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('A`)ドクオは凄腕ハンターのようです
1
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 17:30:33 ID:z4hc9iRU0
('A`)
ウツタ・ドクオは、間違いなく最強のハンターであった。
数々の大魔法を使いこなし、剣捌きも並のものでは目で追うすらかなわないだろう。
頭脳も明晰で、体術も国一番と言われる。最近は錬金術に手を出し始めた。
所属する王国からは何度も表彰され、確か先月も国の危機を救った。
それでも尚、国の依頼のみを受ける正式な騎士ではなく、誰からの依頼も分け隔てなく受ける一般ハンターとして生きることを決めた謙虚さもあった。
彼は、今日も魔物と戦う。
28
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 21:41:34 ID:2h1rl2MU0
(-@∀@)「やっぱさぁ、『ご主人様』って呼ぶのを徹底した僕は正しかったと思うんよ…」
('A`)「偉大だわ…」
ーーーあと、初めての友達もできた…。
29
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 21:42:15 ID:2h1rl2MU0
よかったね
30
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 21:43:33 ID:w6O1RJDQ0
良かったなドクオ
31
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 21:58:17 ID:1kKrNfqw0
よかったなあ
32
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 21:58:57 ID:A/dY4I360
良かったなー
33
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 21:59:38 ID:DCY7weBM0
アサピー…www
34
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 22:23:21 ID:TW8gmxuc0
いいねっ!
35
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 22:40:03 ID:HA8wZajw0
なんて良い話なんだ……
36
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:26:11 ID:2h1rl2MU0
3.ヘルウルフ
(;'A`)「ぐはぁッ!!」
凄腕ハンター、ウツタ・ドクオは、苦戦を強いられていた。
今回の依頼の相手は、ヘルウルフ。
ただただ大きな、狼である。
本来の彼にとって、こんなものは敵ではない。
(;'A`)「くそ…!」
この魔物を相手にするときは、動き回って的を絞らせないようにするのが定石。
しかし、今日の彼は一点から動かない。
それは何故か。
37
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:27:08 ID:2h1rl2MU0
(;'A`)「おまえだけは…俺が護るから…!」
. _ ∩
レヘヽ| |
(・x・) ?
c( uu}
うさぎがいるのだ!
しかも逃げない!この状況で!この状況なのに!!
子うさぎ!すっごい可愛い!!
(;'A`)「たあッ!!」
常時うさぎを背にしながら戦うのは、彼にとって初めてであった。
しかし、絶対にこの場所は動けない。退けない。
今この場で、戦いの中に、一つの無辜の命が懸かっているのだ。
いつも一人で戦う彼にとって、これは大きなプレッシャーだった。
38
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:29:16 ID:2h1rl2MU0
(;'A`)「…」
彼は、ハンターである。
自然の摂理は分かっているつもりだ。
食うもの、食われるもの、その連鎖の関係があるのはとうに承知。
この状況下で逃げないうさぎに、自然界で生きていく権利がないことも、とうに承知。
(;'A`)「でも…」
(;'A`)「それでも、ここは退けない…!」
彼には、理屈だけで一つの命を見捨てることはできなかった。
今この瞬間、この瞬間だけは、自然界の掟に逆らうことを決めた。
(;'A`)「退けないんだッ!!!」
孤独な叛逆者の咆哮は、暗い森に響き渡った。
余談ではあるが、彼は戦闘中は割と喋る方である。
39
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:30:36 ID:2h1rl2MU0
そんな彼に、さらなる災難が降りかかる。
視界の端に、何かが見えた。
二体目のヘルウルフだ。
(;'A`)「嘘だろ!二体いるなんて聞いてないぞ!」
そもそもおかしかったのだ。
依頼に来たのがヨボヨボのおばあちゃんだった時点で、情報の正確さは疑うべきだったのだ。
(;'A`)「何が『ここじゃないと山菜とれんから』だ!!買えよ!!!!」
彼の叫びは、依頼主には届かない。
今頃犬の散歩でもしているのだろうか。
孫と楽しく話しているかもしれない。
狼の魔手がうさぎに迫るのを、間一髪魔法で牽制する。
範囲魔法は使えない。
このうさぎを巻き込む可能性もあるし、さらに言えば、うさぎが一羽とは限らないからだ。
狼を倒しても、その後焼きうさぎを一羽でも見つけてしまえば、その時点で彼の中では任務失敗である。
(;'A`)「そらァ!」
狼に向け剣を振る。
軽いステップで避けた狼は、結果的にドクオから離れた。
その隙を逃す彼ではない。
('A`)「燃えろ!『スナイプバーン』!!」
対象のみがピンポイントで燃え上がる、高位の火炎魔法。
熱さにのたうちまわる狼は、じきに動かなくなるだろう。
('A`)「まずは一体!」
40
