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食るようです
304
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 20:54:09 ID:BMATtBqk0
川 - )「辛いことも、悲しいことも、痛いこともなし、だ」
( _ )「」
そうして、幾許かの時間が過ぎ、
川 - )「全部わたしが守るから」
( _ )「」
川 - )「居てくれるな?」
素直は、
( _ )「 」
川 - )「…………よかった」
ようやく理解へと漕ぎ着けた。
鼻をすすりつつ、素直は立ち上がる。
川 ゚ -゚)(早急に事を進めなくてはならない)
時刻は十時を少し回った頃。
田舎とはいえ、この周囲には畑が多いことはフォックスから聞いている。
農作業は存外早くから行われるものとして
心得ている素直は、明け方までに作業を終わらせる事を目標とした。
305
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 20:55:08 ID:BMATtBqk0
まず素直は、土だらけの手を洗うことにした。
万が一の事を考えていた素直の爪は、深爪寸前にまで切り揃えられている。
シンクを借り、持参した紙石鹸で何度も手を洗った。
その次に、素直は疋田の被服を取り払った。
赤い血に染まったセーラー服にスカート。
たったそれだけを身に付けて、疋田は凌辱に耐えていた。
川 ゚ -゚)(こんなことなら、もっと早くに打ち明ければよかった)
己が本性を曝け出すことに対して、素直は常に恐れを抱いていた。
鬱田。
モララー。
素直に深く関係した男達は、必ず不幸になる。
素直が深く人付き合いをしないように、
他人を忌避していた理由はそこにあった。
川 ゚ -゚)(まさか、わたしの全てを知る前に死んでしまうなんてな)
自嘲を浮かべつつ、疋田を抱えた素直は、風呂場へと急いだ。
簡易的な作りではあるものの、広さは十二分にある。
浴槽に疋田を折り入れ、素直は車へと戻る。
脚立、LED製のランタン、マジックテープで自作した幅広のバンド、大型のクーラーボックス、
蓋のできるバケツ、キッチンツールを入れた鞄、着替え、その他細々とした道具などなど。
常人が一括で持ち運ぶにはあまりにも多すぎる荷物量である。
しかし、現在の素直は男のそれを凌駕する力を発揮していた。
306
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 20:55:55 ID:BMATtBqk0
もとより、素直は自身を鬼であると信じていた。
両親は、生粋の鬼。
その両親の両親も、恐らくは鬼。
であれば、自身ももちろん鬼である。
鬼であるから、人の手には余る存在。
ゆえに人からは常に嫌われる役で、その道理に矛盾は存在しなかった。
多くの媒体で、鬼というものはそういうものだと学習していたからだ。
しかし、中には奇特な人間もいた。
それが鬱田であり、疋田であり、モララーであった。
川 ゚ -゚)(皆、いい奴だった)
ランタンを灯し、風呂場に脚立を立てる。
その山の部分に疋田の腰を乗せ、
特製のバンドによって脚立の足に足首を固定した。
次はナイフを持ち出し、首、脇、大腿の動脈を切断。
だらだらと流れる血を眺める素直の脳内では、
川 ゚ -゚)(この速さでは小一時間必要だろうな)
血抜きに要する時間を弾き出していた。
かといってその間にやる事がないわけではない。
剃刀とシェービングクリームを取り出すと、疋田の頭へと満遍なく塗りつけた。
頭髪を剃る為である。
人間の髪の毛は蛋白質から出来てはいるものの、食用には適さない。
胃酸にも溶けず、そのまま残ってしまう可能性は十分にあった。
なので、素直は綺麗に頭を剃り上げてしまうのだ。
脚立から反り返った半身から、でろりと手を投げ出している疋田。
見る者によっては不気味に思える光景だが、やはり素直は何も感じることはない。
307
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 20:56:43 ID:BMATtBqk0
何より、解体するのはこれが二度目であった。
川 ゚ -゚)(初めての時は流石に手が震えていたけれども、慣れるものだな)
あの時。
素直がモララーに誘われ、椎名、ミセリ、房木と食事を取っていた時代。
椎名が、房木と同棲を始めてしばらく経った頃。
川 ゚ -゚)(夏だった)
それも晩夏。
ちょうど今頃の時期であった、と素直は振り返る。
椎名ことしぃは、介護関係のコースを取っていた、と記憶は主張していた。
面倒見のいい女性で、同時に苦労も多くしてきたらしいと風の噂に聞いていた。
幼い頃に父を亡くし、後に母は再婚。
その新しい父との間に出来た妹、ミセリ。
ドラマのテンプレートであれば、両親ともにミセリのことばかり可愛がってしまい、
連れ子であるしぃは疎まれて当然、といった流れであろう。
実際はそんな事などなく、仲睦まじく暮らしていたらしい。
けれども不幸なことに、しぃの両親は、揃って事故により死亡。
たった二人、半分ずつ血を分けた姉妹のみが取り残されてしまったのだ。
しぃ本人も進んで口にしたわけではないが、子供二人だけで生きるのには
大変な苦労を強いられたのであろう。
その代わりに、互いを疎んだり、憎しみ合うような関係にはならずに済んだ。
不仲という言葉とは程遠い位置にいる姉妹。
それが、椎名姉妹であった。
とはいえ、問題が何一つないわけではなかった。
308
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 20:57:25 ID:BMATtBqk0
ミセリは、昔から体が弱かった。
モララーの談では、しょっちゅう小学校からしぃへと連絡が入っていたという。
十中八九、その電話はミセリの具合が悪いという内容で、
時折しぃは動揺のあまり泣き出してしまうことが多々あった。
度々そのような場面を素直が目にした時もある。
が、素直は気の利いた一言を掛けることが出来なかった。
川 ゚ -゚)(大丈夫だと言えるのは、わたしが当事者ではないからだ)
それは、あまりにも無責任な一言のように思えた。
しかし、房木は違った。
絶妙にして的確な、しぃが恐らく欲しているであろう言葉を、
房木は差し出すことが出来た。
川 ゚ -゚)(あの二人がいつの間にか付き合っているなんて、
わたしは全然気が付かなかった)
頭髪を剃り終えた素直は、今度は眉や髭へと着手した。
川 ゚ -゚)(ミセリ)
十歳の、小さな女の子。
体の発育は遅く、低学年だと言われても信じてしまうような
背の低さがミセリの特徴であった。
ミセリは人見知りが激しく、口下手な素直と会話を交わした覚えはなかった。
しかしモララーや房木が相手であれば、年相応の反応を見せていた。
透明なガラス一枚を隔てて、素直はミセリを臨んでいた。
そこに憎しみはなく、素直は可愛いと考えていた。
309
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 20:58:43 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)(ただ、わたしに子守は向かない)
素直に出来ることといえば、ミセリが喜びそうな菓子を時々与えるだけであった。
その時ばかりはあのミセリも、照れたように笑って礼を言うのだ。
川 ゚ -゚)(……ミセリ)
