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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
1
:
名も無きAAのようです
:2015/10/10(土) 05:03:05 ID:cQB6.m2k0
,、,,..._
ノ ・ ヽ
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
,i :::::: `ー-、
| :::: i
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
202
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:46:52 ID:.5.1P20c0
( ^ω^)「まあ単純な話だお。
魔族の中には特異種が居て、魔物化でも凄いパワーがあったりするんだお」
( ^ω^)「最下位の魔人化でも、まぁ魔獣化くらいには匹敵するパワーがあったりNE!」
( ^ω^)「詳しくは下記図Aを参照せよ」
ξ゚⊿゚)ξ「急に教科書」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
図A:変身能力の種別、および戦闘力比較
魔人化≪魔物化<魔獣化≪≪≪≪≪≪原点返り≪≪≪魔王化≪魔神化≪≪
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ^ω^)「この中の原点返りがさっきの特異種のことだお。
いわゆる先祖返りって奴で、すごい強いんだお!」
( ^ω^)「ドクオも元々は混血の邪龍で、魔物化が精一杯なんだお。
でも生まれついて原点返りができるから、すごいんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「すごい」
( ^ω^)「あとは変身能力自体が進化の過程で消滅した例もあるお。
魔眼のワカッテマスさんがその最たる例だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ちょっと、私に必要な情報だけちょうだい」
( ^ω^)「ツンは魔王化が出来るはずだお。頑張るお」
ξ゚⊿゚)ξ「よく分かった」
.
203
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:47:54 ID:.5.1P20c0
ξ゚⊿゚)ξ「……ところで、魔王化ってどうやるの?」
( ^ω^)
( ^ω^)「あの、あのバカなツンが話を進めようと……」
( ^ω^)「あのバカなツンが、あわわわ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「あんたらの話はもう信じたわよ。
だからさっさと適応しようとしてるだけ。なんか変?」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)(変っていうか、都合が悪いお)
( ^ω^)(お爺ちゃんが死んだか、ロマさんがなんかしたか、
とにかくツンもメス豚も刀の暗示がすごい弱まってるお)
( ^ω^)(……これじゃあもう、お爺ちゃん一人勝ちのルートはなさそうだお)
.
204
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:49:41 ID:.5.1P20c0
( ^ω^)「……ツンが真面目になってくれて嬉しいお!
魔王化のことは後でドクオとおじさんに聞くのがいいNE!」
ξ゚⊿゚)ξ「んー……まあそうよね、ブーンは勇者側の人だった訳だし。
えっと、そっちは何だったっけ……激化?」
( ^ω^)「すごい! よく覚えてたお!」
( ^ω^)「でもこのルートのツンには殆ど無関係だから気にしなくていいお!」
ξ゚⊿゚)ξ「えー気になる」
( ^ω^)「うーん。要はクスリでハイになってマジギレって感じだお。
激化は副作用のある薬物投与が必須で、けっこう危ないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「……なら、」
とまで言いかけて、私は言葉を切った。
激化がそれほど危険なものなら、今のブーンやハインさんは大丈夫なのだろうか。
ξ゚⊿゚)ξ「……そだ。こないだのハインさんの用事ってなんだったの?」
( ^ω^)
話をそらし、私はハインさんの事を尋ねた。
あの人は急に居なくなる事もよくあるので、そこまで深刻な聞き方はしなかった。
( ^ω^)「お爺ちゃんなら今はポルトガルに居るお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「またぁー!? ていうかこんな時に!?」
そこから先は、また当たり障りのない会話が始まった。
頭上で旋回するドクオの姿をたまに一瞥しつつ、私達は通学路をテクテク歩いていった。
.
205
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:50:21 ID:.5.1P20c0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,、,,..._
ノ ・ ヽ 紅いもタルトは、おいしいタルトである。
/ ::::: i 年間販売数が1000万個を超え、沖縄土産としても定着している。
/ ::::: ゙、 単純に食べたい(wikipedia)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
206
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:51:11 ID:.5.1P20c0
【interlude:5】
深夜、冷えきった空気に満ちた森の中。
市街を離れたその場所に呼び出された素直四天王は、方々に気を配りつつ短い言葉を交わしていた。
ノパ⊿゚)「なんの用だろうな」
川 ゚ -゚)「分からない。が、二度の失敗を咎められるのは確かだろう」
lw´‐ _‐ノv「済まぬ――――」
川 ゚ -゚)「シュールのせいじゃないさ。私の考えが甘かった」
o川*゚-゚)o「……」
しかし、一人沈黙を貫く素直キュート。
彼女の双眸は森の奥に向けられたまま微動だにしない。
四人の中で唯一、彼女だけが森の違和感に気付いていた。
.
207
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:52:31 ID:.5.1P20c0
――ガサ、と茂みがざわめいた。
とたん、四人の視線が一点に集中する。
間を置いて、暗闇の中から一人の男が歩み出てきた。
( ´∀`)「……お揃いのようで助かったモナ」
川 ゚ -゚)「モナーさん、二度の失敗を謝罪します」
モナーが現れた後、すぐに素直クールが前に出て口を開いた。
川 ゚ -゚)「次の襲撃には四人全員で掛かります。
信用ならないとあれば、作戦の仔細をお伝えしますが……」
( ´∀`)「いや、別にいいいモナ。今日は別件というか、戦力補強とというか」
川 ゚ -゚)「補強、ですか」
それはつまり、自分達の実力に不安があるという事。
素直四天王はモナーの一言に軽蔑を感じ取り、彼に対して僅かに敵意を見せた。
( ´∀`)「ああ、あ」
( ´∀`)「あの人が。君達より強い、あの人をね」
だが、モナーの口振りに異様さを覚えたところで彼女達は思いとどまった。
彼に向けていた敵意をふっと忘れ、再度周囲を警戒する。
冷たく静かな森が、彼女達を取り囲んでいた。
.
208
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:53:24 ID:.5.1P20c0
( ´∀`)「あぎ、逃げいや、なんでもないんだ」
( ´∀`)「洗脳をかけられ、ダメだ本調子じゃない」
( ´∀`)「刀までは復元、ハインリヒに気をつけろ、エサにする、されるぞ」
ゆるやかな風が森をすりぬけ、彼女達の足元を舐めるように這いずっていく。
これに似た感覚は魔法使いと対峙した時にも感じたが、彼女達はそれとも違う不快感を確かに味わっていた。
ノハ;゚⊿゚)「……姉ちゃん、どうすればいい」
川 ゚ -゚)「……私が前に出て対処する。
シュールとキュートで突破口の確保、ヒートは必殺の準備に」
瞬間、素直クールの体を淡い光が覆い包んだ。
それが収まると、彼女は白い鎧を身に纏い、片手に白銀の剣を構えていた。
( ´∀`)「……だ、だる、ま」
川;゚ -゚)「――ッ!?」
.
