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みんなで文才晒そうぜ part2

7以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/19(日) 12:44:39 ID:XMUK8Kjs
何気にお題のハードルが高いな……

8以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/19(日) 13:16:46 ID:ci6JHKCE
お題はネタが思い浮かばなかったときのヒント程度の認識でいいんだろ?

9以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/19(日) 16:00:33 ID:VvQ8RD0M
何の為のお題だよw

10以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/19(日) 18:54:13 ID:xzjg.maA
スタンド戦は格闘に入るのだろうか?

11以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/19(日) 18:55:44 ID:YAYljyjk
いや>>8は「そんなにお題を重要視しなくてもいいんだろ?」って言いたいんじゃないか?

12以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 02:26:46 ID:kLaf6elM
久しぶりに来たらちょうど前スレ完走してるのね
雰囲気もいくらか変わってそうで怖いけどまあいいや

13以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 02:28:21 ID:kLaf6elM
夕食後、コーヒーを飲みながらテレビで野球を見ていると、ドアをノックする音がした。僕はテレビを消し、残りのコーヒーを飲み干し、それから立ち上がって大きく欠伸をした。
時計を見ると8時半を回っている。ノックがもう一度、今度はせかすようになった。客人は一刻も早く僕と会いたがっているようだ。僕ゆっくりとドアを開けた。そこには妙な格好の女がいた。

      🐸              🐸               🐸             🐸              🐸

「わるいけど、ちょっといいかしら」と女が言った。「なに、時間はかからないわ。とりあえず上にあげてくれない」
 女はそういって僕の返事を待たずに家に上がると、さっきまで僕が座っていたソファーにドスンと腰を下ろした。ソファーの上には快楽天が置いてあったので、僕はいささかばつの悪い思いをしたが、女は特に気にしていないようだった。
「それで」と僕は気を取り直していった。「これはつまりどういうことなんだろう。いったいあなたはどういう人で、何をしにきたんだ」
「まあ突然のことで驚かせてしまって申し訳ないとは思うわ。でもこれはあなたが知らなくてもいいことよ。私たちの問題なのだから」
「だけどここは僕の家だよ。僕の家で好き勝手されては困るんだ」
「あなたの家?ああ、そういえばそうだったわね。でも私からすればそんなことは関係ないのよ。それよりコーヒーをごちそうしていただけないかしら。この仕事って結構疲れるのよ」
 女はそういってはテレビをつけるとチャンネルを変え、サスペンス・ドラマを見始めた。
 やれやれ、と僕はため息をついた。まともに話も通じないみたいだ。それからあきらめて台所でコーヒーを作った。冷蔵庫の中に賞味期限の迫ったチーズ・ケーキがあったので一緒に持っていくことにした。
 ガールフレンドを家に呼んだ時に一緒に食べようと思って買ったやつだ。その彼女とは三日前に別かれてしまった。きっかけは些細なことだったが、ずいぶん前からぎくしゃくしていたしこうなるのも時間の問題だったのだろう。
 居間に戻ると、女は神妙な面持ちでサスペンス・ドラマを見ていた。
「コーヒーなんだけど」と僕は言った。「ミルク切らしているんだけど大丈夫かな」
「ええ、ありがとう。迷惑をかけてしまってすまないとは思っているのよ、一応は」
 女はそういうとまたドラマの世界に入って行った。

14以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 02:29:01 ID:kLaf6elM
結局女は二時間以上ドラマを見て、その間にコーヒーを3杯とチーズケーキを二つ食べた。
「さて」と彼女はテレビを消して立ち上がった。「そろそろ仕事のほうも片付けないといけないわね」
 女はそういうとポケットから奇妙なステッキを取り出して、僕のベットの足を3回こつこつこつとたたいた。すると、ベットの下から紫色の芋虫が出てきた。直径2センチ長さ2メートルぐらいだろうか。
 女はそれを摘み上げると、ゴミ袋に入れ、芋虫をその上から足で何度も踏みつぶした。袋の中は紫色の体液で染まっていった。


「仕事は完了したからもう帰るわね。チーズ・ケーキありがとう。おいしかったわ」
 そういうと女はかえって言った。
 僕は残された紫芋虫の残骸をどうするべきか悩んだ挙句に、それをミキサーにかけてトイレに流した。
 僕はトイレの紫色の渦を見送ると、ベットに入った。芋虫を吐き出したベットはいつもより心地よく感じられて、僕はすぐに深い眠りに落ちていった。

15以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 07:32:07 ID:DBUPRovg
>>10
「格闘」って言うと生身で殴り合いをするイメージだな
スタンドとか、能力で闘うのは違うんじゃないか

16以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 16:22:25 ID:.03.uwJw
・作品を晒すときはageるように
ってテンプレも必要そうだな
過疎防止のためにも

17以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 17:35:54 ID:Z21sdTqA
>>13
世界観好き
紫の虫の元ネタ探したけど結局分かんなかった

独特の雰囲気が面白かったけども、
一人称視点なのに三人称の表現が混ざってるのが気になった
それでも俺にはよかったけどね

>>16
過疎に怯えすぎワロチ
そこまで自己主張の強いスレは気持ち悪い
適度にageていけばいい

18以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 21:10:32 ID:DVIUELqA
>>17
いや無理強いまではしないが積極的にageていった方がいいのも事実だろ
そうじゃなくても前スレが過疎ってたんだし

19以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/20(月) 22:40:43 ID:LX62R7LY
>>13
多分、いつもの訪問客の人だよね
月見とか家族連れとかの
雰囲気が村上春樹に似てる
好きなのかな

20以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/21(火) 01:29:27 ID:U2cR4N8c
>>19
3か月ぐらい来てないのに覚えててくれてるのね
批評サンクス、これからまたしばらくお世話になるわ〜

21以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/21(火) 04:46:09 ID:Z4dMJSTs
 僕が部屋でゲームをしていたら、妹がやってきた。

「兄ちゃん、お母さんが呼んでるよ」

「何で?」

「ジャムのフタが開かないんだって。お母さん、ああもう! とか言いながら、今、必死でビンと格闘してるよ。兄ちゃん、お母さんより力あるでしょ?」

「そりゃそうだけどさ……。今、雷避けてる途中だから。ようやく100回越えたところだし」

「兄ちゃん。行きなよ。怒るよ」

 妹が睨みつける。仕方なく僕はポーズボタンを押してゲームを一時中断した。タイミングがわからなくなって多分失敗するだろうな、と思いつつも。

「母さん、台所か?」

「うん。早く行きなよ」

 やれやれ。妹に急かされ僕は台所へと向かった。多分後ろを見たら、監視するように妹は突っ立っているんだろうな。実際、見ていないから想像でしかないけどさ。

22以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/21(火) 04:47:50 ID:Z4dMJSTs
 台所に行くと、母さんは確かに『昏き者の眷属』ーービンと格闘していた。拳が茜色に光っているところを見ると、母さんも本気のようだ。『ヴァンフェローヌの錬舞撃』を使っている。そうそう見せる事がないのに。

「この世に非ず者共に告げる。在るべき世界へと帰りなさい! 暄! 烈! 砕っ!!」

 母さんが放った三連撃は蒼色の『ヒュジュラ』を纏って、ビン三体を完全に核から破壊した。当然の事だが、ビンは音もなく塵と化した。その間、僕は冷蔵庫を開けて牛乳を取り出していた。行儀悪く、パックに口をつけてそのままごきゅごきゅ飲み干す。

「で、母さん。僕はいつものようにジャムのフタを開ければいいの?」

「ええ、頼むわ。その間、母さんはこいつらを抑えておくからね! 覚悟しなさいよ、あんたたち!」

 ビン共に向かって、ギロリ、と睨みつける母さん。それを見て明らかにやつらは怯んだ。その間に、僕は丁度いいからと床に牛乳を垂らして『闇極陣』を描いていく。

「……悠久の離れより現れし森羅の王、ジャムシードへと告げる。今、その世界を閉ざし暗黒の彼方へと放った扉をここに出現させよ。繰り返し、告げる。我は叶える者の王なり……」

 徐々に空間が壊れ始めた。が、そうはさせじとビン共が僕に襲いかかってきた。それを母さんが一体一体なぎ倒して、更には蹴散らしていく。

 瞬間、まばゆいばかりの暗黒色の光。暗闇の彼方への扉が……開いたのだ。僕は片手を上げて、そこに『ヒュジュラ』を集中させた。

「今こそ闇の蓋を開けよ! ルキアイリュテージッ!!」

 まるで氷山がくだけ割れるかのように、空間に亀裂が一斉に走る。その割れた亀裂へと、ビン共が嘆きの絶叫を上げながら次々と呑み込まれていく。一匹も残さずに。

 僕はその光景を眺めながら、残った牛乳をゆるゆると飲み干していった。部屋に戻ったら、あと91回、雷避けないとな、なんて事を思いながら。隣では、母さんが今晩の夕飯を決めたようだ。「お好み焼きにしようかしら……」とか、そんな事を言っていたから。

