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男「お願いだ、信じてくれ」白蓮「あらあら」
519
:
ぬえ
◆ufIVXIVlPg
:2019/03/08(金) 08:46:31 ID:qOdTnLdw
しかしかといって天狗の山から自分も抜け出すほど無謀な若さも持っていなかった。
いくら嫌であろうとも、ここで生まれ、ここで育ったからにはここを裏切る気にはなれない。
それに加え自分がいなければここに椛の味方をできるものは一人もいなくなってしまうとも思っていた。
「………」
彼はいい加減椛を嬲って喜ぶような輩に囲まれているのが耐え切れなくなり部屋から出た。
彼の行動に注目するものはおらず、木製の扉を開けても誰も彼に話しかけることはない。
外では渦巻くような風が体を削るようにして吹いている。ごぉごぉと唸り声をあげる風が生を帯びているかのように暴れ狂っている。
妖怪の山の中腹に位置するこの場所は岩壁に貼り付けるようにして作られた天狗の哨戒所だ。翼を持っていなければたどり着けず、翼を持っていたとしても風に阻まれ辿り着くことは容易いことではない。
天狗の種族としての優秀さを示すが同時に自尊を一面に塗りたくったようでもある。そのため他の妖怪から天狗のゆりかごなどと揶揄されているがそのことを天狗達は知らない。
このような場所をいくつも天狗は築いているからこそ、この広大な妖怪の山を総べる事が可能であり、鬼なき今、どこで何が起きてもすぐに駆けつけることができる、妖怪の山の秩序を守る一端を担っていた。天狗を頂点とした秩序ではあるが。
「………これから、これからどうすれば」
彼以外誰もが思いに至らなかった結論。
犬走 椛なき今、誰がこの天狗の集団を指揮するというのか。そしてそいつは椛ほど優秀であるのか。
おそらく今までのようにはいかないだろう。今までプライドの高い鴉天狗達が椛の指揮を受けていたのは下等な存在である白狼天狗に頼まれれば動いても別に構わない。もしくは道具である白狼天狗を自分たちが上手く使っているんだという意思からであり、悪態をつきながらも優越感だけは失ってはいなかった。
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