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1-
101-
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ロボの貞子が古城を調査したらみんなとにかく笑えるようです
1
:
名も無きAAのようです
:2015/08/17(月) 06:37:07 ID:kzfdz5PsO
百物語に参加したいけど、7時までに投下終了をすることは出来ないので、問題があれば除外してください。
100
:
名も無きAAのようです
:2015/08/17(月) 20:26:03 ID:kzfdz5PsO
〜〜〜
夕暮れを思わせる紅の景色と、その役目を失った壊れた風鈴。日本家屋の軒下で、貞子は縁側に座っていた。
近くで盆踊りでもしているのだろうか。太鼓の叩く音や、笛の鳴る祭囃子が聞こえてきた。
少し辺りを見回ってから元の位置に戻った。家の中に両親は居なかった。
それどころか、これだけ文化的な雰囲気の中で人の気配すらしなかった。家のカギは自分が持っていた。ポケットの中に入っていた。
101
:
名も無きAAのようです
:2015/08/17(月) 20:27:35 ID:kzfdz5PsO
どこかで教えてもらった遊びを、貞子は思い出していた。こっくりさんという遊びだった。硬貨は自分が持っていた。ポケットの中に入っていた。紙は隣に置いてあった。鳥居と五十音が並んでいた。
彼女は硬貨を紙の上に置いた。
やれ気が狂うだとか、やれ神隠しに遭うだとか、そういった要素を孕んだ占いの一種を実行しようとする彼女には、それほどまでに思いを伝えたい相手が居た。そして、それを邪魔しようとする相手も居た。
102
:
名も無きAAのようです
:2015/08/17(月) 20:30:06 ID:kzfdz5PsO
ソロモン・グランディ
月曜に生まれて
仮にここを日本としたらば、1884年に伊豆半島沖に漂着したアメリカの船員が自国で流行していたテーブル・ターニングを地元の住民に見せたことをきっかけに、日本でも流行するようになったという情報が関係しているのかもしれない。
陽気な祭囃子の終わりと、夕日が沈む情景に流れた、あの不快な音声がノイズと共に聞こえてきたこととは無関係でないのかもしれない。
103
:
名も無きAAのようです
:2015/08/17(月) 20:33:01 ID:kzfdz5PsO
火曜に洗礼
雑音。指が震える。
水曜に結婚して
不快が全身を襲う。
木曜に病気
貞子は嘔吐した。ほうれん草とハムカツと人の指が地面に落下した。
金曜に危篤
川д川(……は、かせ……)
それでも指を動かした。動かした先は自分が思っているよりも大事な存在だった。
104
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:35:29 ID:Hcl4dlPMO
それでも指を動かした。動かした先は自分が思っているよりも大事な存在だった。
土曜に死んで
本来の占い方と違う、ただ自分の思いを一心に込めた願望が揃えた文字列は。
日曜に墓の中
ただの変態の名前だった。
――はいそれまでよ ソロモン・グランディ
105
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:39:20 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
白昼夢だったのかもしれない。目を覚ました彼女は、そんなことがあるはずないと断言できなかった。
その理由としては、自分の体が元の強化骨格であること。確かにあった鼓動は、人為的に作られた赤い模様に置き換わっていて、ロボットが夢を見るはずがないという当然の帰結。反証するは、これまでの現実。
隣にいたはずの長岡はどこにもいなかった。
辺りを探そうとしたその時、これまでとは全く違うイメージが頭に浮かんだ。
106
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:41:13 ID:Hcl4dlPMO
―――――――――――――――
『任務終了。帰還せよ』
―――――――――――――――
107
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:43:08 ID:Hcl4dlPMO
まだ会話に近しい念話とは異なり、マイクロチップに直接タイピングされた文字列、言ってみればプログラム命令文が、貞子の使命の終わりを告げる。
火星からのメッセージ。貞子は機械であり、宇都宮が操作するPCと繋がっている。親子の絆。
この城はなんなのか。そもそも、事前調査で謎に包まれた廃村という情報があったが、そんなものはどこにもなかった。
ミームとはなんだ。
tanasinnとはなんだ。
自分は何者だ。
長岡は、どこにいる。
108
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:44:12 ID:Hcl4dlPMO
それら、一切の懸念を捨て、今思うことは一つだけである。この城から一刻も早く脱出すると。
