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勇者「お前は王都を汚すゴミだ! 僕が掃除してやる!」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/15(日) 00:21:48 ID:8J1cpVwo
武闘家「ハーハッハー!」
武闘家「おい酒だ! 早くしろォ!」
店員「はいはい! ちょっと待ってな!」
兵士「おい武闘家さんよ、そんなに飲んでいいのか?」
武闘家「こんなに酒の旨い日はそうないさ!」
武闘家「流石王都! 人も強けりゃ酒もいい!」
153
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 00:53:41 ID:PAdXhIlA
勇者「今この剣は重さがほぼなくなっています」
勇者「だからこのように僕の力でも背負うことができ……」
勇者「そして剣を抜くと、一瞬間を置いてから重くなるんです」
見回り兵B「ほんとうですか!? それはすごい……」
勇者「よかったら見てみますか?」
見回り兵B「いいんですか?」
勇者「いいですよ。減るものじゃないですし」
勇者(魔力は減るけど……ここは聖火を使っておきたい)
154
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 00:54:27 ID:PAdXhIlA
勇者(半人狼となる直前の人……その人に向かって聖火を使えばどうなるか)
勇者(なにも効果はないのか……襲い掛かってくるのか……)
勇者(それとも……)
勇者「ではいきます。剣を鞘から抜くと……」シュッ
見回り兵B「おお、思ったより無骨な……」
ズシッ…
勇者「っとと……このように重くなるんです。そして……」
勇者「聖火の魔法」
シュボッ
見回り兵B「!!」
155
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 00:57:45 ID:PAdXhIlA
見回り兵B→半人狼B「ウ、ウァアアアアア!!」バッ
勇者(変身した! やっぱり聖火に反応するんだ!)
半人狼B「ウゥウウ……」
勇者(距離を取られた……警戒されてる……)
勇者(そしてすごい表情だ……僕への殺意がビリビリと伝わってきてる気がする……)
勇者(僕から逃げるためじゃなく……殺すために隙を伺ってるんだ……)
勇者「……」チラッ
半人狼B「ガァ!」ダッ
勇者(よし、目線を外したら飛びかかってきた!)
勇者(この大振りかわして掌底を……)
156
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 00:59:51 ID:PAdXhIlA
勇者(いや、ダメだ!)サッ
半人狼B「ガッ!?」
バターンッ!
勇者(ふぅ、危ない……)
勇者(相手は鎧をつけているんだ……僕の腕力で迎え撃ったら骨が折れてしまう……!)
勇者(ここはうまく遠距離から……ん?)
半人狼B「ガ……ヴヴ……」バタバタ
勇者(転倒してる……自分の重心を分かってないのか……)
勇者「聖火の魔法を……箒に!」シュボッ
勇者(相手のリーチの外から……顔を狙う!)
バシッ
157
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 01:01:38 ID:PAdXhIlA
半人狼B「アアアァアア…」
ボォオオオ…
勇者「よし、浄化完了だ」
兵士「おーい!大丈夫かー!」
勇者「あ、兵士さん」
兵士「こいつは……!」
勇者「半人狼だったけど……問題なく倒せたよ」
勇者「もうすぐ燃え尽きる」
兵士「……」
158
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 01:04:11 ID:PAdXhIlA
魔導師C「勇者様、そちらは……」
勇者「大丈夫、友達ですよ」
兵士「ああ、友達だ……」
勇者「兵士さんも人狼捜索を?」
兵士「そうだ。 それで勇者、すぐに来てほしいんだが」
勇者「! 人狼が見つかったの!?」
兵士「いや……見つかったと言えばそうなんだが……」
兵士「生け捕りにできたんだ」
勇者「なんだって!?」
兵士「とにかくきて欲しい」
勇者「う、うん、分かったよ」
魔導師C「……」
勇者「大丈夫ですよ。行きましょう」
159
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 01:11:01 ID:PAdXhIlA
―牢屋―
兵士「ついたぞ」
勇者(ここは……あの剣士が入っている牢屋……)
勇者(そしてこのあたりは……女性の受刑者の部屋みたいだ)
勇者(人狼は男だと聞いていたけど……?)