209
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:54:47 ID:.5.1P20c0
モナーという男は元々正義の側の人間だった。
しかし正しさを歪曲させた今の勇者軍を見切った後は、平凡に生きていくことを目標に頑張ってきた。
彼はハインとは顔見知りだったので、時折話をしては魔王の跡継ぎであるツンの動向を見守っていた。
ツンに素直四天王を差し向けた理由も、彼女を魔王として覚醒させるための一策に過ぎなかった。
その筈が、歯車は大きく狂っていた。
今のモナーは最早 『勇者』 の手駒に変わり果てていた。
薬物投与による超能力の発動――『激化』。
モナーの激化能力はシンプルだったが、それ故に今は、今だけは発動させる訳にはいかなかった。
それを知っていた素直クールは誰より先に飛び出し、四天王最速の名を持ってモナーを斬り殺しに掛かった。
( ´∀`)「さん、が――」
川;゚ -゚)(迷わず首を落とす――ッ!!)
一瞬でモナーとの距離を詰め、風を切って振り下ろされる銀の刀身。
刹那と経たずにモナーの首を切り落とすその斬撃は――
ζ( ー *ζ「――――」
ただの十徳ナイフを持った女に、阻まれた。
.
210
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:55:59 ID:.5.1P20c0
( ´∀`)「ころ……ころん…………」
川;゚ -゚)「くっ! みんな逃げて距離を――」
lw´;‐ _‐ノv「ねえさんはそいつ止めてて!」
背後を一瞥して叫びかけた時、クールの傍らをシュールが駆け抜けていった。
その行動は十徳ナイフの女も意外だったのか、彼女は一瞬の間にモナーの首に手をかける。
lw´;‐ _‐ノv(人形出してる場合じゃない、ワイヤーで直接切らなきゃ――!)
両手の人差し指に引っ掛けた極細のワイヤー。
それを神業染みた速度でモナーの首に括りつけ、シュールは一気に両手を引き抜いた。
途端、モナーの頭部と肉体がずれた。
行き場を失った血液が切断面から溢れ出し、その場に大量の血が飛散する。
川;゚ -゚)「間に合っ――」
( ´∀`)「だ」
否、あとほんの少し間に合わなかった。
体を離れて真っ逆さまに落ちていく頭は、確かに最後の一文字を発していた。
それと同時。
『だるまさんがころんだ』と言い切るのに掛かった時間、おそよ4秒間――
.
211
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:56:39 ID:.5.1P20c0
――――時間が、停止した。
.
212
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:57:26 ID:.5.1P20c0
川;゚ -゚)「――――」
lw´;‐ _‐ノv「――――」
ζ( ー *ζ「……」
止まった時の中で十徳ナイフの女が動き出す。
たった二秒の自由時間。しかし、身近な二人を刻み殺すには十分過ぎた。
次の瞬間、闇夜に無数の銀閃が走った。
停止解除二秒前、
ノハ;゚⊿゚)「――――」
一秒前、
o川;*゚ー゚)o「――――」
そして、時が動き出す。
.
213
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:58:16 ID:.5.1P20c0
ふと、とても弱い風がクールとシュールの体をなぞった。
しかし無数に切断された人型の肉塊は、たったそれだけの事で容易く形を失った。
ぐら、と揺れた瞬間、二人の体は、細切れになって地面に散らばった。
ノハ;゚⊿゚)「……え?」
o川;* ー )o「ヒート、逃げるよ!」ガシッ!
ヒートより早く状況を飲み込んだキュート。
彼女はヒートを抱きかかえて一目散に走り出し、鬱蒼とした森の中に飛び込んだ。
ノハ;゚⊿゚)「キュ、キュート? 今なにが起きた?
殺ったんだよな? 姉ちゃん達はモナーを……」
o川;* ー )o「……間に合わなかった……ッ!」
ノハ;゚⊿゚)「……二人は……」
o川;* ー )o「……後で泣こう、思いっきり……!」
ノハ;゚⊿゚)「…………」
唖然としたまま、ヒートはただ事実だけを脳内で反芻する。
刻まれた姉妹の最期を鮮明に思い出す。湧き上がるのは怒りと殺意。
今すぐ戻ってあの女を殺したい。
ヒートもキュートも思いは同じだが、それをすれば自分達も殺されかねない。
得体の知れない敵に目をつけられた以上、今は逃げる以外の選択肢はないのだ。
たとえ血を分けた姉妹が無残に殺られたとしても、今は感情を殺して生き残る事だけを考えなければならない。
その日、素直四天王はVIPの街から姿を消した。
【interlude:out】
.
214
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 00:59:54 ID:.5.1P20c0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思う紅いもタルトであった
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 秒数を直し忘れてたよ まあいっか!
,i :::::: `ー-、
| :::: i また次回
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
215
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 01:12:11 ID:B/j2PW2o0
乙
急に始まる超シリアス
216
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 01:15:33 ID:5WsSh0bk0
乙!
217
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 01:41:57 ID:gZ/jeGPU0
この怒涛さがたまらん
218
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 02:58:10 ID:m0yJRzUM0
ツンがバカじゃなくなったからシリアスになったのか…!
219
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 03:11:27 ID:hzIWvYOE0
ツンちゃん急成長でびっくり
乙です
220
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 03:24:28 ID:BCAS2ujM0
四天王マジか……
221
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 16:09:54 ID:T407DI.20
紅いもタルトうまいよね
222
:
名も無きAAのようです
:2015/11/12(木) 21:49:11 ID:KHJgTggc0
シリアスいいね
223
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 04:57:53 ID:pcCP1qPo0
今日の学校はなんだか物静かだった。
そりゃあ先生とクラスメイト四人が居なければ静かにもなるだろうが、事はそれだけではなかった。
ξ゚⊿゚)ξ(……なんだろ、変な気配がするぞ)
空気の色そのものが違うような、そんな感じだった。
私自身には特に影響はないのだが、どうやら一般生徒はそれのせいでゲンナリしているようだった。
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとドクオ」
('A`)φ「なんだよ、自習しろよ」カリカリカリ
ξ゚⊿゚)ξ「そんなの終わってるわよ。
それより勘付いてるんでしょ? アンタもこの気配に」
(;'A`)φ ピタ
モナー先生が来ないので自習となった一時間目。
大体の宿題も終わって暇になったところで尋ねてみると、
ドクオは 「は? お前マジ?」 と言いたげな顔をして手を止めた。
(;'A`)「は? お前、マジか?」
ξ;゚⊿゚)ξ(心まで読めるようになった!? なんてこった!)
.