23以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/21(火) 04:51:25 ID:Z4dMJSTs
書いてて楽しかったな、こういう痛い感じのは。いつかきちんと書いてみたい(適当)

2レス失礼。分けたかったので分けました

24以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/22(水) 01:03:45 ID:IsILy7lc
楽しそうよね、うん

ぼくも次これで書いてみたいと思った(コナミ)

25以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/22(水) 02:12:14 ID:X.ZOs8SY
己を理解したければ周りを学べ。周りを理解したければ世界を学べ。
学んだ大は、いずれ小へと凝縮される。武と知は共に依存にある。

それを聞かされた当時の俺はまだ幼く、師匠がたまにぼやく言葉は摩訶不思議な呪文だった。
庭に咲く花の名前を覚えたところで、自分の何が分かるのだろうか。
俺の体は花壇に生えているわけではない。地に足をつけているが、根は生やしていない。

真剣に武道を語り、稽古をつけてくれた先生に強い憧れをいたからこそ、
その話は理解しがたく、されるたびにアレルギーに近い拒否反応を出した。

俺が知る武道と勉強は、水と火の関係である。
難問を解いても筋肉量は増えない。その時間分だけ体は衰えていく。
練習相手に向かって突きを放っても博識にはなれない。
せいぜい間合いを学ぶだけだ。だから火と水だった。

火に水をかければ根元を燻ぶらせてたちまちに消えてしまう。
逆に、水を火にかければ湯気を立ち上らせてしだいに全て蒸発してしまう。

天真爛漫に悪戯好きが加わる年齢を迎えていたこともあり、
人生の5倍以上を生きる師匠に「どっちかで十分じゃないの?」と反論に近い質問をすると、

「いずれ理解する時がくる。わしの知る世界を語ったところで、坊にとっては童話に等しい作り話よ」

そう言って、どこか遠くを見ながら長く伸ばしている白い顎鬚を五本指で梳いたのだった。

師匠の言葉がふと頭の中に浮かんできたのは、それから6年が経っていた。
例年よりも遅れて雪が降ったらしい。窓から見える景色は既に冬の色に染まっていた。

勉強疲れの睡眠から目覚めたのは土曜日の午前11時。
体力の衰えと知識の大切さを思い知った高校3年生の寒い冬だった。

26以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/22(水) 02:16:19 ID:X.ZOs8SY
ここのは考えて書かないとオチどころか全体が弱くなるな
筆の赴くままに書いたけどこれが限界だしやり切った感もあるから投下
煮るなり焼くなり好きにして

27以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 17:23:53 ID:iEc36/wQ
順調に過疎化が進んでますね

28以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 20:24:06 ID:KO1hS3Nc
(ま、まずい!)

そう思った男が半歩ほど飛び退いた瞬間、不良の脚が男の鼻をかすめた

ビッ

驚く男。そこに、間髪入れずに不良の拳が雷のような速度で叩き込まれた。

男は悶絶し、地面に倒れた



やべえ文才ねぇ

29以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 22:37:47 ID:hlMZlQ/s

目覚まし時計の喧しい鳴き声は、氷のように冷たく耳に響いた。
さっさと黙らせてもう一眠りしようと思い手を伸ばしたが、
目覚まし時計はどこにあるのだろうか。布団の中からでは何も見えない。

だからといって布団から顔を出して確認するのは億劫だった。
せっかく温まった布団内に冬の外気が入り込んでくるのは、どうしても避けたかったのだ。
だからはやく黙ってくれ、と俺は祈った。眠りたいんだ。

しかし、俺の気など知るはずもない目覚まし時計は、義務的に冬の空気を揺らしている。
あいつには耳がないから、あんな不快な音で鳴き続けられるんだろうな、と内心でつぶやいた。
それから耳を塞ぎ、無視を決め込むことにした。
あと数分耐えれば目覚まし時計は諦めて静かになり、俺は闘いに勝利することになる。

孤独な喧騒の中で、目覚まし時計の事を想った。
どれだけ持ち主に嫌われようと、決まった時間に朝を叫ぶというのは、どんな気分がするのだろう?
仕事だと割りきってやっているのだろうか? そうでもしないとやっていられないのではないだろうか。
でも、そうじゃないとしたら? 持ち主の事をほんとうに想っているとしたら?
仮によろこんでやっているとしたら、俺は悪いことをしてしまっているのかもしれない。
ほんとうは目覚まし時計というのは、健気で可愛げのあるやつなのかもしれない。

だからといってその健気さが、俺を布団から引きずり出すわけではない。
それとこれとはべつの話だ。愛と欲は別物なのだ。

しばらくすると、目覚まし時計は泣き止んだ赤ん坊のように静かになった。
今朝の格闘はお前の負けだ。ざまあみろ。
俺はほくそ笑みながらあたたかい息を吐き出して、布団に身を沈めた。
意識が毛布に吸い込まれて、瞼の上に重みがやって来る。
今日が月曜日だろうと、知ったことじゃない。俺は眠りたい。

30以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 23:38:29 ID:ZBvKybFI
なんだか懐かしい臭いがする

31以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/25(土) 01:02:48 ID:n4R0Wgmc
投下ついでにまだ評価されてないやつのにおだやかな感想込みの批評してみ
それだけで過疎じゃなくなるから

32以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/25(土) 13:44:34 ID:3vNC8IV.
 それは、俺と奴との真剣勝負だった。
 暴れまわる奴は、押さえつける俺の手をいともたやすくすり抜け、まるでおちょくるように跳ねる。
 しかし、俺と比べて圧倒的に小さな体は簡単に捉える事ができた。
 睨みつける奴を一瞥し、包丁を首につきつけた。
 やはり抵抗するか……。腕を叩いてくる。
 そんな些細な事は気にさない。尻から頭にかけ、内蔵を傷つけぬように身を削ぎ落とす。
 噛みついて抵抗する奴を無視し反対の身を削ぐ。
 薄く切りやつの上に並べてやる。奴はいまだに反抗の意思があるらしい。
 惨めに睨みつける『奴』に俺は目もくれず。4人の観客に頭をさげた。
 たった数分の格闘だが、今日も完全勝利だ。

33以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/25(土) 16:04:07 ID:UUMIjxpc
>>32
8行目でやっと気づいた

34以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/26(日) 21:13:11 ID:8mU5gj6c
ゴッ

いきなり放たれたハイキック。それを簡単に肘で止めると、男の右手が不良の喉を突いた

呼吸ができなくなる苦しみに倒れ込む不良。

力がうまく入らない脚を無理矢理に立たせようとする不良だが、そこにもう一撃が叩き込まれた

男の膝蹴りが不良の肋骨を捉えたのだ。

辺りに音が響く。不良の肋骨は完全に砕かれた



無理だわ地の文

35以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/26(日) 22:47:32 ID:ofsFk3t6
>>34
ゴッ
とかいう表現を変えるだけで地の文ぽくなるよ

ぶんっ、という鋭い音と共にいきなりハイキックが放たれた
みたいな感じで

あと、慣れない内は一人称で書いた方が書きやすいかな

36以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/26(日) 23:09:49 ID:7xnJ5wpQ
どかーんと音を立てて爆発した
と同じでダメだろ
ケータイ小説ならありかもしれないけど

37以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/27(月) 00:56:16 ID:d/sgnOag
負けを悟り、項垂れる。相手は強い。確実にこちらの玉を詰ますであろう。相手の次の手が今自分が想定している手ならばもうこちらはどうすることもできない。

パチリ

駒音がした。盤面を見る。やはり、想定していた手だった。背筋を正し、深く息を吐く。

「負けました」

38以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/27(月) 01:16:27 ID:d/sgnOag
深く頭を下げた。生まれてこの方初めての決勝という大舞台は強敵相手に奮闘するもやはり敵わず、といったところか。相手の強さ、場の雰囲気、そして対局。全てに対して果敢に立ち向かい、敗れた。両者ともに持ち時間を使い果たし秒読みに入ったのが遠い昔に思われる。持ち時間15分、使い果たした後秒読み30秒の規定で一時間半近い戦いである。長い長い孤独な頭脳の格闘は、終わりを告げた。

