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男「お願いだ、信じてくれ」白蓮「あらあら」

350ぬえ ◆ufIVXIVlPg:2017/09/08(金) 00:13:37 ID:ZLreOKHA
完全に二人だけの空間。

なんだか俺から話を始める気には慣れず、じっとさとりの言葉を待った。

しかし第一声を待つ間、さとりは煙管の中から灰と燃えカスを取り出し、薄い布で雁首を拭き始めた。

煙管を分解し、一通りの掃除が終わると再び組み立て、さとりはじっと何も入ってない雁首の中を見つめた。

さとり「………………本当?」

やっと出た言葉はたったこれだけ。しかしこれだけで良かった。

長々と尋ねられるより、怨嗟の言葉を吐かれるより、俺のことを信じればいいのかを尋ねるその一言だけが良かった。

本当だと言ってしまえば信用と同時に彼女を傷つける事になる。だが彼女を庇っているわけにはいかない。狂人の妄想であれば彼女は救われる。しかし救われなかった人たちを見捨てるわけにはいかなかった。

男「あぁ」

さとり「そう」

短い言葉のやり取りだけですべてを把握したさとりは、近くにあった小さな箱から葉っぱを取り出し丸め、雁首に乗せ火をつけた。

さとりがそれを吸い終わるまで俺たちは無言で、さとりはもう一度だけ涙を流し、俺は見るわけにはいかず瞼を閉じた。


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