224
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 04:59:55 ID:pcCP1qPo0
(;'A`)「……今日はちっと面倒臭いのが学校に来てんだよ。
これはそいつの影響だ。まあ敵じゃねえからいいんだけどさ……」
ドクオはペンを指の上でクルッと一回転させて言った。
いまいちハッキリとしない彼の物言いに、ブーンが小声で補足しにくる。
( ^ω^)「その人、敵でもないけど味方にするのも面倒なんだお。
一応魔王軍所属で戦力にはなるけど、いやもうマジ面倒なんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「面倒って、なにが」
( ^ω^)「……魔王にすごい心酔してるんだお。
多分ツンを見たら発情したのちアヘ顔で卒倒するお」
('A`)「お前、今の魔王軍では存在自体が超秘密なんだぜ。
危険が及ばないように極少数の魔物しかお前とロマさんが生きてんのを知らねえ」
('A`)「だからもし生きてることがバレたら……、特に今話したそいつにバレたら」
ξ;゚⊿゚)ξ ゴクリ・・・
私は隠し持っていた紅茶花伝を飲んだ。
('A`)「まぁ発情したのちアヘ顔で卒倒するだろうな」
ξ;゚⊿゚)ξ「もう死ぬほど会いたくない」
.
225
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:01:37 ID:pcCP1qPo0
('A`)「いやでももう詰んでるぞ。お前魔力抑えてねえし、垂れ流しだし」
ξ;゚⊿゚)ξ「え、そうなの?」
('A`)「ああそりゃもう大洪水だ。
多少は俺が相殺してっけど、学校内なら確実に気付かれるレベルだぜ」
ミセ*゚ー゚)リ「――おはようございます」ガラリ
その時だった。
見慣れない女教師が教室の戸を開け、私達の方を一望しながら中に入ってきた。
彼女は教壇に立つと、生徒達の注目が自分に向いていることを確認してから開口した。
ミセ*゚ー゚)リ「モナー先生は急病のため、しばらく学校には来られません。
その間このクラスを受け持つこととなりました、臨時教員の餓狼峰ミセリと申します」
ξ゚⊿゚)ξ(あっコイツだ)
勘が鋭くなった私はすぐに直感した。
というか、ここまで苗字がおかしければどんなバカでも気付けるだろう。
まったく魔王軍にはバカしかいないのだろうか。魔王家の者としてとても恥ずかしい。
(^ω^)
('A`)
ξ゚⊿゚)ξ「なんでこっち見る」
.
226
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:02:39 ID:pcCP1qPo0
ミセ*゚ー゚)リ「……魔王城さん」
私を呼ぶ彼女の言葉には、フォントの関係で表示できないハートマークが複数個ついていた。
ミセリ先生は自分の体をぎゅっと抱きしめ、一歩一歩私に近付いてくる。
なんだろうすごいフェロモンを感じる……
ξ;゚⊿゚)ξ「……え? あ、はい……」
ミセ*゚ー゚)リ「……ロマネスクおじさまは元気?」
ξ;゚⊿゚)ξ「え、はい元気ですけど……」
ミセ*゚ー゚)リ「ああ、そう……うふふ……そうなの……」
ξ;゚⊿゚)ξ
と、思わず答えてからハッと気付く。
こいつはまだ私が魔王の子孫だとは分かっていない。
なのにお父さんの事を聞いてきたとあれば、それは真偽を確かめる為の罠だ。
( ^ω^)「あー鎌かけられた」
('A`)「しばらく距離置くけど許せよな」
ξ;゚⊿゚)ξ(グゲェーやっちまった!!)
.
227
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:03:39 ID:qaBXQDHM0
きたーーーー
ペースはええwwww
228
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:03:55 ID:pcCP1qPo0
ミセ*゚ー゚)リ「……あっ」
それは確実に喘ぎ声だった。
うら若き生徒達が出揃った教室内、注目集う初登場時に朝っぱらから喘ぐこの女はマジでヤバイ。
ミセ*゚ー゚)リ「……もうダメかも」
ξ;゚⊿゚)ξ「なにが!?」ガタッ!!
瞬間、私はブーンとドクオの言葉を思い出した。
( ^ω^)「発情したのち」
('A`)「アヘ顔で卒倒する」
ξ゚⊿゚)ξ(こ、これは……)
恍惚して今にもアレしそうな餓狼峰ミセリを前に、私は決死の覚悟を固めた。
頭に浮かべた言葉はたった一つ――――私が守護る。
.
229
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:04:36 ID:pcCP1qPo0
ξ;゚⊿゚)ξ(うおお!! このスレのモラルは私が守護る! 守護らねば!)
今まで最低限の常識と作品の体を保ってきたツンちゃん夜が往くようです。
それがこんな真性メス豚の痴態でどうにかなってはスレの方向性が更に混迷を極めていく。
やっとの思いでシリアス展開を差し込んだのに、今ここで絶頂シーンを書くことになれば全て台無しだ。
::ミセ* ー )リ::「あの、ちょっとだけ触ってもいい……?」プルプル
ξ;゚⊿゚)ξ「触る!? やめて! いま対応考えてるから堪えなさい!」
::ミセ* ー )リ::「はい、我慢します……っ」
このメス豚は今にもアレをこうして(R18)しそうだった。
清廉潔白な見た目から想像もつかない発情振りは、エロ同人で言う所の水○敬マリみてシリーズに近いものがある。
ξ;゚⊿゚)ξ(ギャー!! 私の頭にもギャグ次元の情報が逆流してくる!)
ξ;゚⊿゚)ξ(急がなきゃエロギャグシリアスが混同した謎スレになりかねない!)
( ^σω^)「うーわ面倒くさそう」ハナホジ
('σA`)「なー」ハナホジ
ξ;゚⊿゚)ξ(AAの造形を無視したハナホジ描写までッ……!)
シリアスに圧迫されたギャグ要素がさらなる高波になって逆襲してきている。
私に残された時間はあと少しだ。打開策を、せめて地の文を元の調子に戻さなければ――――!!
.
230
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:05:40 ID:pcCP1qPo0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,、,,..._ ☆サブレアンケート☆(今日中で締め切るよ)
ノ ・ ヽ
/ ::::: i A・ツンちゃんミセリを抱く
/ ::::: ゙、. B・ツンちゃんミセリを気絶させる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
231
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:06:21 ID:pcCP1qPo0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思うジャック・ハンマーであった
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 また次回
,i :::::: `ー-、
| :::: i
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
232
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 05:49:14 ID:qaBXQDHM0
超乙
まぁAだろうな
233
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 06:34:00 ID:a6Fn6Avk0
来てると思ったら終わってたおつ
234
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 07:07:12 ID:krKR9qsU0
ツンがすげえ常識人だ
B
235
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 07:47:24 ID:sYDCbHMc0
Aしかあり得ない……
236
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 08:45:36 ID:SuupDHlI0
A
237
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 08:54:19 ID:wvpX9i0k0
乙
同数になったら今度はボトムズかな?
Bで
238
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 09:07:57 ID:iVYVYDwE0
カオスorシリアスか……!