メイド「うぅ……ぐすっ……」
勇者「め、メイドさん!?」
メイド「あ……勇者さぁん……」
勇者「一体どうしたの……その――」
メイド「わたし……わたしっ……」
勇者「耳! しっぽ! 後ろ足!」
メイド「人狼にされちゃいましたぁ〜〜!」
160
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/23(日) 17:08:39 ID:HLRMz9C6
生きとったんか!
乙
161
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/24(月) 04:31:35 ID:Y2Crc5kI
お、久しぶり乙
メイドちゃん前スレ振りじゃないか?
話の流れを忘れてしまった…
162
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/07/25(火) 00:29:03 ID:LFgFFn/Y
地味な話だったが漸く花が添えられたか
163
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/09(月) 00:34:15 ID:ekOb8.Jo
メイド「うぅぅ……」
勇者「な、なんで……どうして……?」
メイド「わかりません……朝起きたら体中がすごく熱くなって……」
メイド「あわてて薬を飲んだら気を失って……気づいたらこの姿に……」
勇者「薬?」
メイド「えっと……その……」
メイド「吸血鬼に渡された薬です……」
勇者「な!」
勇者「なんで言わなかったんだ!!」
メイド「ひっ……だってその……」
メイド「勇者さん……みんなに囲まれて……忙しそうだったから……」
勇者「……」
164
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/09(月) 00:36:10 ID:ekOb8.Jo
勇者(どういうことだ……?)
勇者(耳や尻尾は会話に合わせて動いてる……作り物じゃない)
勇者(メイドさんは明らかに半人狼になっている)
勇者(それなのに自我があって話が通じるのは何故なんだ? 今までと半人狼と違う……)
勇者「メイドさん、姿が変わってしまって……それからどうしたの?」
メイド「えっと……女僧侶さんといっしょにお城へ行こうとしたら……」
メイド「兵隊の人に見つかってここまで連れてこられました……」
勇者「女僧侶さん? たしか今屋敷でいっしょに暮らしてる……」
女僧侶「私ならここにいますよ」
勇者「な、なんで……牢屋の中に?」
勇者「まさか……」
女僧侶「心外ですね。 私は人間です」
165
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/09(月) 00:38:12 ID:ekOb8.Jo
勇者「女僧侶さん、メイドさんの話は本当ですか?」
メイド「……」
女僧侶「はい、今朝私が彼女の部屋に行ったときには既にこの姿で気を失っていました」
女僧侶「王宮魔導師や勇者様の考えを聞くべきと思い、彼女に布をかぶせ王宮へむかったところ」
女僧侶「声をかけられて私まで牢屋の中に……」
女僧侶「勇者様、ここから出してください」
メイド「わ、わたしも……」
勇者「……」
兵士「勇者、どうするんだ?」
166
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/09(月) 00:41:38 ID:ekOb8.Jo
勇者「兵士さん……?」
兵士「お前がさっき倒していた半人狼、オレの友達なんだ」
勇者「!」
兵士「っつっても1回話しただけだしよ、そう思ってたのはオレだけかもしれないが」
兵士「……ドラゴンから逃げ帰ってきた翌日。 徴集されたのは7人中オレとあいつだけだった」
兵士「5人は体か心をやられたから兵隊を続けられなくなったんだ」
兵士「2人して笑っちまったよ。……あんなことがあったのに続けるオレたちは馬鹿だってな」
兵士「その1回だ」
勇者「……半人狼と化したら人間には戻れない」
勇者「ああするしかなかったんだ」
兵士「ああ、わかってる。 お前は正しい判断をしたんだよな」
兵士「でもよ……でもよぉ……」
167
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/09(月) 00:44:21 ID:ekOb8.Jo
メイド「あ、あぅ……」
兵士「なぁ勇者、どうするんだ」
兵士「人狼は王都にとっちゃまずい種族なんだろ」
兵士「ここで判断を間違えたらシャレにならないんじゃないか」
勇者「それは……」
ドゴォオオ……!!