将棋という「頭脳の格闘」ということで一つ。

39以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/30(木) 22:30:30 ID:qp.fOc5w
過疎がヤバイヤバイ
とりあえずあげるのと次のお題↓1でいいよね

40以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/30(木) 23:14:35 ID:ghzUoElo
麻薬

41以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/31(金) 02:00:34 ID:/M.4we.o
>>39
たかだか三日で過疎は言い過ぎ

42以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/05(水) 21:52:00 ID:sziQm6s6
あげ

43以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/10(月) 16:27:47 ID:Fp9VZcPw
age

44以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/14(金) 23:06:16 ID:NmblH2P2
大人たちってば、皆タバコを吸ったり、お酒を飲んだりする
僕は、なんでだろうと思っていた
ママの吸うタバコは、煙がとても嫌だし、パパが飲むお酒は、足がふらふらになっちゃう
そうすると、他の人にも迷惑をかけちゃう
それなのに、やめないのはなんでだろうと思っていた

……試しに俺は、一本だけと思って、母さんのタバコを吸ってみた
試しに俺は、一杯だけと思って、父さんの酒を飲んでみた
すぐにやめればいい、そう思っていた

やめられなくなった
また、タバコを一服吸いたくなる
また、酒を飲みたくなる

お袋や親父は、とても早くに亡くなった
俺が若いうちに、亡くなった
お袋は、肺がんで死んだ
親父は、車に跳ねられて

大人がタバコや酒をやめない理由が分かった時には、もう遅かった
やめない、ではなく、やめられないのだ
俺は、恐ろしい麻薬の立派な中毒者になっていたのだった

45以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/15(土) 14:34:40 ID:Eh8LPz9.
>>44
酒や煙草は=麻薬ではないと思うが。
子供の視点と大人の視点の書き分けがいいね。

46以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/17(月) 15:29:54 ID:r4cHZHpM
 快楽は浸れば浸るほどドツボに嵌るという。
 私にとってそれはウサギだった。

 偶然譲り受けた仔兎だったが、よく噛みついてはサークルから脱走をした。
 部屋の隅で震える兎に、呆れつつも癒やされていたのは記憶に新しい。
 癒やしと快楽は脳の同じ働きだというのにこんなにも響きがちがうのかと思った事もある。

 日に日にウサギは何をして居るのか気になり仕事が手につかず、怒られるようになった。
 そんな時はいつもウサギに癒やされていた。
 しかし、一年も経たないある日、そのウサギは死んだ。食滞だった。仕事で忙しくブラッシングできなかったのが原因だった。

 それからだ、気がつけばサークルの中から音がする。何もいないのに。
 ウサギが跳ね回る姿が見える。もういないのに。

 心が、脳が、体が、ウサギを欲しているのだ。脳内麻薬だとはよく言ったものだ。私はウサギに癒やされていたわけではなかった。
 それを知らずのうちに義務だとごまかしていただけだ。本当は己のエゴでウサギに接していた。
 もう飼わないそう決めたのに、気が付けばペットショップの自動ドアをくぐっていた。

47以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/17(月) 18:02:25 ID:.IrwhKT6
 この記録を誰かが見る事を期待して、私はここにありのままの事実を残す事にする。

 我々がこの星に来たのは、調査と研究の為だ。この星には遥か過去に文明があったという幾つもの証拠があり、私達の研究チームが降り立った島には遺跡の残骸と思われるものがわずかながら残っていた。
 そこをくまなく調査する事、三年。この星にいたと思われる生命体の生態系はもちろんの事、果ては文化や民族性、娯楽や食習慣まで我々は調べあげたのだ。これはかなりの成果だったと私達は自負している。
 その中の一つに、料理があった。研究チームの一人が興味本意と知的探求心からこれを見事に再現し、我々はこの星の知的生命体が食べていた料理を現代へと甦らせたのだ。

 しかし、それはとんでもない過ちだった。

 菓子とされていたこの料理は、実は麻薬だったのだ。

 いや、この星の生命体にとっては確かに菓子だったのかもしれないが、我々にとってこの料理は完全に麻薬だったのだ。しかし、その事に気がついた時には既に手遅れだった。研究チームの全員がそれをもう食していたのだから。

 カリッとした食感に適度な塩味。一口食べたら、不思議ともう一口食べたくなる。もう一つ、あともう一つとまるできりがない。気がつくと体はもうそれしか受け付けなくなる。
 繰り返す。これは危険な麻薬だ。この記録を発見した君達はこの食品を決して口にしてはいけない。これはとてつもなく危険な麻薬だ。やめられない、止まらないのだから。
 繰り返す。これは危険な麻薬だ。やめられない、止まらない。やめられない、止まらない。やめられない、止まらない。やめられない、止まらない……。やめられない……。止まらない…………。やめら……………………。

48以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/17(月) 18:03:51 ID:.IrwhKT6
ステマじゃありません……(震え声)
コンビニに行ったら何故か思いついただけだから

>>46
ふと、山崎まさよしの有名な曲を思い出した
こんな所にいるはずもないのに♪
これ見た後だとなんか怖くなってきたわ……

49以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/17(月) 18:16:35 ID:Wv3UMDmo
カリッとした食感で気付いて吹いたわ
でも好きよ

50以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/17(月) 19:04:29 ID:FOzAegtk
いいか? 古臭いと、時代遅れだと罵るなら好きにするがいい。
ただしそいつはこれから三分間、まずは最初のナンバーだけでも、耳をつんざき腹わたをひっくり返すアンプの音圧に耐えてからにしてくれ。それで伝わらないならそれまで、お前にゃ合わなかったってだけの話、好きに罵倒してくれて構わない。

例えば酒、例えば異性、例えば喧嘩、人の感情や精神を昂らせる要因は様々ある、それ位は理解できるだろう?

だけどコイツはちょっとレベルが違う。

お前に体験しろとは言わないし、決してお勧めもしない。何故ならコイツは違法だし取り返しのつかない行為だからだ。

でも常軌を逸したその感覚は、時に常軌を逸した旋律を生んでくれる。これからお前が味わうのは、その力を借りた俺が可能な限りその力を具現化した音達。文字通り命を削って吹き込んだ、法を外れたメロディだ。

この前、僅か10歳だという少女が俺の元に駆け寄って『貴方の曲に勇気を貰った』って言いやがった。薄汚れた俺が、精一杯に輝いたふりをして表現したナンバーが、濁りひとつない彼女に力を与えたなんて余りに出来の悪いジョークみたいだろ?

だけどその後、涙が止まらなかった。

決して褒められた物じゃない、ダーティな昂りを得て作った俺の魂の欠片達は、汚れてなんか無かったらしい。

いや、いいんだ、感傷的になっちまった。

だから三分間だけ時間をくれよ。きっと最高の中毒性と暴力性を持ちながら決して身体は蝕む事の無い、世界最高のドラッグだと約束しよう。

近い将来、俺がオーバードーズでおっ死んだら、どうぞ笑ってくれ。俺の遺すドラッグに心を蝕まれた奴らが、運び出される俺の棺が見えなくなるまでコールしてくれたら、それでいい。

時代遅れでも、俺はその言葉通りに生き、そして殉ずるんだよ。

さあ! イントロだ、コールを! 力の限りのコールを!