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:31:29 ID:2h1rl2MU0
(;'A`)「…しまったッ!!」
いつの間にか、もう一体の狼がドクオの後ろに回り込んでいた。
腕を向けるが、狼はうさぎとの直線上の向こうにいる。
この一瞬で放てる攻撃魔法では、うさぎも巻き込んでしまう。
最早、一瞬の逡巡すら許されない。
(;'A`)「『防符』!!」
狼の爪がうさぎに達した瞬間、甲高い音を立てて弾かれた。
うさぎの足元に落ちている紙は、高価な魔法符。
魔法符とは、予め魔法式を書き込んでおき、ノータイムで発動できるようにした紙だ。
今回は、短時間ではあるが強固なシールドを張る魔法符を使用した。
今ここに、世界一防御力の高いうさぎが存在している訳である。
41
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:32:16 ID:DCY7weBM0
ドクオ優しすぎワロタ
42
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:32:29 ID:2h1rl2MU0
(#'A`)「覚悟しろ!!」
体勢を崩した狼との距離を一瞬で詰め、その口に剣を捩じ込む。
そのまま風の魔法で吹きとばし、木に激突させて止めを刺した。
(#'A`)「よっしゃ!!」
振り向き、うさぎの姿を確認する。
今ちょうどシールドが剥がれたうさぎは、見事に無傷。
無垢な目をこちらに向けていた。
(;'A`)「はぁ…疲れた…でも」
(・x・)
(*'A`)つ「無事で、よかった」
ドクオは、手を伸ばした。
これからは自分の力で生きろよ、と。
どうか強く生き残ってくれ、と、願いを込めて。
撫でることで、その願いをうさぎに伝えようとした。
43
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:33:18 ID:2h1rl2MU0
(*'A`)つ
x・ )三 シュダァッ
(*'A`)つ
逃げられた。
(*'A`)つ
('A`)つ
ドクオは、しばらくその手を下ろせなかった。
急に、うさぎ如きに話しかけていた自分が馬鹿らしく感ぜられた。
しかしーーーーー
44
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:34:18 ID:2h1rl2MU0
('A`)「まあ、いいか」
ーーー彼は、どこか満足げな表情をしていた。
.
45
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:35:05 ID:2h1rl2MU0
兎ではなく、ウサギでもなく、うさぎ。これ大事。
46
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:39:33 ID:HWU5JzTM0
世界一硬いうさぎ…バニーラか幽鬼かな?
47
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:50:38 ID:NkCyjZL60
自然は厳しいなあ
48
:
名も無きAAのようです
:2015/11/22(日) 23:53:30 ID:3oZzkI3c0
自演臭い件
49
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 00:05:27 ID:Tq/0IKYg0
ここまでピュアなドクオ久々に見たわ
50
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 00:12:03 ID:1uBdp5sQ0
>>48
どの辺?
51
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 00:13:43 ID:ecRKf39Y0
>>50
荒らしに構うな
52
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 00:27:14 ID:1uBdp5sQ0
すまん
53
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 00:55:47 ID:310ED62o0
笑える
54
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 02:34:49 ID:XjlZgjh60
乙
面白い
55
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 02:39:44 ID:eIkPW/Xw0
「しかしーーーーー 」とかの部分でダッシュ記号じゃなくて長音符使ってるのは何かこだわりがあるのか
56
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 18:42:12 ID:YiBrl3ME0
あると思う?
57
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 18:51:54 ID:Tbo71.xc0
――――――――――
↑ダッシュ記号
ーーーーーーーーーー
↑長音符。スマホだと大した違いは見られないが、PC表示だとカッコ悪く見える(らしい)
参考までにドゾー
余計なお世話ならゴメンネ
58
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 19:19:49 ID:sdfAWnQsO
ドクオ×ハンターは格好いいよね
59
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 22:07:32 ID:pVbaxZRo0
ドクオいい奴すぎる
60
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:07:13 ID:GMnzFzqA0
4.騎士
(;'A`)
凄腕ハンターのウツタ・ドクオは、困っていた。
彼は、NOと言えないタイプの人であった。
(,,゚Д゚)「な、いいじゃん。騎士団入ろうって。な?」
