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上条「I'll destroy your fuck'n fantasy!」

248以下、名無しが深夜にお送りします:2018/07/04(水) 01:10:07 ID:KEhiXDgE
 どれだけ転げ落ちたか分からない。ただ、全身のあちこちがひどく痛い。どこか骨が折れているかもしれないし、我ながら生きているのが奇跡だ。
突き落とされる瞬間、すぐ背後から「お気の毒に、カカシくん」という声がはっきりと耳に入った。朦朧とした意識の中で階段のはるか上方をすぐ振り返るが、既に奴の姿はない。野郎、妙に馴れ馴れしいと思ったら、最初からこれが目的で……!

 仲間だと思っていた奴の裏切りに憤っている時間はなかった。痛みにうずくまっている間にも光の洪水はこちらへ狙いを定めて襲い掛かってくる。
 俺は痛む体を無理やり動かして階段を駆け下りた。少し視点を上げると、あらゆる階から光球の流れがどんどん合流して洪水を際限なく膨らませてゆくのが見える。逃げているうちに頭の中にある考えが浮かぶ。
もしかして、俺の位置は敵に完全に把握されているのではないか。あの男はここが魔術で外と区切られていると言った。もしこの空間が魔力か何かで満たされているとしたら? そして、俺の右手がその何かをも片っ端から打ち消してしまっていたとしたら?
 やはり俺は最初から囮として連れてこられたのではないだろうか。何故あの時断らなかったのだろう。

上条「ちくしょうが!」

 もうこんなところから一刻も早くおさらばしたい。自分が誰なのかもろくに知らないのになぜこんな目に遭わないといけないのか。

 階下から別の足跡が聞こえる。まるで俺の行く手を阻むかのように。俺は懐をまさぐり、拳銃がまだあることを確認するとそれを取り出した。誰であろうが俺の邪魔はさせない。

階段の先にいたのは一人の女の子だった。おさげにした黒髪に丸い眼鏡、歳は俺より一つか二つ上か。かわいらしい顔だが当然見覚えがない。

女子生徒3「罪を罰するは炎。炎を司るは煉獄。煉獄は罪人を焼くために作られし、神が認める唯一の暴力――」

 そして、残念なことに彼女もなんとかの聖歌隊とやらの統制下にあるようだ。言葉を紡ぐたびに眉間に浮かぶ青白い光の玉が大きさをと輝きを増す。

上条「どけ、俺には時間がない――」

 俺はそう言って拳銃を構えたまま押し通ろうとした。何なら引き金を引いたって構わない。


 その時だった、彼女の頬がばじっと弾けたのは。


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