疋田に向かって、素直は放水した。
まつ毛すらも一本も残さずに、黒々とした糸は排水溝へと追いやられていく。
男にしては、疋田は体毛の少ない方だった。
性器周りもすっかり剃り落とされていて、素直は心地のいい気分に浸っていた。
時計を見ると、十一時を回っていた。
川 ゚ -゚)(そろそろか)
浴槽の上に、蓋を取り付ける。
忌屋の中に放置されていた風呂の蓋である。
幸いにもあまり使われた形跡はない。
しかし、本来これはまな板ではない。
どうしても不潔さを取り除くことが出来ず、素直はアルコール消毒をした。
川 ゚ -゚)(気休めだな)
それでも、無いよりはマシだと素直は判断した。
川 ゚ -゚)「よい、しょ」
幾分か軽くなった疋田を、その上へと横たえる。
まず、頭を外す必要があった。
310
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 20:59:26 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「これだ」
分厚い刃を備えた、肉切り包丁。
ずしりとした重みが、素直の手によく馴染んだ。
川 ゚ -゚)「せーのっ」
ダン。
一太刀で、首がごろりと落ちた。
髄液が、とろとろと頚椎より漏れ出した。
蓋から包丁を引き抜いた素直は、指へと髄を馴染ませた。
川 ゚ -゚)「……うん」
髄液は、未だにたらたらと滴っている。
素直はそこへと口付けるようにして、髄液を貪った。
仄かに冷えた、甘い髄液。
果実や砂糖のそれとは違う、複雑にして儚い甘さだ。
塩をかけたわけでもないのに、わずかにだし汁のような味もする。
間違いなく、この瞬間しか味わえない代物であった。
川 ゚ -゚)「…………」
口の周りを拭うと、赤い汁が付着していた。
人体の六割は水で出来ている。
そして血抜きをしても、組織中に含まれている体液全てを絞ることはできない。
出来たとしても、旨味が逃げ出してしまうのは明白である。
311
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:01:59 ID:BMATtBqk0
とはいえのんびり作業をしている暇はない。
外では秋を感じさせる涼しい風が吹いているとはいえ、気温はまだ高い
しかも、ここは長らく使われていなかったと見える風呂場。
衛生的とは言えない環境だ。
川 ゚ -゚)(手早くいこう)
切り離した頭を、バケツの中へとしまう。
持参した氷で周りを埋めるようにすれば、保存と同時に血抜きにも役立つ。
脳は、脂質と水で出来ている。
一般的に水を多く含む食品は、痛むのが早い。
脳も例外ではなく、さらに脂も混じっているともなれば、
水によって脂が酸化して味は落ちてしまう。
ならばやはり、腐敗を抑える為には加熱か冷蔵、
どちらかの手段を取らなくてはならないのだ。
312
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:02:41 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)(どうしても頭は血が残りやすいからなぁ)
クーラーボックスではなく、あえて氷の溶けやすいバケツにしたのは
そういった理由も含んでのことである。
川 ゚ -゚)「性器かぁ……」
はっきり言って、男性器は食用に適さないと素直は記憶していた。
男性器に骨というものはない。
海綿体に血が集うことで、男性器は硬さを維持することができるのだ。
その海綿体はというと、加熱するとゴムのように固くなってしまう。
とてもではないが、食べられるようなものではない。
川 ゚ -゚)(それでも食べてしまったけれどもね)
一方焼いた睾丸は、砂肝にも似た食感で、にんにくと粉末のガラスープとともに
漬け込んでから焼くと、とても良いアテになるのだ。
川 ゚ -゚)「生で食う、か」
これも同じく、頭部を入れたバケツの中へと放り込む。
ちょうど満杯となった為、素直は蓋を閉じることにした。
川 ゚ -゚)「皮だ、皮」
肉切り包丁をしまい、次に取り出したのは小ぶりのナイフである。
皮を剥ぐことに特化したナイフだ。
313
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:05:07 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「まずは首から……」
喉、胸、腹、恥骨。
薄く線を引くようにして、ナイフで軽く撫ぜていく。
力を込めすぎると、横隔膜や臓器に傷をつけてしまう。
部位によっては内包している液体が肉へとこびり付き、味が落ちてしまう。
だからこそ慎重に作業しなくてはならなかった。
川 ゚ -゚)(相手が抵抗しないと楽だ)
しぃの皮を剥いだ時は、随分と苦労したと素直は回想していた。
大の字に縛り付けてはいたのだが、腰や肩を浮かせることは出来た。
それが存外に、作業の邪魔になることを素直は考えきれていなかった。
川 ゚ -゚)(今後もし、そのような機会があった時には
関節を外してから臨んだ方がいい)
作業はスムーズに進んでいく。
軽く引っ張った皮と筋肉の間に、滑らせるようにしてナイフを入れていく。
脂肪の多い箇所は、ナイフを使わずとも引っ張れば剥がれていく。
初回はその要領を得ていなかった。
脂肪だらけになったナイフは、切れ味がひどく落ちてしまった。
川 ゚ -゚)(研げばいいだけの話だけどね)
そり、そり、とナイフの擦れる音が浴室に響く。
314
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:05:48 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)(生皮を剥がされるってどんな気持ちなのだろう)
スカリフィケーション、という施術がある。
図案の通りに火傷や皮を剥ぎ、人為的にケロイドを
作り出すことで成立する、いわば刺青の親戚だ。
しかし医療行為として認められていないので、麻酔を使うことは許されていない。
川 ゚ -゚)「どんな気持ちか聞けば良かったな」
( ・∀・)「死人に口なしってやつだね」
背後より突然現れたモララーに、素直はさして驚くこともなく頷いた。
川 ゚ -゚)「ショック死してしまうくらいだから、相当に痛かったのだろうとは思う」
( ・∀・)「そりゃな」
笑いながらも、モララーは諭すように言う。
315
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:06:37 ID:BMATtBqk0
( ・∀・)「半分以上生皮剥がされたらたまったもんじゃねえだろ」
川 ゚ -゚)「しかし、それだけの事をされても仕方がないほどにあいつは外道だった」
無論、しぃのことである。
両親を亡くして以降、彼女はミセリを虐待し続けていたのだ。
それも巧妙な手口で、周囲の同情を集めながら。
( ・∀・)「頭がおかしくなってたのさ」
川 ゚ -゚)「違いない」
せせら笑う素直に、モララーは表情を曇らせた。
( ・∀・)「……もっと早く気付いていればな」
川 ゚ -゚)「悔やんでも仕方がないさ」
景気良く皮を引き剥がしながら、素直は回想する。
ミセリが死んだのは、八月の終わる直前で、
同時に房木としぃが同棲し始めた頃でもあった。
ミセリはその日、川遊びに行くと言って家を出た。
