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食るようです

181名も無きAAのようです:2015/10/09(金) 13:49:56 ID:elzXkpGg0
(-_-)「お前が僕のおやつを横取りしてもお兄ちゃんだから我慢しなさいって言われるし、勝手に転けたお前のそばに僕がいただけで妹をいじめたに違いないと罵られ、そうやって『悪いこと』ばかりを積み重ねてきた僕には誕生日にもクリスマスにもなにも貰えず、お年玉だってお前のほうが多くもらってきた、挙げ句の果てには僕に大学は必要ないって言ったくせに、貞子、お前にはどこに行ってもいいと家族のみんなは言って、その時の僕の気持ち、分かるか?」

ぐつぐつと腸が煮えくりかえるような、嫉妬。
惨めさや羨ましさが相俟って、僕は泣きそうになっていた。
奥歯を噛み締めていなかったら、きっと涙は出ていただろう。
だけど泣いてしまったら、母親から家に締め出されて半日庭で過ごした記憶が蘇りそうで、僕は必死に堪えた。

(-_-)「なあ、僕とお前のなにが違ったんだよ。一年早く生まれただけじゃないか。なのにどうして、みんなお前を可愛がるんだよ」

川д川「お兄ちゃん……」

(-_-)「今更家に戻ったって、子供の時と同じ扱いをされるだけに決まってるじゃないか。うっかり子供一人分の食事を用意し忘れる家が、どこにあるんだよ……。もう戻りたくないんだ」

川д川「…………」

妹はとうとう押し黙った。
僕の言葉を理解してくれたのだろうか。

(-_-)(いや、そんなはずない)

希望的観測を捨てなくてはいけない。
きっとこいつは本気で分かっていないのだ。
妹の中には可愛がられた自分の記憶しかない。
どんなに近くで悲惨なことが起きていたとしても、彼女はそこから遠ざかろうとしているはずだった。
そこに自分も関われば自分もそこに落ちてしまうから、なにもなかったように記憶を処理してしまっているのだ。

川д川「……みんな、ほんとはいい人達なんだよ」

(-_-)(ほら見ろ)

僕は、自分の考えが合っていたことに安堵して、悲しくなった。
もうこれ以上苦しむことがないように、悲しまないようにと、希望を持つことを捨てていたのに。


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