「SEX! Drug! Rock'nRoll!」
「SEX! Drug! Rock'nRoll!」
「SEX! Drug! Rock'nRoll!」

51以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/17(月) 19:05:52 ID:FOzAegtk
真っ正面から麻薬そのものでいってみた
ドラッグを美化する意図は無いです

52以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/20(木) 21:00:44 ID:sOGl.HSs
「依存と中毒を混同しちゃだめだよ。知っているのと知らないのとじゃ、大違いなんだからね」

男に負ぶわれた女は、それだけ言うと満足したのか、鼻を鳴らすと男の背中で背筋をぴんと伸ばした。
両肩にかけられていた腕の重みが消え、そのかわりに背中の下半分と足を抱える腕に体重が加わる。
男は不意打ちの体重移動に一瞬よろめいたものの、姿勢を前屈みにすることで転倒の危機を回避した。

「それは新しい自虐ネタか?」

背負われていながら高説を垂れ流す度胸に対して、男は皮肉を込めた嫌味で返した。
再び背中に柔らかな感触が戻ると、今度は目の前を人差し指が羽虫のごとく飛び回る。

「自虐なんてとんでもない。胸に手を当ててお考えなさい。心当たりがきっとどこかにあるはずです」

人差し指が男の額にぴたりと止まる。頭を振ってそれを追い払うと、視界外から笑い声が聞こえてきた。
高校生にもなっておんぶ。これがどれだけ男の羞恥心を煽っているかなど、女が気付いている様子もない。
というか、再び額から飛び立った指先が鼻の頂点に着地した時点で、その心遣いは皆無だと知れた。

「足を挫いた、なんざ言い出すから仕方なくおぶってやっているのに、随分と生意気なことを言うな」

背中を下がってきた女の位置を正すために小さく跳ねる。
背後のふくらみが肩甲骨の下部から上部に移動し、その重みが位置調整は完璧だと教えた。

「覚えてるか? 挫いたのは今日で5日連続。俺だってそろそろ演技を疑い始める頃だぞ」

「痛がったらまたおんぶしてくれる?」

「……そのときの気分しだいでな」

男の広い背中の固さに。女の豊満な胸の柔らかさに。
もう少しだけ異性の感触を味わいたい2人は、また明日も足を挫くかなと思った。

53以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/20(木) 21:18:18 ID:sOGl.HSs
ほとんどこじつけなのは勘弁

54以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/20(木) 22:01:09 ID:JyFechKs

硬いベッドから跳ね起きた俺は、手の甲で額の汗を拭った。
夜光塗料が塗られた時計の針はちょうど深夜0時を指し示している。

そのままもう一度眠ろうと思ったが、うまくはいかなかった。
とりあえず、妻を起こさないようにそっと台所に向かい、コップ一杯の水を飲んだ。

寝室に引き返そうとして歩きはじめた時、俺は窓の外に人影を見つけた。
俺は目を瞬きながら、その人影を見ていた。

まただ。またあの亡霊が現れた。

亡霊は言う。
「なあ、お前の隣で眠っているあの女は、ほんとうにお前の妻なのか?」

俺は亡霊の言葉に耳を傾けず、早足で寝室に向かった。
でも俺は背後からついてくる乾いた足音を聞いた。
振り返っても、そこにあるのは夜の不穏な闇だけだった。

亡霊は言う。
「お前がホンモノだと思っているそれは、ほんとうにホンモノなのか?」

寝室の戸を開け放ち、身体を隠すように布団に潜り込んだ。
膝を折り、手を合わせて平穏な朝を祈った。

寝室の窓が、こつこつと音をたてた。まるで誰かがノックでもしたように。
俺は両手で耳をふさいで、布団の中で壊れかけの洗濯機みたいにがたがた震えた。

55以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/20(木) 22:02:58 ID:JyFechKs

突然、布団が剥がされた。俺は咄嗟にベッドから転げ落ちるようにして、扉の方に逃げた。
ベッドの方に目をやると、亡霊がこちらを見ながら、ナイフを持って立っている。

亡霊の背後の窓にかけられたカーテンが、ふわりと浮いた。
それはもう一体の亡霊が現れたように見えた。

そう思った矢先、今度は妻が寝ていたはずのベッドから、もう一体の亡霊が現れた。
二体の亡霊はゆっくりと俺に歩み寄ってくる。

亡霊は俺の首にナイフを突き立てて言う。「なあ、死ぬってのはどんな気分がするんだろうな?
個人的な意見を言わせてもらうとさ、たぶん、信じられないくらい気持ちいいと思うんだよね」

亡霊は大きく口元を歪め、ナイフを俺の目に突き立てた。俺は絶叫した。

「うるさいな、まだ目を抉っただけじゃないか」

抉られた目からは、数えきれない程のムカデが這い出してきた。
その瞬間に、見えるもの全てがかたちを失って崩れていった。
それは空気に溶ける煙草の煙にすこし似ていた。

そんな混濁した世界でも、一つだけがかたちを保っていた。もう一体の亡霊だ。
俺は頭を抱えて叫び続けた。どこに逃げればいい? どうすればいい?

やがて亡霊は歩みを止め、俺を強く抱きしめた。
亡霊からは落ち着く香りがした。それは妻のにおいにとても似ていた。

亡霊は言う。
「大丈夫……大丈夫よ。ここにあなたを脅かすものは何もない。
ぜんぶニセモノよ。だから落ち着いて……幻覚なんかに負けちゃ駄目よ……」

56以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/20(木) 22:18:48 ID:828j8cG.

僕は、良い子だ。
良い子に育った。
良い事はだいたいした。だいたい知った。悪い事はだいたいしなかった。だいたい知らなかった。

歳を取って、僕は自分で自分を育てる事となった。
僕にとって、目新しい事はあまり残っていなかった。あるフィルターを掛けられた事を除いて。

悪い事だ。

前提から除外されていた領域への探検は、僕の好奇心や探究心を大いに満たした。
だからした。何度もした。
次第に、掛けられたフィルターを外す事に欲を直結させていった。
すると、社会を覆う大きなフィルターにすぐさま気付いた。法だ。
それも外した。何度でも好きなだけ外せるように、そのフィルターから逃げ続けながら。

悪い事はだいたいした。だいたい知った。
目新しい事は、あまり残っていなかった。

しかし、また良い事をする事は出来なかった。
そのまま死んだ。

57以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 13:28:30 ID:6uVGTmFg
そろそろ次のお題いってもいいよな
お題↓

58以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 13:42:03 ID:UDaRxG.A
『消失』

59以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 14:19:21 ID:JPSombRY
「え・・・?」

SSのデータが消えた。莫大な絶望が男にのしかかった

「・・・」

男は呆然としてPCの画面を見ることしかできなかった

SSのデータ。ただの文書が消えただけだが、男の気を狂わせるには十分だった

「あああああああ」

数日後、男は警察に連行された

60以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 15:25:17 ID:6uVGTmFg
風が吹けば桶屋が儲かる。今の時代は学生が喜ぶ。なにせ電車が止まる。
雪に強いのが自慢の田舎の電車でも、横からの吹き付けには予想以上に脆かったりする。
最も足の速い電車が麻痺した影響を受け、学校は臨時休校をホームページ上で報せたそうだった。

「学校に来た時間が無駄だあ? 文句があるなら特別授業を付けてやってもいいぞ」

玄関で連絡係を任された生徒指導の教師に挨拶代りの愚痴をこぼすと、
なんとも嬉しそうな笑顔でまったく嬉しくない提案をしてくれた。
国が定めた祝日以上に気分が昂ぶる休みの日に、
なんでわざわざ平日をなぞって過ごす必要があろうか。

武骨な体育教師からのありがたみ皆無なお誘いを丁寧に辞退し、
けれども済ませるべき用事があるので教室に向かうことにした。
筋骨隆々いわく、「昼過ぎまでは帰らないから、それまでは良識の範囲内で好きにしろ」
だそうで、こっちの言葉には素直に甘えることにしたのだ。

誰もいない廊下を歩くのはなんとも気分がいいもので、自分の足音だけが
長い一本道に響く感覚は、小学生の頃に作った自分だけの秘密基地を彷彿とさせた。
雪の降らない時期に自転車で学校に通う生徒は、大半が冬の最盛期だけ電車に乗り移る。
2駅分も離れていれば、ほぼ全員が自転車から電車に乗り換えているだろう。

4階の窓から見渡せば田んぼが視界のほとんどを埋める立地条件で、
通学に徒歩を選ぶ生徒は、学校に着いても休校を知ればとんぼ返りしてしまう。
今日のような大雪の日にバスを選んだ律儀な生徒も、寒さと徒労に呆れながら
数分後に訪れる帰りのバスに飛び乗るに違いない。

フローリングを運動靴が擦る音に小体育館を覗くと、その例外に該当する屋内運動部が
熱心にバレーボールやバスケットボールを追いかけていた。
小声を意識して「ご苦労様です」とそっと呟き、廊下と階段を進んで教室の扉を開ける。
誰もいない。人気のない教室は、ただ机の上に私の弁当箱が中身入りで置いてあるだけだった。

61以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 17:11:53 ID:8bNg0EzI
雪がひらりと舞う景色を俺は電車からぼんやりと眺めていた。
電車のダイヤは近年稀にみる大雪のせいで乱れきり、もう10分は狭い車内で缶詰めにされている。ここにはサラリーマンだけでなくコジャレた格好をした老婦人、こんな寒い日でもミニスカートを履く女子高校生もいた。そして誰もが例外なく疲労の色を滲ませていた。
俺は窓ガラス越しにはしゃぐ子供達に目を向ける。
名も知らぬ子供達。微かに紅色に色づく彼らの頬。絡まり、湿気に濡れた頭髪。
不意に俺は妙な既視感を覚えた。この光景は以前にも見たことがある気がしたのだ。