生まれてきた感情を一度押し殺した彼女は、その場の調査をせずに鉄格子の扉を開けた。
それが裏目になった。
109
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:46:31 ID:Hcl4dlPMO
それら、一切の懸念を捨て、今思うことは一つだけである。この城から一刻も早く脱出すると。
生まれてきた感情を一度押し殺した彼女は、その場の調査をせずに鉄格子の扉を開けた。
それが裏目になった。
110
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:51:41 ID:Hcl4dlPMO
( _ ミ
γ ヽ
(| (_ノ
| | |
(_(_)
絵画室の中央にいる人型のそれは、非常に背が高く、痩身で、不自然に長い、触手状の腕──触手にも見える──が情報として最初に得ることのできる発見だった。
それが危険なものであると判断できたのは、一瞬にして視界から消え去ったからである。
自身が地に伏していると認識できたのは、右腕上腕部分の破損を知らせるエラーメッセージがマイクロチップに伝達されたから。
111
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:53:11 ID:Hcl4dlPMO
すぐに起き上がり、周囲を見渡すと、10メートルほど離れた所にそれは居た。
こういった時に長岡が居れば──感情の隆起と、使命の達成が混在し、貞子は冷静な判断を取った。
逃走である。彼女は逃げ出した。助けを求める弱者のように、救いを求めてそれから遁走する。
ロビーを通過した。食堂から生首がこちらを見つめていた。それどころではなかった。
112
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:54:57 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
文字通りの血の海が、ガーデンを埋め尽くしていた。それは液体ではなかった。異形な花々であった。
無数の赤い花弁は滴る口、茎を地面に這わせ蠢く。
ここはもう庭園ではなく、人食い魚のいる池だ。
113
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 05:55:50 ID:Hcl4dlPMO
後ろにいるであろう脅威に挟撃されてしまえば元も子もない。貞子は意を決し、赤い水の上を泳ぐ。
ある花は花弁を鋭く尖らせ、強化骨格の身体を食む。蝕まれていく四肢からは、赤くない液体が流れていく。
ある茎はその身を這わせ、縛り上げる。ギリギリと軋む腕や足の損傷から、貞子は悶えた。
だが、言葉を発してはいけないというルールが、彼女に痛みの吐息を吐かせることすら許さない。
114
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 06:05:15 ID:Hcl4dlPMO
悶絶するほどの恐怖と苦痛、なまじ生まれ出た感情からの、尊厳の崩壊。
からがら、岸にたどり着き、庭園を抜け出すことに成功した彼女は、数瞬、地面に突っ伏す。
顔を上げ、立ち上がろうとしたその時だった。
/⌒―-_/⌒―-_/⌒―-_
X ,ァX ,ァX ,ァ
ヘヘヽ__//ヘヘヽ__//ヘヘヽ__//
ヘ |セ><セ|ヘ |セ><セ|ヘ |セ><セ|
、ヘヘ 仝 /、ヘヘ 仝 /、ヘヘ 仝 /
ヘマフ/ ヘマフ/ ヘマフ/
\`/ / \`/ \`/
y / ヘ ヘ `ヘヘ
_/ / ` _ノ ノ | ヘ
`~ ̄ `^´ ^^
這う這うの体で泳ぎ切った先に居たのは、ちょうど目線が同じ位置にあった犬。違うのは目の数。
その犬には首が三つあった。それぞれの顔が有する口元には、人の手と、足と、胴体があった。
痩身の怪奇により、右腕は上がらない。死を思わせた花々が、彼女を立ち上がらせるエネルギーを食らいつくしていた。
115
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:19:03 ID:Hcl4dlPMO
そうして、興味などないかのように肉を吐き捨てた犬は貞子に飛び掛かる。
川 ‐川
諦観した貞子へと、三頭の牙が、未だ味わったことのないであろう体に──
─=ヽヾ_
.─ = 三(`゚∀)_─=三⊃
─ =三 <_つノ-=━ ̄
─ = 三/ _ィ、ヾ
_(_ノ~ 、(,,),'
川 ο川
_
( -∀゚)(魔犬風情が、調子に乗るなよ)
突如現れた鈍い打撃が当たる音と、見覚えのあるサンダルによって、ついぞ、触れることはなかった。
116
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:20:52 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
彼は変態だった。
金髪の髪に、白いシャツ。シワのない黒いスラックスと、意味の分からないサンダル。
それでも、彼女にとっては愛おしく感じた。
_
( ゚∀゚)(貞子!!)
肩に触れる。かかる前髪から覗かせた瞳は、決して潤んでなどいない。
_
( ゚∀゚)(大丈夫か?)