一人では危ないから、必ず友達と一緒に行きなさい、と声をかけたのは房木である。
元来より房木は面倒見のいい男であった。
素直自身も偏った食生活について、何度か指摘を受けたことがある。
無論、それを聞き入れるような素直ではないが、
房木の言葉は歯切れよく、不愉快に思うことは一度もなかった。
316
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:07:58 ID:BMATtBqk0
また房木は大の子供好きで、ミセリのことも
年の離れた妹か何かだと思って接している節があった。
しぃの本性とは対照的に、勿体無いくらいの善性に満ちた男。
それが、房木ギコであった。
ミセリが出かけた後、二人はちょうどドライブへと出かけた。
行き先はショッピングモールで、一時間ほど買い物をしていた時だった。
ミセリらしき子供が一人で、川に入って流されて行ったと警察から連絡が来たのだ。
目撃者はミセリの通う学校の同級生と、その母親。
人違いだろうとは言えない状況であった。
二人は慌てて川へと向かった。
日府市と叢作市の間を隔てる県内最大規模の水源、設楽川。
その川辺には警察と消防の車両が集い、規制線の向こうで、
小さなサンダルを揃えられているのが見つかった。
ミ,,゚Д゚彡『……まるで、自殺じゃないか』
思わず呟いた房木の言葉に、しぃは崩れ落ちたという。
結局、遺体は翌々日になって見つかった。
下流域にある葦原に引っかかっていたという膨脹した水死体は、
ミセリだと判断できるほどの特徴を備えているようには思えなかった。
その後、ミセリの死は自発的なものではなく、事故として処理がされた。
遺書は見つからず、彼女も明確に遊びに行くと
姉に告げていたのだから、当然といえば当然であった。
317
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:08:49 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「水、死は、苦し、い、死に方、なの、に、なぁ!」
皮を引きつつ、素直は呟く。
( ・∀・)「まあね」
同意しながらも、モララーは言葉を紡ぐ。
( ・∀・)「希死念慮を抱いてる人間にとっちゃ、
そこらへんにあるもの全てが自殺の道具に見えるものだよ」
しかし、ミセリはまだ幼かった。
最寄駅は家から遠く、線路の類も全くない。
わざわざ轢死するために、歩いて向かうのもバカらしいというものであろう。
また小柄であるために、首を吊りたくても縄を掛ける場所まで背が届く事はない。
薬局へ行っても、やはり子供相手に劇薬を売ってくれる道理もない。
となるとやはり、家のすぐ近くを流れる川へと身を投じるのが、
ミセリにとっての最適解だったのだろう。
川 ゚ -゚)「……君が説明してくれた理由も、わたしには理解できない」
理由。
自殺の動機。
モララーとこの話を蒸し返す度に、説明されてきた事由。
318
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:09:30 ID:BMATtBqk0
( ・∀・)「俺の話は信用ならない?」
川 ゚ -゚)「納得と理解は同じじゃないってことさ」
モララーの推理であれば、辻褄は合う。
しかし、だからと言って何故そんな事をと思わずにはいられないものだ。
畢竟、素直はミセリに死んでほしくなかったのだ。
( ・∀・)「何度でも説明するけどさ」
ぴち、と素直の頬に脂肪が飛んだ。
横目で眺めながらも、モララーの顔色が変わる事はない。
( ・∀・)「房木に姉ちゃんを取られたような気がして悔しかったんだよ」
川 ゚ -゚)「虐待していたクソ女のことがそんなに大事かね」
あらかた皮を剥ぎ終えた。
一息吐く暇もなく、腹と胸を裂く。
使う道具はキッチンバサミだ。
胸骨と肋骨間を通る骨は、軟骨で出来ている為に、ナイフで力を込めて
臓器を傷付けるよりも、ハサミの方がより合理的に肉を断つことができるのだ
性器を切り取った股間から喉に掛けて、布を切るように、ハサミは肉を切った。
軟骨を切除した後は、肋骨を開く。
横隔膜に包まれた臓器から、空気が抜けるような音がする。
妙な音だ。
日常生活を送る際には、絶対に聞くことのない音。
319
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:10:14 ID:BMATtBqk0
何度聞いても不愉快だ、と素直は眉をひそめた。
それを終えると次は食道と直腸それぞれに糸を結びつけた。
忌屋の片隅に積んであったゴミから察するに、
食事だけはきちんと与えられていたようである。
胃の中身や便を無駄に撒き散らすことになれば、それこそ衛生的ではない。
その次には、肝臓の裏にある胆嚢に袋を被せて切り取らなくてはならない。
胆嚢は、肝臓から作り出される胆汁を一時的に保管しておく
謂わば倉庫の役割を果たす臓器だ。
脂肪を消化するために、水と馴染ませる働きを持つのが胆汁である。
が、この液体の味ときたらとてつもなく苦いのだ。
それをうっかり傷付けて、他の部位に付着させようものなら、
その部分は食すことが難しくなる。
では食べられないのかというと、そういうこともない。
よくよく水で洗い、血を抜いた後、
レバーと一緒にパテにしてしまえば、やはり美味しく頂けるのだ。
( ・∀・)「……親に愛されなかった君には分からないかもしれないけどさ、
家族の縁っていうのは案外捨てがたいものなんだよ」
不意の呟きに、クーは胆嚢を握りつぶしてしまいそうになった。
いくらビニールの中に収めてあるとはいえ、液体の流出を止めることはできない。
川 ゚ -゚)「……今、真剣にやっているんだ」
見て分からないのか、というニュアンスを込めて、
素直は吐息を一つ生み出した。
それに対しモララーは、肩を竦めてなおも話を続けた。
320
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:10:57 ID:BMATtBqk0
( ・∀・)「よくある話だよ。虐待されている側は相手と離れた方がいい
と分かっているのに、情に流されてしまう。それでも親だから、兄弟だから、とね」
川 ゚ -゚)「…………」
素直は無言のまま、疋田のことを考えていた。
素直が容赦なく貞子を殴りつけた後、彼は一体どのような表情を浮かべていたのか。
川 ゚ -゚)(恐れ、軽蔑。信頼の、失墜)
暗がりの中でも、それは手に取るように、素直の心へと食い込んだ。
約一ヶ月。
疋田は、貞子の良いように扱われていた。
それなのに、疋田はあの表情を浮かべた。
川 ゚ -゚)(実に不可解だ)
しかし、そう思うのは素直が二人にとって赤の他人にして第三者であるからだ。
川 ゚ -゚)「血が混ざるだけで、どうしてこうもややこしくなる」
紐を縛り終えた素直は、もう一度ハサミを握った。
縛り切った末端を、ハサミで切り離すのだ。
喉、腸、共に切り終えたら次はいよいよ大仕事に取り掛かる。
内臓というものは基本的に横隔膜に包まれるようにして存在している。
また、消火器を支える為に背中から腹膜が発達している。
逆を言えば、横隔膜を引きずり出してしまうと、
これらの臓器は一緒くたに抜くことが出来る。
321
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:11:44 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「せー、っの!」