幼い時は日常のつまらない風景が白く輝くことに興奮していた気がする。
その時の俺は世界が魔法にかかったみたいだなんてバカなことも真剣に考えていた。これから雪の女王が来て自分を連れ去ってしまうのではないかと怯えてもいた。
隣の家に住む女の子と協力して背丈をゆうに越える巨大な雪だるまを作ったこともあった。
女の子はみっちゃんと呼ばれていて佐藤だか加藤だかそんな名字だ。名前は思い出せないがいつも三つ編みをしている可愛い子だったのは印象に残っている。
今、みっちゃんは何をしているのだろうか。誰かの奥さんになって幸せになっているのだろうか。

外では相変わらず彼らがあどけない表情で走り回っている。
俺なんかは家の庭の雪かきをしなければならないと考えて憂鬱になってしまう天気だが彼らの目には全く違うものとして映っているらしい。

雪の日を楽しいと感じていられるのはいったいいつまでなのだろう。
笑顔を絶やさないでいられるのはどうしてなのだろう。

俺が忘れてしまった答えは無邪気に遊ぶ彼らだけが知っている。

62以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 20:24:17 ID:1EFUGJbE
まず特別な場合を除いて小説では漢数字を使うべき

>雪の降らない時期に自転車で学校に通う生徒は…………数分後に訪れる帰りのバスに飛び乗るに違いない。

必要性を感じないし冗長で見苦しい

>小声を意識して
回りくどい。「小声で」でいい

>電車のダイヤは近年稀にみる大雪のせいで乱れきり……そして誰もが例外なく疲労の色を滲ませていた。

突然の神視点止めろ
ここまで一人称だったじゃねえか


個人的には楽しく読めたけど基礎がマズイ感じがする

63以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 20:26:45 ID:1EFUGJbE
私と俺が混同されてる

64以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 20:39:47 ID:6uVGTmFg
>>62
>>60>>61は別だぞドジっ娘め

65以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 21:03:37 ID:.nUhhiM6

「確かにあったんだよ、それは。……最初から、その姿を覆い隠す箱と共に」

上官は唐突とも思える切り口から、私の問いに答えた。

「箱……ですか」
「ああ、大層な装飾が施され、厳重な鍵がかけられた箱だ」

しかし続けて彼は言う。その箱の中身である『それ』は、まだそこにあるのかどうかは判らないと。

「歴史の中で幾度となく争いが起き、そして終わった。箱の中身を求め、また護るための争いだった。……だが争いの終わりに『それ』が護られたのか奪われたのかは結局判らないのだよ」

どちらが奪う側なのか、護る側なのか。始まりがどこにあったのか。『それ』は誰が作ったのか。『それ』は今でもどこかに存在するのか。

「その全てが、もう判らないのだ。……それでも、我々はここに在る」

そこまで聞いて、私はようやく多少の合点がいった気がした。

大事なのは箱の方なのだ。その内に『それ』があるのかどうかを曖昧にする、その箱こそが我々の存在理由。

「もしかして『それ』は最初から……」

思わず想いが口をつきそうになる。しかしそれを声にする事は自己否定にさえ繋がりかねない。言葉を途切れさせた私に背を向けて、上官は静かに「征け」と呟いた。

「全軍に告ぐ! 国境を越え南進せよ! 今この時を以って我が国は宣戦を布告する!」

護るための戦いか、奪うための戦いなのか、知らないままに私は死地へ赴く。

例え既に箱の中身が失われていようとも。そう、最初から今まで『それ』を見た者などいないとしても。

66以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 21:25:56 ID:1EFUGJbE
いやんまじか

67以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 21:31:03 ID:2J6kO.SA
>>66
どんまい
>>66みたいに丁寧に評価してくれる人は貴重だと思う

68以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 21:42:44 ID:1EFUGJbE
>>61の「電車から」を見逃すと微妙に読めちゃうのよね

>>65は余りに曖昧過ぎて
箱の所在は分かってるの?

69以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 21:45:36 ID:JPSombRY
走れメロスだって語り手の位置が次々に変わってるんだから、突然の視点変更はいいと思う
実際は>>60-61は別物だったけど

70以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 21:55:55 ID:6uVGTmFg
評価してくれたドジっ娘を咎めるだけだと印象悪くなるから便乗

>>61
ノスタルジア好き
電車を時間の流れの比喩として用いることで、
過ぎ去っていく日々の中でふと足を休めるのを表現してるんだなと。
周囲の人間が「例外なく疲労」を感じていることで、逆説的に自分も疲れているのを伝えてる。
密室から外の子供たちを眺める部分は、若かりし頃にはもう絶対に戻れないという絶望が読み取れる。
子供たちと過去の自分を重ねながら、けれども同時に今の自分と対比させられる「彼らだけが知っている」
という書き方には思わず溜め息が出たわ。「彼ら」の使い方がやばい。鳥肌が立つ。
俺から見た欠点が文才関係なくて申し訳ないが、改行をしてある程度長さを合わせてくれると読みやすかった。

>>65
一回読んでどういうこと? と思ったけど、何回か読み返して理解した。
言葉の裏をかくのが上手いわ。
1つの出来事を無駄に広げることなくここまで丁寧に書けるのは羨ましい。
文章も躍動感とは違う重みのある猛々しさみたいなものを感じさせる。
人間の汚れた賢さを率直に伝える面白さがあったわ。

71以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 22:03:17 ID:RQ0rs2qc
>>60
>風が吹けば桶屋が儲かる。今の時代は学生が喜ぶ。なにせ電車が止まる。

この一行いいな
なんかテンポいいし、ちょっとクスっと来た
自分だけの秘密基地を彷彿とさせたって表現も個人的にはツボ

72以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 22:06:39 ID:1EFUGJbE
文学は形式に寛容だけど視点を無視するとやっぱり読みにくいし乱文の評価を受ける
所詮俺らは凡人だから自由視点は難しいかな

73以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/22(土) 22:45:15 ID:97QB/aiA
>>60
消失したのは本来なら通常の学業をこなすはずだった今日という一日なのだろうか
でもおそらくその日はじめて入ったであろう教室に中身入りの弁当があるという事は、誰かが主人公のために置いたって事で
もしかして主人公の彼女であるクラスメイトが弁当だけ置いてさっさと帰宅した(そこで待ってるものと思ってた相手が消失してた)というのもあるのかなと想像が膨らんだ

>>61
去りし日の記憶の中にいる自分と無邪気な子供達の姿を重ね合わせながらも
窮屈な電車の中という閉鎖空間を表現する事で、あの頃には戻れない無情さを表現してるんだなと思った
そうじゃなかったら自分が歩いてる道端で子供達が遊んでたっていいものな


俺は>>65だけど、>>68の言う通り曖昧すぎたな。分かり易い文を心掛けるよ
>>70の感想は過大評価だけど、嬉しいです

74以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/23(日) 06:45:25 ID:BgDvYyko
珍しく伸びてるな、嬉しい
評価してくれる人がいるとやっぱりありがたいな

75以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/23(日) 09:13:01 ID:j4eDWsvY
 三日前、友人の携帯から奇怪な電話があった。
 仕事帰り、駅までの道のりをゆっくり歩いている途中の事だ。

「もしもし、俺だよ。突然で悪いけど、ちょっと聞いてくれるか。さっき面白い事があったんだ」

 そんな切り出しから始まった話は、俺にとっては全く面白くもなく、むしろ恐怖を感じさせる内容だった。

 人が目の前でいきなり消えたんだ。

 単純に、要点だけをかいつまむと、家にいたら何故か部屋に見知らぬ女が入ってきた。
 その女は「誰……?」と怯えた様な声で尋ねた後、急に目を見開き、それからつんざくような悲鳴。
 最後には、顔や体から血をだらだら流して声もなく消えたという。
 そんな身の毛もよだつような話だ。
 なのに、こいつはそれをひたすら楽しそうに喋っていた。
 もしも、こいつから聞いたのでなければ、俺も多分笑って応じたと思う。
 よくある幽霊話だなと。
 ネタが一つ増えて良かったなと。
 そうならなかったのは、友人がその日から行方不明になっているからだ。

 今日、また警察が俺のところに来てこう言った。

「あなたの言う通り、確かに電話会社の方に通話記録は残ってました。で、もう一度だけ確認したいんですけど、そいつは男の声で間違いなかったんですね? ご友人の女性ではなく。どんな声だったか、思い出せますか?」

76以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/23(日) 09:13:57 ID:j4eDWsvY
みんな、文章が上手だなあと思いました(KONAMI感)