川-ー川(……はい)
117
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:22:17 ID:Hcl4dlPMO
念話のやり取りがこうも心地いいものだとは、思っていなかった。長岡に介助してもらった貞子は立ち上がる。
_
( ゚∀゚)(心配しなくていい。もう大丈夫だ。もう誰も君を傷つけない)
_
( ゚∀゚)(さぁもう少しでこの領域から脱出できる。行こう)
そして、差し出された右手に触れようとした刹那。
_
(゚∀゚ )(ちょっと待ってもらおうかな)
変 態
もう一人の王子様が現れた。
118
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:23:43 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
_
( ゚∀゚)(!)
川д川(!?)
_
( -∀゚)(……貞子、この先は闇だ。絶対に行ってはいけない)
_
( -∀゚)(……貞子、この先は光だ。絶対に行かなければいけない)
_
( ゚∀゚)
(死ぬぞ)
_
( ゚∀゚)
119
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:25:22 ID:Hcl4dlPMO
初めて第三の念が、満身創痍の彼女に伝わる。隣と目の前、どちらも同じ周波、同じ気持ち。
違うのは、その情報が正反対の方向を向いていることだった。進むか、止まるか。
当然の如く、膠着状態となった現状で、先に話題を呈したのは目の前にいる長岡だった。
_
( -∀-)(こういう話を知っているかい?自分そっくりの第三者)
_
( ゚∀゚)(通称、ドッペルゲンガー)
_
( ゚∀゚)(オートスコピーさ。ただの病気だよ)
_
( ゚∀゚)(ロボットが、病気になるとでも?)
_
( -∀-)(故障かな?ねぇ、貞子)
川д川(……)
120
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:26:22 ID:Hcl4dlPMO
飄々とした態度、軽口を叩く口調、そして話好きな好事家。
そのどちらもが、貞子の思考が坩堝に嵌っていくことを、男たちは悟った。
そして、どちらともなく。
_
( ゚∀゚) (どちらを信じるべきか分からないか)
_
( ゚∀゚)(なら俺の生い立ちでも話そう。どうだい、偽物君)
_
( ゚∀゚)(悪くないな。ボロを出してくれれば儲けものだ)
思い出話を始めた。
121
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:27:50 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
幽霊である長岡には最愛の故人が居た。彼女は幽霊だった。とても献身的だった。
ある日、彼女の作った味噌汁を飲んだ。とてもおいしかった。
成仏しようと思った。でもできなかった。
たけのこが、入っていた。それだけが理解できない。だから彼はここにいる。
122
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:28:47 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
_
( ゚∀゚)(どこか、間違いはあるかい?)
川д川(……)
_
( ゚∀゚)(ない)
どれだけ格好をつけようと、そのエピソードを脳内で浮かべるだけで呆れが出る。
緊迫した状況であるにも関わらず、既に聞いている馬鹿げた話に貞子はより無表情となった。
そんな、助けようとしている相手のつまらない顔を見た彼らは、さらなる提案をする。
123
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:29:51 ID:Hcl4dlPMO
_
( ゚∀゚) (八方ふさがりになってしまったな……こうなれば彼女に決めてもらうしかあるまい)
_
( ゚∀゚) (さすが俺の分身だ。ちょうどそう思っていたところだよ)
_
( ゚∀゚)⊃
_
( ゚∀゚)⊃
差し出された二つのそれは、残酷な手だった。握る方を間違えれば、意味がない。
客観的に見れば、それはプロポーズにも似ていた。もっとも、貞子にそこまでの主観性はないのだが、彼女はドキドキした。
戸惑うロボットに命令をするかの如く、強く、頭に浮かべた言葉を伝えたのは、後に出てきた長岡だった。
124
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:30:57 ID:Hcl4dlPMO
_
( -∀-) (選択しろ、貞子。君の使命はくだらない。だが)
_
( ゚∀゚) (君自身は、尊い)
存在の承認。火星にいる生みの親のみが行うことのできる、あるいは意味を成すそれを、会って間もなくなんの縁もない幽霊が発する。
この上のない贅沢であった。現に、胸が張り裂けそうなほど高揚した。無機質な肌が火照ると誤認するほど、ひどく嬉しかった。だから、手を伸ばした。
125
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:33:16 ID:Hcl4dlPMO
_
( -∀-) (──脳の側頭葉と頭頂葉の境界領域に脳腫瘍ができた患者がドッペルゲンガーを見るケースが多い)
それを止めたのは、もう片方の──
_
( -∀-) (この脳の領域は、ボディーイメージを司ると考えられており、機能が損なわれると、自己の肉体の認識上の感覚を失い、あたかも肉体とは別の「もう一人の自分」が存在するかのように錯覚することがあると言われている)
くだらない話が好きな、ちぐはぐな格好の──
_
( ゚∀゚) (ブルッガー博士の研究だ。さて、偽物君)
会って間もないにも関わらず、確かに貞子の窮地を救った──
_
( -∀゚) (彼女のおっぱいの大きさはいくつだったかな)
_
(; ゚∀゚) (!!)
