したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

仮投下スレ

4セロ・フィナーレ ◆28219SKBSE:2011/11/16(水) 18:14:17 ID:EDfaFrAs

 ちょうど橋の中央で、巴マミは目を覚ました。
 突然連れてこられた豪華な会食パーティーで、騒がしい中、
 とりあえず楽しもうとケーキバイキングに挑戦していた巴マミだったが、
 再び視界が暗転したかと思えば冷たい夜の空気がはびこる橋の上にひとりきりだった。

 あのケーキ美味しかったのに、と頬を膨らませて、
 でもそんなこと考えてる場合じゃないのかしら、と思い直す。
 街の明かりに照らされるこの赤い欄干が特徴的な橋は、調べてみるとF−1、マップの隅の方らしい。
 大きな橋を南に下ると街、北に登ると山。スタート地点としてはまあまあ、と言えるところか。

「はぁ。困ったことになったわねぇ。鹿目さんや暁美さんは無事かしら」

 状況を把握すると巴マミはとりあえず、病院やホテルがある街の方に向かって歩き出す。
 さっと名簿を取り出す。知り合いと呼べるのは四人だ。

 鹿目まどか――先週あたりに”魔法少女”になったばっかりの、巴マミのかわいい後輩。
 暁美ほむら――”魔法少女”にはなっていないけれど、その秘密を偶然知ってしまった、鹿目さんの友達。
 美樹さやか――こちらは”魔法少女”とは関係ない世界にいる、鹿目さんのクラスメイトだったはず。
 そして、佐倉杏子――隣町にいる”魔法少女”。数回ほど面識はあるが、最近は会っていない。

「”魔法少女”の力が使えるはずの二人は、少しは大丈夫かもしれないけれど。
 美樹さやかさんと暁美さんは急いで保護しないといけないわ。どうやらここには怖い人がたくさんいるみたいだし」

 ほぼ同時刻、二か所でその四人……巴マミがいた世界とは別の時間軸から来た四人が、
 おそらく参加者の誰もが予想していなかったろうとんでもない展開を起こしているとはつゆしらず。
 俗にいう”一週目”の、
 それも暁美ほむらと鹿目まどかが出会ったあの瞬間の数日後から連れてこられた巴マミは、
 ケーキバイキングで食べた美味しいケーキの味を思い出しながら見当違いの作戦を立て始めていた。

 すると巴マミの前方で。
 一匹の黒猫が、そのしなやかな体を翻して、ぱっ、と欄干から飛び降りた。

「あら」

 すたんと着地した猫は、巴マミの方を見るとふああと欠伸をする。
 どうしてこんなところに黒猫が?
 巴マミは疑問に思ったがしかし、夜風吹く橋の上でひとりぼっちだと思っていた自分に仲間がいた嬉しさの方が勝った。
 うふふ、と笑顔を見せながら駆け寄ると、ぱっと取り上げて話しかける。

「つかまえたわよ、黒猫さん。……あら、貴方にも首輪が付いてるの?」
「にゃー」

 抱きしめて、猫特有のぬくもりともふもふ感を堪能していると、巴マミは黒猫の首についている首輪が、
 自分につけられている首輪と同一のものであることに気付く。
 そう、ここはバトルロワイアルの真っただ中。
 けして黒猫もふもふ気持ちいい〜とかやってはいけないし、ケーキの味もさっさと忘れて現実的な行動を取るべき。
 巴マミの頭の中はそんな感情で満たされる、がしかし――、

「……無理よねぇ。黒猫さんを目の前にして、女の子が可愛がらないなんておかしいもの!
 だってこの肉球! ぷにぷにじゃない! それにこの、さらっとしたつやのある黒いお毛毛……。
 マンション暮らしだから、猫さんは飼えなかったのよねえ。ああ、いつまでも触っていたいわ!」
「や、やや、やめんかお主!
 儂は一護の奴を探しに行かねばならんの……そこは、あ、やめるんじゃ!」
「え?」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板