とりわけ、こういう人種は苦手であった。
(;'A`)「で、でもですね…」
誤解のないよう言うが、嫌いなのではない。
むしろそのコミュニケーション能力に溢れた爽やかな性格は、見習いたい。
自分にはないものを持っていると素直に思う。
しかし、苦手なのだ。
なんというか、押しの強い感じが。
夜8時に来るというのも、割と常軌を逸しているし。
(,,゚Д゚)「だって、ドクオさん。何度も言うが、騎士の方が色々待遇いいんだからさ!」
(;'A`)「いや、お金は…」
(,,゚Д゚)「いーっていーって!そんな聖人ぶらなくったってさー!別に咎めやしないって!」
苦手であった。
61
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:09:00 ID:GMnzFzqA0
彼は、騎士のギコ。
勧誘の仕事を当てられているらしく、週に一度は彼が来る。
彼が敬語ではないのはただ無礼だからではなく、ドクオがたまに仕事の愚痴を聞いているうち、仲良くなった(と思われている)からだった。
(;'A`)「やっぱ、一人の方が気楽っていうか…」
(,,゚Д゚)「実家通いのやつもいるぜ?宿舎にいるのは家が遠い奴だけだぞ」
(;'A`)「でも、街の皆さんの依頼も受けたいですし」
(,,゚Д゚)「街の依頼も騎士団に入ってくるぞ?」
(;'A`)「でも」
(,,゚Д゚)「いやホント、頼むよー。ドクオさん程の力の人なんていないんだから。先日もアレでしょ?火竜二体をサクッとでしょ?」
(;'A`)「あ、それはあんま思い出したくないんで…ちょっと諸事情で…」
これまではのらりくらりかわしてきたが、そろそろ騎士団も本腰を入れてドクオをスカウトしようとしている。
こんなことなら、力試しに街の武闘大会なんかに出るんじゃなかった、と思った。
しかし、あの時はまだハンター駆け出しで金がなく、賞金が欲しかった。
結果的に初出場で3位を獲ってしまい、以降騎士団にマークされるようになったのだが。
62
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:09:53 ID:GMnzFzqA0
(,,゚Д゚)「なー、頼むよー」
(;'A`)「でも、剣術ならジョルジュさんがいるじゃないですか。魔法ならペニサスさんとか」
(,,゚Д゚)「その両方を、その二人に次ぐか匹敵できるレベルで扱えるのがすごいんだって!ウチもドクオさんに憧れて魔法始めた剣士が何人いることかって話よ」
(;'A`)「でもぉ…」
(,,゚Д゚)「いやまー、分かるよ?ドクオさんみたいな性格の人って、騎士団の空気苦手そうだもん」
(;'A`)「そ、そうなんです…」
(,,゚Д゚)「でも、じきに慣れるって!!」
(;'A`)
一生分かり合えない。
改めて、強くそう思うのであった。
63
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:11:11 ID:GMnzFzqA0
(,,゚Д゚)「だって、ウチは保険も充実してんよ?例えばね…」
(;'A`)「あ…」
彼の目に何かが見えた。
騎士ギコの後ろに、人影。
(-@∀@)
店主…もとい、友達のアサピーだった。
ドクオの目が希望に輝く。
彼なら、この騎士を言いくるめて帰らせてくれる筈だ、と。
(-@∀@)「やあドクオ君。…どうしたの?彼は?」
(;'A`)「あ…」
(,,゚Д゚)「こんばんは!自分、騎士のネコ・ギコと言います!今日はですね、っていうか今日もですね、是非ともドクオさんを騎士団にスカウトしたく参りました!」
(-@∀@)「騎士…団…」
(,,゚Д゚)「はい!ドクオさん程の人なんてそういませんから!」
(-@∀@)
(-@∀@)「ア ソッスカ…が、頑張ってください…あ、じゃ、あの、自分急ぐんで…」ササッ…
('A`)
類は友を呼ぶ、という言葉を、彼はここまで強く実感したことはなかった。
64
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:13:49 ID:GMnzFzqA0
(,,゚Д゚)「行っちゃった…悪いことでも言ったかな…」
(;'A`)「いえ…」
最早、彼は絶望に包まれていた。
これからさらに激化していくであろう勧誘に、耐えられる気がしない。
それならいっそ騎士として就職し、その日のうちに退職届を叩きつけることはできないだろうかと考えた。
二秒なくして、無理だと思った。
間違いなく非現実的であった。
(,,゚Д゚)「ねー、ドクオさん!ほんと、ドクオさんのファンがウチに何人いるかって話よ!」
(;'A`)「そ、そんな…買い被りです…」
その時だった。
ノパ⊿゚)「ただいま戻りましたッ!!」
彼の通いのメイド、ヒートが現れた。
現れたというより、正確には帰ってきた。買い物から。
皿は割るわ花瓶は倒すわ料理はマズイわ、諸々の積み重ねで彼の中での扱いは、今や『何故かウチの家事に挑戦している可愛い子』であった。
まだ三日と経っていないが、既に家事への信用はゼロだった。
しかし、選択肢はない。
(;'A`)「あ…」
(,,゚Д゚)「あ、こんばんは!騎士のギコと言います!今日はですね…」
早速ギコが説明をしている。
どうなるかは分からないが、彼女に賭けるしかないようだ。
65
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:14:29 ID:ecRKf39Y0
あさぴーwwwww
66
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:15:06 ID:GMnzFzqA0
ノパ⊿゚)「ダメです!!!!」
結果として、ヒートは勝利の女神だった。
きっぱりと物事が言える、彼にはない力を持っていた。
この時初めて、ヒートを雇って正解だったと思った。
(;,゚Д゚)「えー!?」
ノパ⊿゚)「え、だってご主人様、フリーで行くって決めてるんですよね?」
(;'A`)「うん、まあ」
ノパ⊿゚)「じゃあダメです!!!!」
(;,゚Д゚)「えーーー……?」
ノパ⊿゚)「どうしてもって言うなら…」
(,,゚Д゚)「言うなら?」
ノパ⊿゚)「勝負して、勝ったら!」