投下ついでに、お気に入りのに少し感想
>>50
麻薬、絶対、良くない
だけど、麻薬やってるとか基地外とかの芸術家って本当にいい作品が多い気がする。なんか人の感性をどっかで越えてるんだろうかね
こういうノリ書けるのは裏山

>>61
スタンドバイミーに似てて好き。名前も思い出せないってのがいい味だしてる。個人的には、もう少し句読点があった方が読みやすいかも

77以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/23(日) 13:35:41 ID:T2F.c.7c
>>75
 >三日前、友人の携帯から奇怪な電話があった。

「友人の携帯」に意味はあるの?家に女が入ってきた直後であるならば友人は家の電話からかけているはず

>よくある幽霊話だなと。
 ネタが一つ増えて良かったなと。

リズム良く場面が進んでいたのに突然スローダウンした感はある
一つ消して前の文章に組み込んだ方が良いかも
 もしも、こいつから聞いたのでなければ、俺もよくある幽霊話だと笑っていただろう。

78以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/23(日) 13:47:52 ID:rKvETqeY
>>77
友人=女だぞ
主人公にとって、女の携帯を奪い電話をかけてきた男(犯人)こそが知らない者

ごめん、解説してしまったが>>77みたいなレスこそ>>75の思う壺だよね
なかなか上手い引っ掛けだと思う

正直、俺にも解らないのは血塗れになっても消えはしないだろ…ってところと、最後の警官が犯人だったりするのか?ってところ
もしかすると俺も上手く釣られてるのかもしれない

79以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/23(日) 14:11:13 ID:A4brCotM
文才スレだからと読み流しで済ませていまうと恥をかく
じっくり読まないなら内容に触れずに文章の良し悪しだけ書けばいい
面白かったよくらいの感想と共に

>>75
流血描写のあるホラーは苦手だけど読んじまった
内容勝負のスレじゃないから個人的には忽然と消える部分に
もっと力を入れていかにもなホラーの雰囲気を味わいたかったなと
でも俺も途中まで騙されたわ

80以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/24(月) 06:34:51 ID:3.qIyE3Y
俺、>>75だけど、読み返してしまったなって思った

>最後には、顔や体から……
の部分を
>その後の事はまるで覚えてないが、気がつくと女は消えていたという
にすべきだったね
あと、警察は無関係

引っかけを重視したら、文が浅くなって内容が不自然になったみたい。もう少し推敲すべきだったなあ。二人ともアドバイスありがとう

81以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/24(月) 22:28:41 ID:VOQBBdIc
一人の部屋で床に座る。なぜか体操座りになってしまった。
不安が止まらないのか、膝を抱きよせてしまう。
わけのわからないまま不安定になっている自分がいた。

とにかく、笑ってみることにした。笑えば楽しくなるに違いない。
笑い声は出た。でも、その声は乾いて聞こえてしまう。
腹の底から笑おうと、へそのあたりに力を入れてみた。しかし、腹から湧き出た何かは胸でつっかえて、そのままぐるぐると暴れまわった。
……うまく笑えない。

いっそのこと、大泣きしてやろう。思いっきり泣けばスッキリするのかもしれない。
楽しげな教室に一人ぼっちで取り残された自分。それに耐えられなくて教室でふせった休み時間。
悲しい事なんてたくさんあるはずだった。
しかし、声が悲しもうとする自分を邪魔する。「あなたが悲しんでどうするの? 悲しんだところで意味はあるの?」
とうとう、私の中の悲しみを消し去ってしまった。
……私は悲しむことさえもできないのか。

泣けてきた。
それだというのに、なぜか笑いがこみあげてきた。
ああ、今私は泣きながら笑っている。私は壊れてしまったんだ。
私の心はすり減ってなくなってしまったんだ。

本当に私はどうしようもないな。

82以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/25(火) 09:08:29 ID:2Y5E8kE2
>>81
消失・喪失・虚無感がよく表れてると思う
勝手に都合よく解釈すれば、悲しもうとした時にだけそれを制する声(自分の心理? 過去の記憶?)が聞こえるってのは、もしかしたら一縷の救いがあるのかも?
本当に壊れた人は自分が壊れたと認識できない気もする
希望かもしれないけど、それがあるから余計に辛いのか。パンドラの箱のようだ

83以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/27(木) 16:08:15 ID:jtZZUb9U
そろそろ次のお題?


84以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/27(木) 17:53:59 ID:Q0JrrR4c
まだ早い様な気もするけど、一応決めとこか

あと投下する時とお題を決める時は保守もかねてアゲてね

『一撃必殺』

85以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/28(金) 04:39:00 ID:htEGQNsY
屋上のフェンス越しに遥か下方のグラウンドを見下ろす。
中庭と背の低い東棟を越えた先に見えるそこでは、
小さすぎて豆粒にしか見えない生徒たちが放課後の部活に精を出している。
文化部を選んだ僕に運動で汗を流す快感を知ることはできないが、
その必要性だけなら知識という形で記憶に定着している。

羨ましい。彼らを見るたびに心の中で嫉妬の火がぽつりと燈る。
スケッチブックの上をせわしなく走り回っていた鉛筆を休めて、
手の届かない遠くの風景をじっと見つめた。風に乗って彼らの声が聞こえてくる。
きっと彼らにはここに居る人間の姿には気付かないだろう。

グラウンドを駆け回る彼らを最初に見たときは、ただの風景にしか感じなかった。
風景とも感じなかった。歩道の植え込みに生える無名の草。路傍の石ころ。その程度だ。
小学生時代の私の学力は、クラスメイトの追随を許さないほどに飛びぬけていた。
特に得意科目だった算数は、三年生を終える春には既に数学の領域に足を踏み入れ、
授業で他の子がノートに割り算の筆算を必至に連ねる隣で、一人だけ因数分解を解いていた。
それだけに好みと目先の損益をかけ合せた損得勘定が得意だった。

学びがなければ不必要。時間を奪うものはマイナス。行く先を妨げるものに価値は無い。
内向的で閉鎖的。認めないもは異物として捉えて、自分専用の世界から徹底的に排除する。
中学に上がってもその傾向に変化はなく、馴染むことを拒絶する孤立が漂わせる独特の匂いに
周囲は眉をひそめ、鼻つまみ者として私を扱った。無愛想が教師に好かれていたのも要因だろう。

思春期なんてなければよかった。来なければよかった。衝動的に過去を思い出すと、
決まって負の感情がふつふつと沸き上がる。スケッチブックの上で鉛筆がぽきりと音を立てて折れた。
学びがなければマイナス。時間の無駄はマイナス。悪い部分を掛け持ったものが友達。

「今更どうにかなるわけないじゃない。ばーか」

曇る視界を上に向けて空を罵倒する。いわれのない文句に表情を暗くした空は、びゅっと冷たい風を寄越した。

86以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/28(金) 04:41:37 ID:htEGQNsY
強引に解釈をするならば鉛筆の芯が一撃で死んだあたりがお題の回収
どこかでお題に絡めなければと思いながらも最後まで交わらずに終わってしまった

87以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/28(金) 11:37:44 ID:oH58dKpk

えぇ。この部屋に来てくださったかたはあなたが始めてですよ。記念すべき最初のお客様です。ウフフフ。
えっ!?笑いかたが気持ち悪い?
ウフッ。ごめんなさい。幼い時からの癖で治らないんですよね。ウフフフ。
折角ですし紅茶でもお出ししますよ。遠慮はいりません。商談が家で行われるなんて楽しみで楽しみで。ウフッウフフフ。

あなたの為にお茶の葉を新しく買ってみたんですよ。それに水道の浄水フィルターも交換しました。買いだめしているミネラルウォーターでいれようかなとも考えたんですが、ほら東京の水道水って美味しいじゃないですか。
安全性世界一みたいな。だからわざわざ使わなくても良いかなと。ウフフフ。
そういえば東京の水って全て利根川水系からきているんですよね。知っていました?私、昨日ちょうど群馬県にあるダムにいきましてね。奥利根湖って言うんですけど。いやぁ良いところだったなぁ。湿度が高い所、好きなんですよね。ベタって張りついてくるような感じがなんとも…。それに私の子たちもジメジメしていると元気になるんですよ。昨日も喜んでましたねぇ。ウフッ。

あ、お味は大丈夫でしたか?
出しておいていうのもあれなんですけど私、紅茶とかダメなんで味の確認してないんですよね。ウフフフ。炭酸飲料しか飲めないんです。どこかのアイドルみたいでしょう?