勇者「!!」
兵士「!!」
看守「た、大変だー!」
看守「上の牢屋にスライムが出た! 助けてくれ!」
兵士「っ……どうするんだ!勇者!」
勇者「……」
168
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/09(月) 08:47:15 ID:7q2EZ0pA
ガタッ
169
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2017/10/09(月) 13:40:52 ID:uW6Sgv/k
シビアやのう…
170
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:42:10 ID:g7zwHoZc
勇者「……」フゥー
勇者「聖火の魔法!」シュボッ
メイド「ひっ!!」ビクッ
勇者「兵士さん、この松明を」
兵士「……オレが持つのか?」
勇者「スライムが相手なら僕が行くべきだ。一番早く片付けられる」
勇者「でもこのタイミングで魔物が出てきたのは……多分偶然じゃない」
勇者「ここに敵がくると思うんだ。メイドさんと接触するために」
勇者「だからこの松明でそれを阻止して欲しい。頼めるかな?」
兵士「……」
兵士「ああ!わかったぜ!」
勇者「ありがとう。じゃあ行ってくるよ」
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:44:22 ID:g7zwHoZc
タッタッタ…
看守「この階段を上がったらすぐだ!気をつけろよ!」
勇者「はい!後は僕に任せて!」
看守「頼んだぞ!」
勇者(ここか!)
囚人A「どいてくれぇえええ!」
勇者「う、うわっ! なんだ!?」
ダッダッダッダ…
勇者(すごい速さで駆け抜けて行ったぞ……?)
狼A「ガルルッ!」
勇者「!」
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:47:25 ID:g7zwHoZc
勇者「聖火の掌底!」
バシッ
狼A「キャイン!」
ジタバタ…
勇者(心臓部に当てたのに体が燃え尽きない……?)
勇者(そうか、魔物じゃなくて普通の狼か)
勇者「でもなんでこんなところに……」
ゴゴゴ…
勇者「!!?」ハッ
173
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:48:27 ID:g7zwHoZc
ゴーレム「オォオオオ……」
囚人B「ひぃっ!こっちにきた!」
囚人C「た、助けてくれっ!」
狼B「グル……」
狼C「……」
勇者(な、なんだこの状況は!?)
174
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:49:50 ID:g7zwHoZc
勇者(檻が壊されている……それで囚人たちが外に出ているのか)
勇者(でも狼がいるから牢屋の外には出られてないみたいだ……)
勇者(この狼達はどこから来たんだ? もしかして人狼がこの場にいるのか……?)
勇者(それに……)
ゴーレム「オォーッ!」
囚人B「うわぁ!」
勇者「危ない!」バッ
ズゥウウン…
囚人B「あ、あんたは……?」
勇者「とにかく僕の後ろに!」
ゴーレム「……」
勇者(石の大男……? 初めて見る魔物だ……)
175
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:52:17 ID:g7zwHoZc
ゴーレム「オー!」ブンッ
勇者(腕の振りは速い、でも初動が大きいから避けられる……)サッ
ゴーレム「ク……」
ゴーレム「クルナ……ヨルナ……!」
勇者(衝動的な言葉……)
勇者(こいつは今生まれたばかりの魔物なのか……?)
囚人C(へへっなんか知らねえがあいつが化けもんの相手をしてくれてるみたいだな……)
囚人C(脱獄のチャンスってわけだ……)
狼C「バゥ!」
囚人C「っ!」ビクッ
ゴーレム「!」
ゴーレム「オオォ…!」
勇者(まずい!)
176
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:53:52 ID:g7zwHoZc
ダッ…
勇者(魔物を挟んで反対側に人がいる! 間に合わない!)
勇者(でも僕に背を向けた……攻撃するチャンスだ!)
勇者(心臓部なら……一撃で決めれば助かるかもしれない!)
勇者「聖火の掌底!」バシッ
勇者「っ!」
ゴーレム「オオ!」ブン
グチャッ
177
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:55:54 ID:g7zwHoZc
勇者(ダ……ダメだった……)
勇者(たぶん衝撃が内部まで届いてない……なんでだ?)
勇者(……体格差か!)