ずぱん。
やはり空気が粘着質な音を立てて、疋田の体から抜けていった。
川 ゚ -゚)「くっ……」
もぬけの殻となった肉体の横に、引き抜いた臓器の袋を横たえる。
その重さはおよそ七キロ弱。
流石の素直も重労働が続いたために、息が切れつつあった。
しかし、休んでいる暇はない。
時刻は午前一時半。
夜明けまであと三時間弱。
それだけの時間しか残されていない。
取り急ぎ、内臓を細かく分ける。
食道、心臓、肺、肝臓、腎臓。
それぞれを軽く水洗いした後、個別に袋の中へと収めていく。
袋の中にはあらかじめ、ドラキュラマットが仕込んであった。
ドリップをそのままにしておくと、雑菌の温床となる。
鮮度を保つには欠かせない代物であった。
包装がひと段落ついたら、クーラーボックスの中へとしまっていく。
胃と腸の始末は、一番最後に取っておく。
それよりも先に肉を解体しなければならなかった。
素直は再び肉切り包丁を用意した。
肉の分断。
解体の中では一番楽な作業である。
関節ごとにバラしていけばいいのだ。
それも勢いよく、刃を振ればいい。
322
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:13:52 ID:BMATtBqk0
肉は枝ごとに切り分けてしまった方が、保存がしやすい。
細切れに切ってしまうと、空気に触れる部分が自然と多くなる上に
細胞が壊れてそこからドリップが出てしまうから、やはり肉は痛みやすくなる。
( ・∀・)「上達したな」
川 ゚ -゚)「君よりも華奢なんだよ、彼は」
モララーと比べてしまうと、疋田は頭二つ分の差が付くほどに小さかった。
川 ゚ -゚)(きっと並んで立てば、大人と子供のように見えて面白いだろうな)
密かに想像し、素直は笑った。
( ・∀・)「疋田貞子も、随分と背が小さかったね」
川 ゚ -゚)「遺伝、というやつかな」
手際よく、疋田はバラされていく。
個人が物体に変わる瞬間というものは、素直の中には存在しない。
肉であり、人である。
それはどちらも肯定できる真実であった。
川 ゚ -゚)(常人であれば、やはりこれを肉と見るのだろうか)
( ・∀・)「それとも、こんな風になっても人と呼ぶのかねえ」
素直の思考を引き継ぐように、モララーは口遊む。
323
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:14:52 ID:BMATtBqk0
同時に、最後の一刀が振り下ろされた。
枝肉をクーラーボックスへと収納した後、素直は胃と腸の洗浄へと移った。
胃の中は、殆ど空っぽの状態であった。
腸の方も、大した内容物はなかった。
それでもやはり、多少の糞便が排水溝へと追いやられていった。
( ・∀・)「しぃも、最後に漏らしていたなあ」
川 ゚ -゚)「汚い話をするな」
( ・∀・)「汚い作業をしてんのはそっちだぜ」
川 ゚ -゚)「あいつの話は聞きたくない」
かぶりを振る素直に、モララーはなおも口を開いた。
( ・∀・)「お前だって気にしてるくせに」
川 ゚ -゚)「…………」
素直の手の中には、未だ肉を断つ感触が残っていた。
台へと刃が食い込む感覚。
びりりと肩まで伝わる実感。
川 ゚ -゚)(違う)
邪念を振り払うように、素直は頭を振る。
しかし思い出したくないという気持ちばかりが
遠心に掛けられて、彼方へと飛んで行った。
324
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:15:43 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「あれは、仕方がなかった」
( ・∀・)「俺もそう思ってるよ」
嘆息の後、モララーは言葉を続ける。
( ・∀・)「……でも、俺がやった事は間違ってたのかなって」
返事を寄越す代わりに、素直は服を脱いだ。
軽くシャワーを浴びようと思ったのだ。
( ・∀・)「だけどさ」
退去する素振りを見せずに、モララーはなおも語る。
( ・∀・)「房木を助けたかっただけなんだよ」
房木の身に異変が起きたのは、ミセリの葬儀から一月も経たない内だった。
元より二人は大学を休むようになり、周りも同情の眼差しを向けていた。
やがて、しぃのみが大学へと出席するようになった。
(*゚ー゚)『房木くんはね、精神を病んでしまったの……』
悲哀たっぷりに語られるしぃの言葉を、疑う者は誰もいなかった。
何より、房木の人柄から導かれる結末は想像するに容易かった。
房木への連絡や見舞いは、全てしぃを中継して届けられた。
325
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:16:30 ID:BMATtBqk0
そのような状態が長く続くにつれて、やがて房木の話題を
口に出す者は少なくなっていった。
忘却の彼方へと追いやられた房木。
しかし、モララーだけは彼を忘れる事が出来なかった。
事態が急変したのは、九月も半ばに差し掛かった頃だと素直は記憶していた。
しぃに何度房木のことを尋ねても、要領を得ないことに
苛立ったモララーは、マンションへと向かったのだ。
しぃの留守を狙っての訪問であった。
インターホンを鳴らし、待つこと数拍。
ようやく玄関へと姿を見せた房木の姿は、見るに耐えないものだった。
髪の色艶は失せ、目の下は窪み、脂汗が滲んでいた。
そうして、一言、
ミ,,; Д 彡『たす、けて……』
呟き、倒れてしまった。
救急車によって搬送された房木の容態は、まさに重篤そのものであった。
川 ゚ -゚)「一ヶ月も昏睡して、よく助かったと思うよ」
持参した服を纏いながら、素直は呟く。
全くだ、というようにモララーは頷いた。
房木が病院に運ばれたという連絡は、当然ながらしぃの耳にも入った。
その時たまたま同席していたのが、素直であった。
川 ゚ -゚)「いかにも、余計なことをしやがってという表情をしていた」
病院へと駆けつけたしぃは、医師からきつく事情を聴取されることになった。
326
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:17:15 ID:BMATtBqk0
それをどう言い含めたのか、素直もモララーも分からない。
ただ後から聞いた話では、情緒不安定となった房木が
ODを図ったということになっていた。
( ・∀・)「普通はおかしいって気付くよな」
せせら笑うように、モララーは言う。
( ・∀・)「医者のツテもねえのに、血糖値だの血圧だのを下げる薬が
潤沢に蓄えられてるはずがねえもん」
しかしそれ以上はプライバシーの問題として、病院は聞き出せなかった事は確かだ。
房木はそのまま精神病棟へと転院し、面会に行くことも出来ずに数年が過ぎ去った。
今となっては退院したのかどうかも、定かではない。
素直も、今更会いに行こうという気にはならなかった。
川 ゚ -゚)「ふぅ」
忌屋の隅から隅まで見回し終えた素直は、車へと乗り込んだ。
時刻は午前四時を控えた頃。
( ・∀・)「さっさとずらかろう」
その一言に、素直はアクセルを踏み込んだ。
忌屋のある叢作から、死にかけの風俗街まで約一時間半。
川 ゚ -゚)「長い夜だった」
327
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:18:33 ID:BMATtBqk0
窓を開けると、鋭利な硝子のような澄んだ風が吹き込んだ。
