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上条「I'll destroy your fuck'n fantasy!」

272以下、名無しが深夜にお送りします:2020/10/18(日) 19:18:25 ID:xbYrFGVc
 それから1時間後。俺達二人は額の汗をぬぐいながら行列に並んでいた。行列の行先は最近できたというトルコ式サンドウィッチの屋台。
 何か助けてくれたお礼をと俺が申し出たところ、彼女が見返りに要求してきたのは意外なものだった。

上条「一日ボーイフレンドのふりをして欲しい?」

 絆創膏をミカエラに貼ってもらった頬をさすりながら尋ねると、暑いのか頬を紅潮させた彼女は無言で頷いた。それでも先ほど「アンタと私が、こ、こ、恋人に」とどもりながら切り出して来た時よりはだいぶ赤みが薄らいでいる。

ミカエラ「何度も言わせないで頂戴。かれこれ一週間言い寄られ続けていい加減うんざりしてるのよ。今日はいつになく機嫌がよかったから博物館の展示を見に行くのに少し付き合ってあげたけどそれでも鬱陶しいことには変わりないわ――あ、普通の二つお願いします。同じので構わないわよね?」
 気付けば俺たちが列の先頭になっていた。ミカエラは屋台に立っている売り子の金髪北欧系美少女――トルコ料理と銘打っているにもかかわらず――にミカエラは指を二本立てて注文数を示す。売り子の脇にかけてある立て看板に目をやり、俺は思わずのけぞりそうになる。

上条「7$!? こんなサンドイッチたった一つのために7$だと!?」
いくら記憶喪失だからってその値段が異常なことくらいわかる。おっと、思っていただけのはずがつい口に出てしまっていた。

上条「い、いえ…すみません」

少女「いいってわけよ。初めてのお客さんみんなびっくりするから。でも、うちでは最高級の具材を使ってるからね。サバは勿論、野菜も、パン生地も、スパイスやソースだって」

 玉ねぎとレタスを切り、サバを捌いて炙り、焼きたてのバゲットを切り分け……全ての工程を目にもとまらぬスピードで手際よくこなしながら上機嫌そうに答えた売り子はあっという間にサンドイッチ二人前を油紙にくるんで俺たちの前に差し出した。

少女「毎度あり。アタシが生息海域から種類、食べている餌や脂の乗り具合まで選りすぐった最上級のサバをたんとご賞味あれってわけよ」

上条「どうも……あ、自分の分くらい自分で払えるぜ」
 そう言って財布を出すより先に彼女が10$札と1$札4枚で素早く支払いを終えてしまっていた。

ミカエラ「いいわよ。いちいち出すの面倒でしょ。それに今日は付き合ってもらうわけだし」

 まあ、悪い気はしないかな。慢性的な金欠だし今朝から餓死しそうなくらい腹ペコだったし。


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