最低の口説き文句だった。
126
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:35:11 ID:Hcl4dlPMO
_
( ゚∀゚) (俺は揉みまくることでサイズを測ることができた。じゃあ君にはできるか?できないな、肉体の認識上の感覚がない君に触診は不可能だ)
彼女の手を掴むはずのそれは、空中で何かを触っている動作をしている。なぜか、貞子には卑猥に思えた。
_
( ∀ ) (っ、うう)
同時に、ああ、こっちだと確信した。
_
( -∀-) (答えはEカップだ。失せろ)
ドッペルゲンガーは霧散した。
溶けてなくなった。あたかも、初めからそんなものいなかったように、跡形もなく。
長岡は所在なく動かしていた手を降ろし、今度はしっかりと差し出す。別れの時。
_
( ゚∀゚) (さぁ、行こう。君は帰るんだ。使命を全うするんだろう?)
127
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:36:47 ID:Hcl4dlPMO
惜別の思いがこみ上げてくる。帰らなければいけない。でも帰りたくない。
できることならば、一緒に帰ることはできないだろうか。
もはや、ロボットとは思えないエゴに満ち溢れた考えを、おずおずと伝えようとした彼女のマイクロチップは悲鳴を上げていた。
_
(; ゚∀゚) (……貞子?)
川д川(……!!)
だが、それとは別に、彼女の自立を壊す何かが。
川Д川 (ッ!)
その身に降りかかった時には、既に倒れていた。
128
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:38:26 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
_
( ゚∀゚)(貞子……?)
突然の転倒。もしかすると損傷の蓄積が稼働の限界を訴えたのか。
そう思った長岡は、眠っているように動かない彼女の顔を、黒髪を払って覗き込む。
川-、川
端正な顔だった。均等の取れたパーツを見て、改めて製作者の煩悩に感嘆する。
とはいえ、急がなければ。異常を表示している箇所を見つけることにそう時間はかからなかった。
川『エラー』、- 川
貞子の瞳は特殊であった。
万が一、使命に支障が出た際に外部へと情報を伝えるための装置を、宇都宮はレンズに埋め込んでいた。
もっとも、それはとても小さいものだったし、そもそも古城探索において、あまり有効な装置とは言えない。それでも長岡は、目と目が触れるほどに近づかせ、解読した。
129
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:39:24 ID:Hcl4dlPMO
_
( ゚∀゚)(エラーメッセージ……再起動すればいいのか?)
さて、どこに再起動するボタンがあるのだろうか。そういった希望と不安は、絶望と恐怖に塗り替えられる。
『残念ながらそれは不可能というものだ』
機械的なメッセージの次に瞳に映ったのは、饒舌な文字の羅列だった。
_
(; ゚∀゚)(……主か)
130
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:40:39 ID:Hcl4dlPMO
落胆と諦念が長岡の頭に浮かぶ。映る瞳が連ねる文字は、貞子のエゴを超えていた。
『永遠の存在だよ、彼女は。帰すには惜しい』
_
( ゚∀゚)(インターネットミームである主が機械を支配することは容易というわけだね)
『その通りだ。電源を落とせばこのロボットのosと、つながっている火星のPCを爆発させる』
_
( -∀゚)(やっかいなウイルスだ)
『諦めろ。お前になすすべはない』
_
( -∀-) (いや)
_
( ゚∀゚) (俺はもう諦めない)
131
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:44:36 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
通 信 不 能
〜〜〜
132
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:45:37 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
視界がぼやける。再起動プログラムが発動したことを自覚する。うっすらと見える面影がとても近かった。
まだ、自由に体を動かせる状態でもなく、視認性も著しく落ちてはいるものの、脳の活動に異常はなかった。
二度目の復帰に貞子は驚く。直前の情報を解読し、見える範囲で周囲の状況を確認した。
仄暗い井戸も、薄暗い土蔵も、夕暮れの祭囃子もない。
あるのは、至近距離に居る、変態幽霊。
133
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:46:43 ID:Hcl4dlPMO
川-、川(……)
視界が開けていく。金髪の髪が頬にかかりそうだ。
川・ο川(長岡……!)
彫の深いその顔が、その実体が、意図していない念を頭に浮かべさせる。
川^ー川(長岡ぁ!!)