そんなもんシリアスに決まってんだろ
Aで
239
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 10:53:13 ID:V1CFLCog0
B乙
240
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 11:25:38 ID:1xiVTzKI0
同数狙いのB
241
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 11:34:30 ID:Lf3c2Q7sO
乙
せっかくツンちゃんがお馬鹿じゃなくなったのにAにしたらまたギャグになっちゃうな
Aでお願いします
242
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 11:51:43 ID:R20GNmKc0
どっちにしろ気絶しそう
B
243
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 17:07:22 ID:e/MOZ.Og0
BだBだ
244
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 18:08:56 ID:WOhb2wNk0
乙
同数狙いのAで
245
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 18:26:37 ID:yCDti2mA0
A
246
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 19:04:38 ID:aR1E4PeA0
A
247
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 19:44:58 ID:9PRSbrk.0
A
248
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 20:03:09 ID:Q88p5W2oO
B
249
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 20:12:24 ID:Ef7Q81KMO
おバカなツンちゃんはもう見れないんです?
Aでオナシャス!
250
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 21:29:59 ID:XyYdEKCs0
抱け!!抱け!!A!!
251
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 21:36:42 ID:fZ6V74rk0
>>250
ノスタル爺乙
252
:
名も無きAAのようです
:2015/11/13(金) 23:06:04 ID:4MlRHRog0
B
253
:
名も無きAAのようです
:2015/11/14(土) 01:55:59 ID:B7YWQR0Y0
A 11票
B 8票
成し遂げたぜ。
254
:
名も無きAAのようです
:2015/11/16(月) 13:05:25 ID:Bkhm/dLg0
追いついた
楽しみにしてます
255
:
名も無きAAのようです
:2015/11/16(月) 15:04:06 ID:JUeJLKp20
ツッコミ役ツンちゃんええぞ~
256
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:31:11 ID:DgMvPhKk0
――私は決心した。
この女を抱き、その上でシリアス展開に持って行く。
ぶっちゃけ私は非処女でレズなので特に問題ないだろう。
エロゲでもよくある感じの流れだろうから、それで作品の体裁は――
ξ;゚⊿゚)ξ(くそぉ! 私の一人称が捏造されていく!)
ξ;゚⊿゚)ξ(抱いてたまるか! 私は処女でノーマルなのよ!!)
ξ; ⊿ )ξ(チクショーなんとかしてくれ魔王パワー!!)ピカー
その時、不思議なことが起こった。
目の前の景色が暗転し、次の瞬間、私の視界は閃光に包まれた。
そして低く唸るような声が一言、私に向かって命令する。
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『――抗うな』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
限りなく広がる純白の世界。
そこはサブレ時空――ツンちゃんを司る神の領域だった。
.
257
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:31:52 ID:DgMvPhKk0
普段の教室から一転、意味不明な場所に来てしまった。
しかしこれも魔王パワーが成せる業であり、特に不思議ではない自然な流れだった。
ξ;゚⊿゚)ξ(……よし、地の文の支配権を取り戻した!)
ξ;゚⊿゚)ξ(明らかに不自然な流れでも、地の文さえ味方にできれば何とでもなる!)
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『我はサブレ――鳩サブレ。
/ ::::: i 魔王の子よ、よもやこの神域にまで手を出すとは――』
/ ::::: ゙、
ξ;゚⊿゚)ξ「魔王パワーが絶対無敵の世界観で、神様がなんだってのよ!」
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『その傲慢、まさに魔王の気質と見たり。
/ ::::: i なれば我が眼前に立ちはだかるも必然か……』
/ ::::: ゙、
鳩サブレはゆっくりと翼を広げ、鳩サブレの破片を撒き散らしながら飛翔した。
.
258
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:32:52 ID:DgMvPhKk0
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『剣を持て。ここで決着をつけようぞ、魔王の子よ』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
ξ;゚⊿゚)ξ「……え? 戦うの?」
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『無論だ。まさか、我が鳩サブレだから戦えぬとでも?』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、ていうかそもそも鳩サブレじゃなくて――じゃない、それ」
瞬間、私は自分の口に手を当てた。
今確かにハッキリと――と言ったはずだ。
奴の真名である――を、確かに言った。
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『フハハハトサブレ』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
それは奴の笑い声だった。
.
259
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:34:32 ID:DgMvPhKk0
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『魔王の血であろうと台詞部分への介入は不可能だ。
/ ::::: i その名は既に破却した。故に我が鳩サブレである事は揺らがぬ――』
/ ::::: ゙、
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『さあゆくぞ魔王の子よ!
/ ::::: i その血肉、我が手中に収めてくれよう!』
/ ::::: ゙、
大きく羽ばたき、鳩サブレが咆哮する。
共鳴したサブレ空間が小刻みに震動し、ラスボス戦めいたBGMが流れ始める。
https://www.youtube.com/watch?v=8VDKVSXMas0
ξ;゚⊿゚)ξ(え、マジで戦うの!? これと!?)
,、,,..._ ビャクレンジン
ノ ・ ヽ 『――【冥火 白煉塵】』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
言葉の後、鳩サブレの周囲に無数の魔方陣が展開された。
魔方陣が灼熱を帯び、ツンちゃんに向けて巨大な火炎弾を連射し始める。
ξ;゚⊿゚)ξ(――ギャグシリアスか!!)
納得した私は魔王パワーを全開にして大きく後ろに飛び退いた。
しかし火炎弾は私を追って次々と発射された。その度に私は身体を翻し、奴の追撃から身を守る。
.
260
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:35:30 ID:DgMvPhKk0
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『さすがは魔王の血筋という訳か。
/ ::::: i まともな戦闘描写もなかったのに、よく避ける――!』
/ ::::: ゙、
ξ;゚⊿゚)ξ(アイツの言う通り、私にはまともな戦闘描写がない!
でも、私になくとも他のみんなにはある!)
思い出すのは全カットされたあの女の姿。
黒髪をなびかせた白い鎧の、素直四天王最速の剣士――!
『――私の動きに、ついて来れるか』
脳裏に響く声と、目の前に浮かび上がる素直クールの後ろ姿。
それは幻影だったが、私は彼女の幻影を必死で追いかけた。
他の事は何も考えなかった。
勝つ為には今まで見てきた他者の力を模倣するしかない。
正規ルートに入らず魔王化を覚えられなかった私に出来るのは、ただそれだけだ。
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『成程。地の文の記録を再生するか、小賢しい』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
鳩サブレの嘲笑など聞き流した。
火炎弾から逃げる為の道は彼女が示してくれる。
あとは、その背中に私が追いつくだけなのだから――――
.
