV6.
飯テロパワーは健在か…
751
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/31(金) 08:26:23 ID:NKZFaiBw
美味そうね
752
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:09:20 ID:K.9XuzuA
生きてたのか
>>1
753
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2022/11/27(日) 09:15:13 ID:kylNF/Sc
>>1
おかえり!前作?続き?のSS好きでご飯食べながらよく読んでたよ!w
754
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2024/09/18(水) 14:49:05 ID:f83WKUCo
まだ来ることを祈って
755
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2024/11/07(木) 06:48:16 ID:0X6IcL0g
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196
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