(;,゚Д゚)「えぇぇ!?」
(;'A`)
その手があったか、と思った。
彼にはまず浮かばない、脳筋、いや、粗暴、でもなく、そう、積極的な発想。
やはり自分にはできないことができる人をパートナーにすべきなのだと、再認識した。
NOと言える人、最高。
67
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:16:01 ID:GMnzFzqA0
ノパ⊿゚)「じゃ、ご主人様!」
ノハ^⊿^)「バシッとお願いします!!」
(;'A`)「や…やります…?」
(;,゚Д゚)「……」
(;'A`)「…」
(;,゚Д゚)「『ファイア(;'A`)「『サイレント』」
(;,゚Д゚)「っでやぁぁ(;'A`)「『バインド』」
(;,゚Д゚)「…」
(;'A`)「…」
(;,゚Д゚)「すんません…無理っす…」
(;'A`)「あ、はい…」
68
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:17:01 ID:GMnzFzqA0
(;'A`)「じゃ、あの…今日は、これで…」
(;,゚Д゚)「スンマセン、失礼します…また来ます…」
(;'A`)「あ、来るんですね…」
ともあれ、騎士ギコは帰って行った。
ドクオ達も家に入る。
彼はこれから、騎士を撃退する毎にボーナスをやろうと決めた。
料理が出来なくたっていい。
NOと言えさえすればいい。
ノパ⊿゚)「じゃ、すぐ夕飯にしますね!!」
(;'A`)「うん…ありがとう…」
ノハ^⊿^)「いえ!いいんです!」
ノハ*゚⊿゚)「家事もできない、こんなメイドを雇ってもらったこと、本当に感謝してますから!ほんのお返しにもなりませんよ!」
69
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:18:00 ID:GMnzFzqA0
ノハ*^⊿^)
(;'A`)
『可愛いから雇ったけど、ここまで家事ができないとは知らなかったんだよ』とは、口が裂けても言えなかった。
しかしそれでも、その日の焦げた夕食は、普段よりも美味く思えた。
.
70
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:19:12 ID:GMnzFzqA0
―――とーーーをとりちがえて辞書登録してたことを今知った
割と恥ずかしい、いっそ殺せ
あと今回からは二日に一話とか投下できたらラッキーです
サービス期間は終わったのさ
71
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:26:42 ID:WvpQkIlo0
乙
次のサービス期間に期待
72
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:27:34 ID:c09FobJs0
乙
73
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:28:38 ID:ecRKf39Y0
乙乙
ひーにゃんマジ天使
74
:
名も無きAAのようです
:2015/11/23(月) 23:38:18 ID:1uBdp5sQ0
俺はわりとアサピーのキャラも好きだわ
75
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 00:24:48 ID:5XgAx8ls0
「また来ます…」からの「あ、来るんですね…」がツボだった
乙
76
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 01:41:27 ID:pQIhP2rc0
おつおつ
勧誘からして騎士団入れないドクオェ…
77
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 01:43:06 ID:y8wUfFRQ0
こういうバトル物な設定でのほのぼのな話って好きだわ
期待してます
78
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 03:54:34 ID:arrxwdEA0
>>48
今ブーン系の目立つ層に臭い奴しかいないんだ、それでも存続の為に必要なんだ、察してやってくれ
79
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 07:45:05 ID:tg6D0t7M0
自己紹介してんじゃねーよ
80
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 14:40:16 ID:JBlbZwEk0
むしろそれは自演臭いわ
遠投はやっぱバレやすい
81
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 16:46:01 ID:sqe.Al1A0
それも自演臭いわ
82
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:08:09 ID:za/M7qN20
スレタイと設定で遠慮してたけど読んでみたら面白い
83
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:46:32 ID:RwSNsPyg0
5.レイス&はぐれなんたら
(;'A`)
深い森の中、凄腕ハンターと呼ばれるウツタ・ドクオは、選択を強いられていた。
目の前には、魔物。
今回の依頼の目標、レイスである。
布の塊のような幽霊のくせに、生意気にも畑を荒らすとの依頼だった。
彼を迷わせているのは、その横。
ドロドロとした、なんとも言えない銀色の魔物。
年に一回見られるか見られないかの、希少な魔物だった。
彼は選択を強いられていた。
今少しだけはじめている錬金術に、あの銀色の魔物の体が必要だった。
どうしても必要だった。
レイスも、倒さなくてはならない。
放って行っては逃げてしまうだろう。
しかし、今ここで銀色のこいつを逃したら、次会えるのはいつだろうか。
彼は、選択を強いられていた。
84
