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ロボの貞子が古城を調査したらみんなとにかく笑えるようです

96名も無きAAのようです:2015/08/17(月) 20:21:35 ID:kzfdz5PsO
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薄暗い蔵の中で、どこから差し込んでいるのか、一筋の光芒が綿ぼこりを視認させる。その量は、この場所が長い間使われていないことを示していた。



 なぜか、貞子にはそれが懐かしくも思えて、帰ることのできるはずの場所ではない閉塞的な中であるにも関わらず、焦燥していた精神が落ち着いていくことを感じた。



 まるで蚕のような、野生としての回帰本能を持たない存在である機械の彼女に生じた矛盾。膨らめば膨らむほど、人間へと近づいていく。



 壁際のところに備えられた黒い衣桁──室内で衣服などを掛けておく道具──に気付かなかったのは、そうした変化が原因であるのかもしれなかった。



 そこに掛けられていたのは、いつか見た花を文様とした小袖だった。



 近づいてみてみれば、それは彼岸花だった。赤く、悲しげなそれが黒地によく栄えていた。


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