261
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:38:51 ID:DgMvPhKk0
,、,,..._ スカーレット・サザンクロス
ノ ・ ヽ 『――【冥火 卍紅耀】』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
展開された魔方陣はそのままに、更に攻撃用の魔方陣が空中に出現する。
火炎弾に続いて始まったのは十字を描いた炎の弾幕。
幾重にもなったそれは火炎で編んだ網のように、私に向かってゆっくり前進してくる。
ξ;゚⊿゚)ξ(――――)
ここは無限のサブレ空間。逃げ場などいくらでもある。
足場の概念があるだけで、前後にも上空にも無限に距離をとれる。
逃げるだけならひたすら後ろに下がればいい。
だが、しかし。
川 - )
ついて来れるかと言った彼女の背中は、炎の弾幕に立ち向かっていく。
ξ;゚⊿゚)ξ(――――当然、追いかける!!)
私は固唾を飲み下して火炎弾に立ち向かった。
しかしその途端、視界を覆いつくすほど巨大な火炎弾が私の目の前に飛来する。
突然現れた火炎弾に私は思わず足を止め、一瞬前の決意を忘却してしまった。
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『終わりだ、小娘!』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
.
262
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:39:58 ID:DgMvPhKk0
ξ;゚⊿゚)ξ(――――)
避けられない、と思考停止した私の目の前には素直クールの背中がある。
瞬間、素直クールは剣をおさめて身構えた。
逃げるのではなく、この火炎を切り裂く為に。
ξ;゚⊿゚)ξ(なにそれ、見たことない……)
それはドクオ戦では決して見せなかった彼女の全力。
風を斬り、風を纏い、風と共に吹き抜ける必殺無双の抜剣術――
川 - )『――ついて来れるか』
構えたまま僅かに振り返った彼女は同じ事を呟く。
迫り来る隕石のような火炎弾を前に、私に出来ることは変わらず一つだけ。
ξ; ⊿ )ξ(――当然、追いかけるッッ!!)
その決意と同時、頭の中に知らない言葉が浮かび上がった。
私の口は、勝手にその言葉を囁いた。
.
263
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:41:10 ID:DgMvPhKk0
ξ ⊿ )ξ「――私の剣は此処に在る」
その時、固いスイッチがパチン! と切り替わるような感覚を帯びて、私の思考は一掃された。
身体は私ではない別の何かに突き動かされ、素直クールと同じ構えを取る。
一瞬前まで在りもしなかった剣を、その手に持って。
川 - )『八刀剣撃――――』
私と素直クールの幻影が重なり、同化する。
これから始まる技の名を、私は既に知っていた。
ξ ⊿ )ξ「――――八重小太刀」
抜剣の刹那、火花を散らして打ち出された八つの剣撃。
一瞬に凝縮された八回分の剣撃は、次の瞬間爆風を放って火炎弾に直撃する。
炎と風の激突――先に消滅したのは、鳩サブレの火炎弾だった。
.
264
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:41:50 ID:DgMvPhKk0
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『――バ、バカな!!』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
狼狽した鳩サブレの火炎弾が一点集中して私に降り注ぐ。
しかし、それが私の肌を焦がすことはなかった。
次の一撃で鳩サブレを斬る。
そのイメージを実現するため、私は――私達は疾走する。
ξ ⊿ )ξ「五刀剣撃――――」
,、,,..._
ノ ・ ;ヽ 『おのれ! 【冥火 紅いもタルト】!!』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
殺人的な紅いもタルトが飛び出してツンちゃんを襲う!
ツンちゃん死亡! 大勝利!
.
265
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:42:56 ID:DgMvPhKk0
ξ ⊿゚)ξ「今更地の文をとったところで――」
私は鳩サブレを無視し、剣を構えたまま空中に跳び上がった。
鳩サブレと同じ高さに到達したところで、私は決着の一撃を振り下ろした。
ξ# ⊿゚)ξ「――――轟断、燕殺し」
,、,,..._
ノ ・ ;ヽ 『や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
鳩サブレはなおも火炎弾を発射してきたが、私はそれらの隙間をすり抜けて奴に差し迫る。
五撃五方向から始まり一点に収束するこの技は、威力・手数よりも命中率に重きを置いている。
まさに必中必殺――たとえ相手が神であろうと、この一撃は確実に相手を斬り刻む。
,、,,..._
ノ ・ ;ヽ 『こうなれば本編ごと終わらせてくれる!
/ ::::: i 我が消えればギャグ要素は消え去る! そんな事、あってはならぬのだ!』
/ ::::: ゙、
音速を超えた五撃一刀の必殺剣が空中に奔る。
――瞬間、鳩サブレの肉体に五つの亀裂が走り抜けた。
.
266
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:43:50 ID:DgMvPhKk0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思う鳩サブレであっ――――
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 サクッ
,i :::::: / /⌒`ー-、
| :::::: / / i
! ::::::::../ / ノ
`ー―" "―――――‐ "
鳩サブレの言葉は、そこで途切れた。
己の行く先を知ったのか、その表情はどこか切ない。かなしい。
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『……もう、よいのか……ツンちゃん……』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
,i :::::: / /⌒`ー-、
| :::::: / / i
! ::::::::../ / ノ
`ー―" "―――――‐ "
ξ゚⊿゚)ξ「……ええ。今までありがとう。
私をギャグ時空で守ってくれて……」
ξ゚⊿゚)ξ「でももう往くわ。
年末年始は忙しいもの、早く完結させなくちゃね……」
私は剣をおさめ、サクサクと崩れ始めた鳩サブレを見つめる。
今まで誰よりも私を守り、傍に居てくれた銘菓――その最期を、私は見届ける。
.
267
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:44:31 ID:DgMvPhKk0
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『……ひとつ、本編のネタバレをしよう』
/ ::::: i
/ ::::: ゙、
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『本当の敵は正義でも悪でもない。
/ ::::: i 善悪を生み出すのは人間。真の敵は、人間なのだ』
/ ::::: ゙、
ξ゚⊿゚)ξ「……ありがちね……」
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『ふふ、せいぜいシリアス世界を生きるがよい。
/ ::::: i 伏線はある。貴様は世界の残酷さを思い知るだろう』
/ ::::: ゙、
,、,,..._
ノ ・ ヽ 『我はその姿を見ているぞ。
/ ::::: i いつでも、1,080円(9枚入箱)の鳩サブレとしてな……』
/ ::::: ゙、
https://hato.co.jp/toshimaya/
.
268
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:45:19 ID:DgMvPhKk0
鳩サブレは、やがて風に吹かれて消え去った。
粉々になり、広大なサブレ空間に散っていった。
私は一体どうして鳩サブレと戦っていたんだろう。
そんな疑問さえ、この感動的な別れの前に消えていく。
ξ゚⊿゚)ξ「さようなら、ひよこ饅頭……」
ξ゚⊿゚)ξ「……いいえ、鳩サブレ……」
奴が消えた今、きっとこれが最後のギャグシーンなのだろう。
私の頭上に悲しみの鳩サブレが降り注ぐ。
私はそっと手の平を差し出す。
そこに舞い降りた鳩サブレの破片を、私は静かに口に運んだ。
ξ゚⊿゚)ξ サクッ
ξ゚⊿゚)ξ「……やっぱ、もみじ饅頭だわ……」
その一言でサブレ空間は崩壊した。
私の意識は日常に戻っていく。
さて、あのメス教師の事が何も解決していないぞ――
.