ごめんなさいね、お喋りで。これも私の悪い癖で。では商談といきましょうか。
って、ん?
……どうかされましたか?
あぁ、カップを落として割ってしまったんですね。別に良いですよ、お気になさらず。特に気に入っていたわけでもないですし。ウフフフ。
でも破片は触らないで下さいね、危ないですから。

ご希望はヘビでしたっけ?
しばらくお待ちください。可愛い子ばかり揃えてますよ?ウフフ。
毒はない種類がお好みですかねではアルビノ君でもとってきますかね

88以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/28(金) 18:14:42 ID:OVGZOUdI
深々と咲いていた。物悲しい白色だった。
夜に濡れて、窓ごしの桜はいよいよ青ざめる。

雨だれるガラスに鼻の頭を冷やしながら、彼は息をのんだ。
手を伸ばせばかき消えてしまうような、あんな儚い美しさが好きだった。
彼は眺め続けるしかない。触れられないまま眺め続け、やがてそのまま失われるとそっと目を閉じて、
やるせなく染み渡る残像をかみしめることしかできないのだ。

保健室のストーブがごくりと油を飲む。

「先生、お茶いれたよ」

振り向くと、猫のような目の生徒が立っていた。すっと湯気をたてる味気の無いカップを二つ持って笑っている。

「ありがとう、遅くまですまないね」

「家は誰もいなくて寂しいから。はい、どうぞ」

今年度も引き続き保健委員をつとめる猫目は、最近になって髪を切った。

「ねえ先生」

「なに」

「好きよ」

春に散る花のように言って、猫目は軽やかに奥の部屋へ向かう。

……保健室の外の彼女をほとんど知らない。彼女が髪を切った理由さえ知らない。
温められたカップに口をつけて、彼は遠ざかる白いブラウスの背中を眺めるしかなかった。

89以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/28(金) 20:31:48 ID:WghyoJyw
うわぁ87ですが投下できてなかったんで続きを……読みにくくてごめんなさい

その前に私の自慢の子達、見ていきません?ウフフ。可愛いんですよ、皆。
この子達はタイパン、タイガースネーク。有名どころですね。あぁ触っちゃダメですよ。噛まれたら死んじゃいますから。ウフフ。
見て下さいよこの鱗…。妖艶で滑らかで……。まさに美というものが具現化したようですよね。

えっ隣の子達が気になりますか?さすがお目が高いですね。ウフッ。
この子達は比較的新入りなんです。
触りたいですか?どうぞ。その代わり死んでも責任はとれませんけど。あの子達が私の部屋で一番危険なんですよね。

……そんなに離れなくていなくてもも空気感染みたいなことはないので大丈夫ですよ?
近くで見て下さいよ。この子達、イチゴとコバルトって言うんですけどね。ウフッ。鮮やかな赤や深海を切り取ったような青が魅力的でしょう?
あら、珍しい。二匹が鳴いている。
寂しいのかしら?ウフフ。最近までこの子達の仲間がいっぱいいたんですよね。今は別のところにいますけど。
大丈夫ですよ。彼らは今はもっと広いとこに放してあげましたから。ウフフ。
それにしてもなんて綺麗な音色…。蛙の声といえば六月のイメージですが春に聴くのもオツなものですよね。

あの……寝てしまわれましたか?ウフッ。

ウフッウフフ。


 ̄ ̄ ̄
臨時ニュースです……
首都圏の川で魚が大量死しました……
皆さんは水を飲まないで下さい……

誰も見ていないテレビが薄暗い部屋で光っている

90以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/01(土) 03:19:15 ID:uutW/KDg

視界がひっくり返る、いや、自らひっくり返したのだ。

雲にも届こうかという高度で、魚の腹を思わせる機体の底面を太陽に向ける。そして操縦桿をぐいと引いた次の刹那、愚鈍に海原を横たわる醜い鉄の鯨の背が正面に見えた。

周囲で高射砲が炸裂している。しかし上着の裏に縫いつけた手作りのお護りがある以上、当たりはすまい。

あと少し、軌道を修正し固定できれば間違いない。

狙うは鯨の心臓部、そこへ通ずる排煙筒。
見る間に大きくなってゆく憎き米艦の輪郭に、己が命の刻限を知る。

父上、今も仏間の卓袱台の前で、口を一文字に結び座しておられるのでしょうか。どうか今、最期の時だけは幼き日のように『父ちゃん』と呼ばせて頂きとう御座います。

母上、貴女の作る牡丹餅が何より好きでありました。旅立つ日、それを皿いっぱいに盛りながら『めでたい、めでたい』と唱える貴女の目が濡れていた事、この愚息は気付いておりました。

姉上、庭の柿の木に登り、まだ熟れる前の実をかじった日が昨日のように思えるのです。料理の不得手な貴女の事、私は天からいつも心配しているとお心得下さい。

そして君よ、駅で別れし愛しき君。

どうか笑顔で送ってくれと、見えなくなるまで万歳をしてくれと頼んだはずだ。なのに思い出すのは涙化粧、行かないでくれと袖を握る君の姿ばかり。

嗚呼、二十年に満たぬ我が人生は、今この米艦を沈めて幕を閉じるのだ。

一撃必殺、必中轟沈。

あと僅か、ほんの軽く操縦桿を引──

91以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/01(土) 03:57:11 ID:hY8tfiRU
いつからだろう、ふと気付くと彼女の姿を探している事を自覚するようになったのは。
地下道を人の群に押し流されながら歩く朝も。家路を急ぐ人々から弾き出されそうになる夜も。

元気よく両手を大きく振り、ギターケースを背負って歩く君の姿を探している。

昨日はいつもの交差点のそばなど花壇に腰掛けて歌っていた。今日はどうだろう、会えるだろうか。そんな事ばかり頭にちらついて、仕事に手もつきやしない。

「ヒットした暁にはプレミアつくよ!今の内に買ってよ!」

最初に会った夜、さらさらと自作のCDの表紙にサインを書き付けて並べながら、「ま、夢のまた夢だけどさ」と笑った。

つい「買うよ。その代わり、君のファン1号になってもいいかい?」なんて言ってしまった。


「やったね!」

そう言ってはにかむ彼女の笑顔は、俺の心を刹那に虜にしたんだ。

92以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/01(土) 08:41:53 ID:riIsaGPo
無機質な文明の森の中を無数の悲鳴がこだまする。
平静を欠き、ただ生存本能だけを原動力に人々はひた走る。例え誰が逃げ遅れようと、例え誰が転倒し、それをどれだけの人が踏みつけようと。
知ったことではない。そんなこと気にする余裕などあるものか。

鉄で出来た冷たい森の中で、それをなぎ倒し進む影がある。
大きい。人類が何年と掛かり築き上げた青い空を隠す構造物群。見上げるほど大きいそれが、ちっぽけな物に思えるほど。
脚がある。顔がある。脚を見れば爪があり、顔を見れば牙がある。
それらは肉食獣が持つような攻撃性が見て取れるが、誰一人として肉食獣など連想しない。そんな生易しいもの、誰一人。
その巨体、あまりに奇怪。あまりに醜悪。あれを形容する言葉は──”怪物”以外何があろうか。
山の如き怪物がおぞましい叫びをあげながら、臭気を、破壊を、死を、恐怖を振り撒きながら、街を、命を蹂躙する。

それを止める物は無い。止められる者など在りはしない。
代わりに──怪物を睨み、立ち向かおうとする影が在る。大きさは人間ほど、いや、人間そのものだ。それを見た誰もが、彼は恐怖で体が動かないものだと、思っただろう。
だがしかし、彼の瞳に宿る灯は。恐怖に竦んだ者のそれではない。静かに燃える、戦士の瞳だ。
彼が、猛進する巨体に飲み込まれんとしたその瞬間。

怪物が止まる。
何故かは分からない。だが確かに怪物は彼を認識したその時、自らが砕いた有象無象と同じように蹂躙するのではなく、自らの意志で殺すことを決意した。
怪物の巨碗が振り下ろされる。山をも砕くそれが振り下ろされれば、彼だけと言わず、大地が、周囲の人々までもが衝撃波で殺される。誰もが自らの死を予感した。
そしてその数秒後───誰もが、自らの常識が覆るのを感じた。
受け止めていた。戦士の瞳を持つ彼が、大地をも砕く巨碗を、余裕を持って受け止めていた。
腕を振り上げ、また振り下ろす。破壊の権化がニ撃、三撃。両腕を交互に振り下ろす。受け止める。その全てを彼は受け止める。
そして七撃目。今度はその腕を掴み、投げた。怪物の腕が空を舞う。其処に居た誰もが───怪物さえ何が起こったのか理解できなかった。
唯一動じない彼は、左手をポケットに突っ込み、持て余していた右手を空に掲げる。
瞬間空気が振動し───気付けば巨大な腕がある。
それだけで怪物を越す大きさを持つ、巨大な右腕。それは、手を掲げた彼の、その手から延びていた。
怪物がそれを何と理解する間もなく、彼は巨碗を振り下ろした。
先程までの七撃を、あざ笑うかのような一撃。
轟音と振動が過ぎ去った後───其処には、山のような巨体さえ、何も残っていなかった。