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:47:55 ID:RwSNsPyg0
(;'A`)
思えば、以前もこういうことがあった。
負け知らずのハンターが、未だ世間を知らぬ子供の頃であった。
お母さんがアイスを二つ買ってきてくれて、どっちか選んで食べていいと言ってくれた。
残りは明日だ、と。
彼には、選べなかった。
結果的に両方を一口ずつ交互に食べ進め、お腹を壊した事があった。
('A`)「人は、変わらないな…」
自分はあの頃のままだ、と独りごちた。
彼の人生の課題を体現するように、魔物たちはじっとこちらを見ている。
ここで、結論を出す必要がある。
あの時の、選べなかった自分の為にも。
あの時の手は使えない。
交互に攻撃すれば、両方逃してしまうだろう。
大魔法で両方を消し飛ばすことも考えたが、銀色のやつが消し飛んでは意味がない。
というかそもそも、銀色のやつには魔法が効かないのだ。
85
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:50:23 ID:RwSNsPyg0
('A`)「何にせよ、考える時間が必要だ」
刻一刻と変わりゆく戦闘の中で、そのような選択をするのは困難であった。
しかし時間を稼ごうにも、銀色のやつに魔法は効かない。
…が、しかし。
ドクオは考えた。
('A`)「この空間そのものを制圧してしまえば、それも関係ない…!」
集中を高める。
久しぶりの大魔法に、少しだけ緊張した。
(;'A`)「よし」
魔力を込めた腕で、目の前の空間に円を描く。
空中で光り輝くその奇跡は同じく円となり、彼の思念に合わせて紫色の魔法陣へと変化した。
(;'A`)「『滔々たる時の流れよ、揺蕩う我等とその理よ』」
(;'A`)「『今、我が名において命じる!』」
(;'A`)「『鎖を緩めろ!タイムストップ』!!」
魔法陣が溶けるように消え去った瞬間。
世界が、魔物達も含めて凍りついたように動かなくなった。
成功したようだ。
ドクオの周り、半径10メートルほどの空間の時間が止まった。
(;'A`)「ふー…」
相変わらず、詠唱は恥ずかしい。
86
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:51:25 ID:RwSNsPyg0
さて、考える時間はできた。
('A`)
仕事を取るか、私事を取るか。
ドクオは、これは大きな問題だと考えた。
『仕事と私、どっちが大事なの!?』という有名なセリフがある。
どちらかを立てればどちらかは成らない。
難しい問題だ。
例え自分が両方を大事にしていても、選ばなくてはならない。
さらに言えば、片方がより大事であっても、もう片方、然程大事ではない方を取らなくてはいけない場面も、往々にしてある。
レイスを倒せば、錬金術はうまくいかない。
銀色のやつを倒せば、任務は失敗。
片方は仕事、片方は趣味。
('A`)「この戦いは、全男性の悩みを背負う戦いも同然なのか」
凄腕ハンターのウツタ・ドクオには、妙なところで少々考えすぎる癖があった。
87
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:52:29 ID:RwSNsPyg0
('A`)
凍った世界で考える。
仮にレイス、仕事を取った場合。
先程の男女間に置き換えて考えると、『彼女より仕事を優先するつまらない奴』になってしまうのではないだろうか。
どうあれ、彼女の心が離れていってしまうことは必然的とも思えた。
ならば逆に、もう片方の魔物、趣味を取った場合は?
男女間に置き換えれば、『仕事より彼女を優先する不誠実な奴』になりかねない。
確かに、彼の住む国の経済は割と潤っている。
だがしかし、流石にそこまでは許されないだろう。
仕事を失ってまでご機嫌を取るものなのだろうか。
(;'A`)
女性などとロクに話したことがないドクオには、分からなかった。
最早、詰みの状態に思えた。
早急に王城の賢者に相談すべきだと思った。
いやしかし、と考え直す。
どこかにある筈だ。
どちらもそこそこ上手く取っていける、冴えた答えが。
88
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:53:09 ID:l6S0GzmY0
('A`)
長考すること、十五分。
覚悟は、決まった。
腕を一度振り、時間停止を解除する。
周りの世界が、再び動き出した。
ドクオは剣を構え直す。
魔物達も向き直る。
(#'A`)「ってやぁぁぁぁぁっ!!!!」
一瞬で速度上昇の呪文をかけ、もう一瞬で距離を詰め、無防備な体に剣を振り抜く。
彼が選んだのは――――――
.
89
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:53:58 ID:l6S0GzmY0
(#'A`)「らぁっ!!!!」
―――――レイス、仕事だった。
ドクオは、『お前が大事だから、お前を養うために好きでもねぇ仕事してんだよ!!』という究極の言葉で、この問題にけりをつけたのだ。
この答えが、今回のドクオの迷いに適用される訳ではないと気づくのは、少しだけ後の話である。
90
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:54:40 ID:RwSNsPyg0
('A`)「…よし」
やはり、銀色の魔物の姿はもう見えない。
しかし、ドクオは満足だった。
ドクオが斬ったのはレイスだけではない。
あの時の不甲斐ない自分の迷い。
ひいては全男性の迷いさえも、真っ二つに斬ったのだ。
レイス討伐の証を袋に入れ、彼は踵を返して歩き出した。
柔らかな森の木漏れ日が、彼を祝福しているように感じた。
大きな選択を終え、彼のレベルは確実に上がったのだ。
91
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:55:28 ID:RwSNsPyg0
(;'A`)「あ、あの、はぐれなんたらの体ってあります?」
( ^ω^)「ありますお」
―――銀色のやつの素材は、近所の魔法道具屋さんが持っていた。
頼んだら売ってもらえた。
.
