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男「お願いだ、信じてくれ」白蓮「あらあら」

325ぬえ ◆ufIVXIVlPg:2017/07/20(木) 10:20:30 ID:YX8O3/46
10分ほど歩いただろうか。あたりを照らす輝きが一層強さを増した。

一面に見えるのは白塗りの壁に朱色の柱。教科書で見たような優美で雅な建物でできた町が広がっていた。

そのどれもが多少の差はあれ、傷ついているが、岩肌で囲まれた空間よりはよっぽどマシだ。

岩肌と町の境目には大きな朱色の橋があり、その下には暗闇が流れている。底にあるのは水か地か。石ころでも投げ入れてみればわかるだろう。

「………誰、それ」

橋を渡ろうとしたときだった。橋の中腹で欄干に両腕を乗せ黄昏ていた少女がちらりとこちらを一瞥して声を投げかけてきた。

少女の髪は金色で目は深い緑色。それだけでも目立つ風貌だが顔の横にある耳は人間のものと違い尖っていた。

文「これはこれは水橋さん。奇遇ですねぇ」

パル「奇遇もなにも私は橋姫よ? ここにいて当然じゃない。それで、ネズミにタヌキはまだいいわ。誰よそれ」

パル「人間に見えるんだけど?」

そう水橋と呼ばれた少女が首を大きく傾けた瞬間だった。垂れた金色の髪から除く緑色の瞳が大きく揺らいだ。

ゾクリと背筋を震わすのは今まで何度も体験した殺気。今思えば人それぞれで持つ殺気の種類が違う。

彼女が持つ殺気は心を掴まれ地の底へ引っ張られるようなとても不気味で恐ろしいもの。

素直に殺されるんだと思わせた萃香のものとは対照的で、先の見えないおどろおどろしいものだった。


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