269
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:46:34 ID:DgMvPhKk0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
スヤスヤ
ξ´⊿`)ξ という夢を見ているツンちゃんであった。
ミセ*゚ー゚)リ「よっ、と」
ツンに催眠術をかけたミセリは、清々しい顔で彼女を抱きかかえた。
ミセ*゚ー゚)リ「みなさんは自習を続けてください。
先生は魔王城さんを介抱するので保健室に行きます」
ミセ*゚ー゚)リ「あとドクオ君も来なさい。以上、みんな始めて」
さっぱりとした物言いで教師としての仕事を終えると、ミセリはドクオに一瞥を送って教室を出て行った。
('A`)「あー……?」
( ^ω^)
('A`)「……まぁとりあえず行ってくるわ。
マジであいつ襲われたらシャレになんねぇしな……」ガタッ
気だるそうに溜め息を一つ。
ドクオはミセリに続いて保健室に歩いていった。
( ^ω^)「……潮時かもNE」
静けさが戻った教室にぽつんと呟く。
育ての親をとるか、友人をとるか。
この時、ブーンはそういう選択を頭に浮かべていた。
.
270
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:47:14 ID:DgMvPhKk0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
と思う鳩サブレは、もう居ない
また次回
271
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 02:56:40 ID:lJz6VkHM0
乙!
鳩サブレ…
272
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 07:42:31 ID:DzeoVH.w0
サブレェ……
おつ!
273
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 10:06:45 ID:txSLJzAI0
話進んでねえwww
274
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 10:42:22 ID:C370Widk0
技名が恥ずかしすぎて悶えた
275
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 11:17:50 ID:VVvAB.pA0
ひよこーっ!!
276
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 18:43:04 ID:.gWkoInU0
鳩サブレでシリアスやってやがる...
277
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 19:22:38 ID:eUJefdfw0
鳩サブレはひよこ饅頭でもみじ饅頭でシリアルだったのか
278
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 19:31:04 ID:vAXKHS7Y0
もしや
>>1
は、昨今の和菓子の売れ行きの伸び悩みを解消すべく作品を投下している和菓子業界からの刺客……
279
:
名も無きAAのようです
:2015/11/20(金) 20:14:26 ID:NOBk8hno0
フハハハトサブレでツボった
280
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 22:58:24 ID:IabClKNc0
【interlude:6】
――VIP高校、保健室。
ミセ*゚ー゚)リ「連れてきたわよー」ガラリ
ξ´⊿`)ξ スヌーピー
('A`)「……」
川д川 「……おつかれ。そこのベッドに寝かせといて」
ミセリ達を保健室で迎えたのは白衣の校医、貞子だった。
ドクオが知る限り、身の回りに居る魔界関係の人物は彼女で最後だ。
しかし、なんだか違和感がある。
二人ともツンが魔王の子孫だと知らないはずなのだが、知った今でも存外に驚いていない。
どこかから情報が漏れた、とも考えたが、敵に知られて味方に知られていないのもおかしいなと合点する。
('A`)(なんか別の命令でもあったのか……?)
.
281
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 22:59:05 ID:IabClKNc0
('A`)「ミセリ、お前どこで知った?」
ミセ*゚-゚)リ「どこでって、ロマネスク様から直接聞かされたわ」
ミセリはツンをベッドに寝かせると、ツンの寝顔を見つめながらドクオに答えた。
彼女の表情は、ツンのことを憂うように暗く沈んでいる。
('A`)「……なんか冷静だな。
お前の事だから、すぐさまそいつに求愛すると思ってたが」
ミセ*゚ー゚)リ「……実際に会って気が変わったのよ。
そんな事をしてる場合じゃないって。ドクオは気付いてないみたいだけど」
川д川 「どいて。診るから」グイ
ツンとミセリの間に貞子が割り込む。
彼女はツンの頭に手をかざすと、瞑目してその手に魔力を集中した。
紫がかった陽炎が貞子の手に灯る。
貞子は魔力を帯びた手をツンの頭から喉元、胸部、下腹部、脚部爪先へと順に当てていった。
('A`)「……どこか悪いのか?」
ミセ*゚ー゚)リ「私でも分かるくらいにはね。
ドクオ、人間界に慣れて色々鈍った?」
.
282
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:00:07 ID:IabClKNc0
('A`)「……どうなんだ、貞子」
ミセリの小言から逃れるように、ドクオは貞子に話し掛ける。
貞子が行っているのは一種の健康診断のようなもので、対象の状態を正確に把握する意味がある。
診断を終えると、貞子は結果を脳内でまとめてから口を開いた。
川д川 「……抑圧と錯誤の呪術が掛けられてる。
これはロマネスク様の言ったとおりだった。覚えのある呪術式だし」
(;'A`)「なッ……!」
川д川 「呪い自体は半分くらいが解けている。
ロマネスク様の魔力が上手く作用したんだろう。問題無い」
川д川 「だけど呪いの副作用がすごく深刻だ。
単純に言って、彼女の身体は呪われている状態に慣れすぎた。
このまま抑圧・錯誤の呪いが解けて魔力が全開になれば、彼女の心身は自壊する」
(;'A`)「――ま、待て! その呪い、誰がやりやがった!?」
貞子は気だるそうに振り返り、長く伸ばした前髪の隙間から、じと、とドクオを見つめた。
川д川 「決まってるだろハインリッヒ高岡だ。
呪術式は私が作った『妖刀・首断ち』のそれと一致する。
ゆえに解除は容易だし、ロマネスク様にもそれを頼まれてるんだけど……」
ミセ*゚ー゚)リ「それをすれば、ツンちゃんを死なせかねない」
川д川 「その通り。時間があれば魔王化の修練も可能だけど、参ったな……」
.
283
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:01:05 ID:IabClKNc0
(;'A`)「……すまない。何も、気付いてなかった……」
ミセ*゚ー゚)リ「いえ、貴方は十分やっていたと思う。
私達が呪術に関してもう少し教えておけば、って感じ」
川д川 「ロマネスク様も人がよすぎるんだ。裏切り者は何度だって裏切る。
ハインリッヒなんかを信用するから……」
(;'A`)「……これからどうする? 何か言われてるんだろ」
ドクオは二人を一瞥し、脳裏に浮かんだ最悪の事態を予感した。
それは内藤ホライゾンの抹殺。魔王軍はどこまでも行っても悪である。
魔王の娘に手出ししたとあらば、親族皆殺しなど当然の処置に過ぎない。
ブーンをどうにかする、というのは十分ありうる話だった。
ミセ*゚ー゚)リ「……そうね。まずは、内藤ホライゾンの確保かな。
ツンちゃんにはもう少し寝ててもらうとして、そっちは今すぐやりに行く」
川д川 「殺しまでは言われてない。ただ少し、状況が変わりつつある」
(;'A`)「状況、って……?」
川д川 「……その話は後だ」
ふと、貞子が天井を見上げた。
彼女はじっと天井を見つめた後、ドクオとミセリに向けて言った。
川д川 「間もなくこの学校に結界が張られる。
内藤ホライゾンも分かっているらしい――――」
【interlude:out】
.
284
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:01:46 ID:IabClKNc0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
世界の色が変わる。
あらゆる風景が灰色を帯び、現実との乖離を象徴する。
結界――無害な人間達に被害を出さぬよう、最低限の配慮として勇者軍が行う術式。
これで、何が起ころうと現実に影響は出ない。
戦う場所が用意された以上、ドクオは彼との戦闘を考えねばならない。
魔王軍の一人として、ツンを守る任務の一環として。
必要とあらば、彼は内藤ホライゾンを殺さねばならなかった。
( ^ω^)「……」
そして、それはブーンにとっても同じこと。
もしも彼らが自分を殺しに来るのなら、そこで始まるのは単なる殺し合い。
生きていなければ何も成し遂げられない――彼は、その事をよく理解していた。
.
285
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:03:03 ID:IabClKNc0
――VIP高校、屋上。
もぬけの殻になったテントが、風になびく。
灰色の世界に一人立つブーンは、既に臨戦態勢をとって彼女達の攻撃に備えていた。
( ^ω^)「……」グッ・・・
両手でやっと構えられる巨大な一振り。
その大剣を一言にまとめるなら、それは血肉と臓物の塊だった。
剥き出しの臓物がドクドクと脈打ち、血を巡らせ、剣自体が一つの生命のように脈動している。
切先から柄にかけては常に血が滴っている。その乾いた血が、持ち主とこの剣をべっとりと繋ぎ止めていた。
しかしあくまで一つの剣として、その肉塊は、己の異質・異様さを外界に吐き出し続ける。
ブーンが投薬によって獲得できる激化能力は『復元』。
いま復元したこの剣は、彼が知りうる中で最も凶悪な武器――勇者喰らいの大剣、グランギニョル。
先の戦争において、魔王が勇者を殺すのに用いた曰くつきの魔剣である。
ミセ*゚ー゚)リ「……こっちは話し合いの用意があるけど、どうする?」
大剣を向けられたミセリは、最後の勧告として尋ねる。
ぶつかり合う両者の視線。平和的和解など、とても考えられない。
( ^ω^)「言っとくけど、勇者軍に関しての情報量はそっちと大差ないお。
むしろ、お爺ちゃんがどうなったか教えて欲しいくらいだお」
ミセ*゚ー゚)リ「あの人は死んだ。死んで改造されて、手駒にされた」
( ^ω^)「……まあ、だろうとは思ってたお」
ミセリの言葉で確信を得たのか、ブーンはさして大仰な反応もせず納得する。
.
286
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:03:43 ID:IabClKNc0
ミセ*゚ー゚)リ「命令は確保だけなの。殺せとまでは言われてない。
一応ツンちゃんのお友達だしね、どうする?」
( ^ω^)「悪いけどどっち側にもつく気はないお。
お爺ちゃんはそっちに味方してたけど、最終的にはどっちも潰すつもりだったお」
ミセ*゚ー゚)リ「……その考えは、貴方も同じなの?」
( ^ω^)「そうだお。僕の敵は魔王でも勇者でもないお。
敵の敵は味方でも、あんたらは敵ですらない。関わる理由がないんだお」
ミセ*゚ー゚)リ「だからと言って無関係になれる訳じゃない。
確保の命令は遂行される。いい?」
( ^ω^)「僕を殺さずに捕まえるつもりなら、死ぬお」
ブーンは血肉の大剣を肩に担ぎ、グッと腰を低くした。
.
287
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:05:08 ID:IabClKNc0
ミセ*゚ー゚)リ(……グランギニョルの性質は融合。
斬撃は二の次。問題は、あれに触れれば肉体を喰い取られる事)
ミセ*゚ー゚)リ(レプリカ版とはいえその性質は変わらないはず。
さて厄介だけど、剣を除けばやりようはある……)
あの剣は魔王が使えば脅威だが、子供が使ったところで十分な性能は発揮できない。
ならば必ず扱いきれずに隙ができる。その一点を見逃さなければ攻略は容易い。
――その早合点が、間違いだった。
( ^ω^)
ブーンはただ、剣を持ってそれを支えていればよかった。
確かにこの剣を従えるのは至難だ。それこそ魔王でなければ不可能だろう。
でなければ、従えなければいい。
ブーンはただ、この凶器のオンオフさえできればよかった。
あとの事は勝手に剣が終わらせる。無尽の食欲に任せて動き始める。
故に、彼には最初から制御という考えは無かった。
.
288
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:07:00 ID:IabClKNc0
ミセ*゚ー゚)リ「ッ?」
それはほんの一瞬、まばたきする間の出来事だった。
どちゅ、という音がミセリの腹を貫いていた。
己の身体を見直す余裕もない。
ミセリの意識は、その音を聞き届けた時点で潰えていた。
( ^ω^)「……」
彼女に血肉の大剣を突き刺したブーンは、剣で彼女の中身をぐちぐちと掻き混ぜてからそれを引き抜いた。
グランギニョルの能力は融合。
ミセリの体内と融合したこの剣は、彼女の臓物を連れて外に引きずり出てきた。
人体丸々一体分の内臓が血肉まみれでアスファルトに落ちる。
その血と肉の塊を、グランギニョルは貪るように啜って己の一部に変えていった。
絶命したミセリが膝をついて崩れ落ちる。
臓物の大剣は、その残りカスすらもしっかりと食べ尽くした。
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289
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:08:55 ID:IabClKNc0
( ^ω^)「――お?」
しかし、捕食を見守っている最中、唐突にブーンの足元が強烈に光り輝いた。
屋上いっぱいに広がる閃光。
(; ^ω^)「あっぶ――ッッ!!」
それが攻撃の前兆だと察した瞬間、ブーンは咄嗟にフェンス際まで退避した。
(; ^ω^)「もう一人居たのかお……!」
回避を見せると、その閃光は何事もなく収まっていった。
当たらない攻撃などする必要がない、という事だろう。
ブーンはもう一度グランギニョルを構え直し、フェンスを足場にして空中に跳び出した。
着地地点はグラウンド中央。
重量級の大剣を持ったブーンが地に落ちるとズドンと音が響き、空高く砂煙が舞い上がった。
川д川 「……人間というのは、相変わらずその剣のように醜いな」
( ^ω^)「……生みの親はそっちだお」
川д川 「担い手の話だ。勘違いするな」
砂煙の向こうの声と軽口を飛ばしあう。
次の相手はさっきのように油断してくれないだろう。
ブーンは一度グランギニョルの復元を止め、使い慣れた無銘の長剣を手に持った。
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290
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:09:35 ID:IabClKNc0
( ^ω^)「言っとくけど、逃がしてくれるなら戦わないお」
そう言い、長剣で砂煙を振り払う。
晴れた視界の先――捉えた敵は三人。
川д川 「……」
('A`)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……あーあ」
無表情の一言。しかし、それにはあらゆる感嘆が込められていた。
せめてツンには知られないままお別れしたかったが、それも駄目になってしまった。
まあとりあえず平和的に進めてみよう、とブーンは剣を捨てて両手を上げた。
( ^ω^)「話し合う気になったお。身の安全を要求するお」
川д川 「……たった五分で心変わりか、裏切り者らしい振る舞いだ」
川д川 「だけど、今この場にお前の話を聞く者が居ると思う?
二人にもしかと見せておいたぞ。あの剣と、殺しの瞬間をな」
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291
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:10:34 ID:IabClKNc0
( ^ω^)「……ドクオ」
('A`)「……俺は魔王軍の一員だ。貞子さんの判断に従う。
事情が何であれ、戦うことも厭わない」
ドクオに助け舟を求めても、彼は冷徹に自身の宿命に準じていた。
魔王軍と勇者軍はそもそも相容れない存在。友人関係も簡単に瓦解する。
( ^ω^)「じゃあ、ツンはどうだお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……私は……」
しかしドクオから言質は頂いた。貞子はドクオの上司だが、ツンは更に上の魔王の娘。
それが確たる判断を下した場合、二人はそれに従わざるをえない。
卑怯だという自覚はある。
が、切り抜けるなら一番弱い所を突くのが一番なのだ。
ブーンはツンを言い包め、なんとかこの場を乗り切ろうと考えていた。
( ^ω^)「確かに僕はあの人の勧告を無視して殺したお。
でも、話し合いが嘘だったら殺されてたのは僕だお?」
( ^ω^)「お爺ちゃんはツンを洗脳して何かをしようとしてた。
それは事実だし、僕もそれに加担してたお」
( ^ω^)「でも信じて欲しいお。僕もお爺ちゃんも、ツンに危害を加える気はなかったお。
もっと言えば魔王にも勇者にも用はないお」
川д川 「回りくどいぞ。そんな嘘だらけの説得、聞くだけ無駄だ」
貞子が空に手をかざす。と同時、空中いっぱいに無数の円が描かれた。
魔界文字を円形に束ねた最高位魔術式の大群。ひとたび起動すれば、この学校など塵芥も残らない。
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292
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:11:43 ID:IabClKNc0
( ^ω^)「ツン。僕のお父さんのこと、知らないお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……え、うん……」
( ^ω^)「僕のお父さん、勇者なんだお。
人造じゃない本物の、最後の勇者」
( ^ω^)「お父さん、先代魔王と一回戦ってるんだお。
でもその戦いでは死なずに、生きて帰ってきてるんだお」
( ^ω^)「そうだお? ドクオ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……そうなの?」
('A`)「……あいつが勇者の息子かは知らんが、あの戦いではどちらも死ななかった。
痛み分けっていう形で決着して、勇者は魔界を去っていったよ」
川д川 「お嬢様、聞く耳を持たないように。結論は既に出ています」
今にも火蓋を切って落としそうな貞子。
残された時間は少ない。ブーンは急いで話の続きを口走る。
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293
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:12:31 ID:IabClKNc0
( ^ω^)「お父さんは一度帰ってきた後、治療の為に入院したお。
国が秘密裏に作った専用の医療施設に、今も入院中だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……でも不思議じゃないかお?
一度は魔王を倒しかけた男を無視して、なんで勇者軍は勇者を作り始めたお?」
( ^ω^)「簡単な話、勇者軍は人間に 『勇者は死んだ』 と教えられたんだお。
ある意味そこが分岐点。勇者軍が狂い始めた原因がそれだお」
川# д川「いい加減にッ――」
ξ#゚⊿゚)ξ「――黙ってて」
川; д川「っ……!」
( ^ω^)
話に乗ってきた、と心の中でほくそ笑む。
ブーンは、最後の一押しを語り始めた。
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294
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:13:16 ID:IabClKNc0
( ^ω^)「ハッキリ言うお。僕のお父さんは今、その施設で研究材料にされてるお。
僕とお爺ちゃんはそれを何とかする為に、正義と悪を利用したんだお」
( ^ω^)「敵は人間。奴らの目的は、勇者と魔王の完全排除。
この事を知ってるのは僕とお爺ちゃん、そしてツンたち三人だけ……」
( ^ω^)「……正義と悪の小競り合いで時間を無駄にしたいなら、信じなくていいお。
もし僕を信じて協力してくれるなら、僕は魔王軍の一人として戦うお」
( ^ω^)「……何にせよ捕まる気はないお。だから、捕まえたいなら戦うことになるお。
あとの事は、もうツンの判断に任せるお」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
沈黙が渦を巻く。ツンはしばし、頭の中で情報を整理した。
この場の決定権はツン一人に押し付けられた。
彼女自身もそれを理解し、焦燥に追われている。
だから、一刻も早く答えなければならない。
ブーンを信用するか否か。ツンは迷いを振り切れないまま、もごもごと口を開いた。
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295
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:14:10 ID:IabClKNc0
ξ;゚⊿゚)ξ「わ、私は……」
A:ブーンを信用する。
B:ブーンを信用しない。
しかしふと、その二択を脳裏に浮かべた瞬間、ツンは鳩サブレの言い分を想起した。
ξ;゚⊿゚)ξ(……あいつ言ってた! 敵は人間って、確かに夢で言ってた!)
ξ;゚⊿゚)ξ(もし本当ならブーンの話とも一致する! だったら――)
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296
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:15:09 ID:IabClKNc0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆アンケート☆
A・鳩サブレを信じ、ブーンを信じる。
B・鳩サブレを信じない。ブーンも信じない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
297
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:17:32 ID:IabClKNc0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思う鳩サブレであった また次回
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 アンケートはこれが最後です 今日中で締め切りです
,i :::::: `ー-、
| :::: i 同票の時は沈黙 THIS WAY
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
298
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:21:12 ID:4ZJHjui60
A
299
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:28:02 ID:NnKyRwQ60
A
300
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:30:30 ID:G4R7xjVE0
乙
シリアルな展開だな
鳩サブレを騙るひよこまんじゅうなんて信じられるわけないからBだB
301
:
名も無きAAのようです
:2015/11/26(木) 23:34:44 ID:0USaXWJc0
乙!
Aで
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