92
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:56:39 ID:RwSNsPyg0
( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
( ゚д゚ ) <自演なんてしてない
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
93
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:57:32 ID:ptr5LEp20
タイムストップしてる間に両方殴ればいいんじゃないですかね……
94
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 18:59:41 ID:RwSNsPyg0
>>93
タ、タイムストップ中は敵の体が硬まってて殴れないっていうアレだから…
95
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 19:09:01 ID:J3ltwwtE0
魔法道具屋にすごいデジャブ
96
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 19:14:15 ID:tg6D0t7M0
魔法道具屋クッソwwwww
>>92
さっき言われてた自演は作者のことちゃうと思うで
自分のコメントにレス付けてたっていう意味だと思われ
乙でーす
97
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 20:48:50 ID:H1eTPJDI0
乙乙
98
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 21:06:32 ID:SeWWrMD.O
皆さん、オワコン社長をよろしくお願いします。気に入ったらチャンネル登録!!
http://www.youtube.com/watch?v=aSMLi2uOkvk
http://www.youtube.com/watch?v=cbwrnLKERpA
http://www.youtube.com/watch?v=gPevsHpSj-Y
http://www.youtube.com/watch?v=9ekKaVB5uHg
http://www.youtube.com/watch?v=cP0NAOzKQAE
http://www.youtube.com/watch?v=hekgfuTcX6o
http://www.youtube.com/watch?v=1uzYFjN7z5E
99
:
名も無きAAのようです
:2015/11/24(火) 23:47:39 ID:sB0pME9o0
えーもーなにこれめっちゃよいじゃん。
もっとくれ…
100
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 00:39:12 ID:rEntLBSM0
魔法道具屋の下りはパロディじゃね
101
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 10:54:33 ID:u92jQ9qc0
読みやすくてこの作品好きだわ
ここのアサピーなんだかかわいいな
102
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 19:56:26 ID:jFCv16tI0
6.お仕事
ノパ⊿゚)「ふんふふーん」
新入りメイドのヒートは、歩いていた。
今日も今日とて、楽しく仕事である。
主人であるドクオにも言っていないが、彼女の家は貧乏であった。
何でも、祖父だか曽祖父だかの借金が返しきれていないとか。
ヒートの上に三人の姉がいるが、それが理由か全員働きに出ている。
ついに私も家計の役に立つことができる、と意気込んでいた。
労働時間は7時から20時。
時間としては長いが、ドクオ家でのんびりする時間も長いので激務という訳ではない。
ノパ⊿゚)「おはようございます!!」
渡されていた合鍵を使い家に入る。
ノックなどは、特に要らないと言われていた。
そもそもこの時間、主人はまだ寝ている。
だから挨拶も必要ないのだが、そこは一応。
103
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 19:57:32 ID:YIj08ZrU0
ノパ⊿゚)「よし」
朝ご飯は、大抵がサンドイッチ。
具は毎日変えているが、たまに彼女の気まぐれで納豆ごはんにメニューが変わる。
納豆が苦手な主人ドクオはその気まぐれの発動を心底恐れているが、そんなこと彼女は知る由もない。
ちなみに、今日は納豆ご飯にしようと思った。
それだけではさすがに職務放棄なので、他に一、二品作る。
目玉焼きと焼きウインナーに決めた。
朝ご飯は、まだそれしか作れない。
フレンチトーストは、まだ練習中であった。
ノハ;゚⊿゚) ジュゥゥ…
ノハ;゚⊿゚)
ノハ;゚⊿゚) パッ!
…焦げていない。
黄身も割れていない。
ノハ*゚⊿゚)「おっしゃ!!」ガシャァン!!
皿は割れた。
104
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 19:58:15 ID:YIj08ZrU0
('A`)「お早う…」
ノパ⊿゚)「おはようございます!」
大抵、朝ご飯を作っている途中に主人は起きてくる。
やはりハンターたるもの、眠りは浅くなくてはならないのだろう。
たぶん、有事か何かに備えて。
実際は家に入るときの「おはようございます!!」で強制的に眠りから引きずり出され、
料理を作る物音や歓声で完全覚醒を余儀なくされているのだが、それも彼女は知る由もない。
('A`)「今日は…納豆ご飯?」
ノパ⊿゚)「と、目玉焼きとウインナーです!」
('A`)「…そう…」
ノパ⊿゚)「? 何か?」
('A`)「…いや、何も…」
ノパ⊿゚)「そうですか?」
('A`)「いただきます…」
主人の繊細な心情に、メイドが気づくのはいつになることか。
粗野なメイドに、主人がはっきりものを言えるのはいつになることか。
105
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 19:58:57 ID:YIj08ZrU0
ノパ⊿゚)「今日は仕事でしたよね?」