涼しいとも寒いともつかないそれに、素直の目元が潤む。
川 ゚ -゚)「どうして、」
ミラーを覗くと、忌わしい山が遠ざかって行くのがわかった。
川 ゚ -゚)「いつも」
舗装の禿げた箇所を巻き込み、車は大きく揺れた。
川 ゚ -゚)「わたしだけが」
衝撃によって、クーラーボックスからくぐもった音が響いた。
( ・∀・)「助けたかったんだ」
東雲を眺めながら、モララーは呟く。
川 ゚ -゚)「同じような言葉を、あの晩にも聞いた」
未だにその言葉を思うと、素直の胸は締め付けられるような目に遭った。
川 ゚ -゚)「どうして、助けたんだ」
誰もいない、がらんどうの田畑。
その隙間を縫うように広がる、狭い野良の道。
ひた走る車のハンドルを握りしめ、素直は問い掛けた。
328
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:19:45 ID:BMATtBqk0
( ・∀・)「だってお前は、永遠を信じている」
川 ゚ -゚)「…………」
無言のまま、素直は車を飛ばす。
点在する家。
破在するビニールハウス。
全てが、一つの線へと変じていく。
川 ゚ -゚)「そうだ、信じている」
ようやく言葉を吐き出したのは、赤信号に捕まってからであった。
ガソリンスタンドの輸送車が、ゆっくりと右折して、
素直の車を押し潰さんばかりに迫ってくる。
川 ゚ -゚)(そのまま倒れてしまえばいい)
素直は、破滅を願う。
一度たりとも、素直は自身を許した事がない。
自分は生きてもいい人間だと、構える事が出来なかった。
些細な隙間から死をこじつける素直を置き去りにし、
農協のマークが入った輸送車は、山へと向かっていく。
信号が青へと変わった。
瑣末な願い事を轢いて、車は突き進んでいく。
やがて素直は、小さな橋を渡った。
ミセリの死んだ設楽川の、分流である拝鳴川。
細ぞとしたその流れを見て、人を殺す力など持っていないように素直は思えた。
329
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:20:26 ID:BMATtBqk0
房木の入院後、モララーはしぃを呼び出した。
場所は素直の事務所もとい住居で、しぃの要望により、夜の八時頃に集まった。
(*゚ー゚)『余計なこと、しないでよ!』
来て早々に、しぃはモララーに対して激昂した。
緩やかにパーマがかけられた髪は、逆立っているような印象を放ち、
眼光はギラギラと病的な威力を放っていた。
( ・∀・)『まあ、とにかく座りなよ』
素直を自身の背後に置きながら、モララーは諭す。
果たしてしぃはその指示に従ったのか、素直の記憶は定かではない。
しばらく押し問答のような事をやっていた気がする、と朧げに思い出す素直。
しかしある一瞬から、その記憶は明朗なものへと変じていった。
( ・∀・)『君は、おかしいよ』
モララーは、極めて平静に返した。
( ・∀・)『正気の沙汰じゃないよ。自分の恋人に毒を盛るなんて』
(*゚ー゚)『盛ってない』
( ・∀・)『じゃあ、ミセリが死んだ途端に房木が病気になった理由を述べてごらんよ』
(*゚ー゚)『あの人は優しいから、精神を病んでしまったのよ』
熱を孕んだその声に、モララーは首を振った。
330
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:21:37 ID:BMATtBqk0
( ・∀・)『しぃ。俺から見るとね』
哀れみと侮蔑を込めて、
( ・∀・)『ミセリから房木に取って代わったようにしか見えないんだよ』
モララーは、
( ・∀・)『おそらく君は、代理ミュンヒハウゼン症候群だ』
しぃを、暴く。
( ・∀・)『君は二人に対して、病弱という属性を添加したんだ。
そして君自身には、看病と献身に明け暮れる悲劇のヒロインという属性を』
(* ー )『……違う』
( ・∀・)『ミセリの入院は、長くても一週間程度だったね』
(* ー )『ちがぁう!』
( ・∀・)『君と離れ離れになると、ミセリの症状は治まった』
(* ー )『違うってば!』
駄々をこねるように、しぃは叫ぶ。
もうこれ以上話してくれるなと、しぃは抵抗する。
しかし、モララーは容赦しなかった。
331
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:22:50 ID:BMATtBqk0
( ・∀・)『ミセリ……。あの子も君の性を承知で、薬を飲んでいたんじゃないかな』
これは憶測だけど、と付け足した言葉をしぃは聞いていない。
黒々と瞳孔が開いた瞳で、素直とモララー、両者を見つめていた。
( ・∀・)『君からの看護を愛と錯覚していたんだ』
具合が悪くなるのは、もちろんミセリにとってマイナスの出来事だ。
しかし己が苦しめば苦しむほどに、姉は嬉々として看病する。
( ・∀・)『それがミセリから君に対する愛だった』
まさに身を潰しての献身。
しかし、二人だけの蜜月に邪魔が入った。
( ・∀・)『房木と同棲してから、ミセリの容態は随分と安定したように思える』
なけなしの良心を、房木によって揺さぶられたのか。
それとも、保身のために止めてしまったのか。
その心を知るのは、しぃのみ。
しかし確実に言えるのはただ一つ。
( ・∀・)『ミセリは、君からの歪んだ愛を受け取ることが出来なくなった』
(* ー )『…………』
記憶の中のしぃは、黙している。
構わずモララーは、口を開く。
332
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:24:32 ID:BMATtBqk0
( ・∀・)「ミセリは絶望した。苦しい思いをして
引き止めていた姉の関心は、一人の男によって奪われてしまった』
(* ー )『…………』
( ・∀・)『しかし、それを口に出すことが出来なかった』
川 ゚ -゚)『その気持ちから、解放されたくて自ら死んだとでも言うのか』
素直の問いかけに、モララーは首を振る。
( ・∀・)『何を考え、どのように苦しみ、
自殺という結論を選んでしまったのかは分からない』
だけど、とモララーは言葉を紡ぐ。
( ・∀・)『君が常識的な愛情を注いでいれば、ミセリは死ななかったんじゃないか』
(* ー )『…………』
唇を噛み締めているしぃに、モララーは告げる。
( ・∀・)『君がミセリを殺したんだ』
それは、決定的な亀裂であった。
( ・∀・)『君が犯人だったんだ、しぃ』
333
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:25:31 ID:BMATtBqk0
空調の音が、いやに響く夜だった。
部屋の中には三人も人間がいるというのに、誰一人として音を立てなかった。
長い長い沈黙を前にして、素直はどうしたものかと考えあぐねていた。
同時にあれほどに可愛いと感じていたミセリを、
素直は手放したいとさえ思い始めていた。
川 ゚ -゚)(要するに、そこから逃げ出してしまいたかった)
気付けば周りの風景は、緑とはかけ離れたものになっていた。
いよいよ自分は日府へと帰ってきたらしい。
素直は、安堵にも近い気持ちを抱いていた。
されど記憶の遡行は、止めることが出来なかった。
(* ー )『……い』
小さく、記憶の中のしぃは呟いた。
(* ー )『あんたなんか、大っ嫌い!!!』
絶叫と共に、しぃは拳を振り回した。
(* ー )『なに、なんなの、急に人呼び出して、
あたしの大事な人を奪って、挙句に説教?