134
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:48:54 ID:Hcl4dlPMO
名前を叫んで気が付いた。
そういえば、彼はいつから自分の名前を知っているんだろう。
135
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:50:38 ID:Hcl4dlPMO
そうして、完全に起動した彼女が見た長岡の姿に。
''';;::.'';;:, '::
.,. ';; ';;: ;
.:;;;;;, ;; ,;:;ー--
.:;;' ';_,;_;:'Y ィヘ`
;;; .:;#:∵∴∵\ヽ_)L
' ,:;'#:※)∵*:ヘ∥
`.:;; #∵ヽ∀〃∵||||
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;rY`r⌒ヘ!  ̄ ̄ !</:||
'Lノー'ー'ス、T(●) ̄¨;||
`/ (_ノ; :;'ハ |
| i|||, / ̄ ̄v:∪
|| |||/∴:;i∴∵;:'
|| |∪、∵:イ)i∴∵;::
|| | ';: ̄(  ̄ ̄;:'
|| / ':;;,' ̄'::,
.`^~ '';;, ''
(もう、大丈夫だよ)
一時停止せざるを得なかった。
136
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:51:49 ID:Hcl4dlPMO
〜〜〜
火星の拠点でその様子をうかがっていた宇都宮とその部下たちは、貞子の映し出すレンズの中の箱庭を眺めていた。
ガラス製の高画素モニターの向こうに見える、怪奇と地球の今に、ある者は倒れ、ある者は失禁していた。
それでも、ほとんどの人間たちは事の顛末を見守った。感情移入する者も居た。
久しぶりに感じた、好奇心の為せる静聴だった。
137
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:52:53 ID:Hcl4dlPMO
そして、最後に映った映像を見た怠惰な人間たちは。
とにかく笑った。
滑稽であり、面白おかしく、珍妙で、剽軽な、コミカルめいた茶番劇は、彼ら、彼女らに笑いを与えた。
極上のエンターテイメントだった。
地球などどうでもよく思えるほどに笑った。
笑って笑って、とにかく笑えた。
138
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:55:40 ID:Hcl4dlPMO
(((((*'∀`*)))))
宇都宮は、息もできないほどの状態で、キーボードから、子に伝えた。
139
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:57:03 ID:Hcl4dlPMO
貞子の感情は、
爆発した。
140
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:58:04 ID:Hcl4dlPMO
〃ⅢⅢ
ⅢⅢⅢⅢ ⅢⅢ
ⅢⅢⅢ ⅢⅢⅢ
ⅢⅢ _,-─、-= 、ⅢⅢ
ⅢⅢⅢ/〆 ̄  ̄ヾ ⅢⅢⅢ
∥ⅢⅢⅢ/″_. | ⅢⅢⅢ
ⅢⅢⅢ / /:."-、 | ⅢⅢ∥
ⅢⅢⅢ/V::o:::ヽ/ ⅢⅢ
ⅢⅢⅢ|V::●::ノ/ Ⅲ川
ⅢⅢⅢ| ヾ~~ ̄= Ⅲ ∥
∥ⅢⅢ∥ ミニ~ ̄ Ⅲ |
Ⅲ∥|  ̄ ∥
| |
141
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 08:59:27 ID:Hcl4dlPMO
【ロボの貞子が古城を調査したらみんなとにかく笑えるようです】
おしまい。
142
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 09:19:22 ID:yx4kiImc0
乙乙
どきどきした
143
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 11:19:27 ID:x6BhOP3Q0
乙
クトゥルー的な感じ
144
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 14:09:47 ID:kdwtcvmk0
すげぇこわい。心霊のかんじでもないけどこわい
クトゥルフ的こわさだった。おつ
145
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 22:34:58 ID:uaVW1P7s0
SCPかと思ったら、ドグラマグラだった。
なんかそんな印象、乙
146
:
名も無きAAのようです
:2015/08/22(土) 17:49:53 ID:NdGFP3Cg0
面白かった。雰囲気がとても良いですね。
貞子からの視点では謎の一端にしか触れられなかったので(それがこの作品の魅力ある世界観を演出をしている面もあるのだけど)
長岡視点の話だったり過去の地球を舞台にした番外編があることを期待してしまいます
148
:
名も無きAAのようです
:2015/09/02(水) 19:47:09 ID:PM2WDzZ.0
乙乙
149
:
名も無きAAのようです
:2016/03/24(木) 22:51:09 ID:w2guVCps0
面白かった
貞子は遊ばれていただけってことる
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