('A`)「うん。バジリスクだって。遠いから夜まで帰らないかも」
ノパ⊿゚)「バジリスクってアレですか。目ぇ見ちゃ駄目なやつ」
('A`)「そう。即石化、とかはないけど見続けると危ないんだ」
ノパ⊿゚)「へー…毒とか吐くんですか」
('A`)「吐きはしないけど、牙にあるから飛ばしてくる。なんかピュッて」
ノハ;゚⊿゚)「うへー」
('A`)「正面にいなきゃいいんだよ」
主人と食事のときに、魔物の話を聞くことが多かった。
まだ来て一週間程だが、「対策が分からない」と言われたことはない。
凄腕と呼ばれる訳である。
106
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:00:02 ID:YIj08ZrU0
('A`)「じゃあ、行ってくる」
ノパ⊿゚)「行ってらっしゃいませー」
借りた馬で発つ主人を見送り、家事に取り掛かる。
ノパ⊿゚)「おしっ!!」
彼女の信条は、日々成長、である。
どれだけ何ができなかろうが、三日前よりも今日、今日よりも三日後の方が少しでも上手くできるようにする。
そうやって生きようと思っていた。
それが反映されているのであろう、最近は皿洗いであまり皿を割らなくなったし、掃除で物を倒さなくなった。
はじめは日に6枚割っていた皿は、今や日に2枚にまで留めておけるようになった。
初日に蹴倒した観葉植物も、今や華麗に避けて箒がかけられる。
だから、主人の研究を止めない姿勢は好きだった。
人は皆、何かが一定までできるようになると、成長をそこで止めてしまう。
しかし主人は、仕事がなくても部屋に閉じこもって研究をすることが多い。
そんな主人の見えない姿は、他の人とは違って感ぜられた。
実際は人と会いたくないが為に、部屋で暇潰しに研究するなりフィギュアを眺めるなりしているだけなのだが、やはり知る由もないことである。
107
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:00:43 ID:YIj08ZrU0
ノパ⊿゚)「おわったー」
掃除が終われば、もう昼時だ。
今日は主人がいないので、散歩と買い物がてら、外に食べに出ることにした。
申し訳ないことに、その為の小遣いも給料とは別に貰っている。
しっかり仕事をしよう、と思った。
メイド服から外行きの服に着替え、しっかりと施錠して外に出る。
流石にメイド服では出られない。
ノパ⊿゚)「!!」
チーズの焼ける、香ばしい匂いが漂ってくる。
もとを辿ると、一軒のパン屋。
綺麗な店員さんが迎えてくれた。
ξ゚⊿゚)ξ「あら、いらっしゃい。ちょうど焼きたてよ」
ノハ*゚⊿゚)「焼きたて!」
昼ご飯は、とろけたチーズの載ったパンにした。
安いし、大きいし、何より美味しい。
できたてということもあり、すぐに食べ終わってしまった。
勢いでもう一つ食べてしまい、店を後にする。
ぜひともまた来ようと思った。
108
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:01:47 ID:YIj08ZrU0
またぶらぶらと歩き始める。
夕飯はどうしよう、とか考えながら。
ノパ⊿゚)「あ!」
大通りの掲示板で、よく知った顔を見つけた。
自分の仕事を斡旋してくれた、アサピーだ。
何かの紙束を持っている。
(-@∀@)「やあ、ヒート。久しぶりだね」
ノパ⊿゚)「お久しぶりですアサピーさん!」
(-@∀@)「元気だったかい?…と聞くまでもなく、元気だね。結構結構」
ノパ⊿゚)「はい!ここで何してたんですか?」
(-@∀@)「いやー、ビラ貼りだね。これがそう。メイドと執事しませんか、って。あと、スカウト」
掲示板を見ると、確かに広告が貼ってある。
『メイド・執事求む。経歴・年齢不問、まずは相談から。でも個人的にメイドは若い方がいい』
ノパ⊿゚)「…最後の一文が個性的ですね!」
(-@∀@)「正直に生きようと決めてるんだ」
109
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:02:35 ID:YIj08ZrU0
ノパ⊿゚)「スカウト、って?」
(-@∀@)「知らないっけ。君はお姉さんの紹介で入ったんだもんね。そうそう、クールさんはいいメイドだよ、相変わらずね」
ノパ⊿゚)「クー姉、あまり帰ってきませんから寂しいです」
(-@∀@)「ほぼ住み込みの形式だもんね。心中お察しするよ。…スカウトの話だったね、実践してみせよう」
言うなりアサピーは周りを見渡す。
手慣れているような口ぶりだ。
(-@∀@)「なんとなく、暇そうな人を探すんだ。このお昼時だからね」
やがて、カフェの方へ近づいていく。
外に備え付けられているテーブルでコーヒーを飲んでいる若い女性に目をつけたようだ。
ζ(゚ー゚*ζ
ノパ⊿゚)「あの人ですか?」
(-@∀@)「好みのタイプだから」
ノパ⊿゚)「正直っすね」
110
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:03:38 ID:YIj08ZrU0
(-@∀@)「こんにちは。今、お時間よろしいですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「え? はい、大丈夫です」
(-@∀@)「単刀直入に聞くんですけども、今、決まったお仕事とかってやってらっしゃいますか?」
ζ(゚ー゚*;ζ「いや、たまに家の仕事のお手伝いをしてるだけですけど」
(-@∀@)「あぁすみません、いきなり不躾に…。いやね、メイドに興味はありませんか、と聞きにきたんです。要はスカウトです、スカウト」
ζ(゚ー゚*;ζ「スカウト…」
(-@∀@)「いやー、見たところお綺麗ですし、引く手数多ですよー、きっと。いかがです?あ、これチラシなんですけどね、良ければ」
ζ(゚ー゚*ζ「………あ、なんか聞いたことあります、この事務所の名前」
(-@∀@)「この辺だとウチぐらいですから、こういうことやってるの」
ζ(゚ー゚*;ζ「いやでも、忙しいので毎日はちょっと…」
(-@∀@)「ああ、メイドっていうと毎日ってイメージですけどね、実際は週三か週二ぐらいで欲しいって方が割と………」
111
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:04:48 ID:YIj08ZrU0
ノパ⊿゚)「…どうでした?」
(-@∀@)「家の仕事がひと段落したら来るかも、って」
ノハ*゚⊿゚)「おー!スカウト成功!」
