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優しい衛兵と冷たい王女のようです 番外編 『暁の綾蝶』

24 ◆MgfCBKfMmo:2015/07/20(月) 13:34:37 ID:VABT4D4M0
 クーは俯いていた。感情が胸多くから次々と湧き、泡のように弾けていった。
 言えないことだ。全部、言ってはならない。言ったって、オオカミは聞いてはくれないだろう。
 誰にも届かない言葉など、口に出したら、自分あ傷つくだけだ。忘れた方がいい。忘れろ。忘れてくれ。
 今までだってそうやって生きてきたじゃないか。

「危ない!」

 見知らぬ男の叫びに、クーは顔を上げた。
 右の頬が風を浴びる。
 白刃が空気を切り裂き、オオカミの肩を貫いた。
 オオカミの口から尋常でない動揺の唸りがあがる。座っていることもできず、クーの袂を離れて横に突っ伏した。
 白刃が抜かれ、鮮血が噴き出す。クーの顔にもかかる。服にも、身体にもかかった。


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