冗談じゃない!』
334
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:27:41 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)『椎名、』
(* ー )『黙ってろよこのメスブタ!!』
しぃからの一声に、素直は言葉を失った。
(* ー )『あたしの家のことはあたしが決めんの、
それをどうしてモララーがとやかく言える立場にあるの?
意味わかんない、あんたそんなに偉いの?
ああそっか、あんた不動産屋の息子だもんね。
苦労知らずのお坊っちゃんだもの、あたしの気持ちなんか一つも分からない!!』
もはやしぃは、二人の知る人物とは程遠い何かになっていた。
狂人。
常人の手に余る言葉を止める術はなく、
二人はただ、見つめることしか出来なかった。
ただし一言だけ、
(* ー )『……大事にしてたんだってば』
その言葉だけは、迷子になった子供のような響きを持っていた。が、
(*゚ー゚)『壊してやる壊してやる壊してやる……』
怨嗟に塗れた呪詛を練り、
(*゚ー゚)『あんたの大事にしているものも、全部壊してやる』
しぃは、素直へと突進した。
335
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:28:44 ID:BMATtBqk0
手には、牛刀が握られていた。
肉を断つのに相応しい刃渡り五十センチ。
それが、まっすぐ素直へと向かって来た。
川 ゚ -゚)(ああ、死ぬんだ)
折檻。
幼少の家出。
自殺未遂。
友人の死。
いよいよ、ガラス越しにしか触れることの出来なかった死がやって来る。
あんなにも嫌悪していた自己の、消滅。
待ち侘びていたはずのそれに、素直は何も感じる事が出来なかった。
恐怖、歓喜、焦燥。
全てが程遠く見え、
(;・∀・)『クール!』
それは、モララーという壁によって阻まれた。
川 ゚ -゚)『……モララー?』
いくら身をまさぐれども、刃の感触はない。
( ∀ )『か、っ……は』
崩れ落ちるモララーの肩越しに、素直はしぃを認めた。
信じられないという様子で、しぃは血に濡れた手を見つめている。
336
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:30:02 ID:BMATtBqk0
(*゚ー゚)『なんで、』
呆けたような一言に、素直はモララーの体からすべり抜けた。
摑みかかるや否や、素直は壁へとしぃの顔面を叩きつける。
川 - )『このッ……クソアマが!!!』
一度も口にした事の無い言葉が、素直の喉へと殺到する。
川 - )『フザケんな、フザケんな、フザケんな!!』
(; ー )『あゔぅっ……』
ガツ、ガツ、ガツ、と壁に赤い判が量産されていく。
泡立った悲鳴が、素直の手の中で揺れる。
しかし気分が晴れることはない。
苛立ちは、増長されるのみ。
川 - )『いー加減にしろよテメェーー!!!』
長く間延びした怒声に、ふと素直は思い出す。
川# ゥ )『テメェーを生んだのは誰だと思ってんだ!!』
川 - )『謝って済むんだったら警察なんかいらねェんだよ!!!』
川# ゥ )『そんなんで許されると思ってんのかテメェーはよぉ! 聞いてんのか!!!?』
川 - )『あ、や、ま、れ! あやまれー!!!! わたしに謝罪しろ!!!!!』
337
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:31:01 ID:BMATtBqk0
川# ゥ )『上っ面なぞるだけなら誰にも出来んだよクソボケぇ!』
川 - )『わたしを傷付けやがって!!!』
川# ゥ )『殴る方だってねぇ、痛いんだよ!!!!!!』
川 - )『痛い、痛い、痛い、痛い!!!!!』
川# ゥ )『なのにアンタは少しも悪気がないって顔しやがって!!!!!!』
川 - )『死ねェー!!! 死んじまえェ!!!!』
川# ゥ )『アンっタなんか一生一生役に立たないゴミなんだ!!!! クズ!! クズ!!! クズーー!!!!』
川 - )『殺す! 殺す!!』
反芻し、反響し、金切声として、放たれる。
おそらくは素直の声。
おそらくは、素直の義母の声。
いつのものかも分からない怒りが、しぃへと向けられる。
気付けば、記憶の中の素直は泣いていた。
しぃは、四肢を投げ出して気絶していた。
川 - )『……モララー!』
我に返った素直はしぃを投げ捨て、モララーへと駆け寄った。
338
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:32:18 ID:BMATtBqk0
(; ∀ )『……ク、ぅ?』
モララーは、虫の息であった。
背中から突き出ている牛刀は、モララーの肝臓を傷付けていた。
致命傷である。
川 ゚ -゚)『モララー、モララー……』
涙に塗れたその顔は、先ほどの激昂とは程遠い位置にあった。
(; ∀ )『クー……、』
川 ゚ -゚)『なぁに?』
微かに息を吐くモララーの口元へ、クーは耳を寄せる。
(; ∀ )『よく、聞いて、くれ』
川 ゚ -゚)『うん、うん』
不安定な熱を、逃しはしまいと素直は抱きしめる。
339
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:33:17 ID:BMATtBqk0
(; ∀ )『きゅ、う、きゅうしゃ、を』
はく、とモララーは息を吐く。
いや、言葉を吐いたようにも思えた。
一瞬の違和感。
しかし、
( ∀ )「呼ぶな」
さめざめとした響きに、素直は言葉の意味を咀嚼する。
川 ゚ -゚)『……モララー?』
( ∀ )「この機会を、逃してはいけない」
青ざめた唇は、素直に指示を出す。
( ∀ )「食べるんだ」
川 ゚ -゚)『――――』
食べる。
人を、友人を、愛する人を、食べる。
人が人を食べるのは、狂気の沙汰。
しかし、鬼に人の道理は通用しない。
鬼は、人の肉を喰らい、その人格を身の内へと保存する事ができる。
鬼は、退治されるまで生きる事が出来る。
鬼は、殺されない限りは、永遠に、生きる。
鬼は、永遠だ。
素直が忘れかけていた理。
340
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:34:46 ID:BMATtBqk0
( ∀ )「鬱田の時にも、お前は食べ損なっただろう?」
川 ゚ -゚)『ああ……』
素直は、思い出す。
真夏の盛りに、モララーと二人で鬱田の家へと行った事を。
扉を開けずとも、素直は直ぐに異変に気が付いた。
饐えた死臭。
吐き気を催さずにはいられない嫌悪の塊。
更に、蠅の集る気配がした。
鬱田の死体は、腐れていた。
荼毘に付され、灰と骨になった鬱田。
川 ゚ -゚)(食べて欲しいと願った鬱田を、わたしは裏切った!)