(-@∀@)「いやいや、来てくれるのはほんの一握りだよ。そんな世の中甘くないのさ」
ノパ⊿゚)「へー…でもアレですね、アサピーさんって喋るの上手いですよねー」
(-@∀@)「いやー…そうでもないよ。仕事のときはできるけど、これがプライベートになるとどうも、ね……ははっ……」
アサピーが暗くなってきたので、適当に切り上げて別れた。
仕事に戻らなくては。
ノパ⊿゚)「ふむ」
夕飯を考えながら買い物をする。
ノパ⊿゚)「今日は」
ノパ⊿゚)「オムライスにしてみよう!」
オムライスを作ったことは、まだないが。
なんとなく、出来る気がした。
112
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:05:30 ID:YIj08ZrU0
ノハ;゚⊿゚)「……」
そして、失敗した。
アサピーの言う通りだった。
世の中は甘くない。
(;'A`)「これ…何?」
ノハ;゚⊿゚)「あ、オムライスです」
主人が一口。
ヒートはじっと見守っている。
(;'A`)「卵、なくていいかも…その、チキンライスっていうか…」
ノハ;゚⊿゚)「…それは、チキンライスって扱いならいけるってことですか」
(;'A`)「…」
(;'A`)「ギリギリ滑り込みで…」
ノパ⊿゚)
(;'A`)「……アウトかな」
ノハ;゚⊿゚)「精進します…」
チキンライスも初めてだった。
頑張ろう。
113
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:06:21 ID:YIj08ZrU0
ノパ⊿゚)「ごちそうさまでした!」
('A`)「ごちそうさまでした」
夕飯を食べ終わって、皿を洗って片付けてしまえば、その日の仕事は全部終わり。
あとは帰って、自分の家の家事をして、眠る。
毎日こんな感じだが、今のところは楽しい。
まだまともに役に立てているかは分からないが、少しずつ役に立つようになれればいいと思う。
一歩ずつでいい。
('A`)「あ、ヒート?」
ノパ⊿゚)「はい!」
(;'A`)「これから仕事の時にさ、昼ご飯の弁当、作って欲しいんだけど…できる? 本当に簡単なやつでいいからさ」
ノパ⊿゚)
ノハ*゚⊿゚)
ノハ*^⊿^)「はい!!!!」
そう、こんな風に一歩ずつ。
114
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:07:02 ID:YIj08ZrU0
けふはここまで
115
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:10:21 ID:HJ6OGQLc0
乙!
ヒート可愛い。
116
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:12:27 ID:QJKWZtoE0
乙
117
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:14:32 ID:7yer7A720
いいねえ
118
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:15:57 ID:aIMvBgAw0
乙
ヒートかわいい……うちで働いてくれ……
119
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 20:41:07 ID:rYGXv0UU0
おつつ
120
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 22:30:35 ID:t1gBmq3g0
いろいろやって完結できないパターン
121
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 23:27:18 ID:7rRxy7pQ0
>>120
こいつ完結してほしくないんだろうからこんな事言ってる荒らしなんだぜ
以後俺含めスルー
122
:
名も無きAAのようです
:2015/11/25(水) 23:28:17 ID:mfHQpn6Y0
こういう日常系は本当に完結してほしくない
常に見ていたい
123
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 02:44:15 ID:KPfSZYJk0
こういうタイプは完結する位なら適当なタイミングで失踪してくれる方がありがたい
124
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 02:56:40 ID:gr0GEp2I0
俺はこういうタイプの作品でもなるべくならしっかり完結してほしいわ
125
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 03:27:40 ID:Fc6i93vE0
なんでもう終わりの話になってるの??
126
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:10:14 ID:jrQLXXF60
7.エビルスパイダー
(;'A`)
凄腕ハンターウツタ・ドクオは、今、覚悟を迫られていた。
事の起こりは三十分前。
ちょっと見た事のないキノコでも食べて、グルメ気取ってみようと思ったのが間違いであった。
食べたその瞬間から、一切の魔法が使えなくなってしまったのだ。
毒なら魔法で解毒しよう、とか軽く思っていたが、流石に予想外というものだった。
それだけなら、まだいい。
彼には国の騎士団長にも劣らぬ剣捌きがある。
その剣も、今しがた溶けた。
127
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:11:01 ID:jrQLXXF60
(;'A`)
前に見えるのはエビルスパイダーという魔物。
大きな蜘蛛だ。
この魔物、本来は巣を作るだけである。
無毒な魔物の筈だった。
それが、酸を吐いた。
咄嗟に剣で守ったが、剣は失う結果となってしまったのだ。
(;'A`)「新種かな…」
国の魔物調査委員に要報告だ、と頭の中に留めたが、まずは目の前。
彼は徒手空拳の武術においても、ナンバー1と言ってもよい実力を持っている。
攻撃手段を二つ失っても尚、負ける要素はなかった。
(;'A`)
蜘蛛が、苦手でなければ。
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