勇者(この掌底は上へ向けて打っても効果が薄い。 きっと力を伝える別の型があるんだ)
勇者(僕の技は武闘家さんの見よう見まねだから、応用の仕方が分からない)
勇者(早くこいつを仕留めないと犠牲者が増えてしまうのに……!)
狼B「ウォウ!」
ゴーレム「…!」
勇者(!)
勇者(なにかに反応した……奥にもう一人いる……?)
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 00:57:34 ID:g7zwHoZc
勇者(今度は助けてみせる……だから聖剣を使う!)
勇者(投げると魔物を突き抜けて巻き込んでしまうかもしれない……接近するしかない!)
勇者「行くぞっ! 聖剣抜刀!」バッ
勇者(心臓部を狙って……突く!)
ゴーレム「オッ!」グルッ
ザクッ!
勇者(っ! 狙いがそれた!)
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/11(日) 01:00:01 ID:g7zwHoZc
ゴーレム「クルナー!」ブンッ
勇者「くっ……」
勇者(攻撃は相変わらず大ぶり。問題なくかわせる……けど)
勇者(ここからどうする……?)
勇者(脇腹に聖剣が刺さってしまった……ドラゴンの時と同じだ……)
勇者(でもドラゴンと違ってこの魔物は"にぶい"……蹴りを入れても怯まないだろう)
勇者(隙を見て聖剣を引き抜くか……でも石の体内にガッチリ入ってしまってるぞ)
勇者(ならいっそ聖剣を足場にするか? あそこからなら掌底でまっすぐ心臓部を狙える)
勇者(よし――)
ズバッ!
勇者「!!」
「――――重いな」
剣士「こんな大剣、お前には過ぎた得物に見えるが」
勇者「あなたは……いや、お前は剣士!」
180
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/27(火) 10:29:35 ID:FzfTJ4/w
ああ、牢に入ってたんだっけ
前スレまで遡らんと分からんな……
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:37:15 ID:TxV6yx1Y
ゴーレム「コナイ……デ……クレ……」
ズズーンッ
勇者(倒れた……致命傷か)
剣士「お前とは言ってくれるな」
勇者「その聖剣は僕の5倍の重量がある」
勇者「石に埋まった状態で斬り上げるのは、人間の筋力じゃ無理だ」
剣士「……」
勇者「お前はもう……魔族となっているんだ!」
剣士「ほう……」
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:38:12 ID:TxV6yx1Y
剣士「ならどうする?俺を浄化するのか」
勇者「そうだ!聖火の魔法!」シュボッ
剣士「!」ピクッ
勇者「バンパイアに魅了された人間がバンパイアになる条件は……」
勇者「魔物が魔族になる条件と同じ!!」
勇者「人を殺し続けることだ!許すことはできない!」
剣士「……いいだろう。その勝負受けて立つ」ブン
ズゥゥウウウン…
勇者「!」
剣士「お前の剣なのだろう?早く拾って構えろ」
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:42:20 ID:TxV6yx1Y
勇者「いいのか? 敵に武器を渡してしまって」
剣士「館での負けは完全な形で返す」
勇者(聖火のついた箒を……まずは岩の魔物に)ボォオ…
勇者(炎の色が変わった……浄化完了か。このまま聖剣も軽くして拾おう)
剣士「どうした。早くしろ」チャキ
勇者(黒くて短い……ナイフ……?)
勇者(どうやってこの牢屋で用意したんだ……?)ボォ
ヒョイ カシャン
剣士「!?」
勇者(聖剣はとりあえず背負ったままにしておこう……)
勇者(相手が人型なら聖火をつけた箒のほうが取り回しがいい)
剣士「ま、待て。今のはなんだ」
勇者「……聖剣の特性だよ」
剣士「…………。 二言はない!かかってこい」
勇者(どうにもやりづらい……)
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:43:20 ID:TxV6yx1Y
勇者(いや、相手が人間だなんて思うな……もっと集中するんだ……)フゥー
勇者(相手のほうが動きは速い、リーチで勝っていても潜りこまれたら終わりなんだぞ)
勇者「よし……いくぞ!」ダッ
―――ズバッ
勇者(!?)バッ
剣士「……」チャキ
勇者(な、なんだ……?)