自責の念に駆られ、墓を暴き、骨を食せども、やはりそこに鬱田は宿っていなかった。
食べても、食べても、口の中が砂漠のように、飢えていく。
身の凍るような、恐ろしい記憶。
( ∀ )「大丈夫」
モララーは、囁く。
その身を呈して、素直の能力を呼び覚まそうと、彼は語り掛ける。
341
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:36:31 ID:BMATtBqk0
( ∀ )「お前なら、出来る」
出来る。
素直は鬼であるから。
鬼は人を喰う。
なんら矛盾はない。
悪しきことではない。
素直は、鬼だ。
絶対的に、鬼だ。
だから素直は、頷いた。
素直は、モララーの背から牛刀を取り払う。
どぱ、と血が手に染み付いた。
呻くモララー。
不安げに名前を呼ぶ声。
川 ゚ -゚)『大丈夫』
素直は、優しく微笑む。
川 ゚ -゚)『大丈夫』
素直は、モララーの首を掻き切った。
342
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:37:54 ID:BMATtBqk0
コーヒー豆を挽くように、素直はハンドルを回す。
きりきり、
きりきり、
軽快な音を立てて、歯車は肉塊を潰し合う。
みち、みち、
みち、みち、
粘り気の混じった肉が、加工口から蚯蚓のように這い出した。
脛、足、腕、皮、合わせて七百グラムのひき肉。
素直の作るハンバーグには、つなぎも香辛料も一切必要としなかった。
ほんのひとつまみの塩、たったこれだけあればいい。
現代人は比較的塩を多く摂取している為、
肉そのものにほんのりと塩味が効いているからだ。
川 ゚ -゚)(わたしは肉が食べたいのであって、
パン粉や卵が食べたいわけではないんだ)
フレーズを反復しながら、素直は肉を練る。
コンロの上には、鉄板が勢いよく火に炙られている。
練り終わった肉塊は、豪快に火の中へと投じられる。
川 ゚ -゚)「ふう」
手を洗い、心地のついた素直はコップに水を汲んだ。
343
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:38:53 ID:BMATtBqk0
(-_-)「水を買い置きしなくて済むのは嬉しいですねえ」
川 ゚ -゚)「その節に関しては、君に随分と苦労をかけたね」
からりと水を飲み干し、素直は微笑んだ。
ほとんど使ったことがなかったので素直は忘れていたのだが、
業務用コンロは火力が強い。
古びた換気扇を持ってしてでも、
その暑気を払うことは出来ずに、額からは汗が吹き出していた。
( ・∀・)「水道の水を使っちゃいけないなんて、変な家だと思っただろ?」
(-_-)「まぁ、そういう家もあるのかなーって感じでした」
川 ゚ -゚)「余計なものが無くなって、清々したよ」
( ・∀・)「よく平気で過ごしてたよな」
(-_-)「同感ですね」
川 ゚ -゚)「まあまあ、済んだ話を蒸し返すのはこの辺にしてくれないか?」
和やかな談笑に投じながらも、素直の意識は肉に集中していた。
こんがりと片面が焼きあがったそれを見て、素直はやっとこを手に取った。
344
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:40:10 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「ぶつからないでくれよ」
( ・∀・)「へいへい」
よろよろと支えられた鉄板は、木製の鍋敷きへと着地。
(-_-)「片面しか焼かないんですか?」
川 ゚ -゚)「うちのハンバーグはこういう形なんだよ」
じゅわじゅわと油の跳ねる鉄板を、大げさに熱がりながら、
素直はリビングへと移動した。
川 ゚ -゚)「ん?」
テーブルの上で、一台のスマホが光と音を撒き散らしていた。
表示されている名前は、フォックス。
川 ゚ -゚)「……もしもし」
爪'ー`)y‐「あっ、やっと繋がった」
呆れたような物言いで、フォックスはぷすと息を吐いた。
どうもタバコを咥えている、と悟った素直の眉間にシワが寄った。
345
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:41:27 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「家賃の交渉なら後にしてもらいたいのだが」
爪'ー`)y‐「そんな用事でシャチョーさんにかける訳がないでしょうに」
せせら笑うフォックスの声は、やがて暗澹とした響きへと変わった。
爪'ー`)y‐「……テレビ、見ました?」
川 ゚ -゚)「今つけた」
その言葉に嘘はなく、フォックスに耳には興奮した様子のアナウンサーの声が届いた。
爪'ー`)y‐「そう、それですよ」
叢作市の山中にある個人墓地にて、二つの死体が見つかったというテロップ。
素直にとっては、あまりにも身に覚えのありすぎる話だが、
そこに動揺は一つも見られない。
川 ゚ -゚)「まあ、最近の警察は仕事が早いから」
爪'ー`)y‐「いやいや何呑気なこと言ってくれちゃってるの。
下手すると車貸した俺まで捕まっちゃうでしょうが」
川 ゚ -゚)「まさか」
それこそバカにしたように、素直は笑った。
346
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:42:35 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「君は間抜けじゃあないと信用しているから、車を借りたんだよ」
その言葉に、偽りはない。
実際フォックスの方も、素直に二度車を貸した後には随分と手を回したのだ。
具体的に言うならば、車の型番の偽装、ボディやシートの交換などを
全部行った上で中古屋へ売り飛ばした。
表では言えないような仕事を嗜んでいる
フォックスにとって、そんな事くらい造作もないはずである。
爪'ー`)y‐「大赤字ですよ! 大赤字!」
憤るフォックスに、
( ・∀・)「幾ら欲しい?」
と、モララーは囁いた。
爪'ー`)y‐「逆に聞こう。幾らでアンタと縁が切れる?」
( ・∀・)「おや、ドクオの頼みを無下にするのかい?」
爪'ー`)y‐「……ほんっとタチが悪い」
(-_-)(……モララーさんって、意地が悪いんですね)
川 ゚ -゚)(あいつの家は、元からヤクザもんを相手に商売しているからな)
交渉を進めるモララーを尻目に、素直はひそひそと疋田に解説した。
347
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:43:25 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)(昔ならショバ代で幾らでも稼ぐ事が出来たけれども、
今は暴力団追放に力を入れているからな)
(-_-)(風営法も厳しくなってるんでしたっけ)
川 ゚ -゚)(それを警察と懇意にしている最良の不動産が間に立って、
この地区から怖いお兄さんが出ないように封じ込めているのさ)
(-_-)(こっわ)
川 ゚ -゚)(ま、困った事があればいつでもこちらから警察に突き出せば、
彼らは路頭に迷うことになる)
(-_-)(だから逆らえない、と)
川 ゚ -゚)(話が早くて助かるよ)
(-_-)(恐ろしいコネだ)
ぶるりと身を震わせる疋田に、素直は笑う。
川 ゚ -゚)「そう言ってくれるな、えいじくん」
爪'ー`)y‐「……フォックスなんですけど」
ぶすっとした声に、素直は形だけ謝罪をする。
モララーとの交渉は無事に終わったらしく、
そのままフォックスは電話を切った。
348
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:45:26 ID:BMATtBqk0
川 ゚ -゚)「あーあ、ハンバーグが冷めちゃったじゃないか」
言いながらも、素直は余熱の残っている鉄板に生肉を押し当てた。
川 ゚ -゚)「こうやって少しずつ出来立てを食べるのが好きなのに」
(-_-)「なんというか……ユッケみたいな食べ方をするんですね」
( ・∀・)「生肉大好きだからな、こいつ」
川 ゚ -゚)「でも、おいしいんだよ」
頬張った半生のハンバーグを、素直は舌先でほぐしていく。
すると肉汁は自然と絞られて、唾液と混ざり合っていく。
ゆっくり、ゆっくり、素直は肉を咀嚼し、
旨味ばかりが先に胃の中へと落ちていった。
川 ゚ -゚)「ああうまい、赤身最高」
( ・∀・)「昨日はタン塩最高って言ってたくせに」
(-_-)「初日はレバ刺しと湯がいた脳みそがたまらんって言ってましたね」
川 ゚ -゚)「つまるところ、肉はうまいということさ」
心底幸せそうに、素直は一人呟いた。
付けっ放しのテレビでは、相変わらず同じニュースをやっていた。
349
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:46:43 ID:BMATtBqk0
君の病気は治らない
.
