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企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3.5

11えて子:2012/03/05(月) 23:08:51
「………これでいい」

中身をぶちまけ、空になった鞄を手に構える。
先程の理人の攻撃で、機械兵はかなりのダメージを負っているようだ。
佑でも動きが読め、先回りできる。

ゆっくりと息を吸い、吐く。
強く、強く、頭にイメージを描き出す。

「………っ……」

じりじりと少しずつ間合いを詰めていき、

「……わああああああああっ!!!!!」

自らを奮い立たせるように大声を上げ、走り出す。
動きの鈍った機械兵の背後へと回ると、その頭から思い切り鞄をかぶせた。

すると、明らかに入るはずのない鞄の中に、機械兵が吸い込まれるように消えていく。
完全に入りきったところで、すかさず鞄を閉めた。
鞄から音沙汰は、ない。

「はぁ……はぁ…」

助かった。
その安堵の思いが心を満たし、深く息を吐いた。

その思いに応えるかのように世界の色が元へと戻り、

「………う、っ!!」

―――同時に、 酷い頭痛に襲われた。


激しい頭の痛みに、思わず呻き声を上げて膝をつく。
ガンガンと脳を揺さぶられているような、金槌で何度も叩かれているような、そんな衝撃。

「……いた、い……あたま、が…割れる……!」

あの時は気持ち悪さもあったが、今回はそれがない。
その代わりに、頭の痛みがひどかった。
歯を食い縛って耐えなければ、すぐにでも意識を持っていかれそうだ。
正直、耐えるのも辛い。痛みで涙が出そうになる。

「……はやく……逃げ、ないと……」

そうだ。あの機械兵は量産型だと言っていた。もしかしたらまだいるのかもしれない。
何故そんな大事なことを忘れていたのか。こんな所で倒れたら、それこそ格好の的だ。
早く、この場から離れなければ。

しかし、佑の体は、限界だった。

「――!―――!!」
「…………」

理人の声も、遠くに聞こえる。
佑はぐったりと倒れこむと、そのまま意識を手放した。


覚醒


(知ってしまった、出会ってしまった)
(もはや夢では済まされない)


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