勇者(いったいなにがおこった……?)
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:45:58 ID:TxV6yx1Y
勇者「ハァ……はぁ……」
勇者(剣士の腕がいつの間にか上がっている……攻撃の動作にすら気づけなかった……)
勇者(とりあえず僕に怪我は無い……無意識のうちに躱せていたみたいだ……)
勇者(おそらく僕は箒を振る動きを途中で止めて後ろに下がった……?)
勇者(動きが見えないほど速い相手と勘だけで戦ってる……これじゃまるで……)
勇者(……)
勇者(クロスボウ!)ドシュ
キンッ
剣士「いまさらこんな玩具が効くか」
勇者(矢の先に刃の腹を合わせて流された……)
勇者(接近戦も飛び道具もダメ……これじゃまるでドラゴンと戦ってるみたいだ……!)
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:46:44 ID:TxV6yx1Y
勇者(ここまでレベルに差のある相手だったのか……)
剣士「どうした? 消極的だな」
勇者「そっちこそ……!」
勇者(勝つには聖剣を使うしか無い……でも警戒されている……)
剣士「……」
剣士「おい」
勇者「!」
剣士「勝負を中止しなくていいのか?」
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:48:01 ID:TxV6yx1Y
勇者「……どういう意味だ?」
剣士「人が襲われているぞ」
勇者「な、なんだって?」
剣士「こっちだ。ついてこい」
勇者「あ!ちょっと……」
タッタッタッ…
勇者(追うしか無いか……)
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:49:39 ID:TxV6yx1Y
――
メイド「……」
女僧侶「……」
兵士「……」
メイド「あの……」
ボォ…
メイド「ひっ……いえ、なんでもないです……」
兵士「ちっ……」
兵士「なんだよ、言いたいことがあるなら言ったらどうだ」
メイド「いえ……」
兵士「それとも魔物だから会話もできねえってのか」
メイド「……」
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:50:40 ID:TxV6yx1Y
メイド「……えっと」
メイド「私が初めてお屋敷に行ったときに、従業員の選別を手伝っていた人ですよね」
兵士「……」
兵士「そうだよ。それで?」
メイド「えっ! い、いえ……それだけです……」
兵士「……っ」
兵士「なんで……」
メイド「えっ?」
兵士「なんでお前だけ……なんであいつや先輩はよぉ……」
メイド「……」
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:51:21 ID:TxV6yx1Y
――
タッタッタッ…
剣士「……」
勇者(こっちはあの大きな音がしたあたり……)
勇者(つまり誰かがスライムに襲われているのか……?)
半人狼E「ガァアアアア!!」
魔導師C「ひぃっ!」
勇者「!」
勇者(囚人服を着た半人狼!)
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:52:30 ID:TxV6yx1Y
剣士「またこいつか」
ズバッ!!
半人狼E「グゥッ…!」
ドサッ
勇者(あの黒いナイフで胴を真っ二つに!?)
勇者(いや、あれは……ナイフじゃない)
勇者(半人狼の指か!)
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:53:28 ID:TxV6yx1Y
魔導師C「あ、ありがとうございます……」
剣士「……」
勇者(剣士と魔導師Cさんの間に入らないと……)タッ
剣士「ハァ……ハァ……見くびるなよ……」
勇者(なんだ?様子が……)
剣士「人質など使うと思うか……?」ギロリ
勇者(!! 赤い瞳……!)
バッ
勇者「あ、どこへ行くんだ!」
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:54:25 ID:TxV6yx1Y
勇者(すぐに剣士を追わないと……でもまずはこっちだ)
勇者「怪我はありませんか?」
魔導師C「はい。なんとか……」
勇者「このあたりにスライムがいたはずです。どこに行ったか分かりますか?」
魔導師C「スライム……?魔物のスライムのことですか?」
勇者「えっ……見てないんですか? でも確かに魔物が発生する時の大きな音が……」
魔導師C「大きな音は……この壁が原因です」
勇者「壁?……この大穴のことですか?」
魔導師C「はい。看守に壁の奥から音がすると言われて」
魔導師C「魔眼で見るとわずかに魔力反応があったので、みなさんを呼ぼうと思ったんですが……」
魔導師C「そのとき壁から魔物が……いえ、壁が魔物となって暴れ始めたのです」
勇者(大きな音は……あの岩の大男の……魔物の発生音と壁の破裂音だった……)
勇者「やられた…………!」
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/19(土) 00:55:38 ID:TxV6yx1Y
――
メイド「あっ」
兵士「今度はなんだよ」
メイド「だ、誰かきます……」
兵士「!!」
兵士(確かに足音が……!)