350
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:47:49 ID:BMATtBqk0
(だけど僕らは生きてく)
.
351
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:48:48 ID:BMATtBqk0
登場人物紹介
(-_-) 疋田影子
普通
川д川 疋田貞子
狂ってる
川 ゚ -゚) 素直クール
普通
( ・∀・) 最良モララー
普通
(*゚ー゚) 椎名
狂ってる
爪'ー`)y‐ 鬱田フォックス
狂ってない
ハンバーグ
とってもおいしくできました
今までありがとう、えいじくん
これからもよろしくね
352
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:50:29 ID:BMATtBqk0
おまけ
(-_-)「このパズルって……、鬱田さんが作ったやつですよね?」
( ・∀・)「そうだけど、それがどうかした?」
(-_-)「いや、すごいぐちゃぐちゃだけど、これで完成形なのかなあって……」
川 ゚ -゚)「正確に言うと、それは試作品なんだ」
川 ゚ -゚)「完成品の方は、犯人に木っ端微塵にされてしまった」
( ・∀・)「で、形見として仕方なくそれを貰ったわけなんだけどもな……。
コイツ、不器用だからなぁ、壊しちゃったんだよ」
川 ゚ -゚)「本来なら人型と口型、二つの形態に変えられるはずだったんだがな」
(-_-)「じゃあ、どっちにも戻れないんですね……」
川 ゚ -゚)「ああ」
( ・∀・)「戻らないよ」
川 ゚ -゚)「もう二度と、ね」
353
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:52:21 ID:BMATtBqk0
以上で「食るようです」の投下を終了いたします
完結までに時間がかかりましたが、
気長に待ってくださった方々には頭が上がりません
ありがとうございました
乱歩奇譚みたいな話が書きたいと思って見切り発車で書いた話ですが、
サスペンスとは程遠いものになってしまったような気がします
ここ分かんねえぞという点がありましたら回答いたします
以下参考にした楽曲
「天国へようこそ 英詞版」 東京事変
「空が鳴っている」 東京事変
「ももいろクロニクル」 アーバンギャルド
354
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 21:53:39 ID:Dbi99sWQ0
髄液をすするシーンに官能を感じてしまった……作者さん乙です
355
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 22:23:47 ID:pWjMwLrU0
なんていうか、圧倒された、乙
ドクオの頼みってなんだっけ、あとドクオ殺したのは本編にいないモブで合ってる?
356
:
名も無きAAのようです
:2017/09/25(月) 23:26:12 ID:bWFxUSX60
予想以上に登場人物の過去が複雑だった。
心理学の授業が伏線になっていたのか。
あとモララーの事は全然予想出来なかった……
この作品好きだったから最終話まで読めてよかった。
本当にお疲れ様でした。
357
:
名も無きAAのようです
:2017/09/26(火) 00:01:25 ID:2LPj26Dc0
ついに終わったかぁ
完結が観れてよかった。
みんなもう元には戻れないんだなぁ
パズルみたいに。
とっても良かった。次回作にも期待
358
:
名も無きAAのようです
:2017/09/26(火) 20:23:33 ID:hhgqFc4c0
乙
モララーのこと最後まで予想できなかった……なるほどなあ
359
:
名も無きAAのようです
:2017/09/26(火) 21:45:45 ID:DNI0HAcU0
乙
最終話くるまで毎日読み直してたけどまた読み直すわ
360
:
名も無きAAのようです
:2017/09/27(水) 12:12:08 ID:kG9xA1Ow0
>>355
ドクオの頼みについてははっきりと明言してはいません
しかし今際のモララーに「今ここで俺を食べなければまた失われてしまうぞ」と
言われてクーは自責の念に駆られていますから
その辺りで察していただければと思います
ドクオを殺した犯人については作中には出ていませんから、モブになります
余談中の余談ですが回想において『』は実際にあったこと、
「」はそうじゃないものとして読むとゾッとするかもわからないです
361
:
名も無きAAのようです
:2017/09/27(水) 12:14:07 ID:kG9xA1Ow0
ついでに私事ですが現在はファ板の方で連載をしています
よかったら読んでみてくださいという宣伝
夢見る人に之聴く人のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1493121860/l30
362
:
名も無きAAのようです
:2017/09/27(水) 18:28:14 ID:LcdJyiBY0
完結乙!
夢見る人の方も楽しく読んでるよ
363
:
名も無きAAのようです
:2017/09/27(水) 21:59:46 ID:kUvFVBAQ0
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〆' iヾ ヾミ 、_'´' ヾ'‐ 、;;;ソ´'、{:::::: ,' r'. ,' l .!
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http://gekiyasu-h.com/sp/main.html
364
:
名も無きAAのようです
:2017/09/28(木) 01:18:31 ID:/gPLXvH.0
乙乙。何とも言い難い読後感が残るな。ヒッキー個人には幸せになってほしかった
最後まで読み終わった後ざっと見返してみて、
>>150
の描写に納得がいった
ただ逆に
>>133
がよくわからなくなった。寝たってことかな?
365
:
名も無きAAのようです
:2017/09/28(木) 02:44:55 ID:J60rbSfM0
>>364
当時の構成の甘さが見える部分ですね
読み返して自分でもよくわからないです
366
:
名も無きAAのようです
:2017/10/06(金) 08:44:07 ID:/s3IanfE0
おつ!
無事完結して嬉しい
水はなんだったのか、野暮だけど聞いちゃう
367
:
名も無きAAのようです
:2017/10/07(土) 21:30:26 ID:61OVeAgk0
>>366
昔殺人事件があって死体は貯水槽に入っていた
クーは肉を食うことで人格を保存できると思っている
しぃが殺されたのはクーのビル
368
:
名も無きAAのようです
:2017/11/13(月) 16:07:08 ID:eRv/GSas0
うーん大風呂敷の竜頭蛇尾
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