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男「お願いだ、信じてくれ」白蓮「あらあら」

345ぬえ ◆ufIVXIVlPg:2017/09/07(木) 23:12:39 ID:m.FE6kXk
対策なんて当然取れないまま、ようやく目的の部屋についた。

そこは襖ばかりの旅館の中で唯一の木製の扉だった。文が控えめに扉を叩くと、中からか細く誰かと尋ねる声が返ってきた。

文「あやや。貴方なら訊ねなくてもわかるでしょう?」

そう苦笑しながら文が扉を開ける。中の空気は暖かく、そして濃く甘い伽羅のような香りがした。

勇儀「それじゃあ私はここいらで失礼するよ」

さとり「…あら、勇儀も来てたのね。つれないじゃない。私から逃げるなんて」

勇儀「この話し合いに私は必要ないだろう? あるのはこいつらだけさ」

むんずと勇儀さんが胸元を掴み部屋の中へ押し入れる。手をほどくのを忘れていたナズーリンもつられて部屋の中へ入り、絡まった二人は床に尻もちをついて倒れた。

さとり「そう、あなたが………」

部屋の中では赤い重厚そうな椅子に座っているさとりがいた。

紫の髪の色は変わりないが、前見た時と違って痛んでおり、気怠そうな瞳の下には濃く大きいくまができていた。調子がよさそうには思えない。

さとりはちらりと俺を見た後、左手に持った煙管を大きく吸い、ゆっくりゆっくり、細く煙を吐きながら最後にため息と一緒に吐き出した。

甘くそしてほろ苦い香りが強くなる。どうやらこの香りはその煙管のものらしい。狭い部屋ではない。この部屋に充満するほどとはどれほど吸っているのだろうか。


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