看守「おーい!オレだオレだ!」
兵士「ああなんだ、あんたか」
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/20(日) 11:53:26 ID:XK5sCXXY
ジリジリするなぁ
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/11(月) 11:28:28 ID:WWJ6NMtI
看守「上はもう魔物だらけだぜ。ひどいもんだ」
兵士「なんだって?」ボゥ…
看守「おっと、あんまり火を近づけるなよ。松明のマナーだぜ」
兵士「ん?ああすまん……」
看守「お前も加勢した方がいいんじゃないか?」
兵士「いや、オレはこのメイドを見張ってろと勇者に頼まれてるからな。ここにいる」
看守「ならもう少し警戒しろよマヌケ」
兵士「……あん?」
ゴッ!ガンッ!
兵士「ッ…!?」ドサッ
看守「さてと」
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/11(月) 11:30:47 ID:WWJ6NMtI
メイド「ひ、ひぃっ……」
看守「怯えることは何もないぞ」
メイド「ひ、人殺し……」
看守「頭をぶつけて気絶してるだけだ、あれぐらいじゃ人は死なねえよ。それよりも……」
看守「まずはおめでとう」パチパチパチ
メイド「……?」
看守「お前はこの世でもっとも自由に生きる権利を手に入れたんだ」
看守「もっと喜んでもいいんだぞ?」
メイド「なにも……嬉しくないです」
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/11(月) 11:31:57 ID:WWJ6NMtI
メイド「こんな姿じゃもうメイドのお仕事もできないし……」
メイド「お友達も作れない……勇者さんにも嫌われちゃった……」
女僧侶「……」
看守「できるさ。なにも不可能なんてない」
看守「お前は何も失っちゃいないんだ。人間と仲良くなってメイドの仕事だってできるし……」
看守「城の舞踏会で踊ることもできるだろう」
メイド「なっ……!」
女僧侶「さっきから聞いていれば意味不明なことばかり……」
女僧侶「あなたは何者なんですか。ここの看守ではありませんね?」
看守「この体は正真正銘看守のものだぜ?」
看守「ただ……」
ゴゴゴゴゴ…
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/11(月) 11:34:44 ID:WWJ6NMtI
バキッ ミシミシ…
看守「ぼちぼちこの牢屋は崩れるな」
メイド「ひっ……!」
看守「大丈夫。お前ならすぐ地上へ脱出できる」
メイド「う、腕が……」
看守「腕?あー……本当だ。さっきの聖火の熱で体が崩れてきてるな」
女僧侶「死体を操っていた……なんと罰当たりな……」
看守「そのとおり。この体を――から――てるんだ」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/11(月) 11:35:24 ID:WWJ6NMtI
看守「あーいかんな――が切れ――――だけは言わ――」
看守「メイド」
メイド「!」
看守「まずはお前自身を信じることだ。例えば」
看守「その――子に――ない」
ドサッ ゴロゴロゴロ…
メイド「ひぃっ!」ビクッ
女僧侶「首が……」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/11(月) 11:37:24 ID:WWJ6NMtI
グラグラグラ…
女僧侶「まずいですね」
女僧侶「どうやらここが崩れるのは本当のようです」
女僧侶「それまでに誰かが助けに来てくれればいいのですが……」
メイド「……」
パキンッ
ギィー…
女僧侶「えっ……?あなた今なにを……」
メイド「えっ? だって……最後に言っていたから……」
メイド「"その鉄格子にカギはかかってない"って……」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/12(火) 09:42:02 ID:cetjJcfQ
ふむ
乙
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