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上条「I'll destroy your fuck'n fantasy!」

253以下、名無しが深夜にお送りします:2018/11/21(水) 00:53:59 ID:qKav8FZk
 目を覚ました時、ステイルは自分が穴だらけの壁を背にへたり込んでいることに気付いた。したたかに打ち付けた腰をさすりながら立ち上がり、辺りを見回す。
ひどいありさまだった。天井には亀裂が走り、床のいたるところが抜け、壁のあちこちが吹き飛んでいるせいで廊下が半分外へ剥き出しになっているようなものだ。そして、『核』があった件の場所には幅20ft近い大穴が開いていた。穴の縁からは熱でひしゃげた鉄骨やら折れ曲がりズタボロになった配管やらが飛び出し、配管の一部からは水がちょろちょろと流れ出ている。辺り一面には水蒸気が立ち込めており、その光景は彼の故郷であるロンドンの濃霧を彷彿させた。
ともあれ、見たところ幸いにも爆発に巻き込まれた人間はいないようだ。尤も、下に降り注いだ瓦礫の下敷きになった者はいるかもしれないが。
犠牲者を増やさずに済んだことに安堵して、ステイルは自分で驚いた。この世界に足を踏み入れてから久しく、とうに人間らしさなど捨て去ったものと思っていたのだ。
あの男の顔が脳裏に浮かぶ。思えばあいつに出会ってからすべてがおかしくなり始めた。

ステイル(あてられたか……)「調子狂うなぁ」

???「自然、この術を目の当たりにすれば左様な偶感を抱くのも論無し」

 水蒸気の中から声が響く。方向を確かめる間もなく、何か光るものがステイルの頭めがけて一直線に飛んできた。
 とっさに身をよじっていなし、飛んできたものを目で追い正体を見極めようとする。
それは、黄金の鏃だった。大きさは短刀ほどもあり、尻からやはり黄金の鎖が伸びている。
黄金の鏃はそのまままっすぐ飛び、彼の数十ft後方の床に勢いよく突き刺さった。そこに倒れ伏していた生徒の背中を刺し貫いて。
ステイルが目の前で突然行われた所業に嫌悪を抱くよりも早く、生徒の体が弾け飛び、そのまま周囲の床もろとも溶け始めた。たちまちそこには何やら煮えたぎった液体の水たまりが出来た。


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