93以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/01(土) 08:43:11 ID:riIsaGPo
無機質な文明の森の中を無数の悲鳴がこだまする。
平静を欠き、ただ生存本能だけを原動力に人々はひた走る。例え誰が逃げ遅れようと、例え誰が転倒し、それをどれだけの人が踏みつけようと。
知ったことではない。そんなこと気にする余裕などあるものか。

鉄で出来た冷たい森の中で、それをなぎ倒し進む影がある。
大きい。人類が何年と掛かり築き上げた青い空を隠す構造物群。見上げるほど大きいそれが、ちっぽけな物に思えるほど。
脚がある。顔がある。脚を見れば爪があり、顔を見れば牙がある。
それらは肉食獣が持つような攻撃性が見て取れるが、誰一人として肉食獣など連想しない。そんな生易しいもの、誰一人。
その巨体、あまりに奇怪。あまりに醜悪。あれを形容する言葉は──”怪物”以外何があろうか。
山の如き怪物がおぞましい叫びをあげながら、臭気を、破壊を、死を、恐怖を振り撒きながら、街を、命を蹂躙する。

それを止める物は無い。止められる者など在りはしない。
代わりに──怪物を睨み、立ち向かおうとする影が在る。大きさは人間ほど、いや、人間そのものだ。それを見た誰もが、彼は恐怖で体が動かないものだと、思っただろう。
だがしかし、彼の瞳に宿る灯は。恐怖に竦んだ者のそれではない。静かに燃える、戦士の瞳だ。
彼が、猛進する巨体に飲み込まれんとしたその瞬間。

怪物が止まる。
何故かは分からない。だが確かに怪物は彼を認識したその時、自らが砕いた有象無象と同じように蹂躙するのではなく、自らの意志で殺すことを決意した。
怪物の巨碗が振り下ろされる。山をも砕くそれが振り下ろされれば、彼だけと言わず、大地が、周囲の人々までもが衝撃波で殺される。誰もが自らの死を予感した。
そしてその数秒後───誰もが、自らの常識が覆るのを感じた。
受け止めていた。戦士の瞳を持つ彼が、大地をも砕く巨碗を、余裕を持って受け止めていた。
腕を振り上げ、また振り下ろす。破壊の権化がニ撃、三撃。両腕を交互に振り下ろす。受け止める。その全てを彼は受け止める。
そして七撃目。今度はその腕を掴み、投げた。怪物の腕が空を舞う。其処に居た誰もが───怪物さえ何が起こったのか理解できなかった。
唯一動じない彼は、左手をポケットに突っ込み、持て余していた右手を空に掲げる。
瞬間空気が振動し───気付けば巨大な腕がある。
それだけで怪物を越す大きさを持つ、巨大な右腕。それは、手を掲げた彼の、その手から延びていた。
怪物がそれを何と理解する間もなく、彼は巨碗を振り下ろした。
先程までの七撃を、あざ笑うかのような一撃。
轟音と振動が過ぎ去った後───其処には、山のような巨体さえ、何も残っていなかった。

94以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/01(土) 08:44:48 ID:riIsaGPo
ミスって二回送っちゃった

95以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/01(土) 11:30:20 ID:hY8tfiRU
>>87,>>89
ネタが割れると逆にうさんくさい、っていうか現実味がなさすぎて怖くない
上水に致死量の毒が入るレベルなら、大量発生系パニックホラーのほうが似合うと思う

どうせヤドクガエル使うなら
「現地の人々は、文字通り鏃に塗ったそうですよ?」
という台詞とコップを取り落とす描写に留めてはどうだろうか。

96以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/01(土) 16:09:02 ID:G7SV5DcA
>>95ありがとう!バイオテロとか書くときに参考にします!!
>>90家族の風景が連想できる素敵な文だと思います。最後に無残に散ってゆく機体の描写とかがあっても個人的には良いかなと思いました。
>>91爽やかで好きです。見ていてキュンとします。
地下道とか夜とか暗い表現が君に会えないときにあるので対照的に君がいる時は色のついた表現を入れてみたらどうでしょうか?
彼女らしい明るい空色のギターケースを背負って歩く後ろ姿とか

97以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/02(日) 00:07:51 ID:vjfwZ77w

耳障りな羽音が、俺の左右を行き来している。
遠ざかったかと思えば、蚊のように小さな虫が
耳から入り込んでくるような感覚がするほど近くまで寄ってくる。
しかし、その羽音はどう聞いても蚊のものではない。

俺は息を飲み、「二度目は気をつけたほうがいい」という医者の言葉を思い出す。
彼らは俺に対して、一撃必殺の武器を持っているのだ。

眼球だけを動かして、羽音の正体を探ってみたが、それはなかなか視界の中に入ってこない。
見えなくても正体はなんとなくわかるのだが、姿が見えない敵ほど恐ろしいものはない。

どちらにしろ、ここに留まるべきではない。
俺は彼を刺激しないように身を屈めて、脚をそっと動かし、その場からゆっくりと離れた。

離れてから先程まで立っていた場所に目を向けると、
思った通り、そこにはスズメバチがいた。
ここまで来れば一安心だろう、と一息吐いたところで、
俺は額にじっとりと汗をかいていることに気がついた。
怯えすぎだろ、と思わず自嘲せざるを得ない。

98以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/02(日) 00:09:36 ID:vjfwZ77w

スズメバチに背を向けて歩くのを再開しようとしたそのとき、耳元に羽音が現れた。
俺は驚いて、無造作に腕を振り回した。
我ながら間抜けな姿だろうと思うが、必死だった。

しかしその直後に、頭のてっぺんをトンカチで殴られたような激痛が、身体のどこかに走った。

刺された?

激痛に呼応して、今までどこかに身を潜めてじっとこの時を待っていたかのように、
吐き気と頭痛と腹痛が現れて、俺の身体をどこかに持って行こうとする。
俺は立っていられなくなり、湿った土の上に倒れこんだ。
水をかぶったみたいに全身が濡れている。
これほどにまで汗をかくのは最初で最後になるだろうな、と驚きながらも思った。

一分もすれば呼吸が苦しくなってくる。喉が締め付けられているようだ。
視界の縁から暗闇が押し寄せてくる。身体が硬くなってくる。

そうだ、エピペン。エピペンは?
こういう時のための薬があるじゃないか。

俺はバックパックの中に腕を突っ込んでエピペンを探した。
どこだ。注射器。どこなんだ。はやく。ない?
はやくしないと……。このままだと……

しかし、数分間探してもエピペンは出てこない。
まもなく、視界はほとんど暗闇で埋め尽くされた。
意識が朦朧とし、バックパックに突っ込んだ腕も凍ったように動かなくなった。
耳元では、勝ち誇ったような低い羽音が鳴り響いていた。

99以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/02(日) 00:54:19 ID:o6hjTewk
>>91
もしかして:





ひっ





だとしたら、よく仕込んだ

100以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/02(日) 01:40:54 ID:lesYwHGs
いや本人しか分からねえよ

101以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/03(月) 20:16:56 ID:609R3CSI
age

102以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/03(月) 21:28:03 ID:EdkWL7bA
しかし、みんな文才あるよな
いつの間にここ、こんなにレベルが高くなったんだろ

103以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/04(火) 00:15:43 ID:TEOg7I4M
書けば書くほど上手くなっているんじゃないでしょうか
ではそろそろ次のお題いきますか?

104以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/04(火) 00:46:57 ID:ln9gfSs.
お題は「意識の途絶える瞬間」なんてどうだろう

105以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/04(火) 12:39:34 ID:/bhnsBCc
>>104
お題の出しかたとか前スレから色々学んでこような
お題変更↓

106以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/04(火) 12:56:20 ID:P4UJappQ
別に>>104でもいいんじゃないかな…
ちょっと限定的なお題を各人がどう味付けを変えるのか、それも面白い気がするが

まあでもお題を例に倣ってシンプルにするなら、>>104を汲んで『気絶』でどうか


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