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企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3.5

6えて子:2012/03/03(土) 23:39:04
この掲示板には初投稿。「道化者、乱入する」の続きです。
スゴロクさんより「赤銅 理人」さんをお借りしました。
投げる形になります、すみません。


走って、走って、どのくらい経っただろうか。
先ほどよりもだいぶ離れた場所に、佑と謎の人物は隠れていた。

「…あーららー。大丈夫かーいー?」
「…げほっ、げほっ……も、もう…走れな、い……」

ビル陰に座り込むと、呼吸を整えようとしてひどく咳き込む。
もともと佑は運動が苦手なわけではないが、体力は平均よりは劣る。
こんなに全力で、こんなに長い間走ったのは、初めてだった。

「……あ、りがと…ございました……」

助けてもらった礼をしようにも、喉がカラカラで掠れた声しか出ない。
今にも足の筋肉と肺から悲鳴が聞こえてきそうだ。

「………これから、どうするんですか…?」

少し落ち着いてきたところで、佑は自分を引っ張ってきた相手に尋ねた。
わざわざ出口と真逆の、奥の方へ向かったのだから、何かあるのだろう。
そう、考えていたのだが。

「……どーうしようかねーえ」
「……………」

急にどっと疲れが湧いた気がした。
本格的に足が棒になり、立ちあがることもままならない。

「………はあ……」

崩れかかった壁に体を預けると、まだ素早くは回らない頭で考える。
あの機械兵は何なのか。何故自分を狙うのか。
目の前にいる人物は何者で、何故自分を助けてくれたのか。
それと……

「…おーい。俺ーの話ー、聞いてたーかー?」
「……あ。…ごめんなさい、聞いてなかった……」

目の前の人物は何か話していたらしい。
何か考え始めるとそれにだけ集中してしまうのは、自分の悪い癖だと反省する。
佑が頭を下げると、相手は「仕方ない」という風に軽く肩を竦めて見せた。

「………」

ふと、手元の懐中電灯に意識が向いた。
…そういえば、さっきあの機械兵は、この懐中電灯を向けた途端動きが遅くなりはしなかったか。

(これの光を当てたせい?そんな馬鹿な…)

ただの懐中電灯にそんな効果があるなんて聞いたことがない。
でも、この目で見たものが幻覚や錯覚だったとは到底思えない。

「…………」
「?」

視線を上げて、名も知らない相手を見上げる。
この懐中電灯は、この人物が渡してきたものだ。
ならば、この人に聞くのが一番いいのかもしれない。

しばし迷ってから、佑は相手に尋ねることを決めた。

「……あの……」
「んー?」

「……これ…何なんですか?」


謎すぎるものたち


(そう言って彼女は)
(一見何の変哲もない懐中電灯を差し出した)


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