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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

11名も無きAAのようです:2015/10/10(土) 05:14:28 ID:cQB6.m2k0


 今でも鮮明に思い出せる。


 同じように夜中に目が覚め、暇に耐えかねた私は散歩に出掛けた。
 コンビニまで行って帰ろうと思い、十分足らずの道を歩いていく。
 その帰り道だった。私は行く先の街路灯の真下に、異常な光景を見てしまった。


 街路灯の真下には、既に息絶えた人間と、それの返り血に服を濡らし、ただ茫然と立ち尽くす女性の姿があった。
 その手に凶器は無かったが、かわりに、彼女は人間の頭部を片手にぶら下げていた。


 私は絶叫を飲み込んで息を殺した。しかし女に気付かれてしまい、彼女の視線がこちらに向いた。
 音の無い真っ暗闇の中、唯一街路灯に照らされた私達は、まるで舞台に立つ二人の演者のようだった。

 目を合わせたまま私は後ずさった。巻き込まれてしまう、と思ったのだ。
 殺されるという恐怖は一切無く、ただ、この人と長く一緒に居たら駄目だと直感した。

 言葉も交わしてはいけない。目を合わせる事すら駄目だと思い、目を伏せる。
 無関係で居なければ日常が壊されてしまう。その感覚に体を任せ、私は一目散に逃げ出した。
 決して追われはしなかったが、私はとにかく走り続けた。


 ……そういう